説明

ロングノズル付き容器

【課題】 本発明は、容器本体に噴出機能体取付けた容器体に対して、ロングノズルと同様にノズルキャップを付帯させることによって、ノズルキャップの取り扱いの簡便性を高めることを目的とする。
【解決手段】 ロングノズル10を有する噴出機能体6を容器本体2に取付けた容器体1に、ノズルキャップ16を昇降変位可能に内装したノズルカバー体15を不動に組付け固定し、垂下姿勢となったロングノズル10の延出ノズル部12に対して、ノズルキャップ16が下方から位置合せされた状態となるように、ノズルカバー体15に対するノズルキャップ16の組付け位置を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体内に収容した薬液等の内容液を噴出機能体により、ノズルを通して噴出する容器の内、特に噴出する内容液を目標とする箇所に適切に噴出することのできるロングノズル付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
容器本体内に収容した薬液等の内容液を、容器本体の上端開口部に取付けた噴出機能体の上方に突出した噴出ヘッドを弾力に逆らって押し下げることにより噴出する液体噴出容器が知られているが、この液体噴出容器の内、噴出ヘッドに噴出される内容液を導くロングノズルを組付け、このロングノズルにより内容液を目標とする箇所に適切に噴出するものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に示された従来技術は、容器本体の上端開口部に取付けられた噴出機能体の、上方に付勢力を受けて突出している噴出ヘッドの側面に、L字状に屈曲したロングノズルを回動変位可能に取付けて、その主体部分である延出ノズル部のノズル口が位置する先端部を、上下方向に回動変位可能とし、延出ノズル部を、横向き姿勢の使用状態と垂下姿勢の待機状態とに切換え可能としている。また、延出ノズル部の垂下姿勢では、延出ノズル部に設けた係止板片の下端を、容器本体の不動部に上方から当接させて、噴出ヘッドの不要な押下げを不能として内容液の不正噴出を阻止し、これにより安全な取扱いを得ることができるようにしている。
【0004】
この特許文献1に示された従来技術にあっては、ロングノズルの延出ノズル部の先端部に、容器本体に対して着脱されるノズルキャップを着脱自在に組付け、このノズルキャップの容器本体に対する係止組付きにより、ロングノズルの待機状態を安定的に保持できるようにして係止板片を有効に作用させ、またロングノズル内の内容液の乾燥固化および液垂れを防止することができる、と云う優れた作用効果を発揮する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−268416号公報
【0006】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、使用状態では、ノズルキャップをロングノズル付き容器から完全に分離させるので、この分離させられたノズルキャップが紛失しないように管理することや、ノズルキャップの容器本体に対する係止組付き姿勢が適正となるように、ノズルキャップのロングノズルに対する装着状態の位置合せを要する場合があるなど、ノズルキャップの取扱いの簡便性を高めることを求める要望があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記した従来技術における要望を満たすべく創案されたもので、容器本体に噴出機能体取付けた容器体に対して、ロングノズルと同様にノズルキャップを付帯させることを技術的課題とし、もってノズルキャップの取り扱いの簡便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するための本発明の主たる構成は、
内容液を収容した有底筒状の容器本体の上端開口部に、内容液を噴出する噴出機能体を密に取付け、この噴出機能体の一部を構成する、上方に付勢されて押し下げ可能に突出した噴出ヘッドにロングノズルを組付けて容器体を構成すること、
ロングノズルを噴出ヘッドの側面から突出する水平ノズル部と、この水平ノズル部の先端から屈曲連設された延出ノズル部とから構成すること、
噴出ヘッドに対してロングノズルを、水平ノズル部を軸として回動可能に組付けること、
容器体にノズルカバー体を組付き枠により不動に組付け固定すること、
容器体の側近に垂下姿勢で位置した延出ノズル部の先端部に着脱自在に外嵌組付きするノズルキャップを、組付き枠に昇降変位可能に組付けること、
にある。
【0009】
ロングノズル付き容器は、ロングノズルの延出ノズル部を横方向に延出させる姿勢に回動位置させることにより、ノズル口が開設されている延出ノズル部の先端を、薬液の噴出塗布の目標箇所に正確に指向させることが可能な使用状態となり、延出ノズル部を垂下させる姿勢に回動位置させることにより、この延出ノズル部の先端部が容器本体の側近に、かつ容器本体に沿って位置する待機状態(非使用状態)となり、両状態をロングノズルの回動により切替える。
【0010】
ノズルキャップは、容器体に不動に組付き固定したノズルカバー体の組付き部分である組付き枠に昇降変位可能に組付けられており、下降位置では、垂下姿勢で容器本体の側近に位置した延出ノズル部の先端部に対して下方から対向させておく。
【0011】
それゆえ、延出ノズル部を待機状態に位置させた状態で、ノズルキャップを上昇変位させると、ノズルキャップはそのまま延出ノズル部の先端部に外嵌装着されることになる。
【0012】
この容器の待機状態では、ノズルキャップの延出ノズル部に対する装着により、延出ノズル部は回動変位不能となり、容器の待機状態が安定的に維持されることになると共に、ノズル口を開設した延出ノズル部の先端部をノズルキャップが被うので、延出ノズル部内の内容液の乾燥固化および垂れ落ちさらにはホコリの付着を防止する。
【0013】
この容器の待機状態からノズルキャップを下降変位させて延出ノズル部の先端部から離脱させると、ノズルキャップによるロングノズルに対する回動変位阻止作用が解除されるので、ロングノズルは回動変位して使用状態に切換わり可能となる。
【0014】
ロングノズルを回動させて容器が使用状態に切換わっても、ノズルカバー体すなわちノズルキャップは容器体から分離することなく付帯したままであるので、ノズルキャップは容器体と常に一体的に取扱われることになる。
【0015】
本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、容器本体に対するノズルカバー体の不動な組付け固定を、垂下姿勢の延出ノズル部の先端部とノズルキャップとを上下に位置合せして達成した、ものである。
【0016】
垂下姿勢の延出ノズル部の先端部とノズルキャップとを上下に位置合せしたものにあっては、延出ノズル部を垂下姿勢に回動変位させるだけで、延出ノズル部の先端部とノズルキャップとが上下に正確に対向位置することになり、そのままノズルキャップを上昇させて、延出ノズル部の先端部に対してノズルキャップを正確にかつ確実に外嵌組付けすることができる。
【0017】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、ノズルカバー体を、ノズルキャップと上面を開放した筒状の組付き枠とから構成し、この組付き枠に、ノズルキャップを昇降変位可能に組付けるガイド縦孔を開設すると共に、このガイド縦孔の側近に回動変位してくる延出ノズル部の先端部が出入りする出入り欠部を形成し、組付き枠内に配置されたノズルキャップに一体設された操作片を、ガイド縦孔に突出した状態で昇降摺動可能に組付けて構成した、ものである。
【0018】
ノズルカバー体を構成するノズルキャップに操作片を設け、組付き枠にガイド縦孔を形成したものにあっては、組付き枠内に配置されたノズルキャップを、操作片を指先で操作することにより、組付き枠外から昇降変位操作することができ、これによりノズルキャップの昇降操作が容易となる。
【0019】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成と、組付き枠にガイド縦孔と出入り欠部を形成したものにおいて、ノズルカバー体を、ガイド縦孔および出入り欠部を形成した部分を除く部分である、容器体に不動に組付き固定する組付き枠部分を、短筒片状とした、ものである。
【0020】
容器体に不動に組付き固定する組付き枠部分を、短筒片状としたものにあっては、組付き枠を成形する樹脂量を低減化することが可能となる。
【0021】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、容器体に対するノズルカバー体の組付き固定を、容器本体の胴部の外周面上端部に周設した係止溝と、組付き枠の内周面上端部に設けた係止突条とのアンダーカット結合により達成した、ものである。
【0022】
容器体に対するノズルカバー体の組付き固定を、容器本体に設けた係止溝と、組付き枠に設けた係止突条とのアンダーカット結合により達成したものにあっては、きわめて簡単な構造である係止溝と係止突条の組合せによりアンダーカット結合部を構成したので、このアンダーカット結合部の成形が容易であると共に、取扱いが簡単となる。
【0023】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成と、アンダーカット結合部を係止溝と係止突条の組合せにより構成したものにおいて、容器本体に対するノズルカバー体の上下の位置合せを、係止溝を横断する構成で設けた突片と、係止突条に設けた欠部との係合により達成した、ものである。
【0024】
容器本体とノズルカバー体の位置合せを、突片と欠部の係合により達成したものにあっては、容器本体に対するノズルカバー体の組付け固定と同時に、容器本体とノズルカバー体の上下の位置合せを達成することができるので、容器本体に対するノズルカバー体の位置合せ組付け処理を、簡単に達成できることになる。
【0025】
また、本発明の別の構成は、上記した主たる構成において、ロングノズルの延出ノズル部の上端部後側面に係止板片を起立設し、延出ノズル部が垂下姿勢に回動した位置で、容器体の不動部分に係止板片の下端面を当接させる構成とした、ものである。
【0026】
ロングノズルの延出ノズル部に係止板片を起立設したものにあっては、容器の待機状態で、噴出ヘッドの不本意な押下げ変位の発生を確実に阻止することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成にあっては、容器の待機状態を安定的に維持するので安全な取扱いを得ることができると共に、延出ノズル部内の内容液の乾燥固化および垂れ落ちさらにはホコリの付着を防止するので、衛生的で好ましい使用状況を得ることができる。
【0028】
また、ノズルキャップは容器体と常に一体的に取扱われることになるので、ノズルキャップの保管管理に手間を掛ける必要が全くなく、取扱いがきわめて容易となる。
【0029】
垂下姿勢の延出ノズル部の先端部とノズルキャップとを上下に位置合せしたものにあっては、垂下姿勢となった延出ノズル部に対してノズルキャップを上昇させるだけで、延出ノズル部の先端部に対してノズルキャップを正確にかつ確実に外嵌組付けすることができるので、延出ノズル部の先端部に対するノズルキャップの正確で確実な外嵌組付けをきわめて簡単に達成できる。
【0030】
ノズルカバー体を構成するノズルキャップに操作片を設け、組付き枠にガイド縦孔を形成したものにあっては、ノズルキャップの昇降操作が容易となるので、延出ノズル部の先端部に対するノズルキャップの着脱操作が容易となり、その分ノズルカバー体を組付けた容器体の取扱いが容易となる。
【0031】
容器体に不動に組付き固定する組付き枠部分を、短筒片状としたものにあっては、組付き枠を成形する樹脂量を低減化することが可能となるので、省資源化効果を確実に得ることができる。
【0032】
容器体に対するノズルカバー体の組付き固定を、容器本体に設けた係止溝と、組付き枠に設けた係止突条とのアンダーカット結合により達成したものにあっては、アンダーカット結合部の成形が容易であると共に、取扱いが簡単であるので、きわめて実施が容易であると共に、有利な実施形態を得ることができる。
【0033】
容器本体とノズルカバー体の位置合せを、突片と欠部の係合により達成したものにあっては、容器本体に対するノズルカバー体の位置合せ組付け処理を簡単に達成できることになり、これにより容器本体とノズルカバー体との位置合せ組付け処理を効率よく行うことができる。
【0034】
ロングノズルの延出ノズル部に係止板片を起立設したものにあっては、容器の待機状態で、噴出ヘッドの不本意な押下げ変位の発生を確実に阻止することができるので、待機状態での安全性をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の一実施形態例を示す、使用状態時の全体正面図である。
【図2】図1に示した実施形態例の、待機状態時の全体正面図である。
【図3】図1に示した実施形態例の、待機状態時の全体側面図である。
【図4】図1に示した実施形態例の、待機状態時のノズルキャップを装着した全体側面図である。
【図5】図4に示した状態時の、ノズルカバー体を縦断した側面図である。
【図6】図4に示した状態時の、全体平面図である。
【図7】本発明の他の実施形態例を示す、待機状態時のノズルカバー体を縦断した側面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態例を示す、待機状態時の側面図である。
【図9】本発明の要部の一実施例の構造を示す、拡大平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態例を、図面を参照しながら説明する。
図1〜図6は、本発明によるロングノズル付き容器の一実施形態例を示すもので、容器は、容器本体2に噴出機能体6を組付けた容器体1と、ノズルカバー体15とから構成されている。
【0037】
容器本体2は、薬液等の内容液を収容する有底筒形状をした胴部3(図5参照)の上端に、縮径した肩部を介して上端開口部を形成する口筒部を起立連設したボトル状に成形されており、合成樹脂やガラスさらにはアルミ等の金属により成形されている。この容器本体2の胴部3の上端部には周溝状の係止溝4が形成されており、ノズルカバー体15との間のアンダーカット結合部を構成している。また、係止溝4の上側溝面は拡径した係止段部5に形成されていて、胴部3の上端に、組付いたノズルカバー体15の組付き枠19の上端面を覆って、容器体1の外観体裁を良くする庇状部分を形成している。
【0038】
噴出機能体6は、例えばシリンダとピストンを備えたポンプ構造のものや、エアゾールタイプのものが使用可能であり、容器本体2の口筒部に取付けキャップ7により密に取付けられ、この取付けキャップ7から上方に突出した構成で案内筒8を起立位置させ、さらにこの案内筒8内から上方に付勢された状態で噴出ヘッド9が押下げ可能に組付けられている。案内筒8は、この噴出ヘッド9の昇降変位が安定的に行われるように、噴出ヘッド9の昇降変位をガイドする。
【0039】
噴出ヘッド9には、回動可能にロングノズル10が組付けられている。ロングノズル10は、短い水平ノズル部11の先端に長い延出ノズル部12を直角に屈曲連設させて構成されており、水平ノズル部11を、噴出ヘッド9の前面から突設された支持筒片13で支持された状態で、噴出ヘッド9に回動可能に組付けられており、延出ノズル部12は、ロングノズル10が水平ノズル部11を軸として回動変位すると、そのノズル口を開設した先端部を、回動昇降変位させ、この延出ノズル部12が横方向に延出した姿勢が使用状態であり、延出ノズル部12が垂下した姿勢が待機状態であり、この待機状態では延出ノズル部12の先端部は容器本体2の胴部3の側近に、この胴部3に沿って位置(図3参照)することになる。
【0040】
延出ノズル部12の上端部の後側には、延出ノズル部12が垂下姿勢になった状態で、下端を容器体1の不動部分を形成する案内筒8の上端面に下端縁を当接させる係止板片14(図2および図3参照)が起立設されており、この係止板片14の案内筒8に対する上方からの当接により、待機状態での噴出ヘッド9の下降変位が不能となり、待機状態で内容液が不正に噴出されるのを確実に阻止している。
【0041】
待機状態で係止板片14が上方から当接する案内筒8の上端面部分には、係止板片14が軽く係止して、延出ノズル部12の垂下姿勢を保持する係止凹部8a(図1および図2参照)を形成しておくのがよく、この係止凹部8aに対する係止板片14の係止により、延出ノズル部12の垂下姿勢が保持されると共に、垂下姿勢時における延出ノズル部12の先端部の位置出しを確保することになる。
【0042】
ノズルカバー体15は、延出ノズル部12の先端部に外嵌組付きする有底筒状のノズルキャップ16と、ノズルカバー体15を容器本体2に不動に組付け固定する組付き枠19とから構成されており、組付き枠19は上方を開放した有底長円筒形状(図6参照)をしていて、その前半の筒壁部分中央部に一つのガイド縦孔20(図2参照)を開設すると共に、このガイド縦孔20の両側に、延出ノズル部12の先端部が出入りする出入り欠部21(図2参照)が形成されている。
【0043】
ガイド縦孔20には、組付き枠19内に位置するノズルキャップ16に連結片18を介して一体設された操作片17(図5参照)が突出した状態で位置しており、滑り止めの凹凸を形成した操作片17の表面を指先で操作することにより、組付き枠19内のノズルキャップ16を昇降操作する。なお、上昇限度に位置した操作片17とガイド縦孔20の孔縁部との間に、乗り越え係止する機能部分を形成することにより、前記した係止板片14と案内筒8の組合せに代えた、待機状態時における噴出ヘッド9の不正下降変位防止機能部分を提供することが可能である。
【0044】
ノズルカバー体15の組付き枠19の筒壁の後半部分の上端には、容器本体2の係止溝4に係止して、容器本体2との間にアンダーカット結合部分を形成する係止突条22(図5参照)が形成されており、この係止突条22と係止溝4との係合により、容器本体2に対してノズルカバー体15を不動に組付け固定する。この係止突条22と係止溝4との係合による容器本体2とノズルカバー体15の組付けに際して、係止溝4の一部に、この係止溝4を横断する形態で突片4aを設けると共に、係止突条22の一部に、この係止突条22の一部を切欠いた形態で欠部22a(図9参照)を形成し、この突片4aと欠部22aとの係合組付きにより、容器本体2に対するノズルカバー体15の不動な組付き位置出しを得ることができる。
【0045】
図7は、本発明の他の実施形態例を示すもので、ノズルカバー体15の組付き枠19を、底のない単純な筒形状に構成することにより、組付き枠19内を上下に開放し、これにより組付き枠19内にゴミ等が溜まる不都合の発生を防止しており、また図8は、さらに他の実施形態例を示すもので、ノズルカバー体15の組付き枠19の、容器本体2に対する組付き部分、すなわち組付き枠19の筒壁の係止突条22を設けた後半部分を短円筒片状とし、これによりノズルカバー体15を成形する材料、例えば合成樹脂材料を少なくして省資源化を得るようにしている。
【0046】
次に、図示した実施形態例の操作手順を説明する。
図1は、延出ノズル部12を横方向に延出させた使用状態を示すもので、横方向に延出された延出ノズル部12の先端を、目標とする箇所に指向させると共にその近くに位置させ、この状態を維持したまま噴出ヘッド9を押下げ操作することにより、内容液を目標とする箇所に正確にかつ集中的に噴出させることができる。
【0047】
この使用状態から、延出ノズル部12の先端部を、延出ノズル部12が垂下姿勢となるまで回動下降変位させると、延出ノズル部12の先端部は、出入り欠部21を通ってノズルカバー体15の組付き枠19内に侵入し、延出ノズル部12が垂下姿勢となる。この際、係止板片13の下端縁が案内筒8の係止凹部8aに乗り越え係止して、延出ノズル部12の垂下姿勢を維持する。
【0048】
延出ノズル部12が垂下姿勢となった図2および図3に示した待機状態から、下降しているノズルキャップ16を操作片17の操作により上昇させて、延出ノズル部12の先端部に外嵌組付け(図4および図5参照)する。この待機状態では、係止板片14の案内筒8に対する当接作用、もしくは連結片18のガイド縦孔20との間の係止作用により、噴出ヘッド8の不正押下げが阻止されるので、内容液の不都合な噴出を確実に防止できる。
【0049】
また、係止板片14が係止凹部8aに係止して、垂下姿勢の延出ノズル部12の先端部の位置を正確に位置出しすると共に、突片4aに欠部22aが係合してノズルキャップ16の位置を正確に位置出しておくことにより、上下から嵌合組付きする両者の面倒な位置合せ操作を行う手間を省くことができる。
【0050】
この待機状態から使用状態への切換えは、図4図示状態から操作片17を操作して延出ノズル部12の先端部からノズルキャップ16を離脱させ、次いでロングノズル10を回動させて延出ノズル部12を横向き姿勢にすることにより達成される。
【0051】
この待機状態から使用状態への切換え動作から明らかなように、容器の使用状態であっても、ノズルカバー体15は、容器体1に組付いたままであり、それゆえノズルキャップ16は容器体1から分離されることなく、一体的に付帯したままとなる。使用状態で容器体1に一体的に付帯されたノズルキャップ16は、組付き枠19内に収納された状態となっているので、内容液を噴出させる取扱い動作の邪魔となることがない。
【0052】
なお、延出ノズル部12の先端部の外周面およびノズルキャップ16の内周面は、それぞれ先端側または開口部側に向かって拡径したテーパー面(図5参照)に形成されるのがよく、これによって延出ノズル部12の先端部に対するノズルキャップ16外嵌装着をより円滑に達成できるようにすることができる。また、延出ノズル部12の先端部の外周面とノズルキャップ16の内周面に、嵌合組付き状態で離脱可能にアンダーカット結合する組付き部分を形成しておくことにより、延出ノズル部12の先端部に対するノズルキャップ16の安定した嵌合組付き状態を得ることができ、延出ノズル部12の先端部からノズルキャップ16が妄りに離脱する不都合の発生を防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上説明したように、本発明のロングノズル付き容器は、容器体の使用状態時に、ノズルキャップを邪魔とならない状態で一体的に付帯することができ、これによりノズルキャップの取扱い管理に要する留意を無くすことができ、ノズルキャップを必要とする容器に対する幅広い利用展開が期待される。
【符号の説明】
【0054】
1 ;容器体
2 ;容器本体
3 ;胴部
4 ;係止溝
4a;突片
5 ;係止段部
6 ;噴出機能体
7 ;取付けキャップ
8 ;案内筒
8a;係止凹部
9 ;噴出ヘッド
10;ロングノズル
11;水平ノズル部
12;延出ノズル部
13;支持筒片
14;係止板片
15;ノズルカバー体
16;ノズルキャップ
17;操作片
18;連結片
19;組付き枠
20;ガイド縦孔
21;出入り欠部
22;係止突条
23a;欠部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液を収容した有底筒状の容器本体(2)の上端開口部に、前記内容液を噴出する噴出機能体(6)を密に取付け、該噴出機能体(6)の一部を構成する、上方に付勢されて押し下げ可能に突出した噴出ヘッド(9)にロングノズル(10)を組付けて容器体(1)を構成し、前記ロングノズル(10)を噴出ヘッド(9)の側面から突出する水平ノズル部(11)と、該水平ノズル部(11)の先端から屈曲連設された延出ノズル部(12)とから構成し、前記噴出ヘッド(9)に対してロングノズル(10)を、前記水平ノズル部(11)を軸として回動可能に組付け、前記容器体(1)にノズルカバー体(15)を組付き枠(19)により不動に組付け固定し、前記容器体(1)の側近に垂下姿勢で位置した延出ノズル部(12)の先端部に着脱自在に外嵌組付きするノズルキャップ(16)を、前記組付き枠(19)に昇降変位可能に組付けたことを特徴とするロングノズル付き容器。
【請求項2】
容器本体(1)に対するノズルカバー体(15)の不動な組付け固定を、垂下姿勢の延出ノズル部(12)の先端部とノズルキャップ(16)とを上下に位置合せして達成した請求項1に記載のロングノズル付き容器。
【請求項3】
ノズルカバー体(15)を、ノズルキャップ(16)と上面を開放した筒状の組付き枠(19)とから構成し、該組付き枠(19)に、前記ノズルキャップ(16)を昇降変位可能に組付けるガイド縦孔(20)を開設すると共に、該ガイド縦孔(20)の側近に回動変位してくる延出ノズル部(12)の先端部が出入りする出入り欠部(21)を形成し、前記組付き枠(19)内に配置されたノズルキャップ(16)に一体設された操作片(17)を、前記ガイド縦孔(20)に突出した状態で昇降摺動可能に組付けた請求項1または2に記載のロングノズル付き容器。
【請求項4】
ノズルカバー体(15)を、ガイド縦孔(20)および出入り欠部(21)を形成した部分を除く部分である、容器体(1)に不動に組付き固定する組付き枠(19)部分を、短筒片状とした請求項3に記載のロングノズル付き容器。
【請求項5】
容器体(1)に対するノズルカバー体(15)の組付き固定を、容器本体(2)の胴部(3)の外周面上端部に周設した係止溝(4)と、組付き枠(19)の内周面上端部に設けた係止突条(22)とのアンダーカット結合により達成した請求項1〜4の何れか1項に記載のロングノズル付き容器。
【請求項6】
容器本体(1)に対するノズルカバー体(15)の上下の位置合せを、係止溝(4)を横断する構成で設けた突片(4a)と、係止突条(22)に設けた欠部(22a)との係合により達成する請求項5に記載のロングノズル付き容器。
【請求項7】
ロングノズル(10)の延出ノズル部(12)の上端部後側面に係止板片(14)を起立設し、前記延出ノズル部(12)が垂下姿勢に回動した位置で、容器体(1)の不動部分に前記係止板片(14)の下端面を当接させる構成とした請求項1〜6の何れか1項に記載のロングノズル付き容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−96132(P2012−96132A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243459(P2010−243459)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】