説明

レンズ交換式カメラ

【課題】レンズ交換をすることによりカメラボディ内にゴミ等が侵入することを防止する。
【解決手段】レンズユニット20をマウント12に取り付け、レンズ交換式デジタルカメラ1の電源を投入すると、マウント12からレンズユニット20が取り外せないように、レンズユニット20をロックし、AFモータユニット43を駆動してコンプレッサ42を動作させる。コンプレッサ42は、空気フィルタ41を通って供給された空気を用いて圧縮空気を生成し、エアーダクト47を通して空気噴射ユニット48に供給する。空気噴射ユニット48は、供給されたクリーンな圧縮空気をカバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間に噴射する。これにより、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の内部に付着したゴミ等を吹き飛ばすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ交換式カメラに係り、特にレンズ交換によるゴミ等の侵入を防止するレンズ交換式カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、パヨネット爪が挿入位置からロック位置に回転されると開口部カバーを開き、パヨネット爪がロック位置から挿入位置に回転されると開口部カバー閉じることにより、カメラボディ内部へのゴミ等の侵入を防ぐレンズ交換式カメラが提案されている。
【0003】
特許文献2には、交換式レンズの代わりに清掃用アタッチメントをカメラボディに取り付け、撮像素子前面に空気の流路を形成し、当該流路を空気が流れることにより撮像素子に付着したゴミ等を除去する清掃用アタッチメントが提案されている。
【0004】
特許文献3には、2重の筒状の掃除機をマウントに密着させ、外側の筒から空気を吸込み、光学フィルタの前面を通して内側の筒から空気を排出させることで、光学フィルタに付着したゴミ等を除去するレンズ交換式デジタルカメラ用掃除機が提案されている。
【特許文献1】特開2008―15017号公報
【特許文献2】特開2007―189670号公報
【特許文献3】特開2007―94117号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたレンズ交換式カメラでは、開口部カバーやレンズユニットに付着したゴミ等がカメラボディ内部に侵入することを防止することができないという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載された清掃用アタッチメント及び特許文献3に記載されたレンズ交換式デジタルカメラ用掃除機では、清掃時に撮像素子や光学フィルタ前面に付着しているゴミ等を除去することはできるが、他の部分に付着しているゴミ等は除去できないため、これらのゴミ等が撮像素子や光学フィルタに付着する虞がある。また、清掃後にレンズ交換を行うことにより、カメラボディ内部にゴミ等が侵入するという問題もある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、レンズ交換をすることによりカメラボディ内にゴミ等が侵入することを防止することができるレンズ交換式カメラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1に記載のレンズ交換式カメラは、撮像素子に被写体像を結像させるレンズを有するレンズユニットと、該レンズユニットが装着されるカメラ本体とからなるレンズ交換式カメラにおいて、前記カメラ本体は、前記レンズユニットを着脱可能にするマウントと、前記マウントに前記レンズユニットが取り付けられたことを検出する検出手段と、ミラーボックス前面に設けられ、前記カメラ本体の内部空間を密閉可能なカバーと、前記カバーの開閉を判別する判別手段と、前記レンズユニットと前記カバーとで囲まれた空間に混入したゴミを除去するゴミ除去手段と、前記検出手段により前記レンズユニットが前記マウントに取り付けられたことが検出され、かつ前記判別手段により前記カバーが閉じていることが判別されると、前記ゴミ除去手段を駆動するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載のレンズ交換式カメラによれば、マウントにレンズユニットが取り付けられ、カメラ本体の内部空間を密閉可能なカバーが閉じている場合に、レンズユニットとカバーとで囲まれた空間に混入したゴミを除去する。これにより、レンズユニットをカメラ本体に装着したときにゴミが混入しうる空間であるレンズユニットとカバーとで囲まれた空間のゴミを除去することができる。
【0010】
請求項2に記載のレンズ交換式カメラは、請求項1に記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記カバーを開閉するカバー開閉手段を備え、前記制御手段は、前記ゴミ除去手段によりゴミに除去が行われた後で、前記カバーを開くように前記カバー開閉手段を動作させることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載のレンズ交換式カメラによれば、レンズユニットとカバーとで囲まれた空間に混入したゴミを除去した後でカバーを開くことにより、カバーを空けたときにカメラ本体の内部にゴミが混入することを防ぐことができる。
【0012】
請求項3に記載のレンズ交換式カメラは、請求項1又は2に記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記ゴミ除去手段の駆動指示を入力する入力手段を備え、前記制御手段は、前記入力手段から入力された駆動指示に応じて前記ゴミ除去手段を駆動することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載のレンズ交換式カメラによれば、入力された駆動指示に応じてゴミ除去手段を駆動することにより、ユーザが希望する時に手動でゴミ除去をすることができる。
【0014】
請求項4に記載のレンズ交換式カメラは、請求項1から3のいずれか1に記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記判別手段により前記カバーが開いていると判別された場合には、前記マウントから取り外せないように前記レンズユニットをロックするロック手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載のレンズ交換式カメラによれば、カバーが開いている場合には、レンズユニットをマウントから取り外せないように、レンズユニットをロックすることにより、カメラ本体の内部にゴミなどが混入することを防止することができる。。
【0016】
請求項5に記載のレンズ交換式カメラは、請求項1から4のいずれかに記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記レンズユニットは、前記レンズを移動させるレンズ移動手段を備え、前記カメラ本体は、前記レンズ移動手段を駆動するためのモータと、前記レンズ移動手段と、前記カバー開閉手段及び前記ゴミ除去手段の少なくとも1つとの間で前記モータの駆動力の伝達先を切り替える切替手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載のレンズ交換式カメラによれば、フォーカスレンズ移動手段を駆動するためのモータを用いて、フォーカスレンズ移動手段、カバー開閉手段、ゴミ除去手段などを駆動するため、部品点数を減らし、省スペース化することができる。。
【0018】
請求項6に記載のレンズ交換式カメラは、請求項1から5のいずれかに記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記ゴミ除去手段は、空気を前記レンズユニットと前記カバーとで囲まれた空間に噴射する噴射手段と、前記噴射手段により空気が噴射されると、前記レンズユニットと前記カバーとの間に形成された空間内の空気を前記カメラ本体の外部へ排気する排気手段と、を有することを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載のレンズ交換式カメラによれば、レンズユニットとカバーとで囲まれた空間に空気を噴射し、その空気をカメラ本体の外部へ排気することにより、レンズユニットとカバーとで囲まれた空間内のゴミをカメラ本体の内部から外部へ排出することができる。
【0020】
請求項7に記載のレンズ交換式カメラは、請求項6に記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記ゴミ除去手段は、ゴミをろ過するろ過手段と、前記ろ過手段を介して前記カメラ本体の外部の空気を吸気して清浄空気を生成し、該清浄空気を前記噴射手段へ供給する供給手段と、を有することを特徴とする。
【0021】
請求項7に記載のレンズ交換式カメラによれば、ろ過した空気を吸気して圧縮空気を生成し、レンズユニットとカバーとで囲まれた空間に圧縮空気を噴射する。これにより、カメラの外部から清浄空気を取得し、ゴミ除去に用いることができる。
【0022】
請求項8に記載のレンズ交換式カメラは、請求項6又は7に記載のレンズ交換式カメラにおいて、前記圧縮空気生成手段の稼働時間を積算する積算手段と、前記積算手段により積算された稼働時間に基づいて前記ろ過手段の交換が必要か否かを判断する判断手段と、前記判断手段による判断結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
請求項8に記載のレンズ交換式カメラによれば、圧縮空気生成手段の稼働時間の積算値に基づいて判断したろ過手段の交換が必要か否かの判断結果を出力することにより、ろ過手段が寿命に達したことをユーザに伝えることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、レンズ交換をすることによりカメラボディ内にゴミ等が侵入することを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ交換式カメラを実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0026】
図1は、レンズ交換式デジタルカメラ1のレンズユニット20を外した状態の斜視図であり、図2は、レンズ交換式デジタルカメラ1の内部を模式的に示す図である。レンズ交換式デジタルカメラ1は、図1に示すように、カメラ本体10と、レンズユニット20とで構成される。レンズユニット20は、カメラ本体10の正面に設けられたマウント12を介してカメラ本体10に着脱自在に設けられている。
【0027】
カメラ本体10は、主として、外装であるカメラ筐体11と、マウント12と、レリーズボタン13と、モードダイヤル14等で構成される。
【0028】
カメラ筐体11の正面には、図1に示すように、主として、マウント12等が設けられており、上面には、レリーズボタン13、モードダイヤル14等が設けられている。また、カメラ筐体11の背面には、図2に示すように、主として、光学ファインダ15、モニタ16、電源ボタン、ズームボタン、十字ボタン、MENU/OKボタン等の各種操作ボタン(図示せず)が設けられている。また、カメラ筐体11の底面(図示せず)には、バッテリカバーが設けられており、このバッテリカバーを開くと、バッテリを装着するためのバッテリ収納室と、メモリカードを装着するためのメモリカードスロットが設けられている。
【0029】
マウント12は、レンズユニット20をカメラ本体10にバヨネット機構等によって着脱自在に装着する。マウント12はレンズロック機構152(図5参照、図1、2では図示せず)を備え、レンズユニット20がマウント12から外せないようにロックすること及びロックの解除が可能である。また、マウント12には図示しない電気接点が設けられており、カメラ本体10とレンズユニット20との接続時には、電気接点間の接触で両者の電気的な接続が確立するようになっている。なお、本実施の形態ではバヨネット方式のマウントを用いるが、バヨネット方式に限らず、スクリュー方式やマグネット方式などを用いることもできる。
【0030】
レリーズボタン13は、撮影指示を入力するボタンとして機能し、いわゆる「半押し」と「全押し」の2段式で構成されている。レンズ交換式デジタルカメラ1は、このレリーズボタン13の半押しでAE(Automatic Exposure:自動露出)、AF(Auto Focus:自動焦点合わせ)が機能し、全押しで撮影が実行される。
【0031】
モードダイヤル14は、回転式のダイヤルで構成されており、レンズ交換式デジタルカメラ1のモードを切り換える手段として機能する。レンズ交換式デジタルカメラ1は、このモードダイヤル14を回転操作することにより、「撮影モード」、「再生モード」、及び本発明の特徴である「清掃モード」に切り換えられる。
【0032】
光学ファインダ15は、レンズユニット20からの被写体像を、そのまま見ることができる。
【0033】
モニタ16には、被写体像及び記録済み画像の再生画像を表示させることができる。また、現在設定されているモードの情報、画像の圧縮率の情報、日時情報、コマ番号なども表示される。更に、ユーザが各種の設定操作等を行う際のユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じて設定項目などのメニュー情報も表示される。
【0034】
カメラ本体10の内部には、図2に示すように、レンズユニット20を透過した被写体光束を折り曲げて光学ファインダ15へと導くためのクイックリターンミラー31、ピント板32、コンデンサレンズ33、ペンタプリズム34、接眼レンズ35、シャッター36、撮像素子ユニット37等が配置されている。
【0035】
クイックリターンミラー31は、ミラーボックス(図示せず)内部に設けられ、レンズユニット20からの被写体光を光学ファインダ15への光路系に導く位置(斜設位置)と、撮影光路外に退避してレンズユニット20からの被写体光を撮像素子ユニット37に導く位置(退避位置)との間を移動自在に設けられる(所謂、ミラーダウンとミラーアップ)。通常状態では、光軸上に配置されると共に、光軸に対して所定の角度、例えば角度45度を有して配置されている。なお、図2は、クイックリターンミラー31がミラーダウンした斜設位置にある状態を示す。また、図2中、一点鎖線は光軸を示している。
【0036】
ピント板32は、クイックリターンミラー31によって折り曲げられた被写体光が結像されるもので、この被写体光をコンデンサレンズ33へと導く。
【0037】
コンデンサレンズ33は、結像された光束は光学ファインダ15の視認性を向上させるもので、この被写体光をペンタプリズム34へと導く。
【0038】
ペンタプリズム34は、光束を正立正像となるように反射した後、接眼レンズ35へと導く。
【0039】
接眼レンズ35は、撮影者が最適な像を観測できるように被写体光を拡大する。
【0040】
シャッター36は、縦方向に開閉可能なフォールプレーンシャッター型のシャッターであり、クイックリターンミラー31の後方に設けられる。なお、図2はシャッター36が開放した状態を示す。
【0041】
撮像素子ユニット37は、シャッター36の後方に設けられ、レンズユニット20からの被写体光が結像される撮像素子38や、撮像素子の前面を保護するカバーガラス39などで構成される。撮像素子38は、多数のフォトダイオード(図示省略)が平面的に配列され、ハニカム配列、ベイヤー配列その他の所定のカラーフィルタ配列構造を備えている。カバーガラス39は、撮像素子の前面に配置される各種光学フィルタ、例えば、モアレを軽減するためのローパスフィルターである場合も含む。
【0042】
レンズユニット20は、主として、レンズ鏡筒21と、レンズマウント22等で構成される。
【0043】
レンズ鏡筒21は、円筒状に形成され、その内部にはズームレンズ23、フォーカスレンズ24、撮影レンズ25などの複数の撮影レンズ、絞り機構(図示せず)等が配設される。
【0044】
レンズマウント22は、レンズ鏡筒21の基端部に円筒状に形成される。レンズマウント22には図示しない電気接点が設けられており、カメラ本体10とレンズユニット20との接続時には、電気接点間の接触で両者の電気的な接続が確立するようになっている。
【0045】
さて、レンズ交換式デジタルカメラ1は、カメラ本体10の内部にゴミが侵入しないようにするゴミ除去手段を有している。ゴミ除去手段は、図2に示すように、主として、カバー40と、空気フィルタ41と、コンプレッサ42と、AFモータユニット43と、クラッチ・ギアボックス44、45と、カバー開閉機構46と、エアーダクト47と、空気噴射ユニット48と、排気ユニット49とで構成される。
【0046】
カバー40は、マウント12の開口部の大きさより大きい板状の部材であり、ミラーボックスの前面、かつマウント12に隣接して設けられる。カバー40は、マウント12の内周側の開口部を覆う閉状態(図3参照)と、マウント12の内周側の開口部が開放された開状態(図4参照)との間で左右方向に開閉自在に形成される。レンズユニット20がマウント12に取り付けられた場合にのみカバー40を開状態にすることが可能である。
【0047】
本実施の形態が適用されていない場合は、マウント12にレンズユニット20が装着されていないときには、マウント12を介してミラーボックスが外部空間に連通するため、大気中を浮遊するゴミ等がマウント12からミラーボックス内に侵入することがある。しかしながら、図3に示す閉状態では、カバー40によりミラーボックスなどカメラ本体10の内部空間が密閉される。したがって、外部からゴミ、埃等がカメラ本体10の内部空間侵入することを防止することができる。
【0048】
空気フィルタ41は、空気中からゴミ、塵埃などを取り除いて清浄空気にするもので、HEPAフィルタ、ULPAフィルタなどの様々な形式のフィルタを用いることができる。
【0049】
コンプレッサ42は、カメラ本体10の外部から空気フィルタ41を通った清浄空気を取り込み、圧縮して圧縮空気を生成する超小型コンプレッサである。コンプレッサ42により生成された圧縮空気は、エアーダクト47を通って空気噴射ユニット48に供給される。
【0050】
AFモータユニット43は、レンズ鏡筒21内に設けられたフォーカスレンズ24を移動させるフォーカスレンズ駆動機構121(図5参照、図2では図示せず)に駆動力を供給するものであり、AFモータや駆動機構などで構成される。AFモータユニット43からの出力は、通常は、カバー開閉機構46を介してフォーカスレンズ駆動機構121に伝達される。
【0051】
クラッチ・ギアボックス44は、AFモータユニット43から出力された駆動力の供給先をフォーカスレンズ駆動機構121とコンプレッサ42との間で切り替える。
【0052】
クラッチ・ギアボックス45は、AFモータユニット43から出力された駆動力の供給先をフォーカスレンズ駆動機構121と又はカバー開閉機構46との間で切り替える。
【0053】
カバー開閉機構46は、図4に示すように、カバー40の背面側に設けられた回転軸を含み、AFモータユニット43の駆動力により回転軸が所定の方向に回転することによりカバー40を閉状態から開状態にし、所定の方向の反対方向に回転することによりカバー40を閉状態から開状態にする。
【0054】
エアーダクト47は、コンプレッサ42から出力された圧縮空気の通り道であり、コンプレッサ42と空気噴射ユニット48とを連結する。エアーダクト47は、カメラ本体10の中央部を迂回するように形成される。例えば、図2、図3に示すように、エアーダクト47は、カメラ筐体11の右側面近傍を通ってカメラ筐体11の下端奥近傍から上端手前近傍に延び、カメラ筐体11の上端近傍でカメラ筐体11の右側面近傍から略中央に延びるように形成される。
【0055】
空気噴射ユニット48は、図2、図3に示すように、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間(図2網かけ部)に、コンプレッサ42から出力され、エアーダクト47を通って供給された圧縮空気を噴射するもので、カバー40の前面かつマウント12の上端近傍に設けられる。
【0056】
排気ユニット49は、主として、排気弁と、ほこりセンサとで構成される。排気弁は、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の空気圧を検知し、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の空気圧がカメラ本体10の外部の空気圧より高くなると排気弁が開くことでカバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の空気をカメラ本体10の外部に排出する。ほこりセンサは、排気弁から排出される空気に含まれるほこり量を検出する。
【0057】
図5は、本実施の形態のレンズ交換式デジタルカメラ1の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカメラ1は、CPU110、AE/AWB検出部112、AF検出部114、フラッシュROM116、RAM118、VRAM120、駆動部(フォーカスレンズ駆動機構121を含む)122、撮影光学系(ズームレンズ23、フォーカスレンズ24、撮影レンズ25、絞り等)124、撮像素子38、タイミングジェネレータ130、アナログ信号処理部132、A/Dコンバータ134、画像入力コントローラ136、画像信号処理部138、圧縮伸張処理部140、表示制御部142、メディアコントローラ146、カメラ操作部(レリーズボタン13、モードダイヤル14、電源ボタン、ズームボタン、十字ボタン、MENU/OKボタン等)148、レンズ装着検出機構150、レンズロック機構152、フィルタ交換検出機構154、動作時間演算データベース156、モータ制御部158、カバー開閉状態判別機構160等で構成されている。
【0058】
CPU110は、デジタルカメラ1の全体の動作を統括制御する制御手段として機能するとともに、各種の演算処理を行う演算手段として機能し、カメラ操作部148からの入力に基づき所定の制御プログラムに従ってデジタルカメラ1の各部を制御する。
【0059】
AE/AWB検出回路112は、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出する。たとえば、AE制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(たとえば16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の積算値を算出する。CPU110は、このAE/AWB検出回路112から得た積算値に基づいて被写体の明るさ(被写体輝度)を検出し、撮影に適した露出値(撮影EV値)を算出する。そして、算出した撮影EV値と所定のプログラム線図から絞り値とシャッター速度を決定する。また、AWB制御に必要な物理量として、1画面を複数のエリア(例えば、16×16)に分割し、分割したエリアごとにR、G、Bの画像信号の色別の平均積算値を算出する。CPU110は、得られたRの積算値、Bの積算値、Gの積算値から分割エリアごとにR/G及びB/Gの比を求め、求めたR/G、B/Gの値のR/G、B/Gの色空間における分布等に基づいて光源種判別を行う。そして、判別された光源種に適したホワイトバランス調整値に従って、たとえば各比の値がおよそ1(つまり、1画面においてRGBの積算比率がR:G:B≒1:1:1)になるように、ホワイトバランス調整回路のR、G、B信号に対するゲイン値(ホワイトバランス補正値)を決定する。
【0060】
AF検出回路114は、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号からAF制御に必要な物理量を算出する。本実施の形態のデジタルカメラ1では、撮像素子38から得られる画像のコントラストによりAF制御が行われ(いわゆるコントラストAF)、AF検出回路114は、入力された画像信号から画像の鮮鋭度を示す焦点評価値を算出する。CPU110は、このAF検出回路114で算出される焦点評価値が極大となる位置を検出し、フォーカスレンズ駆動機構121を介してその位置にフォーカスレンズ群を移動させる。すなわち、CPU110はフォーカスレンズ駆動機構121を動作させてフォーカスレンズ群を至近から無限遠まで所定のステップで移動させ、AF検出回路114は各位置で焦点評価値を取得し、得られた焦点評価値が最大の位置を合焦位置とする。CPU110は、フォーカスレンズ駆動機構121を介して合焦位置にフォーカスレンズ群を移動させる。
【0061】
フラッシュROM116には、このCPU110が実行する制御プログラムであるファームウェア、制御に必要な各種データ、カメラ設定値、撮影された画像データ等が記録されている。なお、後述するように、撮影された画像データは、通常メモリカードに記録されるが、ユーザが選択した場合、メモリカードが装填されていない場合、メモリカードの容量が不足した場合等にはフラッシュROM116に記録される。
【0062】
RAM118は、CPU110の作業用領域として利用されるとともに、画像データの一時記憶領域として利用され、VRAM120は、表示用の画像データ専用の一時記憶領域として利用される。
【0063】
タイミングジェネレータ(TG)130は、CPU110からの指令に応じて、撮像素子38を駆動するためのタイミング信号を出力する。
【0064】
アナログ信号処理部132は、撮像素子38から出力された画像信号に対して相関二重サンプリング処理(撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理)を行い、増幅して出力する。
【0065】
A/Dコンバータ134は、アナログ信号処理部132から出力されたR、G、Bのアナログの画像信号をデジタルの画像信号に変換する。
【0066】
画像入力コントローラ136は、所定容量のラインバッファを内蔵しており、CPU110からの指令に従い、A/Dコンバータ134から出力された1画像分の画像信号を蓄積して、RAM118に記録する。
【0067】
画像信号処理部138は、同時化回路(単板CCDのカラーフィルタ配列に伴う色信号の空間的なズレを補間して色信号を同時式に変換する処理回路)、ホワイトバランス補正回路、ガンマ補正回路、輪郭補正回路、輝度・色差信号生成回路等を含み、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号に所要の信号処理を施して、輝度データ(Yデータ)と色差データ(Cr,Cbデータ)とからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
【0068】
圧縮伸張処理部140は、CPU110からの指令に従い、入力された画像データに所定形式の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。また、CPU110からの指令に従い、入力された圧縮画像データに所定形式の伸張処理を施し、非圧縮の画像データを生成する。
【0069】
表示制御部142は、CPU110からの指令に従い、モニタ16への表示を制御する。すなわち、CPU110からの指令に従い、入力された画像信号をモニタ16に表示するための映像信号(たとえば、NTSC信号やPAL信号、SCAM信号)に変換してモニタ16に出力するとともに、所定の文字、図形情報をモニタ16に出力する。
【0070】
メディアコントローラ146は、CPU110からの指令に従い、メモリカードスロットに装填されたメモリカード144に対してデータの読み/書きを制御する。
【0071】
レンズ装着検出機構150は、マウント12にレンズユニット20が装着されているか否かを検出し、検出結果をCPU110に出力する。
【0072】
レンズロック機構152は、CPU110からの指令に基づいて、マウント12からレンズユニット20が取り外せないように、レンズユニット20をロックするものであり、機械式やマグネット式の様々な方法を用いることができる。
【0073】
フィルタ交換検出機構154は、例えば非接触センサを含み、空気フィルタ41が交換されたか否かを検出する。
【0074】
動作時間演算データベース156は、コンプレッサ42の駆動時間をCPU110が積算した結果を記憶する。コンプレッサ42の駆動時間は、例えば、ゴミ除去動作(後に詳述)が行われた回数と、1回のゴミ除去に要する駆動時間とを積算することにより求められる。
【0075】
モータ制御部158は、CPU110からの指令に基づいてAFモータユニット43の駆動を制御する。
【0076】
カバー開閉状態判別機構160は、センサ等を含み、カバー40が開状態にあるか閉状態にあるかどうかを判別する。カバー開閉状態判別機構160は、判別結果をCPU110に出力する。
【0077】
つぎに、本実施形態の作用について説明する。
【0078】
レンズ交換式デジタルカメラ1は、必要に応じて、ユーザによってレンズユニット20が交換される。その際、カバー40が開状態である場合には、カメラ本体10の開口部から外部の塵埃などがカメラ本体10の内部に侵入する。レンズ交換式デジタルカメラ1は、このような異物が例えば撮像素子ユニット37に付着することにより撮影画像に写り込んでしまう不具合を防止するため、撮影動作前にゴミ除去動作を行う。
【0079】
図6は、レンズ装着時の処理の流れを示すフローチャートである。
【0080】
ユーザがレンズユニット20をマウント12に取り付け(ステップS10)、電源ボタンを操作することによりレンズ交換式デジタルカメラ1の電源を投入する(ステップS11)。すると、CPU110は、レンズ装着検出機構150及びカバー開閉状態判別機構160に指令を出し、マウント12にレンズユニット20が装着されていること及びカバー40が閉状態であることを確認し、レンズ交換式デジタルカメラ1を「清掃モード」で動作させる。
【0081】
CPU110は、レンズロック機構152に指令を出し、レンズロック機構152は、マウント12からレンズユニット20が取り外せないように、レンズユニット20をロックする(ステップS12)。これにより、レンズユニット20の取り外しが不可となる。したがって、カバー40が空いている状態でレンズユニット20を取り外すことによりゴミ等がレンズ本体10内部に混入することを防止することができる。
【0082】
CPU110は、クラッチ・ギアボックス44を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をコンプレッサ42に切り替え(ステップS13)、次のようにして掃除を行う(ステップS14)。
【0083】
CPU110は、モータ制御部158に指令を出し、モータ制御部158は、AFモータユニット43を駆動して所定の時間コンプレッサ42を動作させる。コンプレッサ42は、空気フィルタ41を通って供給された空気を用いて圧縮空気を生成し、生成した圧縮空気をエアーダクト47を通って空気噴射ユニット48に供給する。コンプレッサ42には、空気フィルタ41により外部の塵埃など異物が除去された空気が供給されるため、生成された圧縮空気に塵埃などは含まれない。
【0084】
空気噴射ユニット48は、供給されたクリーンな圧縮空気をカバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間に噴射する。これにより、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の内部に付着したゴミ等を吹き飛ばすことができる。
【0085】
そして、排気ユニット49は、圧縮空気の噴射による圧力増加を検知して、排気弁を開く。これにより、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間の空気をカメラ本体10の外部に排出する。このとき、圧縮空気により吹き飛ばされたゴミ等が一緒に排出されるため、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間のゴミ等を除去することができる。
【0086】
掃除(ステップS14)が終了したら、CPU110は、動作時間演算データベース156に記憶されたコンプレッサ42の駆動時間を読み出し、それに掃除1回分の駆動時間を追加した結果を動作時間演算データベース156に出力する。動作時間演算データベース156は、入力された結果を新たな積算時間として記憶する(ステップS15)。これにより、動作時間演算データベース156に記憶された積算時間が更新される。
【0087】
CPU110は、更新された積算時間を動作時間演算データベース156から読み出し、その積算時間が所定の閾値以上であるか否かを判断する。例えば、積算時間が所定の閾値以上である場合にはフィルタ交換が必要であると判断し、積算時間が所定の閾値未満である場合にはフィルタ交換が必要でないと判断する(ステップS16)。
【0088】
フィルタ交換が必要であると判断された場合(ステップS16でYES)には、CPU110は、表示制御部142を介してフィルタ交換を促すメッセージをモニタ16に出力する(ステップS17)。これにより、空気フィルタ41が寿命に達したことをユーザに伝えることができる。
【0089】
ユーザは、モニタ16に表示されたメッセージをみてフィルタの交換を行い、OKボタンが押下する。すると、カメラ操作部148からCPU110にOKボタンが押下されたことを示す信号が入力される(ステップS18)。
【0090】
CPU110は、OKボタンが押下された信号が入力されると、フィルタ交換検出機構154に指令を出し、フィルタ交換検出機構154は空気フィルタ41が交換されたか否かを検出し、検出結果をCPU110に入力する(ステップS19)。
【0091】
空気フィルタ41が交換されていない場合(ステップS19でNO)場合には、フィルタ交換を促すメッセージを表示するステップ(ステップS17)に戻り、再度ステップS17〜S19を行う。
【0092】
空気フィルタ41のフィルタ交換が必要でないと判断された場合(ステップS16でNO)又は空気フィルタ41が交換された場合(ステップS19でYES)には、CPU110は、排気がクリーンであるか否かを検出する。すなわち、CPU110は、排気ユニット49のほこりセンサが検出した検出結果を取得し、検出結果が所定の閾値より小さいか否かを検出する(ステップS20)。
【0093】
排気がクリーンで無い場合(ステップS20でNO)には、掃除のステップ(ステップS14)に戻り、再度ステップS14〜S20を行う。
【0094】
排気がクリーンである場合(ステップS20でYES)には、CPU110は、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をカバー開閉機構46に切り替える(ステップS21)。CPU110は、モータ制御部158を介してAFモータユニット43を駆動し、AFモータユニット43の駆動力がカバー開閉機構46に伝達され、カバー開閉機構46は、カバー40を図3に示す閉状態から図4に示す開状態にする(ステップS22)。これにより、レンズユニット20からの被写体光が撮像素子38に結像可能となる。また、ステップS14でカバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間のゴミ等が除去されているため、カバー40を開いても、カメラ本体10の内部にゴミ等が侵入することはない。
【0095】
そして、CPU110は、撮影動作が可能となるように、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をフォーカスレンズ駆動機構121に切り替える(ステップS23)。
【0096】
CPU110は、表示制御部142を介してモニタ16にメニュー画面を表示する(ステップS24)。これにより、撮影動作が可能となったことをユーザに知らせることができる。
【0097】
ユーザがカメラ操作部148を操作することにより、撮影モードに変更することを示す指示がCPU110に入力される(ステップS25)と、CPU110は、レンズ交換式デジタルカメラ1の動作モードを「清掃モード」から「撮影モード」に切り替え、以下に示すような撮影動作を開始する(ステップS26)。
【0098】
CPU110は、撮像素子38で連続的に画像を撮像し、その画像信号を連続的に処理し、スルー画像用の画像データを生成する。生成された画像データは、VRAM120を介して順次表示制御部148に加えられ、表示用の信号形式に変換されて、モニタ14に出力される。これにより、撮像素子38で捉えた画像がモニタ14にスルー表示される。ユーザは、このモニタ14に表示されたスルー画像を見て、ズーム操作により構図を決定する。
【0099】
ユーザがズームボタンを操作することによりズーム操作が行われると、CPU110は、操作に応じて駆動部122を制御し、ズームレンズを駆動することによりズーム操作を行う。
【0100】
構図が決定したら、ユーザは、レリーズボタン13を半押しする。レリーズボタン13が半押しされると、CPU110にS1ON信号が入力される。CPU110は、このS1ON信号に応動して、撮影準備処理、すなわち、AE、AF、AWBの各処理を実行する。
【0101】
まず、撮像素子38から出力された画像信号をアナログ信号処理部132、A/Dコンバータ134、画像入力コントローラ136を介してRAM118に取り込み、AE/AWB検出部112及びAF検出部114に加える。
【0102】
AE/AWB検出部112は、入力された画像信号からAE制御及びAWB制御に必要な物理量を算出し、CPU110に出力する。CPU110は、このAE/AWB検出部112からの出力に基づき、絞り値とシャッタースピードを決定するとともに、ホワイトバランス補正値を決定する。
【0103】
AF検出部114は、入力された画像信号からAF制御に必要な物理量を算出し、CPU110に出力する。CPU110は、このAF検出部114からの出力に基づいて、モータ制御部158を介してAFモータユニット43を駆動し、フォーカスレンズ駆動機構121を介してフォーカスレンズ等の移動を制御して、レンズ鏡筒10のピントを主要被写体に合わせる。
【0104】
ユーザは、モニタ16に表示されるスルー画像を見てレリーズボタン13を全押しする。レリーズボタン13が全押しされると、CPU110にS2ON信号が入力される。CPU110は、このS2ON信号に応動して、撮影、記録処理を実行する。
【0105】
まず、上記のAE処理で求めた絞り値、シャッタースピードで撮像素子38を露光し、記録用の画像を撮像する。
【0106】
撮像素子38から出力された記録用の画像信号は、アナログ信号処理部132、A/Dコンバータ134を介して画像入力コントローラ136に取り込まれ、RAM118に格納される。RAM118に格納された画像信号は、CPU110の制御の下、画像信号処理部138に加えられる。画像信号処理部138は、入力された画像信号に所定の信号処理を施して、輝度データと色差データとからなる画像データ(YUVデータ)を生成する。
【0107】
画像信号処理部138で生成された画像データは、一旦RAM118に格納されたのち、圧縮伸張処理部140に加えられる。圧縮伸張処理部140は、入力された画像データに対して所定の圧縮処理を施し、圧縮画像データを生成する。
【0108】
圧縮された画像データは、RAM118に格納され、所定フォーマットの静止画像ファイル(たとえば、Exif)として、メディアコントローラ146を介してメモリカード144に記録される。なお、メモリカード144に画像ファイルが保存可能な空き領域が無い場合や、操作者が選択した場合等には、RAM118に格納された画像データは、所定フォーマットの静止画像ファイル(たとえば、Exif)としてフラッシュROM116に保存される。保存が終了したら、再度スルー画像の撮影を開始する。
【0109】
ユーザがカメラ操作部148を操作することにより、CPU110に撮影動作の終了指示が入力されたかどうかを判断する(ステップS27)。撮影動作の終了指示が入力されていない場合(ステップS27でNO)には、撮影動作(ステップS26)を繰り返し行い、撮影動作の終了指示が入力された場合(ステップS27でYES)には、処理を終了する。
【0110】
これにより、掃除をしないでカバー40を開けてしまうことにより、カメラ本体10内部にゴミ等が混入するなどの不具合を防止することができる。
【0111】
なお、図6では、レンズユニット20をカメラ本体10に装着する段階から処理を開始した例を示したが、レンズユニット20がカメラ本体10に装着されている場合には、ステップS11から処理を開始すればよい。
【0112】
図6では、電源投入後、撮影開始前に自動的に掃除(ステップS14)を行うことについて説明したが、ユーザが任意のタイミングで掃除を行うことも可能である。図7は、図6に示す流れに沿ってレンズ交換式デジタルカメラ1が起動された後、撮影モードまたは再生モードで動作しているときに、手動で掃除を行う処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6と同一の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0113】
CPU110は、表示制御部142を介してモニタ16にメニュー画面を表示する(ステップS30)。ユーザがカメラ操作部148を操作することにより、掃除を行うことを示す指示がカメラ操作部148からCPU110に入力されると、CPU110は、レンズ装着検出機構150及びカバー開閉状態判別機構160に指令を出し、マウント12にレンズユニット20が装着されていること及びカバー40が閉状態であることを確認し、レンズ交換式デジタルカメラ1の動作モードを「撮影モード」から「清掃モード」に切り替える(ステップS31)。
【0114】
CPU110は、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をカバー開閉機構46に切り替え(ステップS32)、開状態にあるカバー40を閉状態にする(ステップS33)。なお、レンズユニット20は、レンズロック機構152によりロックされたままである。
【0115】
CPU110は、クラッチ・ギアボックス44を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をコンプレッサ42に切り替え(ステップS13)、掃除を行う(ステップS14)。
【0116】
CPU110は、動作時間演算データベース156に記憶されたコンプレッサ42の駆動時間を更新し(ステップS15)、更新された積算時間を動作時間演算データベース156から読み出し、その積算時間に基づいてフィルタ交換が必要か否かを判断する(ステップS16)。
【0117】
フィルタ交換が必要であると判断された場合(ステップS16でYES)には、CPU110は、表示制御部142を介してフィルタ交換を促すメッセージをモニタ16に出力する(ステップS17)。
【0118】
ユーザは、モニタ16に表示されたメッセージをみてフィルタの交換を行い、OKボタンが押下する。すると、カメラ操作部148からCPU110にOKボタンが押下されたことを示す信号が入力される(ステップS18)。
【0119】
CPU110は、OKボタンが押下された信号が入力されると、フィルタ交換検出機構154に指令を出し、フィルタ交換検出機構154は空気フィルタ41が交換されたか否かを検出し、検出結果をCPU110に入力する(ステップS19)。
【0120】
空気フィルタ41が交換されていない場合(ステップS19でNO)場合には、フィルタ交換を促すメッセージを表示するステップ(ステップS17)に戻り、再度ステップS17〜S19を行う。
【0121】
フィルタ交換が必要でないと判断された場合(ステップS16でNO)又は空気フィルタ41が交換された場合(ステップS19でYES)には、CPU110は、排気がクリーンであるか否かを検出する(ステップS20)。
【0122】
排気がクリーンで無い場合(ステップS20でNO)には、掃除のステップ(ステップS14)に戻り、再度ステップS14〜S20を行う。
【0123】
排気がクリーンである場合(ステップS20でYES)には、CPU110は、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をカバー開閉機構46に切り替える(ステップS21)。CPU110は、モータ制御部158を介してAFモータユニット43を駆動し、AFモータユニット43の駆動力がカバー開閉機構46に伝達され、カバー開閉機構46は、カバー40を図3に示す閉状態から図4に示す開状態にする(ステップS22)。
【0124】
そして、CPU110は、撮影動作が可能となるように、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をフォーカスレンズ駆動機構121に切り替える(ステップS23)。
【0125】
CPU110は、動作モードを、清掃モードから図7に示す処理を開始する前の動作モードに戻し(ステップS34)、処理を終了する。
【0126】
これにより、撮影前などにゴミ等を除去したいというユーザのニーズに応えることができる。
【0127】
図8は、レンズ交換式デジタルカメラ1のレンズ交換時などにレンズユニット20を取り外す処理の流れを示すフローチャートである。なお、図7と同一の部分については、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0128】
CPU110は、表示制御部142を介してモニタ16にメニュー画面を表示する(ステップS41)。ユーザがカメラ操作部148を操作することにより、レンズユニット20を取り外すことを示す指示がCPU110に入力される(ステップS42)と、CPU110は、クラッチ・ギアボックス45を介してAFモータユニット43の駆動力の伝達先をカバー開閉機構46に切り替え(ステップS32)、開状態にあるカバー40を閉状態にする(ステップS33)。これにより、レンズユニット22を取り外してもカメラ本体10内部にゴミ等が混入しない。
【0129】
なお、レンズユニット20は、ステップS12でレンズロック機構152によりロックされたままであるため、CPU110は、レンズロック機構152に指令を出し、レンズロック機構152はレンズユニット20のロックを解除する(ステップS43)。これにより、レンズユニット20が取り外し可能となる。
【0130】
CPU110は、表示制御部142を介して、レンズユニット20が取り外し可能になったことを示すメッセージをモニタ16に出力する(ステップS44)。これにより、ユーザはレンズユニット20をマウント12から取り外すことができる。
【0131】
レンズユニット20がマウント12から取り外されると、レンズ装着検出機構150はこれを検出し、検出結果をCPU110に出力する(ステップS45)。CPU110は、レンズユニット20がマウント12から取り外されたことを示す信号がレンズ装着検出機構150から入力されると、レンズ交換式デジタルカメラ1の電源を切る(ステップS46)。
【0132】
本実施の形態によれば、レンズ交換によってカメラ本体の内部にゴミ等が混入することを防ぐことができる。
【0133】
なお、本実施の形態では、排気ユニット49内のほこりセンサの検出結果に基づいて排気がクリーンか否かを判断した(ステップS20)が、排気がクリーンか否かを判断する方法はこれに限らない。例えば、一定時間以上コンプレッサ42の動作を行った場合には排気がクリーンであると判断してもよい。
【0134】
また、本実施の形態では、空気圧に応じて自動的に開閉する排気弁を用いて、カバー40とレンズマウント22とで囲まれた空間内の空気を排気したが、排気の方法はこれに限らない。例えば、排気ユニット49にモータ等により開閉可能な開口部を設け、CPU110の指令により空気噴射ユニット48の駆動と同時に開口部をあけるようにしてもよい。また、開口部を開閉するモータとしては、専用のモータを設けてもよいし、AFモータを兼用してもよい。AFモータを兼用する場合には、クラッチ、・ギアボックス45でAFMモータユニット45の駆動力の伝達先を切り替えればよい。
【0135】
また、本実施の形態では、コンプレッサ42、カバー開閉機構46、及びフォーカスレンズ駆動機構121の駆動源としてAFモータユニット43を兼用したが、及びフォーカスレンズ駆動機構121とコンプレッサ42、フォーカスレンズ駆動機構121とカバー開閉機構46との間で駆動源を兼用するようにしてもよいし、コンプレッサ42、カバー開閉機構46、及びフォーカスレンズ駆動機構121のそれぞれに独自の駆動源を持つようにしてもよい。
【0136】
また、本実施の形態では、クラッチ・ギアボックス44を用いてフォーカスレンズ駆動機構121とコンプレッサ42との間でAFモータユニット43から出力された駆動力の供給先を切り替えたが、AFモータユニット43に限らない。例えばズームモータユニットがカメラ本体10に内蔵されている場合には、ズームモータユニットの駆動力の供給先をズームレンズ駆動機構とコンプレッサ42と野間で切り替えるようにしてもよい。
【0137】
また、本実施の形態では、掃除を行うステップ(ステップS14)において、所定の時間コンプレッサ42を動作させたが、排気ユニット49のほこりセンサが検出した検出結果に基づいて排気がクリーンであるか否かを検出し(ステップS20)、不十分な場合は再度掃除(ステップS14)を行ったが、掃除のステップ(ステップS14)において、圧縮空気を噴射し、排気弁を開いて排気するとともに、ほこりセンサで検出を行い、検出結果よりクレーンであると判断されたときにコンプレッサ42を停止するようにしてもよい。
【0138】
また、本実施の形態では、コンプレッサ42でカメラ本体10の外部から空気フィルタ41を通った清浄空気を圧縮し、空気噴射ユニット48に供給したが、清浄空気を空気噴射ユニット48に供給する方法はこれに限らない。例えば、コンプレッサ42でカメラ本体10内部の空気を圧縮して空気噴射ユニット48に供給してよい。また、コンプレッサ42の代わりに取り外し可能な小型ボンベを設け、小型ボンベの空気を空気噴射ユニット48に供給してもよい。
【0139】
なお、本発明の適用は、レンズ交換式デジタルカメラに限定されるものではなく、レンズの交換が可能な銀塩カメラ、ビデオカメラなどの各種レンズ交換式カメラに適用することができる。また、レンズ交換式カメラに適用するプログラムとして提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の一の実施形態に係るレンズ交換式デジタルカメラ1を示し、撮影レンズユニットを外した状態の斜視図である。
【図2】上記レンズ交換式デジタルカメラ1の内部を模式的に示す図である。
【図3】上記レンズ交換式デジタルカメラ1の内部を模式的に示す図である。
【図4】上記レンズ交換式デジタルカメラ1の内部を模式的に示す図である。
【図5】上記レンズ交換式デジタルカメラ1の内部構成を示すブロック図である。
【図6】上記レンズ交換式デジタルカメラ1のレンズ装着時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記レンズ交換式デジタルカメラ1の手動で掃除を行なう処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】上記レンズ交換式デジタルカメラ1のレンズ取り外し時の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0141】
1:レンズ交換式デジタルカメラ、10:カメラ本体、11:カメラ筐体、12:マウント、13:レリーズボタン、14:モードダイヤル、20:レンズユニット、21:レンズ鏡筒、22:レンズマウント、23:ズームレンズ、24:フォーカスレンズ、25:撮影レンズ、31:クイックリターンミラー、34:ペンタプリズム、35:接眼レンズ、36:シャッター、37;撮像素子ユニット、38:撮像素子、40:カバー、41:空気フィルタ、42:コンプレッサ、43:AFモータユニット、44、45:クラッチ・ギアボックス、46:カバー開閉機構、47:エアーダクト、48:空気噴射ユニット、49:排気ユニット、110:CPU、121:AF動作機構、150:レンズ装着検出機構、152:レンズロック機構、154:フィルタ交換検出機構、156:動作時間演算データベース、158:モータ制御部、160:カバー開閉状態判別機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子に被写体像を結像させるレンズを有するレンズユニットと、該レンズユニットが装着されるカメラ本体とからなるレンズ交換式カメラにおいて、
前記カメラ本体は、
前記レンズユニットを着脱可能にするマウントと、
前記マウントに前記レンズユニットが取り付けられたことを検出する検出手段と、
ミラーボックス前面に設けられ、前記カメラ本体の内部空間を密閉可能なカバーと、
前記カバーの開閉を判別する判別手段と、
前記レンズユニットと前記カバーとで囲まれた空間に混入したゴミを除去するゴミ除去手段と、
前記検出手段により前記レンズユニットが前記マウントに取り付けられたことが検出され、かつ前記判別手段により前記カバーが閉じていることが判別されると、前記ゴミ除去手段を駆動するように制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とするレンズ交換式カメラ。
【請求項2】
前記カバーを開閉するカバー開閉手段を備え、
前記制御手段は、前記ゴミ除去手段によりゴミに除去が行われた後で、前記カバーを開くように前記カバー開閉手段を動作させることを特徴とする請求項1に記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項3】
前記ゴミ除去手段の駆動指示を入力する入力手段を備え、
前記制御手段は、前記入力手段から入力された駆動指示に応じて前記ゴミ除去手段を駆動することを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項4】
前記判別手段により前記カバーが開いていると判別された場合には、前記マウントから取り外せないように前記レンズユニットをロックするロック手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1に記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項5】
前記レンズユニットは、前記レンズを移動させるレンズ移動手段を備え、
前記カメラ本体は、前記レンズ移動手段を駆動するためのモータと、
前記レンズ移動手段と、前記カバー開閉手段及び前記ゴミ除去手段の少なくとも1つとの間で前記モータの駆動力の伝達先を切り替える切替手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項6】
前記ゴミ除去手段は、
空気を前記レンズユニットと前記カバーとで囲まれた空間に噴射する噴射手段と、
前記噴射手段により空気が噴射されると、前記レンズユニットと前記カバーとの間に形成された空間内の空気を前記カメラ本体の外部へ排気する排気手段と、
を有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項7】
前記ゴミ除去手段は、
ゴミをろ過するろ過手段と、
前記ろ過手段を介して前記カメラ本体の外部の空気を吸気して清浄空気を生成し、該清浄空気を前記噴射手段へ供給する供給手段と、
を有することを特徴とする請求項6に記載のレンズ交換式カメラ。
【請求項8】
前記圧縮空気生成手段の稼働時間を積算する積算手段と、
前記積算手段により積算された稼働時間に基づいて前記ろ過手段の交換が必要か否かを判断する判断手段と、
前記判断手段による判断結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載のレンズ交換式カメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−175639(P2010−175639A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−15620(P2009−15620)
【出願日】平成21年1月27日(2009.1.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】