説明

レンズユニット

【課題】 複数のレンズを有するレンズユニットにおいて、複数のレンズの光軸ずれの問題がなく、収納ケースに形成された開口からの水の浸入を1箇所のシール部によって阻止することができ、様々なユーザ仕様に対応することができるレンズユニットを提供する。
【解決手段】 レンズ21〜24を有し、レンズ21〜24のうち最も被写体側のレンズ21が挿入される開口30aが形成された収納ケース30に収納されるレンズユニット20において、レンズ21は、収納ケース30との隙間に設けられたOリング40によって開口30aから収納ケース30内への水の浸入を阻止する鍔部21bと、レンズ22〜24を鏡筒部25を介して間接的に支持する端部21aとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像する撮像装置に用いられるレンズユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置として、複数のレンズを有する撮像ユニットと、複数のレンズのうち最も被写体側のレンズが挿入される開口が形成され撮像ユニットを覆うケースと、撮像ユニットとケースとの隙間を覆う防水用のOリングとを備える撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置においては、撮像ユニットとケースとの隙間を覆うOリングだけではなく、撮像ユニット自体の防水のために撮像ユニットの内部にもOリングを備える必要がある。即ち、特許文献1に記載の撮像装置は、2箇所の防水構造が必要である。
【0004】
1箇所の防水構造で済む撮像装置としては、複数のレンズやCCD撮像素子を収納した防水ケースと、防水ケースの前面に形成された開口を塞ぐメニスカス凹レンズと、防水ケースとメニスカス凹レンズとの隙間を覆う紫外線硬化型樹脂とを備える防水カメラが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2004−295119号公報
【特許文献2】特開2005−62694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の防水カメラにおいては、2枚のメニスカス凹レンズは、防水ケースの開口を塞ぐように防水ケースに固定されているが、他の複数のレンズは防水ケースに固定されているかどうかは明確でない。他の複数のレンズが全て、例えば、支持部材に固定され間接的に防水ケースに固定される場合であれば、2枚のメニスカス凹レンズと他の複数のレンズとの光軸がずれて光学性能が低下するという問題がある。
【0006】
また、例えば、他の複数のレンズが全て、直接防水ケースに固定される場合であれば、光軸ずれの問題はないが、引用文献1のようなレンズユニットとしての扱いができないため、レンズユニットとしての検査ができず、最終製品の歩留まりが低下してしまうという問題がある。また、防水ケース必須構成のため、納入形態が限定されてしまい、防水ケースが不要のユーザには対応できないという問題がある。
【0007】
以上の問題に鑑みて、本発明は、複数のレンズを有するレンズユニットにおいて、複数のレンズの光軸ずれの問題がなく、収納ケースに形成された開口からの水または塵埃の浸入を1箇所のシール部によって阻止することができ、様々なユーザ仕様に対応することができるレンズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレンズユニットは、複数のレンズを有し、前記複数のレンズのうち最も被写体側のレンズが挿入される開口が形成された収納ケースに収納されるレンズユニットにおいて、前記最も被写体側のレンズは、前記収納ケースとの隙間に設けられたシール部材によって前記開口から前記収納ケース内への水または塵埃の浸入を阻止するシール部と、前記複数のレンズのうち前記最も被写体側のレンズ以外のレンズを直接又は支持部材を介して間接的に支持する支持部とを有することを特徴とする。
【0009】
この構成により、本発明のレンズユニットは、複数のレンズの光軸ずれの問題がなく、収納ケースに形成された開口からの水または塵埃の浸入を1箇所のシール部によって阻止することができ、様々なユーザ仕様に対応することができる。
【0010】
また、本発明のレンズユニットの前記複数のレンズのうち前記最も被写体側のレンズ以外のレンズは、複数が、前記支持部材に支持されて間接的に前記支持部に支持されていることが好ましい。
【0011】
この構成により、本発明のレンズユニットは、複数のレンズを容易に収納ケースに対して固定することができる。
【0012】
また、本発明のレンズユニットの前記最も被写体側のレンズは、前記被写体側とは反対側に筒状の端部を有し、前記支持部材は、前記端部の内周側に設けられた内壁と、前記端部の外周側に設けられた外壁とを有し、前記内壁及び前記外壁の少なくとも一方が前記端部と圧入関係で係合されることが好ましい。
【0013】
この構成により、本発明のレンズユニットは、支持部材が内壁及び外壁の少なくとも一方を有していない構成と比較して、最も被写体側のレンズと、支持部材との間を抜けて外部から内部に水が浸入するまでの距離が長いので、最も被写体側のレンズと、支持部材との間に外部から水が浸入したときに、最も被写体側のレンズと、支持部材との間を抜けて内部に水が浸入することを抑えることができる。
【0014】
また、本発明のレンズユニットの前記最も被写体側のレンズは、光軸から離れる方向に広がった鍔部を有し、前記シール部材は、前記収納ケースと、前記鍔部との光軸方向の隙間に配置されることが好ましい。
【0015】
この構成により、本発明のレンズユニットは、光軸方向とは略直交する方向の力を最も被写体側のレンズがシール部材から受けることを抑えることができ、最も被写体側のレンズのうち光軸の近傍部分の変形を抑えることができるので、防水することによる光学性能の低下を抑えることができる。
【0016】
また、本発明のレンズユニットの前記支持部材は、前記内壁と、前記外壁とを連結する連結部を有し、前記最も被写体側のレンズは、前記端部が前記連結部と当接することが好ましい。
【0017】
この構成により、本発明のレンズユニットは、最も被写体側のレンズの端部と、支持部材の連結部との当接によって、最も被写体側のレンズと、支持部材とを光軸方向において高精度に位置決めすることができる。また、本発明のレンズユニットは、最も被写体側のレンズと、支持部材との間に外部から水が浸入したときに、最も被写体側のレンズと、支持部材との間を抜けて内部に水が浸入することを、最も被写体側のレンズの端部と、支持部材の連結部との当接によって抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、複数のレンズを有するレンズユニットにおいて、複数のレンズの光軸ずれの問題がなく、収納ケースに形成された開口からの水または塵埃の浸入を1箇所のシール部によって阻止することができ、様々なユーザ仕様に対応することができるレンズユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0020】
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る撮像装置の構成について説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施の形態に係る撮像装置10は、レンズ21〜24を有するレンズユニット20と、レンズ21〜24のうち最も被写体側のレンズ21が挿入される開口30aが形成されレンズユニット20を覆う収納ケース30と、レンズ21と収納ケース30との隙間を覆うシール部材としてのOリング40と、レンズ21〜24を通った光を電気信号に変換する撮像素子60と、撮像素子60と図示していない部材を介して一体化されていて撮像素子60をレンズ21〜24に対して固定するホルダ70と、ホルダ70を収納ケース30に固定する複数のボルト55と、を備えており、例えば自動車に搭載される防水カメラ、防犯カメラのようなホームセキュリティ分野の防水カメラ、および携帯電話、パソコン等に用いるカメラとして用いられる。
【0022】
レンズユニット20は、レンズ21〜24を支持しホルダ70によって収納ケース30に固定された支持部材としての鏡筒部25を有している。
【0023】
図2に示すように、レンズ21は、被写体側とは反対側に筒状の端部21aを有している。また、レンズ21は、光軸10aから離れる方向に広がった鍔部21bを端部21aに有している。また、レンズ21と、収納ケース30の開口30aとの間には、隙間10bが形成されている。
【0024】
鏡筒部25は、レンズ21の端部21aの内周側に設けられた内壁25aと、レンズ21の端部21aの外周側に設けられた外壁25bと、内壁25a及び外壁25bを連結する連結部25cと、被写体側とは反対側の部分の外周に設けられたネジ部25d(図1参照。)とを有している。内壁25aは、被写体側の先端部25eにカシメ加工が施されてレンズ22を固定している。外壁25bは、レンズ21の端部21aと圧入関係で係合されていて、被写体側の先端部25fにカシメ加工が施されてレンズ21を固定している。連結部25cは、レンズ21の端部21aと当接している。即ち、レンズ21の端部21aは、レンズ22〜24を鏡筒部25を介して間接的に支持する支持部を構成している。
【0025】
図1に示すように、収納ケース30には、被写体側とは反対側に開口30bが形成されている。
【0026】
Oリング40は、収納ケース30と、レンズ21の鍔部21bとの矢印10cで示す光軸方向の隙間に配置されている。即ち、レンズ21の鍔部21bは、収納ケース30との隙間に設けられたOリング40によって開口30aから収納ケース30内への水の浸入を阻止するシール部を構成している。
【0027】
ホルダ70は、レンズユニット20のネジ部25dと嵌合するネジ穴部70aを中央に有している。
【0028】
複数のボルト55は、上述したように、ホルダ70を収納ケース30に固定するようになっている。
【0029】
次に、撮像装置10の組み立てについて説明する。
【0030】
まず、ホルダ70が、ネジ穴部70aでレンズユニット20のネジ部25dと嵌合させられてレンズユニット20に固定される。なお、撮像素子60が、ホルダ70に取り付ける際に、レンズ22〜24とのピント調整が行われる。
【0031】
次いで、Oリング40を係合させたレンズユニット20が、収納ケース30の開口30bから収納ケース30の内部に挿入されて、レンズ21の先端が収納ケース30の開口30aを通って収納ケース30の外部に飛び出す。このとき、Oリング40は、レンズ21と収納ケース30との隙間に配置される。
【0032】
そして、ホルダ70が、レンズユニット20を被写体側に押した状態でボルト55によって収納ケース30に固定される。
【0033】
以上に説明したように、撮像装置10は、1箇所のOリング40によってレンズユニット20と収納ケース30とを防水することができる。また、撮像装置10は、レンズユニット20によってレンズ21〜24同士の位置精度を従来より向上させることができるので、防水することによる光学性能の低下を抑えることができる。即ち、レンズユニット20は、レンズ21〜24が全て鏡筒部25に固定されているため、レンズ21〜24の光軸ずれの問題がなく、収納ケース30に形成された開口30bからの水の浸入を1箇所のシール部によって阻止することができ、様々なユーザ仕様に対応することができる。
【0034】
また、レンズユニット20は、収納ケース30の開口30aと、レンズ21との間に隙間10bが形成されているので、矢印10cで示す光軸方向とは略直交する方向の力をレンズ21が収納ケース30から受けることを抑えることができ、レンズ21の光軸方向とは略直交する方向の変形を抑えることができる。したがって、レンズユニット20は、光学性能の低下を抑えることができる。
【0035】
また、レンズユニット20は、Oリング40が収納ケース30と、レンズ21の鍔部21bとの矢印10cで示す光軸方向の隙間に配置されるので、矢印10cで示す光軸方向とは略直交する方向の力をレンズ21がOリング40から受けることを抑えることができ、レンズ21の光軸方向とは略直交する方向の変形を抑えることができる。したがって、レンズユニット20は、防水することによる光学性能の低下を抑えることができる。
【0036】
また、レンズユニット20は、鏡筒部25が内壁及び外壁の少なくとも一方を有していない構成と比較して、レンズ21と、鏡筒部25との間を抜けて外部から内部に水が浸入するまでの距離が長いので、たとえ、レンズ21と鏡筒部25との間に、外部から水が浸入したとしても、レンズ21と鏡筒部25との間を抜けて容易に内部に水が浸入することを抑えることができる。
【0037】
また、レンズユニット20は、レンズ21と、鏡筒部25との間に外部から水が浸入したときに、レンズ21と、鏡筒部25との間を抜けて内部に水が浸入することをレンズ21の端部21aと、鏡筒部25の連結部25cとの当接によって抑えることができる。
【0038】
また、レンズユニット20は、鏡筒部25が外壁25bの先端部25fにカシメ加工が施されてレンズ21を固定しているので、レンズ21と、鏡筒部25の外壁25bとの間を通ってOリング40側からレンズ22側に水が浸入することを抑えることができる。更に、レンズユニット20は、鏡筒部25が内壁25aの先端部25eにカシメ加工が施されてレンズ22を固定しているので、レンズ22と、鏡筒部25の内壁25aとの間を通ってレンズ21側からレンズ23側に水が浸入することを抑えることができる。
【0039】
なお、鏡筒部25の外壁25bの先端部25fのカシメ加工は、矢印10cで示す光軸方向の力をレンズ21の鍔部21bが鏡筒部25の外壁25bの先端部25fから受ける加工であるので、矢印10cで示す光軸方向とは略直交する方向の力をレンズ21が鏡筒部25から受けることを抑えることができ、レンズ21の光軸方向とは略直交する方向の変形を抑えることができる。同様に、鏡筒部25の内壁25aの先端部25eのカシメ加工は、矢印10cで示す光軸方向の力をレンズ22が鏡筒部25の内壁25aの先端部25eから受ける加工であるので、矢印10cで示す光軸方向とは略直交する方向の力をレンズ22が鏡筒部25から受けることを抑えることができ、レンズ22の光軸方向とは略直交する方向の変形を抑えることができる。したがって、レンズユニット20は、防水することによる光学性能の低下を抑えることができる。
【0040】
また、レンズユニット20は、レンズ21の端部21aと、鏡筒部25の連結部25cとの当接によって、レンズ21と、鏡筒部25とを矢印10cで示す光軸方向において高精度に位置決めすることができる。
【0041】
また、レンズユニット20は、レンズ21〜24が鏡筒部25に固定されているので、レンズ21〜24を容易に収納ケース30に固定することができる。
【0042】
なお、レンズユニット20は、鏡筒部25の外壁25bがレンズ21の端部21aと圧入関係で係合されているが、鏡筒部25の内壁25aがレンズ21の端部21aと圧入関係で係合されていても良い。
【0043】
また、レンズユニット20は、レンズ21、22が鏡筒部25にカシメ加工によって固定されているが、カシメ加工以外の手段によってレンズ21、22が鏡筒部25に固定されるようになっていても良い。
【0044】
また、撮像装置10は、シール部材としてOリング40を有しているが、シール部材としてOリング以外の部材を有していても良い。例えば、撮像装置10は、シール部材として封止剤を有していても良い。
【0045】
また、撮像装置10は、ホルダ70がボルト55によって収納ケース30に固定されているが、ボルト55以外の手段によってホルダ70が収納ケース30に固定されるようになっていても良い。例えば、撮像装置10は、ホルダ70が接着剤によって収納ケース30に固定されるようになっていても良い。
【0046】
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る撮像装置の構成について説明する。
【0047】
なお、本実施の形態に係る撮像装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)の構成と同様な構成については、撮像装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
図3に示すように、本実施の形態に係る撮像装置110の構成は、レンズユニット20(図1参照。)、収納ケース30(図1参照。)及びボルト55(図1参照。)の代わりにレンズユニット120及び収納ケース130を第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0049】
レンズユニット120の構成は、鏡筒部25(図1参照。)の代わりに鏡筒部125をレンズユニット20が備えた構成と同様である。
【0050】
鏡筒部125の構成は、外壁25bの外周に設けられたネジ部125aを鏡筒部25が新たに備えた構成と同様である。
【0051】
収納ケース130の構成は、鏡筒部125のネジ部125aと嵌合するネジ穴部130aを収納ケース30が新たに備えた構成と同様である。
【0052】
次に、撮像装置110の組み立てについて説明する。
【0053】
まず、ホルダ70が、ネジ穴部70aでレンズユニット120のネジ部25dと嵌合させられてレンズユニット120に固定される。
【0054】
次いで、撮像素子60が、ホルダ70に取り付けられて、ピント調整が行われる。
【0055】
そして、Oリング40を係合させたレンズユニット120が、収納ケース130の開口30bから収納ケース130の内部に挿入されて、レンズ21がネジ部125aで収納ケース130のネジ穴部130aと嵌合させられて収納ケース130に固定され、レンズ21の先端が収納ケース130の開口30aから収納ケース130の外部に飛び出す。このとき、Oリング40は、レンズ21と収納ケース130との隙間に配置される。
【0056】
(第3の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る撮像装置の構成について説明する。
【0057】
なお、本実施の形態に係る撮像装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)の構成と同様な構成については、撮像装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
図4に示すように、本実施の形態に係る撮像装置210の構成は、レンズユニット20(図1参照。)の代わりにレンズユニット220を第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0059】
レンズユニット220の構成は、鏡筒部25(図1参照。)の代わりに鏡筒部225をレンズユニット20が備えた構成と同様である。
【0060】
鏡筒部225の構成は、レンズ21の鍔部21bを取り囲む外壁225aを外壁25bの代わりに鏡筒部25が備えた構成と同様である。
【0061】
Oリング40は、収納ケース30と、鏡筒部225の外壁225aとの矢印10cで示す光軸方向の隙間に配置されており、レンズ21の側壁と接触している。即ち、レンズ21の側壁は、収納ケース30との隙間に設けられたOリング40によって開口30aから収納ケース30内への水の浸入を阻止するシール部を構成している。
【0062】
(第4の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る撮像装置の構成について説明する。
【0063】
なお、本実施の形態に係る撮像装置の構成のうち、第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)の構成と同様な構成については、撮像装置10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0064】
図5に示すように、本実施の形態に係る撮像装置310の構成は、レンズユニット20(図1参照。)の代わりにレンズユニット320を第1の実施の形態に係る撮像装置10(図1参照。)が備えた構成と同様である。
【0065】
レンズユニット320の構成は、レンズ21(図1参照。)及び鏡筒部25(図1参照。)の代わりにレンズ321及び鏡筒部325をレンズユニット20が備えた構成と同様である。
【0066】
レンズ321の構成は、鍔部21b(図1参照。)がレンズ21から取り除かれた構成と同様である。
【0067】
鏡筒部325の構成は、外壁325aを外壁25bの代わりに鏡筒部25が備えた構成と同様である。
【0068】
レンズ321は、端部21aが鏡筒部325の内壁25a、連結部25c及び外壁325aの何れか少なくとも1つと例えば接着剤によって固定されている。
【0069】
Oリング40は、収納ケース30と、鏡筒部325の外壁325aとの矢印10cで示す光軸方向の隙間に配置されており、レンズ321の側壁と接触している。即ち、レンズ321の側壁は、収納ケース30との隙間に設けられたOリング40によって開口30aから収納ケース30内への水の浸入を阻止するシール部を構成している。
【0070】
以上に説明したように、本発明のレンズユニットは、1箇所の防水構造であるにもかかわらず、寸法や組み立てに要求される精度を従来より低減することができるので、上述した各実施の形態に示すように、収納ケースに多様な方法で取り付けられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の側面断面図
【図2】図1に示す撮像装置の一部の側面断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る撮像装置の側面断面図
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る撮像装置の側面断面図
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る撮像装置の側面断面図
【符号の説明】
【0072】
10 撮像装置
20 レンズユニット
21 レンズ(最も被写体側のレンズ)
22〜24 レンズ
21a 端部(支持部)
21b 鍔部(シール部)
25 鏡筒部(支持部材)
25a 内壁
25b 外壁
25c 連結部
30 収納ケース
30a 開口
40 Oリング(シール部材)
110 撮像装置
120 レンズユニット
125 鏡筒部(支持部材)
130 収納ケース
210 撮像装置
220 レンズユニット
310 撮像装置
320 レンズユニット
321 レンズ(最も被写体側のレンズ)
325 鏡筒部(支持部材)
325a 外壁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズを有し、前記複数のレンズのうち最も被写体側のレンズが挿入される開口が形成された収納ケースに収納されるレンズユニットにおいて、
前記最も被写体側のレンズは、前記収納ケースとの隙間に設けられたシール部材によって前記開口から前記収納ケース内への水または塵埃の浸入を阻止するシール部と、前記複数のレンズのうち前記最も被写体側のレンズ以外のレンズを直接又は支持部材を介して間接的に支持する支持部とを有することを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記複数のレンズのうち前記最も被写体側のレンズ以外のレンズは、複数が、前記支持部材に支持されて間接的に前記支持部に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記最も被写体側のレンズは、前記被写体側とは反対側に筒状の端部を有し、
前記支持部材は、前記端部の内周側に設けられた内壁と、前記端部の外周側に設けられた外壁とを有し、前記内壁及び前記外壁の少なくとも一方が前記端部と圧入関係で係合されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記最も被写体側のレンズは、光軸から離れる方向に広がった鍔部を有し、
前記シール部材は、前記収納ケースと、前記鍔部との光軸方向の隙間に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記支持部材は、前記内壁と、前記外壁とを連結する連結部を有し、
前記最も被写体側のレンズは、前記端部が前記連結部と当接することを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−46169(P2008−46169A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219026(P2006−219026)
【出願日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(591021671)日本電産ニッシン株式会社 (13)
【Fターム(参考)】