説明

レミフェンタニルの合成方法

オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤および麻酔剤並びにその中間体を合成するための改良された方法が提供される。特に、例えばレミフェンタニル、カルフェンタニル、スフェンタニル、フェンタニルおよびアルフェンタニルなどの合成オピエートまたはオピオイド化合物の製造において使用するための中間体の合成方法を開示する。本製造方法は、レミフェンタニルおよびカルフェンタニルの当分野で知られている製造方法よりも少ない工程しか必要とせず、費用の低減およびより高い効率をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に、オピエートまたはオピオイド鎮痛剤および麻酔剤並びにそれらの前駆物質の合成方法に関する。特に、本発明は、例えば、レミフェンタニル、カルフェンタニル(carfentanil)、スフェンタニル、フェンタニルおよびアルフェンタニルなどの合成オピエートまたはオピオイド化合物の製造で使用するための合成中間体の合成方法に関する。特に、本発明は、レミフェンタニルおよびカルフェンタニルの当分野で知られている製造方法よりも少ない工程、低減された費用およびより高い効率を必要とする製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
レミフェンタニルおよびカルフェンタニルなどの鎮痛剤は、6、7工程を含む合成方法で製造されてきた。そのような方法の例は、米国特許第5,106,983号および第5,019,583号で概説されている。しかしながら、これらの合成は、しばしば反応性部分の保護および脱保護の工程を複数回必要とし、製造効率の低下および付加的な材料費による工程費用の上昇を招いている。
【0003】
工程がより少ない方法は、鎮痛剤合成の方法の効率を改善すること、および費用を減少することにおいて、有益であろう。
【発明の開示】
【0004】
発明の要旨
従って、本発明のいくつかの特徴の中で、例えば、レミフェンタニル、カルフェンタニル、スフェンタニル、フェンタニルおよびアルフェンタニルなどの合成オピエートまたはオピオイド化合物の製造において使用するための中間体の合成方法の提供;鎮痛剤の製造の提供;レミフェンタニルを合成するためにより少ない工程を要する方法の提供;カルフェンタニルを合成するためにより少ない工程を要する方法の提供に注目できる。
【0005】
アルキル化化合物と、溶媒の存在下で、中間体化合物(V):
【化1】

(式中、Rは、ヒドロカルビル(hydrocarbyl)または置換ヒドロカルビルである)
を形成させる。
【0006】
中間体化合物(V)を、アミンおよびシアン化物化合物と、第1の酸の存在下で反応させ、中間体化合物(VI):
【化2】

(式中、R17およびR18は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルを含む群から独立して選択される)
を形成させる。
【0007】
中間体化合物(VI)を、第2の酸と反応させ、中間体アミドを形成させる。中間体アミドをアルコール(R19OH)と反応させ、中間体化合物(VII):
【化3】

(式中、R19はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、R20はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を形成させる。
【0008】
中間体化合物(VII)をアシル化剤と反応させ、式
【化4】

(式中、R21は−C(O)−R22であり、ここで、R22はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する化合物(VIII)を形成させる。
【0009】
別の態様では、本発明は、オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体を合成するための方法を対象とする。その方法は、式:
【化5】

を有する化合物(IV)を、アルキル化剤、溶媒および塩基と反応させ、式:
【化6】

(式中、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する中間体化合物(V)を形成させることを含む。
【0010】
他の態様では、本発明は、オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体の合成方法を対象とする。その方法は、式:
【化7】

を有する中間体化合物(V)を、シアン化物化合物、アミンおよび酸と反応させ、式:
【化8】

(式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;R17およびR18は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルから独立して選択される)
を有する中間体化合物(VI)を形成させることを含む。
【0011】
他の態様では、本発明は、式:
【化9】

を有する中間体化合物(VI)を、酸およびアルコール(R19OH)と、反応混合物中で反応させ、式:
【化10】

(式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;R17およびR18は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルから独立して選択され;R19は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;そして、R20はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
の中間体化合物(VII)を形成させることを含む、オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体の合成方法を対象とする。
【0012】
本発明の他の態様および特徴は、部分的には明白であり、部分的には以下で指摘される。
【0013】
詳細な説明
本発明によると、鎮痛剤を合成するための改良方法が見出された。その改良方法は、鎮痛剤を合成するのに必要とされる工程を減らす。その方法は、また、当分野で知られている方法と比較して、合成される鎮痛剤生成物の収率を改善する。
【0014】
ある実施態様では、本発明の方法は、式(I):
【化11】

(式中、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、RおよびRは、独立して、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、そして、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する化合物の合成をもたらす。
【0015】
他の実施態様では、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、Rは、フェニルまたは置換フェニルであり、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、そして、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。一例では、Rは、1個またはそれ以上のハロ、ケイ素、ホウ素、窒素または酸素原子で置換されているフェニルである。
【0016】
ある実施態様では、本発明は、ピペリドン出発物質を利用する、化学的に3−[4−メトキシカルボニル−4−[(1−オキソプロピル)フェニルアミノ]−1−ピペリジン]プロパン酸メチルエステルと同定される式(II)を有するレミフェンタニルの合成に使用できる。
【化12】

【0017】
他の実施態様では、本発明は、ピペリドンまたは1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリドン出発物質を利用する、化学的に4((1−オキソプロピル)フェニルアミノ)−1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリジンカルボン酸メチルエステルと同定される式(III)を有するカルフェンタニルの合成に使用できる。
【化13】

【0018】
オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤および麻酔剤を合成するための本発明の改良方法は、一連の数個の新規中間体の合成を含む。下記のスキーム1は、4−ピペリドン塩酸塩、化合物(IV)をアルキル化し、中間体化合物(V)を形成させる、本方法の第1工程を図解する。
スキーム1
【化14】

【0019】
ある実施態様では、化合物(IV)の酸塩、例えば4−ピペリドン塩酸塩を、反応混合物中で工程1のアルキル化剤と溶媒および塩基の存在下で混合し、中間体化合物(V)を形成させる(ここで、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)。好ましくは、Rは、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−から選択される基であり、式中、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、R12はシクロアルキルであり、R14は1個ないし5個のヘテロ原子を含む複素環である。好ましくは、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、アルキル、アルコキシ、アルケニルおよびアルケニルオキシ基であり、R12は、5員ないし7員のシクロアルキルであり、R14は、5員ないし7員の複素環であり;より好ましくは、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、約1個ないし約18個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル、アルコキシ、アルケニルおよびアルケニルオキシ基であり、R12は、5員ないし7員のシクロアルキルであり、R14は、酸素、硫黄および窒素から選択される1個ないし5個のヘテロ原子を含む5員ないし7員の複素環であり;またさらに好ましくは、Rはプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2−フェニルエチル、2−(2−チエニル)エチルおよび2−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル)エチルである。
【0020】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(IV)に対して、約1モル当量ないし約3モル当量のアルキル化剤および約1モル当量ないし約3モル当量の酸捕捉剤(即ち、塩基)を含む。好ましくは、反応混合物に、1当量の4−ピペリジン塩酸塩に対して、約1ないし約1.5当量のアルキル化剤および約1当量ないし約1.5当量の酸捕捉剤を加える。溶媒の化合物(IV)に対する比は、重量を基準として約1:10ないし1:100である。
【0021】
反応中の反応混合物の温度は、約−10℃ないし約65℃の範囲にある。他の実施態様では、反応温度は、約10℃ないし約40℃の範囲にある。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。一例では、反応を約24時間以下で実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約6時間である。
【0022】
アルキル化剤の一般例には、構造:
L−R23−R16
(式中、Lは置き換え(displacement)または脱離基Lである)
を有する化合物が含まれる。ある実施態様では、L、R16およびR23は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。好ましくは、Lは、ハロゲン化物、トルエンスルホン酸またはメチルスルホン酸であり;R23は1個ないし18個の炭素を有するヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基であり;そして、R16は、ROC(O)−、RC(O)O−、ROR10OC(O)−、R12−およびR14−から選択され(ここで、R、R、R、R11、R12およびR14は、上記定義の通りである);好ましくは、Lは、ハロゲン化物、トルエンスルホン酸塩またはメチルスルホン酸塩であり、R23はエチルであり、Rは−C(O)OCH、−C(O)OCHCH、−フェニル、−2−(2−チエニル)および−2−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル)エチルである。
【0023】
アルキル化剤は、また、カルボニル、ニトリル、カルボニル−オキシ、アルキル炭酸塩およびアルキル−アルコキシ炭酸塩などの電子求引基に対する電子欠乏部分を含むことができる。いくつかのアルキル化剤の具体例には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクロレイン、ハロゲン化フェニルエチル、トリルエート(tolylate)、メソイレート(mesoilate)、スチレンおよび置換スチレンが含まれる。電子欠乏部分を含むアルキル化剤の図解は、以下の通りである:
【化15】

(式中、Aは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり、Wはヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ニトリルおよびアミドである)。一例では、Aは、水素、1個ないし18個の炭素を含むアルキル、アリール、置換アリール、アルキルアリール(ここで、アルキル基は、1個ないし18個の炭素を含む)、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、5員ないし7員の環であり;そして、Wは、カルボン酸、カルボン酸エステル、ニトリル、アミド、カルボニルまたはアリールである。
【0024】
反応混合物は、化合物(IV)の酸塩を中和する塩基を含有する。ある実施態様では、化合物(IV)は、4−ピペリドンの塩酸塩である。塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属アルコキシド、金属水素化物、金属、アミン、第4級アルキル水酸化アンモニア、および化合物(IV)の酸塩を中和できる任意の他の塩基が含まれる。金属アルコキシドおよび金属水素化物の例には、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、アルミニウムのアルコキシドおよび水素化物などが含まれる。金属の例には、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの捕捉性金属(scavenging metal)が含まれる。
【0025】
反応混合物中で使用する溶媒には、水および/または1種またはそれ以上の有機溶媒が含まれ得る。有機溶媒の例には、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素;アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノールなど;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,1−オキシビスエタンなどのエーテル;ニトロベンゼン;およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
ある実施態様では、化合物Vは、反応を水でクエンチし、生成物の化合物を結晶化し、そして化合物Vを濾過および乾燥により回収することにより単離する。化合物Vは、有機溶媒で再結晶することによりさらに精製し得る。
【0027】
化合物Vが液体である他の実施態様では、化合物Vを当分野で知られている溶媒抽出および単離方法により単離する。そのような単離方法には、溶媒を蒸発させて粗製油状物生成物を回収することが含まれ得る。その後、その物理特性に応じて、化合物Vをクロマトグラフィーまたは蒸留により単離する。
【0028】
下記のスキーム2は、中間体化合物(VI)が合成される本発明の方法の第2工程を図解する。
スキーム2
【化16】

工程2では、化合物(V)をシアン化物化合物およびアミンと、酸の存在下、反応混合物中で反応させ、化合物(VI)を形成させる(式中、R17およびR18は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルから独立して選択される)。好ましくは、R17およびR18は、水素、アルキル、アルコキシアルキル、アリール、置換アリールおよびヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、5員ないし7員の環状構造から独立して選択される。一例では、R17および/またはR18は、独立してフェニルまたは置換フェニル基である。
【0029】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(V)に対して、約1モル当量ないし約3モル当量のアミンおよび約1モル当量ないし約3モル当量のシアン化物化合物を含む。酸性媒体の化合物(V)に対する比は、重量を基準として、約1:10ないし1:100である。
【0030】
他の実施態様では、反応混合物に、w/w比約10ないし約20の酸性媒体中で、約1モル当量ないし約1.2モル当量のアミンおよび約1モル当量ないし約1.2モル当量のシアン化物化合物を加える。
【0031】
反応中の反応混合物の温度は、約−10℃ないし約65℃の範囲にある。他の例では、反応温度は、約10℃ないし約40℃の範囲にある。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。ある例では、約24時間以下で反応を実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約6時間である。
【0032】
シアン化物化合物の非限定的な例には、ナトリウムシアン化物、カリウムシアン化物、シアン化トリメチルシリル、シアン化水素などが含まれる。工程2で利用するアミン化合物の例には、アルキルアミン、アンモニアおよびフェニルアミン化合物が含まれる。フェニルアミン化合物の例には、アニリンおよび置換フェニルアミン化合物が含まれる(ここで、置換されている成分には、1個ないし18個の炭素を有するヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基が含まれる)。
【0033】
酸には、pHを約7より低く調節する任意の有機または無機酸が含まれ得る。酸の非限定的な例には、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸などが含まれる。ある実施態様では、酢酸を利用して反応混合物のpHを約7より低く調節する。
【0034】
この反応は、水の存在下または非存在下で実施できる。無水条件下で反応を行うならば、反応混合物中で過剰量の溶媒を使用する。ある実施態様では、溶媒は、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素;1個またはそれ以上の炭素を有するアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノールなど;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,1−オキシビスエタンなどのエーテル;ニトロベンゼン;およびこれらの混合物を含むがこれらに限定されない有機溶媒を含む。他の実施態様では、溶媒は、約10%ないし約99%の酸を含有できる。他の実施態様では、反応混合物は、約90%までの水を含有できる。
【0035】
化合物(VI)は、上記のスキームに記載されたものなどの当分野で知られている単離方法を利用して単離できる。
【0036】
本発明の第3段階では、下記のスキーム3に図解する2部の工程で中間体化合物(VII)を合成する。
スキーム3
【化17】

【0037】
工程3は、生成物を各部の間で単離せず、単一の反応混合物中で行う2部の反応である。工程3の第1部では、化合物(VI)を、酸および水で加水分解し、その場で中間体アミドを形成させる。反応混合物は、場合により溶媒を含み得る。
【0038】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(VI)に対して約3モル当量ないし約10モル当量の酸を含む。他の実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(VI)に対して約3モル当量ないし約5モル当量の酸を含む。
【0039】
ある実施態様では、反応混合物の温度は、約−10℃ないし約40℃である。他の例では、反応混合物の温度は約15℃ないし約35℃である。また他の例では、反応混合物の温度は、約10℃ないし約30℃である。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。一例では、反応を約24時間以下で実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約8時間である。
【0040】
酸の供給源は、反応混合物のpHを約7より低く調節する有機または無機酸から選択できる。ある実施態様では、酸は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、シュウ酸などから選択される。一例では、酸の濃度は10%ないし約99%、好ましくは70%ないし約99%であり、残分は水を含む。また他の例では、酸は、硫酸またはメタンスルホン酸から選択される。
【0041】
ある実施態様では、反応混合物は、スキーム2について上記した有機溶媒から選択される溶媒を含有する。一例では、溶媒は、約10%ないし約99%の酸を含む。
【0042】
反応を無水条件下で行うならば、過剰量のアルコールを反応混合物中で溶媒として使用する。ある実施態様では、アルコールは、1個ないし3個の炭素を有する脂肪族アルコールである。
【0043】
工程3の第2部では、アルコール(R19OH)を工程3第1部の反応混合物に添加する(ここで、R19はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)。中間体アミドをエステル化して、化合物(VII)を形成させる(ここで、R19は、工程3の第2部で使用したアルコールに対応するヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)。R20は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。他の例では、R20は、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−から選択される基である(式中、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、上記定義の通りである)。Rがエステルであるとき、反応は、RをR20にエステル変換し、工程3の第2部で使用したアルコールに対応するエステルを形成させる(例えば、R20は−OR19にエステル変換される)。
【0044】
ある実施態様では、約10の割合ないし約50の割合のアルコールを工程3の第2部の反応混合物に添加する。一例では、約10の割合ないし約20の割合のアルコールを工程3の第2部の反応混合物に添加する。
【0045】
ある実施態様では、反応混合物の温度は、約−10℃ないし約75℃である。他の例では、反応混合物の温度は、約40℃ないし約65℃である。反応混合物を約24時間ないし約150時間反応させてよい。他の例では、反応時間は約60時間ないし約100時間である。
【0046】
アルコールの例には、C−C18脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、芳香族性アルコール、例えばフェノールなどが含まれるが、これらに限定されない。ある実施態様では、アルコールは、C−C脂肪族アルコールから選択される。
【0047】
化合物(VII)は、上記スキームに記載のものなどの当分野で知られている単離方法を利用することにより単離できる。
【0048】
最後に、第4段階で、中間体化合物(VIII)をスキーム4に図解する通りに合成する:
スキーム4
【化18】

工程4では、溶媒を含有する反応混合物中で化合物(VII)をアシル化剤と反応させ、化合物(VIII)を形成させる(ここで、R21は、アシル化剤に対応するアシル部分である)。反応混合物は、場合により酸捕捉剤を含有する。
【0049】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(VII)に対して約1モル当量ないし約10モル当量のアシル化剤を含む。他の例では、反応混合物に、1モル当量の化合物(VII)に対して約1モル当量ないし約3モル当量のアシル化剤を加える。
【0050】
ある実施態様では、アシル化剤と化合物(VII)との間の反応は酸捕捉剤の存在下で行い、ここで、反応混合物は、約1モル当量ないし約3モル当量の酸捕捉剤を含む。
【0051】
反応混合物の温度は、約−10℃ないし約75℃の範囲にある。他の例では、反応温度は、約−10℃ないし約65℃の範囲にある。また他の例では、反応温度は、約35℃ないし約65℃の範囲にある。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。一例では、反応を約1時間ないし約24時間実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約16時間である。他の例では、反応時間は約2時間ないし約8時間である。
【0052】
ある実施態様では、R21は−CO−R22である(ここで、R22はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)。他の例では、アシル化剤は、酸ハロゲン化物であり、アルキル酸ハロゲン化物およびアルコキシ−アルキルハロゲン化物から選択されるC−C18酸ハロゲン化物である。アシル化剤の例には、塩化アセチル、塩化エタノイル、塩化プロピオニル、プロピオン酸無水物、メチルケテン、塩化ブタノイル、シアン化アルキル酸などが含まれる。ある実施態様では、アルキル基は、1個ないし18個の炭素を含有する。他の実施態様では、アルキル基は、2個ないし4個の炭素を含有する。
【0053】
反応混合物に含有される溶媒は、工程4で起こる反応に対して不活性である任意の溶媒であり得る。そのような溶媒の例には、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノールなどの低級アルカノール;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,1−オキシビスエタンなどのエーテル;ニトロベンゼン;およびこれらの混合物が含まれる。一例では、反応混合物はアセトニトリルを含有する。
【0054】
酸捕捉剤は、金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミンなどが含まれ得る。
【0055】
ある実施態様では、反応混合物は、酸触媒を含むこともできる。酸触媒は、任意のルイス酸、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、硫酸、塩酸、リン酸などを含むことができる。ある実施態様では、酸濃度は、約1%ないし約30%である。他の実施態様では、酸濃度は、約10%ないし約20%である。他の実施態様では、酸濃度は約10%である。
【0056】
反応が完了した後、水および塩基を反応混合物に添加し、pHを7より高く調節する。有機溶媒で溶媒抽出を実施する。溶媒を除去し、粗生成物を得る。化合物(VIII)は、クロマトグラフィーまたは蒸留により粗生成物から単離し得る。あるいは、粗生成物の塩形態を、再結晶を介して、酸を用いるプロトン化により、単離し得る。
【0057】
上記の個々の工程を組み込んだオピエートまたはオピオイドの鎮痛剤および麻酔剤を合成する本発明の全体的方法を、下記スキーム5で図解する。
【化19】

スキーム5
【0058】
上記の本発明の方法は、米国特許第5,106,983号に詳細に記載されている一連の3つの反応工程を、上記で工程3と特定される、各部の間で生成物を単離しない単一の反応混合物中で行う単一の2部の反応に減らすことにより、鎮痛剤を製造するための合成反応を有意に改善する。この反応方法を使用して、鎮痛剤の中間体を加水分解およびエステル化する。レミフェンタニルの合成方法では、反応はスキーム6で図解される。
スキーム6
【化20】

【0059】
スキーム6の第1部では、化合物(IX)を酸の中で加水分解し、その場で中間体アミドを形成させる。スキーム6の第2部では、メタノールをスキーム2の第1部の反応混合物に添加する。中間体アミドをエステル化し、化合物(X)を形成させ、ここで、アミド部分をメチルエステルにエステル化し、エチルエステルをメチルエステルにエステル変換する。スキーム6の反応の他の反応条件は、スキーム3の反応について上記で詳述したものと同じである。
【0060】
同様に、スキーム7に図解する単一の2部反応を、カルフェンタニルの合成方法において中間体の合成に使用できる。
スキーム7
【化21】

【0061】
スキーム7の第1部では、化合物(XI)を酸の中で加水分解し、中間体アミドをその場で形成させる。スキーム7の第2部では、スキーム2の第1部の反応混合物にメタノールを添加する。中間体アミドをエステル化し、化合物(XII)を形成させ、ここで、アミド部分をメチルエステルにエステル化し、エチルエステルをメチルエステルにエステル変換する。スキーム7の反応のための他の反応条件は、スキーム3の反応について上記で詳述したものと同じである。
【0062】
本発明のある実施態様では、レミフェンタニルの合成方法が提供される。この方法の図解を、下記のスキーム8に記載する。
スキーム8
【化22】

【0063】
化合物(IV)の酸塩、例えば4−ピペリドン塩酸塩を、工程1のアルキル化剤と溶媒および酸捕捉剤の存在下で反応させ、中間体化合物(XIII)を形成させる。アルキル化剤は、アクリル酸アルキル、アクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミドおよびアクロレインからなる群から選択される。
【0064】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(IV)に対して、約1モル当量ないし約3モル当量のアルキル化剤および約1モル当量ないし約3モル当量の酸捕捉剤(即ち、塩基)を含む。溶媒の化合物(IV)に対する比は、重量を基準として約1:10ないし1:100である。
【0065】
他の例では、反応混合物に、1モル当量の4−ピペリジン塩酸塩に対して約1モル当量ないし約1.5モル当量のアルキル化剤および約1モル当量ないし約1.5モル当量の酸捕捉剤を加える。
【0066】
反応中の反応混合物の温度は、約−10℃ないし約65℃の範囲にある。他の例では、反応温度は約10℃ないし約40℃の範囲にある。反応混合物を2日間以下で反応させてよい。ある実施態様では、反応を約24時間以下で実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約6時間である。
【0067】
反応混合物は、化合物(IV)の酸塩を中和する塩基を含有する。反応混合物は、また、化合物(IV)の酸塩を中和する塩基を含有する。塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、金属アルコキシド、金属水素化物、金属、アミン、第4級アルキル水酸化アンモニアおよび化合物(IV)の酸塩を中和できる任意の他の塩基が含まれる。金属アルコキシドおよび金属水素化物の例には、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシウム、アルミニウムのアルコキシドおよび水素化物などが含まれる。金属の例には、ナトリウム、カリウム、マグネシウムなどの捕捉性金属が含まれる。
【0068】
反応混合物で使用する溶媒は、水および/または1種またはそれ以上の有機溶媒を含むことができる。有機溶媒の例には、アセトニトリル、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、n,n−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチルなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
化合物(XIII)は、上記のスキームについて記載したものなどの当分野で知られている単離方法を利用して単離できる。
【0070】
工程2では、化合物(XIII)を反応混合物中でシアン化物化合物およびアニリンと、酸の存在下で反応させ、化合物(IX)を形成させる。
【0071】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(XIII)に対して、約1モル当量ないし約3モル当量のアニリンおよび約1モル当量ないし約3モル当量のシアン化物化合物を含む。酸性媒体の化合物(XIII)に対する比は、重量を基準として約1:10ないし1:100である。
【0072】
他の実施態様では、反応混合物に、約1当量ないし約1.2当量のアニリンおよび約1当量ないし約1.2当量のシアン化物化合物を、酸性媒体約10ないし約20のw/w比で加える。
【0073】
反応混合物の温度は、約−10℃ないし約65℃の範囲にある。他の例では、反応温度は、約10℃ないし約40℃の範囲にある。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。一例では、反応を約24時間以下で実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約6時間である。
【0074】
シアン化物化合物の非限定的な例には、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トリメチルシリル、シアン化水素などが含まれる。
【0075】
酸は、pHを約7より低く調節する任意の有機または無機酸を含み得る。酸の非限定的な例には、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、シュウ酸などが含まれる。ある実施態様では、酢酸を利用して反応混合物のpHを約7より低く調節する。
【0076】
水の存在または非存在から反応を実施できる。反応を無水条件下で行う場合、反応混合物中で過剰量の溶媒を使用する。ある実施態様では、溶媒は、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素;1個またはそれ以上の炭素を有するアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノールなど;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,1−オキシビスエタンなどのエーテル;ニトロベンゼン;およびこれらの混合物を含むがこれらに限定されない有機溶媒を含む。他の実施態様では、溶媒は、約10%ないし約100%の酸を含有できる。ある実施態様では、反応混合物は、約0%ないし約90%の水を含有できる。
【0077】
化合物(IX)は、上記のスキームについて記載したものなどの当分野で知られている単離方法を利用して単離できる。
【0078】
工程3は、各部の間で生成物を単離せずに単一の反応混合物中で行う2部の反応である。工程3の第1部では、化合物(IX)を酸の中で加水分解し、中間体アミドをその場で形成させる。反応混合物は、場合により溶媒を含み得る。
【0079】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(IX)に対して、約3モル当量ないし約10モル当量の酸を含む。他の例では、反応混合物は、1モル当量の化合物(IX)に対して、約3モル当量ないし約5モル当量の酸を含む。
【0080】
反応混合物の温度は、約−10℃ないし約40℃である。他の例では、反応混合物の温度は、約15℃ないし約35℃である。また他の例では、反応混合物の温度は、約10℃ないし約30℃である。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。一例では、反応を約24時間以下で実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約8時間である。
【0081】
酸の供給源は、反応混合物のpHを約7より低く調節する有機または無機酸であり得る。ある実施態様では、酸は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、シュウ酸などから選択される。一例では、酸の濃度は、10%ないし約99%、好ましくは70%ないし約99%であり、残分は水を含む。また他の例では、酸は、硫酸またはメタンスルホン酸から選択される。
【0082】
ある実施態様では、反応混合物は、スキーム2について上記した有機溶媒から選択される溶媒を含有する。ある実施態様では、溶媒は、約10%ないし約99%の溶媒を含む。
【0083】
反応を無水条件下で行うならば、過剰量のアルコールを溶媒として反応混合物中で使用する。ある実施態様では、アルコールは1個ないし3個の炭素を有する脂肪族アルコールである。
【0084】
工程3の第2部では、メタノールを工程3の第1部の反応混合物に添加する。中間体アミドをエステル化し、化合物(X)を形成させる。ここで、アミド部分はメチルエステルにエステル化され、エチルエステルはメチルエステルにエステル変換される。
【0085】
ある実施態様では、約10の割合ないし約50の割合のメタノールをスキーム2の第2部の反応混合物に添加する。他の例では、約10ないし約20の割合のアルコールをスキーム2の第2部の反応混合物に添加する。
【0086】
反応混合物の温度は、約−10℃ないし約75℃である。他の例では、反応混合物の温度は約40℃ないし約65℃である。反応混合物を約24時間ないし約150時間反応させてよい。他の例では、反応時間は約60時間ないし約100時間である。
【0087】
化合物(X)は、上記のスキームに記載のものなどの当分野で知られている単離方法を利用して単離できる。
【0088】
工程4では、溶媒を含有する反応混合物中で化合物(X)をアシル化剤と反応させ、化合物(II)を形成させる。反応混合物は、場合により酸捕捉剤を含有する。
【0089】
ある実施態様では、反応混合物は、1モル当量の化合物(X)に対して約1モル当量ないし約10モル当量のアシル化剤を含む。他の例では、反応混合物に1モル当量の化合物(X)に対して約1モル当量ないし約3モル当量のアシル化剤を加える。
【0090】
ある実施態様では、アシル化剤と化合物(X)との間の反応は、酸捕捉剤の存在下で起こり、反応混合物は約1モル当量ないし約3モル当量の酸捕捉剤を含む。
【0091】
反応混合物の温度は、約−10℃ないし約75℃の範囲にある。他の例では、反応温度は約−10℃ないし約65℃の範囲にある。また他の例では、反応温度は約35℃ないし約65℃の範囲にある。反応混合物は、2日間以下で反応させてよい。ある実施態様では、反応は約1時間ないし約24時間実施する。他の例では、反応時間は約2時間ないし約16時間である。他の例では、反応時間は約2時間ないし約8時間である。
【0092】
ある実施態様では、アシル化剤はハロゲン化プロピオニルまたはプロピオン酸無水物から選択される。他の例では、アシル化剤は塩化プロピオニルを含む。
【0093】
反応混合物に含有される溶媒は、工程4で起こる反応に対して不活性である任意の溶媒であり得る。そのような溶媒の例には、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;芳香族性炭化水素、例えばベンゼン、トルエンおよびキシレン;低級アルカノール、例えば、メタノール、エタノール、1−ブタノールなど;ケトン、例えば、4−メチル−2−ペンタノンなど;エーテル、例えば、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、1,1−オキシビスエタンなど;ニトロベンゼン;およびこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。一例では、反応混合物はアセトニトリルを含有する。
【0094】
酸捕捉剤は、金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、アミンなどを含むことができる。
【0095】
ある実施態様では、反応混合物は、酸触媒も含むことができる。酸触媒は、任意のルイス酸、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、硫酸、塩酸、リン酸などを含むことができる。ある実施態様では、酸の濃度は約1%ないし約30%である。他の実施態様では、酸の濃度は約10%ないし約20%である。他の実施態様では、酸の濃度は約10%である。
【0096】
反応が完了した後、水および塩基を反応混合物に添加し、pHを7より高く調節する。有機溶媒で溶媒抽出を実施する。溶媒を除去し、粗生成物を得る。化合物(II)は、粗生成物からクロマトグラフィーまたは蒸留により単離し得る。あるいは、粗生成物の塩形態は、再結晶を介して酸を用いるプロトン化により単離し得る。
【0097】
本発明の他の実施態様では、カルフェンタニル、化合物(III)の合成方法が提供される。この方法の図解を、下記スキーム9に示す。
スキーム9
【化23】

【0098】
化合物(IV)の酸塩、例えば4−ピペリドン塩酸塩を、工程1で溶媒および塩基の存在下にアルキル化化合物と反応させ、中間体化合物(XIII)を形成させる。アルキル化剤の例には、フェニルエチル基を含有する任意の求電子剤、例えばハロゲン化フェニルエチル、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが含まれる。
【0099】
あるいは、化合物(XIII)を化合物(IV)から合成する代わりに、1−(2−フェニルエチル)−4−ピペリドン、化合物(XIII)を、出発反応物として売り主から入手し得る。この場合、カルフェンタニルの合成方法は、スキーム5の工程2から始まる。
【0100】
スキーム9の反応のための他の反応条件は、スキーム8の反応のために上記で詳述したものと同じである。
【0101】
反応が完了した後、水および塩基を反応混合物に添加し、pHを7より高く調節する。有機溶媒で溶媒抽出を実施する。溶媒を除去し、粗生成物を得る。化合物(III)は、粗生成物からクロマトグラフィーまたは蒸留により単離し得る。あるいは、粗生成物の塩形態は、酸を用いるプロトン化による再結晶を介して単離し得る。
【0102】
本発明の方法は、オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の製造において利用できる中間体化合物の合成において有用である。
【0103】
本発明の方法に従い合成される生成物化合物は、鎮痛剤または麻酔剤を目的とする合成オピエートまたはオピオイドとして使用し得る。特に、本発明のレミフェンタニル化合物は、外科手術における麻酔剤として使用できる。ここで、好都合なことに、これらの化合物はヒトにおける短い半減期を有し、それは、外科手術が終了した後に短時間で患者が目覚めることを可能にする。
【0104】
略号および定義
用語「アシル」は、有機酸からヒドロキシルを除去した後の残基により提供されるラジカル、例えば、有機カルボン酸のCOOH、例えばRC(O)−(ここで、Rは、R24、R24O−、R2425N−またはR25S−であり、R24はヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたは複素環であり、R25は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)である。そのようなアシルラジカルの例には、アルカノイルおよびアロイルラジカルが含まれる。低級アルカノイルラジカルの例には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイルおよびトリフルオロアセチルが含まれる。
【0105】
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する、2個ないし約20個の炭素原子、または、好ましくは2個ないし約12個の炭素原子の直鎖または分枝鎖のラジカルである。より好ましいアルキルラジカルは、2個ないし約6個の炭素原子を有する「低級アルケニル」ラジカルである。アルケニルラジカルの例には、エテニル、プロペニル、アリル、プロペニル、ブテニルおよび4−メチルブテニルが含まれる。用語「アルケニル」および「低級アルケニル」は、また、「シス」および「トランス」配置、あるいは「E」および「Z」配置を有するラジカルである。用語「シクロアルキル」は、3個ないし12個の炭素原子を有する飽和炭素環式ラジカルである。より好ましいシクロアルキルラジカルは、3個ないし約8個の炭素原子を有する「低級シクロアルキル」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。
【0106】
用語「アルコキシ」および「アルキルオキシ」は、1個ないし約10個の炭素原子のアルキル部分を各々有する直鎖または分枝鎖のオキシ含有ラジカルである。より好ましいアルコキシラジカルは、1個ないし6個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシおよびtert−ブトキシが含まれる。
【0107】
用語「アルコキシアルキル」は、アルキルラジカルに結合している、即ち、モノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキルラジカルを形成している、1個またはそれ以上のアルコキシラジカルを有するアルキルラジカルである。「アルコキシ」ラジカルは、フルオロ、クロロまたはブロモなどの1個またはそれ以上のハロ原子でさらに置換され、ハロアルコキシラジカルを提供してもよい。より好ましいハロアルコキシラジカルは、1個ないし6個の炭素原子および1個またはそれ以上のハロラジカルを有する「低級ハロアルコキシ」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシおよびフルオロプロポキシが含まれる。
【0108】
用語「アリール」または「アラ(ar)」は、単独または他の基の一部として本明細書で使用されるとき、置換されていることもある同素環式芳香族基、好ましくは環部分に6個ないし12個の炭素を含有する単環式または二環式基、例えばフェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルを示す。フェニルおよび置換フェニルは、より好ましいアリールである。
【0109】
用語「アミノ」は、単独または他の基の一部として使用されるとき、部分−NR2627(ここで、R26およびR27は、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビルまたは複素環である)を示す。
【0110】
用語「ハロゲン化物」、「ハロゲン」または「ハロ」は、単独または他の基の一部として、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を表す。
【0111】
用語「ヘテロ環」または「複素環」は、単独または他の基の一部として本明細書で使用するとき、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環中に有し、好ましくは5個または6個の原子を各環に有する、置換されていることもある完全飽和または不飽和、単環式または二環式、芳香族性または非芳香族性の基を示す。複素環の基は、好ましくは、環中に1個または2個の酸素原子、1個または2個の硫黄原子、および/または、1個ないし4個の窒素原子を有し、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合していてよい。例示的な複素環には、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニルまたはイソキノリニルなどの複素芳香族が含まれる。例示的な置換基には、以下の基の1個またはそれ以上が含まれる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
【0112】
用語「複素芳香族」は、単独または他の基の一部として本明細書で使用されるとき、少なくとも1個のヘテロ原子を少なくとも1個の環中に有し、好ましくは5個または6個の原子を各環に有する、置換されていることもある芳香族基を示す。複素芳香族の基は、好ましくは、1個または2個の酸素原子、1個または2個の硫黄原子、および/または、1個ないし4個の窒素原子を環中に有し、炭素またはヘテロ原子を介して分子の残りの部分に結合していてよい。例示的な複素芳香族には、フリル、チエニル、ピリジル、オキサゾリル、ピロリル、インドリル、キノリニルまたはイソキノリニルなどが含まれる。例示的な置換基には、1個またはそれ以上の以下の基が含まれる:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ケト、ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、ニトロ、シアノ、チオール、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
【0113】
用語「炭化水素」および「ヒドロカルビル」は、本明細書で使用するとき、全て炭素および水素元素のみからなる有機化合物またはラジカルを示す。これらの部分には、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分が含まれる。これらの部分には、また、他の脂肪族または環式炭化水素の基で置換されているアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール部分、例えばアルカリール、アルケンアリールおよびアルキンアリールなどが含まれる。断りのない限り、これらの部分は1個ないし18個の炭素原子を含む。それらは直鎖または分枝鎖または環式であり得、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、アリル、ベンジル、ヘキシルなどを含む。
【0114】
本明細書に記載の「置換ヒドロカルビル」部分は、少なくとも1個の炭素以外の原子で置換されているヒドロカルビル部分であり、炭素鎖の原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄またはハロゲン原子などのヘテロ原子で置換されている部分が含まれる。これらの置換基には、ハロゲン、複素環、アルコキシ、アルケンオキシ、アルキンオキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、ケト、アシル、アシルオキシ、ニトロ、第3級アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルが含まれる。
【0115】
以下の例は、本発明をより詳細に例示説明するために提供される。
【0116】
本発明の要素または好ましい実施態様を紹介するとき、冠詞「ある(a)」「ある(an)」「その(the)」および「該(said)」は、1個またはそれ以上のそれらの要素があることを意味すると意図している。用語「含む」「包含する」および「有する」は、包含的であり、列挙された要素以外の付加的要素があり得ることを意味する。
【0117】
上記を参照して、本発明のいくつかの目的が達成され、他の有利な結果が得られたことが理解できよう。
【0118】
上記の方法および生成物において、本発明の範囲から逸脱せずに、様々な変更を成し得るので、上記の記載に含まれ、添付の図面で示される全ての事項は、限定的意味ではなく包含的に解釈されることを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎮痛剤または麻酔剤の製造方法であって、
式:
【化1】

を有する化合物(IV)を、アルキル化化合物と、溶媒の存在下で反応させ、中間体化合物(V):
【化2】

(式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を形成させ;
中間体化合物(V)を、アミンおよびシアン化物化合物と、第1の酸の存在下で反応させ、中間体化合物(VI):
【化3】

(式中、R17およびR18は、水素、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルを含む群から独立して選択される)
を形成させ、中間体化合物(VI)を、第2の酸と反応させ、中間体アミドを形成させ;中間体アミドを、アルコール(R19OH)と反応させ、中間体化合物(VII):
【化4】

(式中、R19はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
20はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を形成させ;そして、
中間体化合物(VII)をアシル化剤と反応させ、式
【化5】

(式中、R21は−C(O)−R22であり、ここで、R22はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する化合物(VIII)を形成させることを含む方法。
【請求項2】
溶媒が、水、有機溶媒またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−からなる群から選択され、
ここで、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
12はシクロアルキルであり;そして、
14は1個ないし5個のヘテロ原子を含む複素環である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
19およびR20が、水素、アルキル、アルコキシアルキル、アリール、置換アリールおよび5員ないし7員のシクロアルキルまたは複素環構造を含む群から独立して選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
22が、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−からなる群から選択され、
ここで、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
12は、シクロアルキルであり;そして、
14は、1個ないし5個のヘテロ原子を含む複素環である、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
21が−CO−R22からなる群から選択され、ここで、R22はヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
アルキル化化合物が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクロレイン、ハロゲン化フェニルエチル、トリルエート(tolylate)、メソイレート(mesoilate)、スチレンおよび置換スチレンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
有機溶媒が、アセトニトリル、アセトン、ジクロロメタン、クロロホルム、n,n−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、ジクロロエタン、芳香族性炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,1−オキシビスエタン、ニトロベンゼン;およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
シアン化物化合物が、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トリメチルシリルまたはシアン化水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
アミンが、アニリン;置換フェニルアミン化合物(置換成分は、C−C18ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル基を含む)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
中間体化合物(V)を酸の存在下でアニリンと反応させる(ここで、酸は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸およびシュウ酸からなる群から選択される)、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
中間体化合物(VI)を酸と反応させ(ここで、酸は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、リン酸、シュウ酸からなる群から選択される)、中間体アミドを形成させる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
アルコールがC−C18脂肪族アルコールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、ペンタノールまたはヘキサノールを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アシル化剤が、エタノイルクロリド、プロピオニルクロリド、プロピオン酸無水物、メチルケテン、ブタノイルクロリドおよびアルキル酸シアン化物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
中間体化合物(VII)を、反応混合物中、酸捕捉剤の存在下でアシル化剤と反応させる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
酸捕捉剤が、金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩およびアミンからなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
反応混合物がさらに溶媒を含み、溶媒が、アセトニトリル;アセトン;ジクロロメタン;クロロホルム;n,n−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;酢酸エチル;ジクロロエタン;ベンゼン;トルエン;キシレン;メタノール;エタノール;イソプロパノール、1−ブタノール;tertブタノール;4−メチル−2−ペンタノン;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン;1,1−オキシビスエタン、ニトロベンゼン;およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
化合物(VIII)がレミフェンタニルまたはカルフェンタニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体の合成方法であって、式:
【化6】

を有する化合物(IV)を、アルキル化剤、溶媒および塩基と反応させ、式:
【化7】

(式中、Rはヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する中間体化合物(V)を形成させることを含む方法。
【請求項21】
が、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−からなる群から選択され、
ここで、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
12はシクロアルキルであり;そして、
14は1個ないし5個のヘテロ原子を含む複素環である、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体の合成方法であって、式:
【化8】

を有する中間体化合物(V)を、シアン化物化合物、アミンおよび酸と反応させ、式:
【化9】

(式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;そして、
17およびR18は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルから独立して選択される)
を有する中間体化合物(VI)を形成させることを含む方法。
【請求項23】
17およびR18が、独立して、水素、アルキル、アルコキシアルキル、置換および非置換アリール、並びにヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル、5員ないし7員の環式構造から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
オピエートまたはオピオイドの鎮痛剤または麻酔剤の中間体の合成方法であって、式:
【化10】

を有する中間体化合物(VI)を、酸およびアルコール(R19OH)と、反応混合物中で反応させ、式:
【化11】

(式中、Rは、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
17およびR18は、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルから独立して選択され;
19は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;そして、
20は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである)
を有する中間体化合物(VII)を形成させることを含む方法。
【請求項25】
22が、ROC(O)R−、RC(O)OR−、ROR10OC(O)R11−、R1213−およびR1415−から選択される基であり、
ここで、R、R、R、R、R、R10、R11、R13およびR15は、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルであり;
12はシクロアルキルであり;そして、
14は、1個ないし5個のヘテロ原子を含む複素環である、
請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ヘテロ原子が、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
中間体化合物(VI)が、構造:
【化12】

を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
アルコールがメタノールを含み、中間体化合物(VII)が式:
【化13】

を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
中間体化合物(VI)が、構造:
【化14】

を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
アルコールがメタノールを含み、中間体化合物(VII)が式:
【化15】

を有する、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
反応を単一の反応混合物中で行う、請求項24に記載の方法。
【請求項32】
中間体化合物(VI)を、反応混合物中、約−10℃ないし約40℃の温度で酸と反応させる、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
反応混合物中、約−10℃ないし約75℃の温度で中間体アミドをメタノールと反応させる、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
中間体アミドをメタノールと200時間以下で反応させる、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2009−515960(P2009−515960A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541180(P2008−541180)
【出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/041312
【国際公開番号】WO2007/061555
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(595181003)マリンクロッド・インコーポレイテッド (203)
【氏名又は名称原語表記】Mallinckrodt INC.
【Fターム(参考)】