ロックメカニズム付きコネクタ
【課題】ポータブル電子装置をロック及びアンロックするためのコネクタ及びツールを提供する。
【解決手段】種々の保安関連及び他の機能を容易にするためにケーブルのコネクタ(例えば、30ピンコネクタ)を使用することができる。例えば、コネクタは、これをポータブル電子装置に係合又はロックするために保安ロックメカニズムを備えている。コネクタは、更に、保安信号、データ信号、電力、等の送信もサポートすることができる。アンロックツールを使用して、ポータブル電子装置にロックされたコネクタを解離することができる。より詳細には、アンロックツールは、これをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除させ、コネクタを、接続されたポータブル電子装置から自由に切り離せるようにする。
【解決手段】種々の保安関連及び他の機能を容易にするためにケーブルのコネクタ(例えば、30ピンコネクタ)を使用することができる。例えば、コネクタは、これをポータブル電子装置に係合又はロックするために保安ロックメカニズムを備えている。コネクタは、更に、保安信号、データ信号、電力、等の送信もサポートすることができる。アンロックツールを使用して、ポータブル電子装置にロックされたコネクタを解離することができる。より詳細には、アンロックツールは、これをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除させ、コネクタを、接続されたポータブル電子装置から自由に切り離せるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ポータブル電子装置を固定することに係り、より詳細には、ポータブル電子装置をロック及びアンロックするためのコネクタ及びツールに係る。
【背景技術】
【0002】
電子コンピューティング装置が数十年にわたって使用されている。ある場合には、電子コンピューティング装置は、携帯できるか又は容易に持ち運べるような重量及びサイズ特性を有する。ポータブル電子装置には、例えば、ラップトップコンピュータ、移動電話、スマートホン、タブレット装置、ポータブルメディアプレーヤ、等が含まれる。そのような装置は、簡単なものから最も複雑なものまで広範囲なタスクを遂行するのに使用することができる。
【0003】
多くの場合に、ポータブル電子装置は、種々の機能を可能にするためにケーブルに接続することができる。例えば、ポータブル電子装置は、ケーブルを使用して他の装置と通信することができる。別の例として、ポータブル電子装置は、ケーブルを使用して電力を受けることもできる。更に別の例として、ポータブル電子装置は、ケーブルに取り付けて固定物に繋ぐこともできる。そのようにすることで、ポータブル電子装置を窃盗から守ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的な小売店環境では、購入のために展示されるポータブル電子装置は、通常、多数の異なるケーブルに接続される。説明上、ポータブル電子装置は、電力を受けるための第1ケーブルと、装置を固定物に固定するための第2ケーブルとに接続される。しかしながら、多数のケーブルを使用することは、ユーザ経験の観点から最適ではない。特に、ポータブル電子装置は、通常の使用状態のもとでは、典型的に、個別の保安用ケーブルに接続されない。小売店環境における保安要求でそのようなケーブルが必要となるために、そのような環境内で通常の使用状態をシミュレーションすることは、不正確である。例えば、保安用ケーブルは、装置の動きを制限し、装置の重量に影響し、小売展示の審美性に悪影響し、等々である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の種々の実施形態によれば、種々の保安関連及び他の機能を容易にするために、ケーブルコネクタ(例えば、30ピンコネクタ)を使用することができる。ある実施形態では、例えば、コネクタは、これをポータブル電子装置に係合又はロックするために保安ロックメカニズムを備えている。コネクタは、更に、保安信号、データ信号、電力、等の送信もサポートすることができる。
【0006】
ある実施形態によれば、個別のアンロックツールを使用してコネクタをポータブル電子装置から解離することができる。より詳細には、アンロックツールは、これをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除させ、コネクタをポータブル電子装置から自由に切り離せるようにする。
【0007】
一実施形態では、コネクタは、プラグ本体と、そのプラグ本体から延びるプラグハウジングとを備えている。プラグハウジングは、嵌合工程中にそれに対応するリセプタクルコネクタ内に挿入することができる。ある実施形態では、プラグハウジングは、多数のピン位置又は接点位置を含む。1つ以上のピン位置は、各々、ピンを含み、そのピンは、リセプタクルコネクタのピン又は接点に電気的に結合される。
【0008】
このコネクタは、更に、これをリセプタクルコネクタにロックするための1つ以上のロックメカニズムも備えている。例えば、このロックメカニズムは、嵌合中にリセプタクルコネクタと係合できる1つ以上のフックを含む。特に、このフックは、リセプタクルコネクタの内部空洞に入り込んで、コネクタをリセプタクルコネクタにロックさせることができる。
【0009】
更に、コネクタは、1つ以上の解除点(フックの下部)を含む。解除点に力を加えると、ロックメカニズムが解離され、コネクタ及びリセプタクルコネクタを互いにアンロックすることができる。解除点は、コネクタの側部に位置する1つ以上のアクセス経路を経てアクセスすることができる。
【0010】
別の実施形態では、アンロックツールがハウジングを含む。このハウジングは、コネクタを受け入れる空洞を含む。特に、この空洞は、ここにコネクタを滑り込ませることのできる寸法を有する。コネクタは、ハウジングの上部開口を通してハウジングにより受け入れることができる。ハウジングは、更に、前部開口も含み、これを通して、コネクタに接続されたケーブルをハウジングから出すことができる。
【0011】
アンロックツールは、更に、1つ以上のユーザ開始部分も含む。このユーザ開始部分の下部は、アンロックツールのハウジングの空洞内チャンネルに取り付けることができる。ユーザ開始部分の上部は、ハウジングの側部に沿って延び、そしてハウジングの側部開口を経て出る。ハウジングの外側に配置されるユーザ開始部分のセグメントは、ユーザが加えた力又は圧力を受けるように構成される。ユーザ開始部分は、更に、それらの端に位置されたピンを含む。このピンは、それがコネクタのアクセス通路に入ってコネクタのロックメカニズムの解除点に接触し、接続されたリセプタクルコネクタからロックメカニズムを解除できるような長さ及び直径を有する。
【0012】
種々の実施形態は、ここに述べるこれら及び他の特徴の1つ以上を組み込むことができる。本発明の特徴及び効果は、以下の詳細な説明及び添付図面から良く理解することができるであろう。
【0013】
添付図面は、例示の目的で示されたものであり、必ずしも一定の縮尺率で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によりポータブル電子装置にコネクタを係合するためのシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態によりポータブル電子装置からコネクタを解離するためのシステムを示す。
【図3】本発明の一実施形態による規範的なケーブルを示す。
【図4A】本発明の一実施形態による規範的な雄プラグコネクタの断面図である。
【図4B】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの側面図である。
【図4C】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの上面図である。
【図4D】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置のコンポーネントを示す。
【図6A】本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置内の雌リセプタクルコネクタの位置を示す。
【図6B】本発明の一実施形態による規範的な雌リセプタクルコネクタの断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図7B】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図7C】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図8A】本発明の一実施形態による規範的なアンロックツールの断面図である。
【図8B】図8Aに示す規範的なアンロックツールの底面図である。
【図8C】図8Aに示す規範的なアンロックツールの斜視図である。
【図8D】図8Aに示す規範的なアンロックツールのハウジングの断面図である。
【図8E】図8Aに示す規範的なアンロックツールのユーザ開始部の前面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするためのプロセスのブロックフローチャートである。
【図10A】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図10B】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図10C】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図11】本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するプロセスのブロックフローチャートである。
【図12A】本発明の一実施形態による規範的なアンロックツールを規範的な雄プラグコネクタと共に示す断面図である。
【図12B】本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから解離される規範的な雄プラグコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の幾つかの実施形態は、種々の保安関連及び他の機能を容易にするために使用できる電気コネクタを提供する。ある実施形態では、例えば、コネクタは、コネクタをポータブル電子装置に係合又はロックするための保安ロックメカニズムを備えている。更に、コネクタは、ポータブル電子装置への保安信号、データ信号、電力、等の送信をサポートすることができる。本発明の実施形態による電気コネクタは、種々の形状、サイズ、構成、接点数、等を含むことができる。例えば、電気コネクタは、6個、8個、又は30個の接点を含むことができる。
【0016】
ある実施形態によれば、個別のアンロックツールを使用してコネクタをポータブル電子装置から解離させることができる。より詳細には、アンロックツールをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除し、ポータブル電子装置からコネクタを自由に解離できるようにする。
【0017】
1つの規範的な実施形態において、コネクタは、アップル社により製造されたiPad(登録商標)、iPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)にインターフェイスするのに適したコネクタのような雄プラグコネクタである。この実施形態において、雄プラグコネクタは、コンピュータケーブルの一端に配置される。雄プラグコネクタは、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに係合するのに使用できるフックを備え、雄プラグコネクタとポータブル電子装置を互いに充分にロックすることができる。そのようにする際に、ポータブル電子装置は、コンピュータケーブルにより適当な固定部、等(例えば、テーブル、別のコンピューティング装置、保安システム)に繋ぐことができる。雄プラグコネクタは、更に、コネクタのフックの下部へアクセスできるようにする1つ以上の通路も含む。アンロックツールを使用して、この通路にアクセスし、雄プラグコネクタのフックをシフトさせて、フックをポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。
【0018】
雄プラグコネクタは、更に、保安信号の送信、電力の伝送、等の種々の他の機能を容易にするように構成される。例えば、雄プラグコネクタは、接続されたポータブル電子装置から保安システムへの保安信号の送信を容易にするように構成される。保安システムは、保安信号の存在を周期的に又は連続的に監視することができる。保安信号が検出されない場合に、保安システムは、警告(例えば、音声警告、電子的警告、等)を発生することができる。ある場合には、雄プラグコネクタは、外部電源からポータブル電子装置への電力の伝送を容易にするように更に構成される。
【0019】
上述したように、これら実施形態は、雄プラグコネクタにおいて保安サポート(例えば、ロックメカニズム、保安信号送信)を与えることができる。そのようにする際に、これら実施形態は、ポータブル電子装置の窃盗を阻止できるに充分なほどポータブル電子装置を安全確保することができる。これら実施形態は、更に、小売店環境内でのユーザ経験を改善できるようにする。より詳細には、保安サポートを他の機能(例えば、電力伝送)と共に単一のコネクタへと一体化することにより、これら実施形態では、小売展示に必要なコネクタ及びケーブルの数を減少することができる。その結果、小売展示の審美性を改善でき、装置の重量を減少でき、動きの制約を排除でき、等々となる。例えば、これら実施形態では、小売展示を、より審美的に楽しめ及び/又はミニマニズム的な見掛けとすることができる。別の例として、これら実施形態では、個別の保安ケーブルに関連した追加重量を排除することにより、顧客は、通常の使用状態を良好にシミュレーションすることができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によりコネクタをポータブル電子装置に固定するためのシステム100を示す。図1に示すように、システム100は、ケーブル102と、ポータブル電子装置104と、保安システム106と、電源108とを備えている。図1に更に示すように、ポータブル電子装置104及び保安システム106は、ケーブル102を経て接続を維持することができる。図1に更に示すように、ポータブル電子装置104は、更に、ケーブル102を経て電源108にも接続される。
【0021】
ケーブル102は、ポータブル電子装置104に接続することのできる適当なケーブルである。ケーブル102は、例えば、コンピュータケーブル、USBケーブル、ファイアワイヤケーブル、専有ケーブル、派生的ケーブル(例えば、USB及び/又はファイアワイヤに基づくケーブル)、リボンケーブル、フレックスケーブル、ワイヤ、ワイヤ束、等でもよいし、又はそれらを含んでもよい。
【0022】
ある実施形態では、ケーブル102は、ポータブル電子装置104の雌リセプタクルコネクタとインターフェイスする雄プラグコネクタ109を含む。この雄プラグコネクタ109は、例えば、30ピンコネクタである。しかしながら、他のコネクタタイプを使用することができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタは、雌リセプタクルコネクタに係合されるフックのようなロックメカニズムを含むことができる。より詳細には、雄プラグコネクタ109が、ポータブル電子装置104内に埋め込まれた雌リセプタクルコネクタ(図示せず)と嵌合されるときに、雄プラグコネクタ109のロックメカニズムが雌リセプタクルコネクタと係合して、ケーブル102をポータブル電子装置104に充分にロックできるようにする。例えば、雄プラグコネクタ109は、その雄プラグコネクタの各側に位置した2つのフックを含む。これらフックは、各々、雌リセプタクルコネクタの内部空洞に少なくとも部分的に受け入れられる。その後、ユーザが雄プラグコネクタ109を雌リセプタクルコネクタから切り離すよう試みたとき、雄プラグコネクタのフックが内部空洞のベースに接触する。その結果、雄プラグコネクタ109が雌リセプタクルコネクタから切り離されるのを防止する保持力が発生する。
【0023】
ある実施形態では、ケーブル12は、更に、雄プラグコネクタ109が位置する端とは逆の端に位置する多数のコネクタを含むことができる。ある実施形態によれば、これらのコネクタは、保安システムとインターフェイスするコネクタ、電源とインターフェイスするコネクタ、コンピューティング装置(例えば、デスクトップコンピュータ)とインターフェイスするコネクタ、等を含む。説明上、ケーブル102は、保安システム106とインターフェイスするコネクタと、電源108とインターフェイスするUSBコネクタとを含む。
【0024】
ある実施形態によれば、ケーブル102は、ポータブル電子装置104から保安システム106への保安信号の送信を容易にすることができる。保安システム106は、受信した信号を使用して、ポータブル電子装置104との接続を監視することができる。説明上、ケーブル102は、雄プラグコネクタを、保安システム106にインターフェイスするためのコネクタと接続する経路(例えば、1つ以上の電気的要素又はライン)を含む。ケーブル102がポータブル電子装置104及び保安システム106に接続されると、ポータブル装置104と保安システム106との間に電気回路を形成することができる。保安システム106は、その回路を監視して、ポータブル電子装置104との現在接続状態を決定することができる。ある実施形態では、ケーブル102は、電源108からポータブル電子装置104への電力の伝送を更に容易にすることができる。
【0025】
ポータブル電子装置104は、雄プラグコネクタに接続するのに適した雌リセプタクルコネクタを伴うポータブル電子装置である。ポータブル電子装置104は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット装置、キーフォブ、カーキー、アクセスカード、マルチファンクション装置、移動電話、ポータブルゲーム機、ポータブルマルチメディアプレーヤ、ポータブルミュージックプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、家庭用機器、及び/又はポータブル又は非ポータブルの電子又は電気−機械的装置、等である。説明上、ポータブル電子装置104は、カリフォルニア州クパチーノのアップル社から入手できるiPad(登録商標)、iPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)装置である。
【0026】
保安システム106は、ポータブル電子装置を安全確保するのに適したシステムである。説明上、保安システム106は、ポータブル電子装置104からの保安信号を連続的又は周期的に監視する警報システムである。保安信号が検出されない場合に、保安システム106は、警報又はメッセージを発生することができる。説明上、保安システム106は、ケーブル102を経てポータブル電子装置104に接続される。保安システム106がポータブル電子装置104に接続されている間には、保安システムとポータブル電子装置との間に電気回路を維持することができる。例えば、ケーブル102が切断されるか又はポータブル電子装置104がケーブル102から切り離されたために回路が切れた場合には、保安システム106が警報音を発生することができる。
【0027】
電源108は、ポータブル電子装置104に電力を供給するための適当な電源である。例えば、電源108は、ACアダプタ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、USBポート付きの装置、等である。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するためのシステム200を示す。図2に示すように、システム200は、ケーブル102と、ポータブル電子装置104と、保安システム106と、電源108と、アンロックツール210とを備えている。システム200は、図1に示したシステム100と同様であるが、システム200は、ケーブル102の雄プラグコネクタ109を部分的に包囲するアンロックツール210を備えている。ケーブル102の配線は、アンロックツール210の前部開口を通して延び、保安システム106及び電源108に接続している。
【0029】
図1のシステム100と同様に、雄プラグコネクタ109は、ポータブル電子装置104の雌リセプタクルコネクタにロックされる。ある実施形態では、ユーザは、アンロックツール210の側部に圧力又は若干の力を加えて、ツールが雄プラグコネクタ109を雌リセプタクルコネクタから解離させるようにする。特に、ツールは、雄プラグコネクタ109のフックを雌リセプタクルコネクタの内部空洞から外に移動させることができる。アンロックツール210を使用して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから解離させる仕方を以下に詳細に説明する。
【0030】
図1及び2に示す装置及びケーブルは、例示に過ぎず、その変形及び変更が考えられることが明らかである。例えば、図1及び2のシステムは、1本のケーブル、1つのポータブル電子装置、1つの保安システム、1つの電源、及び/又は1つのアンロックツールを示しているが、(0も含めて)適当な数のそれらエンティティが含まれてもよい。異なるエンティティを含むこともできる。説明上、図1のポータブル電子装置104は、ケーブル102を経て保安システム、電源及びデスクトップコンピュータに接続することができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態による規範的ケーブル300(例えば、図1及び2のケーブル102)を示す。ケーブル300は、雄プラグコネクタ302、保安用コネクタ304、USBケーブル306及びケーブリング部分312を含む。上述したコネクタの各々は、種々の機能をサポートするための接点又はピンのセットを含む。
【0032】
ケーブリング部分312は、コネクタの1つ以上のピンを別のコネクタの1つ以上のピンに接続するのに適した電気的要素又はラインを含む。例えば、ケーブリング部分312の1つ以上の電気的要素は、雄プラグコネクタ302の1つ以上のピンを保安用コネクタ304の1つ以上のピンに接続することができる。別の例として、ケーブリング部分312の1つ以上の電気的要素は、雄プラグコネクタ302の1つ以上のピンをUSBコネクタ306の1つ以上のピンに接続することができる。
【0033】
雄プラグコネクタ302は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルと嵌合するのに適した接続メカニズムである。ある実施形態では、例えば、雄プラグコネクタ302は、30ピンコネクタである。そのような実施形態では、30ピンの雄プラグコネクタは、30個のピン位置と、それらのピン位置に指定された30本以下のピンを含む。ある実施形態によれば、図3に示すように、雄プラグコネクタ302は、ケーブル300の一端に位置される。
【0034】
ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、雄プラグコネクタをポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに一時的に係合又はロックするためのロックメカニズム308を備えている。そのようにする際に、ケーブル300は、ポータブル電子装置を固定するのに使用できる。より詳細には、ケーブル300は、ポータブル電子装置を、例えば、別の装置、保安システム、電源、テーブル、他の固定物、等に繋ぐことができる。
【0035】
更に、図3に示すように、雄プラグコネクタ302は、アクセス通路310を含む。このアクセス通路310は、アンロックツールがロックメカニズム308にアクセスできるようにする。ロックメカニズム308にアクセスするとき、アンロックツールは、ロックメカニズムを解除させ、雄プラグコネクタ302を雌リセプタクルコネクタから解離できるようにする。
【0036】
ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、種々の信号を伝送するための1つ以上のピン又は接点を含む。ある実施形態によれば、雄プラグコネクタ302は、保安信号を伝送するためのピンを含む。例えば、雄プラグコネクタ302の30番目のピンを使用して、保安信号を保安システムに伝送することができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、保安信号の伝送をサポートするための付加的な回路を含むことができる。例えば、雄プラグコネクタ302は、接続された保安システムとで信号が適切に作用するように保安信号を調整、変更、変換、及び/又はフィルタリングすることのできる回路を含む。ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、更に、電力を受け及び/又はデータを通信するための接点又はピンも含む。
【0037】
保安用コネクタ304は、保安システムとインターフェイスするための適当なコネクタである。説明上、保安用コネクタ304は、保安システムのRJ−11ソケットとインターフェイスするのに適したRJ−11タイプのコネクタである。図3に示すように、保安用コネクタ304は、雄プラグコネクタ302が位置する端とは反対のケーブル300の端に位置される。ある実施形態では、保安用コネクタ304は、ポータブル電子装置104から保安システム106への保安信号の伝送を容易にすることができる。例えば、保安用コネクタ304は、保安システムに接続することができる。保安用コネクタ304の1つ以上のピンは、接続されたポータブル電子装置から(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経て)保安信号を受信し、そして保安信号を保安システムに与えることができる。
【0038】
USBコネクタ306は、標準的又は派生的USBコネクタである。説明上、USBコネクタ306は、別の装置、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、A/Cアダプタ、等、のUSBポートとインターフェイスするための従来のUSBコネクタである。図3に示すように、USBコネクタ306は、雄プラグコネクタ302が位置する端とは反対のケーブル300の端に位置される。
【0039】
ある実施形態では、USBコネクタ306は、USBコネクタ306が接続されたUSBポートから(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経て)ポータブル電子装置への電力の伝送を容易にすることができる。説明上、USBコネクタ306は、接続されたUSBポートから5Vまでを引き出すためのピン又は接点を含む。引き出された電力は、ポータブル電子装置へ伝送され、ポータブル電子装置は、その電力を使用して、ポータブル電子装置に位置する回路を動作し、ポータブル電子装置に関連したバッテリを充電し、等々を行うことができる。
【0040】
ある実施形態では、USBコネクタ306は、更に、そのUSBコネクタ306が接続された装置とポータブル電子装置との間の(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経ての)データ伝送を容易にする。例えば、USBコネクタ306は、ポータブル電子装置とでデータ信号をやり取りするためのピン又は接点を含む。データ信号は、例えば、USB 1.0、USB 2.0、USB 3.0、或いは既に開発された又は現在開発中の又は将来開発される他のUSB規格に準拠する信号である。
【0041】
図3には明確に示されていないが、ケーブル300は、他のコネクタ、例えば、データ信号を受信するコネクタ(例えば、イーサネットケーブル)、ビデオ信号を受信するコネクタ(例えば、HDMI、DVI、DisplayPort、RCA、同軸コネクタ、等)、オーディオ信号を受信するコネクタ(例えば、TSコネクタ、TRSコネクタ、RCAコネクタ、等)、等も含む。例えば、ケーブル300は、接続された装置からビデオ信号を受信しそしてポータブル電子装置へ信号を送信するためのHDMIコネクタを含むことができる。
【0042】
図4A−4Dは、本発明の一実施形態による規範的な雄プラグコネクタ400(例えば図3の雄プラグコネクタ302)、断面図、側面図、上面図及び斜視図である。図4Aを参照すれば、雄プラグコネクタ400の断面図が示されている。図4Aに示すように、雄プラグコネクタ400は、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、フック406と、アクセス通路408とを備えている。プラグ本体402は、ユーザが雄プラグコネクタ400を保持又は把持できるようにするのに適したハウジングであり、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタへの雄プラグコネクタの嵌合又はインターフェイスを容易に行えるようにする。プラグ本体402は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、プラグ本体402は、雄プラグコネクタを識別するための画像、アイコン、ラベル、又は他の要素を含む。説明上、プラグ本体402は、その外面に位置するロックアイコンを含む。このロックアイコンは、雄プラグコネクタ400が保安機能を含むことをユーザが識別できるようにする。ある実施形態では、プラグ本体402は、プラグハウジング404及びフック406を少なくとも一部分包囲することができる。プラグ本体402は、更に、外部アンロックツールがフック406にアクセスできるようにするアクセス通路408も含む。以下に述べるように、このアクセス通路408は、フック406に通じるプラグ本体402内の通路である。
【0043】
プラグハウジング404は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに接続するのに適した接続メカニズムである。プラグハウジング404は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等、の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、プラグハウジング404は、雌リセプタクルコネクタのリセプタクル舌状部に適合するように形成される。例えば、プラグハウジング404は、リセプタクル舌状部を受け入れるように形成された挿入開口を含む。ある実施形態では、プラグハウジング404は、1つ以上の接点又はピンを含む。プラグハウジング404がリセプタクル舌状部に嵌合されたとき、プラグハウジングのピンが、リセプタクル舌状部にピンに電気的に結合される。そのようにする際に、種々の機能を容易に行うことができる。説明上、ポータブル電子装置に電力を供給することができる。又、ポータブル電子装置から、接続された保安システムに保安信号を伝送することができる。
【0044】
ある実施形態では、各ピンは、プラグハウジング404内のピン位置に配置される。プラグハウジング404におけるピンの数は、プラグハウジングにおける全ピン位置数以下である。説明上、プラグハウジング404は、30個のピン位置を含み、各位置に対して30本のピンが指定される。別の例では、プラグハウジング404は、30個のピン位置を含むが、ピンは6本だけである。プラグハウジング404内のピンは、適当なピン位置に指定することができる。ピンの指定位置は、連続的であるが、その必要はない。
【0045】
ある実施形態では、プラグハウジング404は、各側部に配置された開口を含む。この開口は、フック406の部分(例えば、ロック部分410)が開口を通して出ることができるように構成される。
【0046】
フック406は、雄プラグコネクタ400をポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに係合するのに適したメカニズムである。フック406は、柔軟な金属又はバネ状の品質をもつ他の材料で形成することもできるし、バネ等によりバイアスすることもでき、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタに接続する間にフックをそらし、そして雄プラグコネクタと雌リセプタクルコネクタとの接続後にフックを元の位置に戻すことができる。説明上、雄プラグコネクタ400が雌リセプタクルコネクタに嵌合されるときに、フック406を内方にシフトさせることができる。嵌合事象に続いて、フック406は、元の位置に戻るようシフトさせることができる。元の位置に戻るようにシフトする際に、フック406は、雌リセプタクルコネクタに係合して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0047】
例えば、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方に傾斜するように構成される。より詳細には、各フック406は、そのベースがプラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内に固定され又は取り付けられている。各フック406は、更に、そのベースの周りで枢着回転して嵌合事象中にフックを内方に傾斜できるように構成される。傾斜の結果として、各フック406のロック部分410(以下で詳細に述べる)は、プラグハウジング404内へ引っ込む。嵌合に続いて、各フック406は、その元の位置へ傾斜が戻り、そのロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0048】
別の例として、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方に屈曲するように構成することもできる。特に、各フック406は、そのベースがプラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内に固定され又は取り付けられている。説明上、各フック406のベースは、例えば、プラグ本体402内のチャンネルによって固定される。各フック406の上部は、嵌合事象中に内方に屈曲するように構成される。屈曲の結果として、各フック406のロック部分410は、プラグハウジング404内へ引っ込むことができる。嵌合に続いて、各フック406の上部がその元の位置へ屈曲が戻り、各フック406のロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0049】
更に別の例として、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方へ移動するように構成することもできる。そのような実施形態では、各フックのベースは、プラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内の特定の位置に固定されない。むしろ、嵌合事象中に、各フック全体が内方に移動する。この移動の結果として、各フック406のロック部分410は、プラグハウジング404へ引っ込むことができる。嵌合に続いて、各フック406は、その元の位置へ移動して戻り、そのロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。このような実施形態では、フック406は、垂直(又は実質的に垂直)のままであり、嵌合中に屈曲しないままである。
【0050】
図4Aに示されて、簡単に述べるように、フック406は、各フック406を雌リセプタクルコネクタに係合できるようにするロック部分410を含む。各ロック部分410又は「とげ」は、プラグハウジング404の側部の開口を通して突出することができる。上述したように、個々のフック406は、嵌合事象中に、移動、傾斜又は屈曲されて、その関連フック部分410が開口内に引っ込むことができるようにする。各ロック部分410は、雌リセプタクルコネクタに係合するのに適した構造及び形状にされる。例えば、個々のロック部分は、三角形状である。この形状は、例えば、直角三角形を近似してもよい。ある実施形態では、個々のロック部分410の側部414が雌リセプタクルコネクタに対して傾斜されて、個々のフック406を比較的小さな力で雌リセプタクルコネクタに係合又はロックできるようにする。特に、個々のフック406を雌リセプタクルコネクタの内部空洞に入れさせるのに比較的小さな力しか要求されない。個々のロック部分410の側部412は、接続される雌リセプタクルコネクタの内部空洞に平行であるか又は実質的に平行である。その結果、側部412は、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタにロックする保持メカニズムとして働く。ある実施形態では、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタから切り離すのに必要な力は、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに接続するのに必要な力より大きい。ある実施形態では、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタから切り離すのに必要な力は、フック406が雌リセプタクルコネクタに係合されたときにフックを破壊するに充分なほど大きい。
【0051】
上述したように、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースと平行又は実質的に平行である。ある実施形態では、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースに対して±5°である。他の実施形態では、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースに対して±15°である。ある実施形態では、側部412は、長さが1.05ないし1.30mmである。例えば、側部412は、長さが1.13mmである。
【0052】
アクセス通路408は、外部アンロックツールの少なくとも一部分を受け入れるように構成されたアクセス経路を含む。例えば、雄プラグコネクタ400は、2つのアクセス通路を含む。図4Aに示すように、2つのアクセス通路は、雄プラグコネクタの互いに反対側に位置される。ある実施形態では、アクセス通路408のアクセス経路は、アンロックツールがフック406にアクセスして、フックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができるようにする。より詳細には、外部アンロックツールのピンは、アクセス経路の長さに沿って進行して、フック406の解除点に接触し、フックが移動、傾斜又は内方に屈曲されるようにする。そのようにする際に、フック406は、雌リセプタクルコネクタから解離され、ポータブル電子装置を雌リセプタクルコネクタから容易に切り離すことができる。アクセス通路408は、適当な形状でよく、外部アンロックツールを受け入れる適当な寸法を含む。例えば、各アクセス通路408は、円筒形状である。加えて、各アクセス通路408は、通路にアクセスするのに特殊なツールを必要とするような直径を含んでもよい。ある実施形態では、各アクセス通路408の直径は、ある標準的な品目及び/又は従来入手できる品目より小さくてもよい。例えば、個々のアクセス通路408は、その直径が標準的なペーパークリップより小さい。従って、標準的なペーパークリップは、アクセス通路に入ってフック406にアクセスするのに使用するには太過ぎる。その結果、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタからアンロックすることは困難である。ある実施形態では、アクセス経路408は、その直径が0.808mm以下である。
【0053】
図4Bは、雄プラグコネクタ400の側面図である。特に、図4Bは、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、個々のフック406と、個々のアクセス通路408とを示す。上述したように、外部アンロックツールは、通路408にアクセスし、そしてフック406を、接続された雌リセプタクルコネクタから解離させる。図4Cは、雄プラグコネクタ400の上面図である。特に、図4Cは、プラグハウジング404に含まれる種々のピンを示す。ある実施形態では、ピン422は、電力(例えば、USB5V電力)を伝送するのに使用される。ピン424及び426は、更に、データ(例えば、USB D±)を伝送するのに使用される。ピン418及び420は、接地機能(例えば、USB接地)を与えるのに使用される。ある実施形態では、ピン416は、保安信号を伝送するのに使用される。しかしながら、それに加えて又はそれとは別に、他のピンを使用して保安信号を伝送してもよい。図4Dは、雄プラグコネクタ400の斜視図である。特に、図4Dは、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、フック406と、個々のアクセス通路408とを示す。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置500(例えば、図1及び2のポータブル電子装置104)のコンポーネントを示すブロック図である。一例において、ポータブル電子装置500は、コントローラ502と、Bluetoothモジュール504と、RFモジュール506と、WiFiモジュール508と、記憶モジュール510と、ディスプレイモジュール512と、アクセサリ入力/出力モジュール516とを備えている。ある実施形態では、ポータブル電子装置500は、付加的モジュール、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)モジュール、バッテリモジュール、動き検出モジュール、装置方向モジュール、オーディオモジュール、三次元ビデオ処理モジュール、磁気計モジュール、三次元ジャイロスコープモジュール、加速度検出モジュール、等を含む。ある実施形態では、ポータブル電子装置500は、ユーザがこれを容易に動かせるに充分なサイズ、寸法及び重量である。例えば、ポータブル電子装置500は、ポケットサイズである。
【0055】
1つ以上の集積回路として実施されるコントローラ502は、ポータブル電子装置500の全体的動作を制御及び管理することができる。例えば、コントローラ502は、記憶モジュール510に記憶できる種々のアセットを検索し、種々のモジュールの機能にアクセスし(例えば、Bluetoothモジュール504を経て他のBluetoothイネーブル装置と対話し)、記憶モジュール510に常駐する種々のソフトウェアプログラム(例えば、オペレーティングシステム及びアプリケーション)を実行し、ワイヤレスネットワークアクセスクレデンシャルを送信し、装置識別子を送信し、等の種々のタスクを遂行することができる。ある実施形態では、コントローラ502は、マシン読み取り可能なインストラクションを実行するように構成された1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)を含む。例えば、コントローラ502は、単一チップアプリケーションプロセッサを含む。コントローラ502は、更に、適当な仕方で記憶モジュール510に接続される。
【0056】
Bluetoothモジュール504は、他のBluetoothイネーブル装置とのワイヤレス通信を実行しそしてコントローラ502と他のBluetoothイネーブル装置との間でRF信号を交換できるようにするハードウェアの適当な組み合わせを含む。ある実施形態では、Bluetoothモジュール54は、そのようなワイヤレス通信を標準的なBluetoothベーシックレート/エンハンストデータレート(BR/EDR)及び/又はBluetooth低エネルギー(LE)規格に基づいて実行することができる。例えば、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信をBluetooth LR(例えば、単一モード動作)のみに基づいて実行するのに適したハードウェアを含む。別の例として、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信を、標準的なBluetooth BR/EDR及びBluetooth LE(例えば、デュアルモード動作)の両方に基づいて行うのに適したハードウェアを含む。更に別の例として、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信を、標準的なBluetooth BR/EDRのみに基づいて行うのに適したハードウェアを含む。
【0057】
RFモジュール506は、ワイヤレスボイス及び/又はデータネットワークとのワイヤレス通信を実行するためのハードウェアの適当な組み合わせを含む。例えば、RFモジュール506は、ポータブル電子装置500のユーザがワイヤレスボイスネットワークに電話コールを発信できるようにするRFトランシーバ(例えば、GSM又はCDMAのような移動電話技術、5G又はEDGEのような進歩型データネットワーク技術を使用する)を含む。
【0058】
WiFiモジュール508は、他のWiFiイネーブル装置とのWiFi(例えば、IEEE802.11ファミリー規格)ベースの通信を実行するためのハードウェアの適当な組み合わせを含む。
【0059】
記憶モジュール510は、例えば、ディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハイブリッド型のメモリ、光学ディスクドライブ、又はプログラムコード及び/又はデータを記憶できる他の記憶媒体を使用して、実施することができる。記憶モジュール510は、オペレーティングシステム、アプリケーション、及び関連プログラムコードを含めて、コントローラ502により実行可能なソフトウェアプログラム514を記憶することができる。
【0060】
ソフトウェアプログラム514(ここでは、ソフトウェア又はアプリケーションとも称される)は、コントローラ502によって実行できるプログラムを含む。ある実施形態では、幾つかのプログラムがポータブル電子装置500にその製造者によってインストールされる一方、他のソフトウェアプログラムがユーザによってインストールされる。ソフトウェアプログラム514は、例えば、オペレーティングシステム、生産性アプリケーション、ビデオゲームアプリケーション、パーソナル情報管理アプリケーション、メディアアセットを再生し及び/又はメディアアセットデータベースをナビゲートするアプリケーション、コールを発信及び/又は受信するための電話インターフェイスを制御するアプリケーション、等を含む。あるソフトウェアアプリケーション514は、ポータブル電子装置と通信し及び/又はそれを制御し、そしてあるソフトウェアプログラム514は、ポータブル電子装置500からの制御信号又は他の入力に応答する。
【0061】
ディスプレイモジュール512は、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)、プラズマディスプレイ、直接投射又は後方投射DLP、マイクロディスプレイ、等として実施される。種々の実施形態において、ディスプレイモジュール512は、ユーザインターフェイス、画像、等を視覚表示するのに使用される。ある実施形態では、ディスプレイモジュール512は、ポータブル電子装置500のユーザから入力を受け取るようにも構成される。例えば、ディスプレイモジュール512は、LCDベースのタッチスクリーンである。動作中に、ディスプレイモジュール512は、ユーザにグラフィックユーザインターフェイスを提示すると共に、ユーザからの入力(例えば、指タップ)も受け取る。
【0062】
入力/出力(I/O)インターフェイス516は、ポータブル電子装置500と、接続された装置又はシステムとの間に種々の信号を搬送するように構成された多数の信号経路を含む。一実施形態では、アクセサリI/Oインターフェイス516は、アップル社によって製造販売されているiPad(登録商標)、iPod(登録商標)及びiPhone(登録商標)製品に使用されるコネクタに対応する30ピン雌リセプタクルコネクタを含むが、他のコネクタも使用できる。ある実施形態では、入力/出力インターフェイス516は、接続された装置(例えば、ACアダプタ、ラップトップコンピュータ、等)から電力を受け取り、保安信号を送信し、データ信号を送信し、等々を行う。
【0063】
図6A−6Bは、本発明の一実施形態によるポータブル電子装置の規範的雌リセプタクルコネクタ600を示す。図6Aを参照すれば、ポータブル電子装置(例えば、図1及び2のポータブル電子装置104)内における雌リセプタクルコネクタ600の位置が例示されている。図6Aに示すように、雌リセプタクルコネクタ600は、ポータブル電子装置のベースに配置される。
【0064】
図6Bを参照すれば、雌リセプタクルコネクタ600の断面図が示されている。図6Bに示すように、雌リセプタクルコネクタ600は、リセプタクル舌状部602及びハウジング部分604を備えている。リセプタクル舌状部602は、1つ以上の接点の周りに射出成型されたものである。ある実施形態では、リセプタクル舌状部602は、接点のための機械的な支持体をなす。リセプタクル舌状部602は、更に、接点の周りに耐湿性又は耐水性シールを与え、ポータブル電子装置の内部のコンポーネント又は回路を保護することができる。ある実施形態では、リセプタクル舌状部602は、雄プラグコネクタのプラグハウジング内に適合するように形成される。
【0065】
ハウジング部分604は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、ハウジング部分604は、リセプタクル舌状部602を包囲し、そして雄プラグコネクタに適合するくぼみを形成する。例えば、ハウジング部分604は、雄プラグコネクタのプラグハウジングがくぼみ内に適合してリセプタクル舌状部602とインターフェイスするような寸法とされる。ある実施形態では、ハウジング部分604は、内部空洞606を含む。雌リセプタクルコネクタが雄プラグコネクタに接続される間に、内部空洞606は、ある実施形態では、雄プラグコネクタのフックのロック部分を受け入れることができる。雌リセプタクルコネクタと雄プラグコネクタの接続に続いて、ロック部分が内部空洞606に位置される。このようにロック部分を受け入れることにより、雌リセプタクルコネクタ600は、雄プラグコネクタにロックされる。
【0066】
ある実施形態では、ハウジング部分604は、更に、少なくとも一部分は、ポータブル電子装置の他のコンポーネント及び/又は回路を包囲するのにも使用される。例えば、ハウジング部分604は、更に、ポータブル電子装置のアプリケーションプロセッサ、Bluetoothモジュール、WiFiモジュール、等も包囲する。
【0067】
図7A−7Cは、本発明の一実施形態により雄プラグコネクタ(例えば、雄プラグコネクタ400)を雌リセプタクルコネクタ(例えば、雌リセプタクルコネクタ600)に係合するところを示す。
【0068】
図7Aは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600の接続前の断面図である。図7Bは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600が接続されつつあるときの断面図である。図7Bに示すように、雄プラグコネクタ400の各フックは、雌リセプタクルコネクタ600の壁により内方に傾斜される。しかしながら、各フックは、外方への力を維持し、各フックは、雌リセプタクルコネクタ600の壁面に沿って移動し、それにタッチする。図7Cは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600が完全に接続された後の断面図である。図7Cに示すように、雄プラグコネクタ400のフックの外方への力により、フックは、元の位置へ傾斜が戻る。その結果として、フックのロック部分は、雌リセプタクル600の内部空洞に入る。その際に、雄プラグコネクタ400は、雌リセプタクルコネクタ600と充分に位置固定される。
【0069】
図8A−8Eは、本発明の一実施形態による規範的なアンロックツール800(例えば、アンロックツール208)の種々の図である。図8Aは、アンロックツール800の断面図である。アンロックツール800は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するのに適した装置である。図8Aに示すように、アンロックツール800は、ユーザ開始部分802及びハウジング804を備えている。
【0070】
ユーザ開始部分802は、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離するのに使用される(例えば、2本の)ワイヤ状モジュールのセットである。ユーザ開始部分802は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせを使用して実施される。例えば、ユーザ開始部分802は、例えば、ユーザの手で僅かな力が加えられるのに応答して開始部分を屈曲できるに充分な柔軟性をもつ適当な金属又は合成材料を使用して実施される。力を加えるのに続いて、ユーザ開始部分802は、元の位置に戻ることができる。
【0071】
ある実施形態では、各ユーザ開始部分802は、ピン812を含む。図8Aに示すように、ピン812は、個々のユーザ開始部分802の一端に位置される。各ピン812は、個々のユーザ開始部分802のセグメントであって、ユーザ開始部分の他の部分に対して減少された直径又は小さな直径を有する。ある実施形態によれば、ピン812は、各々、直径が0.8mm以下である。ある実施形態では、個々のピン812は、ユーザがアンロックツール800を適用するのに応答して、雄プラグコネクタの通路にアクセスし、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離させる。説明上、ユーザは、ユーザ開始部分802の一部分(例えば、以下に述べる空洞806から延びる部分)に圧力を加える。そのような圧力で、ピン812を雄プラグコネクタのアクセス通路へと移動させて雄プラグコネクタのフックに接触させる。その接触力で、フックを内方に移動、傾斜又は屈曲させて、フックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。フックが解離すると、ユーザは、雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを自由に取り外すことができる。ある実施形態では、ピン812は、雄プラグコネクタの通路にこれを通して雄プラグコネクタのフックを解離できるようにするに充分な長さである。
【0072】
ある実施形態では、各ユーザ開始部分802の一部分がハウジング804の空洞(例えば、以下に述べる空洞806)内に水平に延びる(例えば、部分816)。その際に、これらの部分は、空洞の下部への雄プラグコネクタの移動を制限又は停止するように一緒に動作する。その際に、雄プラグコネクタは、アンロックツール800と垂直方向に整列される。例えば、部分816は、ユーザ開始部分のピン812を雄プラグコネクタのアクセス通路と垂直方向に整列させることができる。
【0073】
ハウジング804は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせを使用して実施される。ある実施形態では、例えば、ハウジング804は、射出成形プラスチックハウジングである。ある実施形態によれば、ハウジング804は、黒、白、又は種々のグレーの陰影の目立たない色である。ある実施形態では、ハウジング804は、一般的に、長方形である。より詳細には、外面及び内面は、実質的に長方形であるか、又はほぼまっすぐな表面を含む。ある実施形態では、ハウジング804は、若干カーブした又は丸みの付いた表面を含む。
【0074】
図8Aに示すように、ハウジング804は、空洞806を形成する。空洞806は、それが雄プラグコネクタを受け入れられるようにする寸法を有する。ある実施形態では、雄プラグコネクタは、ハウジング804の上部開口を通して空洞806に受け入れることができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタのアクセス通路をピン812と水平方向に整列できるように、雄プラグコネクタが空洞806内に配置される。ピン812を通路と水平方向に整列することにより、この実施形態では、ピンを使用して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから解離することができる。
【0075】
ある実施形態では、ハウジング804は、下部開口810を含む。ある実施形態によれば、この下部開口810は、例えば、ユーザがアンロックツール800を持ち運びできるための首ひも、チェーン、又は他のメカニズムを受け入れるのに使用される。例えば、首ひもの一端は、下部開口の第1開口に通される。その同じ端が、更に、下部開口の第2開口に通される。その際に、アンロックツール800をユーザにより持ち運びできるように首ひもがハウジング804にしっかり取り付けられる。説明上、ユーザは、自分の首の周りに首ひもを着用して、アンロックツール800を便利に持ち運ぶことができる。
【0076】
ある実施形態では、ハウジング804は、ユーザ開始部分802のピン812を受け入れるためのピン開口814を含む。このピン開口は、ユーザ開始部分802のピン812のみが通過できる寸法を有する。特に、ピン812が開口を完全に通過すると、開口814を取り巻く壁がユーザ開始部分802の内方移動を制限又は停止することができる。その際に、ハウジング804は、ユーザ開始部分802を充分に内方に移動させて、雄プラグコネクタのフックを解離させる一方、ユーザ開始部分が、フックにダメージを及ぼしたり、又は雄プラグコネクタの動作を妨げたりするほど移動されるのを防止することができる。
【0077】
ある実施形態では、ハウジング804は、ユーザ開始部分802を受け入れるチャンネル808のセットを含む。ある実施形態では、このチャンネルには、糊又はエポキシのような接着剤が充填される。その際に、ユーザ開始部分802は、ハウジング804に嵌合される。
【0078】
図8Bは、アンロックツール800の底面図である。特に、図8Bは、アンロックツール800を便利に持ち運びできるように首ひもと共に使用される下部開口810を示す。図8Cは、アンロックツール800の斜視図である。特に、図8Cは、ユーザ開始部分802、ハウジング804及び空洞806を示す。更に、図8Cは、前部開口818を示す。図8Dは、アンロックツール800のハウジング804の断面図である。図8Dに示すように、ハウジング804は、側部開口820を含む。この側部開口820は、長さが巾の少なくとも数倍である。図8Eは、アンロックツール800のユーザ開始部分802の前面図である。
【0079】
図3から8に示すケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、例示に過ぎず、変形及び変更が考えられることが明らかである。例えば、あるモジュールを除去し、追加し、変更し、交換し、組み合わせる、等々を行うことができる。説明上、ケーブル300は、雄プラグコネクタに代わって雌リセプタクルコネクタを含むことができる。
【0080】
図3から8に示すケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、他の形式のコネクタ(例えば、ファイアワイヤコネクタ、イーサネットコネクタ、HDMIコネクタ、eSATAコネクタ、電源コネクタ、ディスプレイコネクタ、等)にも適合させられることが明らかであろう。又、新たなコネクタ形式が開発されたときにも、前記ケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、それらの形式と共に使用することができよう。
【0081】
アンロックツールをアッセンブルするのに使用されそしてアンロックツールを使用するプロセスの例を説明する。図9は、本発明の一実施形態によりアンロックツール(例えば、図8Aのアンロックツール800)を製造しそしてアッセンブルするプロセス900のフローチャートである。ブロック902において、適当な射出成型プロセスによりアンロックツール800のハウジング804を形成する。ブロック904において、適当な加工プロセスによりユーザ開始部分802を加工する。ブロック906において、ハウジング804のチャンネル808内に糊又はエポキシのような接着剤を入れる。
【0082】
ブロック908において、ハウジング804の側部開口を通してユーザ開始部分802を移動する。特に、各ユーザ開始部分802の端をハウジング804の側部開口に水平に又は実質的に水平に通す。説明上、図10Aは、ユーザ開始部分802がハウジング804の側部開口1002を通して移動されるところを示している。図10Aに示すように、側部開口に最初に通される個々のユーザ開始部分の端は、ユーザ開始部分のピンが位置する端とは反対の端である。
【0083】
ブロック910において、ユーザ開始部分802を回転して下方に移動し、ユーザ開始部分を垂直方向に位置させる。説明上、図10Bは、垂直位置へと回転するときのユーザ開始部分802を示す。完全に回転されて下方に移動されると、ユーザ開始部分は、ハウジング804のチャンネル808に入れられる。ある実施形態では、ユーザ開始部分は、チャンネル808に「パチン」と入れられる。図10Cは、ユーザ開始部分が垂直位置へ完全に回転されたところを示している。ユーザ開始部分802をチャンネル808へ入れることにより、ユーザ開始部分がハウジング804に固定される。
【0084】
ブロック912において、接着剤を固定するに充分な時間の経過が許される。ブロック914において、ハウジング804の下部開口に首ひもを通し、アンロックツールを便利に持ち運びできるようにする。例えば、ユーザは、首ひもを首の周りに掛けることによりアンロックツールを持ち運ぶことができる。別の例として、ユーザは、首ひもをベルトのループに取り付けることによりアンロックツールを持ち運ぶこともできる。
【0085】
図11は、本発明の一実施形態によりアンロックツール(例えば、図8Aのアンロックツール800)を使用して雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタ(例えば、図4Aの雄プラグコネクタ400)を解離するためのプロセス1100のフローチャートである。
【0086】
ブロック1102において、アンロックツール800をケーブルのケーブリング部分上にスライドさせる。例えば、アンロックツール800をケーブリング部分上に移動させ、ケーブリング部分がアンロックツール800の空洞内に入るようにする。ある実施形態では、ケーブリング部分は、アンロックツール800の上部を通して空洞に入る。ケーブリング部分は、更に、アンロックツール800の前部開口を通して空洞を出る。ブロック1104において、アンロックツールをケーブリング部分に沿ってケーブルの雄プラグコネクタ(例えば、図4Aの雄プラグコネクタ400)に向けて移動する。雄プラグコネクタに到達すると、アンロックツール800は、その上部を通して雄プラグコネクタを受け入れることができる。
【0087】
ブロック1106において、アンロックツールを雄プラグコネクタと整列させる。特に、アンロックツール800を、そのアンロックツールのユーザ開始部分(例えば、図8Aの部分816)の一部分が雄プラグコネクタに接触するまで移動する。そのような接触は、雄プラグコネクタがアンロックツール800の空洞へ更に移動するのを防止し、そして雄プラグコネクタのアクセス通路をアンロックツール800のピンと垂直方向に整列させるように働く。図12Aは、例えば、アンロックツール800が雄プラグコネクタ400と整列されたところを示す。図12Aに示すように、雄プラグコネクタは、ユーザ開始部分によりアンロックツール800の空洞へ更に移動することが防止される。又、図12Aに示すように、雄プラグコネクタのアクセス通路は、アンロックツール800のユーザ開始部分のピンに整列される。
【0088】
ブロック1108において、アンロックツール800のユーザ開始部分に圧力又は力を加える。例えば、ユーザは、自分の親指及び人差し指を使用して圧力を加えることができる。図12Aを再び参照すれば、矢印1202及び1204は、ユーザ開始部分に圧力を加えることのできるエリアを示す。この圧力でユーザ開始部分のピンが雄プラグコネクタのアクセス通路に入り、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。説明上、図12Bは、雌リセプタクルコネクタから解離されるときの雄プラグコネクタの断面図である。図12Bに示したように、アンロックツール800のピン812が雄プラグコネクタ400のフック406に接触し、雌リセプタクルコネクタ600の内部空洞606からフックを抜き去ることができる。その結果として、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから自由に除去又は切り離すことができる。
【符号の説明】
【0089】
100:システム
102:ケーブル
104:ポータブル電子装置
106:保安システム
108:電源
109:雄プラグコネクタ
200:システム
210:アンロックツール
300:ケーブル
302:雄プラグコネクタ
304:保安用コネクタ
306:USBコネクタ
308:ロックメカニズム
310:アクセス通路
312:ケーブリング部分
400:雄プラグコネクタ
402:プラグ本体
404:プラグハウジング
406:フック
408:アクセス通路
410:ロック部分
500:ポータブル装置
502:コントローラ
504:Bluetoothモジュール
506:RFモジュール
508:WiFiモジュール
510:記憶装置
512:ディスプレイモジュール
516:I/Oインターフェイス
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、ポータブル電子装置を固定することに係り、より詳細には、ポータブル電子装置をロック及びアンロックするためのコネクタ及びツールに係る。
【背景技術】
【0002】
電子コンピューティング装置が数十年にわたって使用されている。ある場合には、電子コンピューティング装置は、携帯できるか又は容易に持ち運べるような重量及びサイズ特性を有する。ポータブル電子装置には、例えば、ラップトップコンピュータ、移動電話、スマートホン、タブレット装置、ポータブルメディアプレーヤ、等が含まれる。そのような装置は、簡単なものから最も複雑なものまで広範囲なタスクを遂行するのに使用することができる。
【0003】
多くの場合に、ポータブル電子装置は、種々の機能を可能にするためにケーブルに接続することができる。例えば、ポータブル電子装置は、ケーブルを使用して他の装置と通信することができる。別の例として、ポータブル電子装置は、ケーブルを使用して電力を受けることもできる。更に別の例として、ポータブル電子装置は、ケーブルに取り付けて固定物に繋ぐこともできる。そのようにすることで、ポータブル電子装置を窃盗から守ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
典型的な小売店環境では、購入のために展示されるポータブル電子装置は、通常、多数の異なるケーブルに接続される。説明上、ポータブル電子装置は、電力を受けるための第1ケーブルと、装置を固定物に固定するための第2ケーブルとに接続される。しかしながら、多数のケーブルを使用することは、ユーザ経験の観点から最適ではない。特に、ポータブル電子装置は、通常の使用状態のもとでは、典型的に、個別の保安用ケーブルに接続されない。小売店環境における保安要求でそのようなケーブルが必要となるために、そのような環境内で通常の使用状態をシミュレーションすることは、不正確である。例えば、保安用ケーブルは、装置の動きを制限し、装置の重量に影響し、小売展示の審美性に悪影響し、等々である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の種々の実施形態によれば、種々の保安関連及び他の機能を容易にするために、ケーブルコネクタ(例えば、30ピンコネクタ)を使用することができる。ある実施形態では、例えば、コネクタは、これをポータブル電子装置に係合又はロックするために保安ロックメカニズムを備えている。コネクタは、更に、保安信号、データ信号、電力、等の送信もサポートすることができる。
【0006】
ある実施形態によれば、個別のアンロックツールを使用してコネクタをポータブル電子装置から解離することができる。より詳細には、アンロックツールは、これをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除させ、コネクタをポータブル電子装置から自由に切り離せるようにする。
【0007】
一実施形態では、コネクタは、プラグ本体と、そのプラグ本体から延びるプラグハウジングとを備えている。プラグハウジングは、嵌合工程中にそれに対応するリセプタクルコネクタ内に挿入することができる。ある実施形態では、プラグハウジングは、多数のピン位置又は接点位置を含む。1つ以上のピン位置は、各々、ピンを含み、そのピンは、リセプタクルコネクタのピン又は接点に電気的に結合される。
【0008】
このコネクタは、更に、これをリセプタクルコネクタにロックするための1つ以上のロックメカニズムも備えている。例えば、このロックメカニズムは、嵌合中にリセプタクルコネクタと係合できる1つ以上のフックを含む。特に、このフックは、リセプタクルコネクタの内部空洞に入り込んで、コネクタをリセプタクルコネクタにロックさせることができる。
【0009】
更に、コネクタは、1つ以上の解除点(フックの下部)を含む。解除点に力を加えると、ロックメカニズムが解離され、コネクタ及びリセプタクルコネクタを互いにアンロックすることができる。解除点は、コネクタの側部に位置する1つ以上のアクセス経路を経てアクセスすることができる。
【0010】
別の実施形態では、アンロックツールがハウジングを含む。このハウジングは、コネクタを受け入れる空洞を含む。特に、この空洞は、ここにコネクタを滑り込ませることのできる寸法を有する。コネクタは、ハウジングの上部開口を通してハウジングにより受け入れることができる。ハウジングは、更に、前部開口も含み、これを通して、コネクタに接続されたケーブルをハウジングから出すことができる。
【0011】
アンロックツールは、更に、1つ以上のユーザ開始部分も含む。このユーザ開始部分の下部は、アンロックツールのハウジングの空洞内チャンネルに取り付けることができる。ユーザ開始部分の上部は、ハウジングの側部に沿って延び、そしてハウジングの側部開口を経て出る。ハウジングの外側に配置されるユーザ開始部分のセグメントは、ユーザが加えた力又は圧力を受けるように構成される。ユーザ開始部分は、更に、それらの端に位置されたピンを含む。このピンは、それがコネクタのアクセス通路に入ってコネクタのロックメカニズムの解除点に接触し、接続されたリセプタクルコネクタからロックメカニズムを解除できるような長さ及び直径を有する。
【0012】
種々の実施形態は、ここに述べるこれら及び他の特徴の1つ以上を組み込むことができる。本発明の特徴及び効果は、以下の詳細な説明及び添付図面から良く理解することができるであろう。
【0013】
添付図面は、例示の目的で示されたものであり、必ずしも一定の縮尺率で描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の一実施形態によりポータブル電子装置にコネクタを係合するためのシステムを示す。
【図2】本発明の一実施形態によりポータブル電子装置からコネクタを解離するためのシステムを示す。
【図3】本発明の一実施形態による規範的なケーブルを示す。
【図4A】本発明の一実施形態による規範的な雄プラグコネクタの断面図である。
【図4B】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの側面図である。
【図4C】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの上面図である。
【図4D】図4Aに示す規範的な雄プラグコネクタの斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置のコンポーネントを示す。
【図6A】本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置内の雌リセプタクルコネクタの位置を示す。
【図6B】本発明の一実施形態による規範的な雌リセプタクルコネクタの断面図である。
【図7A】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図7B】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図7C】本発明の一実施形態により雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに係合するところを示す。
【図8A】本発明の一実施形態による規範的なアンロックツールの断面図である。
【図8B】図8Aに示す規範的なアンロックツールの底面図である。
【図8C】図8Aに示す規範的なアンロックツールの斜視図である。
【図8D】図8Aに示す規範的なアンロックツールのハウジングの断面図である。
【図8E】図8Aに示す規範的なアンロックツールのユーザ開始部の前面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするためのプロセスのブロックフローチャートである。
【図10A】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図10B】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図10C】本発明の一実施形態によるアンロックツールをアッセンブルするところを示す。
【図11】本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するプロセスのブロックフローチャートである。
【図12A】本発明の一実施形態による規範的なアンロックツールを規範的な雄プラグコネクタと共に示す断面図である。
【図12B】本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから解離される規範的な雄プラグコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の幾つかの実施形態は、種々の保安関連及び他の機能を容易にするために使用できる電気コネクタを提供する。ある実施形態では、例えば、コネクタは、コネクタをポータブル電子装置に係合又はロックするための保安ロックメカニズムを備えている。更に、コネクタは、ポータブル電子装置への保安信号、データ信号、電力、等の送信をサポートすることができる。本発明の実施形態による電気コネクタは、種々の形状、サイズ、構成、接点数、等を含むことができる。例えば、電気コネクタは、6個、8個、又は30個の接点を含むことができる。
【0016】
ある実施形態によれば、個別のアンロックツールを使用してコネクタをポータブル電子装置から解離させることができる。より詳細には、アンロックツールをコネクタに適用してコネクタのロックメカニズムを解除し、ポータブル電子装置からコネクタを自由に解離できるようにする。
【0017】
1つの規範的な実施形態において、コネクタは、アップル社により製造されたiPad(登録商標)、iPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)にインターフェイスするのに適したコネクタのような雄プラグコネクタである。この実施形態において、雄プラグコネクタは、コンピュータケーブルの一端に配置される。雄プラグコネクタは、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに係合するのに使用できるフックを備え、雄プラグコネクタとポータブル電子装置を互いに充分にロックすることができる。そのようにする際に、ポータブル電子装置は、コンピュータケーブルにより適当な固定部、等(例えば、テーブル、別のコンピューティング装置、保安システム)に繋ぐことができる。雄プラグコネクタは、更に、コネクタのフックの下部へアクセスできるようにする1つ以上の通路も含む。アンロックツールを使用して、この通路にアクセスし、雄プラグコネクタのフックをシフトさせて、フックをポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。
【0018】
雄プラグコネクタは、更に、保安信号の送信、電力の伝送、等の種々の他の機能を容易にするように構成される。例えば、雄プラグコネクタは、接続されたポータブル電子装置から保安システムへの保安信号の送信を容易にするように構成される。保安システムは、保安信号の存在を周期的に又は連続的に監視することができる。保安信号が検出されない場合に、保安システムは、警告(例えば、音声警告、電子的警告、等)を発生することができる。ある場合には、雄プラグコネクタは、外部電源からポータブル電子装置への電力の伝送を容易にするように更に構成される。
【0019】
上述したように、これら実施形態は、雄プラグコネクタにおいて保安サポート(例えば、ロックメカニズム、保安信号送信)を与えることができる。そのようにする際に、これら実施形態は、ポータブル電子装置の窃盗を阻止できるに充分なほどポータブル電子装置を安全確保することができる。これら実施形態は、更に、小売店環境内でのユーザ経験を改善できるようにする。より詳細には、保安サポートを他の機能(例えば、電力伝送)と共に単一のコネクタへと一体化することにより、これら実施形態では、小売展示に必要なコネクタ及びケーブルの数を減少することができる。その結果、小売展示の審美性を改善でき、装置の重量を減少でき、動きの制約を排除でき、等々となる。例えば、これら実施形態では、小売展示を、より審美的に楽しめ及び/又はミニマニズム的な見掛けとすることができる。別の例として、これら実施形態では、個別の保安ケーブルに関連した追加重量を排除することにより、顧客は、通常の使用状態を良好にシミュレーションすることができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によりコネクタをポータブル電子装置に固定するためのシステム100を示す。図1に示すように、システム100は、ケーブル102と、ポータブル電子装置104と、保安システム106と、電源108とを備えている。図1に更に示すように、ポータブル電子装置104及び保安システム106は、ケーブル102を経て接続を維持することができる。図1に更に示すように、ポータブル電子装置104は、更に、ケーブル102を経て電源108にも接続される。
【0021】
ケーブル102は、ポータブル電子装置104に接続することのできる適当なケーブルである。ケーブル102は、例えば、コンピュータケーブル、USBケーブル、ファイアワイヤケーブル、専有ケーブル、派生的ケーブル(例えば、USB及び/又はファイアワイヤに基づくケーブル)、リボンケーブル、フレックスケーブル、ワイヤ、ワイヤ束、等でもよいし、又はそれらを含んでもよい。
【0022】
ある実施形態では、ケーブル102は、ポータブル電子装置104の雌リセプタクルコネクタとインターフェイスする雄プラグコネクタ109を含む。この雄プラグコネクタ109は、例えば、30ピンコネクタである。しかしながら、他のコネクタタイプを使用することができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタは、雌リセプタクルコネクタに係合されるフックのようなロックメカニズムを含むことができる。より詳細には、雄プラグコネクタ109が、ポータブル電子装置104内に埋め込まれた雌リセプタクルコネクタ(図示せず)と嵌合されるときに、雄プラグコネクタ109のロックメカニズムが雌リセプタクルコネクタと係合して、ケーブル102をポータブル電子装置104に充分にロックできるようにする。例えば、雄プラグコネクタ109は、その雄プラグコネクタの各側に位置した2つのフックを含む。これらフックは、各々、雌リセプタクルコネクタの内部空洞に少なくとも部分的に受け入れられる。その後、ユーザが雄プラグコネクタ109を雌リセプタクルコネクタから切り離すよう試みたとき、雄プラグコネクタのフックが内部空洞のベースに接触する。その結果、雄プラグコネクタ109が雌リセプタクルコネクタから切り離されるのを防止する保持力が発生する。
【0023】
ある実施形態では、ケーブル12は、更に、雄プラグコネクタ109が位置する端とは逆の端に位置する多数のコネクタを含むことができる。ある実施形態によれば、これらのコネクタは、保安システムとインターフェイスするコネクタ、電源とインターフェイスするコネクタ、コンピューティング装置(例えば、デスクトップコンピュータ)とインターフェイスするコネクタ、等を含む。説明上、ケーブル102は、保安システム106とインターフェイスするコネクタと、電源108とインターフェイスするUSBコネクタとを含む。
【0024】
ある実施形態によれば、ケーブル102は、ポータブル電子装置104から保安システム106への保安信号の送信を容易にすることができる。保安システム106は、受信した信号を使用して、ポータブル電子装置104との接続を監視することができる。説明上、ケーブル102は、雄プラグコネクタを、保安システム106にインターフェイスするためのコネクタと接続する経路(例えば、1つ以上の電気的要素又はライン)を含む。ケーブル102がポータブル電子装置104及び保安システム106に接続されると、ポータブル装置104と保安システム106との間に電気回路を形成することができる。保安システム106は、その回路を監視して、ポータブル電子装置104との現在接続状態を決定することができる。ある実施形態では、ケーブル102は、電源108からポータブル電子装置104への電力の伝送を更に容易にすることができる。
【0025】
ポータブル電子装置104は、雄プラグコネクタに接続するのに適した雌リセプタクルコネクタを伴うポータブル電子装置である。ポータブル電子装置104は、例えば、ラップトップコンピュータ、タブレット装置、キーフォブ、カーキー、アクセスカード、マルチファンクション装置、移動電話、ポータブルゲーム機、ポータブルマルチメディアプレーヤ、ポータブルミュージックプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、家庭用機器、及び/又はポータブル又は非ポータブルの電子又は電気−機械的装置、等である。説明上、ポータブル電子装置104は、カリフォルニア州クパチーノのアップル社から入手できるiPad(登録商標)、iPod(登録商標)又はiPhone(登録商標)装置である。
【0026】
保安システム106は、ポータブル電子装置を安全確保するのに適したシステムである。説明上、保安システム106は、ポータブル電子装置104からの保安信号を連続的又は周期的に監視する警報システムである。保安信号が検出されない場合に、保安システム106は、警報又はメッセージを発生することができる。説明上、保安システム106は、ケーブル102を経てポータブル電子装置104に接続される。保安システム106がポータブル電子装置104に接続されている間には、保安システムとポータブル電子装置との間に電気回路を維持することができる。例えば、ケーブル102が切断されるか又はポータブル電子装置104がケーブル102から切り離されたために回路が切れた場合には、保安システム106が警報音を発生することができる。
【0027】
電源108は、ポータブル電子装置104に電力を供給するための適当な電源である。例えば、電源108は、ACアダプタ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、USBポート付きの装置、等である。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態により雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するためのシステム200を示す。図2に示すように、システム200は、ケーブル102と、ポータブル電子装置104と、保安システム106と、電源108と、アンロックツール210とを備えている。システム200は、図1に示したシステム100と同様であるが、システム200は、ケーブル102の雄プラグコネクタ109を部分的に包囲するアンロックツール210を備えている。ケーブル102の配線は、アンロックツール210の前部開口を通して延び、保安システム106及び電源108に接続している。
【0029】
図1のシステム100と同様に、雄プラグコネクタ109は、ポータブル電子装置104の雌リセプタクルコネクタにロックされる。ある実施形態では、ユーザは、アンロックツール210の側部に圧力又は若干の力を加えて、ツールが雄プラグコネクタ109を雌リセプタクルコネクタから解離させるようにする。特に、ツールは、雄プラグコネクタ109のフックを雌リセプタクルコネクタの内部空洞から外に移動させることができる。アンロックツール210を使用して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから解離させる仕方を以下に詳細に説明する。
【0030】
図1及び2に示す装置及びケーブルは、例示に過ぎず、その変形及び変更が考えられることが明らかである。例えば、図1及び2のシステムは、1本のケーブル、1つのポータブル電子装置、1つの保安システム、1つの電源、及び/又は1つのアンロックツールを示しているが、(0も含めて)適当な数のそれらエンティティが含まれてもよい。異なるエンティティを含むこともできる。説明上、図1のポータブル電子装置104は、ケーブル102を経て保安システム、電源及びデスクトップコンピュータに接続することができる。
【0031】
図3は、本発明の一実施形態による規範的ケーブル300(例えば、図1及び2のケーブル102)を示す。ケーブル300は、雄プラグコネクタ302、保安用コネクタ304、USBケーブル306及びケーブリング部分312を含む。上述したコネクタの各々は、種々の機能をサポートするための接点又はピンのセットを含む。
【0032】
ケーブリング部分312は、コネクタの1つ以上のピンを別のコネクタの1つ以上のピンに接続するのに適した電気的要素又はラインを含む。例えば、ケーブリング部分312の1つ以上の電気的要素は、雄プラグコネクタ302の1つ以上のピンを保安用コネクタ304の1つ以上のピンに接続することができる。別の例として、ケーブリング部分312の1つ以上の電気的要素は、雄プラグコネクタ302の1つ以上のピンをUSBコネクタ306の1つ以上のピンに接続することができる。
【0033】
雄プラグコネクタ302は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルと嵌合するのに適した接続メカニズムである。ある実施形態では、例えば、雄プラグコネクタ302は、30ピンコネクタである。そのような実施形態では、30ピンの雄プラグコネクタは、30個のピン位置と、それらのピン位置に指定された30本以下のピンを含む。ある実施形態によれば、図3に示すように、雄プラグコネクタ302は、ケーブル300の一端に位置される。
【0034】
ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、雄プラグコネクタをポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに一時的に係合又はロックするためのロックメカニズム308を備えている。そのようにする際に、ケーブル300は、ポータブル電子装置を固定するのに使用できる。より詳細には、ケーブル300は、ポータブル電子装置を、例えば、別の装置、保安システム、電源、テーブル、他の固定物、等に繋ぐことができる。
【0035】
更に、図3に示すように、雄プラグコネクタ302は、アクセス通路310を含む。このアクセス通路310は、アンロックツールがロックメカニズム308にアクセスできるようにする。ロックメカニズム308にアクセスするとき、アンロックツールは、ロックメカニズムを解除させ、雄プラグコネクタ302を雌リセプタクルコネクタから解離できるようにする。
【0036】
ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、種々の信号を伝送するための1つ以上のピン又は接点を含む。ある実施形態によれば、雄プラグコネクタ302は、保安信号を伝送するためのピンを含む。例えば、雄プラグコネクタ302の30番目のピンを使用して、保安信号を保安システムに伝送することができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、保安信号の伝送をサポートするための付加的な回路を含むことができる。例えば、雄プラグコネクタ302は、接続された保安システムとで信号が適切に作用するように保安信号を調整、変更、変換、及び/又はフィルタリングすることのできる回路を含む。ある実施形態では、雄プラグコネクタ302は、更に、電力を受け及び/又はデータを通信するための接点又はピンも含む。
【0037】
保安用コネクタ304は、保安システムとインターフェイスするための適当なコネクタである。説明上、保安用コネクタ304は、保安システムのRJ−11ソケットとインターフェイスするのに適したRJ−11タイプのコネクタである。図3に示すように、保安用コネクタ304は、雄プラグコネクタ302が位置する端とは反対のケーブル300の端に位置される。ある実施形態では、保安用コネクタ304は、ポータブル電子装置104から保安システム106への保安信号の伝送を容易にすることができる。例えば、保安用コネクタ304は、保安システムに接続することができる。保安用コネクタ304の1つ以上のピンは、接続されたポータブル電子装置から(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経て)保安信号を受信し、そして保安信号を保安システムに与えることができる。
【0038】
USBコネクタ306は、標準的又は派生的USBコネクタである。説明上、USBコネクタ306は、別の装置、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、A/Cアダプタ、等、のUSBポートとインターフェイスするための従来のUSBコネクタである。図3に示すように、USBコネクタ306は、雄プラグコネクタ302が位置する端とは反対のケーブル300の端に位置される。
【0039】
ある実施形態では、USBコネクタ306は、USBコネクタ306が接続されたUSBポートから(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経て)ポータブル電子装置への電力の伝送を容易にすることができる。説明上、USBコネクタ306は、接続されたUSBポートから5Vまでを引き出すためのピン又は接点を含む。引き出された電力は、ポータブル電子装置へ伝送され、ポータブル電子装置は、その電力を使用して、ポータブル電子装置に位置する回路を動作し、ポータブル電子装置に関連したバッテリを充電し、等々を行うことができる。
【0040】
ある実施形態では、USBコネクタ306は、更に、そのUSBコネクタ306が接続された装置とポータブル電子装置との間の(雄プラグコネクタ302及びケーブリング部分312を経ての)データ伝送を容易にする。例えば、USBコネクタ306は、ポータブル電子装置とでデータ信号をやり取りするためのピン又は接点を含む。データ信号は、例えば、USB 1.0、USB 2.0、USB 3.0、或いは既に開発された又は現在開発中の又は将来開発される他のUSB規格に準拠する信号である。
【0041】
図3には明確に示されていないが、ケーブル300は、他のコネクタ、例えば、データ信号を受信するコネクタ(例えば、イーサネットケーブル)、ビデオ信号を受信するコネクタ(例えば、HDMI、DVI、DisplayPort、RCA、同軸コネクタ、等)、オーディオ信号を受信するコネクタ(例えば、TSコネクタ、TRSコネクタ、RCAコネクタ、等)、等も含む。例えば、ケーブル300は、接続された装置からビデオ信号を受信しそしてポータブル電子装置へ信号を送信するためのHDMIコネクタを含むことができる。
【0042】
図4A−4Dは、本発明の一実施形態による規範的な雄プラグコネクタ400(例えば図3の雄プラグコネクタ302)、断面図、側面図、上面図及び斜視図である。図4Aを参照すれば、雄プラグコネクタ400の断面図が示されている。図4Aに示すように、雄プラグコネクタ400は、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、フック406と、アクセス通路408とを備えている。プラグ本体402は、ユーザが雄プラグコネクタ400を保持又は把持できるようにするのに適したハウジングであり、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタへの雄プラグコネクタの嵌合又はインターフェイスを容易に行えるようにする。プラグ本体402は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、プラグ本体402は、雄プラグコネクタを識別するための画像、アイコン、ラベル、又は他の要素を含む。説明上、プラグ本体402は、その外面に位置するロックアイコンを含む。このロックアイコンは、雄プラグコネクタ400が保安機能を含むことをユーザが識別できるようにする。ある実施形態では、プラグ本体402は、プラグハウジング404及びフック406を少なくとも一部分包囲することができる。プラグ本体402は、更に、外部アンロックツールがフック406にアクセスできるようにするアクセス通路408も含む。以下に述べるように、このアクセス通路408は、フック406に通じるプラグ本体402内の通路である。
【0043】
プラグハウジング404は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに接続するのに適した接続メカニズムである。プラグハウジング404は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等、の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、プラグハウジング404は、雌リセプタクルコネクタのリセプタクル舌状部に適合するように形成される。例えば、プラグハウジング404は、リセプタクル舌状部を受け入れるように形成された挿入開口を含む。ある実施形態では、プラグハウジング404は、1つ以上の接点又はピンを含む。プラグハウジング404がリセプタクル舌状部に嵌合されたとき、プラグハウジングのピンが、リセプタクル舌状部にピンに電気的に結合される。そのようにする際に、種々の機能を容易に行うことができる。説明上、ポータブル電子装置に電力を供給することができる。又、ポータブル電子装置から、接続された保安システムに保安信号を伝送することができる。
【0044】
ある実施形態では、各ピンは、プラグハウジング404内のピン位置に配置される。プラグハウジング404におけるピンの数は、プラグハウジングにおける全ピン位置数以下である。説明上、プラグハウジング404は、30個のピン位置を含み、各位置に対して30本のピンが指定される。別の例では、プラグハウジング404は、30個のピン位置を含むが、ピンは6本だけである。プラグハウジング404内のピンは、適当なピン位置に指定することができる。ピンの指定位置は、連続的であるが、その必要はない。
【0045】
ある実施形態では、プラグハウジング404は、各側部に配置された開口を含む。この開口は、フック406の部分(例えば、ロック部分410)が開口を通して出ることができるように構成される。
【0046】
フック406は、雄プラグコネクタ400をポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタに係合するのに適したメカニズムである。フック406は、柔軟な金属又はバネ状の品質をもつ他の材料で形成することもできるし、バネ等によりバイアスすることもでき、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタに接続する間にフックをそらし、そして雄プラグコネクタと雌リセプタクルコネクタとの接続後にフックを元の位置に戻すことができる。説明上、雄プラグコネクタ400が雌リセプタクルコネクタに嵌合されるときに、フック406を内方にシフトさせることができる。嵌合事象に続いて、フック406は、元の位置に戻るようシフトさせることができる。元の位置に戻るようにシフトする際に、フック406は、雌リセプタクルコネクタに係合して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0047】
例えば、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方に傾斜するように構成される。より詳細には、各フック406は、そのベースがプラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内に固定され又は取り付けられている。各フック406は、更に、そのベースの周りで枢着回転して嵌合事象中にフックを内方に傾斜できるように構成される。傾斜の結果として、各フック406のロック部分410(以下で詳細に述べる)は、プラグハウジング404内へ引っ込む。嵌合に続いて、各フック406は、その元の位置へ傾斜が戻り、そのロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0048】
別の例として、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方に屈曲するように構成することもできる。特に、各フック406は、そのベースがプラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内に固定され又は取り付けられている。説明上、各フック406のベースは、例えば、プラグ本体402内のチャンネルによって固定される。各フック406の上部は、嵌合事象中に内方に屈曲するように構成される。屈曲の結果として、各フック406のロック部分410は、プラグハウジング404内へ引っ込むことができる。嵌合に続いて、各フック406の上部がその元の位置へ屈曲が戻り、各フック406のロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。
【0049】
更に別の例として、ある実施形態によれば、フック406は、嵌合事象中に内方へ移動するように構成することもできる。そのような実施形態では、各フックのベースは、プラグ本体402及び/又はプラグハウジング404内の特定の位置に固定されない。むしろ、嵌合事象中に、各フック全体が内方に移動する。この移動の結果として、各フック406のロック部分410は、プラグハウジング404へ引っ込むことができる。嵌合に続いて、各フック406は、その元の位置へ移動して戻り、そのロック部分410がプラグハウジング404の外側へ延びて、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタにロックさせる。このような実施形態では、フック406は、垂直(又は実質的に垂直)のままであり、嵌合中に屈曲しないままである。
【0050】
図4Aに示されて、簡単に述べるように、フック406は、各フック406を雌リセプタクルコネクタに係合できるようにするロック部分410を含む。各ロック部分410又は「とげ」は、プラグハウジング404の側部の開口を通して突出することができる。上述したように、個々のフック406は、嵌合事象中に、移動、傾斜又は屈曲されて、その関連フック部分410が開口内に引っ込むことができるようにする。各ロック部分410は、雌リセプタクルコネクタに係合するのに適した構造及び形状にされる。例えば、個々のロック部分は、三角形状である。この形状は、例えば、直角三角形を近似してもよい。ある実施形態では、個々のロック部分410の側部414が雌リセプタクルコネクタに対して傾斜されて、個々のフック406を比較的小さな力で雌リセプタクルコネクタに係合又はロックできるようにする。特に、個々のフック406を雌リセプタクルコネクタの内部空洞に入れさせるのに比較的小さな力しか要求されない。個々のロック部分410の側部412は、接続される雌リセプタクルコネクタの内部空洞に平行であるか又は実質的に平行である。その結果、側部412は、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタにロックする保持メカニズムとして働く。ある実施形態では、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタから切り離すのに必要な力は、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタに接続するのに必要な力より大きい。ある実施形態では、雄プラグコネクタ400を雌リセプタクルコネクタから切り離すのに必要な力は、フック406が雌リセプタクルコネクタに係合されたときにフックを破壊するに充分なほど大きい。
【0051】
上述したように、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースと平行又は実質的に平行である。ある実施形態では、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースに対して±5°である。他の実施形態では、側部412は、雌リセプタクルコネクタの内部空洞のベースに対して±15°である。ある実施形態では、側部412は、長さが1.05ないし1.30mmである。例えば、側部412は、長さが1.13mmである。
【0052】
アクセス通路408は、外部アンロックツールの少なくとも一部分を受け入れるように構成されたアクセス経路を含む。例えば、雄プラグコネクタ400は、2つのアクセス通路を含む。図4Aに示すように、2つのアクセス通路は、雄プラグコネクタの互いに反対側に位置される。ある実施形態では、アクセス通路408のアクセス経路は、アンロックツールがフック406にアクセスして、フックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができるようにする。より詳細には、外部アンロックツールのピンは、アクセス経路の長さに沿って進行して、フック406の解除点に接触し、フックが移動、傾斜又は内方に屈曲されるようにする。そのようにする際に、フック406は、雌リセプタクルコネクタから解離され、ポータブル電子装置を雌リセプタクルコネクタから容易に切り離すことができる。アクセス通路408は、適当な形状でよく、外部アンロックツールを受け入れる適当な寸法を含む。例えば、各アクセス通路408は、円筒形状である。加えて、各アクセス通路408は、通路にアクセスするのに特殊なツールを必要とするような直径を含んでもよい。ある実施形態では、各アクセス通路408の直径は、ある標準的な品目及び/又は従来入手できる品目より小さくてもよい。例えば、個々のアクセス通路408は、その直径が標準的なペーパークリップより小さい。従って、標準的なペーパークリップは、アクセス通路に入ってフック406にアクセスするのに使用するには太過ぎる。その結果、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタからアンロックすることは困難である。ある実施形態では、アクセス経路408は、その直径が0.808mm以下である。
【0053】
図4Bは、雄プラグコネクタ400の側面図である。特に、図4Bは、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、個々のフック406と、個々のアクセス通路408とを示す。上述したように、外部アンロックツールは、通路408にアクセスし、そしてフック406を、接続された雌リセプタクルコネクタから解離させる。図4Cは、雄プラグコネクタ400の上面図である。特に、図4Cは、プラグハウジング404に含まれる種々のピンを示す。ある実施形態では、ピン422は、電力(例えば、USB5V電力)を伝送するのに使用される。ピン424及び426は、更に、データ(例えば、USB D±)を伝送するのに使用される。ピン418及び420は、接地機能(例えば、USB接地)を与えるのに使用される。ある実施形態では、ピン416は、保安信号を伝送するのに使用される。しかしながら、それに加えて又はそれとは別に、他のピンを使用して保安信号を伝送してもよい。図4Dは、雄プラグコネクタ400の斜視図である。特に、図4Dは、プラグ本体402と、プラグハウジング404と、フック406と、個々のアクセス通路408とを示す。
【0054】
図5は、本発明の一実施形態による規範的なポータブル電子装置500(例えば、図1及び2のポータブル電子装置104)のコンポーネントを示すブロック図である。一例において、ポータブル電子装置500は、コントローラ502と、Bluetoothモジュール504と、RFモジュール506と、WiFiモジュール508と、記憶モジュール510と、ディスプレイモジュール512と、アクセサリ入力/出力モジュール516とを備えている。ある実施形態では、ポータブル電子装置500は、付加的モジュール、例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)モジュール、バッテリモジュール、動き検出モジュール、装置方向モジュール、オーディオモジュール、三次元ビデオ処理モジュール、磁気計モジュール、三次元ジャイロスコープモジュール、加速度検出モジュール、等を含む。ある実施形態では、ポータブル電子装置500は、ユーザがこれを容易に動かせるに充分なサイズ、寸法及び重量である。例えば、ポータブル電子装置500は、ポケットサイズである。
【0055】
1つ以上の集積回路として実施されるコントローラ502は、ポータブル電子装置500の全体的動作を制御及び管理することができる。例えば、コントローラ502は、記憶モジュール510に記憶できる種々のアセットを検索し、種々のモジュールの機能にアクセスし(例えば、Bluetoothモジュール504を経て他のBluetoothイネーブル装置と対話し)、記憶モジュール510に常駐する種々のソフトウェアプログラム(例えば、オペレーティングシステム及びアプリケーション)を実行し、ワイヤレスネットワークアクセスクレデンシャルを送信し、装置識別子を送信し、等の種々のタスクを遂行することができる。ある実施形態では、コントローラ502は、マシン読み取り可能なインストラクションを実行するように構成された1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)を含む。例えば、コントローラ502は、単一チップアプリケーションプロセッサを含む。コントローラ502は、更に、適当な仕方で記憶モジュール510に接続される。
【0056】
Bluetoothモジュール504は、他のBluetoothイネーブル装置とのワイヤレス通信を実行しそしてコントローラ502と他のBluetoothイネーブル装置との間でRF信号を交換できるようにするハードウェアの適当な組み合わせを含む。ある実施形態では、Bluetoothモジュール54は、そのようなワイヤレス通信を標準的なBluetoothベーシックレート/エンハンストデータレート(BR/EDR)及び/又はBluetooth低エネルギー(LE)規格に基づいて実行することができる。例えば、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信をBluetooth LR(例えば、単一モード動作)のみに基づいて実行するのに適したハードウェアを含む。別の例として、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信を、標準的なBluetooth BR/EDR及びBluetooth LE(例えば、デュアルモード動作)の両方に基づいて行うのに適したハードウェアを含む。更に別の例として、Bluetoothモジュール504は、装置発見、接続確立及び通信を、標準的なBluetooth BR/EDRのみに基づいて行うのに適したハードウェアを含む。
【0057】
RFモジュール506は、ワイヤレスボイス及び/又はデータネットワークとのワイヤレス通信を実行するためのハードウェアの適当な組み合わせを含む。例えば、RFモジュール506は、ポータブル電子装置500のユーザがワイヤレスボイスネットワークに電話コールを発信できるようにするRFトランシーバ(例えば、GSM又はCDMAのような移動電話技術、5G又はEDGEのような進歩型データネットワーク技術を使用する)を含む。
【0058】
WiFiモジュール508は、他のWiFiイネーブル装置とのWiFi(例えば、IEEE802.11ファミリー規格)ベースの通信を実行するためのハードウェアの適当な組み合わせを含む。
【0059】
記憶モジュール510は、例えば、ディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハイブリッド型のメモリ、光学ディスクドライブ、又はプログラムコード及び/又はデータを記憶できる他の記憶媒体を使用して、実施することができる。記憶モジュール510は、オペレーティングシステム、アプリケーション、及び関連プログラムコードを含めて、コントローラ502により実行可能なソフトウェアプログラム514を記憶することができる。
【0060】
ソフトウェアプログラム514(ここでは、ソフトウェア又はアプリケーションとも称される)は、コントローラ502によって実行できるプログラムを含む。ある実施形態では、幾つかのプログラムがポータブル電子装置500にその製造者によってインストールされる一方、他のソフトウェアプログラムがユーザによってインストールされる。ソフトウェアプログラム514は、例えば、オペレーティングシステム、生産性アプリケーション、ビデオゲームアプリケーション、パーソナル情報管理アプリケーション、メディアアセットを再生し及び/又はメディアアセットデータベースをナビゲートするアプリケーション、コールを発信及び/又は受信するための電話インターフェイスを制御するアプリケーション、等を含む。あるソフトウェアアプリケーション514は、ポータブル電子装置と通信し及び/又はそれを制御し、そしてあるソフトウェアプログラム514は、ポータブル電子装置500からの制御信号又は他の入力に応答する。
【0061】
ディスプレイモジュール512は、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ(例えば、タッチスクリーン)、プラズマディスプレイ、直接投射又は後方投射DLP、マイクロディスプレイ、等として実施される。種々の実施形態において、ディスプレイモジュール512は、ユーザインターフェイス、画像、等を視覚表示するのに使用される。ある実施形態では、ディスプレイモジュール512は、ポータブル電子装置500のユーザから入力を受け取るようにも構成される。例えば、ディスプレイモジュール512は、LCDベースのタッチスクリーンである。動作中に、ディスプレイモジュール512は、ユーザにグラフィックユーザインターフェイスを提示すると共に、ユーザからの入力(例えば、指タップ)も受け取る。
【0062】
入力/出力(I/O)インターフェイス516は、ポータブル電子装置500と、接続された装置又はシステムとの間に種々の信号を搬送するように構成された多数の信号経路を含む。一実施形態では、アクセサリI/Oインターフェイス516は、アップル社によって製造販売されているiPad(登録商標)、iPod(登録商標)及びiPhone(登録商標)製品に使用されるコネクタに対応する30ピン雌リセプタクルコネクタを含むが、他のコネクタも使用できる。ある実施形態では、入力/出力インターフェイス516は、接続された装置(例えば、ACアダプタ、ラップトップコンピュータ、等)から電力を受け取り、保安信号を送信し、データ信号を送信し、等々を行う。
【0063】
図6A−6Bは、本発明の一実施形態によるポータブル電子装置の規範的雌リセプタクルコネクタ600を示す。図6Aを参照すれば、ポータブル電子装置(例えば、図1及び2のポータブル電子装置104)内における雌リセプタクルコネクタ600の位置が例示されている。図6Aに示すように、雌リセプタクルコネクタ600は、ポータブル電子装置のベースに配置される。
【0064】
図6Bを参照すれば、雌リセプタクルコネクタ600の断面図が示されている。図6Bに示すように、雌リセプタクルコネクタ600は、リセプタクル舌状部602及びハウジング部分604を備えている。リセプタクル舌状部602は、1つ以上の接点の周りに射出成型されたものである。ある実施形態では、リセプタクル舌状部602は、接点のための機械的な支持体をなす。リセプタクル舌状部602は、更に、接点の周りに耐湿性又は耐水性シールを与え、ポータブル電子装置の内部のコンポーネント又は回路を保護することができる。ある実施形態では、リセプタクル舌状部602は、雄プラグコネクタのプラグハウジング内に適合するように形成される。
【0065】
ハウジング部分604は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせで構成される。ある実施形態では、ハウジング部分604は、リセプタクル舌状部602を包囲し、そして雄プラグコネクタに適合するくぼみを形成する。例えば、ハウジング部分604は、雄プラグコネクタのプラグハウジングがくぼみ内に適合してリセプタクル舌状部602とインターフェイスするような寸法とされる。ある実施形態では、ハウジング部分604は、内部空洞606を含む。雌リセプタクルコネクタが雄プラグコネクタに接続される間に、内部空洞606は、ある実施形態では、雄プラグコネクタのフックのロック部分を受け入れることができる。雌リセプタクルコネクタと雄プラグコネクタの接続に続いて、ロック部分が内部空洞606に位置される。このようにロック部分を受け入れることにより、雌リセプタクルコネクタ600は、雄プラグコネクタにロックされる。
【0066】
ある実施形態では、ハウジング部分604は、更に、少なくとも一部分は、ポータブル電子装置の他のコンポーネント及び/又は回路を包囲するのにも使用される。例えば、ハウジング部分604は、更に、ポータブル電子装置のアプリケーションプロセッサ、Bluetoothモジュール、WiFiモジュール、等も包囲する。
【0067】
図7A−7Cは、本発明の一実施形態により雄プラグコネクタ(例えば、雄プラグコネクタ400)を雌リセプタクルコネクタ(例えば、雌リセプタクルコネクタ600)に係合するところを示す。
【0068】
図7Aは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600の接続前の断面図である。図7Bは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600が接続されつつあるときの断面図である。図7Bに示すように、雄プラグコネクタ400の各フックは、雌リセプタクルコネクタ600の壁により内方に傾斜される。しかしながら、各フックは、外方への力を維持し、各フックは、雌リセプタクルコネクタ600の壁面に沿って移動し、それにタッチする。図7Cは、雄プラグコネクタ400及び雌リセプタクルコネクタ600が完全に接続された後の断面図である。図7Cに示すように、雄プラグコネクタ400のフックの外方への力により、フックは、元の位置へ傾斜が戻る。その結果として、フックのロック部分は、雌リセプタクル600の内部空洞に入る。その際に、雄プラグコネクタ400は、雌リセプタクルコネクタ600と充分に位置固定される。
【0069】
図8A−8Eは、本発明の一実施形態による規範的なアンロックツール800(例えば、アンロックツール208)の種々の図である。図8Aは、アンロックツール800の断面図である。アンロックツール800は、ポータブル電子装置の雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを解離するのに適した装置である。図8Aに示すように、アンロックツール800は、ユーザ開始部分802及びハウジング804を備えている。
【0070】
ユーザ開始部分802は、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離するのに使用される(例えば、2本の)ワイヤ状モジュールのセットである。ユーザ開始部分802は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせを使用して実施される。例えば、ユーザ開始部分802は、例えば、ユーザの手で僅かな力が加えられるのに応答して開始部分を屈曲できるに充分な柔軟性をもつ適当な金属又は合成材料を使用して実施される。力を加えるのに続いて、ユーザ開始部分802は、元の位置に戻ることができる。
【0071】
ある実施形態では、各ユーザ開始部分802は、ピン812を含む。図8Aに示すように、ピン812は、個々のユーザ開始部分802の一端に位置される。各ピン812は、個々のユーザ開始部分802のセグメントであって、ユーザ開始部分の他の部分に対して減少された直径又は小さな直径を有する。ある実施形態によれば、ピン812は、各々、直径が0.8mm以下である。ある実施形態では、個々のピン812は、ユーザがアンロックツール800を適用するのに応答して、雄プラグコネクタの通路にアクセスし、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離させる。説明上、ユーザは、ユーザ開始部分802の一部分(例えば、以下に述べる空洞806から延びる部分)に圧力を加える。そのような圧力で、ピン812を雄プラグコネクタのアクセス通路へと移動させて雄プラグコネクタのフックに接触させる。その接触力で、フックを内方に移動、傾斜又は屈曲させて、フックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。フックが解離すると、ユーザは、雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタを自由に取り外すことができる。ある実施形態では、ピン812は、雄プラグコネクタの通路にこれを通して雄プラグコネクタのフックを解離できるようにするに充分な長さである。
【0072】
ある実施形態では、各ユーザ開始部分802の一部分がハウジング804の空洞(例えば、以下に述べる空洞806)内に水平に延びる(例えば、部分816)。その際に、これらの部分は、空洞の下部への雄プラグコネクタの移動を制限又は停止するように一緒に動作する。その際に、雄プラグコネクタは、アンロックツール800と垂直方向に整列される。例えば、部分816は、ユーザ開始部分のピン812を雄プラグコネクタのアクセス通路と垂直方向に整列させることができる。
【0073】
ハウジング804は、プラスチック、金属、木、アクリル、ガラス、複合材料、等の適当な材料又は材料の組み合わせを使用して実施される。ある実施形態では、例えば、ハウジング804は、射出成形プラスチックハウジングである。ある実施形態によれば、ハウジング804は、黒、白、又は種々のグレーの陰影の目立たない色である。ある実施形態では、ハウジング804は、一般的に、長方形である。より詳細には、外面及び内面は、実質的に長方形であるか、又はほぼまっすぐな表面を含む。ある実施形態では、ハウジング804は、若干カーブした又は丸みの付いた表面を含む。
【0074】
図8Aに示すように、ハウジング804は、空洞806を形成する。空洞806は、それが雄プラグコネクタを受け入れられるようにする寸法を有する。ある実施形態では、雄プラグコネクタは、ハウジング804の上部開口を通して空洞806に受け入れることができる。ある実施形態では、雄プラグコネクタのアクセス通路をピン812と水平方向に整列できるように、雄プラグコネクタが空洞806内に配置される。ピン812を通路と水平方向に整列することにより、この実施形態では、ピンを使用して、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから解離することができる。
【0075】
ある実施形態では、ハウジング804は、下部開口810を含む。ある実施形態によれば、この下部開口810は、例えば、ユーザがアンロックツール800を持ち運びできるための首ひも、チェーン、又は他のメカニズムを受け入れるのに使用される。例えば、首ひもの一端は、下部開口の第1開口に通される。その同じ端が、更に、下部開口の第2開口に通される。その際に、アンロックツール800をユーザにより持ち運びできるように首ひもがハウジング804にしっかり取り付けられる。説明上、ユーザは、自分の首の周りに首ひもを着用して、アンロックツール800を便利に持ち運ぶことができる。
【0076】
ある実施形態では、ハウジング804は、ユーザ開始部分802のピン812を受け入れるためのピン開口814を含む。このピン開口は、ユーザ開始部分802のピン812のみが通過できる寸法を有する。特に、ピン812が開口を完全に通過すると、開口814を取り巻く壁がユーザ開始部分802の内方移動を制限又は停止することができる。その際に、ハウジング804は、ユーザ開始部分802を充分に内方に移動させて、雄プラグコネクタのフックを解離させる一方、ユーザ開始部分が、フックにダメージを及ぼしたり、又は雄プラグコネクタの動作を妨げたりするほど移動されるのを防止することができる。
【0077】
ある実施形態では、ハウジング804は、ユーザ開始部分802を受け入れるチャンネル808のセットを含む。ある実施形態では、このチャンネルには、糊又はエポキシのような接着剤が充填される。その際に、ユーザ開始部分802は、ハウジング804に嵌合される。
【0078】
図8Bは、アンロックツール800の底面図である。特に、図8Bは、アンロックツール800を便利に持ち運びできるように首ひもと共に使用される下部開口810を示す。図8Cは、アンロックツール800の斜視図である。特に、図8Cは、ユーザ開始部分802、ハウジング804及び空洞806を示す。更に、図8Cは、前部開口818を示す。図8Dは、アンロックツール800のハウジング804の断面図である。図8Dに示すように、ハウジング804は、側部開口820を含む。この側部開口820は、長さが巾の少なくとも数倍である。図8Eは、アンロックツール800のユーザ開始部分802の前面図である。
【0079】
図3から8に示すケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、例示に過ぎず、変形及び変更が考えられることが明らかである。例えば、あるモジュールを除去し、追加し、変更し、交換し、組み合わせる、等々を行うことができる。説明上、ケーブル300は、雄プラグコネクタに代わって雌リセプタクルコネクタを含むことができる。
【0080】
図3から8に示すケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、他の形式のコネクタ(例えば、ファイアワイヤコネクタ、イーサネットコネクタ、HDMIコネクタ、eSATAコネクタ、電源コネクタ、ディスプレイコネクタ、等)にも適合させられることが明らかであろう。又、新たなコネクタ形式が開発されたときにも、前記ケーブル、コネクタ、アンロックツール及びポータブル電子装置は、それらの形式と共に使用することができよう。
【0081】
アンロックツールをアッセンブルするのに使用されそしてアンロックツールを使用するプロセスの例を説明する。図9は、本発明の一実施形態によりアンロックツール(例えば、図8Aのアンロックツール800)を製造しそしてアッセンブルするプロセス900のフローチャートである。ブロック902において、適当な射出成型プロセスによりアンロックツール800のハウジング804を形成する。ブロック904において、適当な加工プロセスによりユーザ開始部分802を加工する。ブロック906において、ハウジング804のチャンネル808内に糊又はエポキシのような接着剤を入れる。
【0082】
ブロック908において、ハウジング804の側部開口を通してユーザ開始部分802を移動する。特に、各ユーザ開始部分802の端をハウジング804の側部開口に水平に又は実質的に水平に通す。説明上、図10Aは、ユーザ開始部分802がハウジング804の側部開口1002を通して移動されるところを示している。図10Aに示すように、側部開口に最初に通される個々のユーザ開始部分の端は、ユーザ開始部分のピンが位置する端とは反対の端である。
【0083】
ブロック910において、ユーザ開始部分802を回転して下方に移動し、ユーザ開始部分を垂直方向に位置させる。説明上、図10Bは、垂直位置へと回転するときのユーザ開始部分802を示す。完全に回転されて下方に移動されると、ユーザ開始部分は、ハウジング804のチャンネル808に入れられる。ある実施形態では、ユーザ開始部分は、チャンネル808に「パチン」と入れられる。図10Cは、ユーザ開始部分が垂直位置へ完全に回転されたところを示している。ユーザ開始部分802をチャンネル808へ入れることにより、ユーザ開始部分がハウジング804に固定される。
【0084】
ブロック912において、接着剤を固定するに充分な時間の経過が許される。ブロック914において、ハウジング804の下部開口に首ひもを通し、アンロックツールを便利に持ち運びできるようにする。例えば、ユーザは、首ひもを首の周りに掛けることによりアンロックツールを持ち運ぶことができる。別の例として、ユーザは、首ひもをベルトのループに取り付けることによりアンロックツールを持ち運ぶこともできる。
【0085】
図11は、本発明の一実施形態によりアンロックツール(例えば、図8Aのアンロックツール800)を使用して雌リセプタクルコネクタから雄プラグコネクタ(例えば、図4Aの雄プラグコネクタ400)を解離するためのプロセス1100のフローチャートである。
【0086】
ブロック1102において、アンロックツール800をケーブルのケーブリング部分上にスライドさせる。例えば、アンロックツール800をケーブリング部分上に移動させ、ケーブリング部分がアンロックツール800の空洞内に入るようにする。ある実施形態では、ケーブリング部分は、アンロックツール800の上部を通して空洞に入る。ケーブリング部分は、更に、アンロックツール800の前部開口を通して空洞を出る。ブロック1104において、アンロックツールをケーブリング部分に沿ってケーブルの雄プラグコネクタ(例えば、図4Aの雄プラグコネクタ400)に向けて移動する。雄プラグコネクタに到達すると、アンロックツール800は、その上部を通して雄プラグコネクタを受け入れることができる。
【0087】
ブロック1106において、アンロックツールを雄プラグコネクタと整列させる。特に、アンロックツール800を、そのアンロックツールのユーザ開始部分(例えば、図8Aの部分816)の一部分が雄プラグコネクタに接触するまで移動する。そのような接触は、雄プラグコネクタがアンロックツール800の空洞へ更に移動するのを防止し、そして雄プラグコネクタのアクセス通路をアンロックツール800のピンと垂直方向に整列させるように働く。図12Aは、例えば、アンロックツール800が雄プラグコネクタ400と整列されたところを示す。図12Aに示すように、雄プラグコネクタは、ユーザ開始部分によりアンロックツール800の空洞へ更に移動することが防止される。又、図12Aに示すように、雄プラグコネクタのアクセス通路は、アンロックツール800のユーザ開始部分のピンに整列される。
【0088】
ブロック1108において、アンロックツール800のユーザ開始部分に圧力又は力を加える。例えば、ユーザは、自分の親指及び人差し指を使用して圧力を加えることができる。図12Aを再び参照すれば、矢印1202及び1204は、ユーザ開始部分に圧力を加えることのできるエリアを示す。この圧力でユーザ開始部分のピンが雄プラグコネクタのアクセス通路に入り、雄プラグコネクタのフックを雌リセプタクルコネクタから解離させることができる。説明上、図12Bは、雌リセプタクルコネクタから解離されるときの雄プラグコネクタの断面図である。図12Bに示したように、アンロックツール800のピン812が雄プラグコネクタ400のフック406に接触し、雌リセプタクルコネクタ600の内部空洞606からフックを抜き去ることができる。その結果として、雄プラグコネクタを雌リセプタクルコネクタから自由に除去又は切り離すことができる。
【符号の説明】
【0089】
100:システム
102:ケーブル
104:ポータブル電子装置
106:保安システム
108:電源
109:雄プラグコネクタ
200:システム
210:アンロックツール
300:ケーブル
302:雄プラグコネクタ
304:保安用コネクタ
306:USBコネクタ
308:ロックメカニズム
310:アクセス通路
312:ケーブリング部分
400:雄プラグコネクタ
402:プラグ本体
404:プラグハウジング
406:フック
408:アクセス通路
410:ロック部分
500:ポータブル装置
502:コントローラ
504:Bluetoothモジュール
506:RFモジュール
508:WiFiモジュール
510:記憶装置
512:ディスプレイモジュール
516:I/Oインターフェイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ本体と、
前記プラグ本体から延び、嵌合工程中に対応するリセプタクルコネクタ内に挿入されるように構成されたプラグハウジングであって、その内部空洞が、プラグハウジングの深さの方向にその空洞内に延びる複数の接点位置を収容するように構成されたプラグハウジングと、
前記複数の接点位置の少なくとも幾つかにおいて前記プラグハウジング内に配置された複数の接点と、
前記プラグハウジングにより少なくとも部分的に包囲されるロック部分及び前記プラグ本体内に位置された解除点を含むロックメカニズムであって、前記ロック部分は、嵌合工程中に前記対応するリセプタクルコネクタに係合して、プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタにロックするように構成されたロックメカニズムと、
前記プラグ本体の外面から延びて前記解除点を露出させるアクセス通路であって、このアクセス通路を通してツールを挿入して、前記解除点に接触して前記ロック部分を前記対応するリセプタクルコネクタから解離させ、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタから抜き取ることができるようにするアクセス通路と、
を備えた電気プラグコネクタ。
【請求項2】
前記ロックメカニズムは、前記プラグハウジングの対向側部内に位置された第1及び第2のロック部分と、前記プラグ本体の対向側部内に位置された第1及び第2の解除点とを含む、請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項3】
前記プラグハウジングは、上部プレート、下部プレート、及びそれら上部及び下部プレート間に延びる第1及び第2の側部プレートを含み、その第1の側部プレートは、前記プラグコネクタがリセプタクルコネクタにロックされるときに前記第1のロック部分が延びるところの開口を有し、そしてその第2の側部プレートは、前記プラグコネクタがリセプタクルコネクタにロックされるときに前記第2のロック部分が延びるところの開口を有する、請求項2に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項4】
前記プラグコネクタは、前記第1及び第2の解除点を露出するために前記プラグ本体の外面から各々延びる第1及び第2のアクセス通路を備え、それらアクセス通路にツールを挿入して前記解除点に接触し、前記第1及び第2のロック部分を前記対応するリセプタクルコネクタから解離させて、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタから抜き取ることができるようにする、請求項2又は3に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項5】
前記電気プラグコネクタは、前記ロック部分が前記第1及び第2の側部プレートの開口を通して延びるように前記ロック部分をバイアスするためのバイアスメカニズムを含む、請求項2から4のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項6】
各ロック部分は、第1側部及び第2側部を含み、その第1側部と第2側部との間の角度は、75ないし105°の範囲である、請求項2から5のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項7】
各ロック部分は、第1側部及び第2側部を含み、その第1側部と第2側部との間の角度は、90°である、請求項2から5のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項8】
各ロック部分は、前記リセプタクルコネクタの内部空洞によって受け入れられる、請求項2から7のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項9】
各ロック部分の第2側部は、前記ロック部分が受け容れられる内部空洞のベースと実質的に平行である、請求項2から8のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項10】
前記複数の接点の少なくとも1つは、保安信号の伝送を容易にするように構成される、請求項1から9のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項11】
前記複数の接点の少なくとも別の1つは、電力の伝送を容易にするように構成される、請求項10に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項12】
前記複数の接点の少なくとも別の1つは、別の信号の伝送を容易にするよう構成され、その別の信号はデータ信号である、請求項10又は11に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項13】
前記電気プラグコネクタは、30ピン雄プラグコネクタである、請求項1から12のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項14】
複数の電気的要素と、
ポータブル電子装置にインターフェイスするように構成された第1コネクタであって、この第1コネクタは、ロックメカニズムを含み、このロックメカニズムは、ロック部分を含み、このロック部分は、リセプタクルコネクタに係合して第1コネクタをリセプタクルコネクタにロックするように構成されたものである第1コネクタと、
前記複数の電気的要素の少なくとも1つを経て前記第1コネクタに接続された第2コネクタであって、第1及び第2のコネクタは保安信号の伝送を容易にするように構成されるものである第2コネクタと、
前記複数の電気的要素の少なくとも別の1つを経て前記第1コネクタに接続された第3コネクタであって、第1及び第3のコネクタは電力の伝送を容易にするように構成されるものである第3コネクタと、
を備えたケーブル。
【請求項15】
前記第1コネクタは30ピン雄プラグコネクタである、請求項14に記載のケーブル。
【請求項16】
前記第2コネクタはRJ−11コネクタである、請求項14又は15に記載のケーブルである。
【請求項17】
前記第3コネクタはユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタである、請求項14から16のいずれかに記載のケーブル。
【請求項18】
前記第1及び第3コネクタは、更に、データの伝送を容易にするように構成される、請求項14から17のいずれかに記載のケーブル。
【請求項19】
前記保安信号は、保安システムへ伝送される、請求項14から18のいずれかに記載のケーブル。
【請求項20】
前記第1コネクタは、リセプタクルコネクタから前記ロック部分を解離するための解除点を含む、請求項14から19のいずれかに記載のケーブル。
【請求項21】
前記第1コネクタは、アクセス通路を含み、そのアクセス通路は、前記解除点を露出させるように構成され、そのアクセス通路にツールを挿入して、解除点に接触させ、前記ロック部分をリセプタクルコネクタから解離させる、請求項20に記載のケーブル。
【請求項22】
複数の導電性ピンであって、その少なくとも1つは、ポータブル電子装置と保安システムとの間の電気回路の維持を容易にするように構成されたものである複数のピンと、
電気リセプタクルコネクタに係合するように構成されたロック部分を含むロックメカニズムと、
前記ロックメカニズムを露出させるアクセス通路であって、このアクセス通路に外部アンロックツールを挿入して前記ロックメカニズムに接触させそして前記ロック部分を前記電気リセプタクルコネクタから解除させるようなアクセス通路と、
を備えた電気プラグコネクタ。
【請求項23】
前記雄プラグコネクタは、30個のピン位置を含み、前記複数の導電性ピンの各々は、その30個のピン位置の1つに指定される、請求項22に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項24】
前記ロックメカニズムは、プラグハウジングの対向側部内に位置する第1及び第2のロック部分と、プラグ本体の外面から延びる第1及び第2のアクセス通路とを含む、請求項22又は23に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項25】
前記アクセス通路の直径は、0.808mm以下である、請求項22から24のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項1】
プラグ本体と、
前記プラグ本体から延び、嵌合工程中に対応するリセプタクルコネクタ内に挿入されるように構成されたプラグハウジングであって、その内部空洞が、プラグハウジングの深さの方向にその空洞内に延びる複数の接点位置を収容するように構成されたプラグハウジングと、
前記複数の接点位置の少なくとも幾つかにおいて前記プラグハウジング内に配置された複数の接点と、
前記プラグハウジングにより少なくとも部分的に包囲されるロック部分及び前記プラグ本体内に位置された解除点を含むロックメカニズムであって、前記ロック部分は、嵌合工程中に前記対応するリセプタクルコネクタに係合して、プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタにロックするように構成されたロックメカニズムと、
前記プラグ本体の外面から延びて前記解除点を露出させるアクセス通路であって、このアクセス通路を通してツールを挿入して、前記解除点に接触して前記ロック部分を前記対応するリセプタクルコネクタから解離させ、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタから抜き取ることができるようにするアクセス通路と、
を備えた電気プラグコネクタ。
【請求項2】
前記ロックメカニズムは、前記プラグハウジングの対向側部内に位置された第1及び第2のロック部分と、前記プラグ本体の対向側部内に位置された第1及び第2の解除点とを含む、請求項1に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項3】
前記プラグハウジングは、上部プレート、下部プレート、及びそれら上部及び下部プレート間に延びる第1及び第2の側部プレートを含み、その第1の側部プレートは、前記プラグコネクタがリセプタクルコネクタにロックされるときに前記第1のロック部分が延びるところの開口を有し、そしてその第2の側部プレートは、前記プラグコネクタがリセプタクルコネクタにロックされるときに前記第2のロック部分が延びるところの開口を有する、請求項2に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項4】
前記プラグコネクタは、前記第1及び第2の解除点を露出するために前記プラグ本体の外面から各々延びる第1及び第2のアクセス通路を備え、それらアクセス通路にツールを挿入して前記解除点に接触し、前記第1及び第2のロック部分を前記対応するリセプタクルコネクタから解離させて、前記プラグコネクタを前記リセプタクルコネクタから抜き取ることができるようにする、請求項2又は3に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項5】
前記電気プラグコネクタは、前記ロック部分が前記第1及び第2の側部プレートの開口を通して延びるように前記ロック部分をバイアスするためのバイアスメカニズムを含む、請求項2から4のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項6】
各ロック部分は、第1側部及び第2側部を含み、その第1側部と第2側部との間の角度は、75ないし105°の範囲である、請求項2から5のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項7】
各ロック部分は、第1側部及び第2側部を含み、その第1側部と第2側部との間の角度は、90°である、請求項2から5のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項8】
各ロック部分は、前記リセプタクルコネクタの内部空洞によって受け入れられる、請求項2から7のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項9】
各ロック部分の第2側部は、前記ロック部分が受け容れられる内部空洞のベースと実質的に平行である、請求項2から8のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項10】
前記複数の接点の少なくとも1つは、保安信号の伝送を容易にするように構成される、請求項1から9のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項11】
前記複数の接点の少なくとも別の1つは、電力の伝送を容易にするように構成される、請求項10に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項12】
前記複数の接点の少なくとも別の1つは、別の信号の伝送を容易にするよう構成され、その別の信号はデータ信号である、請求項10又は11に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項13】
前記電気プラグコネクタは、30ピン雄プラグコネクタである、請求項1から12のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【請求項14】
複数の電気的要素と、
ポータブル電子装置にインターフェイスするように構成された第1コネクタであって、この第1コネクタは、ロックメカニズムを含み、このロックメカニズムは、ロック部分を含み、このロック部分は、リセプタクルコネクタに係合して第1コネクタをリセプタクルコネクタにロックするように構成されたものである第1コネクタと、
前記複数の電気的要素の少なくとも1つを経て前記第1コネクタに接続された第2コネクタであって、第1及び第2のコネクタは保安信号の伝送を容易にするように構成されるものである第2コネクタと、
前記複数の電気的要素の少なくとも別の1つを経て前記第1コネクタに接続された第3コネクタであって、第1及び第3のコネクタは電力の伝送を容易にするように構成されるものである第3コネクタと、
を備えたケーブル。
【請求項15】
前記第1コネクタは30ピン雄プラグコネクタである、請求項14に記載のケーブル。
【請求項16】
前記第2コネクタはRJ−11コネクタである、請求項14又は15に記載のケーブルである。
【請求項17】
前記第3コネクタはユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタである、請求項14から16のいずれかに記載のケーブル。
【請求項18】
前記第1及び第3コネクタは、更に、データの伝送を容易にするように構成される、請求項14から17のいずれかに記載のケーブル。
【請求項19】
前記保安信号は、保安システムへ伝送される、請求項14から18のいずれかに記載のケーブル。
【請求項20】
前記第1コネクタは、リセプタクルコネクタから前記ロック部分を解離するための解除点を含む、請求項14から19のいずれかに記載のケーブル。
【請求項21】
前記第1コネクタは、アクセス通路を含み、そのアクセス通路は、前記解除点を露出させるように構成され、そのアクセス通路にツールを挿入して、解除点に接触させ、前記ロック部分をリセプタクルコネクタから解離させる、請求項20に記載のケーブル。
【請求項22】
複数の導電性ピンであって、その少なくとも1つは、ポータブル電子装置と保安システムとの間の電気回路の維持を容易にするように構成されたものである複数のピンと、
電気リセプタクルコネクタに係合するように構成されたロック部分を含むロックメカニズムと、
前記ロックメカニズムを露出させるアクセス通路であって、このアクセス通路に外部アンロックツールを挿入して前記ロックメカニズムに接触させそして前記ロック部分を前記電気リセプタクルコネクタから解除させるようなアクセス通路と、
を備えた電気プラグコネクタ。
【請求項23】
前記雄プラグコネクタは、30個のピン位置を含み、前記複数の導電性ピンの各々は、その30個のピン位置の1つに指定される、請求項22に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項24】
前記ロックメカニズムは、プラグハウジングの対向側部内に位置する第1及び第2のロック部分と、プラグ本体の外面から延びる第1及び第2のアクセス通路とを含む、請求項22又は23に記載の電気プラグコネクタ。
【請求項25】
前記アクセス通路の直径は、0.808mm以下である、請求項22から24のいずれかに記載の電気プラグコネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図8E】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【公開番号】特開2012−243773(P2012−243773A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−127480(P2012−127480)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.HDMI
3.BLUETOOTH
4.GSM
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−127480(P2012−127480)
【出願日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.HDMI
3.BLUETOOTH
4.GSM
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】
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