説明

ロボット。

【課題】ウェハー搬送工程において、クリーン雰囲気維持、スループット低下、及びコスト増の問題を解決して、半導体製造におけるスループット向上、及び不良率低下とコスト削減出来るロボットを提供する。
【解決手段】四つのアーム構造体ロボットにより、アームによる走行方向動作を可能にする事で、走行におけるクリーン気流の乱れを最小限に抑えると共に走行レールを工程から省く事で簡素化を実現した。また、運動速度の高速化も可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェハー搬送工程において、スループット向上を含めて簡素化とクリーン雰囲気維持を実現した搬送ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的なウェハー搬送工程には、一列に配置された三つのFOUP前にロボット設置スペースを設けて、そのスペース左右端には半導体装置とアライナ装置とが備わっており、同工程における一連(供給、取出し、収納)のウェハー搬送作業には、ロボットによる五つのポート(三つのFOUP、二つの装置)へアクセスが必要であり、その対応には、半径方向と旋回方向の動作機能を備えたロボットに走行機能を備えたレール体を組み合わせた方式と、アームのみで全ポートへのアクセスを可能にする為に長いアームを用いて半径方向と旋回方向の動作機能を含めて軌跡動作機能を備えたロボット方式があり、その内から、各工程に適した方式が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の前者方式においては、走行に際してクリーン気流の乱れによるパーティクルの舞い上がりによりクリーン雰囲気の維持に問題があった。
【0004】
また、後者方式においては、長いアームの動作には大きな慣性が伴う事で動作速度が上がらずスループットの向上の観点からの問題があり、アーム動作中心(第1関節軸)から外れた位置にあるFOUP1とFOUP3へのアクセスには軌跡動作機能を用いる事から、位置設定におけるティーチング作業に大きな負担を強いられる問題と、大きい設置スペースを必要とする為に工程に関する構築及び維持のコスト増による問題があった。
【0005】
本発明は、ウェハー搬送工程において、クリーン雰囲気維持における問題を含めてスループット低下の問題 及びコスト増の問題を解決して、半導体製造におけるスループット向上を含めて不良率低下とコスト削減出来るロボットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ロボットアーム構造において、四つのアーム構造体にして、X方向(走行方向)動作機能を第1、第2アームで実現する事によりクリーン気流乱れを最小限に抑えると共に走行レールを工程から省き簡素化が可能である。
【0007】
また、半径方向と旋回方向の動作機能は、小型化された第3、第4アームを用いることにより、各ポートへのアクセスを高速で対応出来る。
【0008】
そして、各ポートへのアクセスには半径方向動作機能により対応出来る事から軌跡動作が省かれることで、プログラミングにおけるティーチング作業が省かれる。
【0009】
さらに、X方向における移動動作には、X方向動作機能と半径方向動作機能とが合わされた直進動作機能(4アーム同時移動)により、格段の高速性を実現出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1に示される実施例では、ロボットに備わってある四つの動作パターンを示しており、a−aとa−bは、第1、第2アームに備わってあるX方向動作機能に第3、第4アームに備わってある半径方向動作機能を合わせて複合化されてある直進動作機能に関して実施例を示すものであり、その直進動作において、a−aは各アームが完全に伸びて直進動作を終えた状態を示しており、a−bは伸縮様子を示す。
【0010】
また、b−aとb−bは、第1、第2アームに備わってあるX方向動作機能により所定ポート前に案内されてある第3、第4アームが、半径方向と旋回方向の動作機能を用いて所定ポートへアクセス出来る態勢を示す。
【0011】
そして、c−a、c−b,c−c,c−d,c−eは、第1、第2アームによるX方向動作に関して、左右両端において何れの端から他端へ移動する様子を示す。
【0012】
なお、d−a、d−b、d−cは、半径方向動作による所定ポートへのアクセスが実行される様子を示す。
【0013】
図2に示される実施例では、第1、第2アームのX方向動作により第3、第4アームが各ポートへアクセス出来る位置へ案内されている状態及びアクセスされた状態を示す。
【0014】
図3に示される実施例では、半径方向と旋回方向の動作機能を備えたロボットに走行機能を備えたレール体を組み合わせた方式において、ロボットが固着されてある走行台がレール上の走行によりにロボットアームが各ポートへアクセス出来る位置へ案内されている状態及びアクセスされた状態を示す。
【0015】
図4に示される実施例では、アームのみで全ポートへのアクセスを可能にする為に長いアームを用いて半径方向と旋回方向の動作機能を含めて軌跡動作機能を備えたロボット方式において、軌跡動作によるFOUPへアクセスする様子と左端の半導体装置へアクセスされた様子と旋回動作状態において大きいスペースを必要とされている様子を示す。
【0016】
図4に示される実施例では、四つのアーム構造体を示す。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】
ウェハー搬送工程において、走行レールが省かれる事により、同搬送工程が簡素化されると共に走行時に生じるクリーン気流の乱れを最小限に抑えられる。
【0019】
また、各ポートへのアクセスには、小型化された第3、第4アームに備えてある半径方向と旋回方向の動作機能を用いて対応することから同アクセス動作を高速化出来ると共に軌跡動作が省かれることにより位置設定におけるティーチング作業から解放される。
【0020】
そして、X方向動作機能と半径方向動作機能とで複合化された直進動作機能により、左右方向への移動における移動速度が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】 四つのアームのロボットに備わった四つの動作機能を示す。
【図2】 走行レールが省かれたウェハー搬送工程において、各ポートへのアクセス可能である状態を示す。
【図3】 走行レールが採用されている搬送工程において、動作機能を示す。
【図4】 長い第1、第2アーム構造体を用いてポートへのアクセスと軌跡動作の様子を示す。
【図5】 四つのアーム構造を示す。
【符号の説明】
1 胴体
2 第1アーム
3 第2アーム
4 第3アーム
5 第4アームに
6 フィンガー
7 第1関節
8 第2関節
9 第3関節
10 第4関節
11 第5関節

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X方向移動機能を第1、第2アームに備えることで、アームによるX方向への移動を可能にした四つアーム構造とその移動機能。
【請求項2】
半径方向移動機能と旋回方向移動機能を第3、第4アームに備えることで、走行レールを用いずに半径方向移動による各ポートへのアクセスを可能にした四つアーム構造とその移動機能。
【請求項3】
第1、第2アームに備えてあるX方向移動機能と第3、第4アームに備えてある半径方向移動機能とを合わせる事により新たに直進移動機能が備わった四つアーム構造とその移動機能。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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