説明

レボドパの放出制御製剤及びその使用

本発明は、レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及びカルボン酸を含む、レボドパの制御放出経口固形製剤を提供する。また、本発明は、i)レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及び速度制御賦形剤の混合物を含む制御放出成分、ii)カルボン酸成分、及びiii)レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤の混合物を含む即時放出成分、を含むレボドパのマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願全体にわたって種々の刊行物が参照される。本発明が関連する最新技術をより十分説明するために、これらの刊行物の開示の全文を参照することにより本出願に組み込む。
【0002】
本発明は、医薬品の薬物動態特質を高めるために、酸及びデカルボキシラーゼ阻害剤とともに配合される、レボドパ(LD)の制御放出医薬組成物に関する。これらの製剤は、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する神経系疾患のような状態の治療に有用である。
【背景技術】
【0003】
パーキンソン病(PD)を治療するためのレボドパ(LD)及びデカルボキシラーゼ阻害剤(典型的にはカルビドパ(CD))の組み合わせは、医薬品分野で既知であり、PDの症状の「金標準」治療であると多くの人々に考えられている。現在、LD及びCDの組み合わせを含有するいくつかの製剤、例えばSINEMET(登録商標)、STALEVO(登録商標)、PARCOPA(登録商標)、及びATAMETRが市販されている。それにもかかわらず、毎日の投薬中の「最高最低間」変動が最小限であるLDのより定常な血漿濃度を提供し、現在市販されているCD/LDの経口剤形より長時間作用する、経口LD製剤に対する要求が残っている。
【0004】
PDに罹患している患者は、頻繁に移動が困難になる期間を有し、これにより運動不能になることが多い。異常に低いレベルのドーパミン(移動性に影響を及ぼし、骨格−筋肉系を制御する神経伝達物質)が、一般的にPD患者におけるこれらの運動症状の原因であると考えられている。しかしながら、ドーパミンの投与は、パーキンソン病の治療に有効ではない、なぜならドーパミンは血液脳関門を通過しないためである。この問題を解決するために、PD患者にレボドパ(ドーパミンの代謝前駆体)を投与するが、レボドパに問題がないわけではない。
【0005】
レボドパは血液脳関門を通過し、急速にドーパミンに変換されるが、LDは脳以外の組織により急速に脱炭酸されるため問題がある。よって、LDを単独で投与したとき、ほんの一部しか未変化で脳に輸送されないため、大量に投与する必要がある。更に、レボドパを経口投与したとき、それは脳外組織において急速にドーパミンに脱炭酸され、その結果用量のほんの一部しか未変化で中枢神経系に輸送されない。カルビドパは末梢性レボドパの脱炭酸を阻害し、血液脳関門を通過しない。そのデカルボキシラーゼ阻害活性は脳外組織に限定されているため、レボドパとともにカルビドパを投与することは、レボドパを脳への輸送に対してより利用可能にするために一般的である。
【0006】
LDの吸収に関連するこれらの障害に加えて、時間が経つと、LDで治療された患者はまた「wearing off」症状を呈する。LDで治療されたPD患者は、薬の切れ際の痛み(end-of-dose failure)、最高投与量ジスキネジア、及び無動を特徴とする運動変動を発現する恐れがある。運動変動の進行型(これはまた一般に「on−off」現象とも呼ばれる)は、可動性から不動性への予測不可能な揺れを特徴とする。これらの運動変動の原因は完全には理解されていないが、一部の患者ではLDの血漿濃度を定常にする治療レジメンにより弱まる場合がある。よって、PD患者のLD治療にはすき間が残っている、なぜなら血漿濃度のレベルは制御するのが依然として困難であるためである。
【0007】
現在入手可能なCD/LDの制御放出製剤は、LD血漿範囲を狭く維持しようとして、長期間にわたって薬物の連続放出を可能にすることを意図している。しかしながら、これらの制御放出剤形の使用は、多くのPD患者が、前の日/夜に摂取した用量のwearing offのために、朝起きたときにほとんど又は全く動けないという点で問題がある。いったん前回の用量が消えると、このような患者は通常、必要な血漿レベルのLDを送達するために制御放出剤形に必要な長い期間待つのを嫌がる、又は待つことができない場合さえある。LDの即時放出製剤の使用はこの「待ち時間」を減らすことができるが、LDの即時放出製剤の使用は、より頻繁に投薬することが必要であり、血漿LD濃度のより大きな変動に関連する。DUODOPA(登録商標)(米国外で承認されている十二指腸内注入療法)は、運動合併症の著しい現象及び「off」時間の減少を示す。DUODOPA(登録商標)の累積経験及び実験的注入研究は、安定な血漿LD濃度の維持及び低トラフレベルの回避が、標準的な経口製剤に比べて、「off」時間の減少、不能ジスキネジアのない「on」時間の増加、及びジスキネジアの重篤度の低下に有効であると思われることを示す。しかしながら、このような注入療法は、患者にとって極めて不便である。
【0008】
DUODOPA(登録商標)のような注入療法の結果は、一定、又は比較的定常なLD血漿濃度を提供して、PD症状の軽減を最適化し、「off」時間及びジスキネジアを最小化する、LD治療の開発に対する理論的根拠を示唆する。実際に、LDの血漿範囲を狭め、次に「off時間」を減少させ、「on時間」を延長し、「on」への時間を減少させることにより、PD患者に対するLD投与を改善する、より便利な、すなわち経口剤形に対する要求が残っている。本発明は、デカルボキシラーゼ阻害剤及び酸とともに配合されて、所望の薬物動態特質を得る、すなわち長期間にわたってLDの血漿濃度がより定常である、LDの新規制御放出経口固体剤形を提供することにより、このすき間を埋める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及びレボドパでもデカルボキシラーゼ阻害剤でもないカルボン酸を含む、レボドパの制御放出経口固形製剤を提供する。また、この発明により、i)レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及び速度制御賦形剤を含む制御放出成分と、ii)カルボン酸成分と、iii)レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤の混合物を含む即時放出成分と、を含む、レボドパのマルチ微粒子(multiparticulate)、制御放出経口固形製剤も提供される。
【0010】
本発明は、更に、長期間にわたって比較的定常なレボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを提供する、レボドパの制御放出経口固形製剤を請求し、このレボドパの制御放出経口固形製剤は、a)投与時間、b)第1の濃度、及びc)第2の濃度を含む、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有し、ここで第1の濃度は前記プロファイルの最高濃度に等しく、第2の濃度は、前記第1の濃度より遅く、投与後約6時間以内である時間に生じる最低濃度であり、第2の濃度は、第1の濃度の約50パーセント以上である。
【0011】
更に、本発明は、本発明の医薬製剤を製造及び使用する方法を提供する。パーキンソン病に罹患している患者の運動変動を減少させる方法、パーキンソン病に罹患している患者のoff時間を減少させる方法、パーキンソン病に罹患している患者のon時間を増加させる方法、パーキンソン病に罹患している患者の「on」への時間を減少させる方法、及び他の方法でドーパミンレベルの低下又は不良に関連する疾患に罹患している被験者におけるドーパミンレベルを高める方法が、目下請求されている発明により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】IPX066製剤が約6時間より長い間注入様血漿プロファイルを提供することを示すグラフである。
【図2】下記実施例1に記載のように、参照(Sinemet(登録商標))と比較した、PX066−B−05−07製剤A、B、及びCのインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【図3】下記実施例2に記載のように、参照(Sinemet(登録商標))と比較した、IPX066−B−06−02製剤A、B、D、及びEのインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【図4】下記実施例3に記載のように、参照(Sinemet(登録商標))と比較した、IPX066−B−07−01製剤A、B、及びCのインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【図5】IPX066製剤のインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【図6】Sinemet(登録商標)CRと比較した、IPX066製剤のロバストでより低い被験者内変動を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する神経系疾患又は状態を治療するための、LD、デカルボキシラーゼ阻害剤、及びカルボン酸を含む制御放出医薬製剤に関する。本発明の医薬製剤は、患者における、より定常な、又はより一定のLD血漿濃度を提供し、これによりPD患者における運動変動が減少し、「off」時間が減少し、「on」時間が増加する。
【0014】
定義
本出願で用いられる全ての科学及び技術用語は、特に明記しない限り、当該技術分野において一般に用いられている意味を有する。本出願で用いるとき、以下の語又は語句は、指定の意味を有する。
【0015】
用語「酸」は、水に溶解したとき、pH7未満の溶液が得られる化学物質を指す。「酸」は、有機であってもよい。それは、例えば2〜5の範囲のpKaを有することができる。本発明に好適な酸の例としては、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、エデト酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、オレイン酸、ソルビン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びホウ酸、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
用語「有効量」は、所望の治療効果を生み出すのに有効な、本発明による化合物/組成物の量を意味する。
【0017】
「錠剤」又は「丸剤」は、ある形態に圧入された医薬製剤を含む。その形態は、例えば円形、楕円形、三角形、又は他の形状等の任意の形状であってもよい。
【0018】
「カプセル」は、医薬製剤が硬質又は軟質可溶性容器に包まれた医薬製剤を含む。容器は、ゼラチン、又は他の材料の形態であってもよい。
【0019】
用語「調節放出」(MRとしても知られる)は、遅延放出(DRとしても知られる)、及び制御放出(CRとしても知られる、持続放出(SR)、長期放出(PR)、又は延長放出(ER))を含む。
【0020】
用語「遅延放出」(DRとしても知られる)は、遅延期間後活性成分を放出する医薬製剤又は成分に関する。
【0021】
用語「制御放出」(CRとしても知られる)は、長期間にわたって、この場合1時間超の期間にわたって、1種以上の薬剤を放出、又は送達する、医薬製剤又は成分に関する。
【0022】
用語「即時放出」(瞬間放出、又はIRとしても知られる)は、実質的に投与時に即座に1種以上の薬剤を放出、又は送達する医薬製剤又はその成分に関し、約1時間(又はそれ未満)以内に実質的に完全に溶解する。
【0023】
用語「放出賦形剤」又は「速度制御賦形剤」は、互換的に用いてもよい。放出賦形剤又は制御放出賦形剤は、被験者への投与後、医薬品(1種又は複数)、例えばLD、CD、及びこの場合酸、の放出を制御する全ての賦形剤及び/又はポリマーを含む。放出賦形剤又は制御放出賦形剤の例としては、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、及びプロプ−2−エン酸が挙げられるが、これらに限定されない。放出賦形剤又は制御放出賦形剤のサブセットとして、遅延放出ポリマーを用いて、被験者への投与後、医薬品(1種又は複数)の放出を遅延させる。遅延放出ポリマーの例としては、Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)S100、又はEudragit(登録商標)FS30D(Rohm)のような、腸溶性ポリマー及び/又は中性メタクリルポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
「USPパドル法」は、United States Pharmacopoeia,Edition XXII(1990)に記載されているような、パドル及びバスケット法(Paddle and Basket Method)を指す。
【0025】
用語「最高最低間比」は、一定時間にわたる、活性剤の最高(例えば、線グラフの高点)血漿濃度と、最低(例えば、線グラフの低点)濃度との値の比較を指す。例えば、4時間にわたって、200ng/mL(最低)に比べて、400ng/mL(最高)の範囲の血漿LD値を有する線グラフでは、その時間に対して最高最低間比2が得られる。2つ以上の最高最低間比が、グラフ中に示される場合がある。
【0026】
用語「約」は、百分率と併せて用いられるとき、+/−1%を意味する。
【0027】
本明細書で使用するとき、物質(例えば、LD又はCD)の「平均血漿濃度」は、複数の結晶サンプルで見出された物質の平均濃度を指す。平均血漿濃度は、血漿サンプルで見出された物質の濃度を足して、次いで合計を血漿サンプルの数で割ることにより得られる。
【0028】
「上部小腸」は、胃に最も近い位置を指し、十二指腸及び空腸を含む。
【0029】
用語「外皮」は、医薬製剤又はその成分に適用される被膜又はバリアを指し、腸溶性コーティングであってもよい。
【0030】
ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する疾患としては、むずむず脚症候群、アルツハイマー病、ジストニア、統合失調症、パーキンソン病、及び続発性パーキンソン症候群、ハンチントン病、注意欠陥多動性障害(ADHD)、シャイ・ドレーガー症候群、並びに一酸化炭素又はマンガン中毒を含む、脳損傷から生じる状態のような、神経系又は運動障害が挙げられる。
【0031】
用語、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する疾患を「治療する」は、本発明の医薬製剤を用いて疾患を管理することを意味する。治療は、疾患の症状を減少させる、疾患の重篤度を低下させる、疾患の経過の進行を変化させる、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する神経系又は運動障害に関連する疾患を寛解及び/又は治癒させることができる。
【0032】
本発明の組成物
本発明の重要な態様は、得られる製剤によりLD血漿濃度が「より狭く」なる、すなわちより定常になるように、LDの吸収制御における、カルボン酸の効果の予想外の発見に関する。
【0033】
本発明は、レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及びカルボン酸を含む、レボドパの制御放出経口固形製剤を提供する。本発明の1つの実施形態では、カルボン酸は、レボドパでもデカルボキシラーゼ阻害剤でもない。本発明の実施に従って、カルボン酸は、レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤から物理的に分離してもよい。医薬製剤は、単一の酸、又は酸の混合物を含んでもよい。
【0034】
1つの実施形態では、カルボン酸は、ポリカルボン酸であってもよい。別の実施形態では、カルボン酸は、ジカルボン酸であってもよい。カルボン酸の好適な例としては、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、エデト酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、オレイン酸、ソルビン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びホウ酸、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ジカルボン酸は酒石酸である。
【0035】
デカルボキシラーゼ阻害剤の好適な例としては、カルビドパが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の実施に従って、製剤は錠剤又はカプレットであってもよい。錠剤又はカプレットは、単層であっても、多層であってもよい。錠剤又はカプレットは、マトリックス錠剤又はカプレットであってもよい。
【0037】
また、本発明の実施に従って、製剤はマルチ微粒子製剤であってもよい。本発明の実施形態では、マルチ微粒子はカプセル化される。別の実施形態では、マルチ微粒子はカプセル化されない。マルチ微粒子は、錠剤に圧入してもよい。あるいは、マルチ微粒子は、容易に摂取するために、食品又は液体上に直接振りかけることができるスプリンクル(sprinkle)形態であってもよい。
【0038】
本発明の実施形態では、製剤は、レボドパ吸収における被験者内変動を減少させる。被験者内変動は、個々の被験者に製剤の1回量を投与した後約0.5時間から投与した後約6時間の範囲にわたって測定される平均レボドパ濃度で割った、レボドパ濃度の標準偏差として計算することができ、少なくとも12人の被験者で平均したとき、約0.40以下である。
【0039】
本発明の制御放出経口固形製剤は、約1:1〜約1:10の比でカルビドパ及びレボドパを含んでもよい。1つの実施形態では、カルビドパのレボドパに対する比は約1:4である。
【0040】
本発明の制御放出経口固形製剤は、4:1未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有してもよい。1つの実施形態では、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比は、1:4超かつ3:2未満である。別の実施形態では、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比は、1:2超かつ4:3未満である。更に別の実施形態では、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比は、2:3超かつ5:4未満である。更なる実施形態では、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比は、1:1超かつ4:3未満である。
【0041】
本発明の制御放出経口固形製剤は、約25mg〜約2000mgのレボドパを含んでもよい。1つの実施形態では、製剤は、約50〜600mgのレボドパを含む。
【0042】
本発明の制御放出経口固形製剤は、約10〜約300mgのカルビドパを含んでもよい。本発明の実施形態では、制御放出経口固形製剤は、約10〜80mgのカルビドパを含む。
【0043】
本発明はまた、レボドパの、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤を提供する。本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、1)レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及び速度制御賦形剤の混合物を含む制御放出成分と、2)カルボン酸成分と、3)レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤の混合物を含む即時放出成分と、を含む。本発明の実施形態では、デカルボキシラーゼ阻害剤はカルビドパである。本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、レボドパ吸収における被験者内変動を減少させることができる。
【0044】
本発明の実施に従って、制御放出成分は、別個の成分であってもよい(例えば、カルボン酸及び即時放出成分から分離された)。本発明の実施形態では、カルボン酸成分は、別個の成分である(例えば、制御放出及び即時放出成分から分離された)。更に別の実施形態では、即時放出成分は、別個の成分である(例えば、制御放出及びカルボン酸成分から分離された)。本発明の更に別の実施形態では、制御放出成分、即時放出成分、及びカルボン酸成分は、それぞれ別個の、分離可能なビーズとして製造される。
【0045】
本発明の実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤の成分の全て(つまり、制御放出、カルボン酸、及び即時放出成分)は、単一成分に共配合される。
【0046】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、カルボン酸及び速度制御賦形剤を含む1種以上の制御放出カルボン酸成分を更に含んでもよい。カルボン酸の好適な例としては、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、エデト酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、オレイン酸、ソルビン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びホウ酸、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、カルボン酸は酒石酸である。更に、制御放出カルボン酸成分は、1種以上の腸溶性ポリマーでコーティングされたカルボン酸コアを含んでもよい。特定の実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、異なる速度でカルボン酸を放出する、少なくとも2種の制御放出カルボン酸成分を有する。
【0047】
本発明の実施に従って、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤の速度制御賦形剤は、腸溶性ポリマー、又は2種以上の腸溶性ポリマーの混合物であってもよい。1つの実施形態では、速度制御賦形剤は、中性メタクリルポリマーである。
【0048】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤の実施形態では、制御放出成分はカルボン酸を更に含む。カルボン酸は、ジカルボン酸であってもよい。
【0049】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤の実施形態では、制御放出成分は、1種以上の腸溶性ポリマーでコーティングされたレボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤のコアを含む。
【0050】
マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、カルビドパ及びレボドパが約1:1〜約1:10の比で存在する実施形態を提供する。1つの実施形態では、カルビドパのレボドパに対する比は1:4である。
【0051】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、カルボン酸のレボドパに対するモル比が4:1未満である実施形態を提供する。1つの実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、1:4超かつ3:2未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する。別の実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、1:2超かつ4:3未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する。更に別の実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、2:3超かつ4:3未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する。更なる実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、1:1超かつ4:3未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する。
【0052】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、約25mg〜約1200mgのレボドパを含む実施形態を提供する。1つの実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、約50〜約600mgのレボドパを含む。
【0053】
本発明のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、約10mg〜約300mgのカルビドパを含む実施形態を提供する。1つの実施形態では、マルチ微粒子、制御放出経口固形製剤は、約20mg〜約80mgのカルビドパを含む。
【0054】
本発明の医薬製剤は、界面活性剤(イオン性及び非イオン性)、親油性ビヒクル、及び親水性ビヒクルが挙げられるが、これらに限定されない賦形剤を更に含んでもよい。
【0055】
本発明の実施に従って、速度制御賦形剤の例としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、エチルセルロース、及びプロプ−2−エン酸が挙げられるが、これらに限定されない。プロプ−2−エン酸の1つの好適な例は、Carbopol(登録商標)(Noveon又はDow Chemical Co.)である。遅延放出ポリマーの例としては、Eudragit(登録商標)FS30D、Eudragit(登録商標)S100、Eudragit(登録商標)L100−55、及び/又はこれらの任意の混合物若しくは組み合わせ(Rohm)のような中性メタクリルポリマーが挙げられる。Eudragit(登録商標)L100−55は、pHが5.5を超える上部小腸における薬物放出を標的とするために、コーティングされた剤形で用いることができる腸溶性ポリマーである。Eudragit(登録商標)S100は、pHが7を超える下部小腸から結腸において、標的化された薬物放出を達成するために用いることができる。本発明の製剤の調節放出成分を、上記ポリマーのいずれか、及び/又は混合物とともに配合して、所望のLD血漿濃度プロファイルを得ることができる。本発明で用いることができるポリマーの選択肢としては、Eudragit(登録商標)、酢酸フタル酸セルロース、酢酸フタル酸ポリビニル、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートLF、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネートHF、及び他のものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
本発明の医薬製剤は、可塑剤(例えば、クエン酸トリエチル)、潤滑剤(タルク及びステアリン酸マグネシウムのような)、及び崩壊剤(クロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンのような)、又はこれらの任意の組み合わせを含む、一般に知られており、当業者により用いられている他の賦形剤を更に含んでもよい。
【0057】
本発明は、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する又は呈するレボドパの制御放出経口固形製剤を提供し、このプロファイルは、投与時間、第1の濃度、及び第2の濃度を含む。レボドパの制御放出経口固形製剤は、少なくとも1種のカルボン酸、例えば酒石酸を更に含んでもよい。
【0058】
本発明の実施に従って、第1の濃度は、最高レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルに等しくてもよく、第2の濃度は、前記第1の濃度より遅く、投与後約6時間以内である時間に生じる最低濃度であってもよい。第2の濃度は、前記第1の濃度の約50パーセント以上であってもよい。
【0059】
本発明の1つの実施形態では、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、中央レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルである。別の実施形態では、レボドパ濃度プロファイルは、平均レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルである。
【0060】
更なる実施形態では、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、第3の濃度を更に含む。第3の濃度のレボドパプロファイルは、第1の濃度の50パーセント以上であってもよい。更に、第3の濃度は、前記第1の濃度より早く、投与時間の約90分以内である時間に生じる場合がある。特定の実施形態では、第3の濃度のレボドパは、第1の濃度の60パーセント以上であってもよく、第2の濃度は、第1の濃度の60パーセント以上であってもよい。
【0061】
本発明の実施に従って、第2の濃度は、前記投与時間の1時間後と第2の時間との間に生じる最低濃度であってもよい。1つの実施形態では、第1の濃度は、380mgのレボドパ用量では、825〜1505ng/mLである。
【0062】
レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、11:1〜25:1である、平均AUC(ng h/mLの単位で測定される)の、製剤中のレボドパの質量(前記質量はmgで測定される)に対する比を有してもよい。1つの実施形態では、比は、14:1〜19:1である。更に、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、9:2〜6:1である、平均AUC(ng h/mLの単位で測定される)の、前記第1の濃度(前記濃度はng/mLの単位で測定される)に対する比を有してもよい。
【0063】
レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、380mgのレボドパ用量では、4330〜8000ng h/mLの平均AUCを有してもよい。1つの実施形態では、平均AUCは、380mgのレボドパ用量では、5000〜7000ng h/mLである。
【0064】
レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、3:1〜5:1である、第1の濃度(ng/mLの単位で測定される)の、製剤中のレボドパの質量(前記質量はmgで測定される)に対する比を有してもよい。1つの実施形態では、比は、5:2〜7:2である。別の実施形態では、比は3:1以上である。
【0065】
1つの実施形態では、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルは、投与時間、投与時間の1時間以内に生じる第1の時間における第1の濃度、前記第1の時間後に生じる、第2の時間における第2の濃度、及び前記第2の時間の少なくとも4時間後に生じる、第3の時間における第3の濃度を含む。第2の濃度は、プロファイルにおけるレボドパの最高濃度に等しくてもよく、第1の濃度は、第2の濃度の約50パーセントに等しくてもよく、前記第3の濃度は、第2の濃度の約50パーセントに等しくてもよい。
【0066】
別の実施形態では、制御放出経口固形製剤は、380mgのレボドパ用量では、図1におけるレボドパ製剤IPX066と実質的に同じレボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、又は380mg以外の用量では、図1における前記製剤に実質的に比例するレボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する。
【0067】
更に別の実施形態では、制御放出経口固形製剤は、プロファイルの最高濃度の、製剤の投与後1時間〜7時間のいずれかの時間における濃度に対する比が4:1以下であるような、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する。
【0068】
更なる実施形態では、レボドパの制御放出経口固形製剤は、第1の時間における第1の濃度、前記第1の時間後約1時間以内に生じる、第2の時間における第2の濃度、前記第2の時間後少なくとも4時間で生じる、第3の時間における第3の濃度、及び最高濃度を含む、中央レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する。第2の濃度は、前記プロファイルの最高濃度に等しくてもよく、第1の濃度は前記第2の濃度の50パーセントに等しく、第3の濃度は第2の濃度の50パーセントに等しい。
【0069】
医薬製剤のコーティング
本発明の別の態様は、酸、例えば酒石酸を含有する製剤の腸溶性コーティングの調製方法に関する。酸は、緩徐かつ可変的な薬物放出速度を生じさせる。長期及び緩徐な薬物放出速度は、コアにおける酸の存在により影響を受ける、腸溶性コーティングの溶解の干渉によるものである可能性がある。干渉は、コーティングのpHを上昇させるように、例えばコーティング製剤に塩基(例えば、NH又はNHOH)を添加することにより、コーティングの腸溶性ポリマーを部分的に中和することにより、著しく減少する場合がある。中和技術は、Eudragit(登録商標)L100、S100、及びFS100が挙げられるが、これらに限定されない、異なる腸溶性ポリマーに対して等しく有効であり得る。
【0070】
発明の方法
本発明は、有効量の本発明の医薬製剤を被験者に投与し、それによりドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している被験者のドーパミンレベルを高めることを含む、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している被験者のドーパミンレベルを高める方法を提供する。
【0071】
本発明はまた、有効量の本発明の医薬製剤を被験者に投与し、それによりドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している被験者のドーパミンレベルを維持することを含む、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している被験者のドーパミンレベルを高める又は維持する方法を提供する。
【0072】
被験者のドーパミンレベルを上昇させる又は維持することにより、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している被験者を治療することができる。ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態の例としては、アルツハイマー病、ジストニア、統合失調症、及びパーキンソン病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
本発明は更に、有効量の本発明の製剤のいずれかを患者に投与し、それにより患者の運動変動を減少させるのに有効なレボドパの血漿濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者の運動変動を減少させる方法を提供する。本発明の1つの実施形態では、製剤は6時間間隔で投与される。
【0074】
更に、有効量の本発明の製剤のいずれかを患者に投与し、それにより患者のoff時間を減少させるのに有効なレボドパの血漿又は血清濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者のoff時間を減少させる方法を提供する。
【0075】
更に、本発明は、有効量の本発明の製剤のいずれかを患者に投与し、それにより患者のon時間を増加させるのに有効なレボドパの血漿又は血清濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者のon時間を増加させる方法を提供する。
【0076】
また、有効量の本発明の製剤のいずれかを患者に投与し、それにより患者のonへの時間を減少させるのに有効なレボドパの血漿又は血清濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者の「on」への時間を減少させる(例えば、レボドパの有効性を促進する)方法が提供される。
【0077】
「on」及び「off」時間の決定は、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)の運動試験、歩行時間、及び/又はタッピング数のような、従来のパラメータの測定に基づいてもよい。これらのパラメータのそれぞれについて、「on」の定義は、予投与測定値からの変化、及び標準的な方式で分析された結果に基づいてもよい。例えば、タッピング数については、予投与測定値の平均からの約10%の変化が、「on」の時間を定義することができる。歩行時間については、約15%の変化を用いることができる。
【0078】
本発明の実施に従って、レボドパの血漿又は血清濃度は、投与時間、第1の濃度、及び第2の濃度を含む、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、レボドパの制御放出経口固形製剤を含む。方法の1つの実施形態では、前記第1の濃度は、前記プロファイルの最高濃度に等しく、前記第2の濃度は、前記第1の濃度より遅く、投与時間の約6時間以内の時間に生じる最低濃度であり、前記第2の濃度は、前記第1の濃度の約50パーセント以上である。別の実施形態では、第2の濃度は、前記投与時間の1時間後と、前記第2の時間との間に生じる最低濃度である。
【0079】
本発明の方法では、濃度プロファイルは、中央血漿又は血清濃度プロファイルであってもよい。更に、濃度プロファイルは、平均血漿又は血清濃度プロファイルであってもよい。
【0080】
1つの実施形態では、濃度プロファイルは、第3の濃度を更に含み、前記第3の濃度は前記第1の濃度の50パーセント以上であり、前記第3の濃度は、前記第1の濃度より早く、前記投与時間の約90分以内である時間に生じる。別の実施形態では、第3の濃度は、前記第1の濃度の60パーセント以上であり、前記第2の濃度は、前記第1の濃度の60パーセント以上である。
【0081】
本発明の実施に従って、疾患としては、アルツハイマー病、ジストニア、統合失調症、及びパーキンソン病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0082】
本発明は、治療的に有効な量の、本発明の製剤のいずれかを被験者に投与することを含む、被験者においてレボドパの治療的に有効かつ安定な中央及び/又は血漿又は血清濃度を提供する方法を更に提供する。1つの実施形態では、血漿レベルは、投与後0.5時間〜投与後6時間の間に、40%超変動しない。
【0083】
本発明の利点
最適には、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する状態に罹患している患者への投与後、本発明の医薬製剤は、定常又はほぼ一定のレベルで、すなわち、LD血漿濃度の最高最低間比が低く、例えば注入投与を模倣する、長時間著しく減少又は変動することなく、患者の血漿にLDを放出し、それにより現在入手可能なCD/LDの経口剤形により引き起こされる運動変動、又は血漿LDレベルの変動に関連する「on−off」効果を減少させる。
【0084】
本発明の医薬製剤は、現在入手可能な経口医薬製剤より、優れた血漿LDプロファイルを患者に提供する。本発明の製剤は、例えば、Q6h投薬により、著しく小さな最高最低間LD血漿濃度比を提供することができる(すなわち、初期最高値後のLDの血漿範囲を狭める)。更に、本発明の医薬製剤のいくつかの実施形態は、LDの血漿レベルを上昇させることによる改善を提供する。本発明の医薬製剤はまた、狭い範囲の血漿LDレベルを提供し、それにより一部の患者における「on−off」効果を最小化する。本発明の、持続、定常LD血漿プロファイルは、優れた、一貫した疾患管理を提供すると期待される。
【0085】
以下の実施例は、本発明を例証し、それを製造及び使用する当業者を補助するために提示される。実施例は、いかなる方法でも、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【実施例】
【0086】
【実施例1】
【0087】
酒石酸を含む、カルビドパ及びレボドパの錠剤
50〜200mgのCD−LDと、215mgの酒石酸を用いて、本発明の錠剤製剤の生体利用能/薬物動態結果を、Sinemet(登録商標)の制御放出バージョンと比較した。
酒石酸を含むCD−LDの錠剤の調製(IPX066−B05−07)
CD、LD、及びヒドロキシプロピルをブレンダーに充填し、均一に混合した。次いで、粉末ミックスを高剪断造粒機に充填し、精製水を用いて造粒した。顆粒の乾燥は、60±10℃のオーブン内で一晩行った。乾燥した顆粒を、25メッシュの篩に通し、次いでブレンダーに充填し、ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0088】
酒石酸の最終ブレンドを調製するために、顆粒状酒石酸を、20メッシュの篩に通した。酒石酸、微結晶性セルロース、及びヒプロメロースを、高剪断ミキサに充填し、その中でブレンドし、エチルアルコールを用いて造粒した。得られた顆粒を、55±10℃で流動床処理機内にて乾燥させた。乾燥顆粒を、25メッシュの篩に通し、次いでブレンダーに充填し、ステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0089】
最終CD/LD及び酒石酸ブレンドを、錠剤に圧縮した。
【0090】
ヒト被験者における、カルビドパ−レボドパの50〜200mgの製剤の薬物動態に対する、酒石酸の得られる効果
【表1】

【0091】
試験薬物のインビトロ溶解プロファイルを以下に列挙する。IPX066−B05−07 A、B、及びCの製剤錠剤を、この実施例の最後に示す。
【表2】

【0092】
結果及び考察:図2は、経口投与後、Sinemet(登録商標)に比べて、酒石酸を含む、CD、LDの3種の製剤(本明細書ではIPX066−B05−07製剤A、B、及びCと称する)の、インビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフを示す。
【0093】
IPX066試験B及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験B錠剤の投与後、LD血漿プロファイルにおいて複数のピークが現れ、最高血漿濃度(Cmax)は投薬のおよそ2.5時間後に生じた(図2)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投与のおよそ4時間後に生じた。溶解速度に幅があるため、溶解速度が6時間であるIPX066試験B錠剤は、溶解速度が3時間である参照Sinemet(登録商標)CRとは対照的に、LDのCmaxは46%、AUCは44%、及びCDのCmaxは38%、AUCは41%低下した。
【0094】
IPX066試験C及びIPX066試験Bの薬物動態
1つのIPX066試験C錠剤の投与後、またLD血漿プロファイルにおいて複数のピークが現れ、Cmaxは投薬のおよそ3時間後に生じた(図2)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.5時間後に生じた。更に溶解速度に幅があるため、215mgの酒石酸を添加したIPX066試験Cは、酒石酸を添加しないIPX066試験Bと比較したとき、LDのCmaxは50%、AUCは41%、C6hは119%、C8hは65%、及びCDのCmaxは32%、AUCは35%上昇した。
【0095】
IPX066試験C及びIPX066試験Aの薬物動態
1つのIPX066試験A錠剤の投与後、またLD血漿プロファイルにおいて複数のピークが現れ、Cmaxは投薬のおよそ2時間後に生じた(図2)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.5時間後に生じた。IPX066試験Aと比べると、IPX066試験Cは同量の酒石酸を含有しているが、溶解速度は2時間遅かった。結果として、LDのCmax、LDのAUC、LDのC6h、LDのC8h、CDのCmax、及びCDのAUCは、それぞれ、およそ20%、14%、26%、4%、22%、及び18%低下した。
【0096】
IPX066試験A及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験A錠剤の投与後、またLD血漿プロファイルにおいて複数のピークが現れ、Cmaxは投薬のおよそ2時間後に生じた(図2)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.5時間後に生じた。BE評価は、製剤中に含まれる、溶解速度4時間のIPX066試験A及び酒石酸が、LD及びCDの両方のCmax及びAUC値に関して3時間の溶解速度を有する参照Sinemet(登録商標)CRと生物学的に同等であることを示した。加えて、IPX066試験AのLDのC6h及びC8hは、参照Sinemet(登録商標)CRよりも、それぞれおよそ25%及び4%低かった。
【0097】
本明細書のデータは、溶解速度の低下が、LD及びCDの曝露を低下させ、酒石酸の添加が、LD及びCDのCmax及びAUCを上昇させることを示した。
【表3】


【表4】


【表5】

【実施例2】
【0098】
IPX066−B06−02製剤A及びBの調製
CD及びLDを含有する腸溶性コーティングされたペレットを調製するために、以下の工程を実施した。
【0099】
CD、LD、及び微結晶性セルロース(Avicel PH−101)を充填し、均一に混合した。粉末ミックスを高剪断造粒機に充填し、精製水を用いて造粒した。造粒された湿塊を、穴の大きさが1.0mmである篩を備える、押出成形機内で押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化した。CD/LDペレットを、60±10℃で流動床処理機内にて乾燥させた。CD/LDペレットを、異なる大きさの篩に通した。回収されたペレットは、18及び25メッシュの篩上に残っていた。
【0100】
CD及びLDペレットに対する腸溶性コーティング溶液を調製するために、以下の工程を実施した。
【0101】
製剤IPX066−B06−02 Aでは、Eudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100(重量比2:1で)、並びにクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0102】
製剤IPX066−B06−02 Bでは、Eudragit(登録商標)S100及びクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0103】
両方の製剤について、Glatt GPCG−1塗布機内で調製されたコーティング分散液を用いて、CD/LDペレットを吹付塗布した。コーティングされたペレットを乾燥させた。乾燥した、コーティングされたCD/LDペレットを、16メッシュの篩を通してふるった。ふるったCD/LDペレットを、ブレンダーに充填し、タルクとブレンドした。
【0104】
酒石酸(TA)を含有する腸溶性コーティングされたペレットを調製するために、以下の工程を実施した。
【0105】
TAを20メッシュの篩に通した。ふるったTA及び微結晶性セルロース(Avicel PH−101)を高剪断ミキサに充填し、精製水を用いて造粒した。顆粒を穴の大きさが1.0mmである押出成形機内で押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化した。シードをオーブン内にて、60±10℃で一晩乾燥させた。乾燥したペレットを、16、18、及び25メッシュの篩に通した。回収されたペレットは、18及び25メッシュの篩上に残っていた。ヒプロメロース(Pharmacoat 606)及びエチルセルロースをアルコール溶液に充填することにより、封鎖コーティング溶液を調製した。溶解するまで、混合物を混合した。乾燥したTAペレットを塗布機に充填し、調製した封鎖コーティング溶液を吹付塗布した。封鎖コーティングされたCD/LDペレットを乾燥させ、14メッシュの篩に通した。
【0106】
TAペレットのための腸溶性コーティング溶液を調製するために、以下の工程を実施した。
【0107】
製剤IPX066−B06−02 Aでは、Eudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100(重量比2:1で)、並びにクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0108】
製剤IPX066−B06−02 Bでは、Eudragit(登録商標)S100及びクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0109】
両方の製剤について、封鎖コーティングされたTAペレットをGlatt GPCG−1塗布機に充填し、調製した腸溶性コーティング溶液を吹付塗布した。コーティングされたペレットを乾燥させた。乾燥した、コーティングされたTAペレットを、12メッシュの篩に通した。ふるったTAペレットを、ブレンダーに充填し、タルクとブレンドした。
【0110】
腸溶性コーティングされた薬物ペレット及び腸溶性コーティングされたTAペレットをカプセル化するために、以下の工程を実施した。
【0111】
上記のように調製した、コーティングされたCD/LDペレット、及び上記のように調製した、コーティングされたTAペレットを、硬質ゼラチンカプセルにカプセル化した。充填したカプセルは、50mgのカルビドパ無水物、200mgのLD、及び215mgのTAを含有していた。
【0112】
IPX066−B06−02製剤D及びEの調製
【0113】
カルビドパ(CD)及びレボドパ(LD)の最終ブレンドを調製するために、以下の工程を実施した。
【0114】
CD、LD、微結晶性セルロース、及びクロスカリメロースナトリウムを、ブレンダーに充填し、粉末に均一に混合した。コーンスターチを精製水に分散させ、15分間攪拌し、沸騰水に移動させ、デンプンペーストになるまで継続的に攪拌した。蠕動ポンプの噴霧速度を、デンプンペーストを用いて検証した。上記で調製した粉末化混合物を高剪断造粒機に充填し、50〜1000g/分の流速でデンプンペーストを用いて造粒した。LODが3.0%より低くなるまで、60±10℃にてオーブン内で乾燥させた。乾燥した顆粒を25メッシュの篩に通した。ふるったCD/LD顆粒、クロスポビドン、及びステアリン酸マグネシウムをブレンダーに充填し、ブレンドした。
【0115】
TAの最終ブレンドを調製するために、顆粒TAを20メッシュの篩に通した。TA及び微結晶性を、高剪断ミキサに充填し、ブレンドし、精製水を用いて造粒した。水分分析機により測定されたL.O.D.が2.0%未満になるまで、得られた顆粒を60±10℃のオーブン内で乾燥させた。乾燥顆粒を、24メッシュの篩を備えるFitzmillを通過させた。乾燥したTA顆粒及びステアリン酸マグネシウムをブレンダーに充填し、ブレンドした。
【0116】
最終ブレンドを、以下のように核錠に圧縮した。
【0117】
CD/LD最終ブレンド、及びTA最終ブレンドを計量し、混合し、錠剤に圧縮した。錠剤は、50mgのカルビドパ無水物、200mgのLD、及び215mgのTAを含有していた。
【0118】
パン塗布機内にてイソプロピルアルコール及び精製水の混合物に溶解したヒプロメロースを核錠に吹付塗布することにより、核錠に封鎖コーティングを適用した。水分分析機により測定されたL.O.D.が3.0%未満になるまで、得られた顆粒を60±10℃のコーティングパン内で乾燥させた。
【0119】
腸溶性コーティング溶液を以下のように調製した。
【0120】
IPX066−B06−02製剤Dでは、Eudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100(重量比0.25:1で)、並びにクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0121】
IPX066−B06−02製剤Eでは、Eudragit(登録商標)L100及びクエン酸トリエチルを、イソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させた。溶解するまで、混合物を混合した。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。
【0122】
封鎖コーティングされた錠剤をパン塗布機に充填し、調製した腸溶性コーティングを吹付塗布した。コーティングされた錠剤を、少なくとも30分間、40±10℃でコーティングパン内にて乾燥させた。
【0123】
ヒト被験者における、カルビドパ−レボドパの50〜200mgの製剤の薬物動態に対する、酒石酸及び腸溶性コーティングのpHの得られる効果
【0124】
この研究は、CD及びLDのPKに対する、カルビドパ(CD)/レボドパ(LD)の50〜200mgの製剤への、酸付加及び種々のpHの腸溶性コーティングの効果を示す。
【表6】

【0125】
試験薬物の製剤情報を以下に列挙する。IPX066−B06−02 A、B、D、及びEの製剤錠剤を、この実施例の最後に示す。
【表7】

【0126】
結果及び考察:図3は、経口投与後、Sinemet(登録商標)と比べた、CD、LD、及びTAの4種の製剤(本明細書ではIPX066−B06−02製剤 A、B、D、及びEと称する)のインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【0127】
IPX066試験A及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験Aカプセルの投与後、LD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、最高血漿濃度(Cmax)は投薬のおよそ5時間後に生じた(図3)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ6.0時間後に生じた。溶解速度の遅延により(腸溶性コーティング pH=6.5)、IPX066試験Aでは、1時間より前には全くLD濃度が観察されず、5〜8時間のIPX066試験AのLD濃度は、中央プロファイルに基づいて、参照Sinemet(登録商標)CRより高く、これはTA(215mg)の添加が腸の後部におけるLDの吸収を増加させることを示唆する。IPX066試験AについてのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか58%であった。
【0128】
IPX066試験B及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験Bカプセルの投与後、またLD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、遅延した、より低いCmaxが投薬のおよそ4.0時間後に生じた(図3)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.75時間後に生じた。IPX066試験Bでは、2時間より前にはLD濃度が観察されなかった。TA(215mg)を添加しても、IPX066試験Bは、Sinemet(登録商標)CRと比較したとき、5〜8時間でより高いLD濃度を有しなかった。これは、TAの溶解速度がLDより緩徐であるためである可能性がある。IPX066試験BについてのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか23%であった。
【0129】
IPX066試験D及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験Dカプセルの投与後、またLD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、遅延した、より低いCmaxが投薬のおよそ4.25時間後に生じた(図3)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ6.0時間後に生じた。IPX066試験Dでは、2時間より前にはLD濃度が観察されなかった。TA(215mg)を添加しても、IPX066試験DのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか24%であり、5〜8時間のLD濃度は参照Sinemet(登録商標)CRより低かった。これは、非常に変動しやすいインビトロ溶解プロファイルと、LDと比較したときTAの放出速度が速いことによる。
【0130】
IPX066試験E及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験E錠剤の投与後、またLD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、遅延した、より低いCmaxが投薬のおよそ4.0時間後に生じた(図3)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ5.0時間後に生じた。IPX066試験Eでは、2時間より前にはLD濃度が観察されなかった。酒石酸(215mg)を添加しても、IPX066試験EのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか20%であり、5〜8時間のLD濃度は参照Sinemet(登録商標)CRより低かった。これはまた、非常に変動しやすいインビトロ溶解プロファイルと、LDと比較したときTAの放出速度が速いことによる。
【0131】
本明細書のデータは、溶解速度の遅延が、LD及びCDの曝露を減少させ、LDに類似の溶解速度を有するTAの添加により、CDはSinemet(登録商標)と比較したとき、5〜8時間でより高いLD濃度を有することを示す。
【表8】


【表9】

【表10】

【表11】

【実施例3】
【0132】
IPX066−B07−01製剤A、B、及びCの調製
カルビドパ−レボドパ(CD−LD)を含有する腸溶性コーティングされたペレットを調製するために、以下の工程を実施した。
【0133】
CD、LD、及び微結晶性セルロース(Avicel PH−101)を、ともにブレンドした。混合物を、高剪断造粒機に充填し、精製水を用いて造粒した。造粒された湿塊を、穴の大きさが1.0mmである押出成形機内で押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化した。球形化装置から得られた球形を、Glatt GCPG−1塗布機内にて、60±10℃で乾燥させた。Glatt GPCG−1内でペレットを乾燥させることにより、ペレットの変色を排除し、また分解産物DHPの量が低減した。薬物をロードしたペレットを、16、18、及び25メッシュの篩でふるい、回収されたペレットは、18及び25メッシュの篩上に残っていた。次いで、コアペレットを、Glatt GCPG−1塗布機内にて、ヒプロメロース(Pharmacoat 606)水溶液でコーティングした。コーティングされたペレットを、GCPG−1内で乾燥させた後、18メッシュの篩でふるった。
【0134】
腸溶性コーティング溶液を以下のように調製した。製剤IPX066−B07−01 Aでは、Eudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100を、5:1の重量比で精製水に別々に分散させ、均一に分散するまで混合した。次いで、pHが5.5に達するまで、1N NHOH溶液を両方の溶液に滴下した。2つの溶液をまとめ、十分混合した。タルクをクエン酸トリエチルの精製水溶液に分散させ、次いで1時間攪拌することにより、タルク懸濁液を調製した。次いで、上記L100及びS100の混合物をタルク分散液とまとめ、十分混合した。分散液を、140メッシュの篩に通して、その後コーティングプロセスを開始した。IPX066−B07−01製剤Bでは、Eudragit(登録商標)S100ポリマーのみを用いたことを除き、製剤Aと同じ手順に従った。IPX066−B07−01製剤Cでは、Eudragit(登録商標)FS30Dポリマーのみを用いたことを除き、製剤Aと同じ手順に従った。
【0135】
ヒプロメロースでコーティングされたシードに、腸溶性コーティング分散製剤を吹付塗布した。コーティングされたCD/LDペレットを、オーブン内で乾燥させた。乾燥したCD/LDペレットを、14メッシュの篩に通した。ふるったCD/LDペレットをタルクとブレンドすることにより、最終ブレンドを調製した。
【0136】
TAを含有する腸溶性コーティングされたペレットを調製するために、以下の工程を実施した。
【0137】
TAを、20メッシュの篩に通した。ふるったTA及び微結晶性セルロース(Avicel PH101)を高剪断ミキサに充填し、精製水を用いて造粒した。湿塊を、穴の大きさが1.0mmである押出成形機内で押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化した。得られたペレットを、オーブン内にて、60±10℃で一晩乾燥させた。乾燥したペレットを、16、18、及び25メッシュの篩に通し、回収されたペレットは、18及び25メッシュの篩上に残っていた。ヒプロメロース(Pharmacoat 606)及びエチルセルロースをアルコール溶液に溶解させることにより、封鎖コーティング溶液を調製した。封鎖コーティング溶液を、Glatt GPCG−1塗布機内にて、TAペレットに適用した。ペレットをGPCG−1内で乾燥させ、14メッシュの篩に通した。
【0138】
腸溶性コーティング溶液を以下のように調製した。製剤IPX066−B07−01 Aでは、Eudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100を、5:1の重量比で精製水に別々に分散させ、均一に分散するまで混合した。次いで、pHが5.5に達するまで、1N NHOH溶液を両方の溶液に滴下した。2つの溶液をまとめ、十分混合した。タルクをクエン酸トリエチルの精製水溶液に分散させ、次いで1時間攪拌することにより、タルク懸濁液を調製した。次いで、上記L100及びS100の混合物をタルク分散液とまとめ、十分混合した。分散液を、140メッシュの篩に通して、その後コーティングプロセスを開始した。IPX066−B07−01製剤Bでは、Eudragit(登録商標)S100ポリマーのみを用いたことを除き、製剤Aと同じ手順に従った。IPX066−B07−01製剤Cでは、Eudragit(登録商標)FS30Dポリマーのみを用いたことを除き、製剤Aと同じ手順に従った。ふるった酒石酸ペレットを、Glatt GPCG−1塗布機に充填し、腸溶性コーティング分散液を吹付塗布した。コーティングされたシードをオーブン内で乾燥させた。乾燥した、コーティングされたペレットを、14メッシュの篩を通してふるった。ふるったペレット及びタルクをブレンドすることにより、最終ブレンドを調製した。
【0139】
コーティングされたCD/LDペレット、及びコーティングされたTAペレットを、硬質ゼラチンカプセルにカプセル化した。充填したカプセルは、50mgのカルビドパ無水物、200mgのLD、及び215mgのTAを含んでいた。
【0140】
ヒト被験者における、カルビドパ−レボドパの50〜200mgの製剤の薬物動態に対する、酒石酸及び腸溶性コーティングのpHの得られる効果
目的:
この研究は、CD及びLDのPKに対する、カルビドパ(CD)/レボドパ(LD)の50〜200mgの製剤への、酸付加及び種々のpHの腸溶性コーティング(Eudragit(登録商標)S100/L100=5、Eudragit(登録商標)S100、及びEudragit(登録商標)FS30D)の効果を試験した。
【表12】

【0141】
試験薬物の製剤情報及びインビトロ溶解プロファイルを以下に列挙する。IPX066−B07−01 A、B、及びCの製剤錠剤を、この実施例の最後に示す。
【表13】

【0142】
結果及び考察:図4は、経口投与後、Sinemet(登録商標)と比べた、CD、LD、及びTAの3種の製剤(本明細書ではIPX066−B07−01製剤 A、B、及びCと称する)のインビボ血漿濃度プロファイルを表すグラフである。
【0143】
IPX066試験A及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験Aカプセルの投与後、LD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、最高血漿濃度(Cmax)は投薬のおよそ2.75時間後に生じ(図4)、LD濃度は2.0〜3.5時間の間同じレベルのままである。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.0時間後に生じた。溶解速度の遅延により(Eudragit(登録商標)S100/L100=5で腸溶性コーティングされた)、IPX066試験AからのLDの吸収(血漿プロファイルの上昇相)は、Sinemet(登録商標)CRに比べて緩徐であり、5〜10時間のIPX066試験AのLD濃度は、中央プロファイルに基づいて参照Sinemet(登録商標)CRより高かった、これは、TA(215mg)の添加が、腸の下部におけるLDの吸収を増加させることを示唆する。IPX066試験AについてのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか87.72%であった。
【0144】
IPX066試験B及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
1つのIPX066試験Bカプセルの投与後、またLD中央血漿プロファイルにおいて1つのピークが現れ、遅延し、低下した最高血漿濃度(Cmax)が投薬のおよそ5.0時間後に生じた(図4)。対照的に、CDはゆっくりと吸収され、中央Cmaxは投薬のおよそ4.5時間後に生じた。IPX066試験Bでは、0.75時間より前にはLD濃度が観察されなかった。製剤中の酒石酸(215mg)により、IPX066試験Bはまた、Sinemet(登録商標)CRと比較したとき、5〜8時間でより高いLD濃度を有した。しかしながら、IPX066試験BについてのLDのAUCは、参照Sinemet(登録商標)CRのわずか56.5%であった。
【0145】
IPX066試験C及びSinemet(登録商標)CRの薬物動態
IPX066試験C錠剤の投与後、4人の被験体のみが検出可能なLD濃度を有する(図4)。これは、CD/LDコアシードの、緩徐名インビトロ放出プロファイルによるものである。
【0146】
本明細書のデータは、遅延した溶解速度が、LD及びCDの曝露を低下させ、TAのLD及びCD製剤への添加が、Sinemet(登録商標)CRと比較したとき、5〜8時間でより高いLD濃度を有することを示した。
【表14】


【表15】

【表16】

【実施例4】
【0147】
本明細書のデータは、Sinemet(登録商標)の制御放出バージョンと比較した、50〜200mgのCD−LDと、0〜430mgの酒石酸を用いた、腸溶性コーティングされた錠剤CD/LD製剤の生体利用能/薬物動態結果を示す。
【0148】
IPX−066−AH1の4種の製剤を、PKパラメータについて評価した。試験薬物の情報を以下の表7に列挙する。
【0149】
製剤Aは、急速な溶解プロファイルを呈する、IRビーズを含有するカプセルである。
【0150】
製剤Bは、ER CD/LDビーズ及びER TAビーズを含有するカプセルである。IRビーズをEudragit(登録商標)ポリマー(2:1のS100:L100比)でコーティングすることにより、ER CD/LDビーズを配合した。ER TAビーズを、CD/LDビーズに類似の溶解プロファイルを呈する、封鎖コーティング及びEudragit(登録商標)コート(2:1のS100:L100比)でコーティングした。
【0151】
製剤Cは、ER CD/LDビーズ及びER TAビーズを含有するカプセルである。IRビーズをEudragit(登録商標)ポリマー(5:1のS100:L100比)でコーティングすることにより、ER CD/LDビーズを配合した。ER TAビーズを、CD/LDビーズに類似の溶解プロファイルを呈する、封鎖コーティング及びEudragit(登録商標)コート(5:1のS100:L100比)でコーティングした。
【0152】
製剤Dは、TAビーズの量が製剤Bの量の2倍であることを除き、製剤Bに類似する。
【0153】
製剤Eは、参照製品、Sinemet(登録商標)CR200mg錠剤である。
【表17】

【0154】
これらの製剤の定性的及び定量的組成を、以下の表8にまとめる。
【表18−1】

【表18−2】

【0155】
IPX066−AH1製剤の製造
IPX066−AH1の4種の製剤
成分1の製造−CD−LD高速放出ビーズ
カルビドパ、レボドパ、及び微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、グリコール酸ナトリウムデンプン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びポビドンをブレンドし、高剪断造粒機に充填し、精製水を用いて造粒した。造粒された湿塊を、穴の大きさが1.0mmである押出成形機内に押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化した。球形化装置から得られた球形を乾燥させ、薬物をロードしたペレットを、16、18、及び25メッシュの篩でふるった。18及び25メッシュの篩上に残っていたペレットを回収した。ふるったCD/LDをタルクとブレンドすることにより、最終ブレンドを調製した。
【0156】
成分IIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
最終ブレンドにタルクが存在しないことを除いて、成分Iシードのように、CD/LDビーズ(ペレットとも呼ばれる)を調製した。2:1の重量比のEudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100、並びにクエン酸トリエチルをイソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させることにより、腸溶性コーティング溶液を調製した。次いで、タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。CD/LDペレットに、塗布機内にてコーティング分散液を吹付塗布した。コーティングされたペレットを乾燥させ、次いで16メッシュの篩を通してふるった。ふるったCD/LDペレットをタルクとブレンドすることにより、最終ブレンドを調製した。
【0157】
成分IIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされた酒石酸速放ビーズ
酒石酸を、20メッシュの篩に通した。ふるった酒石酸及び微結晶性セルロースを高剪断ミキサに充填し、精製水を用いて造粒した。湿塊を、穴の大きさが1.0mmである押出成形機内で押し出した。押出物を充填し、3mmのクロスハッチディスクを備える球形化装置で球形化し、得られたペレットを、オーブン内にて、60±10℃で一晩乾燥させた。乾燥したペレットを、16、18、及び25メッシュの篩に通し、18及び25メッシュの篩上に残っていたペレットを回収した。
【0158】
ヒプロメロース(Pharmacoat 606)及びエチルセルロースをアルコール溶液に溶解させることにより、封鎖コーティング溶液を調製した。封鎖コーティング溶液を、塗布機内にて酒石酸ペレットに適用した。ペレットを乾燥させ、乾燥したペレットを14メッシュの篩に通した。
【0159】
ヒプロメロース(Pharmacoat 606)をアルコール溶液に溶解させることにより、追加の封鎖コーティング溶液を作製した。封鎖コーティング溶液を酒石酸ペレット塗布機に適用し、次いでペレットをGPCG−1内で乾燥させた。乾燥したペレットを、14メッシュの篩に通した。
【0160】
2:1の重量比のEudragit(登録商標)S100及びEudragit(登録商標)L100、並びにクエン酸トリエチルをイソプロピルアルコール及びアセトン溶液に溶解させることにより、腸溶性コーティング溶液を調製した。溶解するまで混合する。タルクをポリマー溶液に分散させ、コーティングプロセス全体にわたって継続的に混合した。ふるった酒石酸ペレットを塗布機に充填し、腸溶性コーティング分散液を吹付塗布した。コーティングされたシードを乾燥させ、乾燥させ、コーティングされたペレット14メッシュの篩でふるった。ふるったペレットをタルクとブレンドすることにより、最終ブレンドを調製した。
【0161】
成分IVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(5:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
この成分の製造方法は、腸溶性コーティング分散液の調合品を充填したことを除いて、成分IIビーズと同じである。具体的には、腸溶性コーティング分散液は、ステンレス鋼の容器に、精製水の第1の部分の必要な量を充填し、それに攪拌しながらメタクリル酸コポリマー、タイプA、NFを充填し、分散させ、それにより分散液を作製することにより調製される。必要な量の1N NHOH溶液を、分散液に滴下した。
【0162】
別のステンレス鋼の容器に、精製水の第2の部分の必要な量を充填した。攪拌しながらメタクリル酸コポリマー、タイプB、NFを充填し、分散させた。次いで、必要な量の1N NHOH溶液を、分散液に滴下した。
【0163】
別のステンレス鋼の容器に、精製水の第3の部分の必要な量を充填した。クエン酸トリエチルを充填し、溶解させ、タルクを溶液に添加した。
【0164】
上記第1の分散液を添加し、第2の分散液に混合し、次いでそれに上記第3の分散液を添加した。混合した溶液を、140メッシュの篩でふるった。
【0165】
成分Vの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(5:1)でコーティングされたTAD速放ビーズ
成分Vビーズの製造方法は、腸溶性コーティング分散液の調合品を充填したことを除いて、成分IIIビーズと同じである。
【0166】
具体的には、腸溶性コーティング分散液は、ステンレス鋼の容器に、精製水の第1の部分の必要な量を充填し、それに攪拌しながらメタクリル酸コポリマー、タイプA、NFを充填し、分散させて分散液を得て、次いで、必要な量の1N NHOH溶液を、上記分散液に滴下した。
【0167】
別のステンレス鋼の容器に、精製水の第2の部分の必要な量を充填し、それに攪拌しながらメタクリル酸コポリマー、タイプB、NFを充填し、分散させて分散液を得て、次いで、必要な量の1N NHOH溶液を、上記分散液に添加した。
【0168】
別のステンレス鋼の容器に、精製水の第3の部分の必要な量を充填し、それにクエン酸トリエチルを添加し、充填し、次いで、タルクを上記溶液に添加した。
【0169】
上記第1の分散液を添加し、第2の分散液に混合し、次いでそれに上記第3の分散液を添加した。混合した溶液を、140メッシュの篩でふるった。
【0170】
IPX066カプセルの製造
必要な量の成分ビーズを、以下の表9中の指定された充填重量に従って硬質ゼラチンカプセルに充填した。製造中、充填重量は、表9による標的重量の±10%を標的として制御される。
【表19】

【0171】
biostudy IPX066−AH1の薬物動態結果
経口投与後の、Sinemet(登録商標)CRと比較した、4種の試験した製剤についてのCD及びLDの薬物動態パラメータを表10にまとめる。
【表20】

【0172】
結果及び考察
本明細書のデータは、ラクトースのような水溶性充填剤、及びラウリル硫酸ナトリウムのような界面活性剤を含む、製剤Aが、30分のtmaxを有する急速なLD吸収を呈することを示した。製剤B及びDのPKプロファイルが望ましい。両方の製剤が、Sinemet(登録商標)CR錠剤に比べて、投与の6時間において著しく高いLD血漿濃度を呈する。製剤B及びDからのLDの吸収はまた、それぞれ115%及び109%の相対AUCにより表されるように類似している。製剤B及びDのPKプロファイルは類似しているため、2倍の量のTAビーズを含む製剤Dは、製剤Bに比べて任意の追加効果を提供しない。5:1のEudragit(登録商標)S100:L100比から成るコーティングを有する製剤Cは、製剤C及びDに比べてより速いインビボ放出を示唆するPKプロファイルを呈する。これは、Sinemet(登録商標)CR錠剤に対してAUCが127%であることにより更に支持され、これはLDがより急速に放出され、上部消化管で吸収されたことを示す。
【実施例5】
【0173】
本明細書のデータは、Sinemet(登録商標)の制御放出バージョンと比較した、50〜300mgのCD−LDと、0〜270mgの酒石酸を用いて、腸溶性コーティングされた錠剤CD/LD製剤の生体利用能/薬物動態結果を示す。試験薬物の情報を以下の表11に列挙する。
【0174】
IPX066−AH2製剤A(IPX066−AH2(A))は、5種の異なる成分ビーズを含有するカプセルである。成分Iは、即時放出CD/LDビーズの種類である。成分IIは、速いER放出プロファイルを有する、ER CD/LDビーズの種類である。成分IIIは、緩徐なER放出プロファイルを有する、ER CD/LDビーズの種類である。成分IVは、成分IIに類似の放出プロファイルを有するTAビーズの種類である。成分Vは、成分IIIに類似の放出プロファイルを有するTAビーズの種類である。
【0175】
IPX066−AH2製剤B(IPX066−AH2(B))は、Cremophor RH40及びPoloxamer188の配合された、ER CD/LDビーズを含有するカプセルである。TAは、製剤に含まれない。
【0176】
IPX066−AH2製剤C(IPX066−AH2(C))は、Cremophor RH40、Poloxamer188、及びTAの配合された、ER CD/LDビーズを含有するカプセルである。
【0177】
IPX066−AH2製剤D(IPX066−AH2(D))は、TAの配合された、ER CD/LDビーズを含有するカプセルである。カプセルは、Cremophor RH40もPoloxamer188も含有しない。
【0178】
参照製品は、Sinemet(登録商標)CR錠剤200mgである。
【表21】

【0179】
これらの製剤の定性的及び定量的組成を以下の表12及び表13にまとめる。
【表22−1】

【表22−2】

【表23】

【0180】
製剤A(IPX066−AH2(A))の製造
成分ビーズIの製造−CD/LD速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例4で論じたような、IPX066−AH1の成分ビーズIと同じである。
【0181】
成分ビーズIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例4で論じたような、IPX066−AH1の成分ビーズIIと同じである。
【0182】
成分ビーズIIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD徐放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例2で論じたような、IPX066−B06−02で試験された製剤Aの腸溶性コーティングされたCD−LDビーズと同じである。
【0183】
成分ビーズIVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例4で論じたような、biostudy IPX066−AH1の成分IIIビーズと同じである。
【0184】
成分ビーズVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA徐放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例2で論じたような、IPX066−B06−02で試験された製剤Aの腸溶性コーティングされた酒石酸ビーズと同じである。
【0185】
製剤AについてのIPX066カプセルの製造
必要な量の成分ビーズを、指定の標的充填重量±10%に従って硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【表24】

【0186】
試験製剤B(IPX066−AH2(B))の製造
製剤Bを作製するために、好適な量のエタノール及び精製水を混合し、それにCremophor RH40を溶解させ、第1の溶液に充填し、次いでポビドンを充填し、溶液に混合した。必要な量のポビドンを、必要な量の精製水に溶解させることにより、別の造粒流体を調製した。
【0187】
好適な量のカルビドパ、レボドパ、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、及びポロキサマーを、好適な造粒機に充填し、均一な粉末が形成されるまで混合した。
【0188】
混合した粉末を、上記第1の溶液を添加し、続いて上記別の造粒流体を添加することにより造粒を続け、それにより湿塊を得た。湿塊を、サイズが1.0mmである篩を備える、好適な押出成形機を通して押し出した。押出物を、適切な速度で、球形化装置で球形化し、湿潤した押出されたビーズを、流動床乾燥機内にて乾燥させた。次いで、乾燥したビーズを、US#16メッシュの篩、US#18メッシュの篩、US#25メッシュの篩、及びパンに通した。18メッシュを通過したが、25メッシュの篩上に残ったビーズのみを回収した。
【0189】
好適な量のアセトン及びイソプロピルアルコールを分散及び混合し、溶液を混合しながら、クエン酸トリエチルを充填し、溶液に溶解させることにより、腸溶性コーティング分散液を調製した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。混合しながら、メタクリル酸コポリマー、タイプA、NFを溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで溶液を混合し、次いで、再び混合しながら、メタクリル酸コポリマー、タイプB、NFを溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。混合しながら、タルクを充填し、溶液に分散させた。コーティングプロセス全体にわたって混合を継続した。
【0190】
上記回収したビーズを、Wurster insertを備える好適な流動床塗布機に充填し、上記腸溶性コーティングを用いて吹付塗布した。コーティングしたビーズを乾燥させ、乾燥したビーズをUS#14メッシュの篩に通した。得られた、ふるわれた材料を充填し、好適な量のタルクを好適なブレンダー内のそれに添加し、均一になるまで混合した。
【0191】
試験製剤C(IPX066−AH2(C))の製造
好適な量のエタノール及び精製水をステンレス鋼の容器内で分散及び混合し、それに好適な量のCremophor RH40を充填及び溶解させ、造粒溶液を得た。
【0192】
好適な量のカルビドパ、レボドパ、酒石酸、微結晶性セルロース、及びポロキサマーを、好適な造粒機に充填し、均一な粉末になるまで混合した。混合した粉末を、上記造粒溶液を用いて造粒し、それにより湿塊を作製した。湿塊を、サイズが1.0mmである篩を備える、好適な押出成形機を通して押し出し、押出物を、適切な速度で、好適な球形化装置で球形化した。
【0193】
湿潤した押出されたビーズを、流動床乾燥機内にて乾燥させた。水分分析機を用いてLODを測定し、LOD値が標的値3%以下になったときに乾燥プロセスを停止した。次いで、乾燥したビーズを、US#16メッシュの篩、US#18メッシュの篩、US#25メッシュの篩、及びパンに通した。18メッシュを通過したが、25メッシュの篩上に残ったビーズのみを回収し、ブレンドした。
【0194】
封鎖コーティング溶液を以下のように調製した。必要な量のアルコール、USP、及び精製水を、ステンレス鋼の容器内で混合することにより、エタノール溶液を調製した。好適な量のヒプロメロースを充填し、エタノール溶液に溶解させた。
【0195】
18メッシュ、及び25メッシュの篩上に残っていた、回収したビーズを、Wurster insertを備える流動床塗布機に充填し、上記で調製した封鎖コーティング溶液を用いて吹付塗布した。コーティングしたビーズを流動床で乾燥させ、乾燥したビーズをUS#14メッシュの篩に通した。篩を通過したビーズを回収した。
【0196】
腸溶性コーティング分散液を以下のように調製した。好適な量のメタクリル酸コポリマー、タイプA、NF、メタクリル酸コポリマー、タイプB、NF、クエン酸トリエチル、及びタルクを分散させた。好適な量のアセトン及びイソプロピルアルコールをよく混合し、混合中クエン酸トリエチルを充填し、溶液に混合した。メタクリル酸コポリマー、タイプA、NFを、更に溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。メタクリル酸コポリマー、タイプB、NFを、更に溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。次いで、タルクを充填し、溶液に分散させた。プロセス全体にわたって混合した。
【0197】
回収したビーズを、以下のように腸溶性コーティング分散液でコーティングした。回収したビーズを、Wurster insertを備える好適な流動床塗布機に充填し、上記腸溶性コーティング分散液を用いて吹付塗布した。次いで、コーティングしたビーズを乾燥させ、乾燥したビーズをUS#14メッシュの篩に通した。ふるった材料を混合し、好適な量のタルクとともにブレンダーに充填した。
【0198】
試験製剤D(IPX066−AH2(D))の製造
ポリオキシルを、エタノール及び精製水の溶液に分散させることにより、造粒溶液を調製した。
【0199】
好適な量のカルビドパ、レボドパ、ふるった酒石酸、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、及びポロキサマーを、造粒機に充填し、混合した。混合した材料を、造粒溶液を用いて造粒し、それにより湿塊を作製した。湿塊を、サイズが1.0mmである篩を備える、好適な押出成形機を通して押し出した。得られた押出物を、好適な球形化装置で球形化した。湿潤した押出されたビーズを、流動床乾燥機内にて乾燥させ、水分分析機を用いてLODを測定した。LOD値が標的値3%以下になったときに乾燥プロセスを停止した。
【0200】
乾燥したビーズを、US#16メッシュの篩、US#18メッシュの篩、US#25メッシュの篩、及びパンに通した。18メッシュを通過したが、25メッシュの篩上に残ったビーズのみを回収し、保持した。
【0201】
乾燥したビーズを、封鎖コーティングでコーティングした。封鎖コーティングは以下のように調製することができる。必要な量のアルコール、USP、及び精製水を、ステンレス鋼の容器内で混合することにより、エタノール溶液を調製し、それに好適な量のヒプロメロースを充填した。乾燥したビーズを、Wurster insertを備える好適な流動床塗布機に充填し、封鎖コーティング溶液を用いて吹付塗布した。次いで、コーティングしたビーズを流動床で乾燥させ、乾燥したコーティングされたビーズをUS#14メッシュの篩に通した。篩を通過したビーズを回収した。
【0202】
回収したビーズを、腸溶性コーティング分散液でコーティングした。腸溶性コーティング分散液を以下のように調製した。好適な量のメタクリル酸コポリマー、タイプA、NF、メタクリル酸コポリマー、タイプB、NF、クエン酸トリエチル、及びタルクを分散させた。好適な量のアセトン及びイソプロピルアルコールをよく混合した。混合中、クエン酸トリエチルを充填し、アセトン及びイソプロピルアルコール溶液に溶解させた。次いで、混合しながら、メタクリル酸コポリマー、タイプA、NFを、溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。混合中、メタクリル酸コポリマー、タイプB、NFを、溶液に充填した。材料が完全に溶解するまで混合を続けた。次いで、タルクを充填し、溶液に分散させた。コーティングプロセス全体にわたって混合した。
【0203】
封鎖コーティングしたビーズを、Wurster insertを備える好適な流動床塗布機に充填し、腸溶性コーティング分散液を用いて吹付塗布した。得られたコーティングしたビーズを乾燥させ、乾燥したビーズをUS#14メッシュの篩に通した。ふるった材料を充填し、均一になるまで好適な量のタルクとともにブレンダーに充填した。
【0204】
biostudy IPX066−AH2の薬物動態結果
経口投与後、Sinemet(登録商標)と比べた、CD及びLDの4種の試験した製剤の薬物動態パラメータを表15にまとめる。
【表25】

【0205】
結果及び考察
本明細書のデータは、製剤Aが所望のインビボ血漿濃度プロファイルを達成したことを示した。2成分の酒石酸ビーズ(速放又は徐放性コアのいずれか上に腸溶性コーティングを有する)を、3成分のCD/LD薬物シード/ビーズ(即時放出部分、及び速放又は徐放性コアのいずれか上にコーティングを有する腸溶性コーティング部分)と組み合わせることにより、製剤Aは、参照薬物であるSinemet(登録商標)CRより低いCmax(80.7%)及びそれに相当するAUC(109%)を有する、著しく平坦な血漿濃度プロファイルを示した。
【0206】
PKシミュレーション研究を実施して、毎日3回(6時間毎)投薬レジメンを前提とする最高最低間血漿濃度(PT)比を計算した。PT比は、投薬後18時間定常で安定な血漿濃度に基づいて定義される。シミュレーション結果を表16にまとめ、これは製剤Aが、Sinemet(登録商標)CRの3.4に比べて著しく低い1.7のPT比を有することを示す。
【0207】
製剤への界面活性剤の添加は、LD生体利用能を著しく低下させた。更に、薬物と、製剤中の酒石酸シードを別個に有することがより有利であり、酒石酸を同じシードに組み込むと、LD生体利用能が著しく低下する。
【表26】

【実施例6】
【0208】
IPX−066について、別々に界面活性剤シードを含有するCD/LDと、酒石酸シードを含む製剤を、PKパラメータについて評価した。
【0209】
IPX066−AH3
試験薬物の情報を以下の表17に列挙する。製剤A(IPX066−AH3(A))は、Cremophor RH40及びPoloxamer188の配合されたER CD/LDビーズ、及び類似の溶解プロファイルを有するER TAビーズを含有するカプセルである。
【表27】

【0210】
これらの製剤の定性的及び定量的組成を以下の表18にまとめる。
【表28】

【0211】
試験製剤の製造
成分ビーズIの製造−CD/LDビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例5で論じたような、IPX066−AH2の製剤Bと同じである。
【0212】
成分ビーズIIの製造−TAビーズ
この成分ビーズの製造方法は、製剤中の腸溶性コーティングの含量がより高いことを除いて、上記実施例4で論じたように、IPX066−AH1の成分ビーズIIIビーズと同じである。
【0213】
IPX066−AH3の薬物動態結果
経口投与後の、Sinemet(登録商標)CRと比較した、試験した製剤についてのCD及びLDの薬物動態パラメータを表19にまとめる。
【表29】

【0214】
結果及び考察
製剤中に界面活性剤を添加することにより、製剤が薬物及び酒石酸シードを別々に含有するときでさえ、LD生体利用能が著しく低下した。
【実施例7】
【0215】
IPX066−AH4の製剤
IPX−066の4種の製剤を、PKパラメータについて評価した。試験薬物の情報を以下の20に列挙する。
【表30】

【0216】
製剤は、異なる放出特徴を有するCD/LDビーズ及びLDビーズを含有する。IPX066−AH2の製剤Aと同様に、これらのビーズを、1:2の比のEudragit(登録商標)L100及びS100ポリマーでコーティングする。それぞれのビーズの種類におけるCD/LD及びTAの量を表20に示す。
【0217】
成分Iは、即時放出溶解プロファイルを呈するCD/LDビーズの種類である。
【0218】
成分IIは、より速い延長放出溶解プロファイルを呈するCD/LDビーズの種類である。
【0219】
成分IIIは、より緩徐な延長放出溶解プロファイルを呈する、CD/LDビーズの種類である。
【0220】
成分IVは、成分IIを模倣する溶解プロファイルを呈するTAビーズの種類である。
【0221】
成分Vは、成分IIIを模倣する溶解プロファイルを呈するTAビーズの種類である。
【0222】
成分VIは、成分IIとIIIとの間の中間の溶解プロファイルを呈するTAビーズの種類である。
【0223】
これらの製剤の定性的及び定量的組成を以下の表21にまとめる。
【表31−1】

【表31−2】

【0224】
試験製剤の製造
成分ビーズIの製造−CD/LD速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例5で論じたように、IPX066−AH2の製剤Aの成分Iビーズと同じである。
【0225】
成分IIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例5で論じたように、IPX066−AH2の製剤Aの成分IIビーズと同じである。
【0226】
成分IIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD徐放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例5で論じたように、IPX066−AH2の製剤Aの成分IIIビーズと同じである。
【0227】
成分IVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA速放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、封鎖コーティング層と腸溶性コーティング層との間に追加の封鎖コーティングを導入しなかったことを除いて、上記実施例5で論じたような、IPX066−AH2の製剤Aの成分IVビーズと同じである。
【0228】
成分Vの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA徐放ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、上記実施例5で論じたように、IPX066−AH2の製剤Aの成分Vビーズと同じである。
【0229】
成分VIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA中程度放出ビーズ
この成分ビーズの製造方法は、封鎖コーティング中のエチルセルロース/ヒプロメロースの含量比が5/1の代わりに4/1であったことを除いて、成分Vビーズと同じである。
【0230】
IPX066カプセルの製造
必要な量の成分ビーズを、以下の表22で指定された充填重量に従って、硬質ゼラチンカプセルに充填した。製造中の充填重量は、表22に従って標的重量の±10%を標的として制御される。
【表32】

【0231】
IPX066−AH4の薬物動態結果
経口投与後の、Sinemet(登録商標)CRと比較した、4種の試験した製剤についてのCD及びLDの薬物動態パラメータを表23にまとめる。
【表33】

【0232】
結果及び考察
試験製剤A(IPX066−AH4(A))は、IPX066−AH2の製剤A(IPX066−AH2(A))のような、一貫したインビボ血漿濃度プロファイルを示した。製剤IPX066−AH2(A)及びIPX066−AH4(A)は、用いられた充填剤、すなわち、IPX066−AH2(A)ではラクトース、IPX066−AH4(A)ではマンニトールであるという点でのみ異なる。相対的AUC(Sinemet(登録商標)CR錠剤に対する)は、それぞれ製剤IPX066−AH2(A)及びIPX066−AH4(A)について109%及び105%である。相対Cmax(Sinemet(登録商標)CR錠剤に対する)は、それぞれ製剤IPX066−AH2(A)及びIPX066−AH4(A)について80.7%及び92.3%である。よって、製剤のインビボ性能及び生体利用能は、再現可能であり、一貫している。
【0233】
シミュレーション研究に基づいて、毎日3回(6時間毎)投薬を前提とする定常状態の最高最低間血漿濃度(PT)比を計算した。シミュレーションされたPT比は、18時間のCmax及びCssとして定義され、これを表24にまとめる。結果は、製剤A(IPX066−AH4(A))、B(IPX066−AH4(B))、C(IPX066−AH4(C))、及びD(IPX066−AH4(D))のPT比が、それぞれ1.8、2.3、2.8、及び2.0であることを示した。Sinemet(登録商標)CRのPT比は3.9である。それ故、全てのIPX066試験製剤は、参照Sinemet(登録商標)CR錠剤に比べて低いPT比を有する。
【0234】
本明細書のデータはまた、製剤B、C、及びDのPTを比較したとき、TA:LDの最適モル比が0.75であることを示した。
【0235】
PK結果はまた、PT比に証明されるように、製剤中の、速放及び徐放プロファイルのTAビーズを、中程度放出プロファイルのTAビーズに置換することにより、全体のインビボLD血漿プロファイルがそれほど変化しなかったことを示した。
【表34】

【実施例8】
【0236】
IPX066−AH5(A)(47.5mg CD/190mg LD)を、参照としてのSinemet(登録商標)CR(200mg)を用いて、3つのクロスオーバーPK研究でPKパラメータについて評価した。この製剤の定性的及び定量的組成を以下にまとめる。
【表35】

【0237】
製剤の製造
製剤IPX066−AH5(A)について、4種の異なる成分ビーズを製造した。各成分シードの定性的及び定量的組成を表26にまとめる。
【表36−1】

【表36−2】

【0238】
成分ビーズIの製造−CD/LD超速放顆粒
必要な量のカルビドパ、レボドパ、クロスカリメロースナトリウム、及びポビドンを、好適な高剪断造粒機に充填し、均一になるまで混合した。精製水を添加することにより、混合した粉末を造粒した。顆粒を排出し、オーブン内で60±10℃にて乾燥させた。水分分析機を用いてLODを測定し、LOD値が標的値以下になったときに乾燥プロセスを停止した。顆粒を、乳鉢と乳棒を用いて粉砕した。粉砕した顆粒を、US#18メッシュの篩に通し、18メッシュの篩を通過した顆粒を回収した。回収した顆粒をステアリン酸マグネシウムとブレンドした。
【0239】
成分IIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、マンニトールをラクトースに置換したことを除いて、IPX066−AH4の製剤Aの成分2ビーズと同じである。
【0240】
成分IIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD徐放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、IPX066−AH4の製剤Aの成分3ビーズと同じである。
【0241】
成分IVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA徐放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、IPX066−AH4の製剤Aの成分5ビーズと同じである。
【0242】
IPX066−AH5(A)のIPX066カプセルの製造
必要な量の成分ビーズを、指定された標的充填重量±10%に従って硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【表37】

【実施例9】
【0243】
この実施例は、製剤IPX066−AH6(A)及びIPX066−AH6(B)、並びにその製造方法について記載する。
【表38】

【0244】
試験製剤の製造
試験製剤IPX066−AH6(A)及びAH6(B)について、4種の異なる成分ビーズを製造した。各成分シードの定性的及び定量的組成を表29にまとめる。
【表39−1】

【表39−2】

【0245】
成分ビーズIの製造−CD/LD超速放顆粒
この成分ビーズの製造方法及びプロセスフロー図は、顆粒をオーブンの代わりにGPCG−1で乾燥させ、顆粒を乳鉢と乳棒により粉砕する代わりに、Fitzmillにより破砕したことを除いて、IPX066−AH5の製剤Aの成分1ビーズと同じである。
【0246】
成分IIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD速放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、IPX066−AH5の製剤Aの成分2ビーズと同じである。
【0247】
成分IIIの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたCD−LD徐放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、IPX066−AH5の製剤Aの成分3ビーズと同じである。
【0248】
成分IVの製造−Eudragit(登録商標)S100:L100(2:1)でコーティングされたTA徐放ビーズ
この成分の製造方法及びプロセスフロー図は、IPX066−AH5の製剤Aの成分4ビーズと同じである。
【0249】
IPX066−AH6(A)及び(B)のIPX066カプセルの製造
必要な量の成分ビーズを、指定された充填重量±10%に従って硬質ゼラチンカプセルに充填した。
【表40】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.レボドパと、
b.デカルボキシラーゼ阻害剤と、
c.(a)又は(b)ではないカルボン酸と、
を含む、レボドパの制御放出経口固形製剤。
【請求項2】
前記カルボン酸が、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、エデト酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、オレイン酸、ソルビン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びホウ酸、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項3】
前記カルボン酸が、ポリカルボン酸である、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項4】
前記ジカルボン酸が、ジカルボン酸である、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項5】
前記カルボン酸が、酒石酸である、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項6】
前記デカルボキシラーゼ阻害剤が、カルビドパである、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項7】
前記製剤が、錠剤又はカプレットである、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項8】
前記錠剤又はカプレットが、多層である、請求項7に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項9】
前記錠剤又はカプレットが、マトリックス錠剤又はカプレットである、請求項7に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項10】
前記製剤が、マルチ微粒子製剤である、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項11】
前記マルチ微粒子がカプセル化される、請求項10に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項12】
前記マルチ微粒子が錠剤に圧入される、請求項10に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項13】
前記製剤が、レボドパ吸収における被験者内変動を減少させる、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項14】
個々の被験者に前記製剤の1回量を投与した0.5時間後から投与の6時間後の範囲にわたって決定された平均レボドパ濃度で割った、レボドパ濃度の標準偏差として計算され、少なくとも12人の被験者の平均である、前記被験者内変動が0.40以下である、請求項13に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項15】
前記カルビドパ及びレボドパが、約1:1〜約1:10の比で製剤中に存在する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項16】
前記カルビドパのレボドパに対する比が約1:4である、請求項15に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項17】
4:1未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項18】
1:4超かつ3:2未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項19】
1:2超かつ4:3未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項20】
2:3超かつ5:4未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項21】
1:1超かつ4:3未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項22】
約25mg〜約200mgのレボドパを含む、請求項1に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項23】
50〜600mgのレボドパを含む、請求項22に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項24】
約10mg〜約300mgのカルビドパを含む、請求項6に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項25】
10〜80mgのカルビドパを含む、請求項24に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項26】
前記ジカルボン酸が、レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤から物理的に分離される、請求項4に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項27】
a.レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及び速度制御賦形剤の混合物を含む、制御放出成分と、
b.カルボン酸成分と、
c.レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤の混合物を含む即時放出成分と、
を含む、レボドパのマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項28】
前記制御放出成分が、別個の成分である、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項29】
前記カルボン酸成分が、別個の成分である、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項30】
前記即時放出成分が、別個の成分である、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項31】
全ての成分が、単一成分に共配合される、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項32】
カルボン酸及び速度制御賦形剤を含む、1種以上の制御放出カルボン酸成分を更に含む、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項33】
前記カルボン酸成分が、酒石酸、アジピン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸、アスコルビン酸、エデト酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、オレイン酸、ソルビン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、及びホウ酸、又はこれらの混合物から成る群から選択される、請求項27又は32に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項34】
前記カルボン酸が酒石酸である、請求項33に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項35】
前記速度制御賦形剤が、腸溶性ポリマー、又は2種以上の腸溶性ポリマーの混合物である、請求項27又は32に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項36】
前記速度制御賦形剤が、中性メタクリルポリマーである、請求項27又は32に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項37】
前記デカルボキシラーゼ阻害剤がカルビドパである、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項38】
前記制御放出成分がカルボン酸を更に含む、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項39】
前記制御放出成分がジカルボン酸を更に含む、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項40】
前記制御放出成分が、1種以上の腸溶性ポリマーでコーティングされる、レボドパ及びデカルボキシラーゼ阻害剤のコアを含む、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項41】
前記1種以上の制御放出カルボン酸成分が、1種以上の腸溶性ポリマーでコーティングされる、カルボン酸コアを含む、請求項32に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項42】
異なる速度でカルボン酸を放出する少なくとも2種の制御放出カルボン酸成分を有する、請求項32に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項43】
前記製剤が、レボドパ吸収における被験者内変動を減少させる、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項44】
前記カルビドパ及びレボドパが、約1:1〜約1:10の比で製剤中に存在する、請求項37に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項45】
カルビドパのレボドパに対する比が1:4である、請求項44に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項46】
4:1未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項47】
1:4超かつ3:2未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項48】
1:2超かつ4:3未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項49】
2:3超かつ4:3未満の、カルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項50】
1:1超かつ4:3未満の、ジカルボン酸のレボドパに対するモル比を有する、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項51】
約25mg〜約1000mgのレボドパを含む、請求項27に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項52】
約50〜約600mgのレボドパを含む、請求項51に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項53】
約10mg〜約300mgのカルビドパを含む、請求項37に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項54】
20mg〜約80mgのカルビドパを含む、請求項53に記載のマルチ微粒子、制御放出経口固形製剤。
【請求項55】
a.投与時間と、
b.第1の濃度と、
c.第2の濃度と、
を含む、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、レボドパの制御放出経口固形製剤であって、
前記第1の濃度が、前記プロファイルの最高濃度に等しく、前記第2の濃度が、前記第1の濃度より遅く、前記投与時間の約6時間以内である時間に生じる最低濃度であり、前記第2の濃度が、前記第1の濃度の約50パーセント以上である製剤。
【請求項56】
前記濃度プロファイルが、中央血漿又は血清濃度プロファイルである、請求項55に記載の製剤。
【請求項57】
前記濃度プロファイルが、平均血漿又は血清濃度プロファイルである、請求項55に記載の製剤。
【請求項58】
前記濃度プロファイルが、第3の濃度を更に含み、前記第3の濃度が、前記第1の濃度の50パーセント以上であり、前記第3の濃度が、前記第1の濃度より早く、前記投与時間の約90分以内である時間に生じる、請求項55に記載の製剤。
【請求項59】
前記第3の濃度が、前記第1の濃度の60パーセント以上であり、前記第2の濃度が、前記第1の濃度の60パーセント以上である、請求項58に記載の製剤。
【請求項60】
前記第2の濃度が、前記投与時間と前記第2の時間との間に生じる最低濃度である、請求項55に記載の製剤。
【請求項61】
前記プロファイルの平均AUC(前記AUCはng h/mLの単位で測定される)の、製剤中のレボドパの質量(前記質量はmgで測定される)に対する比が、11:1〜25:1である、請求項55に記載の製剤。
【請求項62】
前記比が14:1〜19:1である、請求項61に記載の製剤。
【請求項63】
380mgのレボドパ用量では、4330〜8000ng h/mLである、前記プロファイルにおける平均AUCを有する、請求項55に記載の製剤。
【請求項64】
380mgのレボドパ用量では、5000〜7000ng h/mLである、前記プロファイルにおける平均AUCを有する、請求項63に記載の製剤。
【請求項65】
前記第1の濃度(前記濃度はng/mLの単位で測定される)の、製剤中のレボドパの質量(前記質量はmgで測定される)に対する比が、3:1〜5:1である、請求項55に記載の製剤。
【請求項66】
前記比が、5:2〜7:2である、請求項65に記載の製剤。
【請求項67】
前記比が、約3:1以上である、請求項65に記載の製剤。
【請求項68】
380mgのレボドパ用量では、前記第1の濃度が、825〜1505ng/mLである、請求項55に記載の製剤。
【請求項69】
前記プロファイルの平均AUC(前記AUCはng h/mLの単位で測定される)の、前記第1の濃度(前記濃度はng/mLの単位で測定される)に対する比が、9:2〜6:1である、請求項55に記載の製剤。
【請求項70】
少なくとも1種のカルボン酸を更に含む、請求項55に記載の製剤。
【請求項71】
前記少なくとも1種のカルボン酸のうち1種が酒石酸である、請求項70に記載の制御放出経口固形製剤。
【請求項72】
a.投与時間と、
b.前記投与時間の1時間以内に生じる、第1の時間における第1の濃度と、
c.前記第1の時間後に生じる、第2の時間における第2の濃度と、
d.前記第2の時間の少なくとも4時間後に生じる、第3の時間における第3の濃度と、
を含む、中央レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、レボドパの制御放出経口固形製剤であって、
前記第2の濃度が、前記プロファイルの最高濃度に等しく、前記第1の濃度が、前記第2の濃度の約50パーセントに等しく、前記第3の濃度が、前記第2の濃度の約50パーセントに等しい製剤。
【請求項73】
380mgのレボドパ用量では、図1のレボドパ製剤IPX066と実質的に同じレボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、又は380mg以外の用量では、図1の前記製剤に実質的に比例するレボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、制御放出経口固形製剤。
【請求項74】
前記プロファイルの最高濃度の、前記製剤の投与後1時間〜7時間の間の任意の時間における濃度に対する比が4:1以下であるような、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する制御放出経口固形製剤。
【請求項75】
a.第1の時間における第1の濃度と、
b.前記第1の時間の約1時間後に生じる、第2の時間における第2の濃度と、
c.前記第2の時間の少なくとも4時間後に生じる、第3の時間における第3の濃度と、
d.最高濃度と、
を含む、中央レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、レボドパの制御放出経口固形製剤であって、
前記第2の濃度が、前記プロファイルの最高濃度に等しく、前記第1の濃度が、前記第2の濃度の50パーセントに等しく、前記第3の濃度が、前記第2の濃度の50パーセントに等しい製剤。
【請求項76】
レボドパ、デカルボキシラーゼ阻害剤、及びジカルボン酸を含む、レボドパの安定な、制御放出経口固形製剤であって、40℃及び相対湿度40%において、3ヶ月保存した後、レボドパの分解産物の1重量%以下が存在する製剤。
【請求項77】
有効量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を患者に投与し、それにより患者における運動変動を減少させるのに有効なレボドパの血漿濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者の運動変動を減少させる方法。
【請求項78】
有効量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を患者に投与し、それにより患者におけるoff時間を減少させるのに有効なレボドパの血漿濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者のoff時間を減少させる方法。
【請求項79】
有効量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を患者に投与し、それにより患者におけるon時間を増加させるのに有効なレボドパの血漿濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者のon時間を増加させる方法。
【請求項80】
有効量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を患者に投与し、それにより患者におけるonへの時間を減少させるのに有効なレボドパの血漿濃度を提供することを含む、パーキンソン病に罹患している患者の「on」への時間を減少させる方法。
【請求項81】
有効量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を被験者に投与し、それによりドーパミンレベルの低下又は不良に関連する疾患に罹患している被験者におけるドーパミンレベルを高めるのに有効なレボドパの血漿又は血清濃度を提供することを含む、ドーパミンレベルの低下又は不良に関連する疾患に罹患している被験者におけるドーパミンレベルを高める方法。
【請求項82】
前記レボドパの血漿又は血清濃度プロファイルが、
a.投与時間と、
b.第1の濃度と、
c.第2の濃度と、
を含む、レボドパ血漿又は血清濃度プロファイルを有する、レボドパの制御放出経口固形製剤であって、
前記第1の濃度が、前記プロファイルの最高濃度に等しく、前記第2の濃度が、前記第1の濃度より遅く、前記投与時間の約6時間以内である時間に生じる最低濃度であり、前記第2の濃度が、前記第1の濃度の約50パーセント以上である製剤を含む、請求項77に記載の方法。
【請求項83】
前記濃度プロファイルが、中央血漿又は血清濃度プロファイルである、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記濃度プロファイルが、平均血漿又は血清濃度プロファイルである、請求項82に記載の方法。
【請求項85】
前記濃度プロファイルが、第3の濃度を更に含み、前記第3の濃度が、前記第1の濃度の50パーセント以上であり、前記第3の濃度が、前記第1の濃度より早く、前記投与時間の約90分以内である時間に生じる、請求項82に記載の方法。
【請求項86】
前記第3の濃度が、前記第1の濃度の60パーセント以上であり、前記第2の濃度が、前記第1の濃度の60パーセント以上である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記第2の濃度が、前記投与時間の1時間後と前記第2の時間との間に生じる最低濃度である、請求項82に記載の方法。
【請求項88】
前記疾患が、アルツハイマー病、ジストニア、統合失調症、又はパーキンソン病である、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
前記疾患がパーキンソン病である、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記製剤が、6時間間隔で投与される、請求項77、78、79、80、又は81に記載の方法。
【請求項91】
治療的に有効な量の、請求項1、27、55、72、73、74、75、又は76のいずれかに記載の製剤を被験者に投与することを含む、被験者において治療的に有効かつ安定な中央血漿レベルのレボドパを提供する方法。
【請求項92】
前記血漿レベルが、投与後0.5時間〜投与後6時間で40%超変動しない、請求項91に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−507956(P2011−507956A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−540673(P2010−540673)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【国際出願番号】PCT/US2008/014080
【国際公開番号】WO2009/085306
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(504436251)インパックス ラボラトリーズ、 インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】IMPAX LABORATORIES, INC.
【Fターム(参考)】