説明

レーザ切断のためのデバイスおよび方法

【課題】レーザ切断のためのデバイスおよび方法を提供すること。
【解決手段】デバイス10は、レーザ切断ヘッド22を基準位置へと運ぶ、電子的に制御可能なロボット12と、メモリに格納された基準位置座標に対してロボット12を制御し、レーザ切断ヘッド22が基準位置座標運ばれた後で被加工物からレーザ切断ヘッド22までの距離を補正する距離補正デバイス26とを含む。レーザ切断の間品質基準を保証するために、被加工物24の特定の公差が維持されなければならない。この点に関して、被加工物24を測定する追加の測定ステップを避けるために、レーザ切断ヘッド22の距離補正後に制御ユニット18によって取得された位置座標とメモリに格納された基準位置座標との比較が、レーザ切断プロセスが開始される前に行われるような方法で、制御ユニット18が形成かつプログラムされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物に対してレーザ切断ヘッドを規定可能な基準位置へと運ぶ、電子的に制御可能な第1のロボットと、メモリを備えた、該メモリに格納された基準位置座標に対して第1のロボットを制御するプログラム可能な制御デバイスと、レーザ切断ヘッドが基準位置座標によって定義される基準位置へと運ばれた後で被加工物からレーザ切断ヘッドまでの距離を補正する距離補正デバイスとを備える、被加工物のレーザ切断のためのデバイスに関する。さらに、本発明は、対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ切断用のデバイスは、とりわけ、被加工物を加工するため、特に被加工物に窪みまたは陥凹部を設けるために使用され、従来技術で公知である。
【0003】
そのようなデバイスおよび関連方法は、例えば、DE3700829A1に開示されている。該特許文献は、詳細には、レーザビームを用いて金属切断操作が組立ライン上で実施されるように、切断や溶接などのレーザビーム作業のためのデバイスおよび方法に関する。該デバイスは、センサを使用してレーザビームヘッドまたは切断ノズルの位置を制御する、比較的精巧なプロセスを有する。
【0004】
DE3445981A1は、レーザヘッドから出てくるレーザビームによって被加工物を加工するデバイスおよび方法を開示しており、該デバイスが、被加工物からレーザヘッドまでの焦点距離を調節または監視するために使用される高さ感知デバイスを有する。この場合、高さ感知デバイスは、数値制御システムに直接接続されており、被加工物とレーザヘッドとの間の距離が、高さ感知デバイスによって数値制御システムに供給される高さ補正信号にしたがって補正される。被加工物側およびレーザヘッド側の両方に補正が行われ、その結果、被加工物の加工で特定の品質基準を保証するために比較的複雑な制御システムが使用されることが不利であることが判明している。
【0005】
被加工物のレーザ加工のための他のデバイスおよび関連方法が、DE19963010B4に開示されている。該特許文献の場合、走査型鏡面反射デバイス(scanning mirror reflection device)が光検出器に結合されており、レーザビームヘッドと被加工物との間の相対運動が行われる必要なしに、レーザビームの補正偏向がそれに基づいて行われる補正信号が生成される。この補正デバイスは、非常に精巧かつ複雑であることが判明している。
【0006】
さらに、DE102004043076A1は、レーザビーム加工操作を監視する方法を開示しており、ロボットアームに留め付けられたレーザヘッドが、加工されるべき被加工物に関して位置決めされる。加工の間、被加工物の表面は、加工ゾーン内でレーザビームのための偏向デバイスおよび集光デバイスによって感知され、被加工物の表面とレーザビームの衝突点とが、カメラおよび得られた対応する実際値信号を用いて監視される。規定された設定値からの対応する偏差が存在するときには、補正作動信号が生成され、ロボットアームの対応する作動要素および/または偏向デバイス/集光デバイスへと送られる。ここでも、補正信号を生成するために使用されるセンサ技術が比較的精巧かつ複雑であることが不利であることが判明している。
【特許文献1】DE3700829A1
【特許文献2】DE3445981A1
【特許文献3】DE19963010B4
【特許文献4】DE102004043076A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が基づく目的は、追加の精巧かつ複雑なセンサおよび/または補正システムが使用されることなしに、レーザ切断の間規定された品質基準を保証するために被加工物の特定の公差がそれによって維持される、デバイスおよび方法を提供する目的と見なされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
その目的は、本発明によれば、特許請求項1および4の教示によって達成される。本発明の他の有利な改良点および発展は、副請求項によって提供される。
【0009】
本発明によれば、最初に述べたタイプのデバイスは、レーザ切断ヘッドの距離補正後に制御ユニットによって取得された位置座標とメモリに格納された基準位置座標との比較が、レーザ切断プロセスが開始される前に行われるような方法で、形成かつプログラムされる、電子制御ユニットを備える。この利点は、追加のセンサおよび補正デバイスと、位置データが取得され、もしくは読み出されて、基準データと比較されるという点で、第1のロボットが距離補正後の位置座標を取得するために使用される場合に存在する制御ユニットとを省くことが可能であることである。
【0010】
好ましい一実施形態では、制御ユニットは、格納された少なくとも1つの基準位置座標と対応して取得された位置座標との差が規定可能な公差値を超える場合、切断プロセスを打ち切るアボート制御信号が比較後に生成されるような方法で、形成かつプログラムされる。アボート信号が生成されるという事実は、一方では、基準値の公差外にある、その後の品質管理に合格しない被加工物をレーザ切断することによる時間のかかる加工を実施する必要がないことを意味し、他方では、基準を満たす公差をもつ被加工物だけがレーザ切断による加工を受けるという程度まで製品品質が向上することを意味する。
【0011】
他の好ましい一実施形態では、被加工物の位置決めのための第2のロボットが設けられており、そのロボットによって、被加工物が把持され、レーザ切断のための少なくとも1つの加工位置へと運搬され、該第2のロボットは、レーザ切断プロセスが完了されるまたは打ち切られるときに被加工物が加工位置から他の位置へと運搬されるような方法で形成される。このことは、格納された少なくとも1つの基準位置座標と対応して取得された位置座標との間の公差が維持されないときには、欠陥のある被加工物を第2のロボットによってレーザ切断加工位置の外へと運搬できることを保証しており、その結果、大幅な中断なしに新しい被加工物をレーザ切断プロセスで加工できることになる。この場合、公差閾値を超える、欠陥のある被加工物(不合格品)は、不合格品用の場所へと運搬することができ、次いで該被加工物を再加工または廃棄用に回すことができる。欠陥のある被加工物がこの場所に運搬された後には、第2のロボットによる新しい被加工物の位置決めがすぐに行われる。
【0012】
本発明による、被加工物のレーザ切断のための対応する方法は、レーザ切断ヘッドが、電子制御ユニットを用いて制御できる第1のロボットによって被加工物に対して規定可能な基準位置へと運ばれる方法ステップと、レーザ切断ヘッドが規定された基準位置へと運ばれた後で、被加工物からレーザ切断ヘッドまでの距離の補正が、好ましくは制御ユニットによって制御される、距離補正デバイスを用いて実施される方法ステップとを含んでおり、該制御ユニットは、レーザ切断ヘッドの距離補正後の位置座標を取得し、それらの位置座標を規定された基準位置座標と比較する。したがって、レーザ切断による加工前に追加の測定方法を使用することなしに、レーザ切断デバイスのロボット制御デバイスは、不合格品が関係しているかどうかを明確に確認するために直接使用され、その結果、欠陥のある被加工物に余計なレーザ切断操作が実施されるのを防ぐことが可能となり、また同時に、精巧な追加の測定システムを提供するという形で追加措置を取る必要なしに、不合格品を感知かつ選択することによって、全体的な加工プロセスまたは全体的な最終製品の品質を効果的に高めることが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい改良では、格納された少なくとも1つの基準位置座標と対応して取得された位置座標との差が規定可能な公差値を超える場合に切断プロセスを打ち切るアボート制御信号が、比較後に生成される。前述のように、このことは、不合格品が関係していることが確認されたらすぐにレーザ切断方法を特別に打ち切ることができるという効果をもたらす。
【0014】
他の一実施形態では、レーザ切断プロセスのための被加工物を、第2のロボットによって把持し、レーザ切断のための少なくとも1つの加工位置へと運搬することができ、レーザ切断プロセスが完了されるまたは打ち切られるときには、加工位置から他の位置へと運搬することができる。
【0015】
レーザ切断の完了後、被加工物は、好ましくは、レーザ切断の異常終了に関係した位置以外の位置へと運搬される。異常終了に関係した位置は、例えば、被加工物が公差要件を満たさない場合に該被加工物がそこへ運ばれる、不合格位置である。これで、被加工物の補正または廃棄のための対応するプロセスを、この位置から行うことができる。
【0016】
本発明、ならびに本発明の他の利点、有利な発展、および改良点について、以下で、本発明の例示的な一実施形態を示す図面に基づいてより詳細に記載し、説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、レーザビーム切断のための電子的に制御されるデバイス10を示す。デバイス10は、電子的に制御される第1のロボットもしくはマニピュレータ12と、工具台14と、電子的に制御される第2のロボットもしくはマニピュレータ16と、電子的な、好ましくはプログラム可能な、制御ユニット18と、さらにデータ入力/データ出力システムまたはデータ読込み/データ読出しシステム20とを含む。
【0018】
第1のロボット12は、レーザ切断ヘッド22を備え、該第1のロボットがレーザ切断ヘッドを空間的に、すなわち、少なくとも3自由度(x,y,z)で動かすまたは位置決めすることができるような方法で形成される。ロボット12は、好ましくは、工具台14上に位置決めされた被加工物24に対して、該ロボットが被加工物24上の固定基準点に対してレーザ切断ヘッド22を被加工物の表面に沿って動かすまたは位置決めすることができるような方法で形成される。ロボット12は、電子制御ユニット18を用いて作動され、該電子制御ユニット18は、ロボット制御システム(図示せず)に制御信号を送信しており、該ロボット制御システムが、発せられた制御信号にしたがって、ロボット12、または該ロボット12に留め付けられたレーザ切断ヘッド22を動かす。
【0019】
レーザ切断ヘッド22は、特に金属製の、車体構成要素またはフレーム構成要素のレーザ加工に適した、レーザデバイス(図示せず)に接続される。レーザ切断ヘッド22は、位置変化後のレーザ切断ヘッド22の微調整、またはレーザ切断ヘッド22の補正位置決めを実施するために使用される、自動距離補正デバイス26を有する。その結果、レーザ切断ヘッド22を、レーザ切断プロセスに適した被加工物24からの最終距離へと運ぶことができ、その結果、加工されるべき表面上でのレーザの対応する集光が自動的に行われることになる。あらゆる被加工物24がレーザ切断ヘッド22に許容される距離公差を超えることのある特定の構造または寸法公差を有するので、この距離補正が必要であり、その結果、レーザ切断ヘッド22の微調整またはレーザビームの集光が被加工物24上の加工点ごとに行われることになる。この距離補正は、好ましくは、従来技術で知られている自動化された容量性距離測定法によって容量的に行われる。ただし、距離補正は、また、光学的または磁気誘導的(magnetoinductive)方法を用いて行われてもよい。
【0020】
工具台14は、第2のロボット16を用いて被加工物24がその中に固定される、工作物保持具28を備える。ある被加工物24から同一の構造の別の被加工物24へと変更されるときには、工作物保持具28によって、加工されるべき被加工物24が正確に同一の加工位置へと運ばれることが保証される。被加工物24についての正確な加工位置は、空間的に固定された座標系(x,y,z)に対して、データ読込みシステムによって制御ユニット18に規定される。したがって、第2のロボット16は、また、電子制御ユニット18を用いて作動され、該電子制御ユニット18がロボット制御システム(図示せず)に制御信号を送信しており、該ロボット制御システムが、発せられた制御信号にしたがって、ロボット16、またはロボット16によって位置決めされた被加工物24を動かす。この目的で、ロボット16は、例えば、制御ユニット18によって同様に制御される、被加工物24をそれによって把持かつ位置決めできる把持デバイス30を備える。
【0021】
電子制御ユニットによって作動できる前記ロボット制御システム(図示せず)は、例えば、空気圧式、液圧式、または電気作動式モータとして形成され、各自由度(x,y,z)についてこれらの作動モータのうちの少なくとも1つが各ロボット12、16上に設けられる。
【0022】
前述のように、電子制御ユニット18は、第1のロボット12と第2のロボット16とに接続される。さらに、該電子制御ユニット18は、レーザ切断ヘッド22の距離補正デバイス26に接続され、被加工物24上の加工点へのレーザ切断ヘッド22の位置決めが行われた後には、距離補正デバイス26から対応する位置補正信号を受け取る。電子制御ユニット18は、一方では、該電子制御ユニットが、ロボット12、16を作動させるような、または生成された制御信号にしたがって対応するロボット制御システムと連動してロボット12、16を動かすような方法で、他方では、該電子制御ユニットが、ロボット制御システムによって生成された、レーザ切断ヘッド22の位置を正確に再現する信号を受け取るような方法で、形成される。したがって、データ入力システム20を用いて規定できる位置決め座標を用いて、制御ユニット18が、1つもしくは複数のロボット12、16の位置決めを行い、かつ位置決め座標を読み出すもしくは問い合わせることができる可能性がある。電子制御ユニット18は、好ましくは、例えば、第1のロボット12のレーザ切断ヘッド22についての位置座標または第2のロボットの把持器30についての位置座標に関する基準データがそれに格納される、プログラム可能なメモリを有する。さらに、制御ユニット18は、プログラム可能な計算アルゴリズムを実行できる処理装置(図示せず)を備える。
【0023】
前述のデバイス10に関係した方法が、図2にブロック図の形態で表されており、以下の方法ステップを提供する。
【0024】
32:基準データを決定するためには、まず初めに、成形プロセスで、例えば曲げることによって規定可能な形態にされた被加工物24が、この被加工物24が必要とされる公差要件に該当することを保証するために、測定デバイス(図示せず)によって測定される。この被加工物は、空間的に固定された座標系(x,y,z)に対して対応する基準位置座標がその上に固定される、基準被加工物の役割を果たす。工具台14は、この場合、座標系(x,y,z)に対して固定される。成形プロセス後、レーザ切断プロセスが、被加工物24上の規定された加工点のところで実施されるべき加工をもたらす。これらの規定された加工点にしたがって、レーザ切断ヘッド22の位置決めのための基準位置座標が固定される。さらに、加工されるべき被加工物24の位置決めのため、または被加工物を把持する把持デバイス30のための基準位置座標が固定される。
【0025】
34:基準位置座標が電子制御ユニット18に送られる。
【0026】
36:第2のロボット16が把持デバイス30を使用して加工されるべき被加工物24を把持し、該被加工物を第1の位置(例えば、保管位置)から第2の位置、すなわち、工具台14上の基準位置座標によって固定された加工位置へと運搬するような方法で、電子制御ユニット18が、基準位置座標にしたがって前記第2のロボット16を制御する。
【0027】
38:レーザ切断ヘッド22が被加工物24上の第1の加工点のところに位置決めされるような方法で、電子制御ユニット18が、加工点についての基準位置座標にしたがって第1のロボット12を制御する。
【0028】
40:電子制御ユニット18が、距離補正デバイス26によって供給される距離値に基づいて第1のロボット12を作動させることによって、必要とされる距離補正を実行する。
【0029】
42:距離補正後、電子制御ユニット18が、第1のロボット12またはレーザ切断ヘッド22の現在位置座標を取得し、それらの現在位置座標を、例えば差分値を形成することによって、基準位置座標と比較する。
【0030】
44:決定された差分値が、例えば、電子制御ユニット18のメモリに格納された、もしくは制御アルゴリズムで定義される、規定された公差値または閾値を超える場合、電子制御ユニット18によってアボート信号が生成される。
【0031】
46:アボート信号後、レーザ切断プロセスは、開始されず、第1のロボット12が電子制御ユニット18によって作動され、レーザ切断ヘッドが予めプログラムされた待機位置に位置決めされる。
【0032】
48:同時にまたはその後(したがって図2では破線によって囲まれている)、第2のロボット16が被加工物24を工具台14上の加工位置から別の位置、例えば、被加工物24を補正加工するまたは廃棄用に回すことのできる不合格品位置へと運搬するような方法で、該第2のロボット16が、電子制御ユニット18によって作動される。その後、レーザ切断方法は、方法ステップ36へと続けられる。
【0033】
50:しかし、方法ステップ42で決定された差分値が公差内にある場合、レーザ切断プロセスは、被加工物24のこの加工点のところで開始される。
【0034】
52:レーザ切断後、第1のロボット12が電子制御ユニット18によって作動され、レーザ切断ヘッド22が、前述の基準位置座標にしたがって、被加工物24上の次の加工点へと移動され、またはそこに位置決めされる。その後、レーザ切断方法は、方法ステップ40へと続けられる。
【0035】
54:被加工物24上に(基準位置座標にしたがって)設けられたすべての加工点がレーザ切断によって加工された後には、第1のロボット12が電子制御ユニット18によって作動され、レーザヘッド22が予めプログラムされた待機位置に位置決めされる。
【0036】
56:同時にまたはその後(したがって図2では破線によって囲まれている)、第2のロボット16が被加工物24を工具台14上の加工位置から別の位置、例えば、被加工物24がさらなる加工のために位置決めされる追加加工位置へと運搬するような方法で、該第2のロボット16が、電子制御ユニット18によって作動される。その後、レーザ切断方法は、方法ステップ36へと続けられる。
【0037】
本発明が単に例示的な一実施形態に基づいて記載されたにすぎなくても、以上の説明および諸図面を踏まえれば、本発明の適用範囲にある多くの異なる代替形態、修正形態、および変形形態が当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明によるレーザ切断デバイスの略図である。
【図2】本発明によるレーザ切断方法に関するブロック図である。
【符号の説明】
【0039】
10 デバイス
12 第1のロボット/マニピュレータ
14 工具台
16 第2のロボット/マニピュレータ
18 電子制御ユニット
20 データ入力/データ出力システム、データ読込み/データ読出しシステム
22 レーザ切断ヘッド
24 被加工物
26 自動距離補正デバイス
28 工作物保持具
30 把持デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物(24)に対してレーザ切断ヘッド(22)を規定可能な基準位置へと運ぶ、電子的に制御可能な第1のロボット(12)と、
メモリを備え、該メモリに格納された基準位置座標に対して前記第1のロボット(12)を制御するプログラム可能な制御デバイス(18)と、
前記レーザ切断ヘッド(22)が前記基準位置座標によって定義される前記基準位置へと運ばれた後で前記被加工物(24)から前記レーザ切断ヘッド(22)までの距離を補正する距離補正デバイス(26)と
を備える、被加工物(24)のレーザ切断のためのデバイス(10)であって、
前記制御ユニット(18)が前記レーザ切断ヘッド(22)の位置座標を取得し、前記レーザ切断ヘッド(22)の距離補正後に前記制御ユニット(18)によって取得された位置座標と前記メモリに格納された前記基準位置座標との比較が、レーザ切断プロセスが開始される前に行われるような方法で、前記制御ユニット(18)が形成かつプログラムされることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
格納された少なくとも1つの基準位置座標と対応して取得された位置座標との差が規定可能な公差値を超える場合、前記切断プロセスを打ち切るアボート制御信号が前記比較後に生成されるような方法で、前記制御ユニット(18)が形成かつプログラムされることを特徴とする、請求項1に記載のデバイス(10)。
【請求項3】
被加工物(24)の位置決めのための第2のロボット(16)が設けられており、前記ロボット(16)によって、前記被加工物(24)が把持され、レーザ切断のための少なくとも1つの加工位置へと運搬され、前記第2のロボット(16)が、前記レーザ切断プロセスが完了されるまたは打ち切られるときに前記被加工物(24)が前記加工位置から他の位置へと運搬されるような方法で形成されることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
被加工物(24)のレーザ切断のための方法であって、レーザ切断ヘッド(22)が、電子制御ユニット(18)を用いて制御できるロボット(12)によって被加工物(24)に対して規定可能な基準位置へと運ばれ、前記レーザ切断ヘッド(22)が規定された基準位置へと運ばれた後で、前記被加工物から前記レーザ切断ヘッド(22)までの距離の補正が距離補正デバイス(26)を用いて実施され、その際、前記制御ユニット(18)が前記距離補正後の前記レーザ切断ヘッド(22)の位置座標を取得し、それらの位置座標を規定された基準位置座標と比較することを特徴とする方法。
【請求項5】
格納された少なくとも1つの基準位置座標と、対応して取得された位置座標との差が規定可能な公差値を超える場合に切断プロセスを打ち切るアボート制御信号が、前記比較後に生成されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
レーザ切断プロセスのための前記被加工物(24)が、前記被加工物(24)を位置決めする第2のロボット(16)によって把持され、レーザ切断のための少なくとも1つの加工位置へと運搬され、前記レーザ切断プロセスが完了されるまたは打ち切られるときには、前記被加工物(24)が前記加工位置から他の位置へと運搬されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
レーザ切断が完了されるときの前記他の位置が、レーザ切断が打ち切られるときの前記他の位置とは異なることを特徴とする、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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