説明

レーザレーダ装置の設置角度設定システム及びレーザレーダ装置の設置角度設定方法

【課題】レーザビームの走査面を、より簡単に地面と平行に設定できるレーザレーダ装置の設置角度設定システムを提供する。
【解決手段】レーザレーダ装置11に、本体11aが壁面3に設置された状態で、レーザビームの走査面を90°変化可能なものを使用し、レーザビームの走査面を地面2と直角にした状態で、2つの走査角度θ1,θ2について地面までの距離l1,l2をそれぞれ測定し、その測定結果に基づいて、レーザビームが基準角度0°にある状態で、地面2と平行になるまでの角度差θxを算出する。そして、レーザレーダ装置11の本体11aを地面2の方向に角度差θxだけ傾けて、レーザビームの走査面を90°回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザレーダ装置におけるレーザビームの走査面を地面と平行に設定するシステム,及びレーザレーダ装置の設置角度設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、レーザレーダ装置1は、地面2に立設する壁面3に設置され、レーザビームの走査面を監視する場所の地面2と平行になる状態で測定を行うのが一般的である。しかしながら、監視する場所の地面2は必ずしも水平面であるとは限らず、水準器を用いてレーザビームの走査面を水平にしても前記地面2とは平行にならない場合がある。そのため、現状では、図8に示すように、例えば同じ高さh3の基準測定対象物4を複数設置して、レーザ走査によりそれらの対象物4が検出できるか確認しながらレーザレーダ装置4の設置角度を調整しており、設置作業が煩雑であるという問題がある。
特許文献1には、等間隔で平行な3つのレーザビームを用いて目標物までの位置を算出する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3659957号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1では、3つのレーザビームを壁面に当てることで計測される2つの距離a’,a’’が等しくなるように装置を傾けることで、壁面に対してレーザビームが垂直となるように調整することが開示されている。この技術では、壁面が地面に対して垂直である場合のみレーザビームを地面に対して平行にすることができるが、必ずしも壁面が地面に対して垂直であるとは限らないので、課題を解決するために適した技術であるとは言えない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、レーザビームの走査面を、より簡単に地面と平行に設定できるレーザレーダ装置の設置角度設定システム及びレーザレーダ装置の設置角度設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のレーザレーダ装置の設置角度設定システムによれば、本体が設置面に設置された状態で、レーザビームの走査面を90°変化させることが可能に構成されたレーザレーダ装置とする。そして、ユーザインターフェイス手段は、先ず、レーザレーダ装置におけるレーザビームの走査面を地面と直角にするようにユーザに対して報知し、ユーザからの作業完了応答があると、レーザレーダ装置が走査した測定結果のうち、2点の走査角度θ1,θ2について測定された距離l1,l2に基づいて、レーザビームが基準角度0°にある状態で前記地面と平行になるまでの角度差θxを算出する。
それから、ユーザインターフェイス手段は、レーザレーダ装置の本体を、地面方向に角度差θxだけ傾けるようにユーザに対して報知し、ユーザからの作業完了応答があると、レーザレーダ装置におけるレーザビームの走査面を90°回転させるようにユーザに対して報知する。
【0006】
すなわち、レーザレーダ装置についてレーザビームの走査面を90°変化可能な構成を採用した上で、走査角度θ1,θ2について距離l1,l2を測定すれば、レーザビームが基準角度から地面と平行になるまでの角度差θxを計算により求めることができ、角度差θxが求められれば、レーザレーダ装置の本体を地面方向に角度差θxだけ傾けてレーザビームの走査面を90°回転させることで、レーザビームの走査面が地面と平行なる。従って、従来よりも調整作業を簡単にすることができる。
【0007】
請求項2記載のレーザレーダ装置の設置角度設定システムによれば、ユーザインターフェイス手段は、角度θ1と地面と直角となる角度との差である角度αを(1)式により算出する。
l1・cosα=l2・cos(α+θ1−θ2) …(1)
すなわち、(1)式の両辺は、レーザレーダ装置におけるレーザビームの照射点から地面に下ろした垂線の長さを示している。そして、角度αを求めれば、基準角度におけるレーザビームが地面と平行になるまでの角度差θxは、(2)式により算出できる。
θx=α+θ1−90° …(2)
【0008】
請求項3記載のレーザレーダ装置の設置角度設定システムによれば、ユーザインターフェイス手段は、レーザレーダ装置の本体を地面方向に角度差θxだけ傾けるため、レーザビームの走査角度が、角度θ2と角度差θxとの差である角度(θ2−θx)を示す際に検出される距離が距離l2となるように調整することをユーザに報知する。ユーザがそのように調整を行うことにより、レーザビームの走査面が地面と直角になっている状態で、基準角度におけるレーザビームが地面と平行になるように調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施例であり、レーザレーダ装置の設置角度を調整する手順を説明する図
【図2】レーザレーダ装置を壁面に設置した状態の(a)平面図、(b)側面図
【図3】調整手順を示すフローチャート
【図4】パソコンのディスプレイに表示されるユーザインターフェイス画面を示す図
【図5】第2実施例を示す図4相当図(その1)
【図6】図4相当図(その2)
【図7】従来技術を説明する図(その1)
【図8】従来技術を説明する図(その2)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
以下、第1実施例について図1ないし図4を参照して説明する。また、図7及び図8と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図2は、本実施例で使用するレーザレーダ装置11の特徴的な構成を示すもので、(a)は平面図、(b)は図7と同様に側面図である。一般的なレーザレーダ装置1では、図7に示したように、レーザビームは水平方向に走査面が拡がるように出力される。一方、レーザレーダ装置11は、壁面(設置面)3に本体11が設置された状態で、走査面が地面2に対して垂直となるように、出力部11bが90°回転可能となるように構成されている。
【0011】
また、レーザレーダ装置11には、パーソナルコンピュータ(パソコン,ユーザインターフェイス手段)12が通信線13を介して接続されており、両者は例えばシリアル通信インターフェイスを介して通信可能となっている。パソコン12は、レーザレーダ装置11を使用して計測を行う場合のユーザインターフェイスプログラムが搭載されており、ユーザの入力操作に応じてレーザレーダ装置11に測定指示を出力したり、レーザレーダ装置11による測定結果をディスプレイ12Dに表示させる。また、ユーザに対して必要なメッセージをディスプレイ12Dに表示したり、図示しないスピーカを介して音声で出力するなどして報知を行う。
【0012】
次に、本実施例の作用、すなわち、レーザレーダ装置11の設置角度を調整する手順について図1,図3,図4を参照して説明する。図1は、設置角度の調整手順を説明する図であり、図3は、同手順を示すフローチャートである。図1に示すように、壁面3が水平に対して垂直に立ち上がっているとして、地面2は水平面より俯角方向に傾斜しているとする。ユーザは、レーザレーダ装置11を監視したい場所の地面2に立設する壁面3に設置すると(S1)、次に、レーザレーダ装置11の出力部11bを、通常の使用方向に対して90°回転させて、図2,図1(a)に示す状態,すなわち、走査面が地面2と直角となるようにする(S2)。その状態で、レーザレーダ装置11に地面2を走査させる(S3)。
【0013】
走査角は、レーザビームを正面方向に出力した状態を基準角度0°とし、その基準角度から、ここでは地面2に対する測定距離が短くなる方向をプラスとする。図2(b)はレーザビームによる走査の状態を示している。測定結果は、図4に示すようにパソコン12のディスプレイ12Dにリストとして表示される。ここでは、走査角0.5°毎に測定された距離(m)が表示されている。
【0014】
ユーザは、上記測定結果を参照して適当な2ポイントを選択する。ここでは、図4(a)に示すp1「走査角14.0°;距離5.76m」と、図4(b)に示すp2「走査角10.0°;距離9.57m」とを選択したものとする。ここで、p1の走査角がθ1,測定距離がl1に対応し、p2の走査角がθ2,測定距離がl2に対応する(S4,S5,第1ステップ)。
【0015】
図1(a)に示すように、地面2に立つ垂線(レーザレーダ装置11におけるレーザビームの照射点から地面に下ろした垂線)より距離l1の走査線がなす角をαとし、基準角度におけるレーザビームが、地面2と平行になるまで俯角方向に調整する角度をθxとする。すると、幾何学的関係より(1)式及び(2)式が成り立つ。
l1・cosα=l2・cos(α+θ1−θ2) …(1)
θx=α+θ1−90° …(2)
【0016】
すなわち、(1)式の両辺は上記垂線の長さを示している。そして、角度αを求めれば、基準角度におけるレーザビームが地面2と平行になるまでの角度差θxは、(2)式により算出できる。(1)式より、角度αは以下のように求められる。
l1・cosα/l2=cosα・cos(θ1−θ2)
+sinα・sin(θ1−θ2)
l1/l2=cos(θ1−θ2)+tanα・sin(θ1−θ2)
tanα={l1/l2−cos(θ1−θ2)}/sin(θ1−θ2)
α=tan-1[{l1/l2−cos(θ1−θ2)}/sin(θ1−θ2)]
上述したp1,p2の測定結果についてユーザが角度θxを計算するとθx=4°となる(S6,第2ステップ)。図1(b)に示すように、レーザレーダ装置11の走査角が角度(θ2−θx)となったときに測定された距離がl2になれば、レーザビームの基準角度が地面2と平行になる。
θ2−θx=10°−4°=6°
となるから、ユーザは、レーザレーダ装置11の出力部11bを、本体11aに対して俯角方向に傾けて、図4(c)に示すように、走査角6°において測定される距離がl2=9.57mとなるように調整する(S7)。そのように調整すれば、レーザビームの基準角度は地面2と平行になるので、その状態で、図1(c)に示すように出力部11bを90°回転させれば(S8,第3ステップ)レーザビームの走査面は地面2と平行になる。
【0017】
以上のように本実施例によれば、レーザレーダ装置11について、本体11aが壁面3に設置された状態でレーザビームの走査面を90°変化させることが可能な構成を採用し、レーザビームの走査面を地面2と直角にした状態で、2つの走査角度θ1,θ2について地面までの距離l1,l2をそれぞれ測定し、その測定結果に基づいて、レーザビームが基準角度0°にある状態で、地面2と平行になるまでの角度差θxを算出する。そして、レーザレーダ装置11の本体11aを地面2の方向に角度差θxだけ傾けて、レーザビームの走査面を90°回転させるようにした。
【0018】
すなわち、走査角度θ1,θ2について距離l1,l2を測定すれば、レーザビームが基準角度から地面2と平行になるまでの角度差θxを計算により求めることができ、角度差θxが求められれば、レーザレーダ装置11の本体11aを地面2の方向に角度差θxだけ傾けてレーザビームの走査面を90°回転させることで、レーザビームの走査面が地面2と平行なる。従って、従来よりも調整作業を簡単にすることができる。
【0019】
そして、角度θ1と地面2と直角となる角度との差である角度αを(1)式により算出し、基準角度におけるレーザビームが地面2と平行になるまでの角度差θxを(2)式により算出することができる。また、本体11aを地面2の方向に角度差θxだけ傾けるため、レーザビームの走査角度が、角度θ2と角度差θxとの差である角度(θ2−θx)を示す際に検出される距離が距離l2となるように調整するので、レーザビームの走査面が地面2と直角になっている状態で、基準角度におけるレーザビームが地面2と平行になるように調整できる。
【0020】
(第2実施例)
図5及び図6は第2実施例であり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分について説明する。第2実施例は、第1実施例を同様の手順でレーザレーダ装置11の設置角度を調整する場合に、パソコン12が関与する度合をより高めてユーザの作業負担を軽減する例を示す。
【0021】
図5及び図6は、図4と同様にパソコン12のディスプレイ12Dに表示されるユーザインターフェイス画面の例である。先ず、パソコン12は、図5(a)に示すように「レーザレーダを取り付けてください。」といった文字メッセージを表示させる。ユーザが、そのメッセージに従いレーザレーダ装置11を壁面3に設置して(S1)、例えばジョイパッドやマウスなどのポインティングデバイスにより画面上の「次へ」をクリックする(作業完了応答)。
【0022】
すると、次は図5(b)に示すように「(通常の)レーザ走査面に対して90°レーザレーダを回転させてください。」といった文字メッセージを表示させる。ユーザが、そのメッセージに従い出力部11bを90°回転させてから(S2)画面上の「次へ」をクリックすると、次は図5(c)に示すように「レーザ走査を開始してください。」といった文字メッセージを表示させる。ユーザが「次へ」をクリックすると、レーザレーダ装置11による走査が開始され(S3)、測定結果が図5(d),図6(a)に示すように表示される。
【0023】
パソコン12は、図5(d),図6(a)に示すように測定結果を表示するのに伴い、ユーザにθ1,θ2を選択させるためのメッセージを表示する。「θ1を入力してください。」,「θ2を入力してください。」等である。例えば、ユーザが図5(d)よりθ1=15°を選択し、図6(a)よりθ2=10°を選択してそれぞれの画面で「次へ」をクリックすると、パソコン12は、それらの選択結果に応じて第1実施例と同様に、(1)式,(2)式に従い角度差θxを計算し、角度(θ2−θx)を計算した結果を図6(b)に示すように表示する。
【0024】
この場合、角度(θ2−θx)=6°であり、例えば「表示の角度(6°)にて表示の距離(l2=9.57m)になるようにレーザレーダの取り付け角度を調整してください」といったメッセージを表示する(S6,S7)。ユーザが、そのメッセージに従い出力部11bの角度調整を行い「次へ」をクリックすると、パソコン12は、「レーザレーダを90°回転してください。」といった文字メッセージを表示させる。ユーザが、そのメッセージに従い出力部11bを90°回転させてから(S8)画面上の「次へ」をクリックすると処理を終了する。
【0025】
以上のように第2実施例によれば、パソコン12は、レーザレーダ装置11におけるレーザビームの走査面を地面2と直角にするようにユーザに対して報知し、ユーザからの作業完了応答があると、レーザレーダ装置11が走査した測定結果のうち、2点の走査角度θ1,θ2について測定された距離l1,l2に基づいて角度差θxを算出する。それから、レーザレーダ装置11の本体1aを、地面方向に角度差θxだけ傾けるようにユーザに対して報知し、作業完了応答があると、レーザビームの走査面を90°回転させるようにユーザに対して報知する。
【0026】
すなわち、パソコン12が角度差θxを計算するので、ユーザ自身が計算を行う必要がない。そして、ディスプレイ12Dに表示されるユーザインターフェイス画面を参照し、報知されるメッセージに従った手順で作業すれば、レーザビームの走査面が地面2と平行なるように簡単に調整できる。また、パソコン12は、本体11aを地面方向に角度差θxだけ傾けるため、レーザビームの走査角度が、角度θ2と角度差θxとの差である角度(θ2−θx)を示す際に検出される距離が距離l2となるように調整することをユーザに報知する。したがって、ユーザがそのように調整を行えば、レーザビームの走査面が地面2と直角になっている状態で、基準角度におけるレーザビームが地面2と平行になるように調整できる。
【0027】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にも限定されるものではなく、以下のような変形又は拡張が可能である。
地面が水平面より仰角方向に傾斜している場合も同様に、角度差θx(符号は負となる)を求めることができる。
レーザビームの角度を調整する場合は、レーザレーダ装置11の本体11aを壁面3に取り付ける角度を調整しても良い。
走査角は、0.5°単位でなくても良い。
【0028】
第2実施例において、θ1,θ2をユーザに選択させることなく、パソコン12が適切な測定点を自動的に選択して角度差θxを計算しても良い。
また、第2実施例における図6(b)の指示メッセージは、「出力部12を4°(=θx)地面方向に傾けてください。」としても良く、ユーザはその指示に応じて調整を行えばよい。第1実施例についても、同様に調整を行っても良い。
ユーザインターフェイス手段は、パーソナルコンピュータである必要はなく、レーザレーダ装置の専用機器であっても良い。また、ユーザインターフェイス手段がレーザレーダ装置の本体に設けられていても良い。
【符号の説明】
【0029】
2は地面、3は壁面(接地面)、11はレーザレーダ装置、11aは本体、11bは出力部、12はパーソナルコンピュータ(ユーザインターフェイス手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体が設置面に設置された状態でレーザビームの走査面を90°変化させることが可能に構成され、前記レーザビームを照射した反射光を受光することで、対象物までの距離及び角度を測定するレーザレーダ装置と、
このレーザレーダ装置による測定結果,並びに作業指示メッセージをユーザに対して報知し、且つ前記測定結果に基づく演算処理を実行するユーザインターフェイス手段とで構成され、
前記ユーザインターフェイス手段は、前記レーザレーダ装置における前記レーザビームの走査面を前記地面と直角にするようにユーザに対して報知し、
ユーザにより前記作業を完了したことを示す応答があると、前記レーザレーダ装置が走査した測定結果のうち、2点の走査角度θ1,θ2(θ1>θ2)について測定された距離l1,l2に基づいて、前記レーザビームが基準角度0°にある状態で前記地面と平行になるまでの角度差θxを算出し、
前記レーザレーダ装置の本体を、前記地面方向に前記角度差θxだけ傾けるようにユーザに対して報知し、
ユーザにより前記作業を完了したことを示す応答があると、前記レーザレーダ装置における前記レーザビームの走査面を90°回転させるようにユーザに対して報知することを特徴とするレーザレーダ装置の設置角度設定システム。
【請求項2】
前記ユーザインターフェイス手段は、前記角度θ1と、前記地面と直角となる角度との差である角度αを、(1)式により算出し、
l1・cosα=l2・cos(α+θ1−θ2) …(1)
前記角度差θxを、(2)式により算出することを特徴とする請求項1記載のレーザレーダ装置の設置角度設定システム。
θx=α+θ1−90° …(2)
【請求項3】
前記ユーザインターフェイス手段は、前記レーザレーダ装置の本体を前記地面方向に前記角度差θxだけ傾けるため、前記レーザビームの走査角度が、前記角度θ2と前記角度差θxとの差を示す際に検出される距離が前記距離l2となるように調整することをユーザに報知すること特徴とする請求項1又は2記載のレーザレーダ装置の設置角度設定システム。
【請求項4】
レーザビームを照射した反射光を受光することで、対象物までの距離及び角度を測定するレーザレーダ装置を、地面に立設する設置面に設置した状態で、前記レーザビームの走査面を前記地面と平行に設定する方法であって、
前記レーザレーダ装置として、前記設置面に設置された状態で、前記レーザビームの走査面を90°変化させることが可能であるものを使用し、
前記レーザビームの走査面を前記地面と直角にした状態で、2つの走査角度θ1,θ2(θ1>θ2)について、前記地面までの距離l1,l2をそれぞれ測定する第1ステップと、
前記測定結果に基づいて、前記レーザビームが基準角度0°にある状態で、前記地面と平行になるまでの角度差θxを算出する第2ステップと、
前記レーザレーダ装置の本体を前記地面方向に前記角度差θxだけ傾けて、前記レーザビームの走査面を90°回転させる第3ステップとからなることを特徴とするレーザレーダ装置の設置角度設定方法。
【請求項5】
前記第2ステップにおいて、前記角度θ1と、前記地面と直角となる角度との差である角度αを、(1)式により算出し、
l1・cosα=l2・cos(α+θ1−θ2) …(1)
前記角度差θxを、(2)式により算出することを特徴とする請求項4記載のレーザレーダ装置の設置角度設定方法。
θx=α+θ1−90° …(2)
【請求項6】
前記第2ステップにおいて、前記レーザビームの走査角度が、前記角度θ2と前記角度差θxとの差を示す際に検出される距離が前記距離l2となるように調整することを特徴とする請求項4又は5記載のレーザレーダ装置の設置角度設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61168(P2013−61168A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198224(P2011−198224)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】