ローラ芯金及びその製造方法、定着ローラ、定着装置、及び、それを有する画像形成装置
【課題】高画質化と定着性の安定化とのために望まれている高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラ、かかる定着ローラを可能とするローラ芯金を提供する。
【解決手段】中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されているローラ芯金。
【解決手段】中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されているローラ芯金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリなどで使用される定着装置(加熱定着装置)で用いられる定着ローラ等に好適に用いることができるローラ芯金とその製造方法、定着ローラ、定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置を用いて印刷又は複写をする場合には、その最終段階において、転写材(記録紙)上の可視像(トナー像)を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させている。例えば、電子写真複写機では、像担持体上に像露光を行って静電潜像を形成する工程、像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて可視像とする工程、像担持体上のトナー像を記録紙上に転写して像担持体から記録紙を分離する工程、及び、記録紙上に転写された未定着のトナー像を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させる工程を順次経て複写が行われている。
【0003】
従来、記録紙上に転写された未定着のトナー像は、一般的には、熱定着方式により定着されている。この熱定着方式によれば、円筒状芯金の中空部に回転軸に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置してその輻射熱によって円筒形芯金の内部から加熱するようにした定着ローラが用いられている。
【0004】
図13は、従来の定着装置210の説明図である。図13に示されているように、定着ローラ201は、バネ203の押圧作用を受けた加圧ローラ202に接している。トナー206で形成されたトナー像を感光体から転写させた記録紙205は、トナー像が定着ローラ201に当接するように、定着ローラ201と加圧ローラ202との間に挿入される。記録紙205が定着ローラ201と加圧ローラ202の間を通過する間に、トナー像を形成するトナー206が、加熱溶融され、そして、記録紙205に圧着され、その結果、トナー像が記録紙205に定着される。
【0005】
ここで、画像定着を速めるため、定着ローラをあらかじめ予熱しておいたり、加熱源であるハロゲンヒータ等の能力を高めるなどの手段でウォームアップ時間短縮を図ることができたが、現在では予熱による電力消費0をめざしつつ、待ち時間のない画像定着が望まれている。
【0006】
このような要求への対策の一つとして、定着ローラの肉厚を薄くして、ローラ内部の熱源からの表層への熱伝達を早めることが考えられる。
【0007】
しかし、肉厚を薄くすると、以下のような不具合が生じてくる。すなわち、定着ローラ201と加圧ローラ201とは、共に両端で保持され、ばね等によって互いに密着するように付勢されている。このとき、定着ローラの肉厚が薄くなることで、定着ローラに、図14(a)(定着ローラ201の軸に垂直な平面での断面図)及び図14(b)(定着ローラ201の軸及び加圧ローラ202の軸を含む平面での断面図)に示したように変形が生じる。主な変形が、曲げ力による撓みと、薄肉であることによるつぶれである。この変形が合成され下面変位となり、定着ローラと加圧ローラ間の接触部(ニップ部)に軸方向のムラが生じ、定着不良が起こる要因となる。
【0008】
ここで、つぶれとは、ローラの軸に垂直な断面における変形を表わし、例えば、真円の断面を持つパイプがつぶれて、楕円になったような状態を指す(図14(a)参照)。これに対し、撓みは、ローラの曲がりのことであり、まっすぐのパイプが曲がったときの状態を指す(図14(b)参照)。
【0009】
このような撓みやつぶれを抑えるため、定着ローラの内周面に、凸部(リブ)を円周状に設ける(図15にこのような定着ローラ用のローラ芯金の回転軸を含む断面におけるモデル断面図を示した)ことにより軸方向の変形(撓み)に関しては効果が小さいが、つぶれの低減効果が大きいことが検証され、実用化されている。
【0010】
しかし、芯金と一体のリブでは製造方法の制約から、リブの高さを高くすることが困難で、上記つぶれや撓みをより完全に防止するためには、リブの幅を広くしたり本数を増やすなどの対策をとるが、この方法では芯金の熱容量も増加し、薄肉化したメリットが少なくなってしまうと云う問題がある。
【0011】
また、特開2002−196605公報(特許文献1)に開示された方法では、定着ローラの内部に円筒状リングを固定する技術が提案されているが、この技術では円筒状リングがセットされた部分の、定着ローラの肉厚が他の箇所よりも薄くなっているため、通紙時に加熱・加圧状態で回転すると円筒状リングがセットされた、定着ローラの薄肉部に集中応力が掛かり破損するおそれが大きく、このため、定着ローラ全体の平均肉厚を充分薄くすることができないと云う問題がある。
【0012】
しかしながら、高画質化と定着性の安定化とのために、定着ローラと加圧ローラとの間のさらに高いニップ圧の実現が望まれている。
【特許文献1】特開2002−196605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、即ち、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラ、かかる定着ローラを可能とするローラ芯金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のローラ芯金は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されていることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明のローラ芯金は請求項2に記載の通り、請求項1に記載のローラ芯金において、上記リング状の補強部材の内側面の両側面に面取りが施されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のローラ芯金の製造方法は請求項3に記載の通り、ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、該2つのリブの両方に接してリング状の補強部材が配されている中空円筒形状のローラ芯金の製造方法であって、薄肉円筒構造体内部にリング状の補強部材をこれらの回転対称軸が一致するように挿入した後、該薄肉円筒構造体の外側面に押し部材を押し当てることにより薄肉円筒構造体の内側面に該リング状の補強部材に接するリブを形成する工程を有することを特徴とする。
【0017】
さらに本発明のローラ芯金の製造方法は請求項4に記載の通り、請求項3に記載のローラ芯金において、上記2つのリブを共に、上記リング状の補強部材の挿入後に形成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の定着ローラは請求項5に記載の通り、請求項1または請求項2に記載のローラ芯金を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の定着装置は請求項6に記載の通り、請求項5に記載の定着ローラを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の画像形成装置は請求項7に記載の通り、請求項6に記載の定着装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明のローラ芯金によれば、リング状の補強部材による補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブによる補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材がローラ芯金内で回転してしまうことが予め防止されており、このためリング状の補強部材による補強効果が失われることがない、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となる。
【0022】
請求項2に係る本発明のローラ芯金によれば、ローラ芯金自体の製造を容易とすることができる。
【0023】
請求項3に係るローラ芯金の製造方法によれば、リング状の補強部材による補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブによるの補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材がローラ芯金内で回転してしまうことが予め防止されており、このためリング状の補強部材による補強効果が失われることがない、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となる。
【0024】
請求項4に係る本発明のローラ芯金の製造方法によれば、請求項1に係るローラ芯金を、生産性良く製造することができる。
【0025】
請求項5に係る本発明の定着ローラによれば、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラを得ることができる。
【0026】
請求項6に係る本発明の定着装置によれば、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらなる高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0027】
請求項7に係る本発明の画像形成装置によれば、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像形成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
【0029】
図1に本発明に係るローラ芯金Aの回転軸を含む断面におけるモデル断面図を示した。
【0030】
中空円筒形状のローラ芯金Aにおいて、内側面に複数(この例では12個)のリブが設けられ、これらリブのうち、互いに隣り合う2つのリブA1とリブA2との間、リブA3とリブA4との間、及び、リブA5とリブA6の間に、これらそれぞれの2つのリブに接してリング状の補強部材B(3つ)が配されている。
【0031】
このような構成により、このようなローラ芯金Aによる定着ローラでは、リング状の補強部材Bによる補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブ(A1〜A6、本連ではさらにリング状の補強部材Bに接していない6個のリブ)による補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材Bがローラ芯金内で回転してしまう(リング状の補強部材Bの軸とローラ芯金Aの軸とが90°となる状態)ことが予め防止されており、このためリング状の補強部材Bによる補強効果が失われることがないので、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となり、そのとき、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラとなる。
【0032】
さらにこのような定着ローラを用いた定着装置では、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらなる高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0033】
このようなローラ芯金Aは例えば次のように製造することができる。
【0034】
まず、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金等の、金属材料から構成される中空円筒状の円筒状材1両端をジグ2及び3により保持させるが、このとき、図2のモデル断面図に示すようにジグ2に付属する補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入する。
【0035】
リング状の補強部材Bの材質としては、円筒状材1と線膨張係数が等しい材質からなる事が望ましく、通常は円筒状材1と同じ材質を用いる。
【0036】
補強リング保持具2aはリング状の補強部材Bの内径より若干小さい内径を有する保持小径部2a1とリング状の補強部材Bの内径より太く、かつ、円筒状材1内径よりも太い大径部2a2とを有し、保持小径部2a1と大径部2a2との段差壁部2a3に接してリング状の補強部材Bが保持されている。ここで、補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入したときのリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図(図3)に示すように、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1に、大径部2a2の段差壁部2a3に接して、保持されている。
【0037】
このとき、大径部2a2の保持小径部2a1の一部を保持小径部2a1と同径となるようにして設けた補強部材保持板ばね保持スペース2a4で一方の端が補強リング保持具2aに固定され、他方の端が保持小径部2a1側で自由端2a51となっていて、その自由端2a51が補強リング保持具2aの放射方向側に一旦曲げられている、保持用板ばね2a5によって、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1に、大径部2a2の段差壁部2a3に接して、保持されているため、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1からは容易には抜けることがない。ここで、リング状の補強部材Bの内側面に、面取り、例えば図3に図示するように直線による面取り(通常:45°)であるC面取り(C面取り部をB1として示す)、あるいは、曲面からなる面取りであるR面取りが施されていると、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセット、及び、後述するように、リング状の補強部材Bからの保持小径部2a1の抜き取りが容易となり、さらに、これら面取りがリング状の補強部材Bの内側面の両側面へ施してあると、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセットの際の、リング状の補強部材Bの向きに依存せずにこれら効果が得られる。
【0038】
なお、保持用板ばね2a5の自由端2a51は補強リング保持具2aの放射方向に曲げられてるが、さらに自由端2a51のさらなる先端2a52は保持小径部2a1の先端よりさきで補強リング保持具2aの軸方向側に曲げられているため、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセットは容易に行うことができる。
【0039】
このように、補強リング保持具2aによって円筒状材1内の所定の位置にリング状の補強部材Bが保持された状態で、円筒状材1の外側面にスピニングローラ4を図4に示すように押しつける。このとき、スピニングローラ3の2つの円盤状の圧子4aの間にリング状の補強部材Bが位置させ、円筒状材1の外側面へのスピニングローラ4の押しつけを継続させながら、円筒状材1およびスピニングローラ4を共に回転させる。
【0040】
その結果、円筒状材1が変形して、リング状の補強部材Bの両脇のそれぞれに、リング状の補強部材Bに接するリブ1aが2条形成される。このとき、図4に示されるようにこれら2つのリブに相当する円筒状材1の外側面にはスピニングローラ4の2つ(2連)の円盤状の圧子4aによって2つの溝1bが形成される。
【0041】
その後、円筒状材1から、補強リング保持具2aを抜き、ジグ2及び3を取り去る。このとき、補強リング保持具2aからリング状の補強部材Bが抜かれるが、この際、リング状の補強部材Bの両脇は上述のように2条のリブ1aが接して保持されているので、リング状の補強部材Bは保持用板ばね2a5の自由端2a51を変形させて保持小径部2a1から外れ、円筒状材1の内部に残留する。
【0042】
その後、図5にモデル的に示すように円筒状材1の外側面を切削バイト等で切削処理等を行い、所定の厚さになるよう加工すると共に円筒状材1の外側面に形成されていた溝1bを除去し、その後は従来のローラ芯金の製造方法同様に、必要に応じて両端を小径化させて、本発明に係るローラ芯金とする。
【0043】
図6には、このようにして得られた、本発明に係るローラ芯金A’のリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図を示す。この図から、本発明に係るローラ芯金A’が、中空円筒形状のローラ芯金において、ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、互いに隣り合う2つのリブ1aの間に、これら2つのリブ1aに接してリング状の補強部材Bが配されているローラ芯金であることが判る。
【0044】
上記ではローラ芯金の内側にリング状の補強部材Bを1つだけ配置する例、一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されているローラ芯金の例を示したが、例えば、ローラ芯金の内側にリング状の補強部材Bを4つ配したローラ芯金の場合をモデル断面図である図7〜図11を使って説明する。
【0045】
図7では円筒状材1両端をジグ2及び2’により保持させる。このときジグ2及び2’に付属する補強リング保持具2a及び2a’によってそれぞれリング状の補強部材B2つを円筒状材1内の所定の位置に挿入し、円筒状材1の外側面に、2つの円盤状の圧子4aの間に一方のリング状の補強部材Bが位置するようにスピニングローラ4を押しつけて回転させた状態をモデル的に示す。このように円筒状材1両端から補強リングBを内部に挿入することで、複数個の補強リングを内部に挿入し、その両脇にリブを形成する処理を効率的に行うことができる。
【0046】
次いで図8に示すように、補強リング保持具2a、2a’及びジグ2、2’を取り去り、図9に示すようにすでに円筒状材1内に2つセットされたリング状の補強部材Bよりもより円筒状材1の開口側になる所定の位置にセット可能となるようにジグ2、2’からの突き出し量を短くした補強リング保持具2a、2a’をもちいて、円筒状材1の両開口かそれぞれ1つずつリング状の補強部材Bを円筒状材1内部に挿入し、円筒状材1の外側面に、2つの円盤状の圧子4aの間に、新たに挿入されたリング状の補強部材Bが位置するようにスピニングローラ4を押しつけて回転させ、リング状の補強部材の両脇に、リング状の補強部材に接するようにそれぞれ2つのリブを形成し、ジグ2及び2’に付属する補強リング保持具2a及び2a’を取り去る(図10参照)。このようにジグからの補強リング保持具の突き出し量を調整することで円筒状材1内部の任意の位置に、及び、複数のリング状の補強部材をセットすることができる。
【0047】
さらに、円筒状材1の外側面を切削バイト等で切削処理等を行い、所定の厚さになるよう加工すると共に円筒状材1の外側面に形成されていた溝1bを図11に示すように除去し(ローラ芯金中間体A”)、その後は従来のローラ芯金の製造方法同様に、軸受けや駆動のためのギヤを装着するジャーナルを、スェージング等の絞り加工によって形成して、本発明に係るローラ芯金とする。
【0048】
このような、本発明に係る薄肉のローラ芯金の外表面をサンドブラストで粗面化した後、該薄肉芯金の外表面にプライマーを塗布して100〜150℃の雰囲気にて乾燥し、続いて、該プライマーの表面に粉体のフッ素樹脂塗料を塗装して、フッ素樹脂の融点以上、好ましくは、360℃以上の雰囲気で20〜40分焼成させることによりフッ素樹脂被膜を形成する。このようにして得たフッ素樹脂被膜は、表面が荒れているので、転写紙上に形成されたトナーを良好に定着できず品質の良い画質を得ることができない。それ故、フッ素樹脂被膜は、好ましくは、平滑に仕上げされる。
【0049】
フッ素樹脂塗料としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、「PFA」という。)、テトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)が一般に用いられるが、PFAであれば形態を粉体として塗装が可能であるので、塗装−回収によってフッ素樹脂塗料を再利用することができる。このようにして得られた本発明に係る定着ローラは高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い、立ち上り時間を大幅に短くすることができる、薄肉の定着ローラである。
【0050】
なお、定着ローラの内面はハロゲンランプからの輻射熱の吸収が効率良くなるよう、必要に応じて黒色とするが、その場合には上記のいずれかの工程で、例えば黒色塗料を塗布し、250〜300℃で1〜3時間焼付けて行う。
【0051】
また、図1に示した本発明に係るローラ芯金Aの場合には、リング状の補強部材Bに接していない6個のリブが設けられているが、これは上記同様に、ただしリング状の補強部材を円筒状材内に挿入せず、かつ、1つの円盤状の圧子を有するスピニングローラを用いることでリング状の補強部材Bに接しているリブ同様に形成することができる。
【0052】
なお、定着ローラとして求められる強度、剛性等の要求性能に合わせて、リング状の補強部材Bに接しているリブ及びリング状の補強部材Bに接していないリブの数、配置箇所は適宜調整する。
【0053】
ここで、図12に示されているように、本発明の定着装置110は、定着ローラ10、及び、該定着ローラ10に当接するように設けられた加圧ローラ112を少なくとも有している。そして、本発明の定着装置110は、本発明に係るローラ芯金からなる定着ローラ10を有している。このように、本発明の定着装置110が本発明に係るローラ芯金からなる定着ローラ10を有していると、立ち上り時間が大幅に短く、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、立ち上り時間等の待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0054】
さらに、図12に示されているように、本発明の画像形成装置100は、本発明に係る定着装置110を有している。このように、本発明の画像形成装置100が本発明に係る定着装置を有していると、ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0055】
図12に示されているように、本発明の画像形成装置100は、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110によって構成されている。
【0056】
この電子写真方式を用いる画像形成装置100は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
【0057】
このような画像形成装置100の熱定着装置においては、アルミニウム等の金属の中空円筒体からなる薄肉芯金の外周面にトナーの粘着を防止するために被覆された四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂からなる離型層を設けた定着ローラ10が使用されているが、この加熱定着ローラ10は、薄肉芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって定着ローラ10を内側から加熱するようになっており、そして、定着ローラ10と加圧ローラ112との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ローラ10の熱により軟化させつつ加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
【0058】
ここで、本発明の効果について確認を行った。
【0059】
比較のために従来技術に係るローラ(内径が39.2mm、外径が41.6mm(肉厚1.2mm)の円筒状材(素管)を用いて、内部に高さ0.5mmのリブを9本形成した定着ローラ(モデル断面図を図15に示す)と、同じ円筒状材を用い従来技術に係るこのローラと同様に、ただし、9本のリブのうち、中央のリブを設けず、その代わりに、中央のリブの位置に外径が39.1mm、内径が33mm、厚さが2mmのリング状の補強部材(円筒状材と同じ素材からなる)を挿入し、上記で図2〜図5で説明した方法により、このリング状の補強部材の両側に、リング状の補強部材に接して2つのリブ(高さ0.2〜0.3mm)を形成してなる本発明に係る定着ローラとを得た。これら2つの定着ローラの外形、及び、リブ形成部以外の肉厚は同じである。
【0060】
これら定着ローラを同条件で評価した結果、これらローラに加えられた、等しい加圧ローラの荷重に対して、従来技術に係るローラでは0.15〜0.20mmのつぶれが発生したが、本発明に係るローラでのつぶれは0.04mm以下となった。
【0061】
このように本発明に係る定着ローラは、従来のリブ付き薄肉定着ローラのつぶれ強度を更に改良するもので、必要に応じ、1本ないし複数のリング状の補強部材を用いて、実際の使用における加圧力に合わせた過不足のない補強が可能である。
【0062】
このように本発明に係る定着ローラは、リング状の補強部材により、薄肉定着ローラにおいて、従来技術以上に補強が可能となり、より薄肉化が可能となって、即ち熱容量の低減が図れ、定着装置に組み込んだときの立ち上げ時間の短縮が可能となり、また、加圧力を高めることができるので高画質化が計れ、定着性の改善が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係るローラ芯金は変形が小さく、そのため、肉厚を極めて薄くでき、熱容量を小さくすることができるので、定着ローラとして定着装置に組み込んだときの予熱時間を極めて短く、かつ、予熱による電力消費を小さくすることができ、さらに、そのような定着装置を有する画像定着装置は予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像形成が可能となるので、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るローラ芯金Aを示すモデル断面図である。
【図2】本発明に係るローラ芯金A’の作製方法を示すモデル図(リング状の補強部材Bを円筒状材1の所定位置に挿入した状態を示す図)である。
【図3】補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入したときのリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図である。
【図4】円筒状材1の外側面にスピニングローラ4を図4に示すように押しつけ、リブを形成させた状態を示すモデル断面図である。る。
【図5】リブを形成した円筒状材1の外側面を切削加工している状態を示すモデル断面図である。
【図6】リブを形成した円筒状材1のリブ付近のモデル拡大断面図である。
【図7】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(2つのリング状の補強部材Bを円筒状材1の所定位置に挿入し、一方のリング状の補強部材Bに接する2条のリブを形成した状態を示す図)である。
【図8】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(2つのリング状の補強部材Bに接する2条のリブをそれぞれ形成した状態を示す図)である。
【図9】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(さらに3つめと3つめのリング状の補強部材を内部に挿入し、その一方のリング状の補強部材Bに接する2条のリブを形成した状態を示す図)である。
【図10】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(4つのリング状の補強部材Bに接する2条のリブをそれぞれ形成し終えた状態を示す図)である。
【図11】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(円筒状材1の表面を切削加工し、本発明に係るローラ芯金A”とした状態を示す図)である。
【図12】本発明に係る定着装置を有する画像形成装置のモデル説明図である。
【図13】従来技術に係る定着装置を示すモデル説明図である。
【図14】従来技術に係る定着ローラで生じる問題を説明するモデル説明図である。 (a)定着ローラ201の軸に垂直な平面での断面図である。 (b)定着ローラ201の軸及び加圧ローラ202の軸を含む平面での断面図である。
【図15】従来技術に係る定着ローラを示すモデル断面図である。
【符号の説明】
【0065】
A、A’ 本発明に係るローラ芯金
A” ローラ芯金中間体
A1〜A6、1a リング状の補給部材Bに接して設けられたリブ
B リング状の補強部材
B1 C面取り部
1 円筒状材
1b 溝
2、3 ジグ
2a 補強リング保持具
2a1 保持小径部
2a2 大径部
2a3 段差壁部
2a4 補強部材保持板ばね保持スペース
2a5 保持用板ばね
2a51 自由端
2a52 先端
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真式の複写機、プリンタ、ファクシミリなどで使用される定着装置(加熱定着装置)で用いられる定着ローラ等に好適に用いることができるローラ芯金とその製造方法、定着ローラ、定着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置を用いて印刷又は複写をする場合には、その最終段階において、転写材(記録紙)上の可視像(トナー像)を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させている。例えば、電子写真複写機では、像担持体上に像露光を行って静電潜像を形成する工程、像担持体上の静電潜像にトナーを付着させて可視像とする工程、像担持体上のトナー像を記録紙上に転写して像担持体から記録紙を分離する工程、及び、記録紙上に転写された未定着のトナー像を加熱して溶融させることにより記録紙上に定着させる工程を順次経て複写が行われている。
【0003】
従来、記録紙上に転写された未定着のトナー像は、一般的には、熱定着方式により定着されている。この熱定着方式によれば、円筒状芯金の中空部に回転軸に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置してその輻射熱によって円筒形芯金の内部から加熱するようにした定着ローラが用いられている。
【0004】
図13は、従来の定着装置210の説明図である。図13に示されているように、定着ローラ201は、バネ203の押圧作用を受けた加圧ローラ202に接している。トナー206で形成されたトナー像を感光体から転写させた記録紙205は、トナー像が定着ローラ201に当接するように、定着ローラ201と加圧ローラ202との間に挿入される。記録紙205が定着ローラ201と加圧ローラ202の間を通過する間に、トナー像を形成するトナー206が、加熱溶融され、そして、記録紙205に圧着され、その結果、トナー像が記録紙205に定着される。
【0005】
ここで、画像定着を速めるため、定着ローラをあらかじめ予熱しておいたり、加熱源であるハロゲンヒータ等の能力を高めるなどの手段でウォームアップ時間短縮を図ることができたが、現在では予熱による電力消費0をめざしつつ、待ち時間のない画像定着が望まれている。
【0006】
このような要求への対策の一つとして、定着ローラの肉厚を薄くして、ローラ内部の熱源からの表層への熱伝達を早めることが考えられる。
【0007】
しかし、肉厚を薄くすると、以下のような不具合が生じてくる。すなわち、定着ローラ201と加圧ローラ201とは、共に両端で保持され、ばね等によって互いに密着するように付勢されている。このとき、定着ローラの肉厚が薄くなることで、定着ローラに、図14(a)(定着ローラ201の軸に垂直な平面での断面図)及び図14(b)(定着ローラ201の軸及び加圧ローラ202の軸を含む平面での断面図)に示したように変形が生じる。主な変形が、曲げ力による撓みと、薄肉であることによるつぶれである。この変形が合成され下面変位となり、定着ローラと加圧ローラ間の接触部(ニップ部)に軸方向のムラが生じ、定着不良が起こる要因となる。
【0008】
ここで、つぶれとは、ローラの軸に垂直な断面における変形を表わし、例えば、真円の断面を持つパイプがつぶれて、楕円になったような状態を指す(図14(a)参照)。これに対し、撓みは、ローラの曲がりのことであり、まっすぐのパイプが曲がったときの状態を指す(図14(b)参照)。
【0009】
このような撓みやつぶれを抑えるため、定着ローラの内周面に、凸部(リブ)を円周状に設ける(図15にこのような定着ローラ用のローラ芯金の回転軸を含む断面におけるモデル断面図を示した)ことにより軸方向の変形(撓み)に関しては効果が小さいが、つぶれの低減効果が大きいことが検証され、実用化されている。
【0010】
しかし、芯金と一体のリブでは製造方法の制約から、リブの高さを高くすることが困難で、上記つぶれや撓みをより完全に防止するためには、リブの幅を広くしたり本数を増やすなどの対策をとるが、この方法では芯金の熱容量も増加し、薄肉化したメリットが少なくなってしまうと云う問題がある。
【0011】
また、特開2002−196605公報(特許文献1)に開示された方法では、定着ローラの内部に円筒状リングを固定する技術が提案されているが、この技術では円筒状リングがセットされた部分の、定着ローラの肉厚が他の箇所よりも薄くなっているため、通紙時に加熱・加圧状態で回転すると円筒状リングがセットされた、定着ローラの薄肉部に集中応力が掛かり破損するおそれが大きく、このため、定着ローラ全体の平均肉厚を充分薄くすることができないと云う問題がある。
【0012】
しかしながら、高画質化と定着性の安定化とのために、定着ローラと加圧ローラとの間のさらに高いニップ圧の実現が望まれている。
【特許文献1】特開2002−196605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記した従来の問題点を改善する、即ち、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラ、かかる定着ローラを可能とするローラ芯金を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のローラ芯金は上記課題を解決するため、請求項1に記載の通り、中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されていることを特徴とする。
【0015】
さらに本発明のローラ芯金は請求項2に記載の通り、請求項1に記載のローラ芯金において、上記リング状の補強部材の内側面の両側面に面取りが施されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のローラ芯金の製造方法は請求項3に記載の通り、ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、該2つのリブの両方に接してリング状の補強部材が配されている中空円筒形状のローラ芯金の製造方法であって、薄肉円筒構造体内部にリング状の補強部材をこれらの回転対称軸が一致するように挿入した後、該薄肉円筒構造体の外側面に押し部材を押し当てることにより薄肉円筒構造体の内側面に該リング状の補強部材に接するリブを形成する工程を有することを特徴とする。
【0017】
さらに本発明のローラ芯金の製造方法は請求項4に記載の通り、請求項3に記載のローラ芯金において、上記2つのリブを共に、上記リング状の補強部材の挿入後に形成することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の定着ローラは請求項5に記載の通り、請求項1または請求項2に記載のローラ芯金を有することを特徴とする。
【0019】
また、本発明の定着装置は請求項6に記載の通り、請求項5に記載の定着ローラを有することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の画像形成装置は請求項7に記載の通り、請求項6に記載の定着装置を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に係る本発明のローラ芯金によれば、リング状の補強部材による補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブによる補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材がローラ芯金内で回転してしまうことが予め防止されており、このためリング状の補強部材による補強効果が失われることがない、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となる。
【0022】
請求項2に係る本発明のローラ芯金によれば、ローラ芯金自体の製造を容易とすることができる。
【0023】
請求項3に係るローラ芯金の製造方法によれば、リング状の補強部材による補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブによるの補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材がローラ芯金内で回転してしまうことが予め防止されており、このためリング状の補強部材による補強効果が失われることがない、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となる。
【0024】
請求項4に係る本発明のローラ芯金の製造方法によれば、請求項1に係るローラ芯金を、生産性良く製造することができる。
【0025】
請求項5に係る本発明の定着ローラによれば、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラを得ることができる。
【0026】
請求項6に係る本発明の定着装置によれば、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらなる高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0027】
請求項7に係る本発明の画像形成装置によれば、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像形成が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明について図面を用いて説明する。
【0029】
図1に本発明に係るローラ芯金Aの回転軸を含む断面におけるモデル断面図を示した。
【0030】
中空円筒形状のローラ芯金Aにおいて、内側面に複数(この例では12個)のリブが設けられ、これらリブのうち、互いに隣り合う2つのリブA1とリブA2との間、リブA3とリブA4との間、及び、リブA5とリブA6の間に、これらそれぞれの2つのリブに接してリング状の補強部材B(3つ)が配されている。
【0031】
このような構成により、このようなローラ芯金Aによる定着ローラでは、リング状の補強部材Bによる補強効果に加え、ローラ芯金に設けられたリブ(A1〜A6、本連ではさらにリング状の補強部材Bに接していない6個のリブ)による補強効果も得られ、かつ、リブにより、リング状の補強部材Bがローラ芯金内で回転してしまう(リング状の補強部材Bの軸とローラ芯金Aの軸とが90°となる状態)ことが予め防止されており、このためリング状の補強部材Bによる補強効果が失われることがないので、肉薄でありながら高い強度を有する定着ローラが可能となり、そのとき、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い薄肉の定着ローラとなる。
【0032】
さらにこのような定着ローラを用いた定着装置では、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらなる高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0033】
このようなローラ芯金Aは例えば次のように製造することができる。
【0034】
まず、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金等の、金属材料から構成される中空円筒状の円筒状材1両端をジグ2及び3により保持させるが、このとき、図2のモデル断面図に示すようにジグ2に付属する補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入する。
【0035】
リング状の補強部材Bの材質としては、円筒状材1と線膨張係数が等しい材質からなる事が望ましく、通常は円筒状材1と同じ材質を用いる。
【0036】
補強リング保持具2aはリング状の補強部材Bの内径より若干小さい内径を有する保持小径部2a1とリング状の補強部材Bの内径より太く、かつ、円筒状材1内径よりも太い大径部2a2とを有し、保持小径部2a1と大径部2a2との段差壁部2a3に接してリング状の補強部材Bが保持されている。ここで、補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入したときのリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図(図3)に示すように、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1に、大径部2a2の段差壁部2a3に接して、保持されている。
【0037】
このとき、大径部2a2の保持小径部2a1の一部を保持小径部2a1と同径となるようにして設けた補強部材保持板ばね保持スペース2a4で一方の端が補強リング保持具2aに固定され、他方の端が保持小径部2a1側で自由端2a51となっていて、その自由端2a51が補強リング保持具2aの放射方向側に一旦曲げられている、保持用板ばね2a5によって、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1に、大径部2a2の段差壁部2a3に接して、保持されているため、リング状の補強部材Bは保持小径部2a1からは容易には抜けることがない。ここで、リング状の補強部材Bの内側面に、面取り、例えば図3に図示するように直線による面取り(通常:45°)であるC面取り(C面取り部をB1として示す)、あるいは、曲面からなる面取りであるR面取りが施されていると、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセット、及び、後述するように、リング状の補強部材Bからの保持小径部2a1の抜き取りが容易となり、さらに、これら面取りがリング状の補強部材Bの内側面の両側面へ施してあると、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセットの際の、リング状の補強部材Bの向きに依存せずにこれら効果が得られる。
【0038】
なお、保持用板ばね2a5の自由端2a51は補強リング保持具2aの放射方向に曲げられてるが、さらに自由端2a51のさらなる先端2a52は保持小径部2a1の先端よりさきで補強リング保持具2aの軸方向側に曲げられているため、リング状の補強部材Bの保持小径部2a1へのセットは容易に行うことができる。
【0039】
このように、補強リング保持具2aによって円筒状材1内の所定の位置にリング状の補強部材Bが保持された状態で、円筒状材1の外側面にスピニングローラ4を図4に示すように押しつける。このとき、スピニングローラ3の2つの円盤状の圧子4aの間にリング状の補強部材Bが位置させ、円筒状材1の外側面へのスピニングローラ4の押しつけを継続させながら、円筒状材1およびスピニングローラ4を共に回転させる。
【0040】
その結果、円筒状材1が変形して、リング状の補強部材Bの両脇のそれぞれに、リング状の補強部材Bに接するリブ1aが2条形成される。このとき、図4に示されるようにこれら2つのリブに相当する円筒状材1の外側面にはスピニングローラ4の2つ(2連)の円盤状の圧子4aによって2つの溝1bが形成される。
【0041】
その後、円筒状材1から、補強リング保持具2aを抜き、ジグ2及び3を取り去る。このとき、補強リング保持具2aからリング状の補強部材Bが抜かれるが、この際、リング状の補強部材Bの両脇は上述のように2条のリブ1aが接して保持されているので、リング状の補強部材Bは保持用板ばね2a5の自由端2a51を変形させて保持小径部2a1から外れ、円筒状材1の内部に残留する。
【0042】
その後、図5にモデル的に示すように円筒状材1の外側面を切削バイト等で切削処理等を行い、所定の厚さになるよう加工すると共に円筒状材1の外側面に形成されていた溝1bを除去し、その後は従来のローラ芯金の製造方法同様に、必要に応じて両端を小径化させて、本発明に係るローラ芯金とする。
【0043】
図6には、このようにして得られた、本発明に係るローラ芯金A’のリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図を示す。この図から、本発明に係るローラ芯金A’が、中空円筒形状のローラ芯金において、ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、互いに隣り合う2つのリブ1aの間に、これら2つのリブ1aに接してリング状の補強部材Bが配されているローラ芯金であることが判る。
【0044】
上記ではローラ芯金の内側にリング状の補強部材Bを1つだけ配置する例、一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されているローラ芯金の例を示したが、例えば、ローラ芯金の内側にリング状の補強部材Bを4つ配したローラ芯金の場合をモデル断面図である図7〜図11を使って説明する。
【0045】
図7では円筒状材1両端をジグ2及び2’により保持させる。このときジグ2及び2’に付属する補強リング保持具2a及び2a’によってそれぞれリング状の補強部材B2つを円筒状材1内の所定の位置に挿入し、円筒状材1の外側面に、2つの円盤状の圧子4aの間に一方のリング状の補強部材Bが位置するようにスピニングローラ4を押しつけて回転させた状態をモデル的に示す。このように円筒状材1両端から補強リングBを内部に挿入することで、複数個の補強リングを内部に挿入し、その両脇にリブを形成する処理を効率的に行うことができる。
【0046】
次いで図8に示すように、補強リング保持具2a、2a’及びジグ2、2’を取り去り、図9に示すようにすでに円筒状材1内に2つセットされたリング状の補強部材Bよりもより円筒状材1の開口側になる所定の位置にセット可能となるようにジグ2、2’からの突き出し量を短くした補強リング保持具2a、2a’をもちいて、円筒状材1の両開口かそれぞれ1つずつリング状の補強部材Bを円筒状材1内部に挿入し、円筒状材1の外側面に、2つの円盤状の圧子4aの間に、新たに挿入されたリング状の補強部材Bが位置するようにスピニングローラ4を押しつけて回転させ、リング状の補強部材の両脇に、リング状の補強部材に接するようにそれぞれ2つのリブを形成し、ジグ2及び2’に付属する補強リング保持具2a及び2a’を取り去る(図10参照)。このようにジグからの補強リング保持具の突き出し量を調整することで円筒状材1内部の任意の位置に、及び、複数のリング状の補強部材をセットすることができる。
【0047】
さらに、円筒状材1の外側面を切削バイト等で切削処理等を行い、所定の厚さになるよう加工すると共に円筒状材1の外側面に形成されていた溝1bを図11に示すように除去し(ローラ芯金中間体A”)、その後は従来のローラ芯金の製造方法同様に、軸受けや駆動のためのギヤを装着するジャーナルを、スェージング等の絞り加工によって形成して、本発明に係るローラ芯金とする。
【0048】
このような、本発明に係る薄肉のローラ芯金の外表面をサンドブラストで粗面化した後、該薄肉芯金の外表面にプライマーを塗布して100〜150℃の雰囲気にて乾燥し、続いて、該プライマーの表面に粉体のフッ素樹脂塗料を塗装して、フッ素樹脂の融点以上、好ましくは、360℃以上の雰囲気で20〜40分焼成させることによりフッ素樹脂被膜を形成する。このようにして得たフッ素樹脂被膜は、表面が荒れているので、転写紙上に形成されたトナーを良好に定着できず品質の良い画質を得ることができない。それ故、フッ素樹脂被膜は、好ましくは、平滑に仕上げされる。
【0049】
フッ素樹脂塗料としては、パーフルオロアルコキシ樹脂(以下、「PFA」という。)、テトラフルオロエチレン樹脂(以下、「PTFE」という。)が一般に用いられるが、PFAであれば形態を粉体として塗装が可能であるので、塗装−回収によってフッ素樹脂塗料を再利用することができる。このようにして得られた本発明に係る定着ローラは高画質化と定着性の安定化とのために望まれている、さらに高いニップ圧にも対応できる、つぶれや撓みなどの変形が生じない、強度の高い、立ち上り時間を大幅に短くすることができる、薄肉の定着ローラである。
【0050】
なお、定着ローラの内面はハロゲンランプからの輻射熱の吸収が効率良くなるよう、必要に応じて黒色とするが、その場合には上記のいずれかの工程で、例えば黒色塗料を塗布し、250〜300℃で1〜3時間焼付けて行う。
【0051】
また、図1に示した本発明に係るローラ芯金Aの場合には、リング状の補強部材Bに接していない6個のリブが設けられているが、これは上記同様に、ただしリング状の補強部材を円筒状材内に挿入せず、かつ、1つの円盤状の圧子を有するスピニングローラを用いることでリング状の補強部材Bに接しているリブ同様に形成することができる。
【0052】
なお、定着ローラとして求められる強度、剛性等の要求性能に合わせて、リング状の補強部材Bに接しているリブ及びリング状の補強部材Bに接していないリブの数、配置箇所は適宜調整する。
【0053】
ここで、図12に示されているように、本発明の定着装置110は、定着ローラ10、及び、該定着ローラ10に当接するように設けられた加圧ローラ112を少なくとも有している。そして、本発明の定着装置110は、本発明に係るローラ芯金からなる定着ローラ10を有している。このように、本発明の定着装置110が本発明に係るローラ芯金からなる定着ローラ10を有していると、立ち上り時間が大幅に短く、高画質化と定着性の安定化とのために望まれている高いニップ圧が実現可能で、かつ、予熱による電力消費が小さく、立ち上り時間等の待ち時間のない画像定着が可能となる。
【0054】
さらに、図12に示されているように、本発明の画像形成装置100は、本発明に係る定着装置110を有している。このように、本発明の画像形成装置100が本発明に係る定着装置を有していると、ムラのない均一な画像を形成することができる。
【0055】
図12に示されているように、本発明の画像形成装置100は、静電潜像が形成される感光体ドラム101、感光体ドラム101に接触して帯電処理を行う帯電ローラ102、レーザビーム等の露光手段103、感光体ドラム101の静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ104、帯電ローラ102にDC電圧を印加するためのパワーパック105、感光体ドラム101上のトナー像を記録紙107に転写処理する転写ローラ106、転写処理後の感光体ドラム101をクリーニングするためのクリーニング装置108、感光体ドラム101の表面電位を測定する表面電位計109、並びに、定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110によって構成されている。
【0056】
この電子写真方式を用いる画像形成装置100は、回転する感光体ドラム101の感光体層を帯電ローラ102を用いて一様に帯電させた後にレーザビーム等の露光手段103で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像することによりトナー像とし、このトナー像を記録紙107上に転写し、そして、この記録紙107を定着ローラ10及び加圧ローラ112からなるローラ方式の熱定着装置110に通過させてトナー像を熱定着するように構成されている。
【0057】
このような画像形成装置100の熱定着装置においては、アルミニウム等の金属の中空円筒体からなる薄肉芯金の外周面にトナーの粘着を防止するために被覆された四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂(FEP)等のフッ素樹脂からなる離型層を設けた定着ローラ10が使用されているが、この加熱定着ローラ10は、薄肉芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲンランプ等のヒータを配置し、その輻射熱によって定着ローラ10を内側から加熱するようになっており、そして、定着ローラ10と加圧ローラ112との間に記録紙107を通過させることにより、記録紙107の上に付着しているトナーを定着ローラ10の熱により軟化させつつ加圧して記録紙上に定着させるようになっている。
【0058】
ここで、本発明の効果について確認を行った。
【0059】
比較のために従来技術に係るローラ(内径が39.2mm、外径が41.6mm(肉厚1.2mm)の円筒状材(素管)を用いて、内部に高さ0.5mmのリブを9本形成した定着ローラ(モデル断面図を図15に示す)と、同じ円筒状材を用い従来技術に係るこのローラと同様に、ただし、9本のリブのうち、中央のリブを設けず、その代わりに、中央のリブの位置に外径が39.1mm、内径が33mm、厚さが2mmのリング状の補強部材(円筒状材と同じ素材からなる)を挿入し、上記で図2〜図5で説明した方法により、このリング状の補強部材の両側に、リング状の補強部材に接して2つのリブ(高さ0.2〜0.3mm)を形成してなる本発明に係る定着ローラとを得た。これら2つの定着ローラの外形、及び、リブ形成部以外の肉厚は同じである。
【0060】
これら定着ローラを同条件で評価した結果、これらローラに加えられた、等しい加圧ローラの荷重に対して、従来技術に係るローラでは0.15〜0.20mmのつぶれが発生したが、本発明に係るローラでのつぶれは0.04mm以下となった。
【0061】
このように本発明に係る定着ローラは、従来のリブ付き薄肉定着ローラのつぶれ強度を更に改良するもので、必要に応じ、1本ないし複数のリング状の補強部材を用いて、実際の使用における加圧力に合わせた過不足のない補強が可能である。
【0062】
このように本発明に係る定着ローラは、リング状の補強部材により、薄肉定着ローラにおいて、従来技術以上に補強が可能となり、より薄肉化が可能となって、即ち熱容量の低減が図れ、定着装置に組み込んだときの立ち上げ時間の短縮が可能となり、また、加圧力を高めることができるので高画質化が計れ、定着性の改善が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係るローラ芯金は変形が小さく、そのため、肉厚を極めて薄くでき、熱容量を小さくすることができるので、定着ローラとして定着装置に組み込んだときの予熱時間を極めて短く、かつ、予熱による電力消費を小さくすることができ、さらに、そのような定着装置を有する画像定着装置は予熱による電力消費が小さく、待ち時間のない画像形成が可能となるので、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係るローラ芯金Aを示すモデル断面図である。
【図2】本発明に係るローラ芯金A’の作製方法を示すモデル図(リング状の補強部材Bを円筒状材1の所定位置に挿入した状態を示す図)である。
【図3】補強リング保持具2aによってリング状の補強部材Bを円筒状材1内の所定の位置に挿入したときのリング状の補強部材B付近のモデル拡大断面図である。
【図4】円筒状材1の外側面にスピニングローラ4を図4に示すように押しつけ、リブを形成させた状態を示すモデル断面図である。る。
【図5】リブを形成した円筒状材1の外側面を切削加工している状態を示すモデル断面図である。
【図6】リブを形成した円筒状材1のリブ付近のモデル拡大断面図である。
【図7】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(2つのリング状の補強部材Bを円筒状材1の所定位置に挿入し、一方のリング状の補強部材Bに接する2条のリブを形成した状態を示す図)である。
【図8】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(2つのリング状の補強部材Bに接する2条のリブをそれぞれ形成した状態を示す図)である。
【図9】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(さらに3つめと3つめのリング状の補強部材を内部に挿入し、その一方のリング状の補強部材Bに接する2条のリブを形成した状態を示す図)である。
【図10】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(4つのリング状の補強部材Bに接する2条のリブをそれぞれ形成し終えた状態を示す図)である。
【図11】互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接して配されているリング状の補強部材を内部に複数有するローラ芯金の製造方法を示す図(円筒状材1の表面を切削加工し、本発明に係るローラ芯金A”とした状態を示す図)である。
【図12】本発明に係る定着装置を有する画像形成装置のモデル説明図である。
【図13】従来技術に係る定着装置を示すモデル説明図である。
【図14】従来技術に係る定着ローラで生じる問題を説明するモデル説明図である。 (a)定着ローラ201の軸に垂直な平面での断面図である。 (b)定着ローラ201の軸及び加圧ローラ202の軸を含む平面での断面図である。
【図15】従来技術に係る定着ローラを示すモデル断面図である。
【符号の説明】
【0065】
A、A’ 本発明に係るローラ芯金
A” ローラ芯金中間体
A1〜A6、1a リング状の補給部材Bに接して設けられたリブ
B リング状の補強部材
B1 C面取り部
1 円筒状材
1b 溝
2、3 ジグ
2a 補強リング保持具
2a1 保持小径部
2a2 大径部
2a3 段差壁部
2a4 補強部材保持板ばね保持スペース
2a5 保持用板ばね
2a51 自由端
2a52 先端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されていることを特徴とするローラ芯金。
【請求項2】
上記リング状の補強部材の内側面の両側面に面取りが施されていることを特徴とする請求項1のローラ芯金。
【請求項3】
ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、該2つのリブの両方に接してリング状の補強部材が配されている中空円筒形状のローラ芯金の製造方法であって、
薄肉円筒構造体内部にリング状の補強部材をこれらの回転対称軸が一致するように挿入した後、該薄肉円筒構造体の外側面に押し部材を押し当てることにより薄肉円筒構造体の内側面に該リング状の補強部材に接するリブを形成する工程を有することを特徴とするローラ芯金の製造方法。
【請求項4】
上記2つのリブを共に、上記リング状の補強部材の挿入後に形成することを特徴とする請求項3に記載のローラ芯金の製造方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のローラ芯金を有することを特徴とする定着ローラ。
【請求項6】
請求項5に記載の定着ローラを有することを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項6に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
中空筒形状のローラ芯金において、該ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の、互いに隣り合う2つのリブの間に、これら2つのリブに接してリング状の補強部材が配されていることを特徴とするローラ芯金。
【請求項2】
上記リング状の補強部材の内側面の両側面に面取りが施されていることを特徴とする請求項1のローラ芯金。
【請求項3】
ローラ芯金の内側面に複数のリブが設けられ、これらリブのうち、少なくとも一組の互いに隣り合う2つのリブの間に、該2つのリブの両方に接してリング状の補強部材が配されている中空円筒形状のローラ芯金の製造方法であって、
薄肉円筒構造体内部にリング状の補強部材をこれらの回転対称軸が一致するように挿入した後、該薄肉円筒構造体の外側面に押し部材を押し当てることにより薄肉円筒構造体の内側面に該リング状の補強部材に接するリブを形成する工程を有することを特徴とするローラ芯金の製造方法。
【請求項4】
上記2つのリブを共に、上記リング状の補強部材の挿入後に形成することを特徴とする請求項3に記載のローラ芯金の製造方法。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のローラ芯金を有することを特徴とする定着ローラ。
【請求項6】
請求項5に記載の定着ローラを有することを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項6に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−47321(P2007−47321A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−229949(P2005−229949)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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