説明

レーザ処理装置のガス噴射手段

【課題】レーザ処理装置における被処理体へのレーザ照射部のガス雰囲気を良好に形成する。
【解決手段】被処理体にラインビーム形状のレーザ光6を照射して被処理体の処理を行うレーザ処理装置に備えられ、照射雰囲気を形成するガスを被処理体のレーザ光照射部分近傍に噴射するガス噴射手段であって、噴射手段は、ガスの導入部と、ガスが被処理体に向けて噴射されるガス噴射口15と、ガス導入部からガス噴射口に至るガス流路13を有しており、ガス流路13に、ガスの流れ方向に対面してガス流を乱すことでガスの流れ方向と交差する方向のガス流を均す均流面がガスの流れ方向において少なくとも2度以上繰り返し現れるように設けられ、噴射口はレーザ光が通過する長尺な形状を有しているので、被処理体のレーザ光照射部付近に均等な照射雰囲気を形成でき、レーザ光の照射による処理を均等かつ良質に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被処理体である非晶質半導体膜にレーザ照射することにより多結晶半導体膜を製造するなどのレーザ処理を行うレーザ処理装置に備えられるガス噴射手段に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザによるアモルファスシリコン膜の結晶化装置において、大気の影響を除去して結晶化に最適な雰囲気を制御するために、処理室を一度真空引きした後に処理用のガスを導入する代わりに照射雰囲気のみ制御する方法として、次に説明するものが知られている。
【0003】
(イ)窒素ガスを噴射してレーザ照射部分近傍のみを窒素雰囲気とする窒素ガス噴射手段を具備し、該前記窒素ガス噴射手段は、前記レーザ光が通過するスリットと、そのスリットの周辺部に設けられた複数の窒素ガス噴出口と、それら複数の窒素ガス噴出口の周りに設けられたラビリンスシール部とを有する板状ノズルを含むことを特徴とするレーザアニール処理装置(特許文献1参照)。
【0004】
(ロ)絶縁基板上に形成された非晶質の半導体膜をレーザアニール法によって結晶化する多結晶半導体膜の製造装置において、レーザビームを非晶質半導体膜に照射するときに、ビーム照射される基板の表面の雰囲気を制御できる局所シールドをレーザビーム周囲に備えていることを特徴とする多結晶半導体膜の製造装置(特許文献2参照)。
この製造装置の概略を図8に基づいて説明をすると、レーザ光源5から出力されるレーザ光6を光学系7を通してガス噴射筒50に導入し、ガス噴射筒50の下端に設けたガス噴射口52を通して基板1上に形成された非晶質半導体膜2に照射する。ガス噴射筒50には、ガス導入管51を接続し、ガス導入管51を通してガス噴射筒50内に導入される窒素ガスを前記ガス噴射口52より非晶質半導体膜2のレーザ光照射部分近傍に噴射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−349041号公報
【特許文献2】特開2002−93738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のレーザアニール処理装置は以上のように構成されているので、窒素ガスの流れが噴射口の長手方向において不均一となりやすく、また、窒素ガス流速も不均一となるため、レーザー照射後の多結晶半導体膜が均一に形成できないという問題がある。
【0007】
この発明は上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、雰囲気ガスの流れを均すことでガス噴射口から均等にガスを噴射してレーザ光噴射部近傍の雰囲気を均等にしてレーザ処理を良好に行うことを可能にするレーザ処理装置のガス噴射手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明のレーザ処理装置のガス噴射手段のうち、第1の本発明は、被処理体にラインビーム形状のレーザ光を照射して前記被処理体の処理を行うレーザ処理装置に備えられて照射雰囲気を形成するガスを前記被処理体の前記レーザ光照射部分近傍に噴射するガス噴射手段であって、該噴射手段は、前記ガスの導入部と、前記ガスが前記被処理体に向けて噴射されるガス噴射口と、前記ガス導入部から前記ガス噴射口に至るガス流路を有しており、該ガス流路に、ガスの流れ方向に対面してガス流を乱すことでガスの流れ方向と交差する方向におけるガス流を均す均流面が前記ガスの流れ方向において少なくとも2度以上繰り返し現れるように設けられており、前記噴射口は、前記ラインビーム形状のレーザ光が通過する長尺な形状を有していることを特徴とする。
【0009】
第1の本発明によれば、ガス導入部から導入されてガス流路を流れる雰囲気ガスは、ガス流路に設けられた均流面に当たり、乱流を生じて流れ方向と交差する方向にも流れが生じ、この交差する方向でのガス流が均されてガス流量、ガス流速が均等化される。この均流面はガスの流れ方向において少なくとも2度以上繰り返し現れることでガス流速の均等化が図られる。例えば、ガスの流れがガス噴射口直前で向きを変えるような構造ではガス流の均流化作用を得ることは難しい。このガス流が最終的にガス噴射口から噴射されることで、ガスの流れが偏ることなくレーザ光照射部分付近で均等な照射雰囲気を形成することができる。なお、均流面が設けられているガス流路は流路断面積が小さいのが望ましく、従来のガス噴射筒では流路断面積が大きすぎて十分な作用を得ることが難しく、このガス噴射筒の上流側で流路断面積が小さいガス流路に均流面を設けるのが望ましい。
【0010】
第2のレーザ処理装置のガス噴射手段の本発明は、前記第1の本発明において、前記均流面は、前記ガス流路に設けた1または複数枚の邪魔板により形成されていることを特徴とする。
【0011】
第3のレーザ処理装置のガス噴射手段の本発明は、前記第1または第2の本発明において、前記均流面は、ガス流路内の湾曲面または屈曲面によって形成されていることを特徴とする。
【0012】
第3の本発明では、均流面としての作用を確実に得るために湾曲面は小さい曲率を有するのが望ましく、屈曲面も小さな角度が望ましい。
【0013】
第4のレーザ処理装置のガス噴射手段の本発明は、前記第1〜第3のいずれかの本発明において、前記ガス導入部にガス流路と区画する区画壁が設けられており、該区画壁に前記ガス流路内のガス流と交差する方向に沿って複数のガス通過部が間隔を置いて形成されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明によれば、ガス流路に区画壁のガス通過部を通してガスが導入されるので、前記ガス流と交差する方向で導入されるガスの流量、流速の均等化を図ることができる。
【0015】
第5のレーザ処理装置のガス噴射手段の本発明は、第4の本発明において、前記ガス導入部に前記区画壁を一部室壁とするガス導入室が設けられていることを特徴とする。
【0016】
第5の発明によれば、ガス導入室に収容されたガスが前記ガス通過部を通してガス流路へと導入されるので、前記均等化が一層効果的になる。
【0017】
第6のレーザ処理装置のガス噴射手段の本発明は、第5の本発明において、前記ガス導入室に、前記ガス流路内のガス流と交差する方向に沿ってガス導入管が配置されており、該ガス導入管に長手方向に沿って通気スリットまたは間隔をおいて複数の通気孔が設けられているとともに、該ガス導入管内に外部からガスが導入されるように構成されていることを特徴とする。
【0018】
第6の本発明によれば、ガス導入室にガス導入管を通して前記交差方向に均等にガスを導入することができ、前記均等化がより一層効果的になされる。なお、通気スリット、または通気孔のガス噴射方向は、前記ガス通過部に向いていないのが望ましく、さらにガス通過部と反対の側にガスを噴射するように構成されているのが一層望ましい。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明のレーザ処理装置のガス噴射手段によれば、被処理体にラインビーム形状のレーザ光を照射して前記被処理体の処理を行うレーザ処理装置に備えられて照射雰囲気を形成するガスを前記被処理体の前記レーザ光照射部分近傍に噴射するガス噴射手段であって、該噴射手段は、前記ガスの導入部と、前記ガスが前記被処理体に向けて噴射されるガス噴射口と、前記ガス導入部から前記ガス噴射口に至るガス流路を有しており、該ガス流路に、ガスの流れ方向に対面してガス流を乱すことでガスの流れ方向と交差する方向におけるガス流を均す均流面が前記ガスの流れ方向において少なくとも2度以上繰り返し現れるように設けられており、前記噴射口は、前記ラインビーム形状のレーザ光が通過する長尺な形状を有しているので、ガスの流れ方向交差する方向でガスの流量、流速を均等化することができ、被処理体のレーザ光照射部付近に均等な照射雰囲気を形成することができ、レーザ光の照射による処理を均等かつ良質に行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態の噴射手段を備えるレーザアニール処理装置を示す概略図である。
【図2】同じく、噴射手段を示す一部を断面した斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態の噴射手段を備えるレーザ処理装置を示す概略図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態の噴射手段を備えるレーザ処理装置を示す概略図である。
【図5】本発明の他の実施形態の噴射手段を示す断面図である。
【図6】同じく、さらに他の実施形態の噴射手段を示す断面図である。
【図7】同じく、さらに他の実施形態の噴射手段を示す断面図である。
【図8】従来の噴射手段を備えるレーザアニール処理装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態の噴射手段を備えるレーザアニール処理装置を図1、2に基づいて説明する。
図1に示すように、平面方向軸(X及びY)を有する試料台3が図示左右方向に移動可能に設置されており、該試料台3の上方に長尺なガス噴射筒10が配置されている。該ガス噴射筒10の上方にガラスなどにより構成されるレーザ光導入窓11が設けられて封止されている。該レーザ光導入窓11には、レーザ光源5より出力されたレーザ光6が光学系7を経て入射され、ガス噴射筒10の下端に形成された長尺なガス噴射口15を通して下方に出射されるように構成されている。
【0022】
ガス噴射筒10は、側面にガス供給管12が接続されており、該側面の内側にガス流路13が確保されている。該ガス流路13には、取付位置が交互に上下に変わり、他端側がレーザ照射筒10の上面または下面と隙間を有する3枚の邪魔板14a、14b、14cが間隔を置いて垂直に取り付けられており、最下流の邪魔板14cと他端側のガス噴射筒縦内面との間に確保された空間を前記レーザ光6が通過するとともに、ガス流路13を流れたガスが流入して下方のガス噴射口15へと導かれるように構成されている。
【0023】
次に、上記レーザアニール処理装置の動作について説明する。
試料台3に被処理体として、基板1上に形成された非晶質半導体薄膜2を設置する。レーザ光源5からは、パルス状に発振されたレーザ光6(例えば波長308nm、パルス幅30nsのエキシマレーザ光)が光学系7を通過して線条となったビーム(ラインビーム)となり、レーザ光導入窓11およびガス噴射口15を通して非晶質半導体薄膜2の照射面に照射される。
【0024】
また、これに先立ってガス供給管12より雰囲気ガスとして窒素ガスがガス噴射筒10内に導入され、ガス流路13を流れる。この際に側方から横方向に流れるガス流に対し、邪魔板14aの外側面が対面するので、ガスが邪魔板14aに衝突し、乱流状態になってガス噴射筒10の長手方向にガスの一部が流れてガス流が均される。すなわち邪魔板14aの外側面は均流面として作用する。邪魔板14aに衝突したガス流は邪魔板14aの外側面に沿って上昇し、ガス噴射筒10の上側内面に衝突し、再度乱流状態になってガス噴射筒10の長手方向にガスの一部が流れてガス流が均される。すなわちガス噴射筒10の上側内面は均流面として作用する。ガス噴射筒10の上側内面に衝突したガス流は、該上側内面にそって内側に移動し、さらに邪魔板14bの外側面に衝突し、方向を変えてガス噴射筒10の下側内面に衝突し、さらに方向を変えて邪魔板14cの外側面に衝突し、方向を変えてガス噴射筒10の上側内面に衝突し、その後、方向を変えて邪魔板14cの内側の空間へと流れる。上記邪魔板14b、14c、ガス噴射筒10の上側内面、下側内面との衝突においてもガス流は乱流状態になってガス噴射筒10の長手方向にガスの一部が流れてガス流が均される。したがって、これら邪魔板14b、14c、ガス噴射筒10の上側内面、下側内面も均流面として作用する。
【0025】
上記のようにして繰り返し均流がなされたガス流は、邪魔板14cの内側の空間を下降して、ガス噴射口15より非晶質半導体薄膜2のレーザ光照射部分近傍に照射される。
このガス流は、上記均流によって前記長手方向においてガス流量、ガス流速が均等化されており、レーザ光照射部分近傍で均等な照射雰囲気を形成する。
【0026】
非晶質半導体薄膜2は、前記レーザ光6のパルスに合わせて(1ヶ所あたり20パルス照射)移動する試料台3によって設定した照射開始位置に移動させた後、一定の速度にて移動しながらレーザ光6を照射することによってレーザ光6が走査されて照射面が移動し、この移動する照射面によって非晶質半導体薄膜2の任意の領域が結晶化される。この際に、非晶質半導体薄膜2の照射面近傍は、上記のようにガスが噴射されており、酸素を効果的に除外して均等で良好なガス雰囲気が形成されている。このガス雰囲気によって酸素が十分に除外されていることによりレーザアニールを良好に行うことができる。
【0027】
(実施形態2)
上記実施形態では、ガス流路に邪魔板を設置することで均流面を設けたが、本発明としては均流面を設ける方法は特に限定をされるものではない。
図3は、ガス噴射筒100のガス流路をガス噴射口105の長手方向に沿って扁平な流路断面積形状にするとともに、該ガス流路103を複数回屈曲させつつガス噴射口105の上方に伸張させたものである。なお、図中101はレーザ光導入窓、102はガス供給管を示すものである。
ガス供給管102からガス流路103に導入されたガスは、ガス流路が屈曲する屈曲部103a〜103dに至る毎に、屈曲部の屈曲面に衝突して乱流を生じ、前記したガスの均流がなされる。すなわち、ガス流路103の屈曲部103a〜103dの下流近傍のガス流路内面が均流面として作用している。
【0028】
(実施形態3)
また、均流面は、ガス流路に湾曲部を設けて蛇行させることで、湾曲部内面を均流面にしてガスの均流を図ることも可能である。
図4は、ガス噴射筒110のガス流路をガス噴射口115の長手方向に沿って扁平な流路断面積形状にするとともに、該ガス流路113を蛇行させて小さな曲率の湾曲部113a〜113dを複数設けたものである。なお、図中111はレーザ光導入窓、112はガス供給管を示すものである。
ガス流路113を流れるガス流は、湾曲部113a〜113dに至る毎に湾曲部内面に衝突し、前記した均流作用を受ける。すなわち、ガス流路113の湾曲部113a〜113dの内面が均流面として作用している。
【0029】
(実施形態4)
上記各実施形態では、均流面について詳細に説明をしたが、ガス導入部の構造を工夫することでさらに均流作用を増大させることができる。なお、以下の実施形態では、均流面を有するガス流路の説明については省略をして、ガス導入部を詳細に説明する。
図5では、ガス噴射口125を有するガス噴射筒120に、ガス導入部側においてガス流路と区画する区画壁20が設けられ、該区画壁20にガス噴射口125の長手方向において、間隔を有するようにガス通過部としてガス通過孔20a…20aが複数形成されており、該区画壁20を室壁の一部にしてガスの導入側がガス導入室21とされている。
【0030】
この実施形態では、ガス導入室21に導入されたガスが導入室内で拡散し、それぞれのガス通過孔20a…20aを通してガス流路へ送られる。このガスの流れによって、ガス流路に送られるガス流は、ガス噴射口125の長手方向においてガス流量、ガス流速の均等化が図られており、さらにガス流路において前記した均流面による作用を得ることでガス流の均等化を一層図ることが可能になる。
【0031】
(実施形態5)
上記実施形態では、区画壁の上流側にガス導入室を設けてガス流の均等化を図ったが、図6に示すように、ガス噴射口135を有するガス噴射筒130に区画壁23を設け、該区画壁23にガス通過部として設けたガス通過孔23a〜23fにそれぞれガス供給管を接続する。各ガス供給管にそれぞれ流量制御弁22a〜22fを設けて各ガス供給管を流れるガスの流量を均一に制御することで、ガス流路に前記長手方向に沿ってガスを均等に送り出すことができる。また、ガス流路に送り出されたガス流が前記長手方向で偏りが生じやすい場合には、各流量制御弁22a〜22fを個別に調整することで各ガス供給管の流量を同一に調整するのではなく、ガス流路における流れを偏りのないものにしてガス流の均等化を図るようにしてもよい。
【0032】
(実施形態6)
また、図7に示すように、ガス噴射口145を有するガス噴射筒140に前記実施形態で説明したガス導入室21を設け、このガス導入室21に、ガス供給管24を配置し、このガス供給管24に前記長手方向に沿ってガスが流出するようにガス通気孔24a…24aを間隔を置いて形成する。なお、ガス通気孔に変えて前記長手方向に沿ったスリットを設けることも可能である。
なお、ガス通気孔24a…24aやスリットでは、送り出されるガスが直接に前記ガス通過孔20a…20aに向けて移動しないように、前記ガス通過孔20a…20aに向かないように前記ガス通気孔24aやスリットを形成し、好適にはガス通過孔20a…20aに背を向けるように通気孔またはスリットを形成する。これによりガス供給管24から送り出されるガスは、ガス導入室21内で前記長手方向に拡散した後、前記ガス通過孔20a…20aを通過してガス流路に送出されるので、前記長手方向におけるガス流の均等化が一層なされる。
【0033】
以上、本発明について上記各実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は、上記実施形態の説明に限定をされるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で当然に適宜の変更が可能である。
【符号の説明】
【0034】
1 基板
2 非晶質半導体薄膜
3 試料台
5 レーザ光源
6 レーザ光
10 ガス噴射筒
12 ガス供給管
13 ガス流路
14a、14b、14c 邪魔板
15 ガス噴射口
20 区画壁
20a ガス通過孔
21 ガス導入室
22a…22f 流量制御弁
23a…23f ガス通過孔
24 ガス供給管
24a ガス通気孔
100、110、120、130、140 ガス噴射筒
102、112 ガス供給管
103、113 ガス流路
103a、103b、103c、103d 屈曲部
105、115 ガス噴射口
113a、113b、113c、113d 湾曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理体にラインビーム形状のレーザ光を照射して前記被処理体の処理を行うレーザ処理装置に備えられて照射雰囲気を形成するガスを前記被処理体の前記レーザ光照射部分近傍に噴射するガス噴射手段であって、該噴射手段は、前記ガスの導入部と、前記ガスが前記被処理体に向けて噴射されるガス噴射口と、前記ガス導入部から前記ガス噴射口に至るガス流路を有しており、該ガス流路に、ガスの流れ方向に対面してガス流を乱すことでガスの流れ方向と交差する方向におけるガス流を均す均流面が前記ガスの流れ方向において少なくとも2度以上繰り返し現れるように設けられており、前記噴射口は、前記ラインビーム形状のレーザ光が通過する長尺な形状を有していることを特徴とするレーザ処理装置のガス噴射手段。
【請求項2】
前記均流面は、前記ガス流路に設けた1または複数枚の邪魔板により形成されていることを特徴とする請求項1記載のレーザ処理装置のガス噴射手段。
【請求項3】
前記均流面は、ガス流路内の湾曲面または屈曲面によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ処理装置のガス噴射手段。
【請求項4】
前記ガス導入部にガス流路と区画する区画壁が設けられており、該区画壁に前記ガス流路内のガス流と交差する方向に沿って複数のガス通過部が間隔を置いて形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ処理装置のガス噴射手段。
【請求項5】
前記ガス導入部に前記区画壁を一部室壁とするガス導入室が設けられていることを特徴とする請求項4記載のレーザ処理装置のガス噴射手段。
【請求項6】
前記ガス導入室に、前記ガス流路内のガス流と交差する方向に沿ってガス導入管が配置されており、該ガス導入管に長手方向に沿って通気スリットまたは間隔をおいて複数の通気孔が設けられているとともに、該ガス導入管内に外部からガスが導入されるように構成されていることを特徴とする請求項5記載のレーザ処理装置のガス噴射手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−64963(P2012−64963A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252367(P2011−252367)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2007−136156(P2007−136156)の分割
【原出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】