説明

レンタルブースの管理システム

【課題】 本発明は、複数の机を配置した開放形のブースの利用形態であっても容易に適用出来、設備コストを軽減出来るレンタルブースの管理システムを提供することを可能にすることを目的としている。
【解決手段】 レンタル用の複数のブース3,4,5と、各ブース3,4,5に設けられた電源供給部6と、各ブース3,4,5を管理する管理装置10を備え、該管理装置10は利用するブース3,4,5の選択とその利用時間を入力出来る入力部32と、使用料金の受入部と、制御部30と、記憶部33とを有し、制御部30は選択されたブース3,4,5とその利用時間から利用料金を算出する制御と、前記受入部からブース3,4,5の利用料金が受け入れられたことを確認して選択されたブース3,4,5とその利用時間を記憶部33に記憶する制御と、記憶部33に記憶された利用時間だけ選択されたブース3,4,5の電源供給部6に電源を供給する制御を行うように構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンタル用の複数のブースを無人で管理出来るレンタルブースの管理システムに関し、特にブースの利用者が選択したブースの種類とその利用時間から利用料金を算出すると共にブース電源の供給管理を行うようにしたレンタルブースの管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ビル内のスペースや専用の建物内に、事務作業が可能な机付きの小さな個室や会議室等のブース(若しくはスペース)を複数配置し、それらを個別にレンタル(時間貸し、日貸し等を含む。以下同じ)する、いわゆるレンタルブースが各所に設けられている。
【0003】
レンタルブースに隣接して管理用の受付カウンターが設けられ、ブースの利用者はそこで希望するブースを指定して利用する。利用者はブースの利用後に受け付けカウンターに戻り、そこでブースの利用時間に応じた利用料金を支払う。レンタルブースの利用形態としてはセキュリティ面から会員制を採用する場合が多い。会員制を採用している場合、予めレンタルブース事業者と契約した利用会員のみが利用可能な場合と、利用会員だけでなくビジターも利用可能とする場合があり、後者は利用会員に対する利用料金の優遇制を採用することが多い。
【0004】
コンピュータ装置を用いてレンタルブース管理を無人で行う方法が特許文献1(特開2004−86582号公報)に記載されている。特許文献1の方法は、複数のレンタルブース(レンタルブース群)を遠隔管理するもので、各ブースは個室とされ、それら個室には電子錠の施錠装置で開閉する扉が設けられる。そして利用会員である利用者が希望するブースをインターネットで予約した後、レンタルブースまで出向いてコンピュータの端末装置に会員カードを挿入すると予約したブースの扉が自動的に解錠されるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−86582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の特許文献1に記載された方法では、室内に配置される複数のブースを全て個室に形成し、且つ遠隔操作可能な電子錠式の施錠装置で開閉出来る扉を設けることが必要になり、多大の設備コストがかかるという問題がある。利用形態によっては単に複数の机を配置した開放形のブースで良い場合もあるが、特許文献1の方法ではそのような形態は採用出来ないという問題があった。
【0007】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、複数の机を配置した開放形のブースの利用形態であっても容易に適用出来、設備コストを軽減出来るレンタルブースの管理システムを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するための本発明に係るレンタルブースの管理システムの第1の構成は、レンタル用の複数のブースと、各ブースに設けられた電源供給部と、各ブースを管理する管理装置を備え、前記管理装置は、利用するブースの選択とその利用時間を入力出来る入力部と、使用料金の受入部と、制御部と、記憶部とを有し、前記制御部は、前記選択されたブースとその利用時間から利用料金を算出する制御と、前記受入部から前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認して前記選択されたブースとその利用時間を前記記憶部に記憶する制御と、前記記憶部に記憶された利用時間だけ前記選択されたブースの電源供給部に電源を供給する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第2の構成は、前記第1の構成において、前記入力部からブースの利用時間の延長情報が入力されたとき、前記制御部はその延長時間に対する追加料金を算出する制御と、その追加料金が前記受入部から受け入れられたことを確認して前記記憶部に記憶された利用時間を延長する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第3の構成は、前記第1、第2の構成において、前記管理装置には通信部が設けられ、前記制御部は前記通信部を介してブースの利用者からの携帯電話機による呼び出しを受信し、該受信により取得した携帯電話番号情報を該利用者の認識情報として前記記憶部に記憶する制御を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第4の構成は、前記第1〜第3の構成において、前記制御部は、前記入力部から入力される利用会員またはビジターの利用者種別に応じた料率により前記利用料金を算出する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第5の構成は、前記第1〜第4の構成において、前記複数のブースは、常時は閉鎖される入口部を備えた閉鎖領域の内部に配置され、前記管理装置の操作部は前記閉鎖領域の外側に配置され、前記制御部は前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認して前記入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第6の構成は、前記第5の構成において、前記制御部は、前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認し且つ前記入力部から前記入口部の閉鎖解除の指示が入力されたときに、その入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第7の構成は、前記第5、第6の構成において、前記入口部には通過検出部が設けられ、前記入口部の閉鎖を解除した後に利用者が該入口部を通過したことを前記通過検知部が検出したとき、前記制御部は前記入口部を閉鎖する制御を行うように構成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第8の構成は、前記第1〜第7の構成において、前記管理装置に複数の収容部を有するロッカー装置が併設され、各収容部に遠隔操作可能な施錠機構を有する開閉扉が設けられ、前記制御部が前記施錠機構の施錠制御または解錠制御を行うように構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るレンタルブースの管理システムの第1の構成によれば、制御部が選択したブースの利用料金の受入れを確認し、そのブースと利用時間を記憶部に記憶する制御と、記憶部に記憶された利用時間だけ前記選択されたブースの電源供給部に電源を供給する制御を行うように構成している。通常、ブースにはパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)用のコンセントや照明等への電源供給が無いとその利用が出来ない。そのため本発明のようにブースの電源供給部への電源の供給を、利用者が指定したブースの利用時間だけ供給するという管理方式を採用することにより、各ブースを開放型にも形成することが出来、個室型に形成した場合であっても、従来のように利用制限等のために各扉に遠隔制御で施錠・解錠する高価な電子式の施錠装置を設ける必要性はない。そのためレンタルブースの構成が簡単になり、設備コストやメンテナンスコストも低減出来る。
【0017】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第2の構成によれば、入力部から利用時間の延長情報が入力されたとき、制御部はその延長時間に対する追加料金を算出する制御と、その追加料金が受入部から受け入れられたことを確認して記憶部に記憶された利用時間を延長する制御を行うように構成出来る。このように構成すると、利用者は最初に予定時間を指定して利用料金を支払ってブースの利用を開始した後、その利用時間を延長したいときは追加料金を支払うという簡単な操作だけで、当該ブースへの電源供給が継続される。
【0018】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第3の構成によれば、管理装置に通信部を設け、制御部は通信部を介してブースの利用者からの携帯電話機による呼び出しを受信し、該受信により取得したその携帯電話番号情報を利用者の認識情報として記憶部に記憶する制御を行うことが出来る。このように構成すると、一般に広く普及している携帯電話機を利用者情報の認識手段に出来るので、容易に且つ安価にレンタルブースのセキュリティ管理を行うことが出来る。また携帯電話機の架電料チャージによる利用料金の支払いも可能となる。
【0019】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第4の構成によれば、制御部は、入力部から入力される利用会員またはビジターの利用者種別に応じた料率によりブースの利用料金を算出する制御を行うように構成出来る。このように構成すると、システムに利用会員の優遇制を取り込むことが出来る。
【0020】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第5の構成によれば、複数のブースを常時は閉鎖される入口部を備えた閉鎖領域の内部に配置し、管理装置の操作部を該閉鎖領域の外側に配置し、制御部はブースの利用料金が受け入れられたことを確認して入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成出来る。このように構成すると、閉鎖空間の入口部の管理だけでレンタルブース全体のセキュリティ管理が容易に行える。
【0021】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第6の構成によれば、制御部は、ブースの利用料金が受け入れられたことを確認し且つ入力部から入口部の閉鎖解除の指示が入力されたときに、その入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成出来る。このように構成すると、利用者はブースの利用料金を支払った後に、時間的余裕を持って入口部を通過出来るので、利用者に心理的な余裕を与えることが出来る。
【0022】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第7の構成によれば、入口部には通過検出部が設けられ、該入口部の閉鎖を解除した後に利用者が入口部を通過したことを通過検知部が検出したとき、制御部は入口部を閉鎖する制御を行うように構成出来る。このように構成すると、利用者が入口部を通過したことを確認してから入口部の閉鎖を行うことが出来るので、通過に際しての安全性を高めることが出来ると共に、閉鎖解除された入口部をもとの閉鎖状態に確実に戻すことが出来る。
【0023】
また、本発明に係るレンタルブースの管理システムの第8の構成によれば、管理装置に複数の収容部を有するロッカー装置を併設し、各収容部に遠隔操作可能な施錠機構を有する開閉扉を設け、制御部は施錠機構の施錠制御または解錠制御を行うように構成出来る。このように構成すると、レンタルブースの利用とロッカー装置の利用を同じ場所で行えるので、レンタルブースを利用する際の利便性が高まる。
【0024】
このロッカー装置は通常の荷物一時預かり機能の他に宅配便やポータ便の中継装置としても利用出来るので、例えばブースで使用する用具をロッカー装置に一時的に保管する使い方、ブースで使用する用具を注文した場合にその注文品の配達先をロッカー装置に指定してブース利用時にその注文品を取り出す使い方、ポータ便または宅配便で送る物品の配送先をロッカー装置に指定してブースの利用時にその物品を取り出す使い方、ブースで使用した用具をロッカー装置から宅配便やポータ便で配送先に送る使い方等が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図により本発明に係るレンタルブースの管理システムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係るレンタルブースの管理システムの構成を示す平面説明図、図2(a),(b)は管理装置を示す正面説明図及び断面説明図、図3は管理装置の制御系の構成を示すブロック図、図4〜図6は本発明に係るレンタルブースの管理システムの動作を説明するフローチャート、図7(a)はメニュー選択画面の一例を示す図、図7(b)は利用者種別選択画面の一例を示す図、図8は空き情報画面の一例を示す図である。
【0026】
図1において、レンタルブース1はビル内のスペース等に形成された独立した広い室等の閉鎖領域2と、該閉鎖領域2内に配置したレンタル用の複数のブース3,4,5を備えている。ブース3は一人用の個室、ブース4は複数人が会議出来る個室形式の会議室、ブース5は複数の机を配列した個人用の開放型のブースであり、本実施形態では個室のブース3が10個、会議室のブース4が4個、開放型のブースが12個配置された一例を示す。そして各ブース3,4,5にはそれぞれコンセント用や照明用の電源供給部6が設けられる。
【0027】
閉鎖領域2の端部に利用者等が入出する入口部7が設けられ、該入口部7には該入口部7の出入扉を開閉する開閉駆動部8と、該入口部7を通過する人を検出する通過検出部9が設けられる。入口部7付近の閉鎖領域2の外側に管理装置10が設置される。管理装置10は無線通信回線17を介して管理センター11のコンピュータ装置と通信出来るようになっており、複数のレンタルブース1を管理する管理センター11に対して、例えば当該レンタルブース1におけるブース利用情報の通知、管理センター11からの利用者認識情報の受入等を行うように構成されている。
【0028】
図2(a)は各ブース3,4,5を管理する管理装置10の正面図である。本実施形態の管理装置10にはロッカー装置12が併設されている。管理装置10には操作部20が設けられ、該操作部20は表示部21と会員カードに記載されたバーコードによる会員認識情報を読取るカード読取部22を有し、該表示部21はタッチセンサー式の入力部を兼ねている。
【0029】
ロッカー装置12には図2(b)に示すように、複数の収容部13が配置される。各収容部13の前面は開閉扉13aで閉鎖され、該開閉扉13aには遠隔操作可能な施錠機構14が設けられる。収容部13の内部には物品の収容の有無を確認する赤外線式の物品検出部15が設けられる。そして施錠機構14は後述する制御部30により遠隔制御され、物品検出部15の検出信号は収容部13の利用状況の管理等のために制御部30に入力される。また管理装置10に設けられた操作部20はレンタルブース1を利用する際の操作とロッカー装置12を利用する際の操作の何れも出来るようになっている。尚、ロッカー装置12自体の構造や作用は周知の技術であるので、それらの具体的な説明は省略する。
【0030】
図3は管理装置10の制御系の構成を示すブロック図である。管理装置10はコンピュータで構成される制御部30、表示部31、該表示部31に表示されるタッチセンサー及びカード読取部22を含む入力部32、記憶部33、制御部30がインターネット等の無線通信回線17を介して携帯電話機16や管理センター11のコンピュータ装置と無線通信を行うための通信部34及びロッカー装置12の開閉扉13aの施錠機構14を駆動する駆動部35を備えている。管理装置10の制御部30は施錠機構14の施錠制御または解錠制御を行う。
【0031】
次に図4〜図6に示すフローチャートとそれに関連する図7及び図8に示す各種表示画面を参照して管理装置10によりレンタルブース1の管理を行う方法について詳細に説明する。先ず、図4において、ステップSでレンタルブース1の利用者は、管理装置10の操作部20に表示されている図7(a)のメニュー選択画面40のDESK(デスク)キー40aを選択する。するとステップSで管理装置10の制御部30はブース利用が選択されたことを確認し、ステップSで利用者の認証ルーチンを実行する。その際、制御部30は表示部31に図7(b)に示す会員またはビジターの利用者種別選択画面41を表示する制御を行う。
【0032】
図5は図4のステップSに示す認証ルーチンのフローチャートであり、先ず、図5のステップS30で利用者は図7(b)に表示された利用者種別選択画面41の会員ボタン41aまたはビジターボタン41bを選択する。会員ボタン41aを選択すると制御部30は図5のステップS31でそれを確認する。その際、制御部30は表示部21に例えば「会員カードをバーコードリーダにあててください」というメッセージを表示する制御を行う。利用者がそのメッセージに従って会員カードをバーコードリーダ(カード読取部22)に当てると、そのバーコードに含まれる会員認識情報は入力部32を構成するカード読取部22により読み取られて制御部30に入力される。
【0033】
図5のステップS32で制御部30は入力部32により入力された会員認識情報が予め記憶部33に記憶して登録された会員認識情報と一致するか否かを判断し、一致していると判断すると表示部31に例えば「携帯電話で○○○の番号に電話をかけてください」と表示する制御を行う。
【0034】
次に図5のステップS33で利用者が携帯電話機16で指定された番号を呼び出すと、その呼び出し信号は無線通信回線17及び入力部を構成する通信部34により受信され制御部30に入力される。制御部30は図5のステップS34で入力された呼び出し情報に含まれる携帯電話番号情報(実際には電話番号情報とそれに続く機器識別番号を含む、以下、同じ)と、記憶部33に記憶された会員認識用の携帯電話番号情報とを比較し、一致した場合は図5のステップS35で利用料の算出用として予め設定されている会員用の料率を選択し、図4のステップSに移る。利用会員についてはこのように会員カードと携帯電話機16の二重チェックが行われるので、会員判別の確実性とセキュリティ性がより高くなる。尚、会員の場合においても、携帯電話番号情報だけでその認識を行うことも出来る。
【0035】
一方、図5のステップS36で利用者が図7(b)に示す利用者種別選択画面41においてビジターボタン41bを選択したとき、または図5のステップS32で制御部30が入力部32により入力された会員認識情報が予め記憶部33に登録された会員認識情報と一致しないと判断したときは、表示部31に例えば「携帯電話で○○○の番号に電話をかけてください」と表示する制御を行う。
【0036】
次に図5のステップS37で利用者が携帯電話機16で指定された番号を呼び出すと、その呼び出し信号は無線通信回線17を介して通信部34により受信され制御部30に入力される。制御部30は図5のステップS38で受信により通信部34を介して取得した呼び出し情報に含まれる携帯電話番号情報を該利用者の認識情報として記憶部33に記憶する制御を行い、図4のステップSに戻る。
【0037】
尚、前記図5のステップS38の操作により記憶部33に記憶された携帯電話番号情報は、当該携帯電話機16を保持する利用者の利用料金支払い、レンタルブース1のセキュリティ確保、または後日にブース利用者の確認を行う必要が生じた場合等に利用出来る。
【0038】
上記のようにブース利用者の認証ルーチンが終了したら、制御部30は表示部31に図8に示すレンタルブース1の空き情報画面42を表示すると共に、例えば「希望のブースを選んでください」というメッセージを表示する制御を行う。図8に示す空き情報画面42において、例えば空いているブースを青色、利用中のブースを赤色に表示して両状態を区別することが出来る。
【0039】
次に図4のステップSで利用者が希望するブースを指定(選択)すると、ステップSで制御部30は指定されたブースが記憶部33に記憶されたブ−ス利用状態の記憶内容を検索し、指定されたブースが空いているか否かを判断する。指定されたブースが空いていないと判断した場合はステップSで制御部30は表示部31に例えば「指定したブースは利用中ですので、他のブースを指定してください」というメッセージを表示する制御を行い、利用者はそのメッセージに従ってブースの選択をし直す。
【0040】
図4のステップSで制御部30は指定したブースが空き状態にあると判断したときは、表示部31に例えば「利用時間を選択してください」というメッセージと共に、利用時間の選択図または選択表(例えば15分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間の中から選択する図または表)を表示する制御を行う。
【0041】
図4のステップSで利用者が利用時間を選択すると、ステップSで制御部30は利用料金を算出して表示部31に利用金額を表示する制御を行う。尚、利用料金の算出方法は、例えば指定したブースの単位時間当たりの基本料金に利用時間と前記図5のステップS35またはステップS39で選択した料率を乗じて行う。
【0042】
即ち、制御部30は入力部となる利用者種別選択画面41の会員ボタン41aまたはビジターボタン41bにより入力された利用会員またはビジターの使用者種別に応じた料率により利用料金を算出する制御を行う。
【0043】
利用者が現金またはクレジットカード、或いは携帯電話機16の架電料にチャージする支払い方法等を選択して表示部31に表示された利用料金を払うと、図4のステップSで制御部30は支払った金額が利用料金より不足していないか判断し、不足している場合は図4のステップS10で表示部31に例えば「利用料金が○○円不足しているので追加ください」というメッセージを表示して利用者に不足金額の追加を促す。支払った金額が利用料金を満たしている場合、または利用者が前記の不足金額を支払うと、図4のステップS11で制御部30は表示部31に指定したブースとその利用時間等の利用条件を表示する制御を行うと共に、入口部7の閉鎖解除操作を可能とする。
【0044】
利用料金の支払い方法が現金である場合は、図2(a)に示す管理装置10の操作部20に設けられた図示しない金銭投入部から紙幣及び/又はコインを投入すると、管理装置10に設けられた図示しない金銭確認部で投入した金額が確認され、その金額が制御部30に入力される。尚、金銭確認部の構成は一般の金銭支払機等における慣用の装置と同様なものが使用出来る。
【0045】
次に図4のステップS12で利用者が表示部31に表示される入口部7の図示しない閉鎖解除ボタンを押すと、制御部30に閉鎖解除指示が入力される。するとステップS13で制御部30は入口部7の開閉駆動部8を駆動し、その開閉ドアを開けて利用者が通過出来る状態(閉鎖解除状態)にする。
【0046】
利用者が入口部7を通過すると、図4のステップS14で通過検出部9がそれを検出して制御部30に通過検出信号を伝送する。その検出信号を受けた制御部30はステップS15で入口部7のドアを閉じて閉鎖する(閉鎖状態にする)。尚、他の構成として、前記図4のステップS11,S12を省略して前記ステップSで制御部30が支払い金額が利用料金を満たしたと判断したときに入口部7のドアを自動的に開けるように制御することも出来る。即ち、表示部31に表示される入口部7の図示しない閉鎖解除ボタンの操作を省略することも出来る。
【0047】
即ち、複数のブース3,4,5は、常時は閉鎖される入口部7を備えた閉鎖領域2の内に配置され、管理装置10の操作部20は該閉鎖領域2の外側に配置され、管理装置10の制御部30は利用される各ブース3,4,5の利用料金が受け入れられたことを確認して入口部7の閉鎖を解除する制御を行う。
【0048】
また、管理装置10の制御部30は利用される各ブース3,4,5の利用料金が受け入れられたことを確認し且つ入力部となるタッチ表示部31に表示される入口部7の図示しない閉鎖解除ボタンを押すことにより入口部7の閉鎖解除の指示が入力されたときに、該入口部7の閉鎖を解除する制御を行う。
【0049】
更に、入口部7に通過検出部9が設けられ、該入口部7の閉鎖を解除した後に利用者が該入口部7を通過したことを該通過検出部9が検出したとき、制御部30は入口部7を閉鎖する制御を行う。
【0050】
図4のステップS15で制御部30は入口部7を閉鎖状態にすると共に、図6のステップS16に移り、そこで利用者が選択したブース3,4,5の電源供給部6に電源を供給する制御を行う。更にステップS17で制御部30は記憶部33に記憶されているブース利用状態の記憶内容を更新する。即ち、前記利用者が利用を開始したブース3,4,5を空き状態から利用状態に更新する。すると図8に示す空き情報画面42も自動的に更新されるので、新しい利用者は正確な空き情報画面42から利用可能な空きブースを選択出来る。
【0051】
即ち、管理装置10は利用するブース3,4,5の選択とその利用時間を入力出来る入力部32と、使用料金の受入部と、制御部30と記憶部33とを有している。使用料金の受入部は、利用者の支払方法がクレジットカードであれば、カード読取部22、制御部30、通信部34、無線通信回線17及び管理センター11等が受入部を構成し、利用者の支払方法が携帯電話機16の架電料にチャージする支払い方法であれば、無線通信回線17、通信部34、制御部30及び管理センター11等が受入れ部を構成し、利用金の支払い方法が現金である場合は、図2(a)に示す管理装置10の操作部20に設けられた図示しない金銭投入部、管理装置10に設けられた図示しない金銭確認部、制御部30等が受入部を構成する。
【0052】
そして、制御部30は選択されたブース3,4,5とその利用時間から利用料金を算出する制御と、前記受入部から利用するブース3,4,5の利用料金が受け入れられたことを確認して選択されたブース3,4,5とその利用時間を記憶部33に記憶する制御と、該記憶部33に記憶された利用時間だけ選択されたブース3,4,5の電源供給部6に電源を供給する制御を行う。
【0053】
次に図6のステップS18で制御部30は利用者が利用開始したブース3,4,5の利用時間のカウントを開始する。もし利用者がすでに利用料金を支払った分の利用時間を延長して当該ブース3,4,5を利用したい場合は、ステップS19で利用者がその延長時間を管理装置10に入力すると、管理装置10は追加料金を表示する。利用者がその追加料金を支払うと、ステップS20で制御部30は設定した利用時間をその分延長する制御を行う。
【0054】
即ち、管理装置10に接続された各ブース3,4,5内に設置された入力部、或いは閉鎖領域2外に設置された管理装置10の入力部32からブース3,4,5の利用時間の延長情報が入力されたとき、制御部30はその延長時間に対する追加料金を算出する制御と、その追加料金が前記受入部から受け入れられたことを確認して記憶部33に記憶された利用時間を延長する制御を行う。
【0055】
利用者が追加料金を支払う方法としては、例えば管理装置10に接続された入力部となる追加料金支払い操作部をブース3,4,5が配置された閉鎖領域2内に配置する方法、または利用者の携帯電話機16で支払う方法、または利用者が入り口部7から外側に出て管理装置10の操作部20で操作する方法等がある。利用者が入り口部7から外側に出て追加料金を支払う方法を採用する場合は、入口部7の閉鎖を解除するため、後述する入口部7の閉鎖領域2内側に設けた図示しない解除ボタンを押して入口部7の閉鎖状態を一定時間解除すれば良い。
【0056】
図6のステップS21で制御部30は当該ブース3,4,5の利用時間が料金を支払った利用時間を経過したと判断すると、ステップS22で当該ブース3,4,5の電源供給部6への電源供給を停止する。そしてステップS23で制御部30は記憶部33に記憶されているブース利用状態の記憶内容を更新する。即ち、当該ブース3,4,5を利用状態から空き状態に更新する。そして利用者がブース3,4,5の利用を終了したら、入口部7を通過して閉鎖領域2の外側に退出する。退出のためには、例えば入口部7の閉鎖領域2内側に図示しない解除ボタンを設け、利用者がその解除ボタンを押すと一定時間入口部7の閉鎖状態が解除されるようにすれば良い。
【0057】
尚、本実施形態では、図7(a)のメニュー選択画面40のDESKキー40aを選択してブース3,4,5の利用を行う場合について説明したが、メニュー選択画面40の預けるキー40bと、取り出すキー40cを選択することにより、ロッカー装置12に物品を一時預け入れて取り出す操作を操作部20で行うことが出来、メニュー選択画面40の渡すキー40dを選択することによりロッカー装置12に物品を預け入れて契約した配送事業者に送り先に配達させることが出来、メニュー選択画面40のポータ便キー40eを選択することによりロッカー装置12に物品を預け入れてポータ便で送り先に配達させることが出来る。尚、ポータ便は、例えばレンタルブース1がホテル等に設置される場合に利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の活用例として、レンタル用の複数のブースを無人で管理出来るレンタルブースの管理システムに適用出来、特にブースの利用者が選択したブースの種類とその利用時間から利用料金を算出すると共にブース電源の供給管理を行うようにしたレンタルブースの管理システムに適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係るレンタルブースの管理システムの構成を示す平面説明図である。
【図2】(a),(b)は管理装置を示す正面説明図及び断面説明図である。
【図3】管理装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明に係るレンタルブースの管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明に係るレンタルブースの管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明に係るレンタルブースの管理システムの動作を説明するフローチャートである。
【図7】(a)はメニュー選択画面の一例を示す図、(b)は利用者種別選択画面の一例を示す図である。
【図8】空き情報画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
1…レンタルブース
2…閉鎖領域
3,4,5…ブース
6…電源供給部
7…入口部
8…開閉駆動部
9…通過検出部
10…管理装置
11…管理センター
12…ロッカー装置
13…収容部
13a…開閉扉
14…施錠機構
15…物品検出部
16…携帯電話機
17…無線通信回線
20…操作部
21…表示部
22…カード読取部
30…制御部
31…表示部
32…入力部
33…記憶部
34…通信部
35…駆動部
40…メニュー選択画面
40a…DESKキー
40b…預けるキー
40c…取り出すキー
40d…渡すキー
40e…ポータ便キー
41…利用者種別選択画面
41a…会員ボタン
41b…ビジターボタン
42…空き情報画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンタル用の複数のブースと、各ブースに設けられた電源供給部と、各ブースを管理する管理装置を備え、
前記管理装置は、利用するブースの選択とその利用時間を入力出来る入力部と、使用料金の受入部と、制御部と、記憶部とを有し、
前記制御部は、前記選択されたブースとその利用時間から利用料金を算出する制御と、前記受入部から前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認して前記選択されたブースとその利用時間を前記記憶部に記憶する制御と、前記記憶部に記憶された利用時間だけ前記選択されたブースの電源供給部に電源を供給する制御を行うように構成されていることを特徴とするレンタルブースの管理システム。
【請求項2】
前記入力部からブースの利用時間の延長情報が入力されたとき、前記制御部はその延長時間に対する追加料金を算出する制御と、その追加料金が前記受入部から受け入れられたことを確認して前記記憶部に記憶された利用時間を延長する制御を行うように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項3】
前記管理装置には通信部が設けられ、前記制御部は前記通信部を介してブースの利用者からの携帯電話機による呼び出しを受信し、該受信により取得した携帯電話番号情報を該利用者の認識情報として前記記憶部に記憶する制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記入力部から入力される利用会員またはビジターの利用者種別に応じた料率により前記利用料金を算出する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項5】
前記複数のブースは、常時は閉鎖される入口部を備えた閉鎖領域の内部に配置され、前記管理装置の操作部は前記閉鎖領域の外側に配置され、前記制御部は前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認して前記入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記ブースの利用料金が受け入れられたことを確認し且つ前記入力部から前記入口部の閉鎖解除の指示が入力されたときに、その入口部の閉鎖を解除する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項5に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項7】
前記入口部には通過検出部が設けられ、前記入口部の閉鎖を解除した後に利用者が該入口部を通過したことを前記通過検知部が検出したとき、前記制御部は前記入口部を閉鎖する制御を行うように構成したことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のレンタルブースの管理システム。
【請求項8】
前記管理装置に複数の収容部を有するロッカー装置が併設され、各収容部に遠隔操作可能な施錠機構を有する開閉扉が設けられ、前記制御部が前記施錠機構の施錠制御または解錠制御を行うように構成したことを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のレンタルブースの管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−158705(P2008−158705A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345137(P2006−345137)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(506053629)ポストキューブシステム株式会社 (7)
【Fターム(参考)】