説明

レンズシステムおよびそれを有する撮影システム

【課題】 デマンド通信速度が無線伝送速度より大きくても操作に遅れや停滞を発生させない、操作装置とレンズと無線通信手段を含むレンズシステムを提供する。
【解決手段】 レンズシステムは、レンズ装置を操作する操作手段と、操作手段と伝送路で双方向通信する操作側通信手段と、レンズ装置と伝送路で双方向通信するレンズ側通信手段を有し、操作側通信手段とレンズ側通信手段は無線通信し、操作側通信手段は、操作手段からのコマンドから、レンズ側通信手段に送信するコマンドを選択するコマンド選定処理手段と、選択されなかったコマンドに対するアンサを補間して補間アンサを生成するアンサ補間処理手段を有し、レンズ側通信手段は、レンズ装置からのアンサから、操作側通信手段に送信するアンサを選択するアンサ選定処理手段と、操作側通信手段からのコマンドを補間してコマンドを生成するコマンド補間処理手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズシステムに係り、特にレンズ装置に外部装置として接続される操作手段によりレンズ装置における光学系のフォーカス、ズーム、絞り等の可動光学部材を、無線通信を介して駆動・制御するレンズシステムおよびそれを有する撮影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
放送用又は業務用として使用されるテレビカメラとして、携帯可能なENG(Electric News Gathering)カメラやハンディカメラが知られている。このようなテレビカメラは、三脚、ペデスタルドリー(Pedestal Dolly)、クレーン等の架台(以下、三脚と記す)に固定された状態で使用される場合と、肩担ぎや手持ち等によってカメラマンが直接保持した状態で使用される場合がある。また、テレビカメラが三脚に固定された状態で使用される場合、遠隔操作用のデマンド等に代表されるコントローラが使用されることが多い。例えば、三脚から延設されているパン/チルト棒の先端にフォーカスデマンドやズームデマンド等のコントローラが取り付けられ、それらのコントローラがカメラ本体に装着されたレンズ装置にケーブルによって電気的に接続される。これによって、カメラマンは、パン/チルト棒によるテレビカメラのパン/チルト操作と同時にコントローラの操作を行うことができ、そのコントローラの操作よってレンズ装置における光学系のフォーカス、ズーム等のレンズ操作を行うことができる。また、レンズ装置とコントローラは多芯のケーブルで接続されており、更に複数の指令装置を接続する際はその指令装置分のケーブル本数を必要とする。このため、ケーブルの接続や設置、取り外し作業のわずらわしさを無くすために、レンズ装置とコントローラ間をケーブル接続なしで、信号伝送を可能にし、電気的に接続する手法を取り入れた装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1ではレンズ装置とデマンドにそれぞれ信号変換ユニットを接続し、送出される指令信号を、前記信号変換ユニットにて、無線通信可能な信号に変換する装置が開示されている。無線接続により指令信号を伝達し、レンズ装置を操作する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−293070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の特許文献1に開示された従来技術において、デジタルタイプのデマンドを接続し、デジタル通信指令信号を送受信し、レンズ装置を操作可能としている。
【0006】
しかし、デマンドと信号変換ユニット、信号変換ユニットとレンズ装置の通信速度と信号変換ユニット間の無線通信の通信速度に関しての記載はなく、
デマンドとレンズ装置間の、デマンドシリアル通信系に無線ユニット等の信号変換ユニットを介在させる場合、条件により無線伝送レートよりデマンド通信レートが高くなる場合がある。この場合、直接接続に対して、いままでの通信速度及び、通信データ量を維持することができなくなり、駆動操作に対する反応の遅延や停滞等の問題が発生する。
【0007】
そこで、本発明の目的は、デマンドとレンズ装置間に無線ユニット等の信号変換ユニットが介在し、無線伝送レートがデマンド通信レートより低い場合にも、デマンド通信レートの維持を可能とするレンズ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のレンズシステムは、レンズ装置と、該レンズ装置を操作するための操作手段と、該操作手段と接続され伝送路を介して双方向通信を行う操作側通信手段と、該レンズ装置と接続され伝送路を介して双方向通信を行うレンズ側通信手段と、を有し、該操作側通信手段と該レンズ側通信手段の間で無線通信を行う、レンズシステムであって、該操作側通信手段は、該操作手段から入力されたコマンドから、該レンズ側通信手段に送信するコマンドを選択するコマンド選定処理手段と、該コマンド選定処理手段にて選択されなかったコマンドに対するアンサ信号を補間することによって補間アンサ信号を生成するアンサ補間処理手段と、を有し、該レンズ側通信手段は、該レンズ装置から入力されたアンサ信号から、該操作側通信手段に送信するアンサ信号を選択するアンサ選定処理手段と、該操作側通信手段から受信したコマンドを補間して補間コマンドを生成するコマンド補間処理手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、デマンドとレンズ装置間に無線ユニット等の信号変換ユニットが介在し、無線伝送レートがデマンド通信レートより低い場合にも、デマンド通信レートの維持を可能とするレンズ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1の説明をするための信号変換ユニットの構成図。
【図2】実施例1の操作側通信手段101の処理を表すフローチャート。
【図3】実施例1の操作側通信手段101の送信コマンド選定のサブルーチンのフローチャート。
【図4】実施例1の操作側通信手段101のアンサ信号を補間するサブルーチンのフローチャート。
【図5】実施例1のレンズ側通信手段201の処理を表すフローチャート。
【図6】実施例1のレンズ側通信手段201のコマンド補間処理のサブルーチンのフローチャート。
【図7】実施例1のレンズ側通信手段201の処理を表すサブルーチンのフローチャート。
【図8】実施例2の操作側通信手段101の処理を表すフローチャート。
【図9】実施例2の操作側通信手段101の処理を表すフローチャート。
【図10】操作手段と操作側通信手段間の指令信号とアンサ信号の授受に関する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかわる信号変換ユニットの構成図である。
【実施例1】
【0012】
以下、図1及びフローチャート図2〜7を参照して、本発明の第1の実施例について説明する。
図1に、本発明のレンズシステムの構成図を示す。本発明のレンズシステムは、レンズ装置202を操作するための操作手段102及び操作手段102に接続された操作側通信手段101とから構成される操作装置ユニットと、レンズ装置202及びレンズ装置202に接続されたレンズ側通信手段201とから構成されるレンズ装置ユニットから構成される。
【0013】
操作側通信手段101は、操作手段102と電気的に有線接続され(伝送路を介して双方向通信可能に接続され)、操作手段102で操作された操作デマンド信号をレンズ装置202に無線通信で送信するための信号変換ユニットとしての役割を果たす。操作側通信手段101は、レンズ装置202と電気的に有線接続されている(伝送路を介して双方向通信可能に接続されている)レンズ側通信手段201(もう一方の信号変換ユニット)と、無線通信に代表される通信方法でコントロール信号やアンサ信号の双方向の通信を行う。
【0014】
操作手段102の操作に基づいて出力される指令信号(たとえばズーム制御信号やフォーカス制御信号)は、レンズ操作用のコマンドとして指令信号入力手段103に入力される。入力コマンド記憶手段104は、指令信号入力手段103に入力された指令信号を、入力された順番にコマンドとして記憶する。コマンド選定処理手段105は、入力コマンド記憶手段104に保存されたコマンドを、一方の信号変換ユニットであるレンズ側通信手段201へ送信する信号と送信しない信号をある一定の基準に基づいて取捨選択する。操作側送受信手段106は、コマンド選定処理手段105にて送信コマンドとして選択されたコマンドを、もう一方の信号変換ユニットであるレンズ側通信手段201に送信するために、その送信手段に合わせた信号に変換、送信する。操作側送受信手段106は、もう一方の信号変換ユニットであるレンズ側通信手段201から送信されてくるアンサ信号を受信し、後述するアンサ記憶手段に送信も行う。受信アンサ記憶手段107は、操作側送受信手段106から、送られてくるアンサ信号を記憶する。
【0015】
アンサ補間処理手段108は、受信アンサ記憶手段107に保存されたアンサ信号を取得し、入力コマンド記憶手段104に記憶されているコマンドと対比させ、不足分を補間する。アンサ出力手段109は、アンサ補間処理手段108で補間生成されたアンサ信号を、操作手段102に出力する。
【0016】
レンズアンサ入力手段203には、レンズ装置202から出力されてくるアンサ信号(たとえばズームの位置信号やフォーカス位置信号)が入力され、操作手段102へのアンサ信号として入力される。入力アンサ記憶手段204は、レンズアンサ入力手段203に入力されたアンサ信号を、入力された順番に記憶しておく。アンサ選定処理手段205は、入力アンサ記憶手段204に保存されたアンサ信号を、もう一方の信号変換ユニットである操作側通信手段101へ送信する信号と送信しない信号を、ある一定の基準に基づいて取捨選択する。レンズ側送受信手段206は、アンサ選定処理手段205にて、送信するアンサ信号として選択されたアンサ信号を、もう一方の信号変換ユニットである操作側通信手段101に送信するために、その送信手段に合わせた信号に変換し、送信する。レンズ側送受信手段206は、もう一方の信号変換ユニットである操作側通信手段101から送信されてくるコマンドを受信し、後述するコマンド記憶手段に送信も行う。
【0017】
受信コマンド記憶手段207は、レンズ側送受信手段206からのコマンド信号を記憶する。コマンド補間処理手段208は、受信コマンド記憶手段207に保存したコマンド信号を取得し、コマンドの不足分を補間する。コマンド出力手段209は、コマンド補間処理手段208で補間生成されたコマンド信号をレンズ装置202に送信する。
次に本実施例を図2〜9のフローチャートを用い、動作説明をおこなう。
【0018】
本実施例において、操作側通信手段101、レンズ側通信手段201には、操作手段102、レンズ装置202がそれぞれ接続され、電源投入後、二つの信号変換ユニットが通信可能状態となる。そして、操作手段101が操作されると、その操作に応じて、指令信号が出力され、操作側通信手段101、レンズ側通信手段201を介して、レンズ装置202に指令信号が送信され、操作可能となる。
【0019】
本実施例を説明するにあたり、2つの操作側通信手段101、レンズ側通信手段201それぞれのはたらきを説明することで、本実施例の詳細な動作の説明をおこなう。
【0020】
はじめに、図2〜5のフローチャートを参照しながら、操作側通信手段101における動作を説明する。
【0021】
2つの操作側通信手段101とレンズ側通信手段201が接続されている状態において、S100にて、レンズ装置202を操作する場合、操作側通信手段101に操作手段102を接続する。操作手段102はズームデマンド、フォーカスデマンドなど、レンズ装置202のズームレンズやフォーカスレンズの電動駆動を行えるものである。
【0022】
操作手段102が操作されると、その操作に応じて、コントロール信号や、スイッチのON/OFFの信号が出力され、操作手段102から出力されたそれらの信号は指令信号入力手段103に入力される。指令信号を受信すると、S110へ進み、指令信号入力手段103は、指令信号をコマンドとして入力コマンド記憶手段104に送信し、入力コマンド記憶手段104は、その受信したコマンドを送信されてきた順に記憶する。
【0023】
S120に進み、入力コマンド記憶手段104に記憶されているコマンドをコマンド選定処理手段105に出力し、S130に進む。S130では、コマンド選定処理手段105は送信コマンド選定サブルーチンの処理を行い、レンズ側通信手段201へ送信するコマンドを選定する。
【0024】
図3のフローチャートを用いて、送信コマンド選定サブルーチン(S130)の処理について詳細に説明する。
【0025】
送信コマンド選定サブルーチンでは、レンズ側通信手段201へ送信するコマンドと送信しないコマンドを取捨選択する。
【0026】
本実施例では、操作手段102から入力された、アイリス用コマンドとズーム用コマンドについては一部のコマンドを選択した後に選択したコマンドのみを送信し、フォーカス用コマンドとその他スイッチ用コマンドはすべて送信する。また本実施例では、ズーム用コマンドは速度を指示するコマンドであり、フォーカス用およびアイリス用コマンドは位置を指示するコマンドである。図3の説明に戻る。
【0027】
まずはS131にて、送信されてきたコマンドをチェックする。操作手段102から送られてくるコマンドには、レンズを駆動するためのアイリス、ズーム、フォーカスのコントロール用コマンドとレンズ装置の各種機能をON/OFFするためのスイッチ用コマンドがある。
【0028】
S132では、操作手段102から入力されたコマンドがスイッチ用コマンドか否か判断する。スイッチ用コマンドの場合はS139にジャンプし、スイッチ用コマンドではない場合、すなわち、コントロール用コマンドの場合は、S133に進む。S133において、コントロール用コマンドがフォーカス用コマンドか否かを判断する。フォーカス用コマンドの場合はS139にジャンプし、フォーカス用コマンドではない場合、すなわち、ズーム用あるいはアイリス用コマンドの場合は、S134に進む。このように、焦点を調整するために素早い応答性が要求されるフォーカス用コマンドやスイッチ用コマンドは、間引くことなく全てを送信することにより、応答性を維持することができる。
【0029】
S134では、操作側通信手段101とレンズ側通信手段201との通信が確立後、最初に入力されたアイリス用あるいはズーム用コマンドかを判断する。通信確立後において最初のコマンドであれば、S135に進み、送信カウンタを’0’にクリアする。S134において、最初のコマンドでない場合は、S136に進み、送信カウンタの値を確認し、あらかじめ設定した値:n−1より小さい場合は、S137に進み、送信カウンタをカウントアップ(+1)する。またS136において、送信カウンタの値がn−1以上の場合は、S138に進み、送信カウンタを’0’にクリアした後、S139に進み、送信されてきたコマンドに送信フラグを付記する。
【0030】
本サブルーチンでは、各コマンドに対応したカウンタを設定し、各コマンドのカウント数を確認し、カウント数に応じてレンズ側通信手段201側への送信要否を判断し、送信する場合にはコマンドのデータに送信フラグを立てる処理を行う。
【0031】
このように比較的素早い応答性を要求されない速度を指示するズーム用コマンドや位置を指示するアイリス用コマンドについて、送信するコマンドを間引いて一部のコマンドのみを送信する対象とすることにより、通信レートの低い無線通信を介した場合でもデマンド通信を維持することができる。以上で、サブルーチンS130が終了し、S140に進む。
【0032】
S140では、入力コマンド記憶手段104に保存されているコマンドを、保存順に、送信コマンド選定サブルーチンにて、送信フラグが立てられたコマンドかどうかを判断する。そして、送信フラグが立てられたコマンドの場合、S150に進み、操作側送受信手段106を介し、レンズ側通信手段201へそのコマンドを送信する。そして、S160に進む。一方、送信フラグが立てられていないコマンドの場合には、S160へ進む。ステップS160では、コマンドに処理済みフラグを立てる。
【0033】
続いて、レンズ側通信手段201から、アンサ信号が送信されてきた場合の処理に移る。S170では、操作側送受信手段106を介し、レンズ側通信手段201からのアンサ信号を受信する。S180に進み、受信したアンサ信号を受信アンサ記憶手段107に保存する。そしてS190に進み、受信アンサ記憶手段107に保存されたアンサ信号をアンサ補間処理手段108に送信する。
【0034】
アンサ補間処理手段108ではS200のアンサ補間処理サブルーチンの処理を行い、操作手段102へ返すアンサ信号を補間する処理を行う。
次に、図4のフローチャートを用いて、アンサ補間処理サブルーチン(S200)の動作について説明を行う。
【0035】
まずS201にて、受信したアンサ信号のチェックを行う。通常、レンズ側通信手段201から操作側通信手段101に送られてくるアンサ信号には、不図示のアイリス部、ズーム部、フォーカス部の位置アンサ信号や、レンズ装置202の各種機能のON/OFFが行われたかどうかを返信するスイッチ用アンサ信号などがある。これらのアンサ信号は、アイリス、ズーム、フォーカス用コマンドに対するコントロール用アンサ信号であるため、操作側通信手段101からレンズ側通信手段201に送信したコマンドの数に対応するアンサ信号が返信されてくる。
【0036】
S202にて、受信したアンサ信号が、スイッチ用アンサ信号か否か判断する。スイッチ用アンサ信号の場合は、S208にジャンプし、S202においてスイッチ用アンサ信号でない場合、すなわち、コントロール用アンサ信号の場合は、S203へ進む。S203では、フォーカス用アンサ信号か否かを判断する。フォーカス用アンサ信号の場合はS208にジャンプし、フォーカス用アンサ信号でない場合、すなわち、ズーム用あるいはアイリス用アンサ信号の場合は、S204に進む。
【0037】
このように間引かないフォーカス用コマンドやスイッチ用コマンドに対するフォーカス用アンサ信号やスイッチ用アンサ信号は、補間することなく受信したアンサ信号をそのまま操作手段102に送信する。
【0038】
S204において、受信したアンサ信号がズーム用アンサ信号の場合は、S205でズーム用アンサ信号を複製して補間アンサ信号をn−1個生成し、S208にジャンプする。
【0039】
操作側通信手段101からレンズ側通信手段201へは、操作手段102からの対応するコマンドn回に対し1回だけ、ズーム用のコマンドを送信しているため、その送信されたコマンドに対するアンサ信号のみがレンズ側通信手段201から操作側通信手段101へ送られてきている。そのためレンズ側通信手段201は、操作手段102から入力された操作コマンドの数に対し足りないアンサ信号を補間して操作手段102に出力しなければならない。よってここで、次のアンサ信号が来るまでの補間アンサ信号をn−1個生成する。
【0040】
一方、S204において受信したアンサ信号がズームアンサ信号でない場合、すなわち、アイリス用アンサ信号の場合は、S206に進み、これまでにアイリス用アンサ信号を受信したか否かを判断する。これまでにアイリス用アンサ信号を受信していない場合は、S208にジャンプし、すでに受信している場合はS207に進む。S207では、間引きされた(n−1)回分のコントロール用のコマンドに対するアンサ信号を、前アンサ信号と今回受信したアンサ信号より、補間データとして(n−1)個生成する。本実施例では、間引きしたコマンドに対するアンサ信号を、前後2つのアンサ信号(今回受信したアンサと前回受信したアンサ信号)から補間する方法をとる。具体的には、前後2値のアンサ信号より、直線近似で等分割し、アンサ信号用データを生成するものとする。直線近似によるアンサ信号の生成が終わったら、S208に進み、アンサ信号に送信フラグを立てる。ただし、レンズ側通信手段201から受信したアンサ信号と、アンサ補間処理手段108にて補間のために生成したアンサ信号に設定する送信フラグは区別できるものとする。
【0041】
以上の処理を行い、アンサ補間サブルーチンを終了し、S210に進む。
S210では、アンサ補間処理手段108にてアンサ補間処理サブルーチンで生成されたアンサ信号をアンサ送信手段へ出力する。そしてS220へ進み、入力コマンド記憶手段104に保存されたアイリス、ズーム、フォーカスのコントロール用のコマンドと対比し、アンサ信号を操作手段102へ出力する。対比の方法は、まず送信コマンド選定サブルーチンにて、レンズ側通信手段201へ送信するコマンドに送信フラグを付記する処理を行う。そして送信フラグを付記されたコマンドがレンズ側通信手段201に送信され、そのコマンドに対するアンサ信号がレンズ側通信手段201から送信される。そのアンサ信号にも、アンサ補間処理サブルーチンにて、フラグを設定し、そのフラグを確認することで、操作手段102から入力されたコントロール用コマンドとそれに対応するレンズ側通信手段201から受信したアンサ信号を比較し、補間データとともに操作手段102へ出力する。
【0042】
以上で操作側通信手段101のフローの説明は終了する。
引き続き、レンズ側通信手段201における動作の詳細な説明を、図1と図5〜7のフローチャートを参照しながら説明する。
【0043】
操作手段102に接続された操作側通信手段101とレンズ装置202に接続されたレンズ側通信手段201が無線通信で接続された状態において、操作手段102の操作によってレンズ装置202を操作する。操作手段102はズームデマンド、フォーカスデマンドなど、レンズ装置のズームレンズやフォーカスレンズの電動駆動を行えるものである。操作手段102が操作されると、その操作に応じて、コントロール信号や、スイッチのON/OFFの信号が出力され、その信号を操作側通信手段101が受信する。指令信号を受信すると、操作側通信手段101は、前述したように、その指令信号をレンズ側通信手段201に送信する信号として取捨選択し、送受信手段に合わせた信号に変換し、無線通信によって送信する。その送信された信号を、レンズ側通信手段201はレンズ側送受信手段206にて受信する(S300)。
【0044】
コマンドを受信すると、S310へ進み、レンズ側通信手段201内にある受信コマンド記憶手段207にコマンドを保存する。
そして、S320に進み、受信コマンド記憶手段207に記憶されているコマンドを順次、コマンド補間処理手段208に送信する。コマンド補間処理手段208では、S330のコマンド補間処理サブルーチンの処理を行い、レンズ装置202に出力するコマンドの補間処理を行う。
【0045】
これは、操作側通信手段101から送られてくる指令信号は、本実施例において、n回のコマンド送信に対して1回のみ送信されてくるため、送られてこなかった指令信号を補間して、同じ時間間隔のコマンドデータとしてレンズ装置202に送るための処理を行う。
図6のフローチャートを用いて、コマンド補間処理サブルーチンの動作について、説明する。コマンド補間処理サブルーチンでは、受信したコマンドを一定のルールに基づき補間処理を行い、レンズ装置202へ送信するコマンドを生成する。
【0046】
まずS331にて、受信したコマンドチェックを行う。通常、操作側通信手段101から送られてくるコマンドには、不図示のアイリス部、ズーム部、フォーカス部のコントロール用コマンドや、レンズ装置202の各種機能をON/OFFを行うスイッチ用コマンドなどがある。
【0047】
S332にて、送信されてきたコマンドが、スイッチ用コマンドか否か判断する。スイッチ用コマンドの場合は、S338にジャンプし、S332においてスイッチ用コマンドでない場合、すなわち、コントロール用コマンドの場合は、S333へ進む。S333では、フォーカス用コマンドか否かを判断する。フォーカス用コマンドの場合は、S338にジャンプし、フォーカス用コマンドではない場合、すなわち、ズーム用あるいはアイリス用コマンドの場合は、S334に進む。
このように間引かれていないフォーカス用コマンドやスイッチ用コマンドは、補間することなく送信されてきたコマンドをそのままレンズ装置202に送信する。
【0048】
S334において、送信されてきたコマンドがズーム用コマンドの場合は、S335でズーム用コマンドを複製して補間コマンドをn−1個生成し、S338にジャンプする。
【0049】
操作側通信手段101側からは、n回に1回ズーム用コマンドが送られてきている。そのためレンズ装置側通信手段201においては、レンズ装置202へ送信する足りないコマンドを補間しなければならない。よってここで、次のコマンドが来るまでの補間コマンドをn−1個生成する。
【0050】
一方S334において送信されてきたコマンドがズームコマンドでない場合、すなわち、アイリス用コマンドの場合は、S336に進み、これまでにアイリス用コマンドが送信されてきたか否かを判断する。これまでにアイリス用コマンドが送信されていない場合は、S338にジャンプし、すでに送信されている場合はS337に進む。S337では、前コマンドと今回送信されてきたコマンドより、補間コマンドを(n−1)個の補間データを生成する。本実施例では、間引きしたコマンドを、前後2つのコマンド(今回受信したコントロールコマンドと前回受信したコントロールコマンド)から補間する方法をとる。具体的には、前後2値のコマンドより、直線近似で等分割し、コマンド用データを生成するものとする。直線近似によるコマンド用データの生成が終わったら、S338に進み、コマンドに送信フラグを立てる。ただし、操作側通信手段101から送信されてきたコマンドと、補間のために生成したコマンドに設定する送信フラグは区別できるものとする。以上の処理を行い、サブルーチンS330を終了し、S340に進む。
【0051】
S340では、コマンド補間処理手段208で生成されたコマンドを、保存した順番に従って、コマンド出力手段209に出力する。S350に進み、レンズ装置202との通信条件に合わせ、レンズ装置202にコマンドを出力する。レンズ装置202では、入力されたコマンドに応じて、ズーム、フォーカス、アイリスの駆動や、スイッチのON/OFFの処理を行い、その処理が完了した場合、受信したコマンドに対応したアンサ信号をレンズアンサ入力手段203に出力する。
【0052】
続いて、レンズ側通信手段201に、レンズ装置202から、アンサ信号が入力されてきた場合の処理に移る。S360では、レンズ側通信手段201は、レンズアンサ入力手段203を介し、レンズ装置202からのアンサ信号を受信する。S370に進み、受信したアンサ信号を入力アンサ記憶手段204に保存する。そしてS380に進み、入力アンサ記憶手段204に保存したアンサ信号をアンサ選定処理手段205に出力する。
アンサ選定処理手段205ではS390のアンサ信号選定サブルーチンの処理を行い、操作側通信手段101へ返信するアンサ信号を選定する。
【0053】
図7のフローチャートを用いて、アンサ信号選定サブルーチン(S390)の動作について説明を行う。
アンサ信号選定サブルーチンでは、操作側通信手段101へ返信するアンサ信号と返信しないアンサ信号を取捨選択する。
【0054】
本実施例では、レンズ装置202から受信したアイリス用アンサ信号とズーム用アンサ信号を選択送信し、フォーカス用アンサ信号とその他スイッチ用アンサ信号はすべて送信する。
【0055】
まず、S391にて、アンサ選定処理手段205は、受信したアンサ信号のチェックを行う。S392では、受信したアンサ信号がスイッチ用アンサ信号か否かを判断する。スイッチ用アンサ信号の場合は、S399にジャンプし、スイッチ用アンサ信号でない場合、すなわち、コントロール用アンサ信号の場合は、S393に進む。S393において、コントロール用アンサ信号がフォーカス用アンサ信号か否かを判断する。フォーカス用アンサ信号の場合はS399にジャンプし、フォーカス用アンサ信号でない場合、すなわち、ズーム用あるいはアイリス用アンサ信号の場合は、S394に進む。このように焦点を調整するために素早い応答性が要求されるフォーカス用アンサ信号やスイッチ用アンサ信号は、間引くことなく全てを送信し、応答性を維持することができる。
【0056】
S394では、操作側通信手段101とレンズ側通信手段201との通信が確立後、初めてのアイリス用あるいはズーム用アンサ信号かを判断する。最初のアンサ信号の場合は、S395にすすみ送信カウンタを’0’にクリアする。S394において、最初のアンサ信号でない場合は、S396に進み、送信カウンタの値を確認し、あらかじめ設定した値:n−1より小さい場合は、S397で送信カウンタをカウントアップ(+1)する。またS396において、送信カウンタの値がn−1以上の場合は、S398に進み、送信カウンタを’0’にクリアし、S399では受信したアンサ信号に送信フラグを設定する。
【0057】
本サブルーチンでは、各コマンドに対応したカウンタを設定し、各コマンドのカウント数を確認し、操作側通信手段101側へ送信するか否かを判断するための基準となる送信フラグを付記する処理を行う。
【0058】
速度を指示するズーム用アンサ信号や位置を指示するアイリス用アンサ信号は、あまり素早い応答性を要求されない。よって、このように送信するズーム用アンサ信号やアイリス用アンサ信号を間引くことにより、通信レートの低い無線通信を介した場合でもデマンド通信を維持することが可能となる。
【0059】
以上で、サブルーチンS390が終了し、S400に進む。
S400では、入力アンサ記憶手段204に保存されているアンサ信号を、保存された順に、アンサ選定サブルーチンにて、送信フラグを付記されたアンサ信号かどうかを判断する。送信フラグが付記されたアンサ信号の場合、S410に進み、レンズ側送受信手段206を介し、操作側通信手段101へ送信する。そして、S420に進み、送信終了後、アンサ信号に処理済みフラグを立てて、処理を終了する。一方、S400での判断で、送信フラグが付記されていないアンサ信号の場合には、S420へ進み、アンサ信号に処理済みフラグを立てて、処理を終了する。
【0060】
本実施例では、操作側通信手段101とレンズ側通信手段201間の送受信に関して、コマンド記憶手段104に保存された順に順次送信する形をとっている。しかし操作手段102の操作において応答性が高いことが求められるコマンドから送信する形としてもよい。通常、スイッチのON/OFF、フォーカスの操作は高い応答性を求められる操作であるため、スイッチのON/OFFコマンド、フォーカスのコントロールコマンドを優先的に送信することで、応答性を高めることも可能である。
【0061】
本実施例では、接続された操作手段の台数によっての切り分けは記載していない。しかし操作手段が1台の場合で、装置間の無線伝送レートが、全コマンドを送受信可能である転送レートであれば、全コマンド(データ)を伝送し、複数の操作手段を有する場合であって、装置間の無線伝送レートが全てのコマンドを送受信することができない転送レートである場合には間引き及び補間処理を行うように構成してもよい。
【0062】
本発明によれば、デマンドとレンズ装置間シリアル通信に信号変換ユニットを介在させ、通信レートがデマンド通信レートより低くなった場合でも、デマンド通信レートを維持するレンズシステムを提供することができる。また、本発明のレンズシステムにより、操作性に優れた撮影システムを実現することができる。
【実施例2】
【0063】
実施例1では、操作側通信手段101とレンズ側通信手段201間のコマンド、アンサ信号の送受信が成立したのちに、レンズ側通信手段201から操作手段102へのアンサ信号を送信する構成を有していた。
【0064】
しかし、操作側通信手段101とレンズ側通信手段201間の送受信の通信レートが遅い場合、操作手段102へのアンサ信号の送信が遅れを生じさせる場合があるため、実施例2では、その遅れを生じさせない、送受信方法を提供する。
【0065】
図1、図10及びフローチャート図8、9を参照して、本発明の第2の実施例によるレンズシステムを説明する。
本実施例の装置の構成は、実施例1の説明において図1を参照しながら実施していて重複するため、ここでは、割愛する。
本実施例における操作側通信手段101とレンズ側通信手段201間の通信の処理フローを図8、9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、レンズ側通信手段201の動作は実施例1と違いがないため、その動作説明は割愛する。
【0066】
なお、アンサ信号には、ズーム、フォーカス、アイリスのコントロール用コマンドに対するアンサ信号以外のスイッチのON/OFF等の指令信号もあるが、本実施例では、ズーム、フォーカス、アイリスのコントロール用コマンドに対するアンサ信号を代表的な指令信号として説明する。
【0067】
図8のフローチャートにおいて、操作手段102に接続された操作側通信手段101とレンズ装置202に接続されたレンズ側通信手段201の間の無線通信の接続処理が完了後、操作側通信手段101より現在のレンズ装置の位置を取得するためのコマンドをレンズ側通信手段201へ送信し、操作側送受信手段106を介し、レンズ装置202のズーム、フォーカス、アイリスの位置情報を取得する(S500)。
S510に進み、取得した位置情報であるアンサ信号をアンサ記憶手段107に保存する。
【0068】
そして、S520に進み、操作手段102が操作されると、その操作に応じて、コントロール信号や、スイッチのON/OFFの指令信号が出力され、その指令信号を指令信号入力手段103が受信する。指令信号を受信すると、S530へ進み、指令信号入力手段103は、受信した指令信号をコマンドとして入力コマンド記憶手段104に送信し、入力コマンド記憶手段104では、その受信したコマンドを送信されてきた順に保存、記憶する。S540へ進み、入力コマンド記憶手段104は、アンサ補間処理手段108にコマンド(受信した指令信号)を送信する。一方で、入力コマンド記憶手段104は、コマンド選定処理手段105にもコマンドを送信し、レンズ側通信手段201との送受信処理も行う。その処理は図9のフローチャートにて説明する。
【0069】
S550に進み、アンサ補間処理手段108では、入力コマンド記憶手段104より送信されてきたコマンドと、受信アンサ記憶手段107に保存している接続完了時にレンズ側通信手段201から取得したレンズ位置情報のアンサ信号より、操作手段102へ返信する推測アンサ信号を生成する。
つまり、アンサ補間処理手段108は、操作手段102より受信した指令信号(データや変化量)と既に保存しているレンズ位置データ、指令信号の受信(操作手段102から見ると送信)からの経過時間により、レンズ位置を推測し、操作手段102へ送信する先行返信の推測アンサ信号を生成する(図10参照)。
【0070】
図10のように、操作手段102より、tミリ秒毎に操作側通信手段101に指令信号が出力され、操作側通信手段101は、その指令信号を受信する。レンズ側通信手段201へのコマンド送信後、アンサ信号がレンズ側通信手段201から返信されてくるまで、操作手段101へ、返信のアンサ信号を送ることができないため、前述の方法で、アンサ信号を推測し、生成することで、ディレイなく返信を行うようにする。
【0071】
S560に進み、レンズ側からの正式なレンズ側アンサ信号が受信アンサ記憶手段107に保存されていないか確認する。もし、レンズ側アンサ信号が保存されていたら、S570に進み、レンズ側アンサ信号を用い、操作手段102へ送信するために、推測して生成していた推測アンサ信号を補正する。ただし、このレンズ側アンサ信号は既に、操作手段102にアンサ信号として、返信済みのコマンドに対するアンサ信号であるため、
【0072】
・操作手段102からの指令信号
・操作手段102からの指令信号を指令信号入力手段103が受信してからの経過時間
・操作側通信手段101からレンズ側通信手段201へコマンドを送信し、レンズ装置からアンサ信号が返信されるまでの経過時間
・記憶していたレンズ位置データ(例えば、ズーム、フォーカス、アイリスの位置等)
・レンズ側アンサ信号
の情報より、操作手段102に返信するアンサ信号に補正の必要性を判断し、必要に応じ、補正を行う。
【0073】
S560での判断で、レンズ側からの正式なレンズ側アンサ信号がアンサ記憶手段107に保存されていなければ、S580へ進む。
S580にて、生成した推測アンサ信号あるいは、補正したアンサ信号を送信コマンドの送信タイミングに合わせ、操作手段102へ送信する。
【0074】
操作手段へのアンサ信号を生成する一方で、レンズ側通信手段201へのコマンド送信処理を並行で行う必要がある。その処理を図9のフローチャートで説明する。
操作手段102からのコマンドは既に図8のフローチャートにて、コマンド記憶手段104に保存済みとする。
【0075】
S600にて、入力コマンド記憶手段104に記憶されているコマンドをコマンド選定処理手段105に送信する。コマンド選定処理手段105ではS610の送信コマンド選定サブルーチンの処理を行い、レンズ側通信手段201へ送信するコマンドの選定をおこなう。S610の送信コマンド選定サブルーチンの処理は実施例1にて説明したサブルーチンと同じ処理のため、説明は割愛する。サブルーチンS610が終了し、S620に進む。
【0076】
S620では、入力コマンド記憶手段104に保存されているコマンドを、保存された順に、送信コマンド選定サブルーチンにて、送信フラグが設定されたコマンドかどうかを確認し、送信フラグが設定されたコマンドの場合、S630に進み、操作側送受信手段106を介し、レンズ側通信手段201へ送信する。そして、S640に進み、送信終了後、コマンドに処理済みフラグを付記する。一方、S630での判断で送信フラグが設定されていないコマンドの場合には、S640へ進み、コマンドに処理済みフラグを設定する。
【0077】
続いて、レンズ側通信手段201から、アンサ信号が送信されてきた場合の処理に移る。S650では、操作側送受信手段106を介し、レンズ側通信手段201からのアンサ信号を受信する。S660に進み、受信したアンサ信号を受信アンサ記憶手段107に保存する。
【0078】
以上のような構成および、処理をおこなうことで、デマンドとレンズ装置間の、デマンドシリアル通信系に無線ユニット等の信号変換ユニットを介在させたときに、無線伝送レートがデマンド通信レートより低くなった場合でも無線通信で送受信するデータを必要なデータを選択して送受信することで、デマンド通信レートに遅れを発生させることなく、通常のデマンド通信レートを維持し、操作に遅れや停滞を発生させないことを可能にしたレンズ装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、テレビ放送等の映像分野におけるカメラ用撮影システムや、カメラ装置、レンズシステムに係り、特にレンズ装置に外部装置として接続される複数のコントローラによりレンズ装置における光学系のフォーカス、ズーム、絞り等の可動光学部材を駆動、制御するレンズシステムに関するものである。
【符号の説明】
【0080】
101 操作側通信手段
102 操作手段
105 コマンド選定処理手段
106 操作側送受信手段
108 アンサ補間処理手段
201 レンズ側通信手段
202 レンズ装置
205 アンサ選定処理手段
206 レンズ側送受信手段
208 コマンド補間処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ装置と、該レンズ装置を操作するための操作手段と、該操作手段と接続され伝送路を介して双方向通信を行う操作側通信手段と、該レンズ装置と接続され伝送路を介して双方向通信を行うレンズ側通信手段と、を有し、該操作側通信手段と該レンズ側通信手段の間で無線通信を行う、レンズシステムであって、
該操作側通信手段は、
該操作手段から入力されたコマンドから、該レンズ側通信手段に送信するコマンドを選択するコマンド選定処理手段と、
該コマンド選定処理手段にて選択されなかったコマンドに対するアンサ信号を補間することによって補間アンサ信号を生成するアンサ補間処理手段と、
を有し、
該レンズ側通信手段は、
該レンズ装置から入力されたアンサ信号から、該操作側通信手段に送信するアンサ信号を選択するアンサ選定処理手段と、
該操作側通信手段から受信したコマンドを補間して補間コマンドを生成するコマンド補間処理手段と、
を有することを特徴とするレンズシステム。
【請求項2】
前記コマンド選定処理手段は、速度を指示するコマンドに対しては一部のみを送信するコマンドとして選択し、
前記アンサ補間処理手段は、速度を返すアンサ信号のみを補間する、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズシステム。
【請求項3】
前記コマンド補間処理手段は、速度を指示するコマンドのみ補間し、
前記アンサ選定処理手段は、速度を返すアンサ信号に対しては一部のみを送信するアンサ信号として選択する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズシステム。
【請求項4】
前記コマンド選定処理手段は、スイッチ用コマンドおよびフォーカス用コマンドのすべてを送信するコマンドとして選択し、ズーム用コマンドおよびアイリス用コマンドは一部のみ送信コマンドとして選択し、
前記アンサ補間処理手段は、ズーム用アンサ信号およびアイリス用アンサ信号のみを補間する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズシステム。
【請求項5】
前記コマンド補間処理手段は、ズーム用コマンドおよびアイリス用コマンドのみを補間し、
前記アンサ選定処理手段は、スイッチ用アンサ信号およびフォーカス用アンサ信号のすべてを送信するアンサ信号として選択し、ズーム用アンサ信号およびアイリス用アンサ信号は一部のみ送信するアンサ信号として選択する、
ことを特徴とする請求項4に記載のレンズシステム。
【請求項6】
前記アンサ補間処理手段は、前記レンズ側通信手段より返信されるアンサ信号を受信する前に、前記操作手段から入力されたコマンドおよび該コマンドが入力されてからの経過時間、前記レンズ装置の状態に関する情報、により、操作手段に返信するアンサ信号を生成し、
前記操作側通信手段は、該アンサ信号を前記操作手段に出力する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のレンズシステム。
【請求項7】
前記操作側通信手段が前記レンズ側通信手段より返信されるアンサ信号を受信すると、前記アンサ補間処理手段は、該受信したアンサ信号に基づき、既に生成したアンサ信号を補正する、ことを特徴とする請求項6に記載のレンズシステム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のレンズシステムを備える撮影システム。
【請求項9】
レンズ装置と、該レンズ装置と接続され伝送路を介して双方向通信を行う通信手段と、を有し、外部の操作手段と該通信手段との間で無線通信を行う、レンズ装置ユニットであって、
該通信手段は、
該レンズ装置から入力されたアンサ信号から、該操作手段に送信するアンサ信号を選択するアンサ選定処理手段と、
該操作手段から受信したコマンドを補間して補間コマンドを生成するコマンド補間処理手段と、
を有することを特徴とするレンズ装置ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−105119(P2013−105119A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250414(P2011−250414)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】