説明

ロータリエンコーダおよび電子制御システム

【課題】投光素子の投光光量異常を予知してシステムの運転継続を可能としつつ異常発生前に適切な処置を講じることを可能としシステムの安全性を構築可能とする。
【解決手段】投光素子15と、投光素子15の投光を受光する複数の受光素子17,19と、上記両素子間の光路上に介装されて、被検出軸と同期回転する回転スリットと、自己診断用CPU25と、を備え、自己診断用CPUは、受光素子の受光出力から投光素子の投光光量が、ロータリエンコーダが正常作動不能となる異常な投光光量より大きいが異常予知すべき投光光量にまで低下したか否かを自己診断するタスクと、投光素子の投光光量が異常予知すべき投光光量に低下したと自己診断したときは、電子制御装置13側に異常予知信号を入力するタスクを実行する構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリエンコーダ、および該ロータリエンコーダの検出出力を用いて制御対象を電子制御する電子制御装置を備えた電子制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばエレベータ装置を電子制御する電子制御システムは、乗りかごを昇降駆動する駆動用モータのモータ軸にロータリエンコーダを取り付けると共にそのロータリエンコーダからのA、B相両信号を電子制御装置に入力する。電子制御装置はロータリエンコーダから検出信号により駆動用モータを駆動制御して乗りかごを昇降制御するようになっている(例えば特許文献1参照)。この電子制御システムでは、主に、電子制御装置に内蔵する制御用CPUの制御動作により電子制御システムの安全性を図る。制御用CPUは、制御プログラムや各種制御定数や各種入力センサの動作状態に応答して各種の負荷を制御するようになっている。
【0003】
上記電子制御システムに用いる従来のロータリエンコーダのうち例えばインクリメンタル型のロータリエンコーダでは、投光素子と2つの受光素子との間に、円周方向等間隔に投光素子からの光を透過することができる複数の回転スリットを有する回転スリット板と、この回転スリット板の一方側に上記回転スリットと同様に投光素子からの光を透過することができる固定スリットを有する固定スリット板とを対向配置している(特許文献2)。
【0004】
この固定スリット板の固定スリットは、投光素子からの光を電気角で順次90度ずつずれさせて回転スリット板の回転スリットを通過させて光信号を形成するようになっている。受光素子では上記光信号を受光し、受光素子の受光出力から検出信号としてA,B相両信号を生成し、これらA,B相両信号から被検出軸の回転状態すなわちその回転方向や回転速度を検出することができるようになっている。
【0005】
以上の構成において、ロータリエンコーダからの検出信号に基づいて駆動用モータを回転制御してエレベータ装置を制御しているときにロータリエンコーダが突発異常を起こした場合には、電子制御装置側では制御運転中のエレベータ装置を適切安全に制御することができなくなる。
【0006】
そこで、エレベータ装置を制御運転中の現時点では異常ではなく継続運転が可能であるが、異常発生が予測される前には適切な処置を講じることができるシステムが望まれる。
【0007】
ロータリエンコーダが異常になる原因の1つに投光素子の投光光量の劣化があり、従来のロータリエンコーダでは、投光素子の投光光量を監視するものが無く、ロータリエンコーダが突然的に異常になり、電子制御装置側では多くの場合、適切な処置を講じることができなかった。
【特許文献1】特開平09−077412号公報
【特許文献2】特開平07−134048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明により解決すべき課題は、ロータリエンコーダの状態を自己診断する自己診断用CPUを設け、投光素子の投光光量異常を予知してシステムの運転継続を可能としつつ異常発生前に適切な処置を講じることを可能としシステムの安全性を構築可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるロータリエンコーダは、被検出軸の回転状態を検出すると共にその検出出力を、制御対象を電子制御する電子制御装置に出力するロータリエンコーダであって、当該ロータリエンコーダは、投光素子と、投光素子の投光を受光する複数の受光素子と、上記両素子間の光路上に介装されて、被検出軸と同期回転する回転スリットと、自己診断用CPUと、を備え、上記自己診断用CPUは、上記受光素子の受光出力から投光素子の投光光量が、異常予知すべき投光光量にまで低下したか否かを自己診断するタスクと、投光素子の投光光量が異常予知すべき投光光量に低下したと自己診断したときは、電子制御装置側に異常予知信号を入力するタスクと、を実行することを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、自己診断用CPUにより、上記タスクの実行により、投光素子の投光光量が異常予知光量に低下したことを、電子制御装置側への異常予知信号入力により当該電子制御装置側に伝達することができるので、電子制御装置側では、ロータリエンコーダが突然的に異常にならずに済むと共に適切な処置を講じることができる。
【0011】
本発明の好ましい一態様として、上記自己診断用CPUは、上記受光素子の受光出力を直接、入力すると共に入力した受光出力をA/D変換し、そのA/D変換後のデジタル値から上記タスクを実行する、ことである。
【0012】
本発明の好ましい一態様として、上記自己診断用CPUは、上記受光素子の受光出力に対応したデューティの信号に変換した後、上記デューティから上記タスクを実行することである。
【0013】
本発明による電子制御システムは、ロータリエンコーダと、このロータリエンコーダからの出力信号から制御対象を駆動制御する制御用CPUを内蔵した電子制御装置と、を含み、ロータリエンコーダに、本発明のロータリエンコーダを用いた、ことを特徴とするものである。
【0014】
上記自己診断用CPUによる自己診断には、上記投光素子の投光光量以外に、電源電圧、受光素子出力信号の有無、位相、デューティ、パルス数、等の各種がある。また、自己診断機能では、例えば電源電圧監視では電源電圧を比較回路で基準電圧と比較し、電源電圧が基準電圧超あるいは未満になれば電源電圧異常であると自己診断することができる。
【0015】
本発明の電子制御システムでは、制御対象を例えばエレベータ装置とした場合、そのエレベータ装置の乗りかごが昇降中にその診断結果の細目の1つが投光素子の光量が劣化してきている場合では、制御用CPUはシステムを強制停止させるのではなく、乗りかごを途中直近の階まで昇降させて当該階に到着後、自動停止しエレベータ扉を開放すると共にアラームを鳴動させる制御を行う一方、エレベータ装置管理室等に報知することにより、作業員等は適切な処置を適確迅速に講じることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、ロータリエンコーダに内蔵する自己診断用CPUにより投光素子の投光光量が異常光量にまで低下する前の段階で異常予知することができるので、投光光量が異常光量に低下する前にシステムの運転継続を可能としつつ異常発生前に適切な処置を講じることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態に係るエレベータ装置を制御する電子制御システムを詳細に説明する。
【0018】
図1を参照して、エレベータ装置1は、巻上機3を駆動用モータ5により駆動してロープ7を介して乗りかご9を昇降させる一方、被検出軸である駆動用モータ5のモータ軸10に取り付けたインクリメンタル型またはアブソリュート型のロータリエンコーダ11からの検出信号を電子制御装置13に入力する。電子制御装置13では、図1では図示略の制御用CPUを内蔵しており、ロータリエンコーダ11からの検出信号により駆動用モータ5を駆動制御するようになっている。電子制御装置13によるエレベータ装置の制御内容はその他種々あるが、その説明は略する。このロータリエンコーダ11は図2で示すように図示略の機構に固定されたエンコーダハウジング12を備え、軸方向一対の軸受14によりモータ軸10に支持されている。なお、以下の説明では説明の都合でインクリメンタル型のロータリエンコーダに適用して説明するが、本発明はインクリメンタル型に限定されず、アブソリュート型等のロータリエンコーダに同様に適用することができる。
【0019】
図3を参照して、ロータリエンコーダ11は、1つの投光素子15と、2つの受光素子17,19と、の間の光路上に、円周方向等間隔に投光素子15からの光を透過することができる複数の回転スリットを有する回転スリット板21と、この回転スリット板21の一方側に上記回転スリットと同様に投光素子15からの光を透過することができる固定スリットを有する固定スリット板23とを対向配置している。なお、実施の形態ではロータリエンコーダ11は説明の都合でインクリメンタル型に適用して説明するが、本発明はインクリメンタル型に限定されず、アブソリュート型でも同様に適用することができる。
【0020】
この固定スリット板23の固定スリットは、投光素子15からの光を電気角で順次90度ずつずれさせて回転スリット板21の回転スリットを通過させてA相とB相の光信号を形成すると共に、受光素子17,19では電気角で90度ずつずれた上記A相とB相の光信号を受光しこれらA相とB相の光信号を図4で示すような検出信号として複数のパルス列からなるA相信号とB相信号とに変換するようになっている。
【0021】
そしてロータリエンコーダ11には、上記光信号の単位時間当たりの数から回転速度、また、A,B相両信号のバイナリーコードでA相信号「0」、B相信号「0」の組み合わせでは「0」、A相信号「1」、B相信号「0」の組み合わせでは「2」、A相信号「1」、B相信号「1」の組み合わせでは「3」、A相信号「0」、B相信号「1」の組み合わせでは「1」としそのバイナリーコードの変化順序から回転方向を判定することができる。
【0022】
図5で示すように、ロータリエンコーダ11においては、投光素子15の投光光を固定スリット板23、回転スリット板21を経て光信号を得ると共に受光素子17,19で受光させ、受光素子17,19それぞれの受光出力を比較回路等からなる信号処理回路20によりA、B相両信号を生成し、これらA、B相両信号を電子制御装置13に出力する一方で、受光出力をCPU25のA/D変換ポート(A/D)に入力する。このCPU25は、投光素子15と直列に接続したトランジスタ27のベースにPWM(パルス幅変調)制御パルスを印加することにより、投光素子15をON、OFF制御している。そして、投光素子15をONさせるパルス幅を制御することにより、投光素子15の投光強度(単位時間当たりの投光光量)を制御している。
【0023】
上記CPU25は以下で説明する自己診断用CPUと共用するようになっている。もちろん、このCPU25は自己診断用CPUとは別のCPUでもよい。
【0024】
図6を参照して、実施の形態の電子制御システムのブロック構成を説明する。この電子制御システムは、制御対象がエレベータ装置1であり、ロータリエンコーダ11と、電子制御装置13と、駆動用モータ5と、常閉のリレースイッチ29と、を備える。電子制御装置13は、制御用CPU39を備えており、種々の信号を入出力する。
【0025】
ロータリエンコーダ11は、A、B相信号出力部31と、自己診断データ処理部33と、上記CPU(自己診断用CPU)25と、フェイルセーフ信号出力部35と、異常予知信号出力部37と、を備える。
【0026】
A、B相信号出力部31は、図4で示すA、B相両信号を電子制御装置13に出力する。電子制御装置13はそれらA、B相両信号から駆動用モータ5の回転速度や回転方向を検出し、駆動用モータ5を制御することにより、乗りかご9の昇降位置や昇降速度等を制御する。
【0027】
自己診断データ処理部33は、電源電圧、投光素子15の駆動電流、受光素子17,19の出力信号、A、B相信号の周期、デューティ、パルス数等の自己診断用データを処理する。
【0028】
自己診断用CPU25は、自己診断データ処理部33からの自己診断用データに基づいてロータリエンコーダ11を自己診断する。もちろん、自己診断データ処理部33はフェイルセーフ信号出力部35と、異常予知信号出力部37とも含めて機能的にはマイクロコンピュータとして自己診断用CPU25に含むことができるが、理解し易くするために各ブロックにて示している。
【0029】
次に本実施の形態の特徴とする構成を説明する。
【0030】
図7に投光素子15の投光光量に対応する受光素子17,19の受光出力であるアナログ電圧波形を示す。横軸は電気角(θ)、縦軸はアナログ電圧(V)を示す。図7に示すアナログ電圧波形は、投光素子15の投光光量に比例して変化する。
【0031】
図7の実線で示すアナログ電圧波形Vaは投光素子15の投光光量が正常時のアナログ電圧波形に対応し、この正常時投光光量を100%とする。
【0032】
点線で示すアナログ電圧波形Vbは、正常投光光量から異常投光光量まで低下する途中段階に設定した異常を予知すべきアナログ電圧波形に対応する。この異常予知投光光量はユーザにより設定することができる。例えば電子制御装置13の制御対象に応じて設定してもよいし、その他適宜に設定してもよい。
【0033】
一点鎖線で示すアナログ電圧波形Vcは投光素子15の投光光量アナログ電圧波形Vaの正常投光光量の例えば50%であってロータリエンコーダ11の投光光量が異常時のアナログ電圧波形に対応する。
【0034】
上記において、アナログ電圧波形VaとVbとで囲む領域Zaを被検出軸の回転検出に対して受光素子17,19が受光出力を正常に出力できる投光素子15の投光光量の領域とし、アナログ電圧波形VbとVcとで囲む領域Zbを正常に被検出軸の回転検出が可能な投光光量であるが投光素子15の投光光量が異常になる前の投光光量の領域とし、アナログ電圧波形Vcより下の領域Zcを投光素子15の投光光量が異常である領域とする。
【0035】
そして、自己診断用CPU25は、アナログ電圧波形が領域Zaから領域Zbに変化したか否かにより投光素子15の投光光量が異常予知すべき投光光量に低下したか否かを自己診断するタスクと、投光素子15の投光光量が異常予知すべき投光光量にまで低下したときは、電子制御装置13側に異常予知信号を入力するタスクと、を実行するプログラムを内蔵する。
【0036】
なお、自己診断用CPU25は信号処理回路20からのA、B相両信号を図5の破線で示すように入力すると共に、これらA、B相両信号のオンデューティを用いて異常予知信号を生成してもよい。
【0037】
すなわち、図8(a1)の受光出力波形で示すように、投光素子15の投光光量(100%)に対応するアナログ電圧波形が正常領域Zaであり、それに対応する信号処理回路20から生成されるA,B相両信号のパルスのオンデューティは図8(a2)で示すようにDaである。この信号処理回路20は、比較回路を含み、基準電圧THを超えるアナログ電圧波形部分をハイレベル、基準電圧TH未満のアナログ電圧波形部分をローレベル処理するものであり、A、B相両信号のハイレベル期間のオンデューティは50%以上である。
【0038】
また、図8(b1)の受光出力波形で示すように、投光素子15の投光光量(例えば70%)に対応するアナログ電圧波形が領域Zbであり、それに対応するA,B相両信号のハイレベル期間のオンデューティは図8(b2)で示すようにDbである。このオンデューティは具体数値で例えば40%以下である。
【0039】
そして、図8(c1)の受光出力波形で示すように、投光素子15の投光光量(例えば60%)に対応するアナログ電圧波形が領域Zcであり、それに対応するA,B相両信号のハイレベル期間のオンデューティは図8(c2)で示すようにDcである。このオンデューティは具体数値で例えば30%以下である。
【0040】
自己診断用CPU25は、A,B相両信号のオンデューティがDaからDbになるときに、電子制御装置13側に異常予知信号を入力するタスク、を実行する。
【0041】
なお、オンデューティDbは一定の範囲を有するので、自己診断用CPU25は電子制御装置13側にオンデューティがDb〜Dcの範囲にある期間は、電子制御装置13側に異常予知信号出力部37から異常予知信号を入力するが、常時、異常予知信号を入力したのでは自己診断用CPU25に負担であるので、定期的に自己診断用CPU25に割り込みで自己診断を行うことが好ましい。
【0042】
自己診断用CPU25は、自己診断プログラムに従い、ロータリエンコーダ11の状態を自己診断すると共にその診断によりロータリエンコーダ11の状態を自己診断する。そして、実施の形態では投光素子15の投光光量が異常予知投光光量まで低下すると上記したように異常予知するので、ユーザ−は所要の措置を講じることができる。
【0043】
一方、実施の形態ではシステムの安全のため、ロータリエンコーダ11の自己診断用CPU25は、投光素子15の投光光量を含めて当該ロータリエンコーダ11の状態が重大な状態であると判定すると、フェイルセーフ信号出力部35からフェイルセーフ信号を電子制御装置13側の常閉のリレースイッチ29に出力する。フェイルセーフ信号は、電子制御装置13と駆動用モータ5とを接続する電源供給線に配置されたリレースイッチ29を開く側に駆動する結果、駆動用モータ5には電源が供給されなくなり、駆動用モータ5は回転動作を停止するようになっている。これにより、電子制御システムが強制停止することによりその安全性が確保される。
【0044】
実施の形態の制御対象は図1で示すようにエレベータ装置1であり、その乗りかご9が昇降中に投光素子15の投光光量が劣化する場合等の異常予知信号がロータリエンコーダ11の異常予知信号出力部37から電子制御装置13の制御用CPU39に入力されたときは、この制御用CPU39はその乗りかご9を途中直近の階まで昇降制御して停止制御した後でエレベータ扉を開放制御すると共にアラームを鳴動制御させたりエレベータ装置管理センターに通報する等の制御を行うことにより、作業員等はメンテナンスやその他の処置を適確迅速に講じることが可能となる。
【0045】
また、実施の形態の電子制御システムは、広く一般に、ロータリエンコーダと、電子制御装置と、駆動用モータとを備えた電子制御システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る電子制御システムの概略構成を示す図である。
【図2】図2はロータリエンコーダがモータ軸に軸受で支持されている状態を示す図である。
【図3】図3はインクリメンタル型ロータリエンコーダの機構的な概略構成を示す図である。
【図4】図4はインクリメンタル型ロータリエンコーダによるA相とB相の関係を示す図である。
【図5】図5はロータリエンコーダの電気的な概略構成を示す図である。
【図6】図6は実施の形態の電子制御システムの概略ブロック構成を示す図である。
【図7】図7は投光素子の投光光量低下による受光素子の受光出力に対応するアナログ電圧波形の変化を示す図である。
【図8】図8は受光素子の受光出力を処理する信号処理回路の出力を用いた図である。
【符号の説明】
【0047】
1 エレベータ装置
5 駆動用モータ
10 モータ軸(被検出軸)
11 ロータリエンコーダ
13 電子制御装置
15 投光素子
17,19 受光素子
21 回転スリット板
23 固定スリット板
25 自己診断用CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出軸の回転状態を検出すると共にその検出出力を、制御対象を電子制御する電子制御装置に出力するロータリエンコーダであって、
当該ロータリエンコーダは、投光素子と、投光素子の投光を受光する複数の受光素子と、上記両素子間の光路上に介装されて、被検出軸と同期回転する回転スリットと、自己診断用CPUと、を備え、
上記自己診断用CPUは、
上記受光素子の受光出力から投光素子の投光光量が、異常予知すべき投光光量にまで低下したか否かを自己診断するタスクと、
投光素子の投光光量が異常予知すべき投光光量に低下したと自己診断したときは、電子制御装置側に異常予知信号を入力するタスクと、
を実行することを特徴とするロータリエンコーダ。
【請求項2】
上記自己診断用CPUは、上記受光素子の受光出力を直接入力すると共に入力した受光出力をA/D変換し、そのA/D変換後のデジタル値から上記タスクを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のロータリエンコーダ。
【請求項3】
上記自己診断用CPUは、上記受光素子の受光出力に対応したデューティの信号に変換した後、上記デューティから上記タスクを実行する、ことを特徴とする請求項1に記載のロータリエンコーダ。
【請求項4】
ロータリエンコーダと、このロータリエンコーダからの出力信号から制御対象を駆動制御する制御用CPUを内蔵した電子制御装置と、を含み、上記ロータリエンコーダとして、請求項1ないし3のいずれかに記載のロータリエンコーダを用いた、ことを特徴とする電子制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−58491(P2009−58491A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228464(P2007−228464)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【Fターム(参考)】