ワイヤボンディング方法及び半導体装置
【課題】接合強度が高く、導電層との間隔がファインピッチの場合であっても、隣接するワイヤ同士の接触を防止し、小型・薄型化を実現する半導体装置及びそのワイヤボンディング方法を提供する。
【解決手段】本発明のワイヤボンディング方法は、ボンディング用ワイヤ1の先端に形成した第1ボールを第1導電層上に接合する第1工程と、この後、キャピラリー6によりボンディング用ワイヤ1aを引き出し、キャピラリー6の先端部6a,6bが電極パッド2aの表面に接触しないように維持し、ボンディング用ワイヤ1aをステッチボンディング法で電極パッド2a上に接合する第2工程と、ボンディング用ワイヤ1aを電極パッド2a上の接合部2bの根元部分で切断する第3工程と、ボンディング用ワイヤ1aの先端に形成したボール5’を、ボールボンディング法で前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程とを備える。
【解決手段】本発明のワイヤボンディング方法は、ボンディング用ワイヤ1の先端に形成した第1ボールを第1導電層上に接合する第1工程と、この後、キャピラリー6によりボンディング用ワイヤ1aを引き出し、キャピラリー6の先端部6a,6bが電極パッド2aの表面に接触しないように維持し、ボンディング用ワイヤ1aをステッチボンディング法で電極パッド2a上に接合する第2工程と、ボンディング用ワイヤ1aを電極パッド2a上の接合部2bの根元部分で切断する第3工程と、ボンディング用ワイヤ1aの先端に形成したボール5’を、ボールボンディング法で前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型・高密度・多ピン化に伴うファインピッチの半導体素子に対応可能なワイヤボンディング方法とその方法を使用して製造した半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体パッケージ開発のトレンドである小型・大容量化、多機能化を実現するため、パッケージ内部の半導体素子とパッケージの外部端子のワイヤ結線方法にも様々な要求がある。
【0003】
図8は、ターミナル4と半導体チップ2上の電極パッド2aとをワイヤボンディングによって接続する方法を採用している。この場合、半導体チップ2の電極パッド2a側をボールボンド7、ターミナル4側をステッチボンド8で接続する方法を採用している。ワイヤボンディング方法は、最初に第1のボンドで電極パッド2a上にボールボンド7を行い、ボンディング用ワイヤ1を引き回し、次に第2のボンドでターミナル4上にステッチボンド8を行う順序である(以下、正ボンディングと称する)。
【0004】
一方、図9は、ターミナル4側をボールボンド7、半導体チップ2上の電極パッド2a側も別のボールボンド5を介してステッチボンド8で接続する方法を採用している。ワイヤボンディング方法は、予め電極パッド2a上にボールボンド5があって、最初に第1のボンドでターミナル4上にボールボンド7を行い、ボンディング用ワイヤ1を引き回し、次に第2のボンドで電極パッド2aのボールボンド5上部にステッチボンド8を行う順序である(以下、逆ボンディングと称する)。
【0005】
逆ボンディングでは、正ボンディングに比べ、半導体チップ面からのボンディング用ワイヤのループ高さ(H1)を低くでき、かつ電極パッドとターミナルとの水平方向の間隔(D)を短くすることができるメリットを持つものの、半導体チップ2の電極パッド2a上に予めボールボンディングによるボールボンド5を形成しておく必要がある。
【0006】
なぜならば、図11(a)に示すように、予めボールボンディングによるボール部を形成しないで、パッド2a上に直接ステッチボンディングすると、ステッチボンディング中のキャピラリー押圧荷重によって、ボンディング用ワイヤ1を被接合部に接合する際に用いるキャピラリー6の本体の先端部6a、同6bが半導体チップのパッシベーション膜3の表面、または電極パッド2aと接触してしまい、半導体チップ2にダメージを与えるので、実施が困難であるという問題点があった。
【0007】
これを回避するため、逆ボンディングの場合、まず、図10(a)に示すように、半導体チップ2の電極パッド2a上に予めボールボンディング法によりボールボンド5を形成し、次にボンディング用ワイヤ1を引きちぎる。そして、図10(b)に示すように、ターミナル4とボールボンド7を介して接合された前記ボンディング用ワイヤ1を、前記キャピラリー6のホール径の中心と前記ボールボンド5の中心とが一致するように、前記ボールボンド5の上方まで引き回す。次に、図10(c)に示すように、ステッチボンディング法により前記ボンディング用ワイヤ1を前記ボールボンド5に接合させる。その後、図10(d)に示すように、前記ボールボンド5にステッチボンド8を形成した後、前記ボンディング用ワイヤ1を引きちぎる。
【0008】
このような、逆ボンディング方法によると、前記半導体チップの電極パッド2aには予め前記ボールボンド5が形成されており、その高さ分が嵩上げされているため、ステッチボンディング中において前記キャピラリー6による押圧荷重が加えられても、前記キャピラリー6の先端部は半導体チップ2のパッシベーション膜3の表面、または電極パッド2a面に接触しないで、クリアランスを確保してボンディングすることが容易となる。
【0009】
また、前記ボールボンド5は、緩衝材としても作用し、電極パッド部に直接ステッチボンドをする場合の電極パッドとステッチボンドとの接合強度に比べ、ボールボンド5を介してステッチボンド8を形成接合する方が接合強度を向上できる機能も奏し、信頼性も高まる。
【0010】
そして、図12は、仮接合及び本接合を経由して、ボンディング用ワイヤをボンディングパッド2aに接合する方法を採用している。具体的には、図12の(a)に示すようにボンディング用ワイヤ1をボンディングパッド2aに仮接合した状態で、(b)に示すように、基本軌跡に従ってキャピラリー6を動作制御し、ボンディングパッド2a上でボンディング用ワイヤ1を屈曲させて第2のボンド5(図12(c))を形成してから、ボンディング用ワイヤ1の屈曲部をボンディングパッド2aに本接合する。ここで、前記基本軌跡とは、具体的に、仮接合の後に、前記キャピラリー6を上方に移動させ、その後前記キャピラリー6を側方に移動させ、更に前記キャピラリー6を一旦下降させた後に上方に移動させ、その後に再び前記キャピラリー6下降させる動作を指す。そして、(c)に示すように、クランパ6cなどでボンディング用ワイヤ1をクランプしてカットすることにより、半導体チップ2へのボンディング用ワイヤ1の接合を完成する。このような方法によると、第2のボンド5が、仮接合と本接合の2段階の接合により行われるので、第2のボンド5の接合の安定性が向上する。
【特許文献1】特開平04−107835(1992年4月9日公開)
【特許文献2】特開平04−294552(1992年10月19日公開)
【特許文献3】特開平10−335368(1998年12月18日公開)
【特許文献4】特許第3762475(1996年12月24日公開)
【特許文献5】特開2002−280414(2002年9月27日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図10(a)に示すように、前記ボールボンド5には、前記ボンディング用ワイヤ1がキャピラリー6のホール径(HD)およびチャンファー径(CD)に入り込まれることによるボール突起、前記ボンディング用ワイヤ1を引きちぎることによるワイヤ突起5aが形成され、前記ワイヤ突起5aの切断面に凹凸が形成される。そのため、図10(d)に示すように、前記ボンディング用ワイヤ1を前記ボールボンド5の上面にステッチボンド8で接合する際、前記キャピラリー6から繰り出された前記ボンディング用ワイヤ1の中心位置が、前記ボールボンド5上面の接合位置の前記ボール突起や前記ワイヤ突起5aによってずれてしまう。
【0012】
半導体チップ2上の隣接する電極パッド2aの配置間隔がそれほど狭くない半導体チップに対しては問題にはならないが、近年の小型・高密度化に伴って電極パッドの間隔のファインピッチ化に対応した半導体チップ2においては、図11(b)に示すように、ターミナル4と電極パッド2aとを接続するボンディング用ワイヤ1の中心が、ターミナル4上のボールボンド7中心と電極パッド2a中心とを結ぶ直線に対し、左右のどちらかに曲がってしまうと、隣接するワイヤ同士が接触するという問題がある。したがって、ターミナル4と電極パッド2aとの距離(ワイヤ長)が長くなればなるほど、ボンディング用ワイヤの曲がり量が大きくなり、隣接するワイヤ同士が接触する危険性もさらに高くなるという問題も発生する。
【0013】
なお、図12に示す方法を採用すると、ボンディング用ワイヤ1を繰り返して湾曲または屈曲しなければならないので、工程上時間がかかり、さらに、仮接合されたステッチボンドの上面は、ボンディング用ワイヤ1を屈曲または湾曲して潰している構造であって、ボールボンドの構造と比べ、接合強度が弱い問題がある。
【0014】
また、図12に示す方法において、仮接合後ボンディングワイヤ1を屈曲または湾曲させて、再びキャピラリー6を下降させて本接合に至る接合は、キャピラリー6で押しつぶされて平面的な面積が広くなってしまい、その特性上ファインパッドピッチのような電極パッド幅が狭いものに対しては対応できない問題もある。
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、接合強度が高く、半導体チップ上の電極パッドの間隔がファインピッチの場合であっても、隣接するワイヤ同士の接触を防止し、小型・薄型化を実現する半導体装置とそのワイヤボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係るワイヤボンディング方法は、第1導電層と第2導電層とをボンディング用ワイヤにて接続する半導体装置のワイヤボンディング方法であって、前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第1ボールを、第1導電層上に接合する第1工程と、前記第1工程後、キャピラリーにより前記ボンディング用ワイヤを引き出し、前記キャピラリーの先端部が前記第2導電層の表面に接触しないように維持し、前記ボンディング用ワイヤをステッチボンディング法により前記第2導電層上に接合する第2工程と、前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層上の接続部の根元部分で切断する第3工程と、前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第2ボールを、前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
これによれば、前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層上の接続部の根元部分で切断した後に前記ボンディング用ワイヤにボールを形成して接合するので、第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。また、ステッチボンドを半導体チップ上の電極パッド上の平坦な面に仮接合してなされるため、前記ボンディング用ワイヤのボンド位置ずれは生じることはなく、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ワイヤ長が長くなっても、ワイヤは曲がることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、接続することができる。
【0018】
また、上記方法において、ステッチボンディング法による仮接合は、キャピラリーが通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制されており、前記ステッチボンディング法による接合部分(ステッチボンド)の平面的な面積も狭い。さらに、仮接合されたステッチボンドへの第2ボールの接合(ボールボンド)は、円形形状でその接合面積も小さいため、その特性上ファインパッドピッチのボンディングに対応できる。
【0019】
また、キャピラリーの先端部が導電層の表面に接触しないので、導電層の表面にダメージを与えない。
【0020】
そして、前記第3工程において、前記キャピラリーを上昇させ、クランパで前記ボンディング用ワイヤを挟み固定してから、前記キャピラリーを上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断する。これによれば、前記ボンディング用ワイヤを容易に切断することができる。
【0021】
また、前記第3工程において、前記キャピラリーを水平方向に5〜10μm程度動かし、その後、上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することが好ましい。これによれば、ステッチボンドの仮接合では、接合面に対して水平方向に物理的な力が加わるため、導電層とボンディング用ワイヤとの擦れ作用を高め、ステッチボンドで仮接合の維持をより確実にすることができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明に係る半導体装置は、第1導電層と、第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層を接続するためのボンディング用ワイヤとを備え、前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第1接合部をボールボンディング法により形成し、前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第2接合部をステッチボンディング法により形成してからその根元部分で切断し、前記第2接合部の上に前記ボンディング用ワイヤをボールボンディング法により接合してなることを特徴とする。
【0023】
これによれば、前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとをボールボンディング法により接合し、前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとをステッチボンディング法により接合した後、接合された部分の根元を切断し、根元で切断された接合部にボールボンディング法により前記ボンディング用ワイヤを接合したので、ボンド位置ずれが生じらなく、前記第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るワイヤボンディング方法および半導体装置は、以上のように、ボンディング用ワイヤを導電層上の接続部の根元部分で切断した後に前記ボンディング用ワイヤにボールを形成してさらに接合するので、第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。また、導電層上のステッチボンドが平坦な面に仮接合してなされるため、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ワイヤ長が長くなっても、ワイヤは曲がることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、接続することができる。ステッチボンドの仮接合は、ボンディングキャピラリーの先端が半導体チップ表面または電極パッド面に接触しないようにすることで、ボンディングキャピラリーの押圧力が直接印加されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図1〜7に基づいて、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
(実施例1)
図2は、本発明の第1の実施形態における半導体装置の部分断面図である。図2に示すように、ターミナル4と半導体チップ2上の電極パッド2aとは、ボールボンド7、ボンディング用ワイヤ1およびボールボンド5を介して接続される。半導体チップ2の最 上層表面は、絶縁のためパッシベーション膜3を形成し、パッシベーション膜3を部分開口して電極パッド2aを形成している。
【0026】
図1は、本発明に係る半導体装置の製造工程を説明するための断面図である。すなわち、図1(a)〜(f)は、ワイヤボンディング方法を説明するための断面図であり、ターミナル4からボールボンド7を介して、引き回したボンディング用ワイヤ1をキャピラリー6で電極パッド2a上に接合する様子を工程順に表わした拡大図である。なお、ターミナル4へのボールボンド7は、周知の手法で実施しているものとする。キャピラリー6は、ワイヤボンディング工程に用いるツールであり、円筒形の中心に設けた貫通孔にボンディング用ワイヤ1を通し、キャピラリー6を任意方向に動作制御し、被接続部にボンディング用ワイヤ1を接続するものである。
【0027】
図1(a)は、電極パッド2a上にステッチボンドで接合部2bを仮接合している工程の断面図である。キャピラリー6の先端部6bを電極パッド2a上のボンディング位置まで移動させて、電極パッド2a上にキャピラリー6の先端部6bでボンディング用ワイヤ1(以下、分かりやすくするために、キャピラリー6の中心に設けた貫通孔を通す部分のボンディング用ワイヤをワイヤ1aと、ターミナル4と接続する部分のボンディング用ワイヤをワイヤ1と称する)を押圧して、ワイヤ1aと電極パッド2aとを接合させる。このとき、例えば半導体チップ2を120〜270℃程度に加熱し、キャピラリー6に超音波振動を印加する手法、つまり、熱と荷重に加えて超音波を併用することによりボンディングする一般的な超音波併用熱圧着ワイヤボンディング手法を用いる。この場合、キャピラリー6は、通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制することによって、キャピラリー6の先端部6bと半導体チップ2に形成したパッシベーション膜3とが接触しないように動作制御する。これで、ステッチボンディング法によるワイヤ1aと電極パッド2aとの仮接合を完成する。
【0028】
上記のように、ワイヤ1aを、電極パッド2a上にステッチボンディング法により仮接合し、図1(b)の矢印の方向にキャピラリー6を上昇させると、キャピラリー6の先端部6bと仮接合された接合部2bとが離れる状態となる。このとき、ワイヤ1aのキャピラリー6の先端で押圧された部位は、平面的に押し潰された状態になる。上記のように、通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制しているので、押し潰される面積は、通常のステッチボンドの平面的な面積に比べて少ないものとなる。
【0029】
次に、図1(c)に示すように、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み固定し、キャピラリー6を矢印の方向にさらに引き上げることにより、ワイヤ1を、ステッチボンドで仮接合を維持したままで、ステッチボンド部の根元部分で切断される。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、スパーク電極(図示せず)とキャピラリー6の貫通孔から繰り出されたワイヤ1aとでスパーク放電を起こすと、キャピラリー6の下方部でボール5'を形成する。
【0031】
次に、図1(e)に示すように、キャピラリー6を矢印のように下方に移動させ、前記ボール5'を、電極パッド2a上に形成したステッチボンド上部にボールボンディング法により本接合する。このとき、本接合は、一般的な超音波併用熱圧着ワイヤボンディング手法により、電極パッド2a上にステッチボンドを介してボールボンド5を形成し、電極パッド2aとワイヤ1の接合をする。これにより、ボンディング用ワイヤ1と電極パッド2aとの接合を確実にする。
【0032】
次に、図1(f)に示すように、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み引くようにすると、ワイヤ1aは、ボールボンド5の根元部分で切断される。これにより、ワイヤ1に対するボンディング工程が終了し、図2に示す構造が得られる。
【0033】
以上のようなワイヤボンディング方法によれば、キャピラリー6の先端部6aが半導体チップ2上に形成したパッシベーション膜3に接触しないので、電極パッド2a上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリー6の上下動作による衝撃が、直接半導体チップ2にダメージを与えなることはない。また、仮接合のステッチボンド上部に、再度ボールボンド5を本接合でボンディングを行うことによって、ワイヤ1と電極パッド2aとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッド2aの面にステッチボンドを行うので、ワイヤ1aのボンド位置中心がずれることがない。従って、ワイヤ1は曲がったりせず、ターミナル4と電極パッド2aとのワイヤ直進性が高まり、電極パッド2aの間隔がファインピッチになっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
【0034】
また、従来の正ボンディングに対する逆ボンディングのメリットは、そのまま踏襲されているため、半導体チップ上のボンディング用ワイヤ高さを低くすることができ、電極パッドとターミナル間のボンディング用ワイヤ長も短くすることができる。
(実施例2)
図3は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の部分断面図であり、第2の実施形態のステッチボンドで仮接合後からボンディング用ワイヤを切断する工程の他の実施形態を説明するための図である。つまり、第1の実施形態の製造工程の図1(a)〜(c)の変形例を表わすものである。上記の第1の実施形態は、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み固定し、キャピラリー6を上方に引き上げてボンディング用ワイヤの切断を行うことである。第2の実施形態では、キャピラリー6を仮接合点から、ターミナル4(図2を参照)から電極パッド2aに向けた水平方向に5〜10μm程度動かした後、キャピラリー6を上方に引き上げてボンディング用ワイヤ1aの切断を行う。つまり、キャピラリー6の中心がL1からL2まで水平方向にずれることになる。この結果、ステッチボンドの仮接合された接合部2bでは、接合面に対して水平方向に物理的な力が加わるため、電極パッド2aとワイヤ1(1a)との擦れ作用が高まり、ワイヤ1(1a)はステッチボンドで仮接合の維持をより確実にすることができ、ステッチボンド部の根元部分でワイヤ延性により切断しやすくする効果がある。また、ワイヤループ形成の延伸効果の作用もあるため、ワイヤ1のループ形成の直進性を向上し、ループの安定化を図ることができる。図3(c)以降の工程については、第1の実施形態を説明するための図1(d)〜(f)に示す製造工程と同様である。
(実施例3)
図4は、本発明の第3の実施形態における半導体装置の部分断面図である。図4に示すように、電極パッド2aを形成した半導体チップ2と、電極パッド2a’を形成した半導体チップ2’とを、ワイヤ1で接続する場合においても、本発明の適用が可能である。この場合、実施例1に示すターミナル4に対応するものが、本実施例においては半導体チップ2’上に形成した電極パッド2a’とするものである。
【0035】
半導体チップ2上の電極パッド2aへのボンディング用ワイヤ接合方法は、実施例1又は実施例2と同様である。
【0036】
本実施例の場合も、実施例1又は実施例2の場合と同様に、キャピラリー6の先端が半導体チップ2上に形成したパッシベーション膜3に接触しないので、電極パッド2a上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリー6の上下動作による衝撃が、直接半導体チップ2にダメージを与えることはない。また、仮接合のステッチボンド上部に、再度ボールボンド5を本接合でボンディングを行うことによって、ワイヤ1と電極パッド2aとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッド2aの面にステッチボンドを行うので、ワイヤ1のボンド位置中心がずれることはない。従って、ワイヤ1は曲がったりしないので、電極パッド2aと電極パッド2a’とのワイヤ直進性が高まり、電極パッド2aの間隔がファインピッチになっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
(実施例4)
次に、図5〜7を用いて本発明の第4の実施形態について説明する。図5は、小型・薄型の半導体装置を示し、図6は、複数の半導体チップを積層した小型・大容量の半導体装置を示し、図7は、複数の半導体チップを平面的に並べた薄型・大容量の半導体装置の一例を示している。
【0037】
近年、小型・高密度・多ピン化に伴い、半導体チップ上の電極パッドの配置は、ファインパッドピッチ化が進んでいる。
【0038】
図5に示された小型・薄型の半導体装置は、基材と配線パターンと絶縁層で構成された配線基板108と、配線基板108上に搭載した半導体チップ102と、封止樹脂106と、外部電極107とを備える。封止樹脂106は、ボンディング用ワイヤ101と、半導体チップ102と、ターミナル104とを覆い保護している。
【0039】
図6に示された半導体装置は、配線基板108上に第1の半導体チップ102と第2の半導体チップ102’とを周知の手法により積層して搭載し、小型・大容量を実現するものである。第1の半導体チップ102の逆ボンディングのボンディング用ワイヤ101は、第2の半導体チップ102’の正ボンディングのボンディング用ワイヤ101’を跨るように接続しているため、必然的に高段差でかつロングループのボンディング用ワイヤによる接続が要求される。
【0040】
図7に示された半導体装置は、配線基板108上に第1の半導体チップ102と第2の半導体チップ102’とを周知の手法により平面的に搭載し、薄型・大容量を実現するものである。第1の半導体チップ102上の電極パッド102aと、第2の半導体チップ102’上の電極パッド102’aとの間のボンディング用ワイヤ接続を、逆ボンディングによって形成している。この結果、一旦、ターミナルを介してそれぞれの第1と第2の半導体チップ上の電極パッドに接続するものに比べて、第1と第2の半導体チップの電極パッドを直接ボンディング用ワイヤで接続することができるので、半導体チップの間隔を狭くすることができ、半導体装置の小型化を実現することができる。
【0041】
上記のような種々の半導体装置に本発明のワイヤボンディング方法を適用することができる。その結果、キャピラリーの先端が半導体チップ上に形成したパッシベーション膜に接触しないで、電極パッド上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリーの上下動作による衝撃が、直接半導体チップにダメージを与えることはない。
【0042】
また、仮接合のステッチボンド上部に、ボールボンドを、再度本接合でボンディングすることによって、ボンディング用ワイヤと電極パッドとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッドの面にステッチボンドを行うので、ボンディング用ワイヤの中心位置がずれることはない。従って、ボンディング用ワイヤは曲がったりせず、ワイヤループ直進性が高まり、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ボンディング用ワイヤが高段差でかつロングループ化になっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
【0043】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲での各種半導体装置の構造に適した実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るワイヤボンディング方法は、ボンディング用ワイヤを曲げることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、ステッチボンドの仮接合は、ボンディングキャピラリーの先端が、例えば半導体チップ表面または電極パッド面に接触しないので、ボンディングキャピラリーの押圧力が直接印加されるのを防ぐことができる。また、ステッチボンド仮接合後、ステッチボンド上部に再度ボールボンディングにより接合するので、導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度も向上し、接続信頼性も確保することができて、半導体装置のワイヤボンディングに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の部分断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の部分断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における半導体装置の部分断面図である。
【図5】本発明係るワイヤボンディング方法を用いた小型・薄型の半導体装置を示す図である。
【図6】本発明係るワイヤボンディング方法を用いた複数の半導体チップを積層した小型・大容量の半導体装置を示す図である。
【図7】本発明係るワイヤボンディング方法を用い複数の半導体チップを平面的に並べた薄型・大容量の半導体装置を示す図である。
【図8】従来技術のワイヤボンディング方法による正ボンディング状態を示す図である。
【図9】従来技術のワイヤボンディング方法による逆ボンディング状態を示す図である。
【図10】(a)〜(d)は、従来技術のワイヤボンディング方法の製造工程を説明するための断面図である。
【図11】(a)、(b)は、従来技術のワイヤボンディング方法に存在する問題点を示すための上面図、断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、従来技術の他のワイヤボンディング方法の製造工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1、1a、101、101’ ボンディング用ワイヤ
2、2’、102、102’ 半導体チップ
2a、2a’、102a、102’a 電極パッド(第2導電層)
2b 接合部
3、3’、103、103’ パッシベーション膜
4、104 ターミナル(第1導電層)
5、7 ボールボンド
5’ ボール
6 キャピラリー
6a、6b 先端部
6c クランパ
8 ステッチボンド
105 半導体チップ搭載部
106 封止樹脂
107 外部電極
108 配線基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型・高密度・多ピン化に伴うファインピッチの半導体素子に対応可能なワイヤボンディング方法とその方法を使用して製造した半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の半導体パッケージ開発のトレンドである小型・大容量化、多機能化を実現するため、パッケージ内部の半導体素子とパッケージの外部端子のワイヤ結線方法にも様々な要求がある。
【0003】
図8は、ターミナル4と半導体チップ2上の電極パッド2aとをワイヤボンディングによって接続する方法を採用している。この場合、半導体チップ2の電極パッド2a側をボールボンド7、ターミナル4側をステッチボンド8で接続する方法を採用している。ワイヤボンディング方法は、最初に第1のボンドで電極パッド2a上にボールボンド7を行い、ボンディング用ワイヤ1を引き回し、次に第2のボンドでターミナル4上にステッチボンド8を行う順序である(以下、正ボンディングと称する)。
【0004】
一方、図9は、ターミナル4側をボールボンド7、半導体チップ2上の電極パッド2a側も別のボールボンド5を介してステッチボンド8で接続する方法を採用している。ワイヤボンディング方法は、予め電極パッド2a上にボールボンド5があって、最初に第1のボンドでターミナル4上にボールボンド7を行い、ボンディング用ワイヤ1を引き回し、次に第2のボンドで電極パッド2aのボールボンド5上部にステッチボンド8を行う順序である(以下、逆ボンディングと称する)。
【0005】
逆ボンディングでは、正ボンディングに比べ、半導体チップ面からのボンディング用ワイヤのループ高さ(H1)を低くでき、かつ電極パッドとターミナルとの水平方向の間隔(D)を短くすることができるメリットを持つものの、半導体チップ2の電極パッド2a上に予めボールボンディングによるボールボンド5を形成しておく必要がある。
【0006】
なぜならば、図11(a)に示すように、予めボールボンディングによるボール部を形成しないで、パッド2a上に直接ステッチボンディングすると、ステッチボンディング中のキャピラリー押圧荷重によって、ボンディング用ワイヤ1を被接合部に接合する際に用いるキャピラリー6の本体の先端部6a、同6bが半導体チップのパッシベーション膜3の表面、または電極パッド2aと接触してしまい、半導体チップ2にダメージを与えるので、実施が困難であるという問題点があった。
【0007】
これを回避するため、逆ボンディングの場合、まず、図10(a)に示すように、半導体チップ2の電極パッド2a上に予めボールボンディング法によりボールボンド5を形成し、次にボンディング用ワイヤ1を引きちぎる。そして、図10(b)に示すように、ターミナル4とボールボンド7を介して接合された前記ボンディング用ワイヤ1を、前記キャピラリー6のホール径の中心と前記ボールボンド5の中心とが一致するように、前記ボールボンド5の上方まで引き回す。次に、図10(c)に示すように、ステッチボンディング法により前記ボンディング用ワイヤ1を前記ボールボンド5に接合させる。その後、図10(d)に示すように、前記ボールボンド5にステッチボンド8を形成した後、前記ボンディング用ワイヤ1を引きちぎる。
【0008】
このような、逆ボンディング方法によると、前記半導体チップの電極パッド2aには予め前記ボールボンド5が形成されており、その高さ分が嵩上げされているため、ステッチボンディング中において前記キャピラリー6による押圧荷重が加えられても、前記キャピラリー6の先端部は半導体チップ2のパッシベーション膜3の表面、または電極パッド2a面に接触しないで、クリアランスを確保してボンディングすることが容易となる。
【0009】
また、前記ボールボンド5は、緩衝材としても作用し、電極パッド部に直接ステッチボンドをする場合の電極パッドとステッチボンドとの接合強度に比べ、ボールボンド5を介してステッチボンド8を形成接合する方が接合強度を向上できる機能も奏し、信頼性も高まる。
【0010】
そして、図12は、仮接合及び本接合を経由して、ボンディング用ワイヤをボンディングパッド2aに接合する方法を採用している。具体的には、図12の(a)に示すようにボンディング用ワイヤ1をボンディングパッド2aに仮接合した状態で、(b)に示すように、基本軌跡に従ってキャピラリー6を動作制御し、ボンディングパッド2a上でボンディング用ワイヤ1を屈曲させて第2のボンド5(図12(c))を形成してから、ボンディング用ワイヤ1の屈曲部をボンディングパッド2aに本接合する。ここで、前記基本軌跡とは、具体的に、仮接合の後に、前記キャピラリー6を上方に移動させ、その後前記キャピラリー6を側方に移動させ、更に前記キャピラリー6を一旦下降させた後に上方に移動させ、その後に再び前記キャピラリー6下降させる動作を指す。そして、(c)に示すように、クランパ6cなどでボンディング用ワイヤ1をクランプしてカットすることにより、半導体チップ2へのボンディング用ワイヤ1の接合を完成する。このような方法によると、第2のボンド5が、仮接合と本接合の2段階の接合により行われるので、第2のボンド5の接合の安定性が向上する。
【特許文献1】特開平04−107835(1992年4月9日公開)
【特許文献2】特開平04−294552(1992年10月19日公開)
【特許文献3】特開平10−335368(1998年12月18日公開)
【特許文献4】特許第3762475(1996年12月24日公開)
【特許文献5】特開2002−280414(2002年9月27日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図10(a)に示すように、前記ボールボンド5には、前記ボンディング用ワイヤ1がキャピラリー6のホール径(HD)およびチャンファー径(CD)に入り込まれることによるボール突起、前記ボンディング用ワイヤ1を引きちぎることによるワイヤ突起5aが形成され、前記ワイヤ突起5aの切断面に凹凸が形成される。そのため、図10(d)に示すように、前記ボンディング用ワイヤ1を前記ボールボンド5の上面にステッチボンド8で接合する際、前記キャピラリー6から繰り出された前記ボンディング用ワイヤ1の中心位置が、前記ボールボンド5上面の接合位置の前記ボール突起や前記ワイヤ突起5aによってずれてしまう。
【0012】
半導体チップ2上の隣接する電極パッド2aの配置間隔がそれほど狭くない半導体チップに対しては問題にはならないが、近年の小型・高密度化に伴って電極パッドの間隔のファインピッチ化に対応した半導体チップ2においては、図11(b)に示すように、ターミナル4と電極パッド2aとを接続するボンディング用ワイヤ1の中心が、ターミナル4上のボールボンド7中心と電極パッド2a中心とを結ぶ直線に対し、左右のどちらかに曲がってしまうと、隣接するワイヤ同士が接触するという問題がある。したがって、ターミナル4と電極パッド2aとの距離(ワイヤ長)が長くなればなるほど、ボンディング用ワイヤの曲がり量が大きくなり、隣接するワイヤ同士が接触する危険性もさらに高くなるという問題も発生する。
【0013】
なお、図12に示す方法を採用すると、ボンディング用ワイヤ1を繰り返して湾曲または屈曲しなければならないので、工程上時間がかかり、さらに、仮接合されたステッチボンドの上面は、ボンディング用ワイヤ1を屈曲または湾曲して潰している構造であって、ボールボンドの構造と比べ、接合強度が弱い問題がある。
【0014】
また、図12に示す方法において、仮接合後ボンディングワイヤ1を屈曲または湾曲させて、再びキャピラリー6を下降させて本接合に至る接合は、キャピラリー6で押しつぶされて平面的な面積が広くなってしまい、その特性上ファインパッドピッチのような電極パッド幅が狭いものに対しては対応できない問題もある。
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、接合強度が高く、半導体チップ上の電極パッドの間隔がファインピッチの場合であっても、隣接するワイヤ同士の接触を防止し、小型・薄型化を実現する半導体装置とそのワイヤボンディング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明に係るワイヤボンディング方法は、第1導電層と第2導電層とをボンディング用ワイヤにて接続する半導体装置のワイヤボンディング方法であって、前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第1ボールを、第1導電層上に接合する第1工程と、前記第1工程後、キャピラリーにより前記ボンディング用ワイヤを引き出し、前記キャピラリーの先端部が前記第2導電層の表面に接触しないように維持し、前記ボンディング用ワイヤをステッチボンディング法により前記第2導電層上に接合する第2工程と、前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層上の接続部の根元部分で切断する第3工程と、前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第2ボールを、前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程とを備えることを特徴とする。
【0017】
これによれば、前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層上の接続部の根元部分で切断した後に前記ボンディング用ワイヤにボールを形成して接合するので、第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。また、ステッチボンドを半導体チップ上の電極パッド上の平坦な面に仮接合してなされるため、前記ボンディング用ワイヤのボンド位置ずれは生じることはなく、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ワイヤ長が長くなっても、ワイヤは曲がることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、接続することができる。
【0018】
また、上記方法において、ステッチボンディング法による仮接合は、キャピラリーが通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制されており、前記ステッチボンディング法による接合部分(ステッチボンド)の平面的な面積も狭い。さらに、仮接合されたステッチボンドへの第2ボールの接合(ボールボンド)は、円形形状でその接合面積も小さいため、その特性上ファインパッドピッチのボンディングに対応できる。
【0019】
また、キャピラリーの先端部が導電層の表面に接触しないので、導電層の表面にダメージを与えない。
【0020】
そして、前記第3工程において、前記キャピラリーを上昇させ、クランパで前記ボンディング用ワイヤを挟み固定してから、前記キャピラリーを上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断する。これによれば、前記ボンディング用ワイヤを容易に切断することができる。
【0021】
また、前記第3工程において、前記キャピラリーを水平方向に5〜10μm程度動かし、その後、上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することが好ましい。これによれば、ステッチボンドの仮接合では、接合面に対して水平方向に物理的な力が加わるため、導電層とボンディング用ワイヤとの擦れ作用を高め、ステッチボンドで仮接合の維持をより確実にすることができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明に係る半導体装置は、第1導電層と、第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層を接続するためのボンディング用ワイヤとを備え、前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第1接合部をボールボンディング法により形成し、前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第2接合部をステッチボンディング法により形成してからその根元部分で切断し、前記第2接合部の上に前記ボンディング用ワイヤをボールボンディング法により接合してなることを特徴とする。
【0023】
これによれば、前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとをボールボンディング法により接合し、前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとをステッチボンディング法により接合した後、接合された部分の根元を切断し、根元で切断された接合部にボールボンディング法により前記ボンディング用ワイヤを接合したので、ボンド位置ずれが生じらなく、前記第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るワイヤボンディング方法および半導体装置は、以上のように、ボンディング用ワイヤを導電層上の接続部の根元部分で切断した後に前記ボンディング用ワイヤにボールを形成してさらに接合するので、第2導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度を向上させ、接続信頼性を確保することができる。また、導電層上のステッチボンドが平坦な面に仮接合してなされるため、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ワイヤ長が長くなっても、ワイヤは曲がることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、接続することができる。ステッチボンドの仮接合は、ボンディングキャピラリーの先端が半導体チップ表面または電極パッド面に接触しないようにすることで、ボンディングキャピラリーの押圧力が直接印加されるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図1〜7に基づいて、本発明の好適な実施形態について、詳細に説明する。
(実施例1)
図2は、本発明の第1の実施形態における半導体装置の部分断面図である。図2に示すように、ターミナル4と半導体チップ2上の電極パッド2aとは、ボールボンド7、ボンディング用ワイヤ1およびボールボンド5を介して接続される。半導体チップ2の最 上層表面は、絶縁のためパッシベーション膜3を形成し、パッシベーション膜3を部分開口して電極パッド2aを形成している。
【0026】
図1は、本発明に係る半導体装置の製造工程を説明するための断面図である。すなわち、図1(a)〜(f)は、ワイヤボンディング方法を説明するための断面図であり、ターミナル4からボールボンド7を介して、引き回したボンディング用ワイヤ1をキャピラリー6で電極パッド2a上に接合する様子を工程順に表わした拡大図である。なお、ターミナル4へのボールボンド7は、周知の手法で実施しているものとする。キャピラリー6は、ワイヤボンディング工程に用いるツールであり、円筒形の中心に設けた貫通孔にボンディング用ワイヤ1を通し、キャピラリー6を任意方向に動作制御し、被接続部にボンディング用ワイヤ1を接続するものである。
【0027】
図1(a)は、電極パッド2a上にステッチボンドで接合部2bを仮接合している工程の断面図である。キャピラリー6の先端部6bを電極パッド2a上のボンディング位置まで移動させて、電極パッド2a上にキャピラリー6の先端部6bでボンディング用ワイヤ1(以下、分かりやすくするために、キャピラリー6の中心に設けた貫通孔を通す部分のボンディング用ワイヤをワイヤ1aと、ターミナル4と接続する部分のボンディング用ワイヤをワイヤ1と称する)を押圧して、ワイヤ1aと電極パッド2aとを接合させる。このとき、例えば半導体チップ2を120〜270℃程度に加熱し、キャピラリー6に超音波振動を印加する手法、つまり、熱と荷重に加えて超音波を併用することによりボンディングする一般的な超音波併用熱圧着ワイヤボンディング手法を用いる。この場合、キャピラリー6は、通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制することによって、キャピラリー6の先端部6bと半導体チップ2に形成したパッシベーション膜3とが接触しないように動作制御する。これで、ステッチボンディング法によるワイヤ1aと電極パッド2aとの仮接合を完成する。
【0028】
上記のように、ワイヤ1aを、電極パッド2a上にステッチボンディング法により仮接合し、図1(b)の矢印の方向にキャピラリー6を上昇させると、キャピラリー6の先端部6bと仮接合された接合部2bとが離れる状態となる。このとき、ワイヤ1aのキャピラリー6の先端で押圧された部位は、平面的に押し潰された状態になる。上記のように、通常のステッチボンドの数割の印加エネルギーに抑制しているので、押し潰される面積は、通常のステッチボンドの平面的な面積に比べて少ないものとなる。
【0029】
次に、図1(c)に示すように、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み固定し、キャピラリー6を矢印の方向にさらに引き上げることにより、ワイヤ1を、ステッチボンドで仮接合を維持したままで、ステッチボンド部の根元部分で切断される。
【0030】
次に、図1(d)に示すように、スパーク電極(図示せず)とキャピラリー6の貫通孔から繰り出されたワイヤ1aとでスパーク放電を起こすと、キャピラリー6の下方部でボール5'を形成する。
【0031】
次に、図1(e)に示すように、キャピラリー6を矢印のように下方に移動させ、前記ボール5'を、電極パッド2a上に形成したステッチボンド上部にボールボンディング法により本接合する。このとき、本接合は、一般的な超音波併用熱圧着ワイヤボンディング手法により、電極パッド2a上にステッチボンドを介してボールボンド5を形成し、電極パッド2aとワイヤ1の接合をする。これにより、ボンディング用ワイヤ1と電極パッド2aとの接合を確実にする。
【0032】
次に、図1(f)に示すように、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み引くようにすると、ワイヤ1aは、ボールボンド5の根元部分で切断される。これにより、ワイヤ1に対するボンディング工程が終了し、図2に示す構造が得られる。
【0033】
以上のようなワイヤボンディング方法によれば、キャピラリー6の先端部6aが半導体チップ2上に形成したパッシベーション膜3に接触しないので、電極パッド2a上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリー6の上下動作による衝撃が、直接半導体チップ2にダメージを与えなることはない。また、仮接合のステッチボンド上部に、再度ボールボンド5を本接合でボンディングを行うことによって、ワイヤ1と電極パッド2aとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッド2aの面にステッチボンドを行うので、ワイヤ1aのボンド位置中心がずれることがない。従って、ワイヤ1は曲がったりせず、ターミナル4と電極パッド2aとのワイヤ直進性が高まり、電極パッド2aの間隔がファインピッチになっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
【0034】
また、従来の正ボンディングに対する逆ボンディングのメリットは、そのまま踏襲されているため、半導体チップ上のボンディング用ワイヤ高さを低くすることができ、電極パッドとターミナル間のボンディング用ワイヤ長も短くすることができる。
(実施例2)
図3は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の部分断面図であり、第2の実施形態のステッチボンドで仮接合後からボンディング用ワイヤを切断する工程の他の実施形態を説明するための図である。つまり、第1の実施形態の製造工程の図1(a)〜(c)の変形例を表わすものである。上記の第1の実施形態は、キャピラリー6の上部にあるクランパ(図示せず)で、ワイヤ1aを挟み固定し、キャピラリー6を上方に引き上げてボンディング用ワイヤの切断を行うことである。第2の実施形態では、キャピラリー6を仮接合点から、ターミナル4(図2を参照)から電極パッド2aに向けた水平方向に5〜10μm程度動かした後、キャピラリー6を上方に引き上げてボンディング用ワイヤ1aの切断を行う。つまり、キャピラリー6の中心がL1からL2まで水平方向にずれることになる。この結果、ステッチボンドの仮接合された接合部2bでは、接合面に対して水平方向に物理的な力が加わるため、電極パッド2aとワイヤ1(1a)との擦れ作用が高まり、ワイヤ1(1a)はステッチボンドで仮接合の維持をより確実にすることができ、ステッチボンド部の根元部分でワイヤ延性により切断しやすくする効果がある。また、ワイヤループ形成の延伸効果の作用もあるため、ワイヤ1のループ形成の直進性を向上し、ループの安定化を図ることができる。図3(c)以降の工程については、第1の実施形態を説明するための図1(d)〜(f)に示す製造工程と同様である。
(実施例3)
図4は、本発明の第3の実施形態における半導体装置の部分断面図である。図4に示すように、電極パッド2aを形成した半導体チップ2と、電極パッド2a’を形成した半導体チップ2’とを、ワイヤ1で接続する場合においても、本発明の適用が可能である。この場合、実施例1に示すターミナル4に対応するものが、本実施例においては半導体チップ2’上に形成した電極パッド2a’とするものである。
【0035】
半導体チップ2上の電極パッド2aへのボンディング用ワイヤ接合方法は、実施例1又は実施例2と同様である。
【0036】
本実施例の場合も、実施例1又は実施例2の場合と同様に、キャピラリー6の先端が半導体チップ2上に形成したパッシベーション膜3に接触しないので、電極パッド2a上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリー6の上下動作による衝撃が、直接半導体チップ2にダメージを与えることはない。また、仮接合のステッチボンド上部に、再度ボールボンド5を本接合でボンディングを行うことによって、ワイヤ1と電極パッド2aとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッド2aの面にステッチボンドを行うので、ワイヤ1のボンド位置中心がずれることはない。従って、ワイヤ1は曲がったりしないので、電極パッド2aと電極パッド2a’とのワイヤ直進性が高まり、電極パッド2aの間隔がファインピッチになっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
(実施例4)
次に、図5〜7を用いて本発明の第4の実施形態について説明する。図5は、小型・薄型の半導体装置を示し、図6は、複数の半導体チップを積層した小型・大容量の半導体装置を示し、図7は、複数の半導体チップを平面的に並べた薄型・大容量の半導体装置の一例を示している。
【0037】
近年、小型・高密度・多ピン化に伴い、半導体チップ上の電極パッドの配置は、ファインパッドピッチ化が進んでいる。
【0038】
図5に示された小型・薄型の半導体装置は、基材と配線パターンと絶縁層で構成された配線基板108と、配線基板108上に搭載した半導体チップ102と、封止樹脂106と、外部電極107とを備える。封止樹脂106は、ボンディング用ワイヤ101と、半導体チップ102と、ターミナル104とを覆い保護している。
【0039】
図6に示された半導体装置は、配線基板108上に第1の半導体チップ102と第2の半導体チップ102’とを周知の手法により積層して搭載し、小型・大容量を実現するものである。第1の半導体チップ102の逆ボンディングのボンディング用ワイヤ101は、第2の半導体チップ102’の正ボンディングのボンディング用ワイヤ101’を跨るように接続しているため、必然的に高段差でかつロングループのボンディング用ワイヤによる接続が要求される。
【0040】
図7に示された半導体装置は、配線基板108上に第1の半導体チップ102と第2の半導体チップ102’とを周知の手法により平面的に搭載し、薄型・大容量を実現するものである。第1の半導体チップ102上の電極パッド102aと、第2の半導体チップ102’上の電極パッド102’aとの間のボンディング用ワイヤ接続を、逆ボンディングによって形成している。この結果、一旦、ターミナルを介してそれぞれの第1と第2の半導体チップ上の電極パッドに接続するものに比べて、第1と第2の半導体チップの電極パッドを直接ボンディング用ワイヤで接続することができるので、半導体チップの間隔を狭くすることができ、半導体装置の小型化を実現することができる。
【0041】
上記のような種々の半導体装置に本発明のワイヤボンディング方法を適用することができる。その結果、キャピラリーの先端が半導体チップ上に形成したパッシベーション膜に接触しないで、電極パッド上に仮接合のステッチボンドが可能となり、キャピラリーの上下動作による衝撃が、直接半導体チップにダメージを与えることはない。
【0042】
また、仮接合のステッチボンド上部に、ボールボンドを、再度本接合でボンディングすることによって、ボンディング用ワイヤと電極パッドとの接合安定性も向上することができる。また、平坦な電極パッドの面にステッチボンドを行うので、ボンディング用ワイヤの中心位置がずれることはない。従って、ボンディング用ワイヤは曲がったりせず、ワイヤループ直進性が高まり、電極パッドの間隔がファインピッチになっても、ボンディング用ワイヤが高段差でかつロングループ化になっても、隣接するワイヤ同士で接触することはない。
【0043】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲での各種半導体装置の構造に適した実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明に係るワイヤボンディング方法は、ボンディング用ワイヤを曲げることがないので、隣接するワイヤ同士で接触することなく、ステッチボンドの仮接合は、ボンディングキャピラリーの先端が、例えば半導体チップ表面または電極パッド面に接触しないので、ボンディングキャピラリーの押圧力が直接印加されるのを防ぐことができる。また、ステッチボンド仮接合後、ステッチボンド上部に再度ボールボンディングにより接合するので、導電層とボンディング用ワイヤとの接合強度も向上し、接続信頼性も確保することができて、半導体装置のワイヤボンディングに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)〜(f)は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造工程を説明するための断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の部分断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、本発明の第2の実施形態における半導体装置の部分断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態における半導体装置の部分断面図である。
【図5】本発明係るワイヤボンディング方法を用いた小型・薄型の半導体装置を示す図である。
【図6】本発明係るワイヤボンディング方法を用いた複数の半導体チップを積層した小型・大容量の半導体装置を示す図である。
【図7】本発明係るワイヤボンディング方法を用い複数の半導体チップを平面的に並べた薄型・大容量の半導体装置を示す図である。
【図8】従来技術のワイヤボンディング方法による正ボンディング状態を示す図である。
【図9】従来技術のワイヤボンディング方法による逆ボンディング状態を示す図である。
【図10】(a)〜(d)は、従来技術のワイヤボンディング方法の製造工程を説明するための断面図である。
【図11】(a)、(b)は、従来技術のワイヤボンディング方法に存在する問題点を示すための上面図、断面図である。
【図12】(a)〜(c)は、従来技術の他のワイヤボンディング方法の製造工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1、1a、101、101’ ボンディング用ワイヤ
2、2’、102、102’ 半導体チップ
2a、2a’、102a、102’a 電極パッド(第2導電層)
2b 接合部
3、3’、103、103’ パッシベーション膜
4、104 ターミナル(第1導電層)
5、7 ボールボンド
5’ ボール
6 キャピラリー
6a、6b 先端部
6c クランパ
8 ステッチボンド
105 半導体チップ搭載部
106 封止樹脂
107 外部電極
108 配線基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電層と第2導電層とをボンディング用ワイヤにて接続する半導体装置のワイヤボンディング方法であって、
前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第1ボールを前記第1導電層の上に接合する第1工程と、
前記第1工程が完了後、キャピラリーにより前記ボンディング用ワイヤを引き出し、前記キャピラリーの先端部が前記第2導電層の表面に接触しないように維持し、前記ボンディング用ワイヤをステッチボンディング法により前記第2導電層の上に接合する第2工程と、
前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層の上の接続部の根元部分で切断する第3工程と、
前記ボンディング用ワイヤの切断された側の先端に形成した第2ボールを、前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程と、を備えることを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
前記第3工程において、前記キャピラリーを上昇させ、クランパで前記ボンディング用ワイヤを挟み固定し、再度、前記キャピラリーを上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング方法。
【請求項3】
前記第3工程において、前記キャピラリーを水平方向に5〜10μm程度動かし、その後、上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング方法。
【請求項4】
前記第2工程において、超音波併用熱圧着のワイヤボンディング手法を用いて接合を行なうことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のワイヤボンディング方法。
【請求項5】
第1導電層と、第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層を接続するためのボンディング用ワイヤとを備える半導体装置であって、
前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第1接合部をボールボンディング法により形成し、
前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第2接合部をステッチボンディング法により形成してからその根元部分で切断し、
前記第2接合部の上に前記ボンディング用ワイヤをボールボンディング法により接合してなることを特徴とする半導体装置。
【請求項1】
第1導電層と第2導電層とをボンディング用ワイヤにて接続する半導体装置のワイヤボンディング方法であって、
前記ボンディング用ワイヤの先端に形成した第1ボールを前記第1導電層の上に接合する第1工程と、
前記第1工程が完了後、キャピラリーにより前記ボンディング用ワイヤを引き出し、前記キャピラリーの先端部が前記第2導電層の表面に接触しないように維持し、前記ボンディング用ワイヤをステッチボンディング法により前記第2導電層の上に接合する第2工程と、
前記ボンディング用ワイヤを前記第2導電層の上の接続部の根元部分で切断する第3工程と、
前記ボンディング用ワイヤの切断された側の先端に形成した第2ボールを、前記第3工程の切断により形成されたワイヤ切断部の上部に接合する第4工程と、を備えることを特徴とするワイヤボンディング方法。
【請求項2】
前記第3工程において、前記キャピラリーを上昇させ、クランパで前記ボンディング用ワイヤを挟み固定し、再度、前記キャピラリーを上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング方法。
【請求項3】
前記第3工程において、前記キャピラリーを水平方向に5〜10μm程度動かし、その後、上方に引き上げることにより、前記ボンディング用ワイヤを切断することを特徴とする請求項1記載のワイヤボンディング方法。
【請求項4】
前記第2工程において、超音波併用熱圧着のワイヤボンディング手法を用いて接合を行なうことを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載のワイヤボンディング方法。
【請求項5】
第1導電層と、第2導電層と、前記第1導電層と前記第2導電層を接続するためのボンディング用ワイヤとを備える半導体装置であって、
前記第1導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第1接合部をボールボンディング法により形成し、
前記第2導電層と前記ボンディング用ワイヤとを接続する第2接合部をステッチボンディング法により形成してからその根元部分で切断し、
前記第2接合部の上に前記ボンディング用ワイヤをボールボンディング法により接合してなることを特徴とする半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−73747(P2010−73747A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236911(P2008−236911)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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