レーダ画像処理装置
【課題】簡便な方法で目標候補領域と目標モデルとの比較を行うレーダ画像処理装置を得る。
【解決手段】領域判定処理部6が、領域形成処理部5が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部7と、領域設定処理部7が設定した外接領域の形状およびサイズから、レーダによる目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から目標物を観測した場合の3次元形状と、目標候補領域の3次元形状とを比較し、目標候補領域が目標物であるか判定する目標判定処理部9とを備える。
【解決手段】領域判定処理部6が、領域形成処理部5が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部7と、領域設定処理部7が設定した外接領域の形状およびサイズから、レーダによる目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から目標物を観測した場合の3次元形状と、目標候補領域の3次元形状とを比較し、目標候補領域が目標物であるか判定する目標判定処理部9とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元空間に電磁波を放射し、その反射波から得られる2次元画像から所定の物体を検出するレーダ画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、飛行中の移動体に搭載したレーダから地面方向である下方へ向けて電磁波を放射、若しくは、地上に設置したレーダから空中である上方に向けて電磁波を放射し、複数の遠隔点からの反射強度情報(光学的輝度情報)と、レーダ設置位置から各遠隔点までの電磁波の往復時間から得られる距離情報を要素(画素値)とする2次元画像から所定の物体を検出するレーダ画像処理装置が用いられている。
【0003】
このような従来のレーダ画像処理装置として、特許文献1および非特許文献1には、画素を、目標の候補となる画素(以下、目標候補画素と称する)と、地面や気象エコーといった目標の候補ではない画素に弁別した後、目標候補画素の集合(以下、目標候補領域と称する)を形成し、目標候補領域と、検出対象とする所定目標のサイズや形状といった3次元特徴量との比較を行い、検出対象であるか否かの判定を行うレーダ画像処理装置が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1および非特許文献1に代表されるレーダ画像処理装置では、目標検出精度が、最終段の目標候補領域と目標モデルとの比較精度あるいは合致精度に依存するが、一般に、物体は3次元空間内で任意の方向を向いた任意の姿勢を取り得ることから、目標候補領域内における物体の観測方向と、目標モデルの認識方向とを合致させることは困難である。
【0005】
これらの不具合を解消する技術として、特許文献2には、平面の目標候補領域を複数の領域(面素)に分割し、目標候補領域内の面素と、目標モデル内の面素同士の比較を行う方法が開示されている。また特許文献3には、目標モデルをアフィン変換させ、目標候補領域中の目標の観測方向に合わせる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−197378号公報
【特許文献2】特開2005−196506号公報
【特許文献3】特開2001−319224号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「3D Building Model reconstruction from Multi-view Aerial Imageryand Lindar Data」、Photogrammetric Engineering & Remote Sensing, Vol. 77, No.2,pp.125-139, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献2に開示された技術では、面素が精度よく抽出されることを必要とし、信号対雑音比が低下して観測値に異常値が多く含まれる場合や、レーダとの相対距離が大きくなり、空間分解能が低下した場合などには、面素の抽出精度が劣化するという課題があった。さらに、目標が複雑な形状である場合には、考慮すべき面素の数が増加し、演算量が増加するという課題があった。また、特許文献3に開示された技術では、一般に3次元のアフィン変換によって観測方向を合致させるためには膨大な演算量を必要とするという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡便な方法で目標
候補領域と目標モデルとの比較を行うレーダ画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るレーダ画像処理装置は、電磁波の放射位置および距離画像を構成する画素値から反射点の高度値を画素値とする高度画像を生成する高度画像生成部と、高度画像生成部が生成した高度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、目標物を構成していると推定される画素を第1の目標候補画素として検出する高度閾値処理部と、電磁波の放射位置から反射点までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて強度画像を構成する画素値を補正する強度補正処理部と、強度補正処理部が補正した強度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、目標物を構成していると推定される画素を第2の目標候補画素として検出する強度閾値処理部と、高度閾値処理部が検出した第1の目標候補画素、および強度閾値処理部が検出した第2の目標候補画素のうち、あらかじめ設定された距離範囲内に存在し、且つあらかじめ設定された強度値を有する画素を抽出し、抽出された画素により形成される目標候補領域を生成する領域形成処理部と、領域形成処理部が生成した目標候補領域の3次元形状に基づき、目標候補領域が目標物であるか判定する領域判定処理部とを備え、領域判定処理部が、領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部と、領域設定処理部が設定した外接領域の形状およびサイズから、レーダによる目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から目標物を観測した場合の3次元形状と、目標候補領域の3次元形状とを比較し、目標候補領域が目標物であるか判定する目標判定処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、演算量を抑制したレーダ画像処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】距離画像および強度画像の一例を示す説明図である。
【図2】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の目標モデルおよび外接領域の一例を示す説明図である。
【図6】3次元空間内の物体の特徴付けを示す図である。
【図7】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部が設定する矩形領域の一例を示す図である。
【図8】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図11】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図14】実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図15】実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図16】実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の構成を示すブロック図である。
【図17】実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の処理内容を示す図である。
【図18】実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図20】実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図21】実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
まず、以下の説明で用いる距離画像および強度画像の一例を図1に示す。
図1(a)に示すように距離画像および強度画像は、2次元平面上で直交する2軸により格子状に分割した画像で構成される。また、図1(b)に示すように、レーダの方位角方向と距離方向を2軸とする画像で構成してもよい。なお以下の説明では、図1(a)で示した画像を例に説明を行い、図1(a)中に示した矢印方向を軸方向と称する。
【0014】
図2は、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
レーダ画像処理装置100は、強度補正処理部1、高度画像生成処理部2、強度閾値処理部3、高度閾値処理部4、領域形成処理部5および領域判定処理部6で構成されている。
強度補正処理部1は、距離画像から得られるレーダから反射物までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて強度情報の補正を行う。高度画像生成処理部2は、距離画像とレーダの高度角度情報を用いて観測領域(反射点)の3次元化を行い、高度画像を生成する。強度閾値処理部3は、強度補正処理部1において補正された強度情報に対して、強度閾値処理、すなわち、画素の強度値が所定閾値に対して大きいか小さいかの比較を行い、例えば、地面や雑音等の非検出対象の強度値を除き、検出対象の強度値を持つ画素(以下、第1の目標候補画素と称する)を抽出する。高度閾値処理部4は、画素毎に高度値による閾値処理、すなわち、画素の高度値が所定高度値に対して高いか低いかの比較を行い、例えば、地面や雑音等の非検出対象の高度値を除き、検出対象の高度値を持つ画素(以下、第2の目標候補画素と称する)を抽出する。
【0015】
領域形成処理部5は、強度閾値処理によって抽出された第1の目標候補画素と、高度閾値処理によって抽出された第2の目標候補画素を用いて、画素の値および位置関係から、同一領域と推定される画素同士をグルーピングして同一ラベルを付し、目標候補領域を設定する。領域判定処理部6は、領域形成処理部5で設定された各目標候補領域に対して、検出対象から作成した空間的なサイズで示した検出目標(以下、目標モデルと称する)との比較を行い、最終的に目標候補領域が検出対象であるか否かを判定する。
【0016】
図3は、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
領域判定処理部6は、領域設定処理部7、占有率算出処理部8および目標判定処理部9を備えている。領域設定処理部7は、目標候補領域に対して、所定の形状およびサイズの領域を設定する。占有率算出処理部8は、領域設定処理部7が設定した閉領域に含まれる全画素数に占める目標候補画素の割合を算出する。目標判定処理部9は、領域設定処理部7で設定した領域の領域パラメータ、占有率算出処理部8で算出した占有率、および目標モデルから、レーダが目標候補領域をどの方向から観測しているかを示す目標候補領域の観測方向およびサイズを推定し、目標候補領域が検出対象であるか否か判定を行う。さらに、目標候補領域が検出対象であると判定した場合には、目標検出情報を出力する。
【0017】
次に、図4から図7を参照しながら、領域判定処理部6の詳細な処理動作について説明を行う。
図4は、この実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図5から図7は実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。図5は領域設定処理部が設定する領域の一例を示す図であり、図6は3次元空間内の物体の特徴付けを示す図であり、図7は領域設定処理部が設定する矩形領域の一例を示す図である。
【0018】
図4のフローチャートに示すように、まず領域判定処理部6の領域設定処理部7に、目標候補領域情報が入力される(ステップST1)。ここで、目標候補領域とは、例えば地面や雑音等、検出対象の特性を持たない画素は除外された強度および高度を持つ画素で、かつ、空間的に同一物とみなせる近傍にあり、また、強度値としても同一物とみなせる値域にある画素の集合である。領域設定処理部7は、ステップST1で入力された目標候補領域に外接する所定形状の領域(以下、外接領域と称する)を選択する(ステップST2)。ステップST2で選択された外接領域によって切り出される画素の集合である、外接領域設定後の目標候補領域を占有率算出処理部8に出力し、外接領域の種別およびサイズ(以下、外接領域パラメータと称する)を目標判定処理部9に出力する(ステップST3)。
【0019】
領域設定処理部7が設定する領域の形状の一例を図5に示している。図5では、3種類の目標候補領域をモデルA,モデルB,モデルCとして示している。さらに、これらのモデルA,B,Cの外接領域として、図5(a)に矩形領域を適用した場合、図5(b)に楕円領域を適用した場合、図5(c)に三角形領域を適用した場合を示している。なお、目標候補領域の外接領域の形状は図5に示した形状に限定されるものではなく、目標候補領域の形状に最も合致する任意の形状を設定することが可能である。
【0020】
以下では、説明の容易化のため、図1(a)で示したように画像および軸方向を格子状のものとし、目標候補領域の外接領域を図5(a)で示した矩形領域として説明を行う。図6に、目標モデルMに矩形領域を外接させた場合を示している。一般に3次元空間内に物体は、幅、奥行き、高さの3つの値によって特徴づけることができるため、この領域設定処理部7においても、目標モデルMを幅(W)、奥行き(D)、高さ(H)の3つの値で規定する。
【0021】
さらに、図7に目標候補領域に矩形領域を外接させた場合の一例を示す。図7(a),(b),(c)は、同一の目標候補Pに対して設定される、それぞれ異なる目標候補領域N,N´,N´´を示している。レーダが所定の観測領域を計測した場合には、レーダと目標候補の位置関係は多様である。図7(a),(b),(c)に示す外接領域O,O´,O´´のX1,X2,X3およびY1,Y2,Y3は、それぞれ外接する目標候補領域N,N´,N´´の横軸方向の画素数と、レーダとの距離から算出した実距離を示している。
【0022】
次に、占有率算出処理部8は、ステップST3で出力された外接領域設定後の目標候補領域に基づいて、外接領域である矩形領域内の全画素に対する目標候補領域の画素数の割合である占有率を算出し、目標判定処理部9へ出力する(ステップST4)。なお、占有率は以下の式(1)に基づいて算出される。
占有率=(外接領域内の目標候補領域の画素数)/(外接領域内の全画素数)
・・・(1)
【0023】
目標判定処理部9は、外部から入力される目標モデルの各数値{W,D,H}と、ステップST3で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST5)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST5;YES)、目標判定処理部9は目標候補領域の観測方向を推定し(ステップST6)、さらに、ステップST4で入力された占有率と、実際の目標モデルの占有率とが、合致するか、あるいは両者の占有率の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST7)。両者の占有率が合致する、あるいは両者の占有率の差が閾値以下と判定された場合(ステップST7;YES)には、目標候補領域を検出対象とし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。
【0024】
一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST5;NO)、および占有率算出処理部8が算出した占有率と目標モデルの占有率との差が閾値より大きい場合(ステップST7;NO)には、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0025】
目標判定処理部9の動作を図6および図7(a)の例を参照しながら説明すると、外接する矩形領域Oの横軸方向の画素数X1と、目標モデルの各数値{W,D,H}とを比較し、画素数X1と目標モデルの各数値との差が閾値より大きい場合には、当該矩形領域O内の目標候補領域Nは検出対象でないと判断し、当該目標候補領域Nを棄却する。一方、画素数X1と、目標モデルの各数値との差が閾値以下であった場合には、次に外接する矩形領域Oの実距離Y1と、画素数X1と対応が取れた値以外の目標モデルの各数値{W,D,H}とを比較し、実距離Y1と目標モデルの各数値との差が閾値より大きい場合には、当該目標候補領域Nを棄却する。一方、実距離Y1と、目標モデルの各数値との差が閾値以下であった場合には、これまでの処理により画像上の目標候補領域Nの観測方向が推定される。
【0026】
目標候補領域Nの観測方向が推定されることにより、レーダが目標候補領域Nをどの方向から観測しているかが定まる。これにより、占有率算出処理部8が算出した占有率と、レーダの位置情報と目標モデルから算出される矩形領域Oに対する目標モデル占有率とが合致するか判断することができる。占有率算出処理部8が算出した占有率と、レーダの位置情報と目標モデルから算出した占有率とが合致する、あるいは両者の値の差が所定の閾値以下である場合には、目標候補領域Nが目標モデルと同一であるとみなし、目標候補領域Nを検出対象とする。その場合、推定した目標候補領域Nの観測方向を検出対象の観測方向とした目標検出情報として出力する。なお、両者の占有率の差が所定の閾値より大きい場合、目標候補領域Nは検出対象でないと判断し、目標候補領域Nを棄却して処理を終了する。
【0027】
なお、目標判定処理部9の目標候補領域Nが検出対象であるかの判定処理(ステップST5)においては、目標モデルの1つの数値に厳密に合致する必要はない。例えば、図7(c)の例では、目標モデルを図6に示した目標モデルMとすると、X3およびY3に厳密に合致する値は得られないが、目標モデルMが幾何的に変化した際に得られる値、すなわち、{W,D,H}の最小値より大きく、且つ{W,D,H}の最大値よりも小さい範囲であれば、ほぼ合致していると判断することが可能である。
【0028】
また、レーダ(の俯角)と目標候補領域の位置関係により、画像上に射影した長さを用いることもできる。なお、このように目標モデルの1つの数値に厳密に合致せず、目標モデルを幾何的に変換させた数値に合致する場合には、外接領域内に示す目標候補領域の画素の割合(占有率)が変化するため、幾何学的変化量と占有率とを対応付けて領域判定することにより、誤判定することなく、検出対象を判定することができる。
【0029】
以上のように、この実施の形態1によれば、目標候補領域に外接する所定の形状の領域を設定する領域設定処理部7と、目標候補領域に外接する所定の形状の領域中に占める目標候補領域の画素の割合である占有率を算出する占有率算出処理部8と、外接領域パラメータと目標モデルの3次元形状とから目標候補領域の観測方向を推定し、占有率算出処理部8が算出した占有率とレーダの位置情報と目標モデルから算出される占有率とから目標候補領域が検出対象であるか判定を行う目標判定処理部9とを備えるように構成したので、3次元の目標モデルを、例えばアフィン変換等の演算量の高い演算により変化させて合致させる場合に比べ、演算量を低減させることができ、画像処理を高速化することができる。
【0030】
また、この実施の形態1によれば、目標候補領域に、例えば矩形領域を外接するように構成したので、外接領域を表現するパラメータが減り、メモリ使用量を低減させることができる。さらに占有率算出処理部8による占有率の演算も容易になり、より演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0031】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、目標候補領域に外接する外接領域のサイズ、および当該外接領域に対する占有率に基づいて検出対象の観測方向および検出対象の有無を判定する構成を示したが、この実施の形態2では外接領域のサイズを変化させることにより検出対象の観測方向および検出対象の有無を判定する構成を示す。
【0032】
図8は、実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態2の領域判定処理部6aは、実施の形態1で示した占有率算出処理部8および目標判定処理部9に替えて、領域変化量設定処理部11、変化量算出処理部12、目標判定処理部9aを設けている。なお以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0033】
領域変化量設定処理部11は、目標候補領域に外接する外接領域のサイズを変化させる素数である領域変化量を設定する。変化量算出処理部12は、領域変化量設定処理部11が設定した領域変化量に基づいて外接領域を変化させ、変化させた際の目標候補領域の画素数の変化量を算出する。目標判定処理部9aは、外接領域を変化させた箇所における目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方法を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0034】
次に、図9および図10を参照しながら、領域判定処理部6aの詳細な処理動作について説明する。
図9は、この実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図10は、実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。なお、この実施の形態2においても、外接する領域を矩形として説明する。また、図9のフローチャートにおいて、実施の形態1の領域判定処理部6と同一のステップには図4で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0035】
領域設定処理部7は、ステップST1、ST2として、入力された目標候補領域情報に基づいて目標候補領域に外接する領域を選択し、外接領域設定後の目標候補領域を領域変化量設定処理部11に出力し、外接領域パラメータを目標判定処理部9aに出力する(ステップST3´)。領域変化量設定処理部11は、ステップST3で入力された外接領域設定後の目標候補領域を参照し、外接する矩形領域を画像の軸方向に変化させる画素数である領域変化量を設定する(ステップST11)。なお、領域変化量は、目標候補の特徴に基づいて設定される。変化量算出処理部12は、ステップST11で設定された領域変化量に基づいて、外接する矩形領域のサイズを変化させ、当該変化による目標候補領域の画素数の変化量を算出する(ステップST12)。
【0036】
図10に外接する矩形領域サイズを変化させた場合の一例を示している。図10(a)は目標候補領域Qおよび当該目標候補領域Qに外接する矩形の外接領域Rを示している。図10(b)−(e)には領域変化量をdXおよびdYとした場合の目標候補領域Qおよび外接領域Rの変化を示している。図10(b)は外接領域Rの上方をdY狭めた場合を示し、目標候補領域Qの上方の領域S1がこの場合に変化する目標候補画素である。同様に図10(c)は外接領域Rの右側をdX狭めた場合を示し、目標候補領域Qの右側の領域S2がこの場合に変化する目標候補画素である。図10(d)および図10(e)においても同様に、領域S3,S4が変化する目標候補画素を示している。
【0037】
目標判定処理部9aは、ステップST12で算出された目標候補領域の画素数の変化量が、目標候補の形状に依存していることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する(ステップST13)。さらに目標判定処理部9aは、ステップST13で推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、ステップST3´で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST14)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST14;YES)、目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST14;NO)、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0038】
以上のように、この実施の形態2によれば、目標候補領域の外接領域を変化させる領域変化量を設定する領域変化量設定処理部11と、領域変化量に基づいて外接領域のサイズを変化させて目標候補領域の画素数の変化量を算出する変化量算出処理部12と、当該目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9aとを備えるように構成したので、簡単な方法で目標候補領域の観測方向を推定することができ、検出対象の検出処理に係る演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0039】
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、目標候補領域に外接する外接領域のサイズを変化させ、その際の目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方向を推定するように構成しているため、例えば、検出対象の外側(シルエット)が特徴的な場合に有効である。一方、この実施の形態3では検出対象の内側が特徴的な場合に、目標候補領域に外接する外接領域の内部の目標候補画素に着目することにより、目標候補領域の観測方向を推定する構成について示す。
【0040】
図11は、実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態3の領域判定処理部6bは、実施の形態2で示した領域変化量設定処理部11、変化量算出処理部12および目標判定処理部9aに替えて抽出領域設定処理部21、目標候補領域抽出処理部22、目標候補画素算出処理部23および目標判定処理部9bを設けている。なお以下では、実施の形態1,2によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1,2で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0041】
抽出領域設定処理部21は、目標候補領域内から抽出する画素群を設定するための画像上の座標(以下、抽出領域パラメータ)を設定する。目標候補領域抽出処理部22は、抽出領域設定処理部21が設定した抽出領域パラメータに基づいて、目標候補領域から画素群を抽出する。目標候補画素算出処理部23は、目標候補領域抽出処理部22が抽出した画素群中の目標候補画素を算出する。目標判定処理部9bは、目標候補画素算出処理部23が算出した目標候補画素の画素数から目標候補領域の観測方法を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0042】
次に、図12および図13を参照しながら、領域判定処理部6bの詳細な処理動作について説明する。
図12は、この実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図13は、実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。なお、この実施の形態3においても、外接する領域を矩形として説明する。また、図12のフローチャートにおいて、実施の形態1,2の領域判定処理部6,6aと同一のステップには図4、図9で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0043】
領域設定処理部7は、ステップST1、ST2として、入力された目標候補領域情報に基づいて目標候補領域に外接する領域を選択し、外接領域設定後の目標候補領域を抽出領域設定処理部21に出力し、外接領域パラメータを目標判定処理部9bに出力する(ステップST3´´)。抽出領域設定処理部21は、ステップST3´´で入力された外接領域設定後の目標候補領域、および目標候補の形状に基づいて、抽出領域パラメータを設定する(ステップST21)。目標候補領域抽出処理部22は、抽出領域設定処理部21が設定した抽出領域パラメータに該当する領域を構成する画素群を抽出する(ステップST22)。
【0044】
図13に抽出領域パラメータに基づく領域の設定の一例を示している。図13(a)は目標候補領域Qおよび矩形の外接領域を示している。図13(b)−(d)では、抽出領域設定処理部21が設定する小領域L1,L2,L3,L4を示している。目標候補領域抽出処理部22は、この小領域L1,L2,L3,L4内に存在する画素群を抽出する。
【0045】
目標候補画素算出処理部23は、ステップST22で抽出された画素群から、目標候補領域を構成する画素群の画素数を算出する(ステップST23)。目標判定処理部9bは、ステップST23で算出された画素数に基づく目標候補領域内の画素群の分布状況から目標候補の形状が推定されることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する(ステップST24)。さらに目標判定処理部9bは、ステップST24で推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、ステップST3´´で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST14)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST14;YES)、目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST14;NO)、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0046】
以上のように、この実施の形態3によれば、目標候補領域抽出処理部22が抽出した画素群から目標候補領域を構成する画素群の画素数を算出する目標候補画素算出処理部23と、画素群の分布状況から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9bを備えるように構成したので、検出対象の内側が特徴的な場合に、簡単な方法で目標候補領域の観測方向を推定することができ、検出対象の検出処理に係る演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0047】
実施の形態4.
この実施の形態4では、比較的大きな領域で特徴が現れる目標候補について、外接領域をいくつかの領域に分割し、分割した外接領域内の目標候補領域の画素数に着目することにより目標候補の観測方向を推定する構成について示す。
図14は、実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態4の領域判定処理部6cは、実施の形態3で示した抽出領域設定処理部21、目標候補領域抽出処理部22、目標候補画素算出処理部23および目標判定処理部9bに替えて、領域分割設定処理部31、目標候補領域分割処理部32、目標候補画素算出処理部(分割領域目標候補画素算出処理部)23aおよび目標判定処理部9cを設けている。なお、以下では、実施の形態1−3によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1−3で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0048】
領域分割設定処理部31は、外接領域の分割数を示す分割方式を設定する。目標候補領域分割処理部32は、設定された分割方式に従って外接する領域を分割する。目標候補画素算出処理部23aは、分割した外接領域の各小領域内の目標候補領域の画素数を算出する。目標判定処理部9cは、各小領域内の目標候補領域の画素数から目標候補領域の観測方向を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0049】
次に、図15を参照しながら、領域判定処理部6cの詳細な処理動作について説明する。図15は、実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。図15(a)は、領域分割設定処理部31および目標候補領域分割処理部32が、目標候補領域Qおよび外接領域R、さらに外接領域Rを十字型に4つの小領域r1,r2,r3,r4に分割した場合を例に示している。目標候補画素数算出処理部23aは、分割後の4つの小領域r1,r2,r3,r4内の目標候補領域q1,q2,q3,q4の画素数を算出する。
【0050】
目標判定処理部9cは、各目標候補領域q1,q2,q3,q4の画素群の分布状況から目標候補の形状が推定されることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する。さらに目標判定処理部9cは、推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行い、両者の差が閾値以下である場合には目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力して処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合には、目標候補領域を棄却して処理を終了する。
【0051】
以上のように、この実施の形態4によれば、外接矩形を複数の領域に分割する領域分割設定処理部31および目標候補領域分割処理部32と、分割された小領域内の目標候補領域の画素数を算出する目標候補画素数算出処理部23aと、画素群の分布状況から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9cを備えるように構成したので、実施の形態2あるいは実施の形態3における画素列には現れにくい比較的大きな領域の特徴を有している場合に、検出対象を良好に検出することができる。
【0052】
実施の形態5.
この実施の形態5では、目標候補領域中に欠損などを含む場合や、画像全体に渡って小さな目標候補領域が点在する場合に、レーダと観測領域の位置関係から算出される検出対象の大きさ分の領域を仮定し、目標候補領域の選択を適切に行う構成について示す。
【0053】
図16は、図1で示したレーダ画像処理装置100の領域判定処理部6内の領域設定処理部7の構成を示すブロック図である。
領域設定処理部7は、領域パラメータ設定処理部41、領域仮設定処理部42、仮領域目標候補画素算出処理部43および外接領域設定処理部44を備えている。領域パラメータ設定処理部41は、領域形成処理部5から入力される目標候補領域、および目標モデルに基づいて領域パラメータを設定する。領域仮設定処理部42は、目標候補領域と同一平面の画像上の複数の地点に、領域パラメータ設定処理部41が設定した領域パラメータを有する領域を設定する。仮領域目標候補画素算出処理部43は、領域仮設定処理部42が設定した領域中に含まれる目標候補領域の画素数を算出する。外接領域設定処理部44は、複数の地点に設定した各領域内の目標候補領域の画素数を比較し、画素数が最も多い地点を外接領域を外接させる地点として選択し、外接領域パラメータおよび外接領域設定後の目標候補領域を出力する。
【0054】
次に、図17を参照しながら領域設定処理部7の詳細な処理動作について説明する。図17は、実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の処理内容を示す図である。
領域設定処理部7の領域パラメータ設定処理部41は、図17(a)に示すような、目標候補領域Qに外接する矩形の外接領域Rの領域パラメータを設定する。なお、設定する領域の大きさは、レーダと観測点の位置関係から、目標候補領域が示す画素数とする。次に、領域仮設定処理部42は、図17(b)に示すように、目標候補領域と同一平面の画像上の複数の地点に、領域パラメータ設定処理部41が設定した領域パラメータを有する領域を設定する。図17(b)では、領域R1,R2,R3の3つの領域を設定した場合を例に示している。
【0055】
仮領域目標候補画素算出処理部43は、領域仮設定処理部42が設定した複数の領域R1,R2,R3それぞれについて、目標候補領域の画素数を算出する。外接領域設定処理部44は、目標候補領域の画素数が最も多い領域の画像上の位置を、外接領域を設定する位置とし、外接領域設定後の目標候補領域、および外接領域パラメータを出力する。なお、図17(b)の例では、領域R2が最も多くの目標候補領域の画素数を有していることから、領域R2を外接領域の設定位置とする。
【0056】
以上のように、この実施の形態5によれば、領域パラメータを設定し、画像上に所定の領域を設定する領域パラメータ設定処理部41および領域仮設定処理部42と、領域内の目標候補領域の画素数を算出し、最も画素数が多い位置に外接領域を設定する仮領域目標候補画素算出処理部43および外接領域設定処理部44とを備えるように構成したので、目標候補領域中に欠損などを含む場合や、画像全体に渡って小さな目標候補領域が点在する場合でも、最も多い画素数を含む位置を目標候補領域として選択することができ、適切な目標候補領域の選択を実現することができる。
【0057】
なお、この実施の形態5で示した領域設定処理部7の構成は、実施の形態1から実施の形態4で示した領域設定処理部7に適用可能である。
【0058】
実施の形態6.
この実施の形態6では、目標候補の形状が未知である場合に、外接させる領域を複数設定し、最も占有率の高い領域を選択して外接させる構成について示す。
図18は、実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態6の領域判定処理部6dは、領域設定処理部7a、占有率算出処理部8a、領域選択処理部51および目標判定処理部9dで構成されている。なお、以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0059】
領域設定処理部7aは、目標候補領域に対して所定の形状およびサイズを有する領域を複数設定する。占有率算出処理部8aは、領域設定処理部7で設定した閉領域に含まれる全画素数に占める目標候補画素の占有率を算出する。占有率の算出は、上述した式(1)を用いて行う。領域選択処理部51は、占有率算出処理部8aが算出した各領域の占有率を参照し、最も高い占有率を有する場合の外接領域の形状およびサイズを選択し、外接領域パラメータとして出力する。
【0060】
目標判定処理部9dは、実施の形態1と同様に、外部から入力される目標モデルの各数値{W,D,H}と、最も高い占有率を有する外接領域の外接領域パラメータとから目標候補領域の観測方向を推定し、さらに占有率算出処理部8aが算出した占有率と、目標モデルの占有率とから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0061】
次に、図19を参照しながら、領域判定処理部6dの詳細な処理動作について説明する。図19は、実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
領域設定処理部7aでは、目標検出処理において用いる目標候補領域に外接する領域を設定する。ここで、設定する領域の形状および大きさは、レーダと観測点の位置関係および目標候補領域のサイズによって設定される。複数の領域が設定され、例えば、所定の形状の領域を所定角度ずつ回転させた形状を複数持つこともできる。
図19に示す例では、図19(a)に示す形状を有する目標候補領域に対する外接領域として、図19(b)は矩形領域R4、図19(c)は図19(b)と外接点を異ならせた矩形領域R5、図19(d)には三角形領域R6を示している。
【0062】
次に、占有率算出処理部8aは、領域設定処理部7aが設定した矩形領域R4、矩形領域R5、三角形領域R6の各領域毎に目標候補画素の占有率を算出する。図19の例では、(b)の矩形領域R4が最も高い占有率を有していることから、領域選択処理部51では当該矩形領域R4の形状およびサイズを選択する。最後に、目標判定処理部9dは、領域選択処理部51で選択された矩形領域R4、当該矩形領域R4の外接領域パラメータおよび目標モデルの各数値に基づいて、目標候補領域の観測方向を推定し、検出対象であるか否かの判定を行う。
【0063】
以上のように、この実施の形態6によれば、領域設定処理部7aが設定した複数の領域の目標候補画素の占有率を算出する占有率算出処理部8aと、目標候補画素の占有率が最も高い領域を選択する領域選択処理部51とを備えるように構成したので、最も合致する外接領域が不明な場合や、外接領域の種類が限定される場合などに、最も合致する形状を選択することができる。
【0064】
実施の形態7.
上述した実施の形態1から実施の形態6では、外接させる領域を設定する場合は、所定の高度閾値を満たす画素(目標候補領域)全てを対象としていたが、この実施の形態7では、高度毎に外接させる領域を選択する構成を示す。
図20は、実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態7の領域判定処理部6eは、高度設定処理部61、領域設定処理部7、占有率算出処理部8および目標判定処理部9eで構成されている。なお、以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0065】
高度設定処理部61は、外接領域を設定する高度を設定する。領域設定処理部7は、設された高度において外接領域を設定する。以降の処理は、実施の形態1と同様である。占有率算出処理部8は、領域設定処理部7において設定された外接領域における目標候補画素の占有率を算出する。目標判定処理部9eは、設定した高度における占有率と、目標モデル、外接領域パラメータを用いて目標候補領域の観測方向を推定し、目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報として出力する。
【0066】
次に、図21を参照しながら、領域判定処理部6eの処理について説明する。図21は、実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
図21(a)は、目標候補領域Qに対して2つの高度H1,H2で外接領域を設定した場合を示している。図21(b)は高度H1で外接領域を設定した場合を示し、外接領域R7は、X1,Y1で規定される領域で構成され、外接領域R8はX2,Y2で規定される領域で構成される。ここで、X1はW1に相当し、X2はW2に相当する。またY1およびY2はD1に相当する。
【0067】
以上のように、本実施の形態7によれば、外接領域を設定する高度を設定し、設定した高度に外接領域を設定する高度設定処理部61および領域制定処理部7と、外接領域における目標候補画素の占有率を算出する占有率算出処理部8とを備えるように構成したので、高度方向に特徴的な検出対象が検出し易くなる。また、複数の高度を考慮することで、目標候補領域中の検出対象の検出精度を向上させることができる。
【0068】
なお、この実施の形態7で示した構成は、実施の形態1から実施の形態4、および実施の形態6で示した領域判定処理部に適用可能である。
【0069】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 強度補正処理部、2 高度画像生成処理部、3 強度閾値処理部、4 高度閾値処理部、5 領域形成処理部、6,6a,6b,6c,6d,6e 領域判定処理部、7,7a 領域設定処理部、8,8a 占有率算出処理部、9,9a,9b,9c,9d,9e 目標判定処理部、11 領域変化量設定処理部、12 変化量算出処理部、21 抽出領域設定処理部、22 目標候補領域抽出処理部、23,23a 目標候補画素算出処理部、31 領域分割設定処理部、32 目標候補領域分割処理部、41 領域パラメータ設定処理部、42 領域仮設定処理部、43 仮領域目標候補画素算出処理部、44 外接領域設定処理部、51 領域選択処理部、61 高度設定処理部、100 レーダ画像処理装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元空間に電磁波を放射し、その反射波から得られる2次元画像から所定の物体を検出するレーダ画像処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、飛行中の移動体に搭載したレーダから地面方向である下方へ向けて電磁波を放射、若しくは、地上に設置したレーダから空中である上方に向けて電磁波を放射し、複数の遠隔点からの反射強度情報(光学的輝度情報)と、レーダ設置位置から各遠隔点までの電磁波の往復時間から得られる距離情報を要素(画素値)とする2次元画像から所定の物体を検出するレーダ画像処理装置が用いられている。
【0003】
このような従来のレーダ画像処理装置として、特許文献1および非特許文献1には、画素を、目標の候補となる画素(以下、目標候補画素と称する)と、地面や気象エコーといった目標の候補ではない画素に弁別した後、目標候補画素の集合(以下、目標候補領域と称する)を形成し、目標候補領域と、検出対象とする所定目標のサイズや形状といった3次元特徴量との比較を行い、検出対象であるか否かの判定を行うレーダ画像処理装置が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1および非特許文献1に代表されるレーダ画像処理装置では、目標検出精度が、最終段の目標候補領域と目標モデルとの比較精度あるいは合致精度に依存するが、一般に、物体は3次元空間内で任意の方向を向いた任意の姿勢を取り得ることから、目標候補領域内における物体の観測方向と、目標モデルの認識方向とを合致させることは困難である。
【0005】
これらの不具合を解消する技術として、特許文献2には、平面の目標候補領域を複数の領域(面素)に分割し、目標候補領域内の面素と、目標モデル内の面素同士の比較を行う方法が開示されている。また特許文献3には、目標モデルをアフィン変換させ、目標候補領域中の目標の観測方向に合わせる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−197378号公報
【特許文献2】特開2005−196506号公報
【特許文献3】特開2001−319224号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】「3D Building Model reconstruction from Multi-view Aerial Imageryand Lindar Data」、Photogrammetric Engineering & Remote Sensing, Vol. 77, No.2,pp.125-139, 2011.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した特許文献2に開示された技術では、面素が精度よく抽出されることを必要とし、信号対雑音比が低下して観測値に異常値が多く含まれる場合や、レーダとの相対距離が大きくなり、空間分解能が低下した場合などには、面素の抽出精度が劣化するという課題があった。さらに、目標が複雑な形状である場合には、考慮すべき面素の数が増加し、演算量が増加するという課題があった。また、特許文献3に開示された技術では、一般に3次元のアフィン変換によって観測方向を合致させるためには膨大な演算量を必要とするという課題があった。
【0009】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、簡便な方法で目標
候補領域と目標モデルとの比較を行うレーダ画像処理装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係るレーダ画像処理装置は、電磁波の放射位置および距離画像を構成する画素値から反射点の高度値を画素値とする高度画像を生成する高度画像生成部と、高度画像生成部が生成した高度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、目標物を構成していると推定される画素を第1の目標候補画素として検出する高度閾値処理部と、電磁波の放射位置から反射点までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて強度画像を構成する画素値を補正する強度補正処理部と、強度補正処理部が補正した強度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、目標物を構成していると推定される画素を第2の目標候補画素として検出する強度閾値処理部と、高度閾値処理部が検出した第1の目標候補画素、および強度閾値処理部が検出した第2の目標候補画素のうち、あらかじめ設定された距離範囲内に存在し、且つあらかじめ設定された強度値を有する画素を抽出し、抽出された画素により形成される目標候補領域を生成する領域形成処理部と、領域形成処理部が生成した目標候補領域の3次元形状に基づき、目標候補領域が目標物であるか判定する領域判定処理部とを備え、領域判定処理部が、領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部と、領域設定処理部が設定した外接領域の形状およびサイズから、レーダによる目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から目標物を観測した場合の3次元形状と、目標候補領域の3次元形状とを比較し、目標候補領域が目標物であるか判定する目標判定処理部とを備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、演算量を抑制したレーダ画像処理装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】距離画像および強度画像の一例を示す説明図である。
【図2】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の目標モデルおよび外接領域の一例を示す説明図である。
【図6】3次元空間内の物体の特徴付けを示す図である。
【図7】実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部が設定する矩形領域の一例を示す図である。
【図8】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図10】実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図11】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図12】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図14】実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図15】実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図16】実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の構成を示すブロック図である。
【図17】実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の処理内容を示す図である。
【図18】実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図19】実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【図20】実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
【図21】実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
まず、以下の説明で用いる距離画像および強度画像の一例を図1に示す。
図1(a)に示すように距離画像および強度画像は、2次元平面上で直交する2軸により格子状に分割した画像で構成される。また、図1(b)に示すように、レーダの方位角方向と距離方向を2軸とする画像で構成してもよい。なお以下の説明では、図1(a)で示した画像を例に説明を行い、図1(a)中に示した矢印方向を軸方向と称する。
【0014】
図2は、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成を示すブロック図である。
レーダ画像処理装置100は、強度補正処理部1、高度画像生成処理部2、強度閾値処理部3、高度閾値処理部4、領域形成処理部5および領域判定処理部6で構成されている。
強度補正処理部1は、距離画像から得られるレーダから反射物までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて強度情報の補正を行う。高度画像生成処理部2は、距離画像とレーダの高度角度情報を用いて観測領域(反射点)の3次元化を行い、高度画像を生成する。強度閾値処理部3は、強度補正処理部1において補正された強度情報に対して、強度閾値処理、すなわち、画素の強度値が所定閾値に対して大きいか小さいかの比較を行い、例えば、地面や雑音等の非検出対象の強度値を除き、検出対象の強度値を持つ画素(以下、第1の目標候補画素と称する)を抽出する。高度閾値処理部4は、画素毎に高度値による閾値処理、すなわち、画素の高度値が所定高度値に対して高いか低いかの比較を行い、例えば、地面や雑音等の非検出対象の高度値を除き、検出対象の高度値を持つ画素(以下、第2の目標候補画素と称する)を抽出する。
【0015】
領域形成処理部5は、強度閾値処理によって抽出された第1の目標候補画素と、高度閾値処理によって抽出された第2の目標候補画素を用いて、画素の値および位置関係から、同一領域と推定される画素同士をグルーピングして同一ラベルを付し、目標候補領域を設定する。領域判定処理部6は、領域形成処理部5で設定された各目標候補領域に対して、検出対象から作成した空間的なサイズで示した検出目標(以下、目標モデルと称する)との比較を行い、最終的に目標候補領域が検出対象であるか否かを判定する。
【0016】
図3は、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。
領域判定処理部6は、領域設定処理部7、占有率算出処理部8および目標判定処理部9を備えている。領域設定処理部7は、目標候補領域に対して、所定の形状およびサイズの領域を設定する。占有率算出処理部8は、領域設定処理部7が設定した閉領域に含まれる全画素数に占める目標候補画素の割合を算出する。目標判定処理部9は、領域設定処理部7で設定した領域の領域パラメータ、占有率算出処理部8で算出した占有率、および目標モデルから、レーダが目標候補領域をどの方向から観測しているかを示す目標候補領域の観測方向およびサイズを推定し、目標候補領域が検出対象であるか否か判定を行う。さらに、目標候補領域が検出対象であると判定した場合には、目標検出情報を出力する。
【0017】
次に、図4から図7を参照しながら、領域判定処理部6の詳細な処理動作について説明を行う。
図4は、この実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図5から図7は実施の形態1によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。図5は領域設定処理部が設定する領域の一例を示す図であり、図6は3次元空間内の物体の特徴付けを示す図であり、図7は領域設定処理部が設定する矩形領域の一例を示す図である。
【0018】
図4のフローチャートに示すように、まず領域判定処理部6の領域設定処理部7に、目標候補領域情報が入力される(ステップST1)。ここで、目標候補領域とは、例えば地面や雑音等、検出対象の特性を持たない画素は除外された強度および高度を持つ画素で、かつ、空間的に同一物とみなせる近傍にあり、また、強度値としても同一物とみなせる値域にある画素の集合である。領域設定処理部7は、ステップST1で入力された目標候補領域に外接する所定形状の領域(以下、外接領域と称する)を選択する(ステップST2)。ステップST2で選択された外接領域によって切り出される画素の集合である、外接領域設定後の目標候補領域を占有率算出処理部8に出力し、外接領域の種別およびサイズ(以下、外接領域パラメータと称する)を目標判定処理部9に出力する(ステップST3)。
【0019】
領域設定処理部7が設定する領域の形状の一例を図5に示している。図5では、3種類の目標候補領域をモデルA,モデルB,モデルCとして示している。さらに、これらのモデルA,B,Cの外接領域として、図5(a)に矩形領域を適用した場合、図5(b)に楕円領域を適用した場合、図5(c)に三角形領域を適用した場合を示している。なお、目標候補領域の外接領域の形状は図5に示した形状に限定されるものではなく、目標候補領域の形状に最も合致する任意の形状を設定することが可能である。
【0020】
以下では、説明の容易化のため、図1(a)で示したように画像および軸方向を格子状のものとし、目標候補領域の外接領域を図5(a)で示した矩形領域として説明を行う。図6に、目標モデルMに矩形領域を外接させた場合を示している。一般に3次元空間内に物体は、幅、奥行き、高さの3つの値によって特徴づけることができるため、この領域設定処理部7においても、目標モデルMを幅(W)、奥行き(D)、高さ(H)の3つの値で規定する。
【0021】
さらに、図7に目標候補領域に矩形領域を外接させた場合の一例を示す。図7(a),(b),(c)は、同一の目標候補Pに対して設定される、それぞれ異なる目標候補領域N,N´,N´´を示している。レーダが所定の観測領域を計測した場合には、レーダと目標候補の位置関係は多様である。図7(a),(b),(c)に示す外接領域O,O´,O´´のX1,X2,X3およびY1,Y2,Y3は、それぞれ外接する目標候補領域N,N´,N´´の横軸方向の画素数と、レーダとの距離から算出した実距離を示している。
【0022】
次に、占有率算出処理部8は、ステップST3で出力された外接領域設定後の目標候補領域に基づいて、外接領域である矩形領域内の全画素に対する目標候補領域の画素数の割合である占有率を算出し、目標判定処理部9へ出力する(ステップST4)。なお、占有率は以下の式(1)に基づいて算出される。
占有率=(外接領域内の目標候補領域の画素数)/(外接領域内の全画素数)
・・・(1)
【0023】
目標判定処理部9は、外部から入力される目標モデルの各数値{W,D,H}と、ステップST3で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST5)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST5;YES)、目標判定処理部9は目標候補領域の観測方向を推定し(ステップST6)、さらに、ステップST4で入力された占有率と、実際の目標モデルの占有率とが、合致するか、あるいは両者の占有率の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST7)。両者の占有率が合致する、あるいは両者の占有率の差が閾値以下と判定された場合(ステップST7;YES)には、目標候補領域を検出対象とし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。
【0024】
一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST5;NO)、および占有率算出処理部8が算出した占有率と目標モデルの占有率との差が閾値より大きい場合(ステップST7;NO)には、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0025】
目標判定処理部9の動作を図6および図7(a)の例を参照しながら説明すると、外接する矩形領域Oの横軸方向の画素数X1と、目標モデルの各数値{W,D,H}とを比較し、画素数X1と目標モデルの各数値との差が閾値より大きい場合には、当該矩形領域O内の目標候補領域Nは検出対象でないと判断し、当該目標候補領域Nを棄却する。一方、画素数X1と、目標モデルの各数値との差が閾値以下であった場合には、次に外接する矩形領域Oの実距離Y1と、画素数X1と対応が取れた値以外の目標モデルの各数値{W,D,H}とを比較し、実距離Y1と目標モデルの各数値との差が閾値より大きい場合には、当該目標候補領域Nを棄却する。一方、実距離Y1と、目標モデルの各数値との差が閾値以下であった場合には、これまでの処理により画像上の目標候補領域Nの観測方向が推定される。
【0026】
目標候補領域Nの観測方向が推定されることにより、レーダが目標候補領域Nをどの方向から観測しているかが定まる。これにより、占有率算出処理部8が算出した占有率と、レーダの位置情報と目標モデルから算出される矩形領域Oに対する目標モデル占有率とが合致するか判断することができる。占有率算出処理部8が算出した占有率と、レーダの位置情報と目標モデルから算出した占有率とが合致する、あるいは両者の値の差が所定の閾値以下である場合には、目標候補領域Nが目標モデルと同一であるとみなし、目標候補領域Nを検出対象とする。その場合、推定した目標候補領域Nの観測方向を検出対象の観測方向とした目標検出情報として出力する。なお、両者の占有率の差が所定の閾値より大きい場合、目標候補領域Nは検出対象でないと判断し、目標候補領域Nを棄却して処理を終了する。
【0027】
なお、目標判定処理部9の目標候補領域Nが検出対象であるかの判定処理(ステップST5)においては、目標モデルの1つの数値に厳密に合致する必要はない。例えば、図7(c)の例では、目標モデルを図6に示した目標モデルMとすると、X3およびY3に厳密に合致する値は得られないが、目標モデルMが幾何的に変化した際に得られる値、すなわち、{W,D,H}の最小値より大きく、且つ{W,D,H}の最大値よりも小さい範囲であれば、ほぼ合致していると判断することが可能である。
【0028】
また、レーダ(の俯角)と目標候補領域の位置関係により、画像上に射影した長さを用いることもできる。なお、このように目標モデルの1つの数値に厳密に合致せず、目標モデルを幾何的に変換させた数値に合致する場合には、外接領域内に示す目標候補領域の画素の割合(占有率)が変化するため、幾何学的変化量と占有率とを対応付けて領域判定することにより、誤判定することなく、検出対象を判定することができる。
【0029】
以上のように、この実施の形態1によれば、目標候補領域に外接する所定の形状の領域を設定する領域設定処理部7と、目標候補領域に外接する所定の形状の領域中に占める目標候補領域の画素の割合である占有率を算出する占有率算出処理部8と、外接領域パラメータと目標モデルの3次元形状とから目標候補領域の観測方向を推定し、占有率算出処理部8が算出した占有率とレーダの位置情報と目標モデルから算出される占有率とから目標候補領域が検出対象であるか判定を行う目標判定処理部9とを備えるように構成したので、3次元の目標モデルを、例えばアフィン変換等の演算量の高い演算により変化させて合致させる場合に比べ、演算量を低減させることができ、画像処理を高速化することができる。
【0030】
また、この実施の形態1によれば、目標候補領域に、例えば矩形領域を外接するように構成したので、外接領域を表現するパラメータが減り、メモリ使用量を低減させることができる。さらに占有率算出処理部8による占有率の演算も容易になり、より演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0031】
実施の形態2.
上述した実施の形態1では、目標候補領域に外接する外接領域のサイズ、および当該外接領域に対する占有率に基づいて検出対象の観測方向および検出対象の有無を判定する構成を示したが、この実施の形態2では外接領域のサイズを変化させることにより検出対象の観測方向および検出対象の有無を判定する構成を示す。
【0032】
図8は、実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態2の領域判定処理部6aは、実施の形態1で示した占有率算出処理部8および目標判定処理部9に替えて、領域変化量設定処理部11、変化量算出処理部12、目標判定処理部9aを設けている。なお以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0033】
領域変化量設定処理部11は、目標候補領域に外接する外接領域のサイズを変化させる素数である領域変化量を設定する。変化量算出処理部12は、領域変化量設定処理部11が設定した領域変化量に基づいて外接領域を変化させ、変化させた際の目標候補領域の画素数の変化量を算出する。目標判定処理部9aは、外接領域を変化させた箇所における目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方法を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0034】
次に、図9および図10を参照しながら、領域判定処理部6aの詳細な処理動作について説明する。
図9は、この実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図10は、実施の形態2によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。なお、この実施の形態2においても、外接する領域を矩形として説明する。また、図9のフローチャートにおいて、実施の形態1の領域判定処理部6と同一のステップには図4で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0035】
領域設定処理部7は、ステップST1、ST2として、入力された目標候補領域情報に基づいて目標候補領域に外接する領域を選択し、外接領域設定後の目標候補領域を領域変化量設定処理部11に出力し、外接領域パラメータを目標判定処理部9aに出力する(ステップST3´)。領域変化量設定処理部11は、ステップST3で入力された外接領域設定後の目標候補領域を参照し、外接する矩形領域を画像の軸方向に変化させる画素数である領域変化量を設定する(ステップST11)。なお、領域変化量は、目標候補の特徴に基づいて設定される。変化量算出処理部12は、ステップST11で設定された領域変化量に基づいて、外接する矩形領域のサイズを変化させ、当該変化による目標候補領域の画素数の変化量を算出する(ステップST12)。
【0036】
図10に外接する矩形領域サイズを変化させた場合の一例を示している。図10(a)は目標候補領域Qおよび当該目標候補領域Qに外接する矩形の外接領域Rを示している。図10(b)−(e)には領域変化量をdXおよびdYとした場合の目標候補領域Qおよび外接領域Rの変化を示している。図10(b)は外接領域Rの上方をdY狭めた場合を示し、目標候補領域Qの上方の領域S1がこの場合に変化する目標候補画素である。同様に図10(c)は外接領域Rの右側をdX狭めた場合を示し、目標候補領域Qの右側の領域S2がこの場合に変化する目標候補画素である。図10(d)および図10(e)においても同様に、領域S3,S4が変化する目標候補画素を示している。
【0037】
目標判定処理部9aは、ステップST12で算出された目標候補領域の画素数の変化量が、目標候補の形状に依存していることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する(ステップST13)。さらに目標判定処理部9aは、ステップST13で推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、ステップST3´で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST14)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST14;YES)、目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST14;NO)、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0038】
以上のように、この実施の形態2によれば、目標候補領域の外接領域を変化させる領域変化量を設定する領域変化量設定処理部11と、領域変化量に基づいて外接領域のサイズを変化させて目標候補領域の画素数の変化量を算出する変化量算出処理部12と、当該目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9aとを備えるように構成したので、簡単な方法で目標候補領域の観測方向を推定することができ、検出対象の検出処理に係る演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0039】
実施の形態3.
上述した実施の形態2では、目標候補領域に外接する外接領域のサイズを変化させ、その際の目標候補領域の画素数の変化量から目標候補領域の観測方向を推定するように構成しているため、例えば、検出対象の外側(シルエット)が特徴的な場合に有効である。一方、この実施の形態3では検出対象の内側が特徴的な場合に、目標候補領域に外接する外接領域の内部の目標候補画素に着目することにより、目標候補領域の観測方向を推定する構成について示す。
【0040】
図11は、実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態3の領域判定処理部6bは、実施の形態2で示した領域変化量設定処理部11、変化量算出処理部12および目標判定処理部9aに替えて抽出領域設定処理部21、目標候補領域抽出処理部22、目標候補画素算出処理部23および目標判定処理部9bを設けている。なお以下では、実施の形態1,2によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1,2で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0041】
抽出領域設定処理部21は、目標候補領域内から抽出する画素群を設定するための画像上の座標(以下、抽出領域パラメータ)を設定する。目標候補領域抽出処理部22は、抽出領域設定処理部21が設定した抽出領域パラメータに基づいて、目標候補領域から画素群を抽出する。目標候補画素算出処理部23は、目標候補領域抽出処理部22が抽出した画素群中の目標候補画素を算出する。目標判定処理部9bは、目標候補画素算出処理部23が算出した目標候補画素の画素数から目標候補領域の観測方法を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0042】
次に、図12および図13を参照しながら、領域判定処理部6bの詳細な処理動作について説明する。
図12は、この実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の動作を示すフローチャートである。図13は、実施の形態3によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。なお、この実施の形態3においても、外接する領域を矩形として説明する。また、図12のフローチャートにおいて、実施の形態1,2の領域判定処理部6,6aと同一のステップには図4、図9で使用した符号と同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0043】
領域設定処理部7は、ステップST1、ST2として、入力された目標候補領域情報に基づいて目標候補領域に外接する領域を選択し、外接領域設定後の目標候補領域を抽出領域設定処理部21に出力し、外接領域パラメータを目標判定処理部9bに出力する(ステップST3´´)。抽出領域設定処理部21は、ステップST3´´で入力された外接領域設定後の目標候補領域、および目標候補の形状に基づいて、抽出領域パラメータを設定する(ステップST21)。目標候補領域抽出処理部22は、抽出領域設定処理部21が設定した抽出領域パラメータに該当する領域を構成する画素群を抽出する(ステップST22)。
【0044】
図13に抽出領域パラメータに基づく領域の設定の一例を示している。図13(a)は目標候補領域Qおよび矩形の外接領域を示している。図13(b)−(d)では、抽出領域設定処理部21が設定する小領域L1,L2,L3,L4を示している。目標候補領域抽出処理部22は、この小領域L1,L2,L3,L4内に存在する画素群を抽出する。
【0045】
目標候補画素算出処理部23は、ステップST22で抽出された画素群から、目標候補領域を構成する画素群の画素数を算出する(ステップST23)。目標判定処理部9bは、ステップST23で算出された画素数に基づく目標候補領域内の画素群の分布状況から目標候補の形状が推定されることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する(ステップST24)。さらに目標判定処理部9bは、ステップST24で推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、ステップST3´´で出力された外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行う(ステップST14)。両者の差が閾値以下である場合(ステップST14;YES)、目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力し(ステップST8)、処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合(ステップST14;NO)、目標候補領域を棄却し(ステップST9)、処理を終了する。
【0046】
以上のように、この実施の形態3によれば、目標候補領域抽出処理部22が抽出した画素群から目標候補領域を構成する画素群の画素数を算出する目標候補画素算出処理部23と、画素群の分布状況から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9bを備えるように構成したので、検出対象の内側が特徴的な場合に、簡単な方法で目標候補領域の観測方向を推定することができ、検出対象の検出処理に係る演算量が低減され、目標検出処理を高速化することができる。
【0047】
実施の形態4.
この実施の形態4では、比較的大きな領域で特徴が現れる目標候補について、外接領域をいくつかの領域に分割し、分割した外接領域内の目標候補領域の画素数に着目することにより目標候補の観測方向を推定する構成について示す。
図14は、実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態4の領域判定処理部6cは、実施の形態3で示した抽出領域設定処理部21、目標候補領域抽出処理部22、目標候補画素算出処理部23および目標判定処理部9bに替えて、領域分割設定処理部31、目標候補領域分割処理部32、目標候補画素算出処理部(分割領域目標候補画素算出処理部)23aおよび目標判定処理部9cを設けている。なお、以下では、実施の形態1−3によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1−3で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0048】
領域分割設定処理部31は、外接領域の分割数を示す分割方式を設定する。目標候補領域分割処理部32は、設定された分割方式に従って外接する領域を分割する。目標候補画素算出処理部23aは、分割した外接領域の各小領域内の目標候補領域の画素数を算出する。目標判定処理部9cは、各小領域内の目標候補領域の画素数から目標候補領域の観測方向を推定し、目標モデルの3次元形状と外接領域パラメータから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0049】
次に、図15を参照しながら、領域判定処理部6cの詳細な処理動作について説明する。図15は、実施の形態4によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。図15(a)は、領域分割設定処理部31および目標候補領域分割処理部32が、目標候補領域Qおよび外接領域R、さらに外接領域Rを十字型に4つの小領域r1,r2,r3,r4に分割した場合を例に示している。目標候補画素数算出処理部23aは、分割後の4つの小領域r1,r2,r3,r4内の目標候補領域q1,q2,q3,q4の画素数を算出する。
【0050】
目標判定処理部9cは、各目標候補領域q1,q2,q3,q4の画素群の分布状況から目標候補の形状が推定されることを用いて目標候補領域の観測方向を推定する。さらに目標判定処理部9cは、推定された観測方向から目標モデルを観測した場合の各数値{W,D,H}と、外接領域パラメータとを比較し、両者の差が閾値以下であるか否か判定を行い、両者の差が閾値以下である場合には目標候補領域を検出対象とみなし、目標検出情報を出力して処理を終了する。一方、目標モデルの各数値と外接領域パラメータとの差が閾値より大きい場合には、目標候補領域を棄却して処理を終了する。
【0051】
以上のように、この実施の形態4によれば、外接矩形を複数の領域に分割する領域分割設定処理部31および目標候補領域分割処理部32と、分割された小領域内の目標候補領域の画素数を算出する目標候補画素数算出処理部23aと、画素群の分布状況から目標候補領域の観測方向を推定する目標判定処理部9cを備えるように構成したので、実施の形態2あるいは実施の形態3における画素列には現れにくい比較的大きな領域の特徴を有している場合に、検出対象を良好に検出することができる。
【0052】
実施の形態5.
この実施の形態5では、目標候補領域中に欠損などを含む場合や、画像全体に渡って小さな目標候補領域が点在する場合に、レーダと観測領域の位置関係から算出される検出対象の大きさ分の領域を仮定し、目標候補領域の選択を適切に行う構成について示す。
【0053】
図16は、図1で示したレーダ画像処理装置100の領域判定処理部6内の領域設定処理部7の構成を示すブロック図である。
領域設定処理部7は、領域パラメータ設定処理部41、領域仮設定処理部42、仮領域目標候補画素算出処理部43および外接領域設定処理部44を備えている。領域パラメータ設定処理部41は、領域形成処理部5から入力される目標候補領域、および目標モデルに基づいて領域パラメータを設定する。領域仮設定処理部42は、目標候補領域と同一平面の画像上の複数の地点に、領域パラメータ設定処理部41が設定した領域パラメータを有する領域を設定する。仮領域目標候補画素算出処理部43は、領域仮設定処理部42が設定した領域中に含まれる目標候補領域の画素数を算出する。外接領域設定処理部44は、複数の地点に設定した各領域内の目標候補領域の画素数を比較し、画素数が最も多い地点を外接領域を外接させる地点として選択し、外接領域パラメータおよび外接領域設定後の目標候補領域を出力する。
【0054】
次に、図17を参照しながら領域設定処理部7の詳細な処理動作について説明する。図17は、実施の形態5によるレーダ画像処理装置の領域設定処理部の処理内容を示す図である。
領域設定処理部7の領域パラメータ設定処理部41は、図17(a)に示すような、目標候補領域Qに外接する矩形の外接領域Rの領域パラメータを設定する。なお、設定する領域の大きさは、レーダと観測点の位置関係から、目標候補領域が示す画素数とする。次に、領域仮設定処理部42は、図17(b)に示すように、目標候補領域と同一平面の画像上の複数の地点に、領域パラメータ設定処理部41が設定した領域パラメータを有する領域を設定する。図17(b)では、領域R1,R2,R3の3つの領域を設定した場合を例に示している。
【0055】
仮領域目標候補画素算出処理部43は、領域仮設定処理部42が設定した複数の領域R1,R2,R3それぞれについて、目標候補領域の画素数を算出する。外接領域設定処理部44は、目標候補領域の画素数が最も多い領域の画像上の位置を、外接領域を設定する位置とし、外接領域設定後の目標候補領域、および外接領域パラメータを出力する。なお、図17(b)の例では、領域R2が最も多くの目標候補領域の画素数を有していることから、領域R2を外接領域の設定位置とする。
【0056】
以上のように、この実施の形態5によれば、領域パラメータを設定し、画像上に所定の領域を設定する領域パラメータ設定処理部41および領域仮設定処理部42と、領域内の目標候補領域の画素数を算出し、最も画素数が多い位置に外接領域を設定する仮領域目標候補画素算出処理部43および外接領域設定処理部44とを備えるように構成したので、目標候補領域中に欠損などを含む場合や、画像全体に渡って小さな目標候補領域が点在する場合でも、最も多い画素数を含む位置を目標候補領域として選択することができ、適切な目標候補領域の選択を実現することができる。
【0057】
なお、この実施の形態5で示した領域設定処理部7の構成は、実施の形態1から実施の形態4で示した領域設定処理部7に適用可能である。
【0058】
実施の形態6.
この実施の形態6では、目標候補の形状が未知である場合に、外接させる領域を複数設定し、最も占有率の高い領域を選択して外接させる構成について示す。
図18は、実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態6の領域判定処理部6dは、領域設定処理部7a、占有率算出処理部8a、領域選択処理部51および目標判定処理部9dで構成されている。なお、以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0059】
領域設定処理部7aは、目標候補領域に対して所定の形状およびサイズを有する領域を複数設定する。占有率算出処理部8aは、領域設定処理部7で設定した閉領域に含まれる全画素数に占める目標候補画素の占有率を算出する。占有率の算出は、上述した式(1)を用いて行う。領域選択処理部51は、占有率算出処理部8aが算出した各領域の占有率を参照し、最も高い占有率を有する場合の外接領域の形状およびサイズを選択し、外接領域パラメータとして出力する。
【0060】
目標判定処理部9dは、実施の形態1と同様に、外部から入力される目標モデルの各数値{W,D,H}と、最も高い占有率を有する外接領域の外接領域パラメータとから目標候補領域の観測方向を推定し、さらに占有率算出処理部8aが算出した占有率と、目標モデルの占有率とから目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報を出力する。
【0061】
次に、図19を参照しながら、領域判定処理部6dの詳細な処理動作について説明する。図19は、実施の形態6によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
領域設定処理部7aでは、目標検出処理において用いる目標候補領域に外接する領域を設定する。ここで、設定する領域の形状および大きさは、レーダと観測点の位置関係および目標候補領域のサイズによって設定される。複数の領域が設定され、例えば、所定の形状の領域を所定角度ずつ回転させた形状を複数持つこともできる。
図19に示す例では、図19(a)に示す形状を有する目標候補領域に対する外接領域として、図19(b)は矩形領域R4、図19(c)は図19(b)と外接点を異ならせた矩形領域R5、図19(d)には三角形領域R6を示している。
【0062】
次に、占有率算出処理部8aは、領域設定処理部7aが設定した矩形領域R4、矩形領域R5、三角形領域R6の各領域毎に目標候補画素の占有率を算出する。図19の例では、(b)の矩形領域R4が最も高い占有率を有していることから、領域選択処理部51では当該矩形領域R4の形状およびサイズを選択する。最後に、目標判定処理部9dは、領域選択処理部51で選択された矩形領域R4、当該矩形領域R4の外接領域パラメータおよび目標モデルの各数値に基づいて、目標候補領域の観測方向を推定し、検出対象であるか否かの判定を行う。
【0063】
以上のように、この実施の形態6によれば、領域設定処理部7aが設定した複数の領域の目標候補画素の占有率を算出する占有率算出処理部8aと、目標候補画素の占有率が最も高い領域を選択する領域選択処理部51とを備えるように構成したので、最も合致する外接領域が不明な場合や、外接領域の種類が限定される場合などに、最も合致する形状を選択することができる。
【0064】
実施の形態7.
上述した実施の形態1から実施の形態6では、外接させる領域を設定する場合は、所定の高度閾値を満たす画素(目標候補領域)全てを対象としていたが、この実施の形態7では、高度毎に外接させる領域を選択する構成を示す。
図20は、実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の構成を示すブロック図である。実施の形態7の領域判定処理部6eは、高度設定処理部61、領域設定処理部7、占有率算出処理部8および目標判定処理部9eで構成されている。なお、以下では、実施の形態1によるレーダ画像処理装置の構成要素と同一または相当する部分には、実施の形態1で使用した符号と同一の符号を付して説明を省略または簡略化する。
【0065】
高度設定処理部61は、外接領域を設定する高度を設定する。領域設定処理部7は、設された高度において外接領域を設定する。以降の処理は、実施の形態1と同様である。占有率算出処理部8は、領域設定処理部7において設定された外接領域における目標候補画素の占有率を算出する。目標判定処理部9eは、設定した高度における占有率と、目標モデル、外接領域パラメータを用いて目標候補領域の観測方向を推定し、目標候補領域が検出対象であるか否かを判定し、目標検出情報として出力する。
【0066】
次に、図21を参照しながら、領域判定処理部6eの処理について説明する。図21は、実施の形態7によるレーダ画像処理装置の領域判定処理部の処理内容を示す図である。
図21(a)は、目標候補領域Qに対して2つの高度H1,H2で外接領域を設定した場合を示している。図21(b)は高度H1で外接領域を設定した場合を示し、外接領域R7は、X1,Y1で規定される領域で構成され、外接領域R8はX2,Y2で規定される領域で構成される。ここで、X1はW1に相当し、X2はW2に相当する。またY1およびY2はD1に相当する。
【0067】
以上のように、本実施の形態7によれば、外接領域を設定する高度を設定し、設定した高度に外接領域を設定する高度設定処理部61および領域制定処理部7と、外接領域における目標候補画素の占有率を算出する占有率算出処理部8とを備えるように構成したので、高度方向に特徴的な検出対象が検出し易くなる。また、複数の高度を考慮することで、目標候補領域中の検出対象の検出精度を向上させることができる。
【0068】
なお、この実施の形態7で示した構成は、実施の形態1から実施の形態4、および実施の形態6で示した領域判定処理部に適用可能である。
【0069】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 強度補正処理部、2 高度画像生成処理部、3 強度閾値処理部、4 高度閾値処理部、5 領域形成処理部、6,6a,6b,6c,6d,6e 領域判定処理部、7,7a 領域設定処理部、8,8a 占有率算出処理部、9,9a,9b,9c,9d,9e 目標判定処理部、11 領域変化量設定処理部、12 変化量算出処理部、21 抽出領域設定処理部、22 目標候補領域抽出処理部、23,23a 目標候補画素算出処理部、31 領域分割設定処理部、32 目標候補領域分割処理部、41 領域パラメータ設定処理部、42 領域仮設定処理部、43 仮領域目標候補画素算出処理部、44 外接領域設定処理部、51 領域選択処理部、61 高度設定処理部、100 レーダ画像処理装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダから空間に向けて放射された電磁波を反射する反射点までの距離値を画素値とする距離画像と、前記反射点における信号強度または輝度を画素値とする強度画像とを取得し、前記距離画像および前記強度画像を用いて前記反射点に位置する目標物を検出するレーダ画像処理装置において、
前記電磁波の放射位置および前記距離画像を構成する画素値から前記反射点の高度値を画素値とする高度画像を生成する高度画像生成部と、
前記高度画像生成部が生成した高度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記目標物を構成していると推定される画素を第1の目標候補画素として検出する高度閾値処理部と、
前記電磁波の放射位置から前記反射点までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて前記強度画像を構成する画素値を補正する強度補正処理部と、
前記強度補正処理部が補正した強度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記目標物を構成していると推定される画素を第2の目標候補画素として検出する強度閾値処理部と、
前記高度閾値処理部が検出した第1の目標候補画素、および前記強度閾値処理部が検出した第2の目標候補画素のうち、あらかじめ設定された距離範囲内に存在し、且つあらかじめ設定された強度値を有する画素を抽出し、抽出された画素により形成される目標候補領域を生成する領域形成処理部と、
前記領域形成処理部が生成した目標候補領域の3次元形状に基づき、前記目標候補領域が前記目標物であるか判定する領域判定処理部とを備え、
前記領域判定処理部は、前記領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部と、
前記領域設定処理部が設定した外接領域の形状およびサイズから、前記レーダによる前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合の3次元形状と、前記目標候補領域の3次元形状とを比較し、前記目標候補領域が前記目標物であるか判定する目標判定処理部とを備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。
【請求項2】
前記領域判定処理部は、
前記領域設定処理部が設定した外接領域の全画素に対して、前記外接領域内の目標候補領域の画素が占める割合である第1の占有率を算出する占有率算出処理部を備え、
前記目標判定処理部は、前記外接領域の形状およびサイズと、前記目標物の3次元形状とに基づいて前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合に、前記外接領域の全画素に対して前記目標物の画素が占める割合である第2の占有率を算出し、前記第1の占有率と前記第2の占有率との比較結果に基づいて前記目標候補領域が前記目標物であるか判定することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項3】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域の領域サイズを変化させ、当該領域サイズの変化により生じる前記目標候補領域の画素数の変化量を算出する変化量算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記変化量算出処理部が算出した変化量から前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項4】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域内に設定した所定サイズの領域内の画素を抽出する目標候補領域抽出処理部と、
目標候補領域抽出処理部が抽出した画素のうち、前記目標候補領域を構成する画素を算出する目標候補画素算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記目標候補画素算出処理部が算出した目標候補領域内の画素の分布から前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項5】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域を所定数に分割する目標候補領域分割処理部と、
前記目標候補領域分割処理部が分割した各分割外接領域内の目標候補領域の画素を算出する分割領域目標候補画素算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記分割領域目標候補画素算出処理部が算出した各分割外接領域内の目標候補領域の画素の分布を比較し、前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項6】
前記領域設定処理部は、
前記領域形成処理部が生成した目標候補領域と同一平面上の複数の地点に、同一の領域サイズを有する領域を設定する領域仮設定処理部と、
前記領域仮設定処理部が設定した複数の領域に含まれる目標候補領域の画素を算出する仮領域目標候補画素算出処理部と、
前記仮領域目標候補画素算出処理部が算出した画素を参照し、前記領域仮設定処理部が設定した複数の領域のうち最も大きい画素数を有する領域を選択し、前記外接領域に設定する外接領域設定処理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項7】
前記領域設定処理部は、前記領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する複数の領域を設定し、
前記占有率算出処理部は、前記領域設定処理部が設定した複数の領域について、前記領域の全画素に対して、前記領域内の目標候補領域の画素が占める割合である第1の占有率を算出し、
前記占有率算出処理部が算出した第1の占有率を参照し、最も大きい占有率を有する領域を選択して前記外接領域に設定する領域選択処理部を備え、
前記目標判定処理部は、前記外接領域の形状およびサイズと、前記目標物の3次元形状とに基づいて前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合に、前記外接領域の全画素に対して前記目標物の画素が占める割合である第2の占有率を算出し、前記第1の占有率と前記第2の占有率との比較結果に基づいて前記目標候補領域が前記目標物であるか判定することを特徴とする請求項2記載のレーダ画像処理装置。
【請求項8】
前記領域判定処理部は、
前記目標候補領域に前記外接領域を外接させる高度を設定する高度設定処理部を備え、
前記領域設定処理部は、前記高度設定処理部が設定した高度毎に前記外接領域を設定することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項1】
レーダから空間に向けて放射された電磁波を反射する反射点までの距離値を画素値とする距離画像と、前記反射点における信号強度または輝度を画素値とする強度画像とを取得し、前記距離画像および前記強度画像を用いて前記反射点に位置する目標物を検出するレーダ画像処理装置において、
前記電磁波の放射位置および前記距離画像を構成する画素値から前記反射点の高度値を画素値とする高度画像を生成する高度画像生成部と、
前記高度画像生成部が生成した高度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記目標物を構成していると推定される画素を第1の目標候補画素として検出する高度閾値処理部と、
前記電磁波の放射位置から前記反射点までの距離に応じて生じる強度減衰量を用いて前記強度画像を構成する画素値を補正する強度補正処理部と、
前記強度補正処理部が補正した強度画像の各画素値とあらかじめ設定した閾値とを比較し、前記目標物を構成していると推定される画素を第2の目標候補画素として検出する強度閾値処理部と、
前記高度閾値処理部が検出した第1の目標候補画素、および前記強度閾値処理部が検出した第2の目標候補画素のうち、あらかじめ設定された距離範囲内に存在し、且つあらかじめ設定された強度値を有する画素を抽出し、抽出された画素により形成される目標候補領域を生成する領域形成処理部と、
前記領域形成処理部が生成した目標候補領域の3次元形状に基づき、前記目標候補領域が前記目標物であるか判定する領域判定処理部とを備え、
前記領域判定処理部は、前記領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する外接領域を設定する領域設定処理部と、
前記領域設定処理部が設定した外接領域の形状およびサイズから、前記レーダによる前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合の3次元形状と、前記目標候補領域の3次元形状とを比較し、前記目標候補領域が前記目標物であるか判定する目標判定処理部とを備えたことを特徴とするレーダ画像処理装置。
【請求項2】
前記領域判定処理部は、
前記領域設定処理部が設定した外接領域の全画素に対して、前記外接領域内の目標候補領域の画素が占める割合である第1の占有率を算出する占有率算出処理部を備え、
前記目標判定処理部は、前記外接領域の形状およびサイズと、前記目標物の3次元形状とに基づいて前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合に、前記外接領域の全画素に対して前記目標物の画素が占める割合である第2の占有率を算出し、前記第1の占有率と前記第2の占有率との比較結果に基づいて前記目標候補領域が前記目標物であるか判定することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項3】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域の領域サイズを変化させ、当該領域サイズの変化により生じる前記目標候補領域の画素数の変化量を算出する変化量算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記変化量算出処理部が算出した変化量から前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項4】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域内に設定した所定サイズの領域内の画素を抽出する目標候補領域抽出処理部と、
目標候補領域抽出処理部が抽出した画素のうち、前記目標候補領域を構成する画素を算出する目標候補画素算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記目標候補画素算出処理部が算出した目標候補領域内の画素の分布から前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項5】
前記領域判定処理部は、
前記外接領域を所定数に分割する目標候補領域分割処理部と、
前記目標候補領域分割処理部が分割した各分割外接領域内の目標候補領域の画素を算出する分割領域目標候補画素算出処理部とを備え、
前記目標判定処理部は、前記分割領域目標候補画素算出処理部が算出した各分割外接領域内の目標候補領域の画素の分布を比較し、前記目標候補領域の観測方向を算出することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項6】
前記領域設定処理部は、
前記領域形成処理部が生成した目標候補領域と同一平面上の複数の地点に、同一の領域サイズを有する領域を設定する領域仮設定処理部と、
前記領域仮設定処理部が設定した複数の領域に含まれる目標候補領域の画素を算出する仮領域目標候補画素算出処理部と、
前記仮領域目標候補画素算出処理部が算出した画素を参照し、前記領域仮設定処理部が設定した複数の領域のうち最も大きい画素数を有する領域を選択し、前記外接領域に設定する外接領域設定処理部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【請求項7】
前記領域設定処理部は、前記領域形成処理部が生成した目標候補領域に外接する複数の領域を設定し、
前記占有率算出処理部は、前記領域設定処理部が設定した複数の領域について、前記領域の全画素に対して、前記領域内の目標候補領域の画素が占める割合である第1の占有率を算出し、
前記占有率算出処理部が算出した第1の占有率を参照し、最も大きい占有率を有する領域を選択して前記外接領域に設定する領域選択処理部を備え、
前記目標判定処理部は、前記外接領域の形状およびサイズと、前記目標物の3次元形状とに基づいて前記目標候補領域の観測方向を算出し、算出した観測方向から前記目標物を観測した場合に、前記外接領域の全画素に対して前記目標物の画素が占める割合である第2の占有率を算出し、前記第1の占有率と前記第2の占有率との比較結果に基づいて前記目標候補領域が前記目標物であるか判定することを特徴とする請求項2記載のレーダ画像処理装置。
【請求項8】
前記領域判定処理部は、
前記目標候補領域に前記外接領域を外接させる高度を設定する高度設定処理部を備え、
前記領域設定処理部は、前記高度設定処理部が設定した高度毎に前記外接領域を設定することを特徴とする請求項1記載のレーダ画像処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2013−104733(P2013−104733A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247638(P2011−247638)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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