説明

ロック装置

【課題】ロック解除操作を解除した際や係止部がロック対象へ係止する際に、連係部材を連係する連動手段での異音発生を防止する。
【解決手段】ロック解除操作により通常位置から操作位置へ変位可能な第1連係部材30およびロック位置とロック解除位置との間で変位可能な第2連係部材40は、該第1連係部材30に設けたガイド溝51および該第2連係部材40に設けたガイドピン52からなる連動手段50で連係されている。第1連係部材30には、ガイドピン52に設けた緩衝部70と弾力的に当接する当接ピン62が設けられる。スプリング55の付勢力により、第1連係部材30が操作位置から通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位するに際し、ガイドピン52は、ガイド溝51に移動規制される前に当接ピン62と当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロック解除操作により通常位置から操作位置へ変位する第1連係部材と、ロック位置とロック解除位置との間で変位可能に設けられ、前記第1連係部材に連動手段により連係された第2連係部材とを備えたロック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図20は、上方へ開放する収納部B1を画成する本体部材Bと、この本体部材Bの上部に変位可能に取り付けられて収納部B1を開閉する蓋部材Rとを備えた収納ボックスCを示している。蓋部材Rは、本体部材Bの前後方向に長い矩形板状に構成され、その一縁部である後縁部を本体部材Bの上面の後縁部に対してヒンジHにより連結されて、本体部材Bの上部に倒伏して収納部B1を閉じた閉成位置と、本体部材Bから後上方へ立ち上がって収納部B1を露出させた開放位置とに開閉変位する。そして、蓋部材Rにおける前側の内部には、図21に示すように該蓋部材Rを閉成位置で本体部材Bへロックするロック装置LUを備えている。このようなロック装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
ロック装置LUは、ロック解除操作により通常位置から操作位置へ変位可能に配設された第1連係部材10と、ロック位置およびロック解除位置の間で変位可能に配設されて第1連係部材10に連係される2つの第2連係部材14,14と、各第2連係部材14と蓋部材Rとの間に配設されて第1連係部材10を通常位置に向け付勢すると共に該第2連係部材14,14をロック位置に向け付勢するスプリング18,18とを備えている。これら第1連係部材10および各第2連係部材14は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)またはABS等の硬質の合成樹脂から形成されている。第1連係部材10は、蓋部材Rの長手方向(収納ボックスCの前後方向)へ変位可能に配設されており、蓋部材Rの前部から前方へ突出した通常位置および該通常位置から該蓋部材R内へ後退した操作位置に変位し、ロック解除操作に基いて指先による押圧操作が可能となっている。一方、第1連係部材10の両側に設けられた各第2連係部材14は、蓋部材Rの長手方向と交差する短手方向(収納ボックスCの左右方向)へ移動して前記ロック位置およびロック解除位置に変位し、ロック位置において蓋部材Rの側方へ突出する係止部15を備えている。各第2連係部材14の係止部15は、本体部材Bの収納部B1における左右壁部に設けたロック対象の各係止孔Sに離脱可能に係止するようになっている。
【0004】
前記第1連係部材10と各第2連係部材14とは、連動手段20により連係されている。この連動手段20は、第1連係部材10に開口して設けられたガイド溝22と、該第2連係部材14に第1連係部材10側へ突出して設けられてガイド溝22に摺動可能に係合したガイドピン24を備えている。ガイド溝22は、図22(a)に示すように、第1縁部22Aと、第1縁部22Aの斜め前方に位置する第2縁部22Bと、第1縁部22Aと第2縁部22Bとの間に斜めに延在する案内部22Cとを有している。そしてガイドピン24は、第1連係部材10の通常位置および第2連係部材14のロック位置で第1縁部22Aに当接し、第1連係部材10の通常位置から操作位置への変位中は案内部22Cに当接し、第1連係部材10の操作位置および第2連係部材14のロック解除位置で第2縁部22Bに当接するように設定されている。従って、第1連係部材10の通常位置に対応して第2連係部材14がロック位置となり(図22(b))、第1連係部材10の通常位置から操作位置への変位により第2連係部材14がロック位置からロック解除位置へ変位し、第1連係部材10の操作位置に対応して第2連係部材14がロック解除位置となる(図22(a))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−176024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記ロック装置LUは、蓋部材Rの通常の開放操作中に、ロック解除操作に基いて操作位置へ変位させていた第1連係部材10から指先を急に離すと、前記スプリング18,18の付勢力により、第1連係部材10が通常位置へ勢いよく変位すると共に、各第2連係部材14が通常ロック位置へ勢いよく変位する。このため、第1連係部材10が通常位置に変位すると共に各第2連係部材14がロック位置に変位して、係止部15がロック対象の係止孔Sに係止される際に、何れも硬質の合成樹脂から形成されたガイドピン24とガイド溝22の第1縁部22Aとが勢いよく衝突し、これにより異音が発生する不都合がある。
【0007】
また、前記ロック装置LUは、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる際に、各第2連係部材14の係止部15下面に形成された曲面15Aが、本体部材Bの係止孔Sの上方に設けた突部S1に当たることで、第1連係部材10に対するロック解除操作を行なうことなく各第2連係部材14がロック解除位置へ移動して、係止部15を係止孔Sへ突入係止させ得るよう構成されている。すなわち、蓋部材Rが閉成位置まで変位して係止部15が係止孔Sに整合すると、スプリング18,18の付勢力により各第2連係部材14がロック位置へ変位して、係止部15がロック対象の係止孔Sへ突入して係止される。ところが、各第2連係部材14がロック位置に変位した際に、ガイドピン24とガイド溝22のロック位置側の第1縁部22Aとが勢いよく衝突するため、前述と同様に異音が発生してしまう。
【0008】
従って本発明では、ロック解除操作を解除した際や係止部がロック対象へ係止する際に、連係部材を連係する連動手段での異音発生を防止したロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、
通常位置と操作位置との間で変位可能に設けられ、ロック解除操作により通常位置から操作位置へ変位する第1連係部材と、
ロック位置とロック解除位置との間で変位可能に設けられ、係止部をロック位置でロック対象へ係止する一方、係止部をロック解除位置でロック対象から退避する第2連係部材と、
前記第1連係部材または第2連係部材の一方に設けられたガイド部、第1連係部材または第2連係部材の他方に設けられて前記ガイド部に移動可能に係合する軸部を有し、第1連係部材の通常位置から操作位置への変位に伴って軸部をガイド部で案内して、第2連係部材をロック位置からロック解除位置へ変位するよう連動する連動手段と、
前記第1連係部材を操作位置から通常位置に向けて付勢すると共に、前記第2連係部材をロック解除位置からロック位置に向けて付勢する付勢手段と、
前記ガイド部がある前記連係部材に設けられ、第1連係部材の通常位置および第2連係部材のロック位置において、前記軸部におけるガイド部への当接部位から外れた部位と弾力的に当接する当接部とを備え、
前記第1連係部材の前記付勢手段による操作位置から通常位置への変位に際して、前記軸部が前記ガイド部に移動規制される前に前記当接部と当接すると共に、前記第2連係部材の前記付勢手段によるロック解除位置からロック位置への変位に際して、前記軸部が前記ガイド部に移動規制される前に前記当接部と当接するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
従って、請求項1に係る発明によれば、第1連係部材の操作位置から通常位置への変位や、前記第2連係部材のロック解除位置からロック位置への変位に際して、軸部がガイド部に移動規制される前に該軸部と当接部とが弾力的に当接するので、第1連係部材および第2連係部材の変位が減勢される。これにより、ロック解除操作を解除した際や係止部がロック対象へ係止する際に軸部がガイド部へ勢いよく衝突することが防止され、該衝突による異音の発生を防止し得る。また、軸部におけるガイド部への当接部位から外れた部位と当接部とが弾力的に当接するので、該ガイド部に対する該軸部の移動が阻害されないと共に、該当接部の摩損や損傷等が発生し難い。
【0011】
請求項2に記載の発明は、
前記第2連係部材は、前記第1連係部材の変位方向と交差する方向へ変位するように構成され、
前記軸部と前記当接部とは、前記第1連係部材の通常位置および前記第2連係部材のロック位置で、前記第1連係部材の変位方向に重なると共に、第2連係部材の変位方向に重なるよう配置されることを要旨する。
従って、請求項2に係る発明によれば、第1連係部材の操作位置から通常位置への変位による異音の発生防止と、第2連係部材のロック解除位置からロック位置への変位による異音の発生防止とを、1組の軸部および当接部で対応することができる。これにより、当接部を設けても、第1連係部材および第2連係部材の構成が複雑にならず、コストアップを最小限に抑え得る。
【0012】
請求項3に記載の発明は、
前記軸部と前記当接部とは、前記第1連係部材の通常位置から操作位置への変位および第2連係部材のロック位置からロック解除位置への変位に際して互いに離れるように配置されることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、第1連係部材の通常位置から操作位置への変位に際して軸部が当接部から離間する方向へ移動するので、該第1連係部材の変位が規制されない。また、第2連係部材のロック位置からロック解除位置への変位に際して軸部が当接部から離間する方向へ移動するので、該第2連係部材の変位が規制されない。
【0013】
請求項4に記載の発明は、
前記軸部および前記当接部の少なくとも一方は、互いに当接する部位が、弾性体からなる緩衝部で構成されることを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、軸部または当接部の少なくとも一方が、互いに当接する部位が弾性体からなる緩衝部で構成されているから、これら軸部と当接部とが当接することで、第1連係部材および第2連係部材の変位を好適に減勢し得る。
【0014】
請求項5に記載の発明は、
前記連動手段は、前記第1連係部材および第2連係部材において上下に重なる部位に設けられ、
前記緩衝部は、下方に位置する連係部材から上方に向けて突出する前記軸部または前記当接部に設けられることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、上方に向けて突出した軸部または当接部の一方に緩衝部が設けられるので、該緩衝部を下方に位置する連係部材で下方から支持することができ、該緩衝部の脱落を防止し得る。
【0015】
請求項6に記載の発明は、
前記緩衝部は、内側に装着孔が形成されたリング状に形成され、
前記緩衝部が設けられる前記軸部および前記当接部には、先端から緩衝部の装着孔に嵌め合わせた装着を許容すると共に、装着した該緩衝部の先端側への移動を規制する保持部が設けられることを要旨とする。
従って、請求項6に係る発明によれば、リング状の緩衝部を、軸部または当接部に対して先端から嵌め合わせて装着するので、該緩衝部を軸部または当接部に対して簡易に装着することができる。また、軸部または当接部に設けた緩衝部は、保持部により該軸部または該当接部の先端側へ移動することが規制され、軸部または当接部の姿勢が変位しても緩衝部の脱落を防止し得る。また、緩衝部の装着に際して、接着剤や両面テープ等を使用する必要がないので、製造コストを抑え得る。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るロック装置によれば、ロック解除操作を解除した際や係止部がロック対象へ係止する際に、連係部材を係合する連動手段での異音発生を好適に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】収納ボックスの蓋部材に取り付けた第1実施例のロック装置を、第1連係部材の通常位置および第2連係部材のロック位置で示す平面図である。
【図2】図1の状態におけるロック装置の背面図である。
【図3】第1実施例のロック装置を、第1連係部材の操作位置および第2連係部材のロック解除位置で示す平面図である。
【図4】図3の状態におけるロック装置の背面図である。
【図5】第1実施例のロック装置の斜視図である。
【図6】第1実施例のロック装置を、第1連係部材を取り外した状態で示す斜視図である。
【図7】第1実施例のロック装置に設けた緩衝手段を示す斜視図である。
【図8】第1実施例の緩衝手段において、ガイド溝から当接部までの間隔と、緩衝部の幅との寸法関係を示す説明図である。
【図9】第1実施例の緩衝手段において、第1連係部材の操作位置および第2連係部材のロック解除位置からの緩衝態様を示す説明図であって、(a)は、第1連係部材の操作位置および第2連係部材のロック解除位置におけるガイド溝とガイドピンとの関係を示し、(b)は、ガイドピンがガイド溝により移動規制される前に、緩衝部が当接部に当接した状態を示し、(c)は、緩衝部が当接部に当接した状態で第1連係部材が通常位置となると共に第2連係部材がロック位置となった状態を示している。
【図10】第1実施例の緩衝手段において、第1連係部材が通常位置に保持されて第2連係部材のみが変位した場合の緩衝態様を示す説明図であって、(a)は、第1連係部材の通常位置および第2連係部材のロック解除位置におけるガイド溝とガイドピンとの関係を示し、(b)は、ガイドピンがガイド溝により移動規制される前に、緩衝部が当接部に当接した状態を示し、(c)は、緩衝部が当接部に当接した状態で第1連係部材が通常位置となると共に第2連係部材がロック位置となった状態を示している。
【図11】第2実施例のロック装置に設けた緩衝手段を示す斜視図であって、第1連係部材にガイド溝と隣接して当接ピンを設け、この当接ピンに緩衝部を設けた構造を示している。
【図12】第2実施例の緩衝手段において、ガイド溝から当接ピンまでの間隔と、緩衝部の幅との寸法関係を示す説明図である。
【図13】第2実施例の緩衝手段において、第1連係部材の操作位置および第2連係部材のロック解除位置からの緩衝態様を示す説明図であって、(a)は、第1連係部材の操作位置および第2連係部材のロック解除位置におけるガイド溝とガイドピンとの関係を示し、(b)は、ガイドピンがガイド溝により移動規制される前に該ガイドピンが緩衝部に当接した状態を示し、(c)は、ガイドピンが緩衝部に当接した状態で第1連係部材が通常位置となると共に第2連係部材がロック位置となった状態を示している。
【図14】第2実施例の緩衝手段において、第1連係部材が通常位置に保持されて第2連係部材のみが変位した場合の緩衝態様を示す説明図であって、(a)は、第1連係部材の通常位置および第2連係部材のロック解除位置におけるガイド溝とガイドピンとの関係を示し、(b)は、ガイドピンがガイド溝により移動規制される前に該ガイドピンが緩衝部に当接した状態を示し、(c)は、ガイドピンが緩衝部に当接した状態で第1連係部材が通常位置となると共に第2連係部材がロック位置となった状態を示している。
【図15】第3実施例のロック装置における連動手段および緩衝手段を示す斜視図である。
【図16】(a)は、第3実施例の連動手段および緩衝手段を示す説明図であり、(b)は、ガイドピンがガイド溝により移動規制される前に、緩衝部が当接部に当接した状態を示し、(c)は、緩衝部が当接部に当接した状態で第1連係部材が通常位置となると共に第2連係部材がロック位置となった状態を示している。
【図17】第4実施例のロック装置における連動手段および緩衝手段を示す概略説明図である。
【図18】第5実施例のロック装置における連動手段および緩衝手段を示す概略説明図である。
【図19】付勢手段として捻りスプリングを使用する場合を示す説明斜視図である。
【図20】ロック装置が取り付けられた収納ボックスを、蓋部材を開放した状態で示す斜視図である。
【図21】従来のロック装置を示す平面図である。
【図22】従来のロック装置の動作説明図であって、(a)は、第1連係部材を操作位置へ変位させると共に第2連係部材がロック解除位置へ変位した状態を示し、(b)は、第1連係部材が通常位置へ変位すると共に第2連係部材がロック位置へ変位した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明に係るロック装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。実施例では、図20に示す収納ボックスCの蓋部材Rに組み付けられるロック装置につき説明する。なお実施例では、第1連係部材の通常位置と操作位置との変位方向をロック装置の前後方向、第1連係部材の変位方向と水平に交差する方向をロック装置の左右方向として説明する。すなわち、ロック装置を蓋部材Rに組み付けた状態では、蓋部材Rの前後方向がロック装置の前後方向、該蓋部材Rの左右方向がロック装置の左右方向となる。
【実施例】
【0019】
(第1実施例)
第1実施例のロック装置LU1は、図1〜7に示すように、ロック解除操作に連動して通常位置から操作位置へ変位可能な第1連係部材30と、該第1連係部材30に連係されてロック位置およびロック解除位置の間で変位可能な一対の第2連係部材40,40と、第1連係部材30を通常位置に向け付勢すると共に各第2連係部材40をロック位置に向け付勢するスプリング(付勢手段)55,55とを備えている。そして、第1実施例のロック装置LU1は、蓋部材Rに取り付けられるベース部材80に、第1連係部材30、各第2連係部材40および各スプリング55を取り付けてユニット化されており、蓋部材Rの前部内側に設けた設置部R1に取り付けられる。
【0020】
ベース部材80は、図1〜図6に示すように、蓋部材Rの左側壁から右側壁まで延在するサイズにインジェクション成形された合成樹脂製の成形部材である。このベース部材80は、左右中央を境界として左右対称形状に形成され、横長矩形のベース部81は、左右中央を境として左側の左板部81Aおよび右側の右板部81Bに区分されている。左板部81Aの左右略中央および右板部81Bの略中央には、前後に延在する一対の支持壁部82,82が左右に対向して立設されている。両支持壁部82,82は、第1連係部材30を変位可能に支持するもので、両支持壁部82,82間に該第1連係部材30が配設されるようになっている。また、ベース部81の左板部81Aおよび右板部81Bには、各々の第2連係部材40,40が、左右方向で一列に配設されるようになっている。各第2連係部材40は、支持壁部82,82と交差しながら左右方向に延在して設けられ、該支持壁部82,82は、第2連係部材40との干渉を回避するため前後に分離している。すなわち、第1連係部材30と各第2連係部材40とは、支持壁部82,82間において上下に重なって配設されている。
【0021】
各支持壁部82の第1連係部材30が配設される側には、図1〜図4および図6に示すように、前後へ延在する案内溝85,85が、左方および右方へ開口して形成されている。これら案内溝85,85には、第1連係部材30に設けた突ピン33,33が摺動可能に係合される。また、ベース部81の左右中央における前側には、垂直に突出する規制ピン86が形成されている。この規制ピン86は、第1連係部材30に設けた規制溝34に下方から突入し、該第1連係部材30の前後のスライド変位量を規定する。また、規制ピン86の後方には、各スプリング55の一端を支持する支持リブ87が形成され、スプリング55の一端を支持するようになっている。
【0022】
ベース部81における左板部81Aの左右略中央および右板部81Bの左右略中央には、図1〜図4に示すように、該ベース部81を上下に貫通する貫通口88が設けられ、第2連係部材40が挿通されるようになっている。また、各支持壁部82の第2連係部材40が配設される部位に臨む端部には、前後に対向する第1支持溝89,89が設けられている(図2、図4、図6)。更に、ベース部81の下面左端および下面右端には、左右に延在する第2支持溝90,90が、前後に対向して設けられている(図2、図4、図6)。これら第1支持溝89および第2支持溝90には、第2連係部材40に設けた第1支持片45および第2支持片46が夫々係合して摺動するようになっている。
【0023】
第1連係部材30は、図1〜図7に示すように、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)またはABS等の硬質の合成樹脂を材質として、前記各支持壁部82間の間隔に適合する幅寸法の矩形状に形成された成形部材であり、矩形状のプレート部31の外周縁に、上方へ突出した外周リブ32を備えて剛性が高められている。外周リブ32におけるプレート部31の前縁に位置する前リブ部32Aは、上方への突出高さを大きく設定してあり、該第1連係部材30の前側を指先で押し易くなっている。また、外周リブ32におけるプレート部31の左側縁および右側縁に位置する側リブ部32Bには、側外方へ突出する前記突ピン33,33が、前後に離間して設けられている。各突ピン33は、前記各支持壁部82に設けた案内溝85,85に水平方向から係合されて第1連係部材30の姿勢保持を図ると同時に、該案内溝85,85に沿って摺動することで第1連係部材30を通常位置、操作位置および両位置間において水平に支持する。
【0024】
そして、プレート部31の左右中央には、前記規制ピン86が下方から突入する前記規制溝34が、前後に延在して形成されている。この規制溝34は、第1連係部材30の通常位置と操作位置とを規定するもので、規制ピン86が規制溝34の後縁に当たる位置が第1連係部材30の通常位置であり、規制ピン86が規制溝34の前縁に当たる位置が第1連係部材30の操作位置となる。また、プレート部31における規制溝34を挟んだ左右には、連動手段50を構成するガイド溝(ガイド部)51,51が形成されている。更に、プレート部31の下面には、案内溝85,85に隣接して、緩衝手段60を構成する当接ピン62,62が形成されている。
【0025】
各々の第2連係部材40,40は、図1〜図7に示すように、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)またはABS等の硬質の合成樹脂を材質として、左右対称形状に形成されたレバー状の成形部材である。そこで、ベース部81の左板部81Aに配設される第2連係部材40について説明し、右板部81Bに配設される第2連係部材40は、同一の部位に同一の符号を付して説明は省略する。第2連係部材40は、左右に長尺に形成された合成樹脂製の成形部材であって、左右中央で折曲したクランク形状に形成され、中央の段差部41と、この段差部41の上部から右方へ水平に延在する第1レバー部42と、該段差部41の下部から左方へ水平に延在する第2レバー部43とを備えている。第1レバー部42の右端上面には、上方へ突出して連動手段50を構成するガイドピン(軸部)52が形成されている。また、第2レバー部43の左端面には、ロック対象である本体部材Bの係止孔Sに係止可能な係止部44が、水平に延出して形成されている。この係止部44の下面には、基端から先端に向けて上方へ湾曲する曲面44Aが形成され、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる際に、前記係止孔Sの上方に設けた突部S1に該曲面44Aが当たるようになっている。更に、第1レバー部42の上面前縁および上面後縁には、前方および後方へ延出する前記第1支持片45,45が、左右方向へ延在して形成されている。また、第2レバー部43の上面前縁および上面後縁には、前方および後方へ延出する前記第2支持片46,46が、左右方向へ延在して形成されている。更にまた、第1レバー部42の右端面には、水平に延出する支持ボス47が形成されており、スプリング55の他端を保持し得るようになっている。
【0026】
前記第2連係部材40は、ベース部材80の左板部81Aに設けた前記貫通口88に対して第2レバー部43を挿通させ、第2支持片46,46を第2支持溝90,90に係合させると共に第1支持片45,45を第1支持溝89,89に係合させることで、該ベース部材80に装着される。そして、ベース部材80に装着された第2連係部材40は、段差部41が貫通口88に位置し、第1レバー部42がベース部81の上面に沿って位置すると共に、第2レバー部43が該ベース部81の下面に沿って位置し、第1支持片45,45および第2支持片46,46により左右方向へスライド変位が許容される。そして、支持ボス47とベース部材80の支持リブ87との間に、付勢手段としての圧縮コイルタイプの前記スプリング55を配設することで、第2連係部材40は、図1および図2に示すように、該スプリング55の弾性力により左方へ押され、係止部44がベース部材80の左端から左外方へ延出した状態で弾力的に保持される。
【0027】
第1実施例のロック装置LU1は、図1〜図7に示すように、第1連係部材30に開口して設けられた前記ガイド溝51,51と、第2連係部材40の上面に第1連係部材30に向け突出するよう一体的に突設され、ガイド溝51に摺接可能に係合されたガイドピン52とで構成された連動手段50を備えている。前記各ガイド溝51は、平面視において略三角形状に形成されており、第1縁部51Aと、第1縁部51Aに対し第1連係部材30の中央側の斜め前方に位置する第2縁部51Bと、第1縁部51Aに対し第1連係部材30の中央側に位置する第3縁部51Cと、第1縁部51Aと第2縁部51Bとの間に斜めに延在する案内部51Dとを有している。そして、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置では、ガイドピン52が第1縁部51Aに近接または当接し、第1連係部材30の操作位置および第2連係部材40のロック解除位置では、ガイドピン52が第2縁部51Bに近接または当接するように設定されている。また、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック解除位置では、ガイドピン52が第3縁部51Cに近接または当接するように設定されている。そして、第1連係部材30を通常位置から操作位置へ変位させる際には、ガイドピン52が案内部51Dに接触しながら第1縁部51Aから第2縁部51Bに向けて移動し、第1連係部材30の変位に連動して第2連係部材40がロック位置からロック解除位置へ変位する。
【0028】
すなわち、第1連係部材30に設けたガイド溝51と第2連係部材40に設けたガイドピン52とからなる前記連動手段50により、第1連係部材30の通常位置に対応して各第2連係部材40はロック位置となり、第1連係部材30の通常位置から操作位置への変位により各第2連係部材40はロック位置からロック解除位置へ変位し、第1連係部材30の操作位置に対応して各第2連係部材40はロック解除位置となる。また、第1連係部材30が通常位置に保持された状態では、ガイドピン52が第1縁部51Aと第3縁部51Cとの間を移動可能であるから、各第2連係部材40は、第1連係部材30が通常位置に保持された状態でロック位置とロック解除位置との間を変位可能となっている。
【0029】
そして、第1実施例のロック装置LU1では、前記スプリング55,55の付勢力により、第1連係部材30および各第2連係部材40が同時に通常位置およびロック位置へ変位した際や、第1連係部材30が通常位置に保持された状態で各第2連係部材40がロック位置へ変位した際に、ガイド溝51の第1縁部51Aにガイドピン52が勢いよく衝突することを防止する緩衝手段60を備えている。この緩衝手段60は、図1〜図7に示すように、ガイド溝51が形成された第1連係部材30に設けられた当接ピン(当接部)62と、第2連係部材40に設けた前記ガイドピン52とから構成され、ガイドピン52におけるガイド溝51への当接部位から外れた部位が当接ピン62と当接するようになっている。そしてガイドピン52は、ガイド溝51への当接部位から外れた該部位に、弾性体からなる緩衝部70を備えている。これにより、ガイドピン52と当接ピン62とは、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、緩衝部70により弾力的に当接するよう構成されている。
【0030】
当接ピン62は、第1連係部材30の下面において、ガイド溝51と隣接した部位に、第2連係部材40側へ突出した丸ボス状に設けられている。すなわち当接ピン62は、図1および図3に示すように、第1連係部材30に一体的に形成され、ガイドピン52に対し、第1連係部材30の通常位置から操作位置への移動方向と反対側となる位置に配置されている。また当接ピン62は、ガイドピン52に対し、第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への移動方向と反対となる位置に配置されている。換言すると、ガイドピン52と当接ピン62とは、第1連係部材30の通常位置から操作位置への変位および第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への変位に際し、互いに離れる位置関係で配置されている。
【0031】
緩衝部70は、ゴムや発泡体等の弾性体から形成されて、内側に装着孔70Aが形成されたOリングが採用され、ガイドピン52に装着することで該ガイドピン52の一部を構成している。この緩衝部70は、弾力性を有して拡径変形が可能となっており、通常状態における装着孔70Aの内径が、ガイドピン52の外径と同一または僅かに小さく設定されている。そして緩衝部70は、ガイドピン52の先端から装着孔70Aに嵌め合わせた装着を許容し、ガイドピン52のガイド溝51への当接部位から外れた部位、すなわち該ガイドピン52の基端側に装着されている。なお、図8に示すように、ガイド溝51の第1縁部51Aと当接ピン62の当受け面62Aとの間隔Lは、前記緩衝部70における外周面と内周面との幅Wより僅か(例えば0.1〜0.3mm)に小さく設定されている。
【0032】
また、ガイドピン52の緩衝部70は、図1、図9(c)および図10(c)から理解できるように、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、当接ピン62に対して、第1連係部材30の通常位置と操作位置との変位方向に重なって配置されている。また、ガイドピン52の緩衝部70は、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、当接ピン62に対して、第2連係部材40のロック位置とロック解除位置との変位方向に重なって配置されている。
【0033】
従って、ロック解除操作に基づき、第1連係部材30の操作位置および第2連係部材40のロック解除位置から(図9(a))、第1連係部材30が通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック位置へ変位する際には、図9(b)に示すように、第1連係部材30の通常位置手前および第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接するようになっている。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接して、第1連係部材30の変位および第2連係部材40の変位が減勢される。なお、ガイドピン52の緩衝部70と当接ピン62との当接によって減勢された第1連係部材30および第2連係部材40は、スプリング55の付勢力および該緩衝部70の適宜弾性変形により、緩衝部70が当接ピン62に当接した状態で通常位置およびロック位置となる(図9(c))。
【0034】
また、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる操作に基づき、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック解除位置から(図10(a))、第2連係部材40がロック位置へ変位する際でも、図10(b)に示すように、第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接するようになっている。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接して、第2連係部材40の変位が減勢される。そして、緩衝部70と当接ピン62との当接により減勢された第2連係部材40は、スプリング55の付勢力および該緩衝部70の適宜弾性変形により、緩衝部70が当接ピン62に当接した状態でロック位置となる(図10(c))。
【0035】
なお、ガイドピン52が第1連係部材30の下方に位置する第2連係部材40の上面から上方へ突設されているので、該ガイドピン52に設けられた緩衝部70は、第2連係部材40の上面に接触して該第2連係部材40に保持されている。また、図6および図7等に示すように、ガイドピン52における緩衝部70を設けた外周面72Aの該緩衝部70より先端側には、該外周面72Aから外方へ突出して該緩衝部70のガイドピン52からの脱落を防止する係止突部(保持部)72が設けられている。
【0036】
前述のように構成された第1実施例のロック装置LU1は、第1連係部材30、各第2連係部材40および各スプリング55をベース部材80に組み付けたもとで、図1および図2に示すように、該ベース部材80を蓋部材Rの設置部R1にビス等を利用して装着する。これにより、蓋部材Rの前側に設けた前部開口から第1連係部材30が前方へ突出すると共に、該蓋部材Rの左側および右側に設けた各側部開口から各第2連係部材40が側方へ突出した状態となる。
【0037】
(第1実施例の作用)
第1実施例のロック装置LU1は、図1および図2に示すように非操作時には、各スプリング55の付勢力により、第1連係部材30が通常位置に弾力的に保持されると共に各第2連係部材40がロック位置に弾力的に保持される。蓋部材Rの閉成位置においては、各第2連係部材40の係止部44が本体部材Bの各係止孔Sに突入係止され、蓋部材Rは閉成位置において本体部材Bにロックされている。そして、蓋部材Rの閉成位置において、ロック解除操作に連動して第1連係部材30が通常位置から操作位置へ変位すると、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aから第2縁部51Bに向けて案内部51Dに沿って移動するので、各第2連係部材40がロック解除位置へ変位して係止部44と係止孔Sとの係止が解除され、蓋部材Rの開放が許容される。
【0038】
そして、蓋部材Rの開閉操作の途中等で、第1連係部材30に対するロック解除操作を急に解除した場合には、スプリング55,55の付勢力に基いて、各第2連係部材40がロック解除位置からロック位置に向け変位すると共に、ガイドピン52とガイド溝51との係合により、第1連係部材30が操作位置から通常位置に向け変位する。このとき、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接するので、第1連係部材30および第2連係部材40は、減勢された状態で通常位置およびロック位置となる。これにより、硬質のガイドピン52が硬質のガイド溝51の第1縁部51Aへ勢いよく衝突しないから、ロック装置LU1のロック解除操作を急に解除してもガイド溝51とガイドピン52との衝突による異音が発生しない。
【0039】
また、開放していた蓋部材Rを閉成位置に変位させる際には、ロック位置に保持されている各第2連係部材40の係止部44の曲面44Aが、本体部材Bの係止孔Sの上方の突部S1に当たることで、各第2連係部材40がロック解除位置に向け変位する。そして、蓋部材Rが閉成位置となると、スプリング55,55の付勢力に基いて、各第2連係部材40がロック解除位置からロック位置に向け変位する。このとき、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に当接するので、第2連係部材40は減勢された状態でロック位置となる。これにより、硬質のガイドピン52が硬質のガイド溝51の第1縁部51Aに勢いよく衝突しないから、蓋部材Rを閉成位置に変位させてもガイド溝51とガイドピン52との衝突による異音が発生しない。
【0040】
また、第1実施例のロック装置LU1では、第1連係部材30の操作位置から通常位置への変位による異音の発生防止と、第2連係部材40のロック解除位置からロック位置への変位による異音の発生防止とを、各第2連係部材40毎に単一の当接ピン62で対応することができる。これにより、緩衝部70を備えたガイドピン52を設けると共に当接ピン62を設けても、第1連係部材30および第2連係部材40の構成が複雑にならず、ロック装置LU1の大型化やコストアップを抑え得る。
【0041】
そして、第1実施例のロック装置LU1では、第1連係部材30の通常位置から操作位置への変位に際してガイドピン52が当接ピン62から離間する方向へ移動するので、ロック解除操作による該第1連係部材30の変位が規制されない。また、第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への変位に際してガイドピン52が当接ピン62から離間する方向へ移動するので、ロック解除操作および蓋部材Rの閉成操作に際して該第2連係部材40の変位が規制されない。よって、ロック装置LU1のロック解除操作および蓋部材Rの閉成操作を円滑に行なうことができる。しかも、ガイドピン52の緩衝部70が、ガイド溝51の第1縁部51A、第2縁部51B、第3縁部51Cおよび案内部51Dに接触しないので、該ガイド溝51に対するガイドピン52の移動が全く規制されず、第1連係部材30および第2連係部材40が円滑に変位する。更に、ガイドピン52の緩衝部70がガイド溝51に接触しないので、該緩衝部70の摩損や損傷等も防止できる。
【0042】
また、第1実施例のロック装置LU1では、上方へ突出したガイドピン52にリング状の緩衝部70を設け、かつ該緩衝部70が第2連係部材40の上面に接触しているので、蓋部材Rが閉成位置に保持されている際に緩衝部70がガイドピン52から脱落することがない。更に、ガイドピン52の外周面72Aに係止突部72が設けられているので、開閉操作に際して蓋部材Rの姿勢が変化しても緩衝部70がガイドピン52から脱落しない。しかも、緩衝部70のガイドピン52への装着に際して、接着剤や両面テープ等を使用する必要がないから、該緩衝部70の装着作業を簡易化できると共に製造コストを抑え得る。
【0043】
そして、第1実施例のロック装置LU1における緩衝手段60では、ガイドピン52がリング状の緩衝部70を備えているので、当接ピン62に向けてガイドピン52が異なる方向から近づいても、該当接ピン62と緩衝部70とを適切に当接させることができる。すなわち、実施例のロック装置LU1では、ロック解除操作を急に解除した場合(図9)と、蓋部材Rを閉成位置に戻す場合(図10)とでは、当接ピン62に対するガイドピン52の当接方向が異なっているが、緩衝部70がガイドピン52の外面全周に亘って延在しているので、どちらの場合でも緩衝部70が当接ピン62に確実に当接して好適な緩衝効果が発現される。
【0044】
(第2実施例)
図11は、第2実施例のロック装置LU2における要部を示した説明図である。第2実施例のロック装置LU2は、該ロック装置LU2を構成する第1連係部材30、各第2連係部材40、各スプリング55およびベース部材80の基本構成は第1実施例と同一として、緩衝手段60の構成を第1実施例から変更したものである。従ってここでは、緩衝手段60に関連する部分のみを図示して説明する。
【0045】
第2実施例の緩衝手段60は、ガイド溝51が形成された第1連係部材30に設けられた当接ピン(当接部)64と、第2連係部材40に設けた前記ガイドピン52とから構成され、ガイドピン52におけるガイド溝51への当接部位から外れた部位が当接ピン64と当接するようになっている。そして当接ピン64は、ガイドピン52が当接する部位に、弾性体からなる緩衝部74を備えている。これにより、ガイドピン52と当接ピン62とは、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、緩衝部74により弾力的に当接するよう構成されている。
【0046】
当接ピン64は、第1連係部材30の下面において、ガイド溝51と隣接した部位に、第2連係部材40側へ突出した丸ボス状に設けられている。すなわち当接ピン64は、第1実施例の当接ピン62と同様に第1連係部材30に一体的に形成され、ガイドピン52に対し、第1連係部材30の通常位置から操作位置への移動方向と反対側となる位置に配置されている。また当接ピン64は、ガイドピン52に対し、第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への移動方向と反対となる位置に配置されている。換言すると、ガイドピン52と当接ピン64とは、第1連係部材30の通常位置から操作位置への変位および第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への変位に際し、互いに離れる位置関係で配置されている。
【0047】
一方、緩衝部74は、第1実施例の緩衝部70と同様に、ゴムや発泡体等の弾性体から形成されて、内側に装着孔74Aが形成されたOリングが採用され、当接ピン64に装着することで該当接ピン64の一部を構成している。この緩衝部74は、弾力性を有して拡径変形が可能となっており、通常状態における装着孔74Aの内径が、当接ピン64の外径と同一または僅かに小さく設定されている。そして緩衝部74は、当接ピン64の先端から装着孔74Aに嵌め合わせた装着を許容し、当接ピン64の基端側に装着されている。なお、当接ピン64における前記緩衝部74が装着された外周面64Aの該緩衝部74より先端側に、該外周面64Aから突出した係止突部(保持部)72が設けられ、該緩衝部74の脱落を防止するようになっている。そして、図12に示すように、ガイド溝51の第1縁部51Aと当接ピン64の外周面64Aとの間隔Lは、前記緩衝部74における外周面と内周面との幅Wより僅か(例えば0.1〜0.3mm)に小さく設定されており、該当接ピン64の一部をなす緩衝部74は、ガイド溝51の第1縁部51Aに延出している。
【0048】
そして、当接ピン64の緩衝部74は、図13(c)および図14(c)から理解できるように、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、ガイドピン52に対して、第1連係部材30の通常位置と操作位置との変位方向に重なって配置されている。また、当接ピン64の緩衝部74は、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、ガイドピン52に対して、第2連係部材40のロック位置とロック解除位置との変位方向に重なって配置されている。
【0049】
従って、ロック解除操作に基づき、第1連係部材30の操作位置および第2連係部材40のロック解除位置から(図13(a))、第1連係部材30が通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック位置へ変位する際には、図13(b)に示すように、第1連係部材30の通常位置手前および第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52が当接ピン64の緩衝部74に当接するようになっている。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52が当接ピン64の緩衝部74に当接して、第1連係部材30の変位および第2連係部材40の変位が減勢される。また、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる操作に基づき、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック解除位置から(図14(a))、第2連係部材40がロック位置へ変位する際には、図14(b)に示すように、第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52が当接ピン64の緩衝部74に当接するようになっている。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52が当接ピン64の緩衝部74に当接して第2連係部材40の変位が減勢される。従って、第2実施例のロック装置LU2によれば、前述した第1実施例のロック装置LU1が奏する作用効果と同等の作用効果が得られる。
【0050】
(第3実施例)
図15は、第3実施例のロック装置LU3における要部を示した説明図である。第3実施例のロック装置LU3は、第1実施例のロック装置LU1と比較して、連動手段50および緩衝手段60の構成を変更したものである。すなわち、第3実施例のロック装置LU3の連動手段50は、各第2連係部材40にガイド溝(ガイド部)51を設け、第1連係部材30に、第2連係部材40側に突出してガイド溝51に係合するガイドピン(突軸部)52を設けた構成となっている。ガイド溝51は、図16(a)に示すように、平面視において略三角形状に形成されており、第1縁部51Aと、第1縁部51Aに対し第1連係部材30の中央と反対側の斜め後方に位置する第2縁部51Bと、第1縁部51Aに対し第1連係部材30の中央と反対側に位置する第3縁部51Cと、第1縁部51Aと第2縁部51Bとの間に斜めに延在する案内部51Dとを有している。
【0051】
第3実施例の緩衝手段60は、図15および図16(a)に示すように、第1連係部材30に設けた前記ガイドピン52と、ガイド溝51が形成された第2連係部材40に設けた当接ピン(当接部)66とから構成され、ガイドピン52におけるガイド溝51への当接部位から外れた部位が当接ピン66と当接するようになっている。そしてガイドピン52は、ガイド溝51への当接部位から外れた部位に、弾性体からなる緩衝部78を備えている。これにより、ガイドピン52と当接ピン66とは、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、緩衝部78により弾力的に当接するよう構成されている。
【0052】
当接ピン66は、第2連係部材40の上面において、ガイド溝51と隣接した部位に、第1連係部材30側へ突出した丸ボス状に設けられている。すなわち当接ピン66は、第2連係部材40に一体的に形成され、ガイドピン52に対し、第1連係部材30の通常位置から操作位置への移動方向と反対側となる位置で、かつ第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への移動方向と反対側となる位置に配置されている。換言すると、ガイドピン52と当接ピン66とは、第1連係部材30の通常位置から操作位置への変位および第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への変位に際し、互いに離れる位置関係で配置されている。
【0053】
緩衝部78は、第1実施例と同様に、ゴムや発泡体等の弾性体から形成されて、内側に装着孔78Aが形成されたOリングが採用され、ガイドピン52に装着することで該ガイドピン52の一部を構成している。この緩衝部78は、弾力性を有して拡径変形が可能となっており、通常状態における装着孔78Aの内径が、ガイドピン52の外径と同一または僅かに小さく設定されている。そして緩衝部78は、ガイドピン52の先端から装着孔78Aに嵌め合わせた装着を許容し、ガイドピン52のガイド溝51との当接部位から外れた部位、すなわち該ガイドピン52の基端側に装着されている。なお、図16(b)に示すように、ガイド溝51の第1縁部51Aと当接ピン66の当受け面62Aとの間隔Lは、第1実施例と同様に、前記緩衝部78における外周面と内周面との幅Wより僅か(例えば0.1〜0.3mm)に小さく設定されている。
【0054】
そして、ガイドピン52の緩衝部78は、図16(c)に示すように、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、当接ピン66に対して、第1連係部材30の通常位置と操作位置との変位方向に重なって配置されている。また緩衝部78は、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置において、当接ピン66に対して、第2連係部材40のロック位置とロック解除位置との変位方向に重なって配置されている。
【0055】
従って、ロック解除操作に基づき、第1連係部材30が操作位置から通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位する際には、図16(b)に示すように、第1連係部材30の通常位置手前および第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接して、第1連係部材30および第2連係部材40の変位が減勢される。そして、ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接した状態で、第1連係部材30が通常位置となると共に第2連係部材40がロック位置となる(図16(c))。一方、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる操作に基づき、第1連係部材30が操作位置に保持された状態で第2連係部材40がロック解除位置側からロック位置へ変位する際には、図示省略するが、第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、該ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接して第2連係部材40の変位が減勢される。そして、ガイドピン52の緩衝部78が当接ピン66に当接した状態で、第2連係部材40がロック位置となる。これにより、第3実施例のロック装置LU3によれば、前述した第1実施例のロック装置LU1が奏する作用効果と同等の作用効果が得られる。
【0056】
(第4実施例)
図17は、第4実施例のロック装置LU4における要部を示した説明図である。第4実施例のロック装置LU4は、第1実施例のロック装置LU1と比較して緩衝手段60の構成を変更したものである。第4実施例の緩衝手段60は、第2連係部材40に設けたガイドピン(軸部)52と、第1連係部材30に設けた当接ピン(当接部)62とから構成され、ガイドピン52および当接ピン62の両方が緩衝部70,74を夫々備えている。すなわちガイドピン52は、ガイド溝51への当接部位から外れた部位が当接ピン62と当接するようになっており、該ガイド溝51への当接部位から外れた部位に、弾性体からなる緩衝部70が設けられている。また当接ピン62は、ガイドピン52と当接する部位に、弾性体からなる緩衝部74が設けられている。そして、第1連係部材30に設けた緩衝部70および第2連係部材40に設けた緩衝部74は、ガイドピン52および当接ピン62に対して、上下方向において同じ高さに設けられている。従って、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置においては、両緩衝部70,74が互いに径方向から弾力的に当接するよう構成されている。
【0057】
従って、第4実施例のロック装置LU4では、ロック解除操作に基づき、第1連係部材30が操作位置から通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位する際には、第1連係部材30の通常位置手前および第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70と当接ピン62の緩衝部74とが互いに弾力的に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、ガイドピン52の緩衝部70および当接ピン62の緩衝部74が互いに当接して、第1連係部材30の変位および第2連係部材40の変位が減勢される。また、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる操作に基づき、第1連係部材30の通常位置において第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位する際でも、第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70と当接ピン62の緩衝部74とが互いに弾力的に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、ガイドピン52の緩衝部70および当接ピン62の緩衝部74が互いに当接して、第2連係部材40の変位が減勢される。従って、第4実施例のロック装置LU4によれば、前述した第1〜第3実施例のロック装置LU1〜LU3が奏する作用効果と同等の作用効果が得られる。また、弾性体からなる両緩衝部70,74が互いに当接するので、緩衝効果の更なる向上が期待できる。
【0058】
(第5実施例)
図18は、第5実施例のロック装置LU5における要部を示した説明図である。第5実施例のロック装置LU5は、第1実施例のロック装置LU1と比較して緩衝手段60の構成を変更したものである。第5実施例の緩衝手段60は、前記第4実施例と同様に、第2連係部材40に設けたガイドピン(軸部)52と、第1連係部材30に設けた当接ピン(当接部)62とから構成され、ガイドピン52および当接ピン62の両方が緩衝部70,74を夫々備えている。そして第5実施例では、両緩衝部70,74が、ガイドピン52および当接ピン62に対して、上下方向において異なる高さで互い違いとなるように設けられている。従って、第1連係部材30の通常位置および第2連係部材40のロック位置においては、両緩衝部70,74は互いに当接せず、ガイドピン52の緩衝部70は当接ピン62の当受け面62Aに弾力的に当接し、当接ピン62の緩衝部74はガイドピン52の外周面52Aに弾力的に当接するよう構成されている。
【0059】
従って第5実施例のロック装置LU5では、ロック解除操作に基づき、第1連係部材30が操作位置から通常位置へ変位すると共に第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位する際には、第1連係部材30の通常位置手前および第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に弾力的に当接すると共に、当接ピン62の緩衝部74がガイドピン52に弾力的に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に弾力的に当接すると共に当接ピン62の緩衝部74が当接ピン62に弾力的に当接して、第1連係部材30の変位および第2連係部材40の変位が減勢される。また、蓋部材Rを閉成位置へ変位させる操作に基づき、第1連係部材30の通常位置において第2連係部材40がロック解除位置からロック位置へ変位する際でも、第2連係部材40のロック位置手前で、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に弾力的に当接すると共に当接ピン62の緩衝部74がガイドピン52に弾力的に当接する。すなわち、ガイドピン52がガイド溝51の第1縁部51Aに近接または当接して移動規制される前に、ガイドピン52の緩衝部70が当接ピン62に弾力的に当接すると共に当接ピン62の緩衝部74が当接ピン62に弾力的に当接して、第2連係部材40の変位が減勢される。従って、第5実施例のロック装置LU5によれば、前述した各実施例のロック装置LU1〜LU4が奏する作用効果と同等の作用効果が得られる。また、弾性体からなる両緩衝部70,74により、ガイドピン52と当接ピン62とが2カ所で当接するので、緩衝効果の更なる向上が期待できる。
【0060】
(変更例)
(1) 各実施例では、付勢手段として、圧縮コイルタイプのスプリング55を例示したが、この付勢手段は、図19に示すような捻りスプリング57であってもよい。この捻りスプリング57は、互いに連設された2つのコイル部57Aを備えると共に、各コイル部57Aから脚部57B,57Bが延出している。そして、ベース部材80の規制ピン86の前側には、各コイル部57Aが上方から嵌合可能な取付ピン100,100が立設されている。従って捻りスプリング57は、各コイル部57Aを取付ピン100,100に嵌合させ、各脚部57Bを各第2連係部材40の端部に係止させることで、前記圧縮コイルタイプのスプリング55と同等の付勢力を発現する。
(2) 前記第3実施例に示した連係手段50(第1連係部材30にガイドピン52および第2連係部材40に設けたガイド溝51からなる連係手段)において、前記第2実施例のように、該第2連係部材40に緩衝部を備えた当接ピン(当接部)66を設け、ガイドピン52を該当接ピン66の緩衝部に当接する緩衝手段を実施することも可能である。
(3) 緩衝部78は、各実施例に例示したリング状に限定されず、プレート状やブロック状等であってもよい。また、第2実施例の当接ピン64、第4実施例の当接ピン62および第5実施例の当接ピン62では、該当接ピンの全体を弾性体から形成して緩衝機能を兼備するようにしてもよい。更に、第1実施例のガイドピン52、第3実施例のガイドピン52、第4実施例のガイドピン52および第5実施例のガイドピン52は、該ガイドピン52のガイド溝51と当接しない部位全体を弾性体から形成してもよい。
(4) ガイド部は、各実施例に示した略三角状に限るものではなく、「I字形」、「く字形」および「楕円形」等であってもよい。このような形態のガイド部でも、第1連係部材30の変位方向および第2連係部材40の変位方向に対して傾斜する案内部を有することで、蓋部材Rを閉成位置とする際に、各第2連係部材40のロック位置からロック解除位置への変位に連動して第1連係部材30が通常位置から操作位置へ変位するようになる。
(5) 前記第5実施例では、ガイドピン52の緩衝部70と当接ピン62の緩衝部74との高さ関係を逆にしてもよい。
(6) 各実施例では、第1連係部材30の前壁を指先で直接押すタイプのロック装置を例示したが、該第1連係部材30の前側に、指先で押す別部材を装着するようにしてもよい。
(7) 各実施例では、第1連係部材30の変位方向と第2連係部材40の変位方向とが直交する形態を例示したが、両連係部材30,40の交差角度はこれ以外であってもよい。
(8) 各実施例では、第1連係部材30および第2連係部材40がスライド変位する形態のロック装置を例示したが、第1連係部材30および第2連係部材40は、回動変位する形態や揺動変位する形態であってもよい。
(9) 各実施例では、各第2連係部材40に係止部44を設けた形態を例示したが、該第2連係部材40に連係する第3連係部材を設け、この第3連係部材に係止部を設けるようにしてもよい。
(10) 軸部52または当接部62,64,66に設けた保持部72は、各実施例に例示した突状形態に限らず、軸部52または当接部62,64,66の外周に凹ませて設けた溝状形態として、緩衝部70が嵌合するようにしてもよい。
(11) 第1連係部材30および第2連係部材40は、各実施例に例示した形状、サイズに限定されるものではない。
(12) 実施例で例示した前記収納ボックスCは、本体部材Bおよび蓋部材Rの外部意匠形状を変更することで、例えば自動車の車両乗員室内に設置されるフロアコンソールやインストルメントパネルに設けられるグローブボックス等として実施され得る。
(13) 本願のロック装置は、前記収納ボックスCの蓋部材Rに取り付けられるものに限定されず、本体部材Bに取り付けられるものであってもよい。また、本願のロック装置は、前記収納ボックスCに限らず、姿勢変位または移動変位が可能でかつ所定の保持位置にロックする部材を備えた各種の構造体に実施可能である。
【符号の説明】
【0061】
30 第1連係部材,40 第2連係部材,44 係止部,50 連動手段
51 ガイド溝(ガイド部),52 ガイドピン(軸部),55 スプリング(付勢部材)
57 捻りスプリング(付勢部材),62,64,66 当接ピン(当接部)
70,74,78 緩衝部,72 係止突部(保持部),S 係止孔(ロック対象)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常位置と操作位置との間で変位可能に設けられ、ロック解除操作により通常位置から操作位置へ変位する第1連係部材と、
ロック位置とロック解除位置との間で変位可能に設けられ、係止部をロック位置でロック対象へ係止する一方、係止部をロック解除位置でロック対象から退避する第2連係部材と、
前記第1連係部材または第2連係部材の一方に設けられたガイド部、第1連係部材または第2連係部材の他方に設けられて前記ガイド部に移動可能に係合する軸部を有し、第1連係部材の通常位置から操作位置への変位に伴って軸部をガイド部で案内して、第2連係部材をロック位置からロック解除位置へ変位するよう連動する連動手段と、
前記第1連係部材を操作位置から通常位置に向けて付勢すると共に、前記第2連係部材をロック解除位置からロック位置に向けて付勢する付勢手段と、
前記ガイド部がある前記連係部材に設けられ、第1連係部材の通常位置および第2連係部材のロック位置において、前記軸部におけるガイド部への当接部位から外れた部位と弾力的に当接する当接部とを備え、
前記第1連係部材の前記付勢手段による操作位置から通常位置への変位に際して、前記軸部が前記ガイド部に移動規制される前に前記当接部と当接すると共に、前記第2連係部材の前記付勢手段によるロック解除位置からロック位置への変位に際して、前記軸部が前記ガイド部に移動規制される前に前記当接部と当接するよう構成した
ことを特徴とするロック装置。
【請求項2】
前記第2連係部材は、前記第1連係部材の変位方向と交差する方向へ変位するように構成され、
前記軸部と前記当接部とは、前記第1連係部材の通常位置および前記第2連係部材のロック位置で、前記第1連係部材の変位方向に重なると共に、第2連係部材の変位方向に重なるよう配置される請求項1記載のロック装置。
【請求項3】
前記軸部と前記当接部とは、前記第1連係部材の通常位置から操作位置への変位および第2連係部材のロック位置からロック解除位置への変位に際して互いに離れるように配置される請求項1または2記載のロック装置。
【請求項4】
前記軸部および前記当接部の少なくとも一方は、互いに当接する部位が、弾性体からなる緩衝部で構成される請求項1〜3の何れか一項に記載のロック装置。
【請求項5】
前記連動手段は、前記第1連係部材および第2連係部材において上下に重なる部位に設けられ、
前記緩衝部は、下方に位置する連係部材から上方に向けて突出する前記軸部または前記当接部に設けられる請求項4記載のロック装置。
【請求項6】
前記緩衝部は、内側に装着孔が形成されたリング状に形成され、
前記緩衝部が設けられる前記軸部および前記当接部には、先端から緩衝部の装着孔に嵌め合わせた装着を許容すると共に、装着した該緩衝部の先端側への移動を規制する保持部が設けられる請求項4または5記載のロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2011−252321(P2011−252321A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127234(P2010−127234)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)
【Fターム(参考)】