レンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置
【課題】物体面や像面が設計値からずれた場合でも主走査方向及び副走査方向での焦点深度や被写界深度を同等に維持できるレンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
【解決手段】光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面に入射した光を出射面により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、第1のレンズと同一形状に形成され、第1のレンズに対して180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズに配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を備え、物点からの光が第1のレンズの入射面に入射され、第2のレンズの出射面から出射される際に、第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と副走査方向とで略同一になるように形成されている。
【解決手段】光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面に入射した光を出射面により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、第1のレンズと同一形状に形成され、第1のレンズに対して180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズに配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を備え、物点からの光が第1のレンズの入射面に入射され、第2のレンズの出射面から出射される際に、第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と副走査方向とで略同一になるように形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ等の読取装置や、プリンタ、複写機、複合機(MFP)等の画像形成装置では、LED等の発光素子と複数のレンズを配列したレンズアレイを用いて原稿の画像をイメージセンサに結像して原稿画像を読み取るようにしている。また、LED等の発光素子とレンズアレイを用いて、レンズアレイを介してLEDからの光線を感光体ドラム上に結像し、感光体ドラム上に像を形成(露光)するようにしている。レンズアレイとしては、複数枚のレンズとアパーチャを組み合わせたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1次元配置のレンズアレイでは、副走査方向の焦点深度や、被写界深度が主走査方向に比べ深く、物体面や像面が設計値からずれた際に、ぼけ方が主走査方向と、副走査方向で異なり、レンズアレイを用いたCISでのスキャン画像やLED走査ヘッドでの出力画像を見るユーザに違和感を感じさせてしまうという問題があった。
【0005】
また、主走査方向に、1列にレンズ面を並べたレンズアレイにおいて、主走査方向のレンズ素子間ピッチよりも、副走査方向におけるレンズ面の直径を大きくすることで、MTFや、光量の改善及び場所による変動などを抑える技術が開示されている。しかし、主走査方向及び副走査方向において、物体面や像面が設計値からずれた際の特性(解像度)のバランスを考慮したものではないため、レンズアレイを用いたCISでのスキャン画像やLED走査ヘッドでの出力画像でも同様の問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、物体面や像面が設計値からずれた場合でも主走査方向及び副走査方向での焦点深度や被写界深度を同等に維持できるレンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るレンズアレイは、光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面に入射した光を出射面により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、第1のレンズと同一形状に形成され、第1のレンズに対して180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズに配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を備え、物点からの光が第1のレンズの入射面に入射され、第2のレンズの出射面から出射される際に、第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と副走査方向とで略同一になるように形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成図。
【図2】実施形態1における画像形成部の一部を拡大して示す構成図。
【図3】実施形態1における画像読取装置(イメージセンサ)の構成図。
【図4】実施形態1において使用されるレンズアレイの構成図。
【図5】実施形態1においてレンズアレイに入射後、レンズアレイから出射される光束の断面図。
【図6】実施形態1においてレンズアレイを像面側から見た場合の説明図。
【図7】実施形態2において使用されるレンズアレイの構成図。
【図8】実施形態3において使用されるレンズアレイの構成図。
【図9】実施形態4において使用されるレンズアレイの構成図。
【図10】実施形態5において使用されるレンズアレイの構成図。
【図11】実施形態5の変形例において使用されるレンズアレイの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0010】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置10は、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
【0011】
MFP10の本体11の上部には透明ガラスの原稿台12があり、原稿台12上には自動原稿搬送部(ADF)13を開閉自在に設けている。また本体11の上部には操作パネル14を設けている。操作パネル14は、各種のキーとタッチパネル式の表示部を有している。
【0012】
本体11内のADF13の下部には、読取装置であるスキャナ部15を設けている。スキャナ部15は、ADF13によって送られる原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成するもので、密着型イメージセンサ16(以下、単にイメージセンサと呼ぶ)を備えている。イメージセンサ16は、主走査方向(図1では奥行方向)に配置されている。
【0013】
イメージセンサ16は、原稿台12に載置された原稿の画像を読み取る場合は原稿台12に沿って移動しながら、原稿画像を1ライン分ずつ読み取る。これを原稿サイズ全体にわたって実行し1ページ分の原稿の読み取りを行う。またADF13によって送られる原稿の画像を読み取る場合、イメージセンサ16は、固定位置(図示の位置)にある。
【0014】
さらに本体11内の中央部にはプリンタ部17を有し、本体11の下部には、各種サイズの用紙を収容する複数のカセット18を備えている。プリンタ部17は、感光体ドラムと、露光装置としてLEDを含む走査ヘッド19を有し、走査ヘッド19からの光線によって感光体を走査して画像を生成する。
【0015】
プリンタ部17は、スキャナ部15で読み取った画像データや、PC(Personal Computer)などで作成された画像データを処理して用紙に画像を形成する(詳細は後述)。プリンタ部17は、例えばタンデム方式によるカラーレーザプリンタであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部20Y,20M,20C,20Kを含む。画像形成部20Y,20M,20C,20Kは、中間転写ベルト21の下側に、上流から下流側に沿って並列に配置している。また、走査ヘッド19も画像形成部20Y,20M,20C,20Kに対応した複数の走査ヘッド19Y、19M、19C、19Kを有している。
【0016】
図2は、画像形成部20Y,20M,20C,20Kのうち、画像形成部20Kを拡大して示す構成図である。尚、以下の説明において各画像形成部20Y,20M,20C,20Kは同じ構成であるため、画像形成部20Kを代表にして説明する。
【0017】
図2に示すように、画像形成部20Kは、像担持体である感光体ドラム22Kを有する。感光体ドラム22Kの周囲には、回転方向tに沿って帯電チャージャ23K、現像器24K、1次転写ローラ25K、クリーナ26K、ブレード27K等を配置している。感光体ドラム22Kの露光位置には、走査ヘッド19Kから光を照射し、感光体ドラム22K上に静電潜像を形成する。
【0018】
画像形成部20Kの帯電チャージャ23Kは、感光体ドラム22Kの表面を一様に全面帯電する。現像器24Kは、現像バイアスが印加される現像ローラ24aによりブラックのトナー及びキャリアを含む二成分現像剤を感光体ドラム22Kに供給する。クリーナ26Kは、ブレード27Kを用いて感光体ドラム22K表面の残留トナーを除去する。
【0019】
また図1に示すように、画像形成部20Y〜20Kの上部には、現像器24Y〜24Kにトナーを供給するトナーカートリッジ28を設けている。トナーカートリッジ28は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーカートリッジを含む。
【0020】
中間転写ベルト21は、循環的に移動する。中間転写ベルト21は、駆動ローラ31及び従動ローラ32に張架される。また中間転写ベルト21は感光体ドラム22Y〜22Kに対向して接触している。中間転写ベルト21の感光体ドラム22Kに対向する位置には、1次転写ローラ25Kにより1次転写電圧が印加され、感光体ドラム22K上のトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。
【0021】
中間転写ベルト21を張架する駆動ローラ31には、2次転写ローラ33を対向して配置している。駆動ローラ31と2次転写ローラ33間を用紙Sが通過する際に、2次転写ローラ33により2次転写電圧が用紙Sに印加される。そして中間転写ベルト21上のトナー像を用紙Sに2次転写する。中間転写ベルト21の従動ローラ32付近には、ベルトクリーナ34を設けている。
【0022】
また、図1で示すように、給紙カセット18から2次転写ローラ33に至る間には、給紙カセット18内から取り出した用紙Sを搬送する搬送ローラ35を設けている。さらに2次転写ローラ33の下流には定着器36を設けている。また定着器36の下流には搬送ローラ37を設けている。搬送ローラ37は用紙Sを排紙部38に排出する。
【0023】
さらに、定着器36の下流には、反転搬送路39を設けている。反転搬送路39は、用紙Sを反転させて2次転写ローラ33の方向に導くもので、両面印刷を行う際に使用する。
【0024】
次に、図2を参照して走査ヘッド19K走査ヘッド19の構成を説明する。走査ヘッド19Kは、感光体ドラム22Kと対向し露光装置として機能する。感光体ドラム22Kは、予め設定した回転速度で回転し、表面に電荷を蓄えることができ、走査ヘッド19Kからの光を感光体ドラム22Kに照射して露光し、感光体ドラム22Kの表面に静電潜像を形成する。
【0025】
走査ヘッド19Kは、レンズアレイ50を有し、レンズアレイ50は保持部材41に支持されている。また、保持部材41の底部には支持体42を有し、支持体42には、発光素子であるLED素子43を配置している。LED素子43は主走査方向に直線状に等間隔で設けている。また、支持体42にはLED素子43の発光を制御するドライバICを含む基板(図示せず)を配置している。尚、レンズアレイ50の詳細な構成については後述する。
【0026】
ドライブICは制御部を構成し、画像データに基づいて走査ヘッド19Kの制御信号を発生し、制御信号に従って所定の光量でLED素子を発光させる。そして、LED素子43から出射した光線は、レンズアレイ50に入射し、レンズアレイ50を通過して感光体ドラム22K上に結像し、像が感光体ドラム22K上に形成される。また走査ヘッド19Kの上部(出射側)にはカバーガラス44を取り付けている。
【0027】
図3は、画像読取装置であるイメージセンサ16の構成を示す説明図である。イメージセンサ16は、原稿台12上に載置された原稿の画像、またはADF13によって給紙された原稿の画像を、操作パネル14の操作に従って読み取る。イメージセンサ16は、主走査方向に配置された1次元のセンサであり、筐体45を有する。筐体45は基板46上に配置され、筐体45の原稿台12側の上面には、原稿の方向に光を照射する2つのLEDライン照明装置47,48を主走査方向(図の奥行方向)に延びるように設けている。LEDライン照明装置47,48は、LEDアレイと導光体を備える。尚、光源はLEDに限定されず、蛍光管、キセノン管、冷陰極管又は有機EL等であってもよい。
【0028】
筐体45上部のLEDライン照明装置47と48の間には、レンズアレイ50が支持され、筐体45の底部にある基板46には、CCDやCMOSなどで構成されるセンサ49が実装されている。LEDライン照明装置47,48は原稿台12上の原稿の画像読み取り位置を照射し、画像読み取り位置で反射した光は、レンズアレイ50に入射する。レンズアレイ50は、正立等倍レンズとして機能する。レンズアレイ50に入射した光は、レンズアレイ50の出射面から出射され、センサ49上に結像する。結像した光は、センサ49によって電気信号に変換され、電気信号は、基板46のメモリ部(図示せず)に転送される。
【0029】
次に、レンズアレイ50(結像素子アレイ)の構成について説明する。図4は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図4(a)はレンズアレイ50の上面図、図4(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図4(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0030】
図4(a)〜(c)に示されるように、レンズアレイ50は、同一形状の第1のレンズ51および第2のレンズ52がそれぞれ対向して配置され、各レンズ51、52の入射面と、出射面上に、レンズ素子(今後、入射面53、出射面54、入射面55、出射面56上に配置された各レンズ素子と、レンズ53、レンズ54、レンズ55、レンズ56は同じ意味で使用する)が複数個並ぶことで構成されている。
【0031】
第1のレンズ51は、光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面53に入射した光(L1)をレンズ53とレンズ54の対により、それぞれの入射面、出射面のレンズ素子の組み合わせ毎に、集光させる。第2のレンズ52は、第1のレンズ51と同一形状で形成され、第1のレンズ51に対して主走査方向にのびる直線を回転中心として、180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズ51のレンズ(素子)53とレンズ(素子)54により光がそれぞれ集光される位置の光路の下流にレンズ(素子)55がそれぞれ対向して配置され、入射面55に入射した光を入射面55と出射面56上のレンズ55、レンズ56により再度集光させる。
【0032】
また、第1のレンズの出射面54の表面には遮光材57が設けられている。この遮光材57には、第1のレンズ51及び第2のレンズ52のレンズ素子の組合せに対応するアパーチャ(孔)が形成され、第1のレンズ51の出射面54から出射する光を各アパーチャ以外の部分で遮光する。そして、遮光材57により不要な光を遮光された光(L2)は、第2のレンズ52の入射面55及び出射面56を通り、像面上に、正立等倍像として結像される(図4(b)下側)。
【0033】
尚、遮光材57は、第1のレンズ51のレンズ(素子)54の周りに、インクを塗布して形成、あるいは、シート状の部材に各レンズ素子に対応するアパーチャ(孔)を設けたものを出射面54に対して位置決めし、接着されたものである。
【0034】
図5は、本実施形態においてレンズアレイ50に入射後、レンズアレイから出射される光束の断面図であり、図5(a)は、光線の副走査方向における断面図、図5(b)は主走査方向における断面図である。図5(a)及び図5(b)には、光軸上にある点P1から光線が出ている時と、所定の高さの点P2から出ている時の光束をそれぞれ記載しており、物点での光軸からのずれと、像面での像の光軸からのずれが、同じ走査方向で、同じ量であることを示している。これは、レンズアレイ50が、主走査方向及び副走査方向において、正立等倍光学系として機能していることを示している。
【0035】
図6は、本実施形態においてレンズアレイ50を像面側から見た場合の説明図である。ここでは、物点から出た光が、第2のレンズ52の出射面56から出射する様子を、像面から見たときの光束の様子を示しており、第1のレンズ51の入射面及び第2のレンズ52の副走査方向のの出射面のレンズ幅は、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるように決められている。
【0036】
例えば、光量むらを、実用上問題無いレベルに抑えるには、主走査方向のレンズ群の、最低、3つ、主走査方向像高によっては、2つが通過するような光学配置とする。この場合、主走査方向と、副走査方向の光束の幅をほぼ同じとするためには、第1のレンズ51の入射面側又は第2のレンズ52の出射面側の副走査方向におけるレンズ幅を主走査方向レンズピッチの3倍に設定すれば良い。
【0037】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
【0038】
(1)物点から出た光線が出射する主走査方向と副走査方向の、第2のレンズ52の出射面56上で光線の一番外側に位置する2点間の距離が、主走査方向と副走査方向とで、ほぼ同じとなっているため、像面に向かう最外郭光の主光線に対する角度を同じとすることができ、物体面や像面が設計値からずれてしまった場合でも、主走査方向及び副走査方向の焦点深度や被写界深度を同等にでき、CISによる入力画像やLED走査ヘッドによる出力画像を見るユーザに違和感を感じさせないようにすることができる。
【0039】
(2)レンズアレイは、1つの光線が通る、レンズ素子相互間の光軸がずれると、結像特性や、光量、光量むらが大きく劣化する。第1のレンズ51のレンズ53及びレンズ54、第2のレンズ52のレンズ55及びレンズ56は、型の精度に基づいて主走査方向と副走査方向の位置精度が決まるため、第1のレンズ51の入射面、出射面の各レンズ素子と第2のレンズ52の入射面、出射面の各レンズ素子の主走査方向、副走査方向の相対位置精度は、それぞれ、精度良く設定できる。
【0040】
(3)上記のように、第1のレンズ51及び第2のレンズ52が同一形状であって、第2のレンズ52を主走査方向にのびる軸を回転中心として、180度回転した姿勢で、第1のレンズ51に対向配置されることで、各レンズ素子(53,54,55,56)の絶対位置精度を確保しなくとも、第1のレンズ51上の各レンズ(素子)と、第2のレンズ52上のレンズ(素子)は、同じ様にすれる。このため、第1のレンズ51の入射面53及び出射面54並びに第2のレンズ52のレンズ55及び出射面56上の各レンズ素子の光軸を主走査方向、副走査方向に相対位置ずれ無く、配置することができる。
【0041】
(4)第1のレンズ51の入射面53の外周は、直線ではなく、光量むらが最少になるように曲面形状となっている。また、全面がレンズ面になっているため、入射面53に不要な光が入るのを防止している。
【0042】
(5)第1のレンズ51の入射面53を通過した光の内、出射面54側に設けられた遮光材57を通過した光(L2)が全て像面に到達するため、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置された場合でも、光量損失、および、光量むらの劣化量を小さく抑えることができる。
【0043】
<実施形態2>
図7は、本実施形態において使用されるレンズアレイの構成図であり、図7(a)はレンズアレイ50の上面図、図7(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図7(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0044】
図7(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態1と比較して、第2のレンズ52の入射面55の表面に遮光材58が設けられている点が異なっている。また、第2のレンズ52の入射面55側の遮光材58に形成されたアパーチャの直径は、第1のレンズ51の出射面54側の遮光材57に形成されたアパーチャの直径よりも大きく形成されている。尚、遮光材58は、遮光材57と同様に、第2のレンズ52のレンズ55の周りに、インクを塗布して形成、あるいは、シート状の部材にアパーチャ(孔)を設けたものを入射面55に対して位置決めし、接着されたものである。正立等倍像を作る場合、それぞれのレンズ素子は、全て、凸レンズになる。凸レンズで、頂点を上にして考えた場合、インクの上面がレンズの頂点に近くなるほど、開口径が小さくなる。第1のレンズ51と第2のレンズ52は、同じ形状であるから、レンズ素子の底面部の頂点部からの距離は同じである。これを利用し、インクを塗布する場合は、第2のレンズ52の入射面側のインク厚を、第1のレンズ51の出射面側のインク厚よりも薄くする(インク上面を、レンズ頂点から離す)ことで、アパーチャ直径を相対的に大きくしている。
【0045】
したがって、本実施形態によれば、実施形態1(1)、(2)、(3)、(4)と同様の効果に加えて、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置された場合でも、第1のレンズ51の出射面54側の遮光材57でどの光線を通過させるかを決定すると共に、第2のレンズ52の入射面55側の遮光材58では、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置されたことにより第2のレンズ52の入射面で、偏芯が無い場合に、光線が入るべき、正規のレンズ55の隣のレンズ55に光線が入ってしまって発生する迷光のカットが可能となるという効果を奏する。その上で、第1のレンズ51と第2のレンズ52において、主走査方向、副走査方向での偏芯があっても、アパーチャの半径差までの偏芯では、光線が遮光されないという効果を奏する。
【0046】
<実施形態3>
図8は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図8(a)はレンズアレイ50の上面図、図8(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図8(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0047】
図8(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態2と比較して、物点側、すなわち、第1のレンズ51の入射面53の近傍に、入射面53と離間して遮光材59が設けられている点が異なっている。この遮光材59には、第1のレンズ51の入射面53におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されている。尚、遮光材59は第1のレンズ51の入射面53と非接触であるため、シート状の部材から切り出して形成すると好適である。
【0048】
また、本実施形態では、スリットを有する遮光材59が設けられているが、スリットの幅は、物点から出た光が、第2のレンズ52の出射面56から出射する際、図5で示したように、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるように決められている。尚、第2のレンズ52の出射面56側にスリットを有する遮光材を設けて、そのスリット幅を調整することにより、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるようにしても良い。
【0049】
例えば、光量むらを、実用上問題無いレベルに抑えるには、実施形態1の場合と同様に、主走査方向のレンズ群の、最低、3つ、主走査方向像高によっては、2つが通過するような光学配置とする。この場合、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じとなるように、副走査方向のスリット幅を主走査方向のレンズピッチの3倍に設定すれば良い。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果に加えて、以下のような効果が奏される。
【0051】
(1)第1のレンズ51のレンズ53副走査方向端部において、レンズエッジ部で発生する迷光をカットできる。
【0052】
(2)第1のレンズ51及び第2のレンズ52のレンズ幅を予め調整した後においても、主走査方向と副走査方向の光束の幅をスリット幅の調整することによって、出力画像のぶれを減少させたレンズアレイ50を形成することが可能となる。
【0053】
<実施形態4>
図9は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図9(a)はレンズアレイ50の上面図、図9(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図9(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0054】
図9(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態3と比較して、第1のレンズ51の入射面53の近傍に設けられている遮光材60の形状が異なっている。すなわち、第1のレンズ51の入射面53近傍の遮光材60は、入射面53におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリット部と、物点から第1のレンズ51の入射面53におけるレンズ素子間の境界へ入射する光を遮光する境界遮光部と、を有している。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、実施形態3と同様の効果に加えて、第1のレンズ51の入射面53に配置されたレンズ素子間の境界へ入射する迷光の更なるカットが可能となる効果を奏する。
【0056】
<実施形態5>
図10は、実施形態5において使用されるレンズアレイの構成図であり、図10(a)はレンズアレイ50の上面図、図10(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図10(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。図10(a)〜(c)に示されるように、実施形態5と同様に、第1のレンズ51の入射面53の表面にはレンズ53境界部に遮光材62が設けられ、更に入射面53と離間して物点P1側に、スリットを有する遮光材が設けられている。尚、遮光材62は、第1のレンズ51のレンズ53間の境界へ入射する光をカットするために、インクの塗布によってレンズ素子境界にのみ設けられている。
【0057】
<変形例>
図11は、実施形態5の変形例において使用されるレンズアレイの構成図であり、図11(a)はレンズアレイ50の上面図、図11(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図11(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。図11(a)〜(c)に示されるように、図10に示したレンズアレイ50に対して、第2のレンズ52の出射面56の表面には、レンズ56の境界に、遮光材63が追加されている。遮光材63は、インクの塗布によってレンズ境界にのみ設けられている。そして、遮光材63を設けたことにより、第2のレンズ52の出射面56において隣接する他の第2のレンズ52のレンズ素子56に入ってしまった光が、像面方向に進むことを防止できる効果を奏する。更に、第2のレンズ52の出射面56の近傍には、第1のレンズ51の入射面53側と同様に、スリットを有する遮光材64が設けられており、迷光の削減能力が強化されている。この場合、副走査方向の出射面での光線の幅は、スリット59、または、スリット64の開口部幅で決めることができる。
【符号の説明】
【0058】
19(19Y,19M,19C,19K)…走査ヘッド
20Y,20M,20C,20K…画像形成部
22Y,22M,22C,22K…感光体ドラム(像担持体)
43…発光素子
47,48…照明装置
49…センサ
50…レンズアレイ(結像素子アレイ)
51…第1のレンズ
52…第2のレンズ
53…第1のレンズの入射面
54…第1のレンズの出射面
55…第2のレンズの入射面
56…第2のレンズの出射面
57,58,59,60,61,62,63,64…遮光材
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スキャナ等の読取装置や、プリンタ、複写機、複合機(MFP)等の画像形成装置では、LED等の発光素子と複数のレンズを配列したレンズアレイを用いて原稿の画像をイメージセンサに結像して原稿画像を読み取るようにしている。また、LED等の発光素子とレンズアレイを用いて、レンズアレイを介してLEDからの光線を感光体ドラム上に結像し、感光体ドラム上に像を形成(露光)するようにしている。レンズアレイとしては、複数枚のレンズとアパーチャを組み合わせたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−83576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
1次元配置のレンズアレイでは、副走査方向の焦点深度や、被写界深度が主走査方向に比べ深く、物体面や像面が設計値からずれた際に、ぼけ方が主走査方向と、副走査方向で異なり、レンズアレイを用いたCISでのスキャン画像やLED走査ヘッドでの出力画像を見るユーザに違和感を感じさせてしまうという問題があった。
【0005】
また、主走査方向に、1列にレンズ面を並べたレンズアレイにおいて、主走査方向のレンズ素子間ピッチよりも、副走査方向におけるレンズ面の直径を大きくすることで、MTFや、光量の改善及び場所による変動などを抑える技術が開示されている。しかし、主走査方向及び副走査方向において、物体面や像面が設計値からずれた際の特性(解像度)のバランスを考慮したものではないため、レンズアレイを用いたCISでのスキャン画像やLED走査ヘッドでの出力画像でも同様の問題が生じていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、物体面や像面が設計値からずれた場合でも主走査方向及び副走査方向での焦点深度や被写界深度を同等に維持できるレンズアレイ及びこれを用いた画像形成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るレンズアレイは、光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面に入射した光を出射面により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、第1のレンズと同一形状に形成され、第1のレンズに対して180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズに配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を備え、物点からの光が第1のレンズの入射面に入射され、第2のレンズの出射面から出射される際に、第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と副走査方向とで略同一になるように形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成図。
【図2】実施形態1における画像形成部の一部を拡大して示す構成図。
【図3】実施形態1における画像読取装置(イメージセンサ)の構成図。
【図4】実施形態1において使用されるレンズアレイの構成図。
【図5】実施形態1においてレンズアレイに入射後、レンズアレイから出射される光束の断面図。
【図6】実施形態1においてレンズアレイを像面側から見た場合の説明図。
【図7】実施形態2において使用されるレンズアレイの構成図。
【図8】実施形態3において使用されるレンズアレイの構成図。
【図9】実施形態4において使用されるレンズアレイの構成図。
【図10】実施形態5において使用されるレンズアレイの構成図。
【図11】実施形態5の変形例において使用されるレンズアレイの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
【0010】
<実施形態1>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置10は、例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
【0011】
MFP10の本体11の上部には透明ガラスの原稿台12があり、原稿台12上には自動原稿搬送部(ADF)13を開閉自在に設けている。また本体11の上部には操作パネル14を設けている。操作パネル14は、各種のキーとタッチパネル式の表示部を有している。
【0012】
本体11内のADF13の下部には、読取装置であるスキャナ部15を設けている。スキャナ部15は、ADF13によって送られる原稿または原稿台上に置かれた原稿を読み取って画像データを生成するもので、密着型イメージセンサ16(以下、単にイメージセンサと呼ぶ)を備えている。イメージセンサ16は、主走査方向(図1では奥行方向)に配置されている。
【0013】
イメージセンサ16は、原稿台12に載置された原稿の画像を読み取る場合は原稿台12に沿って移動しながら、原稿画像を1ライン分ずつ読み取る。これを原稿サイズ全体にわたって実行し1ページ分の原稿の読み取りを行う。またADF13によって送られる原稿の画像を読み取る場合、イメージセンサ16は、固定位置(図示の位置)にある。
【0014】
さらに本体11内の中央部にはプリンタ部17を有し、本体11の下部には、各種サイズの用紙を収容する複数のカセット18を備えている。プリンタ部17は、感光体ドラムと、露光装置としてLEDを含む走査ヘッド19を有し、走査ヘッド19からの光線によって感光体を走査して画像を生成する。
【0015】
プリンタ部17は、スキャナ部15で読み取った画像データや、PC(Personal Computer)などで作成された画像データを処理して用紙に画像を形成する(詳細は後述)。プリンタ部17は、例えばタンデム方式によるカラーレーザプリンタであり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像形成部20Y,20M,20C,20Kを含む。画像形成部20Y,20M,20C,20Kは、中間転写ベルト21の下側に、上流から下流側に沿って並列に配置している。また、走査ヘッド19も画像形成部20Y,20M,20C,20Kに対応した複数の走査ヘッド19Y、19M、19C、19Kを有している。
【0016】
図2は、画像形成部20Y,20M,20C,20Kのうち、画像形成部20Kを拡大して示す構成図である。尚、以下の説明において各画像形成部20Y,20M,20C,20Kは同じ構成であるため、画像形成部20Kを代表にして説明する。
【0017】
図2に示すように、画像形成部20Kは、像担持体である感光体ドラム22Kを有する。感光体ドラム22Kの周囲には、回転方向tに沿って帯電チャージャ23K、現像器24K、1次転写ローラ25K、クリーナ26K、ブレード27K等を配置している。感光体ドラム22Kの露光位置には、走査ヘッド19Kから光を照射し、感光体ドラム22K上に静電潜像を形成する。
【0018】
画像形成部20Kの帯電チャージャ23Kは、感光体ドラム22Kの表面を一様に全面帯電する。現像器24Kは、現像バイアスが印加される現像ローラ24aによりブラックのトナー及びキャリアを含む二成分現像剤を感光体ドラム22Kに供給する。クリーナ26Kは、ブレード27Kを用いて感光体ドラム22K表面の残留トナーを除去する。
【0019】
また図1に示すように、画像形成部20Y〜20Kの上部には、現像器24Y〜24Kにトナーを供給するトナーカートリッジ28を設けている。トナーカートリッジ28は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナーカートリッジを含む。
【0020】
中間転写ベルト21は、循環的に移動する。中間転写ベルト21は、駆動ローラ31及び従動ローラ32に張架される。また中間転写ベルト21は感光体ドラム22Y〜22Kに対向して接触している。中間転写ベルト21の感光体ドラム22Kに対向する位置には、1次転写ローラ25Kにより1次転写電圧が印加され、感光体ドラム22K上のトナー像を中間転写ベルト21に1次転写する。
【0021】
中間転写ベルト21を張架する駆動ローラ31には、2次転写ローラ33を対向して配置している。駆動ローラ31と2次転写ローラ33間を用紙Sが通過する際に、2次転写ローラ33により2次転写電圧が用紙Sに印加される。そして中間転写ベルト21上のトナー像を用紙Sに2次転写する。中間転写ベルト21の従動ローラ32付近には、ベルトクリーナ34を設けている。
【0022】
また、図1で示すように、給紙カセット18から2次転写ローラ33に至る間には、給紙カセット18内から取り出した用紙Sを搬送する搬送ローラ35を設けている。さらに2次転写ローラ33の下流には定着器36を設けている。また定着器36の下流には搬送ローラ37を設けている。搬送ローラ37は用紙Sを排紙部38に排出する。
【0023】
さらに、定着器36の下流には、反転搬送路39を設けている。反転搬送路39は、用紙Sを反転させて2次転写ローラ33の方向に導くもので、両面印刷を行う際に使用する。
【0024】
次に、図2を参照して走査ヘッド19K走査ヘッド19の構成を説明する。走査ヘッド19Kは、感光体ドラム22Kと対向し露光装置として機能する。感光体ドラム22Kは、予め設定した回転速度で回転し、表面に電荷を蓄えることができ、走査ヘッド19Kからの光を感光体ドラム22Kに照射して露光し、感光体ドラム22Kの表面に静電潜像を形成する。
【0025】
走査ヘッド19Kは、レンズアレイ50を有し、レンズアレイ50は保持部材41に支持されている。また、保持部材41の底部には支持体42を有し、支持体42には、発光素子であるLED素子43を配置している。LED素子43は主走査方向に直線状に等間隔で設けている。また、支持体42にはLED素子43の発光を制御するドライバICを含む基板(図示せず)を配置している。尚、レンズアレイ50の詳細な構成については後述する。
【0026】
ドライブICは制御部を構成し、画像データに基づいて走査ヘッド19Kの制御信号を発生し、制御信号に従って所定の光量でLED素子を発光させる。そして、LED素子43から出射した光線は、レンズアレイ50に入射し、レンズアレイ50を通過して感光体ドラム22K上に結像し、像が感光体ドラム22K上に形成される。また走査ヘッド19Kの上部(出射側)にはカバーガラス44を取り付けている。
【0027】
図3は、画像読取装置であるイメージセンサ16の構成を示す説明図である。イメージセンサ16は、原稿台12上に載置された原稿の画像、またはADF13によって給紙された原稿の画像を、操作パネル14の操作に従って読み取る。イメージセンサ16は、主走査方向に配置された1次元のセンサであり、筐体45を有する。筐体45は基板46上に配置され、筐体45の原稿台12側の上面には、原稿の方向に光を照射する2つのLEDライン照明装置47,48を主走査方向(図の奥行方向)に延びるように設けている。LEDライン照明装置47,48は、LEDアレイと導光体を備える。尚、光源はLEDに限定されず、蛍光管、キセノン管、冷陰極管又は有機EL等であってもよい。
【0028】
筐体45上部のLEDライン照明装置47と48の間には、レンズアレイ50が支持され、筐体45の底部にある基板46には、CCDやCMOSなどで構成されるセンサ49が実装されている。LEDライン照明装置47,48は原稿台12上の原稿の画像読み取り位置を照射し、画像読み取り位置で反射した光は、レンズアレイ50に入射する。レンズアレイ50は、正立等倍レンズとして機能する。レンズアレイ50に入射した光は、レンズアレイ50の出射面から出射され、センサ49上に結像する。結像した光は、センサ49によって電気信号に変換され、電気信号は、基板46のメモリ部(図示せず)に転送される。
【0029】
次に、レンズアレイ50(結像素子アレイ)の構成について説明する。図4は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図4(a)はレンズアレイ50の上面図、図4(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図4(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0030】
図4(a)〜(c)に示されるように、レンズアレイ50は、同一形状の第1のレンズ51および第2のレンズ52がそれぞれ対向して配置され、各レンズ51、52の入射面と、出射面上に、レンズ素子(今後、入射面53、出射面54、入射面55、出射面56上に配置された各レンズ素子と、レンズ53、レンズ54、レンズ55、レンズ56は同じ意味で使用する)が複数個並ぶことで構成されている。
【0031】
第1のレンズ51は、光軸と直交する方向に配列され、物点から入射面53に入射した光(L1)をレンズ53とレンズ54の対により、それぞれの入射面、出射面のレンズ素子の組み合わせ毎に、集光させる。第2のレンズ52は、第1のレンズ51と同一形状で形成され、第1のレンズ51に対して主走査方向にのびる直線を回転中心として、180度反転した状態で光軸と直交する方向に配列され、第1のレンズ51のレンズ(素子)53とレンズ(素子)54により光がそれぞれ集光される位置の光路の下流にレンズ(素子)55がそれぞれ対向して配置され、入射面55に入射した光を入射面55と出射面56上のレンズ55、レンズ56により再度集光させる。
【0032】
また、第1のレンズの出射面54の表面には遮光材57が設けられている。この遮光材57には、第1のレンズ51及び第2のレンズ52のレンズ素子の組合せに対応するアパーチャ(孔)が形成され、第1のレンズ51の出射面54から出射する光を各アパーチャ以外の部分で遮光する。そして、遮光材57により不要な光を遮光された光(L2)は、第2のレンズ52の入射面55及び出射面56を通り、像面上に、正立等倍像として結像される(図4(b)下側)。
【0033】
尚、遮光材57は、第1のレンズ51のレンズ(素子)54の周りに、インクを塗布して形成、あるいは、シート状の部材に各レンズ素子に対応するアパーチャ(孔)を設けたものを出射面54に対して位置決めし、接着されたものである。
【0034】
図5は、本実施形態においてレンズアレイ50に入射後、レンズアレイから出射される光束の断面図であり、図5(a)は、光線の副走査方向における断面図、図5(b)は主走査方向における断面図である。図5(a)及び図5(b)には、光軸上にある点P1から光線が出ている時と、所定の高さの点P2から出ている時の光束をそれぞれ記載しており、物点での光軸からのずれと、像面での像の光軸からのずれが、同じ走査方向で、同じ量であることを示している。これは、レンズアレイ50が、主走査方向及び副走査方向において、正立等倍光学系として機能していることを示している。
【0035】
図6は、本実施形態においてレンズアレイ50を像面側から見た場合の説明図である。ここでは、物点から出た光が、第2のレンズ52の出射面56から出射する様子を、像面から見たときの光束の様子を示しており、第1のレンズ51の入射面及び第2のレンズ52の副走査方向のの出射面のレンズ幅は、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるように決められている。
【0036】
例えば、光量むらを、実用上問題無いレベルに抑えるには、主走査方向のレンズ群の、最低、3つ、主走査方向像高によっては、2つが通過するような光学配置とする。この場合、主走査方向と、副走査方向の光束の幅をほぼ同じとするためには、第1のレンズ51の入射面側又は第2のレンズ52の出射面側の副走査方向におけるレンズ幅を主走査方向レンズピッチの3倍に設定すれば良い。
【0037】
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
【0038】
(1)物点から出た光線が出射する主走査方向と副走査方向の、第2のレンズ52の出射面56上で光線の一番外側に位置する2点間の距離が、主走査方向と副走査方向とで、ほぼ同じとなっているため、像面に向かう最外郭光の主光線に対する角度を同じとすることができ、物体面や像面が設計値からずれてしまった場合でも、主走査方向及び副走査方向の焦点深度や被写界深度を同等にでき、CISによる入力画像やLED走査ヘッドによる出力画像を見るユーザに違和感を感じさせないようにすることができる。
【0039】
(2)レンズアレイは、1つの光線が通る、レンズ素子相互間の光軸がずれると、結像特性や、光量、光量むらが大きく劣化する。第1のレンズ51のレンズ53及びレンズ54、第2のレンズ52のレンズ55及びレンズ56は、型の精度に基づいて主走査方向と副走査方向の位置精度が決まるため、第1のレンズ51の入射面、出射面の各レンズ素子と第2のレンズ52の入射面、出射面の各レンズ素子の主走査方向、副走査方向の相対位置精度は、それぞれ、精度良く設定できる。
【0040】
(3)上記のように、第1のレンズ51及び第2のレンズ52が同一形状であって、第2のレンズ52を主走査方向にのびる軸を回転中心として、180度回転した姿勢で、第1のレンズ51に対向配置されることで、各レンズ素子(53,54,55,56)の絶対位置精度を確保しなくとも、第1のレンズ51上の各レンズ(素子)と、第2のレンズ52上のレンズ(素子)は、同じ様にすれる。このため、第1のレンズ51の入射面53及び出射面54並びに第2のレンズ52のレンズ55及び出射面56上の各レンズ素子の光軸を主走査方向、副走査方向に相対位置ずれ無く、配置することができる。
【0041】
(4)第1のレンズ51の入射面53の外周は、直線ではなく、光量むらが最少になるように曲面形状となっている。また、全面がレンズ面になっているため、入射面53に不要な光が入るのを防止している。
【0042】
(5)第1のレンズ51の入射面53を通過した光の内、出射面54側に設けられた遮光材57を通過した光(L2)が全て像面に到達するため、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置された場合でも、光量損失、および、光量むらの劣化量を小さく抑えることができる。
【0043】
<実施形態2>
図7は、本実施形態において使用されるレンズアレイの構成図であり、図7(a)はレンズアレイ50の上面図、図7(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図7(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0044】
図7(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態1と比較して、第2のレンズ52の入射面55の表面に遮光材58が設けられている点が異なっている。また、第2のレンズ52の入射面55側の遮光材58に形成されたアパーチャの直径は、第1のレンズ51の出射面54側の遮光材57に形成されたアパーチャの直径よりも大きく形成されている。尚、遮光材58は、遮光材57と同様に、第2のレンズ52のレンズ55の周りに、インクを塗布して形成、あるいは、シート状の部材にアパーチャ(孔)を設けたものを入射面55に対して位置決めし、接着されたものである。正立等倍像を作る場合、それぞれのレンズ素子は、全て、凸レンズになる。凸レンズで、頂点を上にして考えた場合、インクの上面がレンズの頂点に近くなるほど、開口径が小さくなる。第1のレンズ51と第2のレンズ52は、同じ形状であるから、レンズ素子の底面部の頂点部からの距離は同じである。これを利用し、インクを塗布する場合は、第2のレンズ52の入射面側のインク厚を、第1のレンズ51の出射面側のインク厚よりも薄くする(インク上面を、レンズ頂点から離す)ことで、アパーチャ直径を相対的に大きくしている。
【0045】
したがって、本実施形態によれば、実施形態1(1)、(2)、(3)、(4)と同様の効果に加えて、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置された場合でも、第1のレンズ51の出射面54側の遮光材57でどの光線を通過させるかを決定すると共に、第2のレンズ52の入射面55側の遮光材58では、第1のレンズ51と、第2のレンズ52が偏芯して配置されたことにより第2のレンズ52の入射面で、偏芯が無い場合に、光線が入るべき、正規のレンズ55の隣のレンズ55に光線が入ってしまって発生する迷光のカットが可能となるという効果を奏する。その上で、第1のレンズ51と第2のレンズ52において、主走査方向、副走査方向での偏芯があっても、アパーチャの半径差までの偏芯では、光線が遮光されないという効果を奏する。
【0046】
<実施形態3>
図8は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図8(a)はレンズアレイ50の上面図、図8(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図8(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0047】
図8(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態2と比較して、物点側、すなわち、第1のレンズ51の入射面53の近傍に、入射面53と離間して遮光材59が設けられている点が異なっている。この遮光材59には、第1のレンズ51の入射面53におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されている。尚、遮光材59は第1のレンズ51の入射面53と非接触であるため、シート状の部材から切り出して形成すると好適である。
【0048】
また、本実施形態では、スリットを有する遮光材59が設けられているが、スリットの幅は、物点から出た光が、第2のレンズ52の出射面56から出射する際、図5で示したように、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるように決められている。尚、第2のレンズ52の出射面56側にスリットを有する遮光材を設けて、そのスリット幅を調整することにより、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じになるようにしても良い。
【0049】
例えば、光量むらを、実用上問題無いレベルに抑えるには、実施形態1の場合と同様に、主走査方向のレンズ群の、最低、3つ、主走査方向像高によっては、2つが通過するような光学配置とする。この場合、主走査方向と副走査方向の光束の幅がほぼ同じとなるように、副走査方向のスリット幅を主走査方向のレンズピッチの3倍に設定すれば良い。
【0050】
したがって、本実施形態によれば、実施形態2と同様の効果に加えて、以下のような効果が奏される。
【0051】
(1)第1のレンズ51のレンズ53副走査方向端部において、レンズエッジ部で発生する迷光をカットできる。
【0052】
(2)第1のレンズ51及び第2のレンズ52のレンズ幅を予め調整した後においても、主走査方向と副走査方向の光束の幅をスリット幅の調整することによって、出力画像のぶれを減少させたレンズアレイ50を形成することが可能となる。
【0053】
<実施形態4>
図9は、本実施形態において使用されるレンズアレイ50の構成図であり、図9(a)はレンズアレイ50の上面図、図9(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図9(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。
【0054】
図9(a)〜(c)に示されるように、本実施形態におけるレンズアレイ50は実施形態3と比較して、第1のレンズ51の入射面53の近傍に設けられている遮光材60の形状が異なっている。すなわち、第1のレンズ51の入射面53近傍の遮光材60は、入射面53におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリット部と、物点から第1のレンズ51の入射面53におけるレンズ素子間の境界へ入射する光を遮光する境界遮光部と、を有している。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、実施形態3と同様の効果に加えて、第1のレンズ51の入射面53に配置されたレンズ素子間の境界へ入射する迷光の更なるカットが可能となる効果を奏する。
【0056】
<実施形態5>
図10は、実施形態5において使用されるレンズアレイの構成図であり、図10(a)はレンズアレイ50の上面図、図10(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図10(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。図10(a)〜(c)に示されるように、実施形態5と同様に、第1のレンズ51の入射面53の表面にはレンズ53境界部に遮光材62が設けられ、更に入射面53と離間して物点P1側に、スリットを有する遮光材が設けられている。尚、遮光材62は、第1のレンズ51のレンズ53間の境界へ入射する光をカットするために、インクの塗布によってレンズ素子境界にのみ設けられている。
【0057】
<変形例>
図11は、実施形態5の変形例において使用されるレンズアレイの構成図であり、図11(a)はレンズアレイ50の上面図、図11(b)はレンズアレイ50の副走査方向での断面図、図11(c)はレンズアレイ50の主走査方向での断面図である。図11(a)〜(c)に示されるように、図10に示したレンズアレイ50に対して、第2のレンズ52の出射面56の表面には、レンズ56の境界に、遮光材63が追加されている。遮光材63は、インクの塗布によってレンズ境界にのみ設けられている。そして、遮光材63を設けたことにより、第2のレンズ52の出射面56において隣接する他の第2のレンズ52のレンズ素子56に入ってしまった光が、像面方向に進むことを防止できる効果を奏する。更に、第2のレンズ52の出射面56の近傍には、第1のレンズ51の入射面53側と同様に、スリットを有する遮光材64が設けられており、迷光の削減能力が強化されている。この場合、副走査方向の出射面での光線の幅は、スリット59、または、スリット64の開口部幅で決めることができる。
【符号の説明】
【0058】
19(19Y,19M,19C,19K)…走査ヘッド
20Y,20M,20C,20K…画像形成部
22Y,22M,22C,22K…感光体ドラム(像担持体)
43…発光素子
47,48…照明装置
49…センサ
50…レンズアレイ(結像素子アレイ)
51…第1のレンズ
52…第2のレンズ
53…第1のレンズの入射面
54…第1のレンズの出射面
55…第2のレンズの入射面
56…第2のレンズの出射面
57,58,59,60,61,62,63,64…遮光材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
を備え、
前記第1レンズの入射面及び、前記第2レンズの出射面に配置されたレンズ素子の副走査方向における幅が主走査方向のレンズピッチよりも大きく、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されていることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのレンズ素子に対応するアパーチャが形成され、少なくとも前記第1のレンズの出射面と前記第2のレンズの入射面の間に配置され、入射又は出射する光を前記アパーチャ以外の部分で遮光する遮光材を更に備えることを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記遮光材は、前記第1のレンズの出射面の表面にのみ設けられていることを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項4】
前記遮光材は、前記第1のレンズの出射面及び前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第2のレンズの入射面側の前記遮光材に形成されたアパーチャの直径は、前記第1のレンズの出射面側の前記遮光材に形成されたアパーチャの直径よりも大きいことを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項5】
前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面及び出射面並びに前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第1のレンズの入射面側の前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されていることを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項6】
前記遮光材は、前記第1のレンズまたは前記第2のレンズの表面に塗布されたインクであって、対応する入射面及び出射面ごとに前記インクの厚みを変更し、前記アパーチャの直径が決定されていることを特徴とする請求項4記載のレンズアレイ。
【請求項7】
前記第1のレンズの入射面及び前記第2のレンズの出射面の外周形状は、非直線であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載のレンズアレイ。
【請求項8】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
を備え、
前記第1のレンズの入射面と、前記第2のレンズの出射面の副走査方向におけるレンズ素子の幅が、前記主走査方向のレンズアレイピッチの約3倍の長さであることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項9】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
前記第1のレンズの入射面又は前記第2のレンズの出射面の近傍に設けられ、副走査方向の光線幅を制限するスリットが形成された遮光材と、
を備え、
前記第1及び第2のレンズの前記副走査方向における前記スリットの幅が、前記主走査方向のレンズアレイピッチの約3倍の長さであることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項10】
原稿の主走査方向に配列されたセンサと、
前記原稿の主走査方向に設け、前記原稿面に光を照射する照明装置と、
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を含み、前記第1及び第2のレンズの副走査方向におけるレンズ素子の幅が、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されているレンズアレイと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記センサによって結像されて生成された画像データに基づいて像担持体の主走査方向に光を照射し、前記像担持体を露光する走査ヘッドと、
前記像担持体に現像剤を供給し、前記像担持体にトナー像を形成する現像器と、
を備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
光を照射する光源と、
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を含み、前記第1及び第2のレンズの副走査方向におけるレンズ幅が、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されているレンズアレイと、
前記レンズアレイを通過した光を照射し、静電潜像を形成する感光体と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面及び出射面並びに前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第1のレンズの入射面側の前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項記載の画像形成装置。
【請求項1】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
を備え、
前記第1レンズの入射面及び、前記第2レンズの出射面に配置されたレンズ素子の副走査方向における幅が主走査方向のレンズピッチよりも大きく、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されていることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記第1のレンズ及び前記第2のレンズのレンズ素子に対応するアパーチャが形成され、少なくとも前記第1のレンズの出射面と前記第2のレンズの入射面の間に配置され、入射又は出射する光を前記アパーチャ以外の部分で遮光する遮光材を更に備えることを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記遮光材は、前記第1のレンズの出射面の表面にのみ設けられていることを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項4】
前記遮光材は、前記第1のレンズの出射面及び前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第2のレンズの入射面側の前記遮光材に形成されたアパーチャの直径は、前記第1のレンズの出射面側の前記遮光材に形成されたアパーチャの直径よりも大きいことを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項5】
前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面及び出射面並びに前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第1のレンズの入射面側の前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されていることを特徴とする請求項2記載のレンズアレイ。
【請求項6】
前記遮光材は、前記第1のレンズまたは前記第2のレンズの表面に塗布されたインクであって、対応する入射面及び出射面ごとに前記インクの厚みを変更し、前記アパーチャの直径が決定されていることを特徴とする請求項4記載のレンズアレイ。
【請求項7】
前記第1のレンズの入射面及び前記第2のレンズの出射面の外周形状は、非直線であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載のレンズアレイ。
【請求項8】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
を備え、
前記第1のレンズの入射面と、前記第2のレンズの出射面の副走査方向におけるレンズ素子の幅が、前記主走査方向のレンズアレイピッチの約3倍の長さであることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項9】
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、
前記第1のレンズの入射面又は前記第2のレンズの出射面の近傍に設けられ、副走査方向の光線幅を制限するスリットが形成された遮光材と、
を備え、
前記第1及び第2のレンズの前記副走査方向における前記スリットの幅が、前記主走査方向のレンズアレイピッチの約3倍の長さであることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項10】
原稿の主走査方向に配列されたセンサと、
前記原稿の主走査方向に設け、前記原稿面に光を照射する照明装置と、
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を含み、前記第1及び第2のレンズの副走査方向におけるレンズ素子の幅が、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されているレンズアレイと、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記センサによって結像されて生成された画像データに基づいて像担持体の主走査方向に光を照射し、前記像担持体を露光する走査ヘッドと、
前記像担持体に現像剤を供給し、前記像担持体にトナー像を形成する現像器と、
を備えることを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
【請求項12】
光を照射する光源と、
光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、物点から入射面に入射した光を入射面と出射面に配置された各レンズ素子により集光させる複数のレンズ素子を有する第1のレンズと、
前記第1のレンズと同一形状に形成され、前記第1のレンズに対して主走査方向の回転中心軸まわりに、180度反転した状態で前記光軸と直交する主走査方向に1列に配列され、前記第1のレンズの入射面と出射面に配置された各レンズ素子により光が集光される位置の光路の下流に入射面が配置され、入射面に入射した光を出射面により再度集光させる複数のレンズ素子を有する第2のレンズと、を含み、前記第1及び第2のレンズの副走査方向におけるレンズ幅が、前記物点からの光が前記第1のレンズの入射面に入射され、前記第2のレンズの出射面から出射される際に、前記第2のレンズの出射面上での出射位置が最も外側である2点間の距離が主走査方向と前記副走査方向とで略同一になるように形成されているレンズアレイと、
前記レンズアレイを通過した光を照射し、静電潜像を形成する感光体と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面及び出射面並びに前記第2のレンズの入射面に対応して設けられており、
前記第1のレンズの入射面側の前記遮光材は、前記第1のレンズの入射面におけるレンズアレイピッチ周期で副走査方向の幅が変化するスリットが形成されていることを特徴とする請求項10乃至請求項12のいずれか一項記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−88662(P2013−88662A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229868(P2011−229868)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]