説明

ロードボード及びその製造方法

【課題】ロードボード及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の表面、第2の表面、及び第1の表面と第2の表面とを連通する少なくとも1つの貫通孔を有する半導体基板を用意する工程と、第1の表面、第2の表面及び貫通孔の内壁に電気めっき高分子層を電気めっきする工程と、電気めっき高分子層に、第1の表面から貫通孔の内壁を経由して第2の表面まで延在した回路層を形成する工程とを備える。さらに、ロードボードの絶縁層、即ち電気めっき高分子層を電気めっきにより形成するため、製造コストを効果的に低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板に関し、特にロードボード及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロードボードは、その反対側の表面上に電子部材、例えば印刷回路基板、チップ等の電子部材を設けることができる。また、ロードボードは、電子部材間の信号伝送の導電通路として利用可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、ロードボードプロセスとしては、ロードボードの基材に対して熱酸化プロセスを行うことにより絶縁層(二酸化シリコン)を形成することが一般的であるが、熱酸化法の製造コストが高いため、ロードボードの製造コストが高くなることがあった。また、従来、ロードボードの基材表面は、材料表面の材質が原因で(二酸化シリコンは無電解めっきが容易ではない)、スパッタリングでしかシード層を形成することができなかったが、スパッタリングプロセスにも製造コストが高いことがあった。
【0004】
そこで、以上のとおりの事情に鑑み、本発明は、低製造コストのロードボードプロセスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、第1の表面、第2の表面、及び第1の表面と第2の表面とを連通する少なくとも1つの貫通孔を有する半導体基板を用意する工程と、第1の表面、第2の表面及び貫通孔の内壁に電気めっき高分子層を電気めっきする工程と、電気めっき高分子層に、第1の表面から貫通孔の内壁を経由して第2の表面まで延在した回路層を形成する工程と、を備えることを特徴とするロードボードの製造方法を提供する。
【0006】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記回路層を形成する工程は、前記電気めっき高分子層から前記第1の表面の一部及び前記第2の表面の一部が露出されるように前記電気めっき高分子層をパターニングする工程と、前記電気めっき高分子層に無電解めっき金属シード層が形成されるように無電解めっきプロセスを行う工程と、前記無電解めっき金属シード層に少なくとも1つの導電層を電気めっきする工程と、を備えるようにしてもよい。
【0007】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記無電解めっきプロセスを行ってから前記導電層を電気めっきするまでの間には、前記無電解めっき金属シード層から前記電気めっき高分子層の一部が露出されるように前記無電解めっき金属シード層をパターニングする工程をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記電気めっき高分子層の材質は、感光高分子材料であり、前記電気めっき高分子層をパターニングする方法は、露光現像を含むようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記回路層を形成する前に、前記電気めっき高分子層に対して表面粗化処理を行う工程をさらに備えるようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記回路層を形成した後、前記半導体基板に対して切断プロセスを行う工程をさらに備えるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明に係るロードボードの製造方法において、前記半導体基板を用意する工程は、上面及び底面を有する基材を用意する工程と、前記上面に少なくとも1つの凹溝を形成する工程と、前記底面を研磨し、前記凹溝の底部を除去することにより貫通孔を形成する工程と、を備えるようにしてもよい。
【0012】
また、本発明は、第1の表面、第2の表面、及び第1の表面と第2の表面とを連通する少なくとも1つの貫通孔を有する半導体基板と、第1の表面、第2の表面及び貫通孔の内壁に配置された電気めっき高分子層と、電気めっき高分子層に配置され、第1の表面から貫通孔の内壁を経由して第2の表面まで延在した回路層と、を備えることを特徴とするロードボードをさらに提供する。
【0013】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記電気めっき高分子層からは、前記第1の表面の一部及び前記第2の表面の一部が露出されるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記回路層は、前記電気めっき高分子層に配置された無電解めっき金属シード層と、前記無電解めっき金属シード層に配置された少なくとも1つの導電層と、を備えるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記無電解めっき金属シード層からは、前記電気めっき高分子層の一部が露出されるようにしてもよい。
【0016】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記無電解めっき金属シード層の材質は、純銅であるようにしてもよい。
【0017】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記導電層は、前記無電解めっき金属シード層の側壁を被覆するとともに前記電気めっき高分子層に接触するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記電気めっき高分子層の材質は、感光高分子材料であるようにしてもよい。
【0019】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記ロードボードには前記回路層に電気的に接続されたチップが搭載されるようにしてもよい。
【0020】
また、本発明に係るロードボードにおいて、前記チップは、発光ダイオードチップであるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るロードボードの製造方法によれば、ロードボードの絶縁層、即ち電気めっき高分子層が、電気めっきにより形成されるため、製造コストを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1B】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1C】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1D】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1E】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1F】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1G】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1H】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1I】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図1J】本発明の一実施例に係るロードボードの製造工程断面図を示す。
【図2】本発明の一実施例に係るチップパッケージの製造工程の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例に係る製造及び使用方法を詳細に説明する。ただし、本発明が提供する応用可能な発明概念は、複数の特定の態様により実施されることが可能である。以下に示す特定の実施例は、本発明を製造又は使用するための特定の態様であり、本発明を限定するものではない。また、異なる実施例において、重複した符号又は標示を使用することがある。これらの重複は、本発明を簡単明瞭に説明するためのものであり、異なる実施例及び/又は構造の間に何らかの関連性があることを示すものではない。さらに、下記の内容において、第1の材料層が第2の材料層に位置するとは、第1の材料層が第2の材料層に対して、直接接触して配置されるか、或いは、その他の材料層を間に介して配置されることを指す。
【0024】
本発明の一実施例に係るロードボードは、例えば、電子チップが搭載されるものであり、例えば、能動素子又は受動素子(active or passive elements)、デジタル回路又はアナログ回路(digital or analog circuits)等の集積回路の電子部品(electronic components)、例えば光電デバイス(opto electronic devices)、微小電気機械システム(Micro Electro Mechanical System、MEMS)、マイクロ流体システム(micro fluidic systems)、又は熱、光線や圧力といった物理量の変化をもとに測定を行う物理センサ(Physical Sensor)に適用することが可能である。特に、ウェハスケールパッケージ(wafer scale package、WSP)製造工程を選択的に使用することにより、画像感知素子、発光ダイオード(light-emitting diodes、LEDs)、ソーラーセル(solar cells)、RF回路素子(RF circuits)、加速器(accelerators)、ジャイロスコープ(gyroscopes)、マイクロアクチュエータ(micro actuators)、弾性表面波デバイス(surface acoustic wave devices)、圧力センサ(process sensors)、インクプリントヘッド(ink printer heads)及び/又はパワーモジュール(power modules)等の半導体チップに対してパッケージングを行うことが可能である。
【0025】
上記ウェハスケールパッケージ製造工程とは、主に、ウェハ段階においてパッケージ工程が完了した後、独立したパッケージに切断することを指すが、特定の実施例において、例えば、分離された半導体チップを改めて搭載ウェハに分布させてパッケージ製造工程を行うことを指すこともある。また、上記ウェハスケールパッケージ製造工程は、集積回路を有する複数のウェハを積層(stack)することにより多層集積回路(multi-layer integrated circuit devices)のチップパッケージを形成することに適用することも可能である。上記搭載ウェハは、例えば本発明の実施例に係るロードボードであってもよい。
【0026】
図1Aないし図1Jは、本発明の実施例に係るロードボードの製造工程の断面図を示す。
【0027】
まず、図1Aを参照して、半導体基板110は、その材質が例えばシリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム又はその等価物である。半導体基板110は、対向する表面112及び表面114を有する。次に、表面112には、その一部が露出されるように、複数の開口122を有するパターニングマスク層120(例えばレジスト層)を形成する。
【0028】
図1Bを参照して、パターニングマスク層120をマスクとして半導体基板110をエッチングすることにより、半導体基板110に、開口122の下方に位置するとともに底部116aを有する複数の凹溝116を形成する。半導体基板110のエッチング方法は、例えば乾式エッチング又は湿式エッチングである。
【0029】
図1Cを参照して、パターニングマスク層120を除去し、表面114から半導体基板110を研磨し、凹溝116の底部116aを除去することにより、表面112、114を連通する貫通孔Tを形成する。この実施例においては、まず凹溝116を形成して次いで凹溝116の底部116aを除去することにより貫通孔Tを形成するが、貫通孔Tの形成方法はこれに限定されず、その他の実施例において、底部までエッチングすることにより貫通孔を形成してもよい。この後、必要に応じて、例えば湿式エッチングにより表面114に対して平坦化工程を行ってもよい。
【0030】
一実施例において、半導体基板110を薄くすることにより凹溝116の底部116aを除去する方法は、エッチング又はミリング(milling)であってもよい。一実施例において、貫通孔Tの形成方法は、機械又はレーザドリル、超音波ミリング、サンドブラスト、ウォータジェット又はその他の機械/レーザドリル装置若しくはそれらの組み合わせであってもよい。
【0031】
次いで、図1Dを参照して、表面112、表面114及び貫通孔Tの内壁Sに電気めっき高分子層(E-coat polymer layer)130を電気めっきするために、電気めっき製造工程を行う。一実施例において、電気めっき高分子層130は、表面112、表面114及び貫通孔Tの内壁Sを全面的に被覆する。
【0032】
より詳しくは、この実施例において、上記電気めっき高分子層130の製造方法は、高分子材料(図示せず)を電解液に溶解し、半導体基板110を電解液における2つの電極の何れか1つに設け、2つの電極に対して電圧を印加することにより、2つの電極の間に電圧差を生成させる。この場合、高分子材料は、半導体基板110に沈積し、電気めっき高分子層130が形成される。電気めっき高分子層130の形成の詳細については、アメリカ特許第4487674号、第4943447号、第7479246号、台湾特許第524812号を参照することができる。電気めっき高分子層130の材質は、エポキシ樹脂(epoxy resin)、ポリエステル(polyesters)、アクリル(acrylics)、ビニルポリマー(vinyl polymers)、ポリアミド(polyamides)、ポリウレタン(polyurethanes)、アルキド樹脂(alkyds)、ポリカルボン酸(polycarboxylics)又はそれらの組み合わせ、若しくは電気めっき沈積に適用されるその他の樹脂であってもよい。
【0033】
ここで注意すべき点は、従来は、ロードボードの絶縁層を熱酸化プロセスにより形成していたが、この実施例においては、電気めっき高分子層130を電気めっきにより形成する点である。従って、この実施例においては、製造コストが効果的に削減される。
【0034】
図1Eを参照して、電気めっき高分子層130に、表面112の一部及び表面114の一部が露出される複数の開口132、134を形成するために電気めっき高分子層130をパターニングする。パターニングされた電気めっき高分子層130のパターンは、この後に形成しようとする回路層にほぼ対応する。この実施例において、電気めっき高分子層130の材質は、感光高分子材料であり、電気めっき高分子層130のパターニング方法は、露光現像であってもよい。
【0035】
また、一実施例において、後工程において回路層が電気めっき高分子層130に速く形成されるように、電気めっき高分子層130に対して表面粗化(roughening)処理を行うことができる。表面粗化処理は、酸性エッチング液又はアルカリ性エッチング液を使用してもよい。酸性エッチング液は、例えば塩酸溶液、硝酸溶液、硫酸溶液又は硫酸とクロム酸との混合液であってもよく、アルカリ性エッチング液は、例えば水酸化カリウム溶液又は水酸化ナトリウム溶液であってもよい。
【0036】
図1Fを参照して、電気めっき高分子層130に無電解めっき金属シード層140を形成するために無電解めっきプロセスを行う。一実施例において、無電解めっき金属シード層140の材質は、例えば純銅又はその他の好ましいシード材料であってもよい。
【0037】
ここで注意すべき点は、電気めっき高分子層130の表面性質は、無電解めっき金属シード層140の形成に適するが、半導体基板110の表面性質は、無電解めっき金属シード層140の形成に適しないため、無電解めっき金属シード層140を電気めっき高分子層130に選択的に形成する点である。一実施例において、無電解めっき金属シード層140の膜層パターンは、電気めっき高分子層130の膜層パターンとほぼ同一であるため、無電解めっき金属シード層140からも表面112の一部及び表面114の一部が露出される。
【0038】
ここで注意すべき点は、従来のロードボードではスパッタリングでしか絶縁層(二酸化シリコン層)にシード層を形成することができなかったのに対し、この実施例に係る電気めっき高分子層130の表面性質は、無電解めっきプロセスに適するため、製造工程の費用が低い無電解めっきプロセスによりシード層を形成することができ、製造コストを効果的に低減することができる点である。
【0039】
図1Gを参照して、無電解めっき金属シード層140をパターニングして、そのパターンを開口132、134から離れる方向へ退避させることにより、この後の工程において開口132、134における電子素子と無電解めっき金属シード層140とのショートを回避することができる。この場合、無電解めっき金属シード層140からは、電気めっき高分子層130の一部が露出される。一実施例において、無電解めっき金属シード層140のパターニング方法は、無電解めっき金属シード層140にパターニングマスク層(図示せず)を形成し、パターニングマスク層からは、表面112、114にある無電解めっき金属シード層140の一部が露出される。この後、パターニングマスク層をマスクとして露出された無電解めっき金属シード層140を除去して、次いでパターニングマスク層を除去する。一実施例において、パターニングマスク層から露出された無電解めっき金属シード層140は、電気めっき高分子層130の開口132、134に隣接する。
【0040】
図1Hを参照して、無電解めっき金属シード層140に導電層150を電気めっきするとともに導電層150により貫通孔Tを充填する。導電層150の材質は、例えば銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル又はそれらの合金であってもよい。一実施例において、導電層150の材質は、無電解めっき金属シード層140の材質と同一であってもよい。他の実施例において、導電層150の材質は、無電解めっき金属シード層140の材質と異なってもよい。
【0041】
図1Iを参照して、導電層150に導電層160をさらに電気めっきしてもよい。導電層160の材質は、例えばニッケル/金、又はニッケル/銀であってもよい。一実施例において、無電解めっき金属シード層140、導電層150、160は、表面112から貫通孔Tの内壁Sを経由して表面114まで延在した回路層Lとして構成されてもよい。他の実施例において、無電解めっき金属シード層140及び導電層150だけで回路層として構成可能である。
【0042】
図1I及び図1Jを参照して、この実施例において、少なくとも1つのロードボード100を製造するために、半導体基板110に対して切断プロセスを選択的に行うことができる。詳しくは、切断プロセスは、例えば切断線Aに沿って半導体基板110を切断する。図1Jは、1つのロードボード100のみを示すが、ロードボード100の数量はこれによって限定されるものではなく、切断プロセスの後に複数のロードボード100を形成してもよい。
【0043】
図2は、本発明の一実施例に係るチップパッケージの製造工程断面図を示す。図2を参照して、上記半導体基板110の切断プロセスの前に、少なくとも1つのチップ210を用意し、チップ接合(die bond)プロセスを行うことにより、チップ210を図1Iの半導体基板110に接合させる。ここで、チップ210は、例えば発光ダイオードチップ又はその他の好ましいチップであってもよい。
【0044】
詳しくは、チップ210を電気めっき高分子層130の開口132に露出された表面112に配置するとともに、電気めっき高分子層130と互いに分離するように形成してもよい。一実施例において、チップ210は、接着層(図示せず)を介して半導体基板110に接着されてもよい。
【0045】
この後、ボンディングワイヤプロセスを行うことにより、チップ210と回路層Lとの間に接続される複数のリード線220を形成してもよい。リード線220の材質は、金又は導電性のよいその他の材質であってもよい。
【0046】
次いで、半導体基板110に封止樹脂230を形成し、封止樹脂230によりチップ210及びリード線220を被覆することで、外部環境における湿気や汚染物を遮断し、それらがチップ210及びリード線220の電気的品質に影響を及ぼすことを回避することができる。
【0047】
さらに、切断線A1に沿って半導体基板110を切断し、少なくとも1つのチップパッケージ200を形成してもよい。図2は、1つのチップパッケージ200のみを示すが、チップパッケージ200の数量はこれによって限定されるものではなく、切断プロセスの後に複数のチップパッケージ200を形成してもよい。一実施例において、チップパッケージ200は、発光ダイオードパッケージ構造であってもよい。
【0048】
上記実施例では、切断プロセスの前にチップ接合等の製造工程を行うが、その他の実施例においては、切断プロセスの後にチップ接合等の製造工程を行ってもよい。
【0049】
再び図1Jを参照して、この実施例のロードボード100は、対向する表面112、114及び表面112、114を連通する貫通孔Tを有する半導体基板110aと、電気めっき高分子層130aと、回路層L1とを備える。
【0050】
電気めっき高分子層130aは、表面112、114及び貫通孔Tの内壁Sに配置される。この実施例において、電気めっき高分子層130aは、表面112の一部及び表面114の一部を露出する複数の開口132、134を有する。
【0051】
回路層L1は、電気めっき高分子層130aに配置されるとともに、表面112から貫通孔Tの内壁Sを経由して表面114まで延在する。一実施例において、回路層L1は、電気めっき高分子層130aに配置された無電解めっき金属シード層140aと、無電解めっき金属シード層140aに順次に配置された導電層150a、160aとを備える。
【0052】
一実施例において、この後の工程において開口132に配置される電子素子(例えばチップ)と回路層L1とのピッチ(例えば図2に示すチップ210と回路層LとのピッチD)を増加させることで両者の間の電気的ショートを回避するために、回路層L1からは開口132に隣接した電気めっき高分子層130aが露出されるようにする。一実施例において、導電層150a、160aは、無電解めっき金属シード層140aの側壁142を被覆するとともに電気めっき高分子層130aに接触する。
【0053】
図2を参照して、一実施例において、ロードボード100には、回路層Lに電気的に接続されるチップ210(例えば発光ダイオードチップ)を搭載することができる。
【0054】
上述のように、本発明は、ロードボードの絶縁層(電気めっき高分子層)を電気めっきにより形成することにより、製造コストを効果的に低減することができる。また、本発明に係る電気めっき高分子層の表面性質は、無電解めっきプロセスに適しているため、製造工程の費用が低い無電解めっきプロセスによりシード層を形成することができ、製造コストを効果的に低減することができる。
【0055】
以上本発明の好ましい実施形態を説明したが、上記実施形態は本発明を限定するものではなく、本発明の技術に精通した者は、本発明の精神を逸脱しない範囲内で種々の修正や変更を行うことが可能であり、そうした修正や変更は、本発明の特許請求の範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0056】
100 ロードボード、 110、110a 半導体基板、 112、114 表面、 116 凹溝、 116a 底部、 120 パターニングマスク層、 122、132、134 開口、 130、130a 電気めっき高分子層、 140、140a 無電解めっき金属シード層、 142 側壁、 150、150a、160、160a 導電層、 200 チップパッケージ、 210 チップ、 220 リード線、 230 封止樹脂、 A、A1 切断線、 D ピッチ、 L、L1 回路層、 S 内壁、 T 貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面、第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面とを連通する少なくとも1つの貫通孔を有する半導体基板を用意する工程と、
前記第1の表面、前記第2の表面及び前記貫通孔の内壁に電気めっき高分子層を電気めっきする工程と、
前記電気めっき高分子層に、前記第1の表面から前記貫通孔の内壁を経由して前記第2の表面まで延在した回路層を形成する工程と、
を備えることを特徴とするロードボードの製造方法。
【請求項2】
前記回路層を形成する工程は、
前記電気めっき高分子層から前記第1の表面の一部及び前記第2の表面の一部が露出されるように前記電気めっき高分子層をパターニングする工程と、
前記電気めっき高分子層に無電解めっき金属シード層が形成されるように無電解めっきプロセスを行う工程と、
前記無電解めっき金属シード層に少なくとも1つの導電層を電気めっきする工程と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のロードボードの製造方法。
【請求項3】
前記無電解めっきプロセスを行ってから前記導電層を電気めっきするまでの間には、前記無電解めっき金属シード層から前記電気めっき高分子層の一部が露出されるように前記無電解めっき金属シード層をパターニングする工程をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のロードボードの製造方法。
【請求項4】
前記電気めっき高分子層の材質は、感光高分子材料であり、前記電気めっき高分子層をパターニングする方法は、露光現像を含むことを特徴とする請求項2に記載のロードボードの製造方法。
【請求項5】
前記回路層を形成する前に、前記電気めっき高分子層に対して表面粗化処理を行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のロードボードの製造方法。
【請求項6】
前記回路層を形成した後、前記半導体基板に対して切断プロセスを行う工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のロードボードの製造方法。
【請求項7】
前記半導体基板を用意する工程は、
上面及び底面を有する基材を用意する工程と、
前記上面に少なくとも1つの凹溝を形成する工程と、
前記底面を研磨し、前記凹溝の底部を除去することにより貫通孔を形成する工程と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のロードボードの製造方法。
【請求項8】
第1の表面、第2の表面、及び前記第1の表面と前記第2の表面とを連通する少なくとも1つの貫通孔を有する半導体基板と、
前記第1の表面、前記第2の表面及び前記貫通孔の内壁に配置された電気めっき高分子層と、
前記電気めっき高分子層に配置され、前記第1の表面から前記貫通孔の内壁を経由して前記第2の表面まで延在した回路層と、
を備えることを特徴とするロードボード。
【請求項9】
前記電気めっき高分子層からは、前記第1の表面の一部及び前記第2の表面の一部が露出されることを特徴とする請求項8に記載のロードボード。
【請求項10】
前記回路層は、
前記電気めっき高分子層に配置された無電解めっき金属シード層と、
前記無電解めっき金属シード層に配置された少なくとも1つの導電層と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載のロードボード。
【請求項11】
前記無電解めっき金属シード層からは、前記電気めっき高分子層の一部が露出されることを特徴とする請求項10に記載のロードボード。
【請求項12】
前記無電解めっき金属シード層の材質は、純銅であることを特徴とする請求項10に記載のロードボード。
【請求項13】
前記導電層は、前記無電解めっき金属シード層の側壁を被覆するとともに前記電気めっき高分子層に接触することを特徴とする請求項10に記載のロードボード。
【請求項14】
前記電気めっき高分子層の材質は、感光高分子材料であることを特徴とする請求項8に記載のロードボード。
【請求項15】
前記ロードボードには前記回路層に電気的に接続されたチップが搭載されることを特徴とする請求項8に記載のロードボード。
【請求項16】
前記チップは、発光ダイオードチップであることを特徴とする請求項15に記載のロードボード。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【図1I】
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【図1J】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−253328(P2012−253328A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−105093(P2012−105093)
【出願日】平成24年5月2日(2012.5.2)
【出願人】(509144683)精材科技股▲ふん▼有限公司 (7)
【Fターム(参考)】