説明

ロータリジョイント

【課題】光データ伝送路を設けたロータリジョイントにおいて、光軸のずれに伴って信号光の伝送品質が悪化することが課題であった。
【解決手段】回転シリンダ部3が固定シリンダ部2に中空ベアリング4a,4bを介して回転自在に保持されて、回転シリンダ部3側から固定シリンダ部2側に光伝送を行うロータリジョイント1の構成であり、回転シリンダ部3は、光導波管19を回転シリンダ部3の端面D側から端面C側を貫いて設けると共に、レーザダイオード13を、端面C側であって端面D側と対向させて配置し、固定シリンダ部2は、光導波管19の端面Bの面積よりも大きな面積の受光面を有するフォトダイオード16を、端面D側に貫かれた光導波管19の端面Bに対向させて配置するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたるデータ伝送を光データ伝送により行うロータリジョイントの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内の天井等に固定設置される監視カメラ装置として、カメラのパン角度やチルト角度を制御して撮像方向を変えながら監視を行うものが多数普及している。このような角度制御が可能な監視カメラ装置においては、天井等に固定設置される固定部とパン方向に回動可能な可動部とが電動雲台を介して接続された構成を有しているものが多い。すなわち、監視カメラ装置は、チルト方向に回転駆動するチルト駆動機構を備えたカメラが搭載された可動部が、パン方向に回動可能な電動雲台の一方(可動部分)に取り付けられると共に電動雲台の他方(固定部分)が固定部の一方に取り付けられ、そして固定部の他方が天井等に固定設置された構成を有したものが多い。このような構成の監視カメラ装置においては、可動部に搭載されたカメラから出力された映像信号が電動雲台を介して固定部に伝送され、この固定部で画像処理や出力インターフェース変換がされたのち、外部のモニタや映像信号記録装置に出力されるようになっている。
【0003】
上述した監視カメラ装置で用いられる電子雲台には幾つかの方式が知られているが、特に可動部をパン方向に連続して旋回させることが可能な電子雲台としては、スリップリングとブラシとの摺動接点によって旋回部と固定部とにわたる信号接続路を構築するものが知られている。しかし、この摺動接点方式は、旋回するスリップリングと固定されたブラシとの接点部分に油膜や塵埃が付着して電気的接触が不安定になったり、機械的接触に伴うノイズが発生したり、長期間の連続摺動により電気的接触性能が劣化する等の問題があった。特に、旋回部から固定部へ映像信号を伝送する場合においては、摺動接点方式では広い周波数帯域の確保が困難なことから、伝送可能な映像信号が周波数帯域の狭い低解像度の映像信号に限られてしまい、高解像度を有するHD映像信号のデータ伝送が困難であるという問題があった。
【0004】
そこで、旋回部と固定部とを有する電子雲台において、旋回部に取り付けられたカメラから出力される映像信号と、固定部から旋回部に伝送される制御信号とを、発光ダイオード及びフォトダイオードから構成される光信号伝送路により伝送させるようにして、前述の摺動接点方式に伴う信号品質劣化の問題を改善する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。具体的には、特許文献1には、旋回部内の回転軸線の近傍に光送信ユニットを設けると共に固定部内の回転軸線の近傍に光受信ユニットを設けておき、旋回部に載置されたカメラから出力された映像信号を光送信ユニットで信号光に変換して発光させ、旋回部と固定部との間の開口部を通して固定部内の光受信ユニットで受光させる技術が開示されている。
【0005】
また、特許文献1に記載の発明を更に改良した技術として、スリップリング伝達部と映像信号を伝達する光信号伝達部とをパン回転体、軸受けハウジング、カバー等から構成される閉空間内に設けて、発光素子及び受光素子への油膜や塵埃の付着を防止して信号伝達の信頼性を向上させた電動雲台についても知られている(例えば、特許文献2を参照)。この特許文献2には、回転体の回転軸に一致する光軸をなすように回転体の一端に固定された発光素子と、この発光素子からの光を受光する受光素子とによって信号を伝達する光信号伝達手段が開示されている。
【特許文献1】特開平9−284612号公報
【特許文献2】特開2001−183738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1によれば、光送信ユニット及び光受信ユニットは旋回部の回転軸線の近傍にそれぞれ配置されることから、旋回動作中は発光ダイオード及びフォトダイオードの各光軸が一致しないため、発光ダイオードから射出される信号光の射出角度は光軸のずれを考慮した広いものでなければならない。すなわち、特許文献1に開示された技術では、レーザダイオードのような射出角度の狭い発光ダイオードを用いることは極めて困難であり、そのため受信パワーを十分得られないため高いS/N比を要求される高精細映像の伝送は不可能であり、データ伝送レートの低い低精細度の映像信号しか伝送できない。
【0007】
また、特許文献2に開示された方式によれば、信号光の伝達は回転体の回転軸上に配置された発光素子と受光素子との間の自由空間を介して行われるが、長期間にわたる回転体の回転動作によって回転機構が磨耗する等の経時変化が生じた場合に、回転体の回転軸と光信号伝達手段の光軸とにずれが生じる恐れがある。このような光軸ずれが発生すると、回転に伴って受信素子で受信される光信号が変動することが問題となる。また、一定の受信S/N比を得るためには、信号光として相当な受信強度を得る必要があることから、送信素子と受信素子とはできる限り近接して配置する必要があり、ロータリジョイントを構成する上での大きな制約となる。
【0008】
そこで、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、固定部とこれに回転自在に組み合わされた回転部とにわたる光データ伝送を、発光素子及び受光素子の各光軸にずれが発生した場合でも、信号光の信号品質を損なうことなく安定して行うことが可能であり、そして、発光素子と受光素子とを近接配置しなくても安定した光データ伝送が可能なロータリジョイントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
円筒形の回転部(3)の一方側の端面(D)が所定の間隔を有して固定部(2)に軸受(4a,4b)を介して回転自在に保持されると共に、前記回転部側から前記固定部側に光伝送を行うロータリジョイント(1)であって、
前記回転部は、
円筒形の光導波管(19)を、この管を貫く中心軸と当該回転部の回転軸(P)とを一致させて前記一方側から当該回転部の他方側の端面(C)を貫いて設けると共に、
発光素子(13)を、前記他方側の端面であって該発光素子の光軸と前記回転軸とを一致させる位置に前記一方側の端面と対向させて配置し、
前記固定部は、
前記光導波管の端面(A,B)の面積よりも大きな面積の受光面を有する受光素子(16)を、該受光素子の光軸と前記回転軸とを一致させて、且つ前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面(B)に対向させて配置した構成のロータリジョイント(1)
を提供するものである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、
前記固定部は、
前記回転部の前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面から射出される光束を、集光レンズ(20)を通して前記光導波管の端面の面積よりも小さな面積の受光面を有する受光素子(26)における該受光面に集光させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロータリジョイント(21)
を提供するものである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、
円筒形の回転部(3)の一方側の端面(D)が所定の間隔を有して固定部(2)に軸受(4a,4b)を介して回転自在に保持されると共に、前記固定部側から前記回転部側に光伝送を行うロータリジョイント(1)であって、
前記回転部は、
円筒形の光導波管(19)を、この管を貫く中心軸と当該回転部の回転軸(P)とを一致させて前記一方側から当該回転部の他方側の端面(C)を貫いて設けると共に、
前記光導波管の端面(A,B)の面積よりも大きな面積の受光面を有する受光素子(16)を、前記他方側の端面であって該受光素子の光軸と前記回転軸とを一致させる位置に前記一方側の端面と対向させて配置し、
前記固定部は、
発光素子(13)を、該発光素子の光軸と前記回転軸とを一致させて、且つ前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面に対向させて配置した構成のロータリジョイント(1)
を提供するものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、
前記回転部は、
当該回転部の前記他方側に貫かれた前記光導波管の端面から射出される光束を、集光レンズ(20)を通して前記光導波管の端面の面積よりも小さな面積の受光面を有する受光素子(26)における該受光面に集光させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のロータリジョイント(21)
を提供するものである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、
前記円筒形の光導波管を屈曲自在な光ファイバケーブル(19a)として構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロータリジョイント(91)
を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、発光素子の送信面に光導波管の一方の端面を近接配置することにより、発光素子と光導波管との光結合が低損失で、且つ光軸ずれの影響を受け難くすることができる。光導波管に入射された信号光は、周波数応答性能の劣化及び光信号レベルの低下を抑えて伝送され、他方の端面から射出される。そして、他方の端面から射出された信号光は、光導波管の他方の端面に近接して設けられた受光素子により受信されるが、受光素子の受光面の面積を光導波管の端面の面積よりも大きくすることにより、光導波管と受光素子の光結合を低損失で且つ光軸ずれの影響を受け難くすることができ、これにより、100MHz程度の伝送帯域を有する光信号伝送を安定して行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、受光素子の受光面の面積を光導波管の端面の面積よりも小さくすると共に、この受光素子と光導波管との間に集光レンズを設けることによって、光導波管と受光素子との光結合を低損失で且つ光軸ずれの影響を受け難くすることができ、これにより、1GHz以上の伝送帯域を有する光信号伝送を安定して行うことができる。
【0016】
また、本発明によれば、光導波管を介して信号光の伝送を行うため、従来技術のように発光素子と受光素子とを近接配置しなくても安定した伝送を行うことが可能であり、発光素子側の基板や受光素子側の基板の配置の自由度が高まる。特に伝送信号としてギガビット級の高い伝送速度を有するデータ信号を扱う場合は、発光素子においてはその駆動回路をなるべく近くに配置する必要があり、受光素子においてはその光電変換回路をできるだけ近くに配置する必要があるため、送受光素子は基板に直接取り付けられることが望ましい。本発明によりこのような配置が可能となるため、高速なデータ伝送用途への適用が容易に達成できる。また、ロータリジョイントを構成する上の制約を少なくすることができ、簡易な構成によってローコストであり、そして安定した性能を長期間維持することが可能なロータリジョイントを提供することができる。
【0017】
さらに、本発明によれば、発光素子と受光素子との間の光伝送路として屈曲自在な光ファイバケーブルを用いることにより、回転部内部の回転軸上に機構部品等を設けることが可能となり機構設計上の自由度が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態であるロータリジョイントの概略断面図である。同図に示すロータリジョイント1において、固定シリンダ部2は、回転シリンダ部3を軸Pを中心として回転自在に保持する軸受としての中空ベアリング4a及び4bを収納して固定することにより、回転シリンダ部3に保持されている回転部としての各部材を回転自在に保持している。
【0019】
回転シリンダ部3の外周上であって且つ中空ベアリング4a及び4bの内側にはスリップリング伝達部5が形成されている。具体的には、スリップリング伝達部5は、複数(本実施形態においては4つとする。)の導電リング6が回転シリンダ部3の外周上であって且つ中空ベアリング4a及び4bの内側に、絶縁リング7を介して固定されたものである。
【0020】
そして、複数(本実施形態においては4つとする。)のブラシ8は、4つの導電リング6にそれぞれ対応して摺動接触を維持するように絶縁台9を介して固定シリンダ部2の内側に固定されている。そして、4つのブラシ8の各先端部は、各ブラシ8自身の弾性力によって導電リング6に押圧されて接触の安定性を確保している。
【0021】
4つの導電リング6には、回転部側リード線10の一端がそれぞれ接続されており、回転部側リード線10の他端は、回転シリンダ部3の内部を通って回転部側に引き出される。また、4つのブラシ8には、固定部側リード線11の一端がそれぞれ接続されており、固定部側リード線11の他端は、固定シリンダ部2の通線穴を通って固定部側へ引き出される。このようにして、導電リング6に摺動接触したブラシ8を介してそれぞれ接続された回転部側リード線10と固定部側リード線11との間に電気的接続が確立される。
【0022】
回転シリンダ部3の内部及び固定シリンダ部2の底部には光信号伝達部12が形成される。具体的には、回転シリンダ部3の回転部側の端面Cには、発光素子であるレーザダイオード13の外形に一致させた勘合形状が、レーザダイオード13の光軸が軸Pと一致するようにして形成されている。そして、レーザダイオード13は、ドライバ回路(不図示)を搭載したレーザダイオード基板14に取り付けられており、レーザダイオード基板14は、複数の基板取付ねじ15によって回転シリンダ部3の回転部側の端面Cに固定されている。これにより、レーザダイオード13は光軸を軸Pに一致させて固定設置される。
【0023】
回転シリンダ部3の固定部側の端面Dと固定シリンダ部2の底面内壁Eとは、数100μm〜数mmの間隔を保っている。そして、固定シリンダ部2の底部外壁側からは、受光素子であるフォトダイオード16の外形に一致させた勘合形状が、フォトダイオード16の光軸が軸Pと一致するようにして形成されている。そして、フォトダイオード16は、受光した信号光の光電変換回路(不図示)を搭載したフォトダイオード基板17に取り付けられており、フォトダイオード基板17は、複数の基板取付ねじ18によって固定シリンダ部2の底部に固定される。これにより、フォトダイオード16は光軸を軸Pに一致させて固定設置される。
【0024】
回転シリンダ部3の内部は空洞であり、レーザダイオード13とフォトダイオード16との間に、数100μm〜数mm程度の内径を有して内側の高反射率仕上げにした円筒形状であって円筒の中心軸と直交した端面A及びBを有する光導波管19を、この円筒の中心軸と軸Pとを一致させて設けている。
【0025】
そして、光導波管19の一方(端面A側)は、レーザダイオード13からの射出光に最適な光結合が得られるよう、すなわち端面Aに入射されるレーザダイオード13の射出光が光導波管19の外部に漏れないようにして固定される。これにより、レーザダイオード13と光導波管19との光結合は、経時的に発生する中空ベアリング4a及び4bの中心ずれ等の影響を受けずに安定して確保される。そして、光導波管19の他方(端面B側)は、回転シリンダ部3の固定部側の端面Dに露出させてフォトダイオード16の受光部分と非接触に固定されている。
【0026】
光導波管19の端面Bとフォトダイオード16の受光部分との間隔は、数mm以下であって物理的に接触しない程度になるように設定され、端面Bから射出される信号光はこの近距離の自由空間を介してフォトダイオード16に入射される。
【0027】
以上、上述したような構成を備えることによって、レーザダイオード13の光軸、光導波管19の円筒中心軸、及びフォトダイオード16の光軸は一致した位置に保持されるので、高効率かつ安定な受信が達成される。
【0028】
次に、光導波管19とレーザダイオード13とフォトダイオード16との組み合わせの具体例を示して、光データ伝送の効率及び中心ずれによる影響度の計算例を示す。図4は、光導波管19とレーザダイオード13とフォトダイオード16とを組み合わせた光信号伝達部12の断面図である。同図において、光導波管19は、内径1mm、内面反射率80%、端面A及びB間の寸法50mmのステンレス素材の円筒である。そして、レーザダイオード13は、直径10μm、広がり角30度(全光束の99%を含む全角度)のVCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:面発光型半導体レーザ)である。そして、フォトダイオード16は、光導波管19の内径より大きな面積を有する直径3mmのフォトダイオードである。
【0029】
なお、レーザダイオード13の発光点は、同図のごとく光導波管19の端面A側から1mmの位置にパッケージを介して固定され、フォトダイオード16の受光面は、光導波管19の端面B側から1mmの位置に配置されている。
【0030】
以上の構成における各部の光伝送効率について説明する。レーザダイオード13と光導波管19との伝送効率は、光導波管19の内径と光導波管19の端面Aにおけるレーザダイオード13の発光ビーム径で決まり、本構成例においては、光導波管19の内径1mmに対して光導波路の端面Aにおけるビーム直径を約0.686mmとすれば、100%の伝送効率が得られる。
【0031】
また、この場合、レーザダイオード13と光導波管19との中心ずれの許容値としては±0.15mmを有しており、この許容値においては、簡易な組立・固定によっても100%の伝送効率を確保できると共に、温度変化や経年変化に対しても100%の効率を維持することができる。
【0032】
一方、光導波管19の伝送効率は、光導波管19の内面反射率と端面A及びB間の寸法で決まる。ここで、図5に、光導波管19の端面A及びB間の寸法を50mmとした場合の内面反射率に対する伝送効率を示す。同図によれば、本構成例の内面反射率80%において、端面A及びBでの光量比で約17.8%の伝送効率を得ることができる。
【0033】
また図6に、光導波管19の内面反射率を80%とした場合の光導波管19の端面A及びB間の寸法に対する伝送効率を示す。同図には、光導波管19の伝送効率を実線の折れ線グラフで示すと共に、光導波管19を用いない従来の方式として、広がりのあるLED光を直接フォトダイオードに照射した場合の、送受光素子間距離における伝送効率を点線の折れ線グラフで示す。なお、従来方式におけるLEDの広がり角は、レーザダイオード13と同一の30度、フォトダイオードの直径も同一の3mmとした場合である。
【0034】
同図に示すように、従来方式によれば、伝送効率は距離の二乗で減衰するのに対し、本実施形態における光導波管19の内面反射を用いた方式では、大幅な伝送効率の改善が得られることがわかる。なお、本計算では、内面反射率を安価に得られる値として80%の場合を示したが、内面反射率を高くすることで更に感度の増加や距離の延長が可能である。感度の増加は、伝送速度の高速化や取り付け余裕度を向上することができ、そして距離の延長は、機器の構成や配置に余裕をもたせることができる。
【0035】
光導波管19とフォトダイオード16との伝送効率は、光導波管19の内径と光導波管19から射出される光の広がり角とフォトダイオード16の直径と位置とで決まり、本構成例においては、光導波管19の端面Bからフォトダイオード16に照射される射出光の直径が約1.536mmであり、フォトダイオード16の直径が3mmであることから、射出光の100%を受光することができる。
【0036】
また、その際の中心ずれの許容値としては±0.716mmを有しており、この許容値においては、簡易な組立・配置によっても100%の伝送効率を確保できると共に、温度変化や経年変化、更にはシリンダ回転に対しても損失なく光データ伝送を行うことができる。
【0037】
ところで、本構成例のように、受光素子として比較的面積の大きなフォトダイオードを用いると、フォトダイオードの逆バイアス動作により発生する接合容量が増加し、周波数帯域が狭くなるという問題が発生する。しかしながら、上述の例のように直径3mm程度であれば、光受信の高域カットオフ周波数Fc(受信レベルが半分になる周波数)として100MHz程度を得られるフォトダイオードがあり、そのようなフォトダイオードを用いることにより、伝送レートが数10Mbps程度であるHD圧縮映像信号を安定して光伝送することが可能である。
【0038】
<第2の実施形態>
図2は、本発明の第2の実施形態であるロータリジョイントの概略断面図である。同図に示すロータリジョイント21は、第1の実施形態におけるロータリジョイント1と同様の構成であるが、光信号伝達部22の部分、特に光導波管19を介して受光される受光部分の構成がロータリジョイント1と異なる。よって、本実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いてその説明を省略し、異なる部分のみ異なる符合を付してその機能等について説明する。
【0039】
図2のロータリジョイント21において、フォトダイオード26は、光導波管19の内径よりも大きな面積を有する受光素子である。そして、光導波管19の端面Bとフォトダイオード26との間に集光レンズ20を光軸を一致させると共に、光導波管19の端面Bから射出される光信号を集光レンズ20によってフォトダイオード26に集光させて受信させるように配置する。このように構成することにより、光導波管19とフォトダイオード26との光結合を低損失で光軸ずれの影響を受け難くすることができ、且つ第1の実施形態におけるロータリジョイント1と比較して更に広帯域の光データ伝送が可能となる。
【0040】
次に、光導波管19とレーザダイオード13とフォトダイオード26と集光レンズ20との組み合わせの具体例を示して、光データ伝送の効率及び中心ずれによる影響度の計算例を示す。図7は、光導波管19とレーザダイオード13とフォトダイオード26と集光レンズ20とを組み合わせた光信号伝達部22の断面図である。同図において、光導波管19は、内径1mm、内面反射率80%、端面A及びB間の寸法50mmのステンレス素材の円筒である。そして、レーザダイオード13は、直径10μm、広がり角30度(全光束の99%を含む全角度)、光出力0.5mWのVCSELである。そして、フォトダイオード26は、直径0.6mmのフォトダイオードである。そして、集光レンズ20は、直径1.8mm、厚さ0.9mmの凸レンズである。
【0041】
なお、レーザダイオード13の発光点は、同図のごとく光導波管19の端面A側から1mmの位置にパッケージを介して固定され、集光レンズ20は、光導波管19の端面B側から0.5mmの位置に配置され、そしてフォトダイオード26は集光レンズ20から0.9mmの位置に配置されている。
【0042】
以上の構成における各部の光伝送効率について説明する。なお、レーザダイオード13と光導波管19との伝送効率、及び光導波管19の伝送効率は第1の実施形態における説明と同一のためここでは省略する。光導波管19とフォトダイオード26との伝送効率は、光導波管19の内径と光導波管19から射出される光の広がり角と集光レンズ20の直径と曲率半径とフォトダイオード16の位置とで決まり、本構成例においては、光導波管19の端面Bからの射出光の71%を集光レンズ20で受光することができる。
【0043】
図8に、光導波管19の端面Bから集光レンズ20の入射面までの距離0.5mmを標準位置とし、集光レンズ20を中心ずれさせた場合(Y軸変位)と、集光レンズ20を射出光の光軸方向に変位させた場合(Z軸変位)との光伝送効率の変化をそれぞれ示す。同図によれば、Y軸変位においては、受光量の半値レベルで±0.4mmの余裕度を有し、またZ軸変位においては、受光量の半値レベルで±1mm以上の余裕度を有しているため、簡易な組立・配置や、温度変化、経年変化、更にはシリンダ回転に対しても低損失で光データ伝送を行うことができる。
【0044】
本実施の形態例のように、受光素子として光導波管19の内径よりも小さな面積のフォトダイオード26を用いると、フォトダイオードの逆バイアス動作により発生する接合容量を少なく抑えることができ広帯域受信が可能となる。本実施の形態例においては、光受信の高域カットオフ周波数Fcとして1GHz以上を確保できる。高精細映像SXGA(Super Extended Graphics Array)を例とすれば、一画面は1280×1024ピクセルで、フレームレートを60fpsとし、パラレル・シリアル処理によりシリアル信号に変換後8B−10B変換を行う場合、1280×1024×60×1.25=1.31584(Gbps)となる。同ビットレートを有するシリアルデータを伝送するために要する伝送系の高域カットオフ周波数はビットレートの約半分、すなわち約0.66GHzであり、1GHzより低い周波数であることから、ロータリジョイント21を用いることにより、60fpsのSXGAデータを非圧縮信号として光伝送することが可能である。
【0045】
なお、フォトダイオード26が、金属等のケースに覆われて信号光の入射面がガラス等の光透過性を有する部材で保護された構成を有する場合、この保護部材を集光レンズの形状に形成して、光導波管19の端面Bより射出される信号光をこの保護部材によってフォトダイオード16に集光させるようにしても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
<第3の実施形態>
前述した第1の各実施形態では、光信号伝達部12におけるレーザダイオード13とフォトダイオード16との間に配置される光伝送路の部材として、光導波管19を用いた例を説明したが、本実施形態では光導波管19を屈曲自在な光ファイバケーブルに置換えた場合の例について説明する。
【0047】
図9は、本発明の第3の実施形態であるロータリジョイントの概略断面図である。同図に示すロータリジョイント91は、第1の実施形態におけるロータリジョイント1と同様の構成であるが、光信号伝達部92の部分の構成がロータリジョイント1と異なる。よって、本実施形態の説明においては、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を用いてその説明を省略し、異なる部分のみ異なる符合を付してその機能等について説明する。
【0048】
図9のロータリジョイント92において、レーザダイオード13とフォトダイオード16との間には、数100μm〜数mmのコア径を有する屈曲自在な光ファイバ部材であってファイバの中心軸と直交した端面Aa及びBaを有する光ファイバケーブル19aを、レーザダイオード13の発光部分におけるファイバの中心軸と光軸とを一致させると共に、フォトダイオード16の受光部分におけるファイバの中心軸と光軸とを一致させて設けている。
【0049】
そして、光ファイバケーブル19aの一方(端面Aa側)は、レーザダイオード13からの射出光に最適な光結合が得られるよう、すなわち端面Aaに入射されるレーザダイオード13の射出光が光ファイバケーブル19aの外部に漏れないようにして固定されている。そして、光ファイバケーブル19aの他方(端面Ba側)は、回転シリンダ部3の固定部側の端部Dの外側に露出させてフォトダイオード16の受光部分と非接触に固定されている。
【0050】
光ファイバケーブル19aの端面Baとフォトダイオード16の受光部分との間隔は、物理的に接触しない程度になるように設定され、端面Baから射出される信号光はこの近距離の自由空間を介してフォトダイオード16に入射される。
【0051】
一般的なデータ通信用光ファイバケーブルにおいては、信号光をファイバ内部の複数の経路で通過させることにより生ずる遅延広がりによって伝送周波数帯域に制限が出ることを防止するため、数10μm〜数100μmのコア径が必要とされている。しかし、本実施形態においては、光ファイバケーブル19aの端面Aa及び端面Ba間の長さは数cm程度であるため、上記の遅延広がりは問題とならず例えば10Gbpsの高速光データ伝送であっても帯域制限による問題は発生しない。
【0052】
以上、詳述したように、本実施形態のロータリジョイント91においては、レーザダイオード13とフォトダイオード16との間の光伝送路として屈曲自在な光ファイバケーブル19aを用いるため、回転シリンダ部3の内部の軸P上に機構部品等を設けることを可能とする等の設計の自由度を向上することができる。また、光ファイバケーブル19aを用いた場合、光ファイバに取り込まれた送信光はファイバの内壁で反射を繰り返し反対側の端へ伝送されるが、光導波管19の場合の反射形態と異なり反射は全反射により行われるため、略100%の反射率を得ることができる。図5より、内面反射率100%では伝送効率は100%となることから、光導波管19では受信レベルに不足をきたす場合には光ファイバケーブル19aを用いることが有効である。
【0053】
なお、光ファイバケーブル19aを前述した第2の実施形態における光導波管19に置き換えて光信号伝達部を構成するようにしてもよい。
【0054】
また、第1〜第3の各実施の形態においては、回転シリンダ部3にレーザダイオード13を配置し、固定シリンダ部3にフォトダイオード16(集光レンズ20を含む場合あり。)を配置した例について示したが、これとは逆に回転シリンダ部3にフォトダイオード16(集光レンズ20を含む場合あり。)を配置し、固定シリンダ部3にレーザダイオード13を配置する構成とした場合でも、各実施の形態例と同様な効果を得ることができるのはもちろんである。
【0055】
さらにまた、第1〜第3の各実施形態において、回転シリンダ部3の固定部側の端面Dから露出している端面B及び端面Baの周囲であって固定シリンダ部2と回転シリンダ部3との間に、フェルト等の緩衝部材による防塵シールドを設けるようにしてもよい。この防塵シールドは、固定シリンダ部2の底面内壁E又は回転シリンダ部3の固定部側の端面Dのいずれかであって、軸Pの円周上に隙間なく固定される。このように固定された防塵シールドは、回転シリンダ部3の回転の際に、回転シリンダ部3の固定部側の端面D又は固定シリンダ部2の底面内壁Eのいずれかに対して摺動接触するため、端面B及びBaへの塵埃や潤滑油等の侵入を遮断して、更に長期的に安定した光伝送を確保することができる。
【0056】
またさらに、第1〜第3の各実施形態において、軸受としての中空ベアリング4bにオイルシールタイブを用いることにより、固定シリンダ部2、中空ベアリング4b、及び回転シリンダ部3で閉空間を形成して、この閉空間に光透過性を有する潤滑油を満たすようにしても良い。潤滑油を満たすことにより特に防塵効果を高めることができる。そして、潤滑油の効果によって端面B及びBaとフォトダイオード16の受光部分との間を更に近接させることが可能となる。さらに、上記閉空間において、端面B及びBaとフォトダイオード16の受光部分との間を、空気の屈折率よりも高屈折率の潤滑油で満たすようにすれば、信号光の結合効率を更に向上させることができる。よって、このような構成をとることにより、信号光の伝送ロスを更に抑えて信号品質を高く保つことができる。
【実施例】
【0057】
以上、説明した本発明の第1〜第2の各実施形態を監視カメラ装置に適用した実施例について説明する。図3は、前述したロータリジョイント1,21,又は91のいずれかを適用した監視カメラ装置の構成例である。なお、本実施例の説明においては、第1の実施形態のロータリジョイント1を適用した場合について説明し、第2及び第3の実施形態のロータリジョイント21及び91を適用した場合の実施例については、その実施内容が略同一であるためその説明を省略する。
【0058】
図3において、監視カメラ装置30は、天井に固定設置される固定部31に、可動部32がパン回転機構としてのロータリジョイント1を介して取り付けられた構造となっている。可動部32には、各ピクセルデータがR,G,B各8ビットのSXGA(1280×1024ピクセル)やQuad−VGA(1280×960ピクセル)であって、30fpsの映像データ(パラレル映像データ)を出力するカメラ301と、カメラ301から出力されるパラレル映像データをシリアルデータに変換したのち8B−10B変換してロータリジョイント1のレーザダイオード基板14に供給するパラレル・シリアル(P−S)変換部302と、カメラ301をチルト方向に回動させるためのチルト駆動部303とを備えている。
【0059】
固定部31は、監視カメラ装置30全体に駆動電圧を供給するための電源部304と、監視カメラ装置30全体を制御するための制御部305と、可動部32のパン回転機構であるロータリジョイント1を駆動して可動部32をパン方向に回動させるためのパン駆動部306と、可動部32からロータリジョイント1を介して供給される8B−10B変換されたシリアルデータを10B−8B変換したのち、シリアル・パラレル(S−P)変換してR,G,B各8ビットのパラレル映像データを出力するためのS−P変換部307と、S−P変換部307から得られるパラレル映像データを外部に出力するための映像出力コネクタ308とを備えている。
【0060】
電源部304から可動部32へ供給される電源と、制御部305から可動部32へ供給される制御信号とは、ロータリジョイント1のスリップリング伝達部5を介して伝達される。そして、可動部32のP−S変換部302からロータリジョイント1を通して固定部31のS−P変換部307へ供給される8B−10B変換後のシリアルデータはロータリジョイント1の光信号伝達部12を通して伝送される。
【0061】
監視カメラ装置30の外部に設けた制御装置33は、監視カメラ装置30に対してカメラ301のチルト動作と可動部32のパン動作とをそれぞれ制御する。すなわち、制御装置33は、チルト角度情報及びチルト駆動開始要求情報を固定部31の制御部305に送信し、制御部305はこれらの情報をロータリジョイント1のスリップリング伝達部5を通してチルト駆動部303に供給する。これによって、チルト駆動部303は、供給されたチルト角度情報及びチルト駆動開始要求情報に応じてカメラ301をチルト方向に回動させる。
【0062】
また、このチルト制御と同時に又は別時刻に、制御装置33は、パン角度情報及びパン駆動開始要求情報を制御部305に送信し、これらの情報を受信した制御部305はパン駆動部306を制御する。これによって、パン駆動部306は、パン角度情報及びパン駆動開始要求情報に応じて可動部32をパン方向に回動させる。
【0063】
次に、カメラ301から出力されるパラレル映像データの固定部31へのデータ伝送について更に詳細に説明する。カメラ301からは、R,G,Bそれぞれ8ビットのパラレル映像データが出力されてP−S変換部302に供給される。P−S変換部302は、入来したパラレル映像データを1つのシリアルデータに変換し、そしてこのシリアルデータを8B−10B変換してロータリジョイント1のレーザダイオード基板14に供給する。
【0064】
ここで、P−S変換部302で8B−10B変換されたシリアルデータの伝送レートは、SXGA(1280×1024ピクセル)の映像の場合は1280×1024×30×8×3×10/8=1.18Gbpsであり、Quad−VGA(1280×960ピクセル)の映像の場合は1280×960×30×8×3×10/8=1.106Gbpsである。レーザダイオード基板14に搭載されたレーザダイオード13は、P−S変換部302から供給される8B−10B変換後のシリアルデータによって強度変調された信号光を射出するが、レーザダイオード13の周波数応答は数GHz程度の性能が一般的であるため、伝送レートが1.106Gbps〜1.18Gbpsの光データ伝送は余裕をもって行うことができる。
【0065】
レーザダイオード13から射出された伝送レートが1.106Gbps〜1.18Gbpsの信号光は光導波管19の端面Aに入射され、光導波管19内を伝達した信号光は端面Bから固定シリンダ部2の底部に取り付けられているフォトダイオード基板17のフォトダイオード16に入射される。フォトダイオード17で受光された信号光は、光電変換処理されたのち8B−10B変換された状態のシリアルデータがS−P変換部307に供給される。
【0066】
S−P変換部307では、供給されたシリアルデータを10B−8B変換したのち、R,G,B各8ビットのパラレル映像データにS−P変換して映像出力コネクタ308から出力する。そして、不図示ではあるが、出力されたパラレル映像データは、映像表示モニタに供給されてカメラ301の撮像映像を表示したり、映像データ記録装置に供給されて記録部に記録したりする。
【0067】
以上、詳述したように、ロータリジョイント1を適用した監視カメラ装置によれば、カメラ301で撮像された映像データの可動部32から固定部31への伝送は、ロータリジョイント1の光信号伝達手段12を介して行われるため、従来のスリップリングとブラシとの摺動接点方式によって発生していたノイズの影響を受けることなく高品質な大容量データ伝送を行うことができる。
【0068】
また、大容量シリアルデータのデータ伝送経路として、ロータリジョイント1の光信号伝達部12における光導波管19を介してフォトダイオード16に誘導するため、可動部32の長期的な回転動作によって生ずる偏心に伴った光軸のずれによる信号光の品質劣化を防ぐことができ、監視カメラ装置30全体としての製品寿命を長く保つことができる。
【0069】
特に、1280×1024ピクセルの画像サイズであって、各ピクセルがR,G,B各8ビットのデータからなり、この画像データを30fpsでカメラ301から出力させる場合であっても、本実施例の監視カメラ装置30は、ロータリジョイント1を介したデータ伝送を十分な信号品質を確保して行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、長期にわたる連続的な旋回動作が必要な電動雲台に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態としてのロータリジョイントの概略断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態としてのロータリジョイントの概略断面図である。
【図3】本発明の第1〜第3の各実施形態としてのロータリジョイントのいずれかを適用した監視カメラ装置の構成を示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における、光導波管とレーザダイオードとフォトダイオードとを組み合わせた光信号伝達部の断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における、光導波管の両端面間の寸法を50mmとした場合の内面反射率に対する伝送効率を示したグラフ図である。
【図6】本発明の第1の実施形態における、光導波管の内面反射率を80%とした場合の光導波管の両端面間の寸法に対する伝送効率を示したグラフ図である。
【図7】本発明の第2の実施形態における、光導波管とレーザダイオードとフォトダイオードと集光レンズとを組み合わせた光信号伝達部の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態における、光導波管19の一方の端面から集光レンズの入射面までの距離0.5mmを標準位置とし、集光レンズを中心ずれさせた場合と、集光レンズを射出光の光軸方向に変位させた場合との光伝送効率の変化をそれぞれ示したグラフ図である。
【図9】本発明の第3の実施形態としてのロータリジョイントの概略断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1,21,91 ロータリジョイント
2 固定シリンダ部
3 回転シリンダ部
4a,4b 中空ベアリング
5 スリップリング伝達部
6 導電リング
7 絶縁リング
8 ブラシ
9 絶縁台
10 回転部側リード線
11 固定部側リード線
12,22,92 光信号伝達部
13 レーザダイオード
14 レーザダイオード基板
15,18 基板取付ねじ
16 フォトダイオード
17 フォトダイオード基板
19 光導波管
19a 光ファイバケーブル
A,B 光導波管の端面
Aa,Ba 光ファイバケーブルの端面
C 回転シリンダ部の回転部側の端面
D 回転シリンダ部の固定部側の端面
E 固定シリンダ部の底面内壁
P 軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒形の回転部の一方側の端面が所定の間隔を有して固定部に軸受を介して回転自在に保持されると共に、前記回転部側から前記固定部側に光伝送を行うロータリジョイントであって、
前記回転部は、
円筒形の光導波管を、この管を貫く中心軸と当該回転部の回転軸とを一致させて前記一方側から当該回転部の他方側の端面を貫いて設けると共に、
発光素子を、前記他方側の端面であって該発光素子の光軸と前記回転軸とを一致させる位置に前記一方側の端面と対向させて配置し、
前記固定部は、
前記光導波管の端面の面積よりも大きな面積の受光面を有する受光素子を、該受光素子の光軸と前記回転軸とを一致させて、且つ前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面に対向させて配置した構成のロータリジョイント。
【請求項2】
前記固定部は、
前記回転部の前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面から射出される光束を、集光レンズを通して前記光導波管の端面の面積よりも小さな面積の受光面を有する受光素子における該受光面に集光させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のロータリジョイント。
【請求項3】
円筒形の回転部の一方側の端面が所定の間隔を有して固定部に軸受を介して回転自在に保持されると共に、前記固定部側から前記回転部側に光伝送を行うロータリジョイントであって、
前記回転部は、
円筒形の光導波管を、この管を貫く中心軸と当該回転部の回転軸とを一致させて前記一方側から当該回転部の他方側の端面を貫いて設けると共に、
前記光導波管の端面の面積よりも大きな面積の受光面を有する受光素子を、前記他方側の端面であって該受光素子の光軸と前記回転軸とを一致させる位置に前記一方側の端面と対向させて配置し、
前記固定部は、
発光素子を、該発光素子の光軸と前記回転軸とを一致させて、且つ前記一方側に貫かれた前記光導波管の端面に対向させて配置した構成のロータリジョイント。
【請求項4】
前記回転部は、
当該回転部の前記他方側に貫かれた前記光導波管の端面から射出される光束を、集光レンズを通して前記光導波管の端面の面積よりも小さな面積の受光面を有する受光素子における該受光面に集光させるように構成したことを特徴とする請求項3に記載のロータリジョイント。
【請求項5】
前記円筒形の光導波管を屈曲自在な光ファイバケーブルとして構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロータリジョイント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−120742(P2007−120742A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−49992(P2006−49992)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】