説明

ロスコビチン用マーカー

本発明は、ロスコビチンとして知られる候補物質2,6,9−三置換プリンを含むCDKI用の薬力学的マーカー(pharmacodynamic markers)に関する。これらのマーカーの同定によって、インビトロ及びインビボの両方において、ロスコビチン様活性の簡便な検出が容易となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤用の薬力学的マーカー(pharmacodynamic markers)に関する。特に、本発明は、ロスコビチン(CYC202)として知られる候補物質2,6,9−三置換プリン用及びロスコビチン様化合物用の薬力学的マーカーに関する。これらのマーカーの同定によって、インビトロ及びインビボの両方において、ロスコビチン様活性の簡便な検出が容易となる。
【背景技術】
【0002】
サイクリン依存性キナーゼ阻害剤(CDKI)のファミリーの増加が確認されている。これらの阻害剤は多様なCDKファミリーメンバーに対して様々な活性を有する。通常、これらの阻害剤はCDKのATP結合ポケットに結合する。
【0003】
2,6,9−三置換プリンは、癌や白血病等の増殖性疾患の治療に使用されるCDKIとしての有望性を示す化合物の、よく研究されたクラスとなりつつある。Fischer P & Lane D (Curr Med Chem (2000), vol 7, page 1213)は、CDKIの起源及びその発見された活性の詳細な検討を示している。特に、ロスコビチンは、CDK1、CDK2、CDK5、CDK7及びCDK9を阻害し、G1後期/S期初期及びM期に細胞サイクルの進行を阻止することを証明されてきた。R−ロスコビチンとして知られる、化合物(R)−2−[(1−エチル−2−ヒドロキシエチル)アミノ]−6−ベンジルアミノ−9−イソプロピルプリンは、国際公開公報第97/20842号(Meijer L et al)に初めて記載されてから、有望な抗癌剤候補として開発されてきた。
【0004】
このような薬剤の開発においては、投与の際の実際の作用機序を理解し、毒性及び投与に関する監督機関の要件を満たすために、薬物動態学的調査及び薬力学的調査を広範囲に実施しなくてはならない。これらの分析は、細胞サイクル制御系に関する複雑な生化学や、候補薬の活性の特定の機序を確認するために薬剤の臨床開発期間前に実施される詳細な研究に基づいている。
【0005】
薬物動態学的調査及び薬力学的調査において特に有利な点は、候補薬に対応する特異的な活性のマーカーの同定である。
【0006】
本発明は、表1〜4のいずれかに記載された多くの遺伝子が、サイクリン依存性キナーゼ阻害剤、ロスコビチンの活性に対して、特異的な薬力学的(PD)マーカーとして作用するという知見に関する。特に、記載された遺伝子の発現は、ロスコビチン処理後に、アップレギュレート又はダウンレギュレートされる。
【非特許文献1】Fischer P & Lane D (Curr Med Chem (2000), vol 7, page
【特許文献1】国際公開公報第97/20842号(Meijer L et al) したがって、本発明の第一の態様は、(i)細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにCDKIを投与するステップ、(ii)処理した及び未処理の細胞、動物又はヒト由来のサンプルにおいて、遺伝子発現を測定するステップ、及び(iii)未処理のサンプルと比較して、処理したサンプルにおける、表1〜4のいずれかに記載された少なくとも1つの遺伝子の遺伝子発現の増加又は減少を、CDKI活性の指標として検出するステップ、を含む、CDKIの活性をモニタリング方法に関する。
【0007】
好ましくは、CDKIはロスコビチン活性を有する化合物である。最も好ましくは、CDKIがロスコビチン又はロスコビチンの類似体若しくは誘導体である。
【0008】
当業界で既知のいずれかの方法、特にマイクロアレイ分析、ウェスタンブロット法又はQPCR等のPCR法を用いて遺伝子発現の検出を行ってもよい。
【0009】
ロスコビチン活性を有する多くのバイオマーカー(すなわち、表1〜4のいずれかに記載される遺伝子)を、組み合わせて観察するのが適切である。
【0010】
ロスコビチンをヒトに投与する場合、細胞に投与するロスコビチンの有効濃度を、好ましくは5μMより高濃度とし、より好ましくは10μMより高濃度とする。
【0011】
ロスコビチンをヒトに投与する場合、遺伝子発現分析用血液サンプルの採取前に、薬剤での処理を2、4又は8時間行うことが適切である。
【0012】
ある態様において、ロスコビチンを細胞に投与する場合、好ましくは、ロスコビチンの有効濃度を75μMまでとする。
【0013】
ある態様においては、遺伝子発現を検出するための分析前に、細胞、細胞群、モデル動物又はヒトを、7.5、15又は30μMのロスコビチンで1.5時間処理する。他の実施態様では、遺伝子発現を検出するための分析前に、細胞、細胞群、モデル動物又はヒトを、7.5、15又は30μMのロスコビチンで3時間処理する。更なる態様においては、遺伝子発現を検出するための分析前に、細胞、細胞群、モデル動物又はヒトを、15、45又は75μMのロスコビチンで2時間処理する。更なる態様においては、遺伝子発現を検出するための分析前に、細胞、細胞群、モデル動物又はヒトを、15、45又は75μMのロスコビチンで4時間処理する。
【0014】
好ましくは、遺伝子発現を検出するための分析前に、細胞、細胞群、モデル動物又はヒトを、50μMのロスコビチンで、4、12、24又は48時間処理する。この実施態様では、表1〜4に記載される遺伝子の少なくとも1つの遺伝子発現の変化を、ロスコビチン活性の指標として検出する。この態様においては、好ましくは、細胞における遺伝子発現が、HT29に類似した表現型を有する細胞において検出される。
【0015】
他の態様においては、表1a〜4aのいずれかに記載される遺伝子のいずれか1つの減少、又は表1b〜4bに記載される遺伝子のいずれか1つの増加が、確認される。
【0016】
本明細書に使用されるように、「ロスコビチン」及び「R−ロスコビチン」なる語を用いて、CYC202とも称される化合物2−(R)−(1−エチル−2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−イソプロピルプリンに言及する。「ロスコビチン」なる語を無条件に使用して、R−ロスコビチン、そのS体の鏡像異性体及びラセミ混合物を含む。かかる化合物及びその製造法は、米国特許第6,316,456号に記載されている。ロスコビチンの類似体は、例えば国際公開公報第03/002565号に記載されている。
【0017】
本発明の好ましい態様においては、ロスコビチンを哺乳動物又はヒトに投与する。より好ましくはヒトに投与する。モデル動物において実施する場合は、好ましくは、本発明を、HT29又はA549等の腫瘍細胞株を有する異種移植モデルモデル等の腫瘍モデルに実施する。
【0018】
哺乳動物またはヒトから採取したサンプルにおいて、細胞発現の変化をモニタリングすることが適当である。適当なサンプルには、生検、血液、尿、口腔の掻爬組織(buccal scrapes)等の組織サンプルが含まれる。ある態様においては、好ましくは、腫瘍細胞、特に、乳房、肺、胃、頭頸部、結腸直腸、腎臓、膵臓、子宮、肝臓、膀胱、子宮内膜腺、及び前立腺等の腫瘍に由来する細胞、並びに白血病、又はリンパ球等の血液細胞、好ましくはPBMC等の末梢リンパ球に由来する細胞で、発現が検出される。
【0019】
本明細書に使用されるように、「PBMC」なる語は末梢血単核細胞に関し、PBL(末梢血白血球)を含む。
【0020】
本発明をエキソビボで実施する場合は、細胞群、好ましくは細胞培養物に実施することが好ましい。好ましい細胞のタイプは、HT29等の結腸腫瘍細胞株、A549等の肺腫瘍細胞株、A498等の腎臓腫瘍細胞株、HT13等の膀胱腫瘍細胞株、MCF7等の乳房腫瘍細胞株、AN3CA等の子宮内膜腺腫瘍細胞株、MESSA DH6子宮肉腫細胞等の子宮腫瘍細胞株、Hep2G等の肝臓腫瘍細胞株、DU145等の前立腺腫瘍細胞株、CemT細胞等のT細胞腫瘍細胞株、MiaPaCa2等の膵臓腫瘍細胞株から選択される。或いは、細胞は腫瘍生検の組織サンプルの形である。したがって、本発明は更に、上述の方法を含む、サンプルにおける増殖性細胞の検出方法に関する。或いは、細胞がPBMC等の血液細胞培養物である。
【0021】
本明細書に記載されたいずれかの遺伝子の発現レベルをモニタリングする場合、本発明の方法は、好ましくはロスコビチンの投与前にレベルをモニターし、好ましくは投与の1.5、2、3、4、5、8、12、24又は48時間後に再度モニタリングすることを含む。好ましい態様においては、ロスコビチンの投与後、早くとも1.5時間後にレベルを再度モニタリングする。
【0022】
ある好ましい態様においては、ロスコビチン投与後に検出される遺伝子のレベルは、好ましくは、ロスコビチン投与前に検出される遺伝子のレベルより低い。
【0023】
他の好ましい態様において、発現を検出された遺伝子が、表1b、2b、3b又は4bに記載される遺伝子の1つである場合、ロスコビチンの投与後に検出される遺伝子のレベルは、好ましくはロスコビチンの投与前に検出されたレベルよりも高い。
【0024】
本発明の第二の態様は、遺伝子発現レベルのモニタリングによって、ロスコビチン活性を独立してモニタリングすることに関する。好ましい態様においては、かかるモニタリングは遺伝子発現のモニタリング共に実施される。ある態様においては、ロスコビチンの投与後に検出される遺伝子発現レベルは、好ましくはロスコビチンの投与前に検出される遺伝子発現レベルより高い。別の態様においては、ロスコビチンの投与後に検出される遺伝子発現レベルは、ロスコビチンの投与前に検出される遺伝子発現レベルよりも低いことが好ましい。
【0025】
本発明の方法は、
(a)細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにロスコビチンを投与した後に、遺伝子発現の範囲や程度をモニタリングするステップを含む、ロスコビチンの適当な投与量を決定する方法、
(b)細胞、細胞群、モデル動物又はヒトに候補薬剤を投与するステップと、遺伝子が存在するかどうかをモニタリングするステップとを含む、ロスコビチン様活性を有する該候補薬剤の同定方法、
に、更に利用される。
【0026】
(a)に記載されたような方法は、同じ期間同じ投与量のロスコビチンによってその発現が調節される既知の遺伝子の既知の阻害率と、遺伝子発現の範囲や程度とを関連させるステップを更に含む。ある態様では、RBのリン酸化状態を、本明細書に記載されたいずれか1つの遺伝子の発現パターンと比較する。ロスコビチン活性のマーカーとしてのRBは、国際公開公報第02/061386号に記載されている。
【0027】
さらなる態様において、本発明は、上述の方法のいずれかを用いた、ロスコビチン活性のモニタリングにおける遺伝子の使用に関する。
【0028】
更なる態様において、本発明はロスコビチン活性評価用キットに関する。キットが、本明細書に記載された遺伝子の少なくとも1つの遺伝子発現を検出するプローブ、又は本明細書に記載された遺伝子の少なくとも1つのタンパク質産物に結合する抗体を含むことが適切である。
【0029】
例えば、適切なキットとは、本明細書に記載された遺伝子の少なくとも1つの発現を検出するプライマーを備えるQPCR分析用キットである。QPCR分析用のキットが、少なくとも1つの遺伝子を検出し、また、本明細書に記載された別の遺伝子を対象とするプライマーを含むことが適切である。
【0030】
このような他のキットは、好ましくは、本明細書に記載された遺伝子のタンパク質産物を、単独で又は本明細書に記載された他の遺伝子に対する抗体と組み合わせて認識する抗体を含む。
【0031】
ロスコビチンの薬力学的な調査に適切な細胞株及び関連する化合物には、HT29等の結腸腫瘍細胞株、A549等の肺腫瘍細胞株、A498等の腎臓腫瘍細胞株、HT13等の膀胱腫瘍細胞株、MCF7等の乳房腫瘍細胞株、AN3CA等の子宮内膜腺腫瘍細胞株、MESSA DH6子宮肉腫細胞等の子宮腫瘍細胞株、Hep2G等の肝臓腫瘍細胞株、DU145等の前立腺腫瘍細胞株、CemT細胞等のT細胞腫瘍細胞株、MiaPaCa2等の膵臓腫瘍細胞系が含まれる。適切なモデル動物には、HT29及びA549異種移植モデルマウス等の異種移植モデルマウス株が含まれる(細胞株及びモデルはATCCから入手可能である)。遺伝子に対する抗体を市販の製品から得てもよいし、当業者に公知の手法によって得てもよい。
【0032】
一般的に、細胞株の調査では、ロスコビチンのCDK2阻害(IC50)投与量を投与し、例えば、投与の2、4、12、24、及び48時間後に、サンプルを24時間又は48時間かけて抽出する。タンパク質サンプルを単離し、SDS−PAGEに充填し、分離し、ブロッティングし、適切なマーカーを探す。ロスコビチン活性を評価するために、モデル動物又はヒトで調査を実施する場合は、適切な増殖組織が、動物又はヒトから抽出することができる細胞源として同定されなくてはならない。適切な組織にはあらゆる増殖組織が含まれる。特に、腫瘍生検が含まれるが、現在は、循環リンパ球及び口腔粘膜の細胞も使用してもよいことが確認されている。一旦抽出すると、細胞株について記載された方法と同じ方法でこれらの細胞を処理することができる。ほとんどの場合、マーカーのプールには、本発明に記載された遺伝子が含まれる。
【0033】
生検サンプルにおいて遺伝子発現を検出する適当な方法には、FISH又は本発明に記載された遺伝子を認識する抗体を用いた免疫組織化学法を使用する方法が含まれる。
【0034】
本発明のかかる実施態様を更に開発し、用量漸増の手段として、遺伝子発現にロスコビチンの効果を使用する。すなわち、遺伝子発現の範囲及び程度をモニタリングすることによって、ロスコビチンの適切な投与量を決定する。これらの分析は更に、遺伝子発現の変化と、既知の阻害率、例えば同じ投与量のロスコビチンによるCDK2又はRBリン酸化のいずれかの阻害率との相互作用に関する。このように、遺伝子発現の程度と範囲を一度測定すると、ロスコビチンの更なる活性が示される。
【0035】
本発明の更なる実施態様において、候補薬剤による遺伝子発現レベルは、ロスコビチン様であると分類される活性の機序を指標であると理解される。
【0036】
第一又は第二の態様に従って、本発明は更に、核酸プライマー又は本明細書に記載された遺伝子の少なくとも1つに対する抗体を含む、ロスコビチン活性評価用キットに関する。好ましくは、該キットは、核酸プライマー又は本明細書に記載されたいずれか1つの遺伝子に対する抗体を、単独で又は本明細書に記載された他の遺伝子と組み合わせて含む。該キットを、上述の、ロスコビチン活性のモニタリング方法、又はロスコビチン投与量若しくは候補薬剤のロスコビチン様活性を評価する方法のいずれの方法に従って使用してもよい。
【0037】
特定の治療単位に治療に対する癌患者の反応は、多種多様である。例えば、特定の療法での治療に対して感受性を示し、腫瘍の負担の減少や症状の改善を呈する患者もいれば、治療に対して耐性があり、特定の療法に対する反応で改善を全く又はほとんど示さない患者もいる。ロスコビチン等のCDKIによって修飾された発現を有する遺伝子を検出することは、CDKIを用いた処理に対する反応を予測するためのマーカーの同定方法においても有用である。
【0038】
したがって、別の態様では、腫瘍における遺伝子の発現が、ロスコビチン等のCDKIを用いた治療に対する反応を予測可能とする該遺伝子の同定方法を提供し、かかる方法は、
(a)ロスコビチン等のCDKIでの治療に感受性を示す患者からサンプルを採取し、本明細書に記載された少なくとも1つの遺伝子の発現を検出するステップ、
(b)ロスコビチン等のCDKIでの治療に耐性を示す患者からサンプルを採取し、本明細書に記載された少なくとも1つの遺伝子の発現を検出するステップ、及び
(c)a)の遺伝子発現パターンとb)の遺伝子発現パターンとを比較し、その結果、感受性と関連する遺伝子及び耐性と関連する遺伝子を同定するステップ
を含む。
【0039】
その後、腫瘍の遺伝子発現のパターンを決定し、上述の方法に従って同定されたマーカー遺伝子の発現に従って、特定の腫瘍を、治療に対して「感受性あり」又は「耐性あり」と分類する。
【0040】
他に記載がない限り、本発明の実施には、通常の当業者の能力の範囲内である、化学、分子生物学、細胞生物学、微生物学、組換えDNA及び免疫学の従来の手法を採用する。これらの手法は、文献に記載されている。例えば、J. Sambrook, E. F. Fritsch, and T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Books 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press; Ausubel, F. M. et al. (1995 and periodic supplements; Current Protocols in Molecular Biology, ch. 9, 13, and 16, John Wiley & Sons, New York, N.Y.); B. Roe, J. Crabtree, and A. Kahn, 1996, DNA Isolation and Sequencing: Essential Techniques, John Wiley & Sons; J. M. Polak and James O’D. McGee, 1990, In Situ Hybridization: Principles and Practice; Oxford University Press; M. J. Gait (Editor), 1984, Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press; and, D. M. J. Lilley and J. E. Dahlberg, 1992, Methods of Enzymology: DNA Structure Part A: Synthesis and Physical Analysis of DNA Methods in Enzymology, Academic Press.を参照のこと。これらの全体の内容はそれぞれ、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0041】
「ロスコビチン活性」又は「ロスコビチン様活性」は、ロスコビチンが呈する活性を意味する。例えば、ロスコビチン様とは、G1後期/S期初期又はM期において、細胞サイクルの進行を阻害可能であることを意味する。好ましくは、前記細胞サイクルの進行の阻害が、CDK1、CDK2、CDK5、CDK7及びCDK9を含むCDKを阻害することによって行われる。ロスコビチン活性の研究結果は、McClue et al. Int. J. Cancer, 2002, 102, 463-468に報告されている。
【0042】
ロスコビチン活性の「マーカー」又は「バイオマーカー」なる語を本明細書に使用して、細胞又は哺乳動物に由来するサンプルにおける発現が、ロスコビチンを用いた処理に応じて調節されている、例えば、アップレギュレート又はダウンレギュレートされている遺伝子を表す。
【0043】
処理した及び未処理の細胞に由来するサンプルを、組織培養物若しくは動物又はヒトの細胞群に由来する菌溶液、抽出物又は核酸サンプルとすることができる。細胞を個体(例えば、血液サンプルに由来)から単離することもできるし、生検等の組織サンプルの一部とすることもできる。
【0044】
「発現」なる語は、対応するmRNAを生成するための遺伝子のDNAテンプレートの転写、及び対応する遺伝子産物(すなわち、ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質)を生成するための該mRNAの翻訳に関する。
【0045】
「ポリヌクレオチド」又は「ポリペプチド」は、ロスコビチンに応じて発現が修飾されている、本明細書に開示されたDNA配列及びタンパク質配列を意味する。かかる用語にはこれらの配列に近い変異体も含まれるが、かかる変異体は参照配列と同じ生物活性を有する。かかる変異体が本明細書に記載した参照配列と同じ生物活性を保持する限り、これらの変異配列には、「対立遺伝子」(同一又は近接に関連した種において同じ遺伝子座に見られる変異配列)、「相同体」(共通の先祖DNA配列から受け継がれた第二の遺伝子に関連し、種分化(「オルソログ」又は遺伝子複製(「パラログ」)のいずれかによって分離される遺伝子)が含まれる。
【0046】
かかる変異体が本明細書に開示された参照配列と同じ生物活性を保持する限り、本発明は、本明細書に開示されたポリヌクレオチド及びポリペプチドにおける、サイレント置換、多型性置換及び同類置換を有する遺伝子の検出を含むことも目的とする。
ロスコビチン活性の遺伝子マーカーの発現の測定
多くの異なる手法を用いて、遺伝子発現のレベルを測定する。
a)RNAレベル
RNAレベルで遺伝子発現を検出することができる。例えば、フェノール酸/グアニジンイソチオシアン酸塩抽出法(acid phenol/guanidine isothiocyanate extraction)(RNAzolB:Biogenesis社製)又はRNeasyRNA調製キット(Quiagen社製)を含むRNA抽出法を用いて、RNAを細胞から抽出する。リボ核酸ハイブリダイゼーションを利用した典型的なアッセイの型式には、核Run−onアッセイ、RT−PCR、RNase Protection Assays (Melton et al., Nuc. Acids Res. 12:7035)、ノーザンブロット法及びインシトゥハイブリダイゼーションが含まれる。
【0047】
ノーザンブロット法を行うためには、RNAサンプルを、先ず、変性条件下アガロースゲルで電気泳動法によって大きさで分類する。次にRNAを膜に転移させ、架橋し、標識化プローブでハイブリダイズする。非同位体プローブ又は高比活性の放射標識化プローブ(high specific activity radiolabeled probes)には、ランダムプライミングされたDNAプローブ、ニックトランスレーションされたDNAプローブ、又はPCR作製DNAプローブ、インビトロ転写RNAプローブ、及びオリゴヌクレオチド等を用いることができる。さらに、一部にのみ相同性を有する配列(例えば、異なる種のcDNA又はエキソンを含む可能性のあるゲノムDNAフラグメント)をプローブとして用いてもよい。
【0048】
Nuclease Protection Assays(リボヌクレアーゼタンパク質アッセイとS1ヌクレアーゼアッセイとの両方を含む)によって、特定のmRNAの検出及び定量の極めて高感度な方法が提供される。NPAは、アンチセンスプローブ(放射標識された、又は非同位体の)のRNAサンプルへの溶液ハイブリダイゼーションに基づく。ハイブリダイゼーション後に、一本鎖のハイブリダイズされていないプローブ及びRNAをヌクレアーゼによって分解する。残りの保護されているフラグメントをアクリルアミドゲル上で分離する。NPAによって、数種のRNAを同時に検出することが可能となる。
【0049】
インシトゥハイブリダイゼーション(ISH)は、細胞又は組織で特定のmRNAを特定するための、強力で汎用な手段である。プローブのハイブリダイゼーションは、細胞又は組織で行われる。細胞の構造がかかる処理を通して維持されるため、組織サンプルでのmRNAの位置に関する情報はISHによって示される。
【0050】
処理は、サンプルを中性緩衝ホルマリン液に固定し、組織をパラフィンに埋め込むことから始まる。次にサンプルを切片に薄切し、顕微鏡のスライドに載せる。(或いは、組織を凍らせて薄片に切り、パラホルムアルデヒドで後固定する。)ワックスを除去し、加水して元の状態に戻すために、かかる切片を何回か洗浄した後、プローブの利便性を向上させるためにプロテインキナーゼKの消化を行い、次に標識化プローブをサンプルの切片にハイブリダイズする。放射標識化プローブをスライド上で乾燥させたリキッドフィルムで可視化し、非同位体標識化プローブを比色試薬又は蛍光試薬で簡便に検出する。この後者の検出方法は蛍光インシトゥハイブリダイゼーション(FISH)の基礎である。
【0051】
用いることのできる検出法には、放射標識、酵素標識、化学発光標識、蛍光標識及び他の適切な標識が含まれる。
【0052】
一般的にRT−PCRは、ターゲットRNAを増幅するために用いられる。このプロセスにおいて、逆転写酵素を使用して、RNAを、その後増幅して検出を容易にすることが可能な相補DNA(cDNA)に変換する。相対定量RT−PCRには、対象とする遺伝子と同時に内部標準を増幅することが含まれる。内部標準は、サンプルを標準化するために用いられる。一度標準化されれば、特定のmRMAの相対存在量をサンプル全体で直接比較することができる。通常用いられる内部標準には、例えばGAPDH、HPRT、アクチン及びサイクロフィリンが含まれる。
【0053】
多くのDNA増幅方法が知られているが、そのほとんどが酵素連鎖反応(ポリメラーゼ連鎖反応、リガーゼ連鎖反応又は3SR法(a self-sustained sequence replication)に基づくものであるか、クローンされたベクターの全部又は一部の複製に由来するものである。
【0054】
多くのターゲット増幅法及びシグナル増幅(TAS)法については、文献、例えば、Landegren, U. et al., Science 242:229-237 (1988) and Lewis, R., Genetic Engineering News 10:1, 54-55 (1990)において、これらの方法の総論に記載されている。
【0055】
PCR法は核酸増幅法であり、とりわけ米国特許第4,683,195号及び第4,683,202号に記載されている。診断に関して、PCR法を用いて、あらゆる既知の核酸を増幅することができる(Mok et al., 1994, Gynaecologic Oncology 52:247-252)。3SR法はTASの変形であり、酵素カクテル及び適当なオリゴヌクレオチドプライマーによってもたらされる、逆転写酵素(RT)、ポリメラーゼ及びヌクレアーゼの活性の連続的な一連の作用(via sequential round)による、核酸テンプレートの等温増幅が含まれる(Guatelli et al., 1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)。連結増幅反応又は連結増幅システムではDNAリガーゼ及びターゲット鎖1本当たり2つ用いられる4つのオリゴヌクレオチドを使用する。かかる手法は、Wu, D. Y. and Wallace, R. B., 1989, Genomics 4:560によって記載されている。Lizardi et al., 1988, Bio/Technology 6:1197によって記載されているように、Qβレプリカーゼ手法においては、一本鎖RNAを複製するバクテリオファージQβのRNAレプリカーゼを使用して、ターゲットDNAを増幅する。
【0056】
定量PCR法(Q−PCR法)は、測定されるサンプル中のトランスクリプトの相対量を可能にする手法である。
【0057】
本発明には、別の増幅の手法を使用する。例えば、ローリングサークル増幅(Lizardi et al., 1998, Nat Genet 19:225)は、DNAポリメラーゼによって行われ、等温条件下で直線的又は幾何学的に運動する環状オリゴヌクレオチドプローブを複製することができる、市販(RCATTM)の増幅の手法である。更なる手法であるSDA法(strand displacement amplification) (SDA; Walker et al., 1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:392) は、特定のターゲットに1つしかない特異的に限定された配列で開始する。
【0058】
本明細書に記載されるロスコビチン活性のマーカーを検出する適当なプローブは、テストキットの形で適切な容器に好都合に入れられている。それらのキットにおいて、かかるプローブは固体支持体(a solid support)に結合していることもある。その固体支持体ではアッセイフォーマット用にキットが作成されており、そのアッセイフォーマットにはこの結合が必要である。キットは、プローブされるサンプルを処理し、プローブをサンプル中の核酸にハイブリダイズするための適切な薬剤、対照薬、説明書等を含んでいてもよい。適切なキットは、例えばQPCR反応のためのプライマーやFISHを実施するための標識化プローブを含んでいてもよい。
b)ポリペプチドレベル
遺伝子発現は、ロスコビチン活性の遺伝子マーカーがコードするポリペプチドを測定することによっても検出される。これは、ロスコビチン活性のマーカーとして本明細書に記載されるいずれかの遺伝子がコードするポリペプチドに結合する分子を使用することによって、達成される。タンパク質の存在を検出するために直接的に又は間接的にポリペプチドに結合する適切な分子/試薬は、ペプチドやタンパク質等の自然発生する分子、例えば抗体を含む。或いは、これらは合成分子であってもよい。
【0059】
抗体の生成方法は当業者に公知である。ポリクローナル抗体が望ましい場合は、選択された哺乳動物(例えば、マウス、ウサギ、ヤギ、ウマ等)を、ポリペプチドのエピトープを有する免疫原性ポリペプチドで免疫する。免疫した動物の血清を回収し、既知の手順で処理する。ポリペプチドのエピトープに対するポリクローナル抗体を含有する血清に他の抗原に対する抗体が含まれる場合、ポリクローナル抗体を免疫親和性クロマトグラフィーで精製することができる。ポリクローナル抗血清を生成し加工する手法は、当業界で公知である。より大きな免疫原性反応を惹起させるには、動物又はヒトにおいて免疫源として使用するために、ポリペプチド又はそのフラグメントを他のポリペプチドにハプテン化してもよい。
【0060】
当業者であれば、ポリペプチド中のエピトープに対するモノクローナル抗体も、容易に生成することができる。ハイブリドーマによってモノクローナル抗体を生成する一般的な方法は、公知である。細胞融合により、また、発癌性DNAを有するBリンパ球の形質転換や、エブスタイン・バー(EB)ウイルスによる形質移入等の方法によっても、不死抗体産生細胞株を作製することができる。本発明のポリペプチド中のエピトープに対して生成されたモノクローナル抗体のパネルを、様々な特性、すなわちアイソタイプ及びエピトープ親和性についてスクリーニングすることができる。
【0061】
別の手法には、例えば、ファージが様々な相補性決定領域(CDR)と共にその被膜の表面でscFvフラグメントを発現している、ファージディスプレイライブラリのスクリーニングが含まれる。かかる手法は当業界では公知である。
【0062】
本発明の目的のためには、他に異なる記載のない限り、「抗体」なる語は、ターゲット抗原に対する結合活性を保持する抗体全体のフラグメントを含む。これらのフラグメントには、一本鎖抗体(scFv)だけでなく、Fvフラグメント、F(ab')フラグメント及びF(ab')フラグメントが含まれる。さらに、例えば欧州特許第239400号に記載されるように、抗体とそのフラグメントをヒト化抗体としてもよい。
【0063】
上述のイムノブロット等の標準的な実験手法を用いて、同じ細胞集団中の未処理細胞と比較してロスコビチン活性のマーカーのレベルの変化を検出することができる。
【0064】
ポリペプチドの翻訳後の処理又は核酸の転写後の修飾における変化を検出することによって、遺伝子発現を測定する。例えば、ポリペプチドのリン酸化の差異、ポリペプチドの切断又はRNAの別のスプライシング等を測定する。ポリペプチド等の遺伝子産物の発現レベルや、それらの翻訳後の修飾を、2Dポリアクリルアミドゲル電気泳動法等の市販のタンパク質アッセイ又は手法を用いて検出する。
【0065】
(a)本発明の抗体を提供するステップ、
(b)抗原抗体複合体の形成を可能にする条件下で、前記抗体で生物サンプルを培養するステップ、及び
(c)前記抗体を含む抗原抗体複合体が形成されたかどうかを決定するステップを備える方法
によって、本明細書に記載されるロスコビチン活性のマーカーを生体サンプルにおいて検出する際には、抗体を使用する。
【0066】
適切なサンプルには、脳、乳房、卵巣、肺、結腸、膵臓、精巣、肝臓、筋肉や骨組織等の抽出組織、又はこれらの組織に由来する腫瘍性成長が含まれる。他の適切な例には、血液及び尿のサンプルが含まれる。
【0067】
体液中又は組織中のタンパク質のロスコビチン活性タンパク質のマーカーを検出又は定量するために、通常の技術を有する当業者には公知の診断方法やキットに、ロスコビチン活性のタンパク質マーカーに特異的に結合する抗体を使用することができる。これらのテストの結果を使用して、癌及び他の細胞サイクル進行性の疾患の発生又は再発を診断又は予測することができる。或いは、薬剤の投与量及び治療の有効性を評価することができる。
【0068】
当業界で公知の方法により、免疫特異的な結合に関して、抗体をアッセイすることができる。使用可能なイムノアッセイには、ウェスタンブロット法、免疫組織化学、ラジオイムノアッセイ、ELISA、サンドイッチイムノアッセイ、免疫沈降法、沈降反応、ゲル内沈降反応、免疫拡散法、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、免疫放射定量測定法、蛍光免疫測定法及びプロテインAイムノアッセイ等の手法を用いた競合アッセイ系及び非競合アッセイ系が含まれるが、これらに限定されない。これらのアッセイは当業界では慣例的なものである(例えば、Ausubel et al., eds, 1994, Current Protocols in Molecular Biology, Vol. 1, John Wiley & Sons, Inc., New York参照のこと。これらの全体の内容はそれぞれ、参照することにより本明細書に組み込まれる。)
本発明で用いる抗体は、固体の支持体に結合し、及び/又は適切な薬剤、対照薬、説明書等と共にキットの形で適切な容器に入れられている。
アレイ
配列技術並びにそれに関連した様々な手法及び応用は、数多くの教科書や文献に広く記載されている。これらには、Lemieux et al., 1998, Molecular Breeding 4:277-289; Schena and Davis. Parallel Analysis with Biological Chips. in PCR Methods Manual (eds. M. Innis, D. Gelfand, J. Sninsky); Schena and Davis, 1999, Genes, Genomes and Chips. In DNA Microarrays: A Practical Approach (ed. M. Schena), Oxford University Press, Oxford, UK, 1999); The Chipping Forecast (Nature Genetics special issue; January 1999 Supplement); Mark Schena (Ed.), Microarray Biochip Technology, (Eaton Publishing Company); Cortes, 2000, The Scientist 14(17):25; Gwynne and Page, Microarray analysis: the next revolution in molecular biology, Science, 1999, August 6; Eakins and Chu, 1999, Trends in Biotechnology, 17:217-218、及び多くのワールドワイドウェブで得られる文献が含まれる。
【0069】
配列技術は、通常では「一実験一遺伝子」主義に基づき行われるために、処理量が少なく、遺伝子機能の「全体像」を理解することができないという、分子生物学における従来の方法の欠点を克服している。現在、配列技術の主要な応用には、配列の同定(遺伝子/遺伝子変異)及び遺伝子の発現レベル(存在量)の測定が含まれる。遺伝子発現プロファイリングには、任意でプロテオミクス技術と組み合わせて配列技術を用いる(Celis et al., 2000, FEBS Lett, 480(1):2-16; Lockhart and Winzeler, 2000, Nature 405(6788):827-836; Khan et al., 1999, 20(2):223-9)。配列技術の他の応用も当業界で公知であり、遺伝子の発見、癌調査(Marx, 2000, Science 289: 1670-1672; Scherf et alet al., 2000, Nat Genet 24(3):236-44; Ross et al., 2000, Nat Genet 2000, 24(3):227-35)、SNP分析(Wang et al., 1998, Science 280(5366):1077-82)、薬剤の発見、ファーマコジェノミックス、疾患の診断(例えばマイクロ流体工学装置を用いたChemical & Engineering News, February 22, 1999, 77(8):27-36、毒物学を用いたRockett and Dix (2000), Xenobiotica 30(2):155-77; Afshari et al., 1999, Cancer Res 59(19):4759-60、及びトキシコゲノミクスを用いた(機能性ゲノムのハイブリッド及び分子毒物学)を例示することができる。トキシコゲノミクスの目的は、毒物と接触した対象の遺伝子特性における変化と、毒物の毒性反応との相互関係を見出すことである(Nuwaysir et al., 1999, Molecular Carcinogenesis 24:153-159)。
【0070】
本発明においては、例えば、本明細書に記載されるロスコビチン活性のタンパク質マーカーの1つ又は2つ以上の発現の分析において、配列技術を使用することができる。ある実施態様においては、配列技術を使用して、本明細書に確認される多くのロスコビチン活性のマーカーに対する候補化合物の影響を同時に評価する。したがって、本発明の別の態様は、表1〜4のいずれかに記載される核酸の少なくとも1つ、少なくとも2つ、若しくは少なくとも複数又はそのフラグメントを含むマイクロアレイ、或いはタンパク質アレイ又は抗体アレイを提供することである。
【0071】
一般的に、ライブラリ又は群の構成要素を空間的に隔てることによって、いずれのサンプルのライブラリ又は群を規則的にアレイに配置してよい。配列に適切したライブラリの例には、核酸ライブラリ(DNAライブラリ、cDNAライブラリ、オリゴヌクレオチドライブラリ等)、ペプチドライブラリ、ポリペプチドライブラリ及びタンパク質ライブラリだけでなく、いずれかの分子を含むライブラリ、特にリガンドライブラリ等が含まれる。したがって、本明細書中で「ライブラリ」に言及する場合は、他に記載がない限り、その言及はアレイの形のライブラリへの言及を含むものであると解釈されるべきである。本発明の内容において、「ライブラリ」は、本明細書に記載されるロスコビチン活性のマーカーのサンプルを含む。
【0072】
通常、サンプル(例えばライブラリの構成要素)を、固相、好ましくは固体基板に固定化又は不動化し、サンプルの拡散や混合を制限する。好ましい実施態様においては、DNA結合リガンドのライブラリを作製する。特に、ライブラリを、プラスチックやガラス等の膜基板及び非多孔性基板を含むほぼ平面状の固相に不動化する。さらに、好ましくはサンプルを索引付け(すなわち、あるサンプルの参照やアクセス)が容易になるように配置する。典型的には、サンプルを升目の中の点(a spot in a grid formation)として用いる。一般的なアッセイ系をこの目的に合うように使用する。例えば、ウェル中の様々なサンプル又は各ウェル中の1つのサンプルで、アレイをマイクロプレートの表面で不動化する。さらに、固体基板はニトロセルロース膜又はナイロン膜(例えばブロット法の実験で使用される膜)等の膜である。代替の基板にはガラス基板又はシリカ基板が含まれる。このように、例えば電荷相互作用、又はウェルの壁面若しくは底面又は膜表面への化学結合によって、当業界で公知の適切な方法でサンプルを不動化する。例えば、ピペッティング、drop-touch、圧電手段、インクジェット技術及びバブルジェット技術、静電気の応用等の、他の配置手段及び固定化手段を使用してもよい。シリコンチップの場合は、フォトリソグラフィを使用して、チップ上のサンプルを配置し固定化する。
【0073】
固体基板上に「スポット」することによってサンプルを配置してもよい。これは手動で行ってもよいし、ロボットを用いてサンプルを配置してもよい。一般的に、アレイは、サンプルスポットの大きさの違いによりマクロアレイ又はマイクロアレイと表現される。マクロアレイは典型的には約300μ以上の大きさのサンプルスポットを含み、既存のゲルスキャナー及びブロットスキャナー(blot scanners)によって容易に画像化される。マイクロアレイのサンプルスポットの大きさは、典型的には直径200μ未満であり、これらのアレイは通常数千個のスポットを有する。したがって、マイクロアレイは専門のロボット技術や画像装置を必要とし、これらの技術や装置はオーダーメイドである必要がある。器具の使用については、Cortese, 2000, The Scientist 14(11):26の書評に概ね記載されている。
【0074】
不動化したDNA分子のライブラリの作製手法は、当技術に記載されている。一般的には、ほとんどの先行技術の方法が、例えば、固体基板上の別々な位置に多様な配列の並べ替え(permutation of sequence)を構築するためにマスキング技術を用いる、一本鎖核酸分子ライブラリの合成方法について記載していた。米国特許第5,837,832号は、大規模集積回路技術に基づく、シリコン基板に不動化されたDNAアレイの作製方法の改良について記載している。かかる内容は参照することにより本明細書に組み込まれる。特に、米国特許第5,837,832号は、本発明の不動化DNAライブラリを作製するために使用される、基板上の空間的に画定された位置でプローブの特定の集合を合成する「タイリング(tiling)」と称される方法を記載している。米国特許第5,837,832号はまた、初期の技術に関する参考資料も示しており、これもまた使用される。
【0075】
それぞれ個別のライブラリの構成要素(例えば、独特のペプチド配列)をアレイ中の予め画定した別々の位置に配置するように、ペプチド(又はペプチドミメティック)のアレイを表面に合成する。アレイでの空間的な位置によって、各ライブラリの構成要素を同定する。所定の分子(例えばターゲット又はプローブ)と反応ライブラリの構成要素とに結合相互作用が生じる、アレイにおける位置を決定し、それによって空間的な位置に基づき、反応ライブラリの構成要素の配列を同定する。これらの方法は、米国特許第5,143,854号、国際公開公報第90/15070号及び国際公開公報第92/10092号、Fodor et al., 1991, Science 251:767; Dower and Fodor, 1991, Ann. Rep. Med. Chem. 26:271に記載されている。
【0076】
検出を促進させるために、例えば蛍光レポーター、生物発光レポーター、リン光(phosphorescent)レポーター、放射性(radioactive)レポーター等の容易に検出可能なレポーターでターゲット及びプローブを標識化する。これらのレポーター、その検出、ターゲット/プローブへの結合等は本明細書全体に記載されている。プローブ及びターゲットの標識化は、Shalon et al., 1996, Genome Res 6(7):639-45にも開示されている。
【0077】
DNAアレイの具体例には以下が含まれる。
【0078】
フォーマットI:プローブcDNA(〜500から〜5,000塩基長)を、ガラス等の固体表面にロボットスポッティング(robot spotting)を用いて不動化し、個別に又は混合してターゲットの集合に接触させる。この方法は、スタンフォード大学(Stanford University) で開発されたと広く考えられている(Ekins and Chu, 1999, Trends in Biotechnology, 17:217-218)。
【0079】
フォーマットII:オリゴヌクレオチドのアレイ(〜20から〜25mer オリゴ)又はペプチド核酸(PNA)プローブをインシトゥ(チップ上)又は従来の合成によって合成し、その後チップ上に不動化する。かかるアレイを標識化したサンプルDNAに接触させ、ハイブリダイズし、相補配列の存在量を同一性/存在量を測定する。このようなDNAチップはGeneChip(R) の商標を付され、Affymetrix社から販売されている。
【0080】
市販のマイクロアレイフォーマットの例は、例えばMarshall and Hodgson, 1998, Nature Biotechnology 16(1):27-31に示されている。
【0081】
データ分析もアレイに関する実験の重要な部分である。マイクロアレイ実験の生データの典型的なものは画像で、その画像を、行が例えば遺伝子を表し、列が例えば組織又は実験条件等の様々なサンプルを表し、各セルの数字が、例えば特定のサンプルにおける特定の遺伝子の発現レベルを特徴付ける、遺伝子発現行列−表に変換する必要がある。基礎をなす生物過程の知見を推論するのであれば、これらの行列を更に分析しなくてはならない。データ分析の方法(バイオインフォマティクスアプローチだけでなく、スーパーバイズされた及びスーパーバイズされないデータ分析を含む)は、Brazma and Vilo J, 2000, FEBS Lett 480(1):17-24に開示されている。
【0082】
上述のように、タンパク質、ポリペプチド等をアレイにおいて不動化してもよい。例えば、プロテインチップを用いたプロテオームのマイクロアレイ分析では、抗体が使用されている(Borrebaeck CA, 2000, Immunol Today 21(8):379-82)。ポリペプチドアレイは、例えばMacBeath and Schreiber, 2000, Science, 289(5485):1760-1763で検討されている。
診断及び予後診断
本発明はまた、ロスコビチン活性のマーカー、これらのタンパク質に対する抗体、及びこれらのタンパク質及び/又はその抗体を含む組成物の、特にロスコビチンで治療した個体における、増殖活性によって特徴付けられる疾患の診断及び予後診断での使用を含む。本明細書に使用されるように、「予後診断方法」なる語は、疾患、特に癌と診断されたヒト又は動物の該疾患の進行に関する予測を可能にする方法を意味する。特にロスコビチン治療の対象となる癌には、乳癌、肺癌、胃癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、膵臓癌、子宮癌、肝臓癌、膀胱癌、子宮内膜腺癌、前立腺癌及び白血病が含まれる。
【0083】
ある実施態様において、予後診断には、治療に対する患者の反応の予測方法における、ロスコビチン感受性又はロスコビチン耐性が相関している、マーカーの発現の検出が含まれる。
【0084】
本明細書に使用される「診断方法」なる語は、ヒト若しくは動物に関して又はヒト若しくは動物において、癌の有無又はタイプの決定を可能にする方法を意味する。マーカーによってロスコビチン治療の成功が評価可能であることが適切である。上述の通り、適切な診断には、例えばQPCRプライマー、FISHプローブ等の本明細書に記載されるいずれかの遺伝子に関するプローブが含まれる。
【0085】
次に本発明を以下の実施例を参考に説明する。
実施例
方法
細胞培養
HT29結腸癌細胞をT175フラスコに1フラスコにつき3×10の割合で播種し、48時間接着させた。次に、トリプシン処理で回収する前に、細胞を50μMのCYC202で4、12、24又は48時間処理した。タンパク質分析及びRNA分析用に細胞ペレットを作製した。
ウェスタンブロット法
細胞を回収するために、培地を除去し、5mlのトリプシンで細胞を5分間37℃でインキュベートし、その細胞をプラスチックから剥離した。次に細胞をペレット状にし、氷温のPBSで洗浄し、溶解用緩衝液10ml中、HEPES50mM(pH7.4)、NaCl250mM、0.1%NP40、DTT1mM、EDTA1mM、NaF1mM、βグリセロリン酸10mM、オルトバナジン酸ナトリウム0.1mM、及びcomplete protease inhibitor cocktail tablet(Roche社製、East Sussex、英国)1錠を含む氷温の溶解用緩衝液に、30分間氷上で再懸濁した。溶菌液を約18,000×gで、10分間4℃で遠心分離し、細胞残屑を除去した。使用の前に上清を−80℃で保管した。溶菌液のタンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイ(Pierce社製、Rockford、米国)を用いて測定した。Novex precast tris-glycine gels(Invitrogen社製、Groningen、オランダ)を使用し、SDS−PAGEによりタンパク質を分離し、Immobilon-P membranes(Millipore社製、Bedford、米国)に転写した。TBSTMトリス50mM(pH7.5)、NaCl150mM、0.1%Tween20(Sigma社製、Dorset、英国)及び牛乳3%で膜を1時間ブロックする。4℃で一晩、TBSTMで希釈した初期抗体でイムノブロットし、続いてHPRコンジュゲート二次抗体で1時間、室温でインキュベートした。膜をECL試薬で洗浄し、Hyperfilm(Amersham Pharmacia Biotech社製、Buckinghamshire、英国)に接触させた。使用した抗体は、phospho-RB Ser780 1:5000, phospho-ERK1/2 1:1000, c-JUN 1:200(Cell Signalling Technologies社製、Beverly、米国)、total RB SC-50 1:2000, cyclin B2 SC-5233 1:100, EGR-1 1:200 SC-189(Santa Cruz Biotechnology社製、Santa Cruz、米国)、total ERK2 1:10000(英国、ロンドンのInstitute of Cancer Research、Chris Marshall教授から好意により提供された)、phospho-RB Ser608 1:2000(英国、ロンドンのInstitute of Cancer Research、Sibylle Mittnacht博士)、phospho-RB Thr821 1:1000 (Biosource社製、Nivelles、ベルギー)、non-phosphorylated RB 1:500, Aurora 1 1:250, MCL-1 2 g/ml(BD Biosciences社製、Oxford、英国)、PLK-1 2 g/ml(Zymed社製、San Francisco、CA)、GAPDH 1:5000(Chemicon社製、Temecula、CA)、ヤギ抗ウサギ及びヤギ抗マウスHRPコンジュゲート二次抗体1:5000(BioRad社製、Hercules、米国)、ウサギ抗ヒツジHRPコンジュゲート二次抗体1:2000(Upstate Biotechnology社製、Lake Placid、米国)である。
マイクロアレイ分析
TriZol (Life Technologies社製)を使用して、全RNAを細胞ペレットから抽出し、mRNAをQiagen Oligotex systemを使用して精製した。対照細胞及び処理細胞のmRNAをCy3又はCy5(NEN社製又はAmersham社製)蛍光dCTPのいずれかでそれぞれ標識化し、cDNAプローブを作製した。Eisen, MB and Brown PO. (1999) DNA Arrays for Analysis of Gene Expression. Methods in Enzymology 303:179-205に記載されているように、cDNAマイクロアレイスライドを作成し、使用した。
【0086】
次に、cDNAプローブをcDNAマイクロアレイスライドに一晩ハイブリダイズし、その後洗浄し、Axon Labs GenePix 4000Bスキャナーを使用してスキャニングした。GenePixソフトウェアを使用してかかるスライドを確認し、 GeneSpringで分析する前に基準化した。
結果
表1〜4は、非同調の対照細胞(asynchronous control cell)と比較した場合の、50μMCYC202でそれぞれ4、12、24及び48時間処理したHT29細胞のmRNA発現の特性を表している。2倍のカットオフ値を使用して、mRNA発現における変化に有意性を割り当てた。したがって、メジアン値の標準値が0.5未満(表1a、2a、3a、4a)のmRNA、又は2より高い(表1b、2b、3b、4b)mRNAはいずれも、重要であると考えられる。
【0087】
図1Aは、対象とする選択した遺伝子のHT29細胞における、50μMのCYC202での経時的なmRNA発現を示す。次に、これらの変化をウェスタンブロット法で実証する(図1b)。比較には、olomoucine(174μM)及びpurvalanol A(12μM)での24時間の処理が含まれていた。
【0088】
マイクロアレイのデータをウェスタンブロット法による実証に関連させると、マイクロアレイのデータと一致して、サイクリンB2、Aurora 1、ポロ様キナーゼ1が著しく阻害されている。EGR−1mRNAは処理後4時間と早い時期から惹起し、実験期間中2倍のカットオフ値より高く継続されるが、EGR−1タンパク質は、処理の12時間後に一時的に惹起する。c−JUNmRNAは4時間後から有意なレベルにまで惹起し、実験期間中そのレベルに維持され、c−JUNタンパク質は4時間後及び12時間後に惹起する(リン酸化活性型である)が、24時間後に消失する。
【0089】
本明細書の上述部分に例挙された出版物、及びそれらの出版物に引用された文献は、参照することによって本明細書に組み込まれる。記載した本発明の方法やシステムの様々な改良や変形は、本発明の範囲と精神から逸脱することなく、当業者に明らかとなるであろう。本発明は、具体的な好ましい実施態様に関して説明されてきたが、本発明が請求するように、これらの具体的な実施態様に不当に限定されるべきではないことは、理解されるであろう。実際には、分子生物学及び関連する分野の当業者には自明であるところの、前述の態様についての本発明を実施する上での様々な改良も、以下の請求の範囲に含まれるものとする。
【0090】
(表の簡単な説明)
表1aは、50μMのCYC202で4時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が0.5未満であるmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表1a】





【0091】
表1bは、50μMのCYC202で4時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が2より高いmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表1b】




【0092】
表2aは、50μMのCYC202で12時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が0.5未満であるmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表2a】







【0093】
表2bは、50μMのCYC202で12時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が2より高いmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表2b】







【0094】
表3aは、50μMのCYC202で24時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が0.5未満であるmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表3a】












【0095】
表3bは、50μMのCYC202で24時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が2より高いmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表3b】





【0096】
表4aは、50μMのCYC202で48時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が0.5未満であるmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表4a】







【0097】
表4bは、50μMのCYC202で48時間処理したHT29細胞における、メジアンの標準値が2より高いmRNAに関する、mRNA発現の特性を示す。
【表4b】






【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は、マイクロアレイ分析で評価したmRNA発現及びウェスタンブロット法で評価したタンパク質発現を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにロスコビチンを投与するステップ、
(ii)処理した及び未処理の細胞、動物又はヒト由来のサンプルにおいて、遺伝子発現を測定するステップ、及び
(iii)未処理のサンプルと比較して、処理したサンプルにおける、表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つの遺伝子発現の増加又は減少を、ロスコビチン活性の指標として検出するステップ、
を含む、ロスコビチン活性のモニタリング方法。
【請求項2】
ロスコビチンを哺乳動物に投与することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
ロスコビチンをヒトに投与することを特徴とする、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
細胞群が、細胞培養物であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項5】
細胞が、PBMC細胞、HT29細胞及びA549細胞から選択されることを特徴とする、請求項4記載の方法。
【請求項6】
表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つの存在が、腫瘍細胞又はリンパ球で検出されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか記載の方法。
【請求項7】
表1a〜4aに記載された遺伝子の少なくとも1つのレベルが、ロスコビチンの投与前に検出されたレベルよりも低いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
【請求項8】
表1b〜4bに記載された遺伝子の少なくとも1つのレベルが、ロスコビチンの投与前に検出されたレベルよりも高いことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか記載の方法。
【請求項9】
細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにロスコビチンを投与した後に、表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つの発現の範囲や程度をモニタリングするステップを含む、ロスコビチンの適切な投与量を決定する方法。
【請求項10】
細胞、細胞群、モデル動物又はヒトに候補薬剤を投与するステップと、表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つが存在するかどうかをモニタリングするステップとを含む、ロスコビチン様活性を有する候補薬剤の同定方法。
【請求項11】
ロスコビチンが、R−ロスコビチンであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか記載の方法。
【請求項12】
ロスコビチン活性のモニタリングにおける、表1〜4に記載された少なくとも1つの遺伝子の使用。
【請求項13】
細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにロスコビチンを投与した後に、表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つの存在をモニタリングすることを特徴とする、請求項12記載の使用。
【請求項14】
ロスコビチンが、R−ロスコビチンであることを特徴とする、請求項12又は13記載の使用。
【請求項15】
表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つに対する抗体を含む、ロスコビチン活性評価用キット。
【請求項16】
表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つに対する核酸プローブを含む、ロスコビチン活性評価用キット。
【請求項17】
請求項1〜11のいずれかに定義される方法における、請求項15又は16に定義されるキットの使用。
【請求項18】
(i)細胞、細胞群、モデル動物又はヒトにCDKIを投与するステップ、
(ii)処理した及び未処理の細胞、動物又はヒト由来のサンプルにおいて、遺伝子発現を測定するステップ、及び
(iii)未処理のサンプルと比較して、処理したサンプルにおける、表1〜4に記載された遺伝子の少なくとも1つの遺伝子発現の増加又は減少を、CDKI活性の指標として検出するステップ、
を含む、CDKI活性のモニタリング方法。


【図1】
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【公表番号】特表2006−521806(P2006−521806A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506039(P2006−506039)
【出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【国際出願番号】PCT/GB2004/001337
【国際公開番号】WO2004/087955
【国際公開日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
バブルジェット
【出願人】(505261380)サイクラセル リミテッド (4)
【出願人】(598176569)キャンサー・リサーチ・テクノロジー・リミテッド (57)
【氏名又は名称原語表記】CANCER RESEARCH TECHNOLOGY LIMITED
【Fターム(参考)】