説明

レンズ制御方法および装置ならびに、これを組み込んだカメラモジュール

合焦または物体距離、ズーム、、温度補償および安定化のうちの1つ又はそれ以上を含む、レンズを制御する機能を、適切なアルゴリズムとともに画像信号プロセッサ(ISP)内に統合した効率的な画像取り込みシステムを開示する。特に、集積化したISP回路は、光学アセンブリの合焦およびズーム光学系の動きを制御したり、安定化を制御したり、フラッシュを制御したり、ズームおよび合焦レンズを制御する強化された機能および特徴を提供して、改善した画像取り込みシーケンス及び/又はレンズデータの追跡を可能にしたり、ISP内にアルゴリズムのセットを設けて、画像のアスペクト比(画像の高さと幅の両方)を変更して、例えば、アナモフィックレンズを追加したり、アナモフィックレンズをモジュールに組み込んで、焦点面アレイでの画像の投影アスペクト比を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本願は、米国仮(Provisional)出願番号第60/604525号(2004年8月25日出願)の米国特許法第119条(e)による利益を主張するものであり、この内容は参照によりここに組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、画像取り込みシステムに関し、特定の実施形態では、レンズ群、レンズモータ駆動機構、焦点面アレイ、画像信号プロセッサ(ISP)、合焦または物体距離、ズーム、フラッシュ、シャッタ、温度補償、及び/又は安定化の制御のうちの幾つかを含む、機能をレンズモジュール内に統合した画像取り込みシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の撮像システム(例えば、デジタルカメラ、カメラ電話、ビデオカメラ(camcorder)、他の撮像装置および応用)は、典型的には、システムアセンブリの一部としてカメラレンズモジュールを組み込んでいる。このレンズモジュールは、焦点面アレイ、機械的ハウジング、光学アセンブリ、コネクタとの電気インタフェースで構成される。
【0004】
図1は、例示的な従来のモータ駆動レンズモジュール100を示す(モジュールのケースを破線で表す)。レンズモジュール100内のレンズ群(合焦レンズ群102とズームレンズ群104)は、図示しているだけである。レンズモジュール100内では多くの異なるレンズ構成を使用できると理解すべきだからである。例えば、レンズが、固定式またはプライムレンズである場合、1つだけ又はそれ以上の合焦レンズ群が存在し、合焦のために移動する。レンズがズームレンズである場合、該レンズ群は、ズーム機能を提供するように一緒に機能して、1つ又はそれ以上の合焦レンズ群が合焦のために移動する。さらに、1つ又はそれ以上のレンズ群は、温度補償、画像安定化およびアナモフィック歪みのために移動してもよい。
【0005】
レンズ群は、電磁放射の経路を変更するのを主目的として、1つ又はそれ以上のレンズ要素で構成される。レンズ要素は、多くの異なるタイプおよび材料の組成で製作され、例えば、種々の組成からなるガラス、水晶(crystal)、プラスチックや樹脂、セラミック、液体または組合せなどである。
【0006】
さらに、レンズ要素は、ミラーまたはプリズムなどの反射性のものでもよい。レンズ要素は、異なる形状、厚さまたは他の特性となるように製作可能であり、合焦、拡大、縮小、反射、屈折、通常歪み(アナモフィック歪みなど)の補正または作成、横の色(lateral color)の補正など、種々の課題を実行するように製作したり、他の要素との組合せが可能である。
【0007】
要素の位置、形状、透過率、反射率、磁力または他の特性を変更することによって、上述した機能を実施できる。例えば、要素を、焦点面アレイ108に対して垂直な軸に沿って移動することは、合焦及び/又はズームの能力を提供するのに有用である。同様に、液体状または柔軟な要素の形状を変えること、及び/又はその移動との組合せによって、同じことが可能である。主要な軸に対して要素を移動したり形状を変えることは、画像安定化および温度補償を提供するのに有用である。センサは、例えば、位置、形状、温度、磁束、変位、湿度および光など、幾つかのレンズ特性を検知するために使用できる。レンズセンサの幾つかの例示的実施形態は、リニア式またはロータリ式のエンコーダ、変位センサ、サーミスタ、熱電対、カウンタ、動き検出器(motion detector)、加速度計などがある。
【0008】
図1のレンズ群は、可視電磁スペクトルまたは赤外電磁スペクトルを、レンズモジュール100内の画像センサ(例えば、焦点面アレイ)108の上に結像する。焦点面アレイは、電磁放射を種々の波長または波長範囲で検出または検知する1つ又はそれ以上のエレメントを含むデバイスである。これらのエレメントは、例えば、デジタル写真およびビデオで用いられるような人間の可視光スペクトルを検知または検出するように、種々の手段によって同調可能である。これらはまた、赤外光、紫外光または他の所望の波長または波長バンドを検知または検出するように、同調可能である。
【0009】
焦点面アレイの幾つかの例示的実施形態は、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)アクティブ画素センサ、CMOSアクティブカラム(column)センサ、量子ドット焦点面アレイ、ガリウムヒ素赤外アレイなどである。焦点面アレイの例は、米国特許第6084229号、米国特許第5471515号、米国特許第4054797号に見られ、これらの内容は参照によりここに組み込まれる。
【0010】
図1において、焦点面アレイ108上で取り込まれた生(raw)の画像データ106は、ISP110に伝送される。ISP110は、生の画像データ106を、保存、印刷、表示または解析が可能な使用可能なスチールまたはビデオ画像へ変換するために用いられる。ISP110は、この目的のために種々のアルゴリズムを実行する。例として、ISP110は、1つ又はそれ以上のアルゴリズムを実行して、例えば、これに限定されないが、自動の暗(dark)参照、色フィルタ逆モザイク(de-mosaicing)、白バランス、色補正、色空間変換、圧縮など、種々の画像処理タスクを行う。ISP110は、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのスタンドアローンプロセッサ上で動作するアルゴリズム、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能な半導体デバイスで動作するアルゴリズム、特定用途集積回路(ASIC)などの論理回路に直接組み込んだアルゴリズム、上記または他の実施形態の組合せによって、実行可能である。ISPの例は、ファラデー・テクノロジー(Faraday Technology)社のFTISPlOOS 2メガ画素ISPやエムテックビジョン(Mtekvision)社のMV9313 ISPである。
【0011】
ISP110からの処理した画像データ112は、システムプロセッサ114へ伝送される。システムプロセッサ114は、ズーム制御用の2つのスイッチとして象徴的に示すように、ユーザ入力116を受け入れて、ズームレンズ群および合焦レンズ群を制御する。しかし、異なる機能を制御するために、数多くの別個のユーザ入力を、数多くの別個の入力機構を用いてシステムプロセッサ114に供給してもよいと理解すべきである。
【0012】
そして、システムプロセッサ114は、合焦制御信号およびズーム制御信号として象徴的に示すように、制御信号118を生成する。しかし、数多くの別個の制御信号をシステムプロセッサ114によって生成してもよいと理解すべきである。そして、制御信号は、レンズモジュール100内の合焦およびズームレンズモータ駆動機構122を制御するレンズ駆動電子回路120へ送られる。
【0013】
合焦およびズームレンズモータ駆動機構122は、電気エネルギーを機械的運動に変換して、ズームレンズ群104および合焦レンズ群102を移動させるものであり、レンズモジュール100の他の機能を制御してもよい。例えば、モータ駆動機構は、画像取り込みシステム内の他の構成部品の位置、形状または場所を変更するように、力を供給することができる。他の例では、モータ駆動機構は、液体状または柔軟なレンズの形状及び/又は位置を変えたり、レンズ要素の物理的な位置を変えたり、シャッタを(例えば、虹彩(iris)による機械的に、または透過率可変の液晶ディプレイ(LCD)による光学的に)開閉したり、あるいはエネルギーを照明光源へ供給したりするために使用できる。例示の実施形態は、ステップモータ、サーボモータ、スクリュー、磁気の反発と吸引、圧電式、超音波式、フラッシュなどを含む。
【0014】
モータ駆動機構は、ノブ、レバー、歯車、ホイールまたは他の機械的装置、あるいは手動で移動したり、他のモータ駆動機構との組合せで移動できる機械的装置との組合せを備えてもよい。例示の実施形態は、1つ又はそれ以上のレンズ要素の位置を変更して、合焦機能を提供することができるロータリノブである。
【0015】
モータ駆動機構は、複数の構成要素で製作可能であり、これらの幾つかは、ISPまたは他のデバイスからの制御信号を受け入れ可能であり、そして、これらの信号を、要素の特性を変更するための力を供給するのに必要な適切なエネルギーへ変換する。複数の構成要素で製作されたモータ駆動機構の簡単な例は、ステップモータ駆動スクリューである。スクリューは、対象となる要素に連結されたナットを駆動する。スクリューが回ると、要素の位置が変化する。ステッパなどのモータは、スクリューを回転させるために用いられる。モータは、回転エネルギーを必要とし、これはトランスレータ(translator)によって供給される。トランスレータは、ISPまたは他の供給源からの制御信号を解釈して、正確な関係の電気パルスに変換して、ステッパモータを回転する。
【0016】
他の例は、液体レンズ駆動である。液体レンズは、磁気特性を有し、1つ又はそれ以上の外部磁界が印加されると、レンズは形状及び/又は位置を変化させる。この場合、駆動機構は、永久磁石及び/又はワイヤコイルとすることができる。磁石が移動したり、ワイヤコイルが様々に通電されると、変化する磁界が液体レンズの特性を変化させる。トランスレータは、ISPまたは他の供給源からの制御信号を、適切なエネルギーに変換する。液体レンズの一例は、米国特許第6369954号に見られ、この内容は参照によりここに組み込まれる。
【0017】
焦点面アレイ技術の最近の発展により、焦点面アレイにより多くの回路要素を収容して、より多くの機能を実行させることが可能になった。幾つかの従来のレンズモジュールは、ISP110を、CMOSアクティブカラムセンサなどの焦点面アレイ108を収容する同じ集積回路チップ上に組み込んでいる。より発展した従来のレンズモジュール100は、合焦制御の処理を、焦点面アレイ108を収容する同じ集積回路チップ上に組み込んでもよい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、図1に示すように、レンズ駆動電子回路120(電気エネルギーを機械的運動に変換して、レンズを移動し、他の機能を制御する)を通じて、ズームレンズ駆動機構、フラッシュ、シャッタおよび他の機能を制御する電気制御信号118は、従来、レンズモジュール100の外部に由来していた。例えば、位置測定センサ(例えば、赤外または超音波のセンサ)からの自動合焦制御信号は、別個のISP110に由来して、レンズ駆動電子回路120内の合焦駆動機構に送られている。画像ベースの合焦制御について、画像データ106は、レンズモジュール100からシステムプロセッサ114に伝送しなければならず、そこでは、合焦制御信号を生成するために、エッジ検出自動合焦アルゴリズムが使用される。
【0019】
さらに、ユーザは、合焦レンズ群102を制御することによって、手動で物体距離を変更したいかもしれない。ボタン、スイッチまたは他の入力デバイスからの信号は、適切な合焦制御信号をレンズ駆動電子回路120に送るシステムプロセッサ114に入力しなければならない。ズームレンズ群、フラッシュ、シャッタおよび他の機能のための制御信号は、上述と同様に、レンズモジュール100の外部で生成される。レンズモジュール外部で生成される制御信号を伴う従来のシステムの例は、英国特許公開第GB2141260A号である。
【0020】
従来の撮像システムは、図1に示したレンズ駆動電子回路120のように、制御信号を生成するデバイスとは別個のレンズモジュール100を利用しているため、レンズモジュールを組み立てて、これらの関連デバイスと接続するために、追加の製造ステップが必要になり、製造の時間および費用を増加させる。さらに、これらの特別なステップは、組み立てエラーの機会を増加させる。
【0021】
レンズ駆動電子回路などのように、制御信号を生成するデバイスとは別個のレンズモジュールを有することは、性能の問題をも生じさせる。モジュール外部での制御信号の生成は、モジュール外部のデバイスによって実行される特別な処理ステップのために、システムパワーを浪費する。さらに、上述したように、自動合焦レンズ制御を組み込んだ撮像システムは、焦点面アレイとは別個のISPに配置された合焦レンズを制御するためのアルゴリズムを利用する。画像プロセッサは、画像データを焦点面アレイから読み取って、データを処理し、制御信号を合焦レンズの駆動電子回路に伝送する必要があり、画像取得時間を増加させる。
【0022】
レンズ駆動電子回路などのように、制御信号を生成するデバイスとは別個のレンズモジュールを有することは、望ましくない製品仕様および動作パラメータをもたらすことがある。例えば、レンズ駆動電子回路用の別々の回路(例えば、チップ)の使用は、特別な構成要素を追加させ、撮像システムのサイズおよび重量の増加をもたらすことがある。さらに、別々の回路の使用は、各回路を別々に電力供給することを必要とし、より高出力のバッファがチップ間の信号を駆動するための用いられ、電力消費の増加をもたらすことになる。
【0023】
今日の競争の激しい民生用電子機器の環境において、明瞭な傾向は、増加した特徴点、減少した製品サイズ、低消費電力であり、デジタルカメラや携帯電話などの撮像デバイスの製造者は、可能な限り最小のパッケージに多くの性能および能力を産み出す技術を利用しなければならず、それと同時に、組み立てコストおよび組み立てエラー数を最小化する必要がある。
【0024】
能力に関して、製造者は、統合した機能性の増加を伴うレンズモジュールから、より多くの利益を得るであろう。集積化モジュール手法はまた、撮像デバイスの製造者が、異なる特徴を持つ差し込み式(plug-in)モジュールを収容して、異なる製品モデルを生産することができる標準化「プラットホーム」を製作することを可能にする。
【0025】
性能に関して、統合した機能性の増加を伴うレンズモジュールを用いて実現可能なサイズおよび電力消費の改善もまた、撮像デバイスの製造者にとって有益であろう。さらに、コンパクトな複合ズームレンズ技術は、これらの集積化モジュールの内部に使用してもよく、製造者に対して、小型の撮像デバイスで従前では得られない高性能で広角のズームレンズを供与する。コンパクトな複合ズームレンズ技術は、米国特許出願第11/101933号に記載されており、その内容は参照によりここに組み込まれる。
【0026】
組み立てコストおよび組み立てエラーの最小化に関して、製造者は、複数の小型デバイスの組み立てと連結を行う必要がある代わりに、比較的少ない製造ステップでデバイスの組み立てと連結を可能にするモジュール化した多機能な構成要素から、より多くの利益を得るであろう。
【0027】
従って、レンズ群、レンズモータ駆動機構、焦点面アレイ、ISP、合焦または物体距離の制御、ズーム、フラッシュ、シャッタ、温度補償、及び/又は安定化のうちの幾つかを含む、機能をレンズモジュール内に統合するニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
(発明の要旨)
本発明の実施形態は、自動合焦およびズームレンズ群、レンズモータ駆動機構、焦点面アレイ、ISP、ズームと合焦または物体距離の制御、フラッシュ、シャッタ、温度補償、画像安定化および、適切なアルゴリズムを含む距離/合焦の測定デバイス(非画像ベースの合焦制御)のうちの幾つか又は全てを含む、機能をレンズモジュール内に統合することによって、製造性を改善する(即ち、製造の時間、費用、組み立てエラー数を減少させる)モジュール式画像取り込みシステムに関する。機能の統合はまた、画像取得時間を改善し、撮像デバイスのサイズ、重量および電力消費を低減する。
【0029】
本発明の実施形態に係る1つの例示の画像取り込みシステムは、焦点面アレイ、複合ズームレンズ、ISP、電気及び/又は機械インタフェースを用いて形成することができ、これらは、単一のレンズモジュール・アセンブリまたは筐体(chassis)、および画像取り込みシステムにおけるアセンブリおよび他の構成要素のための支持構造を提供できるハウジングの中に組み込まれる。レンズモジュール筐体に接続される電気インタフェースは、ホスト装置と通信するために用いられ、機械インタフェースは、アセンブリをホスト装置と合体させるために用いられる、
【0030】
特に、合焦およびズームレンズ駆動制御信号を生成する回路構成など、上述したような多くの機能およびアルゴリズムは、ISP機能を実行する同一の集積回路上に組み込まれて、実行することができる。この機能強化されたISPは、焦点面アレイとともにオンチップで直接に集積したり、レンズモジュール内のいずれかに搭載されたディスクリートの半導体集積回路の中で実現することができる。
【0031】
任意のアナモフィックレンズ、安定化センサおよび安定化駆動機構もまた、レンズモジュール内で用いてもよい。安定化センサは、ISPにフィードバックされて処理される出力を生成し、ISPは、統合した画像安定化アルゴリズムを実行し、制御信号を安定化駆動機構、レンズモジュールの領域内の全てに送って、取り込まれる画像を安定化することができる。上記の代わりに又はこれに加えて、ISPは、画像データを移動して、安定化を提供することができる。さらに、画像が焦点面アレイ上にどのように投影されるか、あるいはシステムによってどのように取り込まれるかに拘わらず、アルゴリズムをISPに追加して、焦点面アレイによって取り込まれるような画像アスペクト比を変更することができ、例えば、最終像を逆歪像化(de-anamorphose)することができる。
【0032】
フラッシュまたは照明の制御、そしてシャッタの制御もまた、モジュールの中に組み込むことができる。
【0033】
本発明の実施形態に係る画像取り込みシステムの代替の実施形態は、複数のISP、焦点面アレイ、レンズとレンズ群、及び/又は、種々のタイプの電気及び/又は機械インタフェースを含んでもよい。他の代替の実施形態は、改善したレンズまたはレンズ群、1つ又はそれ以上のモータ駆動機構、1つ又はそれ以上のセンサ、及び/又はモータ駆動機構及び/又はセンサとのインタフェースを制御するように機能強化された1つ又はそれ以上の改善したISPの追加を含んでもよい。
【0034】
統合化手法は、上述のように、一定の利益をもたらす。例えば、撮影間(shot-to-shot)時間は、ISPおよび合焦制御アルゴリズムを同じチップ上に一緒に集積化することによって、減少させることができる。駆動電子回路、フィードバックデバイス、制御信号および他の関連したレンズ制御電子回路、そしてフラッシュをモジュールアセンブリ内に集積化することは、システムからモジュールへの電気相互接続の量を減らして、システム全体のサイズおよび電力消費を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
好ましい実施形態の下記説明では、その一部を形成する添付図面を参照しており、本発明を実用化できる特定の実施形態を例示によって示している。本発明の好ましい実施形態の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用してもよく、構造的変化を行ってもよいと理解すべきである。
【0036】
本発明の実施形態は、ズームレンズ群、レンズモータ駆動機構、焦点面アレイ、ISP、合焦(通常の結像、近接結像(close focus)、マクロ結像(macro focus))や物体距離の制御、ズーム、フラッシュ、シャッタ、温度補償、及び/又は安定化のうちの幾つか又は全てを含む、適切なアルゴリズムを含めて、機能をレンズモジュール内に統合することによって、製造性を改善する(即ち、製造の時間、費用、組み立てエラー数を減少させる)モジュール式画像取り込みシステムに関する。機能の統合はまた、画像取得時間を改善し、撮像デバイスのサイズ、重量および電力消費を低減する。特に、上述した機能およびアルゴリズムの多くは、ISP機能を実行する同じ集積回路上に組み込まれ、実行することができる。そして、この機能強化されたISPは、焦点面アレイと同じ基板上に集積可能であり、あるいは、ISPは別個の基板上に作成可能である。この別個の基板はまた、モジュール内に集積可能である。
【0037】
本発明の実施形態に係る1つの例示の画像取り込みシステムは、焦点面アレイ、複合ズームレンズ、ISP、電気及び/又は機械インタフェースを用いて形成することができ、これらは、単一のアセンブリ、および該アセンブリのための支持構造を提供できるハウジングの中に組み込まれる。電気インタフェースは、ホスト装置と通信するために用いられ、機械インタフェースは、アセンブリをホスト装置と合体させるために用いられる、電気インタフェースは、プラグまたはソケットなどの1つ又はそれ以上の電気コネクタを含んでもよく、機械インタフェースは、モジュールまたはアセンブリをホスト装置の中に正確に配置するために、ガイド、レール、ボスなどを含んでもよい。機械インタフェースはまた、電気インタフェースと一体化して、単一の電気機械コネクタを形成してもよい。例としてのホスト装置は、これに限定されないが、デジタルスチールカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、個人データ情報端末(PDA)、セキュリティや監視カメラ、工業カメラなどである。
【0038】
図2は、本発明の実施形態に係る、集積化した機能性を持つ例示的なモータ駆動レンズモジュール200を示す(モジュールのケースを破線で表す)。レンズモジュール200内のズーム、合焦および温度補償のレンズ群202,204を図示しているだけであるが、多くの異なるレンズ構成をレンズモジュール200内で使用できると理解すべきである。レンズ群の1つ又はそれ以上は、米国特許出願第11/101933号に記載されているような、回転可能なものでもよい。この出願の図34と図38は、本発明のレンズモジュールでの使用に好適な液体レンズを含む、例示の回転可能なレンズシステムを示している。
【0039】
上述したように、米国特許出願第11/101933号は、本発明のレンズモジュール200内で使用可能である、高性能でコンパクトな複合ズーム技術を記載している。この出願に記載された複合ズーム技術は、独立に移動するレンズ群の数を2つまたは3つに減少させる、簡単なズーム動作構造を持つ、広範囲で超広角で任意に回転可能な複合ズームレンズシステムである。複合ズーム技術は、大きなズーム範囲と格段に広い視野を持つ、極めて小さな直径の前側エレメントを可能にする。このシステムをコンパクトなパッケージ内で使用できるようにするため、1つ又はそれ以上折曲げプリズムまたはミラーをこの設計に含めることができる。これらのプリズムまたはミラーの反射の性質は、電磁妨害(EMI)がレンズモジュールから逃げるのを防止するという追加の利益をもたらす。
【0040】
光学設計は、ズームカーネル(kernel)と、ズームリレー(relay)、両者の間にある固定Pレンズ群とで構成される。ズームカーネルは、NPまたはNPP構造を有し、ズームリレーは、PまたはPP構造を有する。カーネルは、ここで定義するように、固定Pレンズ群の物体空間側にある全てのレンズ群を含み、一方、ズームリレーは、固定Pレンズ群の像空間側にある全てのレンズ群を含む。全部で2つまたは3つの独立に移動する群が存在し、中間像のそれぞれの側に1つまたは2つが存在する。前側の群は、折曲げプリズムがあるため、像面に対して静止している。ズームリレーは、1つまたは2つの独立に移動する正の群を備え、レンズ設計の簡単化に大きく貢献する著しく簡単な構造を有する。複合ズーム技術はまた、合焦群としておよび温度補償のためにズーム群を利用することができ、比較的簡単な機械的構造を維持している。複合ズーム技術のコンパクト性および性能は、従前では得られるものでなく、図2の集積レンズモジュール200での内在化にって理想的に好適なものになる。
【0041】
図2において、種々のレンズ群を通じて取り込まれた生(raw)の画像データは、画像センサ(例えば、焦点面アレイ)208から、画像センサと同じチップまたは別個のチップの上に配置可能な画像信号プロセッサ(ISP)210へ伝送され、生の画像データが処理される。焦点面アレイ208は、約450〜650nmの波長を持つ可視光、約450nmより小さい波長を持つ紫外光、約650nmより大きい波長を持つ赤外光、またはこれらの何れかの組合せに対して感度を有するものでよい。ISP210はまた、レンズモジュール200において2つのサムホイール(thumbwheel)216として象徴的に示すように、ユーザ入力も受け入れて、ズームレンズ群および合焦レンズ群を制御する。しかし、異なる機能を制御するために、数多くの別個のユーザ入力を、数多くの異なる入力機構を用いてISP210に供給してもよいと理解すべきである。
【0042】
そして、ISP210は、制御信号218を生成して、レンズモジュール200内でオンチップまたはオフチップで配置可能なレンズ駆動電子回路220へ送る。そして、レンズ駆動電子回路220は、更なるレンズモータ駆動信号を、合焦およびズームレンズモータ駆動レンズモジュール200内の他の機能に送る。レンズ駆動電子回路に加えてまたはその代わりに、合焦およびズームレンズ群は、手動で制御してもよいことに留意する。さらに、ISP210は、合焦または位置測定センサ(例えば、赤外または超音波のもの、あるいは追加の画像センサ)244を用いて、自動合焦制御信号を導出することができ、これはレンズ駆動電子回路220に送られる。ISP210はまた、モジュールコネクタを通じて、モジュール外部にある記憶装置(storage)または他のデバイスと通信してもよく、データを記憶装置の中に保存したり、記憶装置でデータ検索を行うなどの追加の機能を実行してもよい。
【0043】
図2では、図1と異なり、合焦およびズームレンズ駆動制御信号218を生成する回路要素は、ISP210内部に集積され、レンズモジュール200内に配置されている点に留意する。ISP210は、焦点面アレイ208とともにオンチップで直接に集積可能であり、あるいはレンズモジュール200内のいずれかにダイマウント(die mounted)されたディスクリート半導体の中で実現することができる。合焦およびズームレンズ駆動は、制御信号を受けて、電気エネルギーを機械的運動に変換し、ズーム、合焦および熱補償レンズ群204,202を移動したり、レンズモジュール200の他の特徴を制御する。
【0044】
上述したように、1つ又はそれ以上のレンズ群が回転する場合、焦点面アレイ208を収容するチップを回転したり、プリズムをレンズ群の内部または間に追加したり、生の画像データをISP210内で処理して、データ操作によって回転を実施するすることによって、取り込んだ画像を回転させることが望ましい点に留意する。
【0045】
例示の図2は、光学安定化レンズ246と、ズーム、合焦および熱補償レンズ群204の像側に配置された、半径方向に移動可能なレンズマウント226とを示す。しかし、安定化レンズおよびレンズマウントは、レンズモジュール200内のいずれに配置してもよいと理解すべきである。図2において、安定化センサ228は、焦点面アレイ208近傍に配置されるように示しているが、安定化センサはレンズモジュール200内のいずれに配置してもよいと理解すべきである。安定化センサ228(例えば、加速度計またはジャイロスコープなどのフィードバックデバイス)は、ISP210にフィードバックされて処理される安定化データ出力230を生成し、ISPは、統合した画像安定化アルゴリズムを実行し、制御信号218を駆動電子回路220に再送して、レンズマウント226を制御し、取り込まれる画像を安定化させる。画像安定化を持つレンズシステムの例は、米国公開第2004/0021953A1号に見られ、その内容は参照によりここに組み込まれる。
【0046】
モジュール用の焦点面アレイおよび光学系は、典型的には、大体4:3や16:9などの標準画像フォーマットアスペクト比に設計される。このことは、性能、視角(viewing angle)、ズーム比、コストおよび他のパラメータを制限することができる。アナモフィックレンズの使用は、これらの標準規格により課される制限を排除することができる。例示の図2は、光学アナモフィックレンズ224を示す。アナモフィックレンズ224は、レンズモジュール200内に追加して、投影される画像アスペクト比を変更してもよい。図2の例は、安定化レンズ群246とシャッタ234との間にあるアナモフィックレンズ224を示しているが、アナモフィックレンズ224は、光学経路内のいずれかに追加することができる。
【0047】
さらに、画像が焦点面アレイ上にどのように投影されるか、あるいはシステムによってどのように取り込まれるかに拘わらず、アルゴリズムをISP210に追加して、焦点面アレイ208によって取り込まれるような画像アスペクト比を変更することができる。該アスペクト比の画像処理アルゴリズムを伴うまたは伴わないアナモフィックレンズ224の導入は、該システムについての異なるパラメータの最適化を可能にする。例えば、より小さな直径のレンズは、コストを下げるために使用でき、及び/又は、正方形アスペクトの画像センサは、4:3や16:9アスペクト比の画像を取り込むために使用できる。
【0048】
コストおよび性能の向上の例は、画像を水平方向に圧縮するためにアナモフィックレンズを使用することであり、正方形フォーマットの焦点面アレイによって完全に取り込み可能になる。このことは、あまり高価でない小さな直径の光学系と、より小型でより安価な焦点面アレイの使用を可能にする。アナモフィックレンズ224の使用は、非正方形の画素の使用も可能にする。
【0049】
撮影場面を照明するためのフラッシュまたは照明の制御238もまた、駆動電子回路220およびISP210からのフラッシュ制御信号の制御の下で、モジュールに組み込むことができる。LEDまたは同様のタイプの照明の場合、デジタル撮影用の通常の「ストロボ」またはビデオ取り込み用の一定またはパルスの照明だけでなく、「フラッシュライト」の機能を追加することができる。
【0050】
例示の図2では、シャッタ234も示しており、これは、駆動電子回路220およびISP210からのシャッタ制御信号の制御の下で開閉する。
【0051】
本発明の実施形態に係る画像取り込みシステムの代替の実施形態は、複数のISP、焦点面アレイ、レンズとレンズ群、及び/又は、種々のタイプの電気及び/又は機械インタフェースを含んでもよい。他の代替の実施形態は、改善したレンズまたはレンズ群、1つ又はそれ以上のモータ駆動機構、1つ又はそれ以上のセンサ、及び/又はモータ駆動機構及び/又はセンサとのインタフェースを制御するように機能強化された1つ又はそれ以上の改善したISPの追加を含んでもよい。
【0052】
上述したような統合した機能およびこれらのアルゴリズムは、押しボタン、スイッチまたは、位置、加速度計、ジャイロスコープ及び/又は他のセンサなどのフィードバックデバイスからの他の入力デバイスによるユーザ入力に応答することができ、そして、レンズモジュール200のためのシステムまたはコネクタによって送られるデータに反応することができる。電気制御信号出力は、レンズモジュール内のレンズ駆動機構に直接インタフェース接続したり、及び/又は、データを画像取り込みシステムへのデータインタフェースへ送るように生成される。
【0053】
図2に示した統合化手法は、一定の利益をもたらす。例えば、撮影間(shot-to-shot)時間は、ISP210および合焦制御アルゴリズムを同じチップ上に一緒に集積化することによって、減少させることができる。レンズのズーム動作につれて焦点が変化する場合、焦点の追従(ズーム変化とともに合焦を維持する)は、ユーザがズーム比を変更する場合に可能である。ユーザは、機械的に、あるいはボタン、スイッチまたは他の入力デバイス216を起動することによって、ズーム比を変更することができる。こうした起動または機械的な動きは、電気信号を介してISPアルゴリズムへ、あるいはデータインタフェースを通じて直接に入力可能な信号を提供する。
【0054】
駆動電子回路220、フィードバックデバイス、制御信号、および他の関連したレンズ制御電子回路、さらにフラッシュをモジュールアセンブリ内に集積化することは、システムからモジュールへの電気相互接続の量を低減して、全体システムのサイズおよび電力消費を低減するとともに、性能を改善する。
【0055】
この集積化した制御能力を、ズームおよび合焦レンズ群のいずれか又は両方の制御へ追加することは、取り込んだ画像に関するレンズ位置データの追跡(tracking)および記録など、他の特徴を可能にし、及び/又は、「ズームをXズームに設定」や「物体距離(焦点)をYに設定」(但し、X,Yは、プログラム可能な変数)など、ユーザがプログラム化したシーケンスに移行して実行することが可能になる。
【0056】
より複雑なズームおよび合焦制御であっても、複数の設定の追加により、定期またはイベント駆動(event driven)のインターバルで(例えば、シーケンスを記憶して繰り返す)実施可能である。例えば、保存できる簡単なシーケンスは、(1)3×倍率のズームにする、(2)焦点を3フィートに設定する、(3)画像を取り込む、(4)2×倍率のズームにする、(5)焦点を12フィートに設定する、(6)画像を取り込む、である。
【0057】
温度測定、光学および画像補償もまた、レンズモジュール200内に含んでもよい。温度または熱補償は、温度センサ240を含むことができ、これは、処理のためにISP210に送られる温度データを生成する。温度変化は、焦点ずれ(de-focusing)を引き起こすことがあり、これは、合焦制御を用いて1つ又はそれ以上のレンズ群202,204を移動することによって、光学系内で補償可能である。さらに、画像データは、ISP210で温度補償可能であり、画質を改善できる。
【0058】
ズームレンズ制御はまた、レンズモジュール200へ組み込むことができ、レンズモジュールを画像取り込みシステムに設置した後であっても、ユーザにアクセス可能な場所に配置することができる(図2での代表的なサムホイール216を参照)。ズームレンズ制御は、典型的には、機械的な装置または電気的なスイッチやボタンである。機械的な装置に関し、回転式のノブや環(collar)、レバー、カム、歯車または他のデバイス(あるいは、これらの全てまたは幾つかの組合せ)がオペレータによって動き、この動きがズームレンズに伝送されて動くようになる。電気スイッチまたはボタンに関し、ズームレンズの動作時間は、典型的には、スイッチやボタンが起動している時間の長さに比例する。スイッチやボタンが押されると、電気信号は、典型的には、撮像システムコントローラに送られ、コントローラは、対応する電気信号をズームレンズ駆動システムへ送る。該駆動システムは、典型的には、電気信号を取り込んで、直接または機械的な装置を介して機械的な動きに変換し、ズームレンズを動かすモータである。
【0059】
ズームレンズが動いた場合、画像は、ズーム動作中に焦点から外れることがあり、画像を再び合焦させる必要があることに留意する。合焦レンズ制御は、モジュール中に、ユーザにアクセス可能な場所に組み込んで、ユーザはこの再合焦を実行することができる。さらに、合焦群は、物体距離を変えるために、ユーザにより変更することができ、あるいは合焦レンズ群は、合焦を自動的に維持するように、ISPによって制御してもよい。
【0060】
本発明は、添付図面を参照してその実施形態に関連して全て説明したが、種々の変化および変更が当業者に明らかになることに留意すべきである。こうした変化および変更は、添付した請求項によって定義される本発明の範囲内に含まれるものとして理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】例示的な従来のモータ駆動レンズモジュールを示す(モジュールのケースを破線で表す)。
【図2】本発明の実施形態に係る、集積化した機能性を持つ例示的なモータ駆動レンズモジュールを示す(モジュールのケースを破線で表す)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合した機能性を持つレンズモジュールであって、
画像を受け、ズーム能力を提供するための複数のレンズ群と、
レンズ群とともに整列し、レンズ群を通じて画像を取り込み、生の画像データを生成するための焦点面アレイと、
焦点面アレイと伝送可能に接続され、生の画像データを受けて処理し、ズーム制御信号を含む制御信号を生成するための画像信号プロセッサ(ISP)と、
ISPと伝送可能に接続され、制御信号を受けて、レンズモータ駆動信号を生成するための駆動電子回路と、
レンズモータ駆動信号を受けるために駆動電子回路と伝送可能に接続され、レンズ群と連結して、レンズモータ駆動信号に従ってレンズ群を移動するための1つ又はそれ以上レンズモータ駆動機構と、
レンズ群、焦点面アレイ、ISP、駆動電子回路、および1つ又はそれ以上レンズモータ駆動機構を支持し、レンズモジュールを単一の構成要素として撮像システムの中に組み込み可能にするためのレンズモジュール筐体と、を備えるレンズモジュール。
【請求項2】
レンズ群は、複合ズームレンズシステムを備える請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項3】
少なくとも1つのレンズ群は、合焦レンズ群であり、
ISPは、合焦制御信号をさらに生成するようにし、
1つ又はそれ以上のレンズモータ駆動機構は、合焦レンズモータ駆動機構を含むようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項4】
ISPと伝送可能に接続され、合焦制御信号を生成する際、ISPを支援するための合焦センサをさらに備える請求項3記載のレンズモジュール。
【請求項5】
焦点面アレイおよびISPは、単一の集積回路上に共に配置されるようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項6】
ISPと伝送可能に接続され、安定化データを生成し、ISPへ送るための1つ又はそれ以上の安定化センサと、
1つ又はそれ以上のレンズ群およびISPと連結して、ISPによって生成された安定化制御信号を受けて、画像の安定化を実行するための安定化駆動機構とをさらに備え、
ISPは、安定化データを処理し、安定化制御信号を生成するように構成されている請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項7】
ISPと伝送可能に接続され、温度データを生成し、ISPへ送るための1つ又はそれ以上の温度センサをさらに備え、
ISPは、温度データを処理し、温度補償用の合焦制御信号を生成するように構成されている請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項8】
駆動電子回路およびISPと伝送可能に接続され、フラッシュを制御するためのフラッシュ駆動部をさらに備え、
ISPは、フラッシュ駆動部用のフラッシュ制御信号を生成するように構成されている請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項9】
駆動電子回路およびISPと伝送可能に接続され、焦点面アレイで取り込まれた画像を制御するためのシャッタをさらに備え、
ISPは、シャッタ用のシャッタ制御信号を生成するように構成されている請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項10】
焦点面アレイは、電荷結合素子(CCD)である請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項11】
焦点面アレイは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)アクティブ画素センサである請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項12】
焦点面アレイは、相補型金属酸化物半導体(CMOS)アクティブカラムセンサである請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項13】
焦点面アレイは、量子ドット焦点面アレイである請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項14】
焦点面アレイは、約450〜650nmの波長の可視スペクトルに感度を有する請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項15】
焦点面アレイは、約650nmより大きい波長の赤外スペクトルに感度を有する請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項16】
焦点面アレイは、約450nmより小さい波長の紫外スペクトルに感度を有する請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項17】
焦点面アレイは、約450〜650nmの波長の可視スペクトル、約650nmより大きい波長の赤外スペクトル、および約450nmより小さい波長の紫外スペクトルのうちの1つ又はそれ以上に対して感度を有する請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項18】
少なくとも1つのレンズ群は、液体レンズを備える請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項19】
ISPは、外部記憶装置と通信して、画像または画像関連データを保存または検索するようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項20】
ISPは、取り込んだ画像に関してレンズ位置データを保存するようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項21】
ISPは、次回実行のためのレンズ位置データのシーケンスを保存するようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項22】
レンズモジュールをホスト装置と接続する1つ又はそれ以上のコネクタをさらに備え、
該1つ又はそれ以上のコネクタは、レンズモジュールとの間でデータを伝送する1つ又はそれ以上の電気インタフェースと、レンズモジュールをホスト装置に正確に配置するための機械インタフェースとを含むようにした請求項1記載のレンズモジュール。
【請求項23】
機械インタフェースは、電気インタフェースと一体化して、単一の電気機械コネクタを形成している請求項22記載のレンズモジュール。
【請求項24】
統合した機能性を持つレンズモジュールであって、
画像を受け、ズーム能力を提供するための複数のレンズ群であって、複合ズームレンズシステムを備えた複数のレンズ群と、
レンズ群とともに整列し、レンズ群を通じて画像を取り込み、生の画像データを生成するための焦点面アレイと、
焦点面アレイと伝送可能に接続され、生の画像データを受けて処理し、合焦制御信号およびズーム制御信号を含む制御信号を生成するための画像信号プロセッサ(ISP)と、
ISPと伝送可能に接続され、制御信号を受けて、レンズモータ駆動信号を生成するための駆動電子回路と、
レンズモータ駆動信号を受けるために駆動電子回路と伝送可能に接続され、レンズ群と連結して、レンズモータ駆動信号に従ってレンズ群を移動するための1つ又はそれ以上レンズモータ駆動機構と、
レンズ群、焦点面アレイ、ISP、駆動電子回路、および1つ又はそれ以上レンズモータ駆動機構を支持し、レンズモジュールを単一の構成要素として撮像システムの中に組み込み可能にするためのレンズモジュール筐体と、を備えるレンズモジュール。
【請求項25】
少なくとも1つのレンズ群は、合焦レンズ群であり、
ISPは、合焦制御信号をさらに生成するようにし、
1つ又はそれ以上のレンズモータ駆動機構は、合焦レンズモータ駆動機構を含むようにした請求項24記載のレンズモジュール。
【請求項26】
ISPと伝送可能に接続され、合焦制御信号を生成する際、ISPを支援するための合焦センサをさらに備える請求項25記載のレンズモジュール。
【請求項27】
焦点面アレイおよびISPは、単一の集積回路上に共に配置されるようにした請求項24記載のレンズモジュール。
【請求項28】
ISPは、安定化データを処理し、安定化制御信号、温度データ、温度補償用の合焦制御信号、フラッシュ駆動部用のフラッシュ制御信号、またはシャッタ用のシャッタ制御信号を生成するように構成されている請求項27記載のレンズモジュール。
【請求項29】
レンズモジュールをホスト装置と接続する1つ又はそれ以上のコネクタをさらに備え、
該1つ又はそれ以上のコネクタは、レンズモジュールとの間でデータを伝送する1つ又はそれ以上の電気インタフェースと、レンズモジュールをホスト装置に正確に配置するための機械インタフェースとを含むようにした請求項24記載のレンズモジュール。
【請求項30】
機械インタフェースは、電気インタフェースと一体化して、単一の電気機械コネクタを形成している請求項29記載のレンズモジュール。
【請求項31】
レンズモジュールの機能性を統合するための方法であって、
複合ズームレンズシステムを通じて画像を受けるステップと、
受けた画像を取り込んで、生の画像データを生成するステップと、
生の画像データを受けて処理し、合焦制御信号およびズーム制御信号を含む制御信号を生成するステップと、
制御信号を受けて、レンズモータ駆動信号を生成するステップと、
レンズモータ駆動信号を受けて、レンズモータ駆動信号に従って複合ズームレンズシステム中のレンズ群を移動するステップと、
レンズモジュール筐体内で上記ステップを実行して、レンズモジュール筐体を単一の構成要素として撮像システムの中に組み込み可能にするステップと、を含む方法。
【請求項32】
(1)受けた画像を取り込んで、生の画像データを生成するステップと、(2)生の画像データを受けて処理し、合焦制御信号およびズーム制御信号を含む制御信号を生成するステップとを、単一の集積回路内で実行することをさらに含む請求項31記載の方法。
【請求項33】
単一の集積回路内で、安定化データを処理して安定化制御信号を生成すること、温度データを処理して温度補償用の合焦制御信号を生成すること、フラッシュ駆動部用のフラッシュ制御信号を処理すること、またはシャッタ用のシャッタ制御信号を処理すること、をらに含む請求項32記載の方法。
【請求項34】
レンズモジュールとの間でデータを伝送する1つ又はそれ以上の電気インタフェースと、レンズモジュールをホスト装置に正確に配置するための機械インタフェースとを設けることをさらに含む請求項31記載の方法。
【請求項35】
機械インタフェースを電気インタフェースと一体化して、単一の電気機械コネクタを形成することをさらに含む請求項34記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−511042(P2008−511042A)
【公表日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−530099(P2007−530099)
【出願日】平成17年8月22日(2005.8.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/030159
【国際公開番号】WO2006/026317
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507013534)パナビジョン イメージング リミテッド ライアビリティ カンパニー (4)
【Fターム(参考)】