説明

ワイピングクロス及びワイピング方法

【課題】微小な塵埃を効率的に除去することができるワイピングクロスを提供する。
【解決手段】ワイピングクロス1は、繊維層12A〜12Dを複数枚積層してなる繊維層積層体11を有し、ワイピング面を構成する繊維層12Aは、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列して形成された繊維配列層12Aとなっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイピングクロス及びそれを用いたワイピング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等の塗装面下地の拭き取り、電子記録媒体、電子部品、光学部品等のワイピング(拭き取り)に従来から不織布を用いたワイピングクロスが使われている(例えば特許文献1〜3参照。)。不織布は極細径の無数の繊維が3次元的に交絡するように形成されており、微小な塵埃、粒子、油膜等(以下微小塵埃等という。)が繊維に捕捉されて、被ワイピング面が清浄化される。
【特許文献1】特開2007−151950号公報
【特許文献2】特開2007−84958号公報
【特許文献3】特開2006−218289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来の不織布を用いたワイピングクロスでは、繊維がランダムな方向を向いて不規則に延びているため、ワイピング効率に限界があるという問題がある。すなわち、被ワイピング面に付着した微小塵埃等は、主に繊維の側面が微小塵埃等と接触し微小塵埃等に剥離力を及ぼすことによって、被ワイピング面から剥離されて取り除かれる。しかし、繊維がランダムな方向を向いているため、繊維の方向によっては微小塵埃等の剥離が有効に行われず、十分なワイピング効果が得られるまで何度もワイピングを必要としたり、不織布の向きを変えてワイピングをやり直すなどの問題があった。また、一般的な不織布では、繊維が実質的に寸断されているため、繊維がワイピング中にワイピングクロスから脱落し、逆に被ワイピング面を汚染する可能性もあった。
【0004】
本発明は、上記の課題に照らし、微小塵埃等を効率的に除去することができるワイピングクロスを提供することを目的とする。また、本発明は、このようなワイピングクロスと用いたワイピング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施態様によれば、ワイピングクロスは、繊維層を複数枚積層してなる繊維層積層体を有し、ワイピング面を構成する繊維層は、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列して形成された繊維配列層となっている。
【0006】
このように構成されたワイピングクロスを用いて、長繊維の延びる方向と交差する方向、望ましくは直交する方向にワイピングを行うと、ワイピングによって生じる微小塵埃等の剥離力が効果的に微小塵埃等に及ぼされ、ワイピングによって被ワイピング面に付着した微小塵埃等が効率的に除去される。
【0007】
本発明の他の実施態様によれば、ワイピング方法は、上述のワイピングクロスを準備する工程と、被ワイピング面を、ワイピング面を構成する繊維配列層の延伸方向と交差する方向で被ワイピング面に当てて、被ワイピング面をワイピングする工程と、を有している。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、微小な塵埃を効率的に除去することができるワイピングクロス、及びこのようなワイピングクロスと用いたワイピング方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、図面を参照して本発明のワイピングクロスについて説明する。図1は、本発明のワイピングクロスの概略斜視図である。図2は、ワイピングクロスを構成する繊維層積層体の分解斜視図である。これらの図では、下側がワイピング面3、上側が裏面4となっている。
【0010】
図2を参照すると、ワイピングクロス1は、複数枚の繊維配列層を積層して形成された繊維層積層体11からなっている。図では4枚の繊維配列層12A,12B,12C,12Dを示しているが、積層する枚数は用途に応じて適宜定めることができる。繊維配列層12A,12B,12C,12Dは互いに熱圧着されて、全体として一つの繊維層積層体11を形成している。
【0011】
図3は、ワイピングクロスの繊維配列層の一部を拡大して示す部分斜視図である。同図には繊維配列層12A,12Bだけが示されているが、他の繊維配列層も同様の構成となっている。図示するように、繊維配列層12Aは、互いに平行にかつ直線状に延びる多数の繊維13Aの集合体である。同様に、繊維配列層12Bは、互いに平行にかつ直線状に延びる多数の繊維13Bの集合体である。繊維13A,13Bは途中で折り畳まれたり、2層以上積層されたりしている場合もある。繊維配列層12Aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン、フッ素系樹脂等の熱可塑性樹脂およびこれらの変性樹脂から作成することができる。ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂等の湿式または乾式の紡糸手段による樹脂も使用することができる。繊維配列層12Bも同様である。各繊維13A,13Bの直径は例えば10μm程度である。繊維配列層12A,12Bは、繊維配列層12Aの繊維13Aの延伸方向15Aと繊維配列層12Bの繊維13Bの延伸方向15Bとが互いに直交するように積層されている。繊維配列層12Cの繊維13Cの延伸方向15Cは繊維配列層12Bの繊維13Bの延伸方向15Bと直交している。同様に、繊維配列層12Dの繊維13Dの延伸方向15Dは繊維配列層12Cの繊維13Cの延伸方向15Cと直交している。繊維配列層の繊維の延伸方向は隣接する繊維配列層同士で互いに厳密に直交している必要はなく、また、同じ延伸方向を持つ2枚またはそれ以上の繊維配列層が連続して設けられていてもよい。
【0012】
各繊維配列層12A,12B,12C,12Dの繊維13A,13B,13C,13Dは延伸方向15A,15B,15C,15D以外の向きに屈曲したり、ランダムな方向を向いていたりすることがなく、極めて高い直線性と方向性を備えている。従って、繊維の延伸方向に引張り力が加わっても繊維の伸びはほとんど生じない。これに対して、繊維の延伸方向と直交する方向の引張り力に対してはほとんど抵抗力が生じないため、各繊維配列層12A,12B,12C,12Dが単独で設けられている場合には、これらの繊維配列層は自由に変形する。例えば、繊維配列層12Aが単独で設けられている場合、延伸方向15Aの引張り力に対してはほとんど変形しないが、延伸方向15Aと直交する方向の引張り力に対しては自由に変形する。本実施形態では、繊維配列層12A,12B,12C,12Dが積層して設けられ、繊維配列層12A,12Cの繊維13A,13Cは各々延伸方向15A、15C(以下、総称して第1の方向S1という。)を向いて延び、繊維配列層12B,12Dの繊維13B,13Dは各々延伸方向15B,15D(以下、総称して第2の方向S2という。第2の方向S2は第1の方向S1と直交している。)を向いて延びている。このように繊維配列層を繊維の延伸方向が互いに直交するように積層することによって、どの方向からの引張り力に対しても大きな強度と変形に対する拘束力が生じ、安定したワイピングが可能となる。
【0013】
ワイピングクロス1の繊維13A,13B,13C,13Dは、常温での揮発性またはブリードアウト性を有する添加剤、及び揮発性またはブリードアウト性を有する加工助剤を実質的に含んでいない。一般にワイピングクロスの基材は、紡糸性や加工性、延伸性を高めるため、それ自体が種々の添加物を含んでおり、あるいは各工程で必要な加工助剤が加えられる。例えば、従来の不織布では、繊維が複雑に交絡しているため、帯電防止や延伸の際の抵抗低減が必要であり、これらの目的で、油分を含んだ添加剤あるいは加工助剤を用いている。しかし、これらの物質が被ワイピング面に付着し、被ワイピング面の品質に大きな影響を与えることがある。特に、添加物あるいは加工助剤が油分を含んでいると、影響が大きい。これに対し、本実施形態のワイピングクロス1では、繊維が一方向に直線状に配列し、配列ムラが少ないため、延伸時に繊維の交差点が軋むことが少なく、また、帯電もしにくいので、油分は不要である。従って、被ワイピング面は極めて清浄な状態でワイピングされ、油分はほとんど付着しない。油分を含んだワイピングクロスを用いる場合でも洗浄して油分を落とせば使用することは可能であるが、本実施形態のワイピングクロスは元々油分を含んでいないので、ワイピングにそのまま用いることができる。
【0014】
ワイピングクロス1の繊維13A,13B,13C,13Dは長繊維であるため、繊維の切片屑がワイピングクロス1から剥離しにくい。このことは、特に塵埃を嫌う前述の自動車等の塗装面下地の拭き取り、電子記録媒体、電子部品、光学部品等のワイピング等の用途で大きな利点となる。
【0015】
ワイピングクロス1の繊維はエレクトレット化されていることが好ましい。これによって捕集性能をさらに高めることができる。エレクトレット化は例えばコロナ放電などの公知の技術を用いて行うことができる。油分などを含む添加剤あるいは加工助剤は油分の親水性によって帯電により生じた電荷を漏出させてしまうが、上述のように、ワイピングクロス1の繊維はこのような添加剤や加工助剤(特に、親水性の添加剤及び界面活性剤)を含んでいないので、エレクトレット化が効果的に行われる。
【0016】
図4は、微小塵埃等の拭き取りを説明するための、ワイピング面を構成する繊維配列層だけを取り出して示す図である。ワイピングを行うときは、上述したワイピングクロス1をまず準備した後、ワイピングクロス1のワイピング面3を、ワイピング面3を構成する繊維配列層(上述の例では繊維配列層12A)の延伸方向15Aと交差する方向Wで被ワイピング面5に当てて、被ワイピング面5をワイピングする。ワイピング面3を構成する繊維配列層12Aの延伸方向15Aと直交する方向Wにワイピングすれば、ワイピング方向に対して繊維の長手方向が直交するため、ワイピング効率が一段と改善される。なぜなら、繊維の延伸方向15Aとワイピング方向Wとが直交しているため、ワイピングによって微小塵埃6等にかかる力はすべて微小塵埃6等を被ワイピング面5から拭き取り、あるいはこすり取る方向の力f(図4参照)として作用するからである。
【0017】
しかも、本実施形態のワイピングクロス1では、ワイピング面を構成する繊維配列層12Aの各繊維13Aは全て同じ方向に配列している。ワイピングの進行によってある特定の微小塵埃6等と接する繊維は次々と切り替わっていくが、どの繊維もその延伸方向と直交する方向で対象の微小塵埃6等に次々と接するので、最大のワイピング効果が継続する。勿論、ワイピング方向Wはワイピング面3を構成する繊維配列層12Aの延伸方向と厳密に直交している必要はなく、斜め方向を向いていても同様の効果は得られる。
【0018】
さらに、本実施形態のワイピングクロス1は長繊維で構成されており、寸断された短繊維を含んでいない。従って、ワイピング中に繊維がワイピングクロス1から脱落するおそれが少なく、被ワイピング面5が繊維で汚染される可能性も小さい。
【0019】
再び図1を参照すると、ワイピングクロス1のワイピング面3の裏面4には、ワイピング面を構成する繊維配列層12Aの延伸方向と直交する方向を示す標識7を有している。標識7は視覚的に確認可能なものであれば特に限定されないが、油分の付着を防止するという観点からは、油分を含む物質でマーク等を付することは避けるのが望ましい。標識7としては、例えばエンボス加工などを好適に用いることができる。標識7が示す方向は、上述のようにワイピング面を構成する繊維配列層12Aに対して厳密に直交している必要はなく、斜め方向を向いていても構わない。標識7を設けることによって、最大のワイピング効率が得られるワイピング方向を容易に知ることができ、ワイピング作業の効率化が可能となる。
【0020】
以上の説明から明らかな通り、本発明のワイピングクロスにおいては、少なくともワイピング面を形成する繊維層が、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列して形成された繊維配列層であれば、上述した効果を奏することができる。ワイピングクロスは更に他の繊維層を有し、その繊維層は、ワイピング面を形成する繊維配列層と比べて繊維が屈曲して延びており、あるいは繊維がランダムな方向に延びており、あるいはその両者の特性を併せ持っていても構わない。このような繊維層は、例えば一般的なメルトブロー法によって製造することができる。
【0021】
次に、以上説明したワイピングクロス1の製造方法について説明する。図5は、ワイピングクロスの繊維配列層の作成に用いられる製造装置の概略図を示す。繊維配列層製造装置21は、主にメルトブローンダイス24とコンベア25とで構成される紡糸ユニット22と、延伸シリンダ26a,26b、引取ニップローラ27a,27b等で構成される延伸ユニット23と、を有している。メルトブローンダイス24は、先端(下端)に、紙面に対して垂直な方向に並べられた多数のノズル28を有している(図では1つのみ表示している。)。ギアポンプ(図示せず)から送入された溶融樹脂30がノズル28から押出されることで、多数の繊維31が形成される。各ノズル28の両側にはそれぞれエアー溜32a,32bが設けられている。樹脂の融点以上に加熱された高圧加熱エアーは、これらエアー溜32a,32bに送入され、エアー溜32a,32bと連通してメルトブローンダイス24の先端に開口するスリット33a,33bから噴出される。これにより、ノズル28から押出される繊維31の押出し方向とほぼ平行な高速気流が生じる。この高速気流により、ノズル28から押出された繊維31はドラフト可能な溶融状態に維持され、高速気流の摩擦力により繊維31にドラフトが与えられ、繊維31が細径化される。高速気流の温度は、繊維31の紡糸温度よりも80℃以上、望ましくは120℃以上高くする。メルトブローンダイス24を用いて繊維31を形成する方法では、高速気流の温度を高くすることにより、ノズル28から押出された直後の繊維31の温度を繊維31の融点よりも十分に高くすることができるため、繊維31の分子配向を小さくすることができる。
【0022】
メルトブローンダイス24の下方にはコンベア25が配置されている。コンベア25は、駆動源(図示せず)により回転されるコンベアローラ29やその他のローラに掛け回されており、コンベアローラ13の回転によりコンベア25を駆動することで、ノズル28から押出された繊維31は図示右方向へ搬送される。
【0023】
繊維31は、ノズル28の両側のスリット33a,33bから噴出された高圧加熱エアーが合流した流れである高速気流に沿って流れる。高速気流は、スリット33a,33bから噴出された高圧加熱エアーが合流して、コンベア25の搬送面とほぼ垂直な方向に流れる。
【0024】
メルトブローンダイス24とコンベア25との間には、スプレーノズル35が設けられている。スプレーノズル35は、高速気流中へ霧状の水を噴霧するもので、これにより繊維31が冷却され、急速に凝固される。スプレーノズル35bは実際には複数個設置されるが、図5では1個のみを示している。スプレーノズル35から噴射される流体は、繊維31を冷却することができるものであれば必ずしも水分等を含む必要はなく、冷エアーであってもよい。
【0025】
メルトブローンダイス24の近傍の、スリット33a,33bによる高速気流が発生している領域には、楕円柱状の気流振動機構34が設けられている。気流振動機構34は、コンベア25上での繊維31の搬送方向Dとほぼ直交した、すなわち製造すべき繊維配列層の幅方向とほぼ平行に配置された軸34aの周りを、矢印A方向に回転させられる。一般に、気体や液体の高速噴流近傍に壁が存在しているとき、噴流は壁面に沿った方向の近くを流れる傾向があり、これはコアンダ効果といわれる。気流振動機構34は、このコアンダ効果を利用して繊維31の流れの向きを変える。図5の場合、気流振動機構34の楕円形の長軸が高速気流の向き(図面の上下方向)に一致するとき、繊維31はコンベア25に向けてほぼ鉛直に落下する。気流振動機構34が軸34aの周りを90度回転し、気流振動機構34の楕円形の長軸が高速気流の向きと直交するとき、繊維31はコンベア25の搬送方向D(図中右側)に偏位し、偏位量はこのときが最大となる。さらに気流振動機構34が軸34aの周りを回転すると、繊維31のコンベア25への落下位置は搬送方向Dに対して前後方向に周期運動する。すなわち、凝固した繊維31は、縦方向に振られながらコンベア25上に集積し、縦方向に部分的に折り畳まれて連続的に捕集され、連続長繊維が形成される。
【0026】
コンベア25上に捕集された繊維31は、コンベア25により搬送方向Dに搬送され、延伸温度に加熱された延伸シリンダ26aと押えローラ36とにニップされ、延伸シリンダ26bに移される。その後、繊維31は、延伸シリンダ26bと押えゴムローラ37とにニップされて延伸シリンダ26bに移され、2つの延伸シリンダ26a,26bに密着される。このように繊維31が延伸シリンダ26a,26bに密着しながら送られることで、繊維31は、縦方向に部分的に折り畳まれた状態のまま、隣接する繊維31同士が融着したウェブとなる。
【0027】
延伸シリンダ26a,26bに密着して送られることにより得られたウェブは、さらに、引取ニップローラ27a,27b(後段の引取ニップローラ27bはゴム製)で引き取られる。引取ニップローラ27a,27bの周速は延伸シリンダ26a,26bの周速よりも大きく、これによりウェブは縦方向に延伸され、縦延伸繊維配列層38となる。このように、紡糸したウェブを縦方向に延伸することにより、フィラメントの配列性をさらに向上することができる。繊維31が十分に急冷されることによって、延伸応力が小さく伸度が大きい繊維31が形成される。これは、上述したようにスプレーノズル35から霧状の水を噴霧し、高速気流に霧状の液体を含ませることによって実現される。以上述べた方法で形成された繊維配列層は、繊維の向きが一方向に揃えられている。
【0028】
前述のように、繊維配列層を製造する各工程では油分を含む添加剤や加工助剤を用いていない。具体的には、繊維31をノズル28から押出す際には(紡糸工程)、油分を含む添加剤や加工助剤を用いていない。その後のコンベア25上への捕集、繊維の延伸の各工程においても、油分を含む添加剤や加工助剤を用いていない。従って、完成したワイピングクロス1もこれらの添加剤や加工助剤は含んでいない。
【0029】
このようにして製造した繊維配列層を、繊維の方向が互いに直交するように順次積層し熱圧着することによって上述した繊維層積層体が完成する。さらに、裏面4に標識7を形成し、用途に応じて適切なサイズに裁断することによってワイピングクロスが完成する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のワイピングクロスの概略斜視図である。
【図2】ワイピングクロスを構成する繊維層積層体の部分分解斜視図である。
【図3】繊維配列層の一部を拡大して示す部分斜視図である。
【図4】微小塵埃等の拭き取りを説明するための、ワイピング面を構成する繊維配列層だけを取り出して示す図である。
【図5】繊維配列層の作成に用いられる製造装置の概略図である。
【符号の説明】
【0031】
1 ワイピングクロス
3 ワイピング面
4 裏面
5 被ワイピング面
6 微小塵埃
7 標識
11 繊維層積層体
12A,12B,12C,12D 繊維配列層
13A,13B,13C,13D 繊維
15A,15B,15C,15D 延伸方向
24 メルトブローンダイス
28 ノズル
31 繊維

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維層を複数枚積層してなる繊維層積層体を有するワイピングクロスであって、ワイピング面を構成する前記繊維層は、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列して形成された繊維配列層である、ワイピングクロス。
【請求項2】
前記繊維層積層体は、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列した複数枚の繊維配列層を有し、一部の前記繊維配列層と他の前記繊維配列層とが、前記長繊維の延伸方向が互いに異なる方向に積層されている、請求項1に記載のワイピングクロス。
【請求項3】
前記長繊維は、揮発性またはブリードアウト性を有する添加剤、及び揮発性またはブリードアウト性を有する加工助剤を実質的に含んでいない、請求項1または2に記載のワイピングクロス。
【請求項4】
前記長繊維はエレクトレット化されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のワイピングクロス。
【請求項5】
前記ワイピング面を構成する前記繊維配列層の延伸方向と交差する方向を示す標識を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載のワイピングクロス。
【請求項6】
前記交差する方向は、前記ワイピング面を構成する前記繊維配列層の前記延伸方向と直交する方向である、請求項5に記載のワイピングクロス。
【請求項7】
繊維層を複数枚積層してなる繊維層積層体を有するワイピングクロスであって、ワイピング面を構成する前記繊維層は、連続した長繊維が一方向に略直線状に配列して形成された繊維配列層であるワイピングクロスを準備する工程と、
前記ワイピング面を、該ワイピング面を構成する前記繊維配列層の延伸方向と交差する方向で被ワイピング面に当てて、該被ワイピング面をワイピングする工程と、
を有する、ワイピング方法。
【請求項8】
前記交差する方向は、前記ワイピング面を構成する前記繊維配列層の前記延伸方向と直交する方向である、請求項7に記載のワイピング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−66359(P2009−66359A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241105(P2007−241105)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【Fターム(参考)】