説明

ワイヤボンディング装置

【課題】スライドウィンドウを用いなくてもボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができるワーククランプを提供する。
【解決手段】ワーククランプは、ボンディング作業を行う空間である内部中空部14bと、内部中空部の下に設けられ、内部中空部に複数のワークのボンディングエリアを入れ、下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入するための下部開口部14aと、前記内部中空部の上に設けられ、前記ボンディングエリアを露出させる上部開口部14cと、前記内部中空部の側方全体を覆う内壁14eと、前記内壁の上部に設けられ、前記内部中空部に第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、前記内壁の上部に設けられ、前記第1のガス導入口と対向する位置に設けられ、前記内部中空部に第3の酸化防止ガスを導入するための第2のガス導入口とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーククランプ及びそれを用いたワイヤボンディング装置に係わり、特に、ボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができるワーククランプ及びワイヤボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来のワイヤボンディング装置を説明するための断面図である。このワイヤボンディング装置は、ワーク9にワイヤボンディングを行うものであり、ボンディングチップ7が載置されたリードフレーム8がボンディング対象のワーク9である。このワーク9が複数連なったものがレール(図示せず)によって搬送されワイヤボンディングを行うようになっている。
【0003】
ワイヤボンディング装置は、ワーク9を加熱するヒータープレート6を有し、このヒータープレート6上で複数のワーク9をクランプするワーククランプ4を有している。ワーククランプ4には複数のボンディングエリア開口部4aが設けられている。これらのボンディングエリア開口部4aは、ワーククランプ4によって複数のワーク9をクランプした際に、複数のワークのボンディングエリア(即ちボンディングチップ及びその周辺のリード部分)それぞれを露出させる開口部である。
【0004】
ワーククランプ4には、複数のボンディングエリア開口部4aの上に位置する空間4bが設けられており、この空間4b上に位置するスライドウィンドウ5がワーククランプ4の上に配置されている。空間4bは、ワイヤボンディング作業を行うための空間である。
【0005】
スライドウィンドウ5にはボンディング作業用開口部5a及びティーチング用開口部5bが設けられている。ボンディング作業用開口部5aの上方にはボンディングヘッドのボンディングツール(キャピラリ)10が配置されており、このボンディングツール10はワーク9のボンディングエリアにワイヤボンディングを行うものである。また、ティーチング用開口部5bの上方には撮像手段11が設けられており、この撮像手段11はティーチング用開口部5bを通してボンディング対象であるワーク9の位置を認識するものである。なお、ボンディング作業用開口部5a及びティーチング用開口部5bそれぞれは、一つのワーク9又は1行(「行」とは、レールによってワークが搬送される方向に対して垂直方向とする。)のワーク9に対してボンディング作業又はティーチングが行える大きさの開口部である。
【0006】
また、ヒータープレート6の熱によって発生する陽炎が撮像手段11によってワーク9の位置を認識する妨げとなるため、ワイヤボンディング装置は陽炎除去のためのエアブロー機構(図示せず)を有している。
【0007】
ボンディングヘッドのボンディングツール10と撮像手段11とスライドウィンドウ5は、制御部(図示せず)によって一体的に移動可能に制御されている。この制御部は、ワーク9にワイヤボンディングを行う際にボンディングヘッドの位置を制御するものである。
【0008】
また、ワイヤボンディング装置は、リードフレーム8がベアカッパーリードフレームである場合もしくはボンディングワイヤが銅である場合に、ワイヤボンディング時における銅の酸化を防ぐ機構を有している。この機構は、ワーククランプ4の空間4b及び前記レールの周囲に、不活性ガス又は還元ガス(例えば窒素ガス、窒素を含む混合ガス、アルゴンガス等)のような酸化防止ガスを充満させ、外気の混入を防ぐことにより、ベアカッパーリードフレーム又は銅のボンディングワイヤの酸化を防ぐ機構である。
【0009】
酸化を防ぐ機構を詳細に説明する。
ヒータープレート6にはガス経路6a,6bが設けられており、ガス経路6aの一端はリードフレーム8の開口を介してワーククランプ4の空間4bに繋げられており、ガス経路6bの一端は前記レールの周囲に繋げられている。ガス経路6a,6bの他端は、酸化防止ガスを供給するガス供給源Eに繋げられている。これにより、ガス供給源Eから供給される酸化防止ガスは、矢印のように、ガス経路6a、リードフレーム8の開口、空間4bを通ってボンディング作業用開口部5a及びティーチング用開口部5bそれぞれから外部へ流されるとともに、矢印のように、ガス経路6b及びワーククランプ4とヒータープレート6との間を通って前記レールの周囲に流される。
【0010】
上記従来のワイヤボンディング装置では、ワーク9の下から上に酸化防止ガスを流すことによりワークの酸化を防止している(例えば特許文献1参照)。
【0011】
ところで、上記従来のワイヤボンディング装置では、ワイヤボンディングを行う際に、矢印で示すようにボンディング作業用開口部5aから酸化防止ガスが勢いよく吹き出されるため、キャピラリ10の先端に形成されるフリーエアボールの偏芯又はボール径のばらつきが発生することがある。
【0012】
また、上記従来のワイヤボンディング装置は、スライドウィンドウ5のボンディング作業用開口部5aを通してワーク9にワイヤボンディング作業を行った後、スライドウィンドウ5を移動させることで、隣のワーク9の上方にボンディング作業用開口部5aを位置させ、同様のワイヤボンディング作業を繰り返すものである。このため、スライドウィンドウ5を移動させる際の振動や可動部分の擦れによって塵が発生することがあり、その塵がボンディングエリアに落ちてくることでボンディングに悪影響を及ぼすことがある。
【0013】
また、上記従来のワイヤボンディング装置では、陽炎を除去するためのエアブロー機構を用いているため、エアブローによってワーククランプ4の空間4bに空気をまきこむことがある。その結果、空間4b内の酸化防止ガスの濃度が低下してしまい、酸化防止効果が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平2−112246号公報(269頁左下欄及び第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の一態様は、スライドウィンドウを用いなくてもボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができるワーククランプ及びワイヤボンディング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様は、ワイヤボンディング装置に用いられるワーククランプにおいて、
酸化防止ガスの雰囲気にしながら複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を行う空間である内部中空部と、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部であって前記内部中空部に下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入するための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、
前記内壁の上部に設けられ、前記内部中空部に第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、
前記内壁の上部に設けられ、前記第1のガス導入口と対向する位置に設けられ、前記内部中空部に第3の酸化防止ガスを導入するための第2のガス導入口、又は前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部から排出するための第1のガス排出口と、
を具備することを特徴とするワーククランプである。
【0017】
上記ワーククランプによれば、ワイヤボンディングを行う際に、第1の酸化防止ガスを内部中空部の下方から上方に向けて導入し、内壁の上部に設けられた第1のガス導入口から第2の酸化防止ガスを内部中空部に導入し、第1のガス導入口と対向する位置に設けられた第2のガス導入口から第3の酸化防止ガスを内部中空部に導入することで、内部中空部を酸化防止ガスによって充満させることにより、ボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができる。
【0018】
また、上記ワーククランプによれば、ワイヤボンディングを行う際に、第1の酸化防止ガスを内部中空部の下方から上方に向けて導入し、内壁の上部に設けられた第1のガス導入口から第2の酸化防止ガスを内部中空部に導入し、第1のガス導入口と対向する位置に設けられた第1のガス排出口に前記第2の酸化防止ガスを内部中空部から排出することで、内部中空部を酸化防止ガスによって充満させることにより、ボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができる。
【0019】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、
前記第1のガス導入口に一端が繋げられた第1のガス経路と、
前記第1のガス経路の他端に繋げられ、前記第1のガス経路に前記第2の酸化防止ガスを導入する第3のガス導入口と、
前記第2のガス導入口に一端が繋げられた第2のガス経路と、
前記第2のガス経路の他端に繋げられ、前記第2のガス経路に前記第3の酸化防止ガスを導入する第4のガス導入口、又は前記第2の酸化防止ガスを前記第2のガス経路から排出する第2のガス排出口と、
を具備し、
前記第3のガス導入口と前記第4のガス導入口との間に前記内部中空部が位置することも可能である。
【0020】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、
前記第1のガス導入口は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを導入するものであり、
前記第2のガス導入口は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に前記第3の酸化防止ガスを導入するものであり、又は、前記第1のガス排出口は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを吸い込むものであり、
前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であることが好ましい。
【0021】
本発明の一態様は、ワイヤボンディング装置に用いられるワーククランプにおいて、
酸化防止ガスの雰囲気にしながら複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を行う空間である内部中空部と、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部であって前記内部中空部に下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入するための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、
前記内壁の上端に繋げられ、前記ワーククランプの上面に対して掘り下げられた第1の窪みと、
前記ワーククランプの上面に設けられ、前記第1の窪みを覆う第1のガスカバーと、
前記第1の窪みに一端が繋げられた第1のガス経路と、
前記第1のガス経路の他端に設けられ、前記第1のガス経路に第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、
前記内壁の上端に繋げられ、前記第1の窪みと対向する位置に設けられ、前記ワーククランプの上面に対して掘り下げられた第2の窪みと、
前記ワーククランプの上面に設けられ、前記第2の窪みを覆う第2のガスカバーと、
前記第2の窪みに一端が繋げられた第2のガス経路と、
前記第2のガス経路の他端に設けられ、前記第2のガス経路に第3の酸化防止ガスを導入するための第2のガス導入口、又は前記第2の酸化防止ガスを前記第2のガス経路から排出するためのガス排出口と、
を具備し、
前記第1の窪みと前記第1のガスカバーとによって形成された第1の空間は、前記第1のガス経路に導入された前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部に導入するための空間であり、
前記第2の窪みと前記第2のガスカバーとによって形成された第2の空間は、前記第2のガス経路に導入された前記第3の酸化防止ガスを前記内部中空部に導入するため、又は前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部から排出するための空間であることを特徴とするワーククランプである。
【0022】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、
前記第1の空間は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを導入するものであり、
前記第2の空間は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に前記第3の酸化防止ガスを導入するもの、又は前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを吸い込むものであり、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であることが好ましい。
【0023】
本発明の一態様は、ワイヤボンディング装置に用いられるワーククランプにおいて、
酸化防止ガスの雰囲気にしながら複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を行う空間である内部中空部と、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部であって前記内部中空部に下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入するための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、
前記内壁の上端に繋げられ、前記内部中空部の周囲全体に設けられ、前記ワーククランプの上面に対して掘り下げられた窪みと、
前記ワーククランプの上面に設けられ、前記窪みを覆うガスカバーと、
前記窪みに一端が繋げられた第1のガス経路と、
前記第1のガス経路の他端に設けられ、前記第1のガス経路に第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、
前記窪みに一端が繋げられ、前記第1のガス経路の一端と対向する位置に一端が設けられた第2のガス経路と、
前記第2のガス経路の他端に設けられ、前記第2のガス経路に第3の酸化防止ガスを導入するための第2のガス導入口、又は前記第2の酸化防止ガスを前記第2のガス経路から排出するためのガス排出口と、
を具備し、
前記窪みと前記ガスカバーとによって形成された空間は、前記第1のガス経路に導入された前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部に導入し、且つ、前記第2のガス経路に導入された前記第3の酸化防止ガスを前記内部中空部に導入するため、又は前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部から排出するための空間であることを特徴とするワーククランプである。
【0024】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、
前記第1のガス経路の一端は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを導入するものであり、
前記第2のガス経路の一端は、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に前記第3の酸化防止ガスを導入するもの、又は前記下部開口部に入れられる前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを吸い込むものであり、
前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であることが好ましい。
【0025】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、前記第1のガス導入口と前記第2のガス導入口又は前記ガス排出口との間に前記内部中空部が位置することが好ましい。
【0026】
また、本発明の一態様に係るワーククランプにおいて、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークは、2列以上に配置されたワークであることも可能である。
【0027】
本発明の一態様は、複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してワイヤボンディングを行う装置であって、
前記複数のワークを保持する保持部と、
前記複数のワークを前記保持部上に固定するワーククランプと、
前記複数のワークを加熱する加熱機構と、
前記加熱機構によって前記複数のワークを加熱しながら前記複数のワークに対してボンディングを行うボンディングツールと、
を具備し、
前記ワーククランプは、前述したいずれかの態様のものであることを特徴とするワイヤボンディング装置である。
【0028】
また、本発明の一態様に係るワイヤボンディング装置において、前記加熱機構はヒータープレートを有しており、前記ヒータープレートには、前記下部開口部を通して前記内部中空部に前記第1の酸化防止ガスを供給するためのガス供給経路が設けられていることが好ましい。
【0029】
本発明の一態様は、複数のワークを保持する保持部と、
前記複数のワークを前記保持部上に固定するワーククランプと、
前記ワーククランプに設けられた内部中空部と、
前記内部中空部に第1乃至第3の酸化防止ガスを導入するガス導入機構と、
前記複数のワークを加熱する加熱機構と、
前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を前記内部中空部内で行うボンディングツールと、
を具備し、
前記ワーククランプは、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、を有し、
前記ガス導入機構は、
前記加熱機構によって前記複数のワークを加熱しながら前記ボンディングツールによってボンディング作業を行う際に、前記下部開口部を通して前記内部中空部に下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に第3の酸化防止ガスを導入する機構であり、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であることを特徴とするワイヤボンディング装置である。
【0030】
本発明の一態様は、複数のワークを保持する保持部と、
前記複数のワークを前記保持部上に固定するワーククランプと、
前記ワーククランプに設けられた内部中空部と、
前記内部中空部に第1及び第2の酸化防止ガスを導入するガス導入機構と、
前記内部中空部から前記第2の酸化防止ガスを排出するガス排出機構と、
前記複数のワークを加熱する加熱機構と、
前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を前記内部中空部内で行うボンディングツールと、
を具備し、
前記ワーククランプは、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、を有し、
前記ガス導入機構は、
前記加熱機構によって前記複数のワークを加熱しながら前記ボンディングツールによってボンディング作業を行う際に、前記下部開口部を通して前記内部中空部に下方から上方に向けて前記第1の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを導入する機構であり、
前記ガス排出機構は、
前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを排出する機構であることを特徴とするワイヤボンディング装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の一態様を適用することで、スライドウィンドウを用いなくてもボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができるワーククランプ及びワイヤボンディング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態1によるワイヤボンディング装置を説明するための平面図である。
【図2】図1に示す20−20線に沿って切断した断面図である。
【図3】図1に示す30−30線に沿って切断した断面図である。
【図4】実施形態2によるワイヤボンディング装置を説明するための平面図である。
【図5】図4に示す40−40線に沿って切断した断面図である。
【図6】従来のワイヤボンディング装置を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0034】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態によるワイヤボンディング装置を説明するための平面図である。図2は、図1に示す20−20線に沿って切断した断面図である。図3は、図1に示す30−30線に沿って切断した断面図である。
【0035】
本実施形態のワイヤボンディング装置は、ワーク19にワイヤボンディングを行うものであり、ボンディングチップ17が載置されたリードフレーム18がボンディング対象のワーク19である。このワーク19が複数連なったものがレール(図示せず)によって搬送されワイヤボンディングを行うようになっている。なお、図1に示すように、リードフレーム18には2列のボンディングチップ17が載置されている。また、本実施形態のワイヤボンディング装置は、従来のワイヤボンディング装置のようなスライドウィンドウを有していない。
【0036】
ワイヤボンディング装置は、図2及び図3に示すように、ワーク19を加熱するヒータープレート3を有し、このヒータープレート3上で複数のワーク19をクランプするワーククランプ14を有している。ヒータープレート3は、ワイヤボンディング時にワーク19を30〜500℃程度に加熱するためのものである。
【0037】
また、ワイヤボンディング装置は、リードフレーム18がベアカッパーリードフレームである場合もしくはボンディングワイヤが銅である場合に、ワイヤボンディング時における銅の酸化を防ぐ機構を有している。この機構の詳細は後述する。
【0038】
ワーククランプ14は図2及び図3に示すように内部中空部14bを有しており、この内部中空部14bは、不活性ガス又は還元ガス(例えば窒素ガス、窒素を含む混合ガス、アルゴンガス等)のような酸化防止ガスの雰囲気にしながら複数のワーク19のボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を行う空間である。この内部中空部14bの下には、内部中空部14bに複数のワーク19のボンディングエリアを入れるための複数の下部開口部14aが設けられている。これらの下部開口部14aは、図1に示すように、ワーククランプ14によって複数のワーク19をクランプした際に、複数のワーク19のボンディングエリア(即ちボンディングチップ17及びその周辺のリード部分)それぞれを露出させる開口部である。言い換えると、下部開口部14aは、リードフレーム18を押さえる押さえ部の先端によって形成されており、この押さえ部の先端はリードフレーム18のボンディングエリアを囲みながら押さえるものである。
【0039】
内部中空部14bの上には上部開口部14cが設けられており、この上部開口部14cによってクランプされた複数のワーク19のボンディングエリアを内部中空部14bを通して露出させることができる。なお、上部開口部14cの平面形状は、図1に示すように四角形である。
【0040】
ワーククランプ14は、上部開口部14cと下部開口部14aとの間に位置する内部中空部14bの側方全体を覆う内壁14eを有している。この内壁14eは傾斜面を有している。
【0041】
上部開口部14cの上方にはボンディングヘッドのボンディングツール(キャピラリ)10が配置されており、このボンディングツール10はワーク19のボンディングエリアにワイヤボンディングを行うものである。また、上部開口部14cの上方には撮像手段11が設けられており、この撮像手段11は上部開口部14cを通してボンディング対象であるワーク19の位置を認識するものである。なお、上部開口部14cは、複数のワーク19に対してボンディング作業又はティーチングが行える開口部である。
【0042】
ボンディングヘッドのボンディングツール10と撮像手段11は、制御部(図示せず)によって移動可能に制御されている。この制御部は、ワーク19にワイヤボンディングを行う際にボンディングヘッドの位置を制御するものである。
【0043】
下部開口部14aには、図2及び図3に示すようにワーククランプ14によって複数のワーク19をクランプした際においても、矢印21のように第1の酸化防止ガスを内部中空部に下方から上方に向けて導入するための開口が形成される。この開口は、ヒータープレート3に設けられた第1のガス経路16aの一端に空間的に繋げられており、第1のガス経路16aの他端は酸化防止ガスを供給するガス供給源Aに繋げられている。これにより、ワイヤボンディング時において、ガス供給源Aから供給される第1の酸化防止ガスは、矢印22,21のように、第1のガス経路16a、リードフレーム8の開口、下部開口部14a、内部中空部14bを通って上部開口部14cからワーククランプ14の外部へ流される。つまり、内部中空部14bでは、ワイヤボンディング時に第1の酸化防止ガスが矢印21のように下方から上方に向けて流される。
【0044】
また、ヒータープレート3には、図2に示すように第2のガス経路16bが設けられている。第2のガス経路16bの一端は前記レールの周囲の空間に繋げられており、第2のガス経路16bの他端は酸化防止ガスを供給するガス供給源Aに繋げられている。これにより、ワイヤボンディング時において、ガス供給源Aから供給される第1の酸化防止ガスは、矢印23のように、第2のガス経路16b及びワーククランプ14とヒータープレート3との間を通って前記レールの周囲に流される。
【0045】
また、図2及び図3に示すように、ワーククランプ14には、その上面14fに対して掘り下げられた窪み(凹部又は溝部)14dが設けられている。この窪み14dは、内壁14eの上端に繋げられ且つ内部中空部14bの周囲全体に設けられている。つまり、窪み14dは、図1に示すように上部開口部14cを囲むように形成されている。
【0046】
ワーククランプの上面には窪み14dを覆うための第1及び第2のガスカバー2a,2bが配置されている。詳細には、図1に示すように、第1のガスカバー2aは、リードフレーム18の一方の列のボンディングチップ17の外側に位置されており、第2のガスカバー2bは、リードフレーム18の他方の列のボンディングチップ17の外側に位置されている。
【0047】
ワーククランプ14には、図3に示すように、窪み14dと第1のガスカバー2aとによって空間14iが形成されているとともに、窪み14dと第2のガスカバー2bとによって空間14jが形成されている。
【0048】
ワーククランプ14には、図3に示すように、窪み14dに一端が繋げられた第3のガス経路16cが設けられており、空間14iは、第3のガス経路16cに導入された第2の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入するための空間である。第3のガス経路16cの他端には第1のガス導入口14gが設けられており、第1のガス導入口14gは第3のガス経路16cに第2の酸化防止ガスを導入するため導入口である。第1のガス導入口14gは第2の酸化防止ガスを供給するガス供給源Bに繋げられている。これにより、ワイヤボンディング時において、ガス供給源Bから供給される第2の酸化防止ガスは、矢印24のように、第3のガス経路16c、窪み14dと第1のガスカバー2aとによって形成された空間14iを通って内部中空部14bに導入される。詳細には、第2の酸化防止ガスが第3のガス経路16cから空間14iに導入される際、第2の酸化防止ガスが第1のガスカバー2aにあたって横向きに面状又はカーテン状に流され、内部中空部14bに導入される。
【0049】
また、ワーククランプ14には、図3に示すように、窪み14dに一端が繋げられた第4のガス経路16dが設けられており、第4のガス経路16dの一端は第3のガス経路16cの一端と対向する位置に設けられている。空間14jは、第4のガス経路16dに導入された第3の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入するための空間である。第4のガス経路16dの他端には第2のガス導入口14hが設けられており、第2のガス導入口14hは第4のガス経路16dに第3の酸化防止ガスを導入するための導入口である。第2のガス導入口14hは第3の酸化防止ガスを供給するガス供給源Bに繋げられている。これにより、ワイヤボンディング時において、ガス供給源Bから供給される第3の酸化防止ガスは、矢印25のように、第4のガス経路16d、窪み14dと第2のガスカバー2bとによって形成された空間14jを通って内部中空部14bに導入される。詳細には、第3の酸化防止ガスが第4のガス経路16dから空間14jに導入される際、第3の酸化防止ガスが第2のガスカバー2bにあたって横向きに面状又はカーテン状に流され、内部中空部14bに導入される。
【0050】
また、図3に示すように、第1のガス導入口14gと第2のガス導入口14hとの間には内部中空部14bが位置されている。
【0051】
また、ワイヤボンディング時において、第3のガス経路16cから空間14iに導入された第2の酸化防止ガスは、図1に示す矢印24のように内部中空部14bに導入される。この際の第2の酸化防止ガスの導入方向は、図3に示すように、下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向である。この第1の方向は、リードフレーム18の表面と略平行な方向であり、第1の酸化防止ガスが流れる方向と略垂直方向である。
【0052】
また、ワイヤボンディング時において、第4のガス経路16dから空間14jに導入された第3の酸化防止ガスは、図1に示す矢印25のように内部中空部14bに導入される。この際の第3の酸化防止ガスの導入方向は、図3に示すように、下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第2の方向である。この第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であって、リードフレーム18の表面と略平行な方向であり、第1の酸化防止ガスが流れる方向と略垂直方向である。
【0053】
次に、ワーククランプ14の酸化を抑制する方法について詳しく説明する。
ワーク19をヒータープレート3によって加熱してボンディングを行う際、ボンディングワイヤ、ボンディングチップ17及びリードフレーム18の酸化を抑制するために、内部中空部14bに第1乃至第3の酸化防止ガスを導入して酸化防止ガスの雰囲気とする。詳細には、下部開口部14aを通して内部中空部14bに下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを矢印21のように導入し、且つ下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを矢印24のように導入し、且つ下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に第3の酸化防止ガスを矢印25のように導入する。前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向である。そして、内部中空部14bに導入された第1乃至第3の酸化防止ガスは、上部開口部14cから外部へ放出される。
【0054】
上記実施形態によれば、第1乃至第3の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入し、内部中空部14bを酸化防止ガスによって充満させることにより、ボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができる。詳細には、ボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入しながらボンディングエリアの上方を横断する第2の方向(第1の方向と逆方向)に第3の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するため、従来技術のスライドウィンドウを使用しなくてもボンディングエリア内を外気から遮断することができ、銅のボンディングワイヤ又はベアカッパーリードフレームの酸化を効果的に抑制することができる。
【0055】
また、下部開口部14aを通して内部中空部14bに下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入する際、スライドウィンドウが無いため、第1の酸化防止ガスが従来のワイヤボンディング装置に比べて流速を落としながら広い開口である上部開口部へ吹き上がっていく。このため、キャピラリ10の先端に形成されるフリーエアボールへ与える影響を軽減でき、その結果、フリーエアボールの偏芯又はボール径のばらつきが発生することを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態では、ボンディングエリアの上方を横断する方向に導入される第2及び第3の酸化防止ガスによって、撮像手段11である認識レンズ下の陽炎を吹き飛ばすことができるため、酸化防止ガスの濃度を低下させて酸化防止効果に悪影響を与える陽炎を除去するためのエアブローを使用する必要がなくなる。
【0057】
また、本実施形態では、スライドウィンドウを必要としないので、スライドウィンドウまたはそれを構成する部品から発生する塵により起こる問題を防ぐことができる。
【0058】
また、本実施の形態では、ベアカッパーリードフレームの酸化を防止できるため、リード表面をメッキ処理する必要がなくなり、メッキ工程にかかる時間、費用を削減することができる。
【0059】
なお、上記実施形態を次のような変形例として実施することも可能である。
【0060】
(変形例1)
上記実施形態において、ワーククランプ14に、その上面14fに対して掘り下げられた窪み14dを内部中空部14bの周囲全体に設けているのを、以下のように変形する。
【0061】
ワーククランプ14には、その上面14fに対して掘り下げられた第1及び第2の窪みが設けられている。第1及び第2の窪みそれぞれは、内壁14eの上端に繋げられている。第1の窪みは第2の窪みと対向する位置に設けられている。ワーククランプ14の上面には第1の窪みを覆うための第1のガスカバー2aが配置されており、ワーククランプ14の上面には第2の窪みを覆うための第2のガスカバー2bが配置されている。第1の窪みは第2の窪みに繋げられていない。
【0062】
第1の窪みには第3のガス経路16cの一端が繋げられており、第2の窪みには第4のガス経路16dの一端が繋げられている。第1の窪みと第1のガスカバー2aとによって形成された第1の空間は、第3のガス経路16cに導入された第2の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入するための空間である。第2の窪みと第2のガスカバー2bとによって形成された第2の空間は、第4のガス経路16dに導入された第3の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入するための空間である。
【0063】
前記第1の空間は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向(矢印24の方向)に第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するための空間である。前記第2の空間は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第2の方向(前記第1の方向と逆方向であって矢印25の方向)に第3の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するための空間である。
【0064】
上記変形例1においても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
(変形例2)
上記実施形態において、ワーククランプ14の上面14fに対して掘り下げられた窪み14dと、この窪み14dを覆うための第1及び第2のガスカバー2a,2bと、窪み14dに一端が繋げられた第3のガス経路16cと、第3のガス経路16cの他端に設けられた第1のガス導入口14gと、窪み14dに一端が繋げられた第4のガス経路16dと、第4のガス経路16dの他端に設けられた第2のガス導入口14hとを形成しているのを、これらを形成することなく、以下のように変形する。
【0066】
ワーククランプ14には、内部中空部14bの側方全体を覆う内壁の上部に位置する第3のガス導入口が設けられており、この第3のガス導入口は内部中空部14bに第2の酸化防止ガスを導入するための導入口である。また、ワーククランプ14には、内部中空部14bの側方全体を覆う内壁の上部に位置する第4のガス導入口が設けられており、この第4のガス導入口は、前記第3のガス導入口と対向する位置に設けられ、内部中空部14bに第3の酸化防止ガスを導入するための導入口である。
【0067】
ワーククランプ14には前記第3のガス導入口に一端が繋げられた第5のガス経路が設けられており、ワーククランプ14には前記第5のガス経路の他端に繋げられた第5のガス導入口が設けられている。この第5のガス導入口は、前記第5のガス経路に第2の酸化防止ガスを導入する導入口である。また、ワーククランプ14には前記第4のガス導入口に一端が繋げられた第6のガス経路が設けられており、ワーククランプ14には前記第6のガス経路の他端に繋げられた第5のガス導入口が設けられている。この第6のガス導入口は、前記第6のガス経路に第3の酸化防止ガスを導入する導入口である。前記第5のガス導入口と前記第6のガス導入口との間には内部中空部14bが位置される。
【0068】
前記第3のガス導入口は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するための導入口である。前記第4のガス導入口は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第2の方向(第1の方向と逆方向)に第3の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するための導入口である。
【0069】
上記変形例2においても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0070】
(変形例3)
上記実施形態において、2列のボンディングチップ17が載置されたリードフレーム18をボンディング対象のワーク19としているのを、3列以上のボンディングチップが載置されたリードフレームをボンディング対象のワークとする。
【0071】
上記変形例3においても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0072】
(実施形態2)
図4は、本実施形態によるワイヤボンディング装置を説明するための平面図であり、図5は、図4に示す40−40線に沿って切断した断面図であり、図1乃至図3と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
図5に示すように、窪み14dと第2のガスカバー2bとによって形成された空間14jは、第1又は第2の酸化防止ガスを内部中空部14bから第4のガス経路16dに導入するための空間である。
【0074】
また、図5に示すように、第4のガス経路16dの他端にはガス排出口14kが設けられており、このガス排出口14kは第4のガス経路16dから第1又は第2の酸化防止ガスを排出するための排出口である。ガス排出口14kは酸化防止ガスを排出するポンプ等の排出機構Dに繋げられている。これにより、ワイヤボンディング時において、内部中空部14b内の第1又は第2の酸化防止ガスは、矢印25aのように、空間14j及び第4のガス経路16dを通って排出機構Dによってワーククランプ14の外部に排出される。また、第1のガス導入口14gとガス排出口14kとの間には内部中空部14bが位置されている。
【0075】
ワイヤボンディング時において、第3のガス経路16cから空間14iに導入された第2の酸化防止ガスは、図4に示す矢印24のように内部中空部14bに面状又はカーテン状に導入される。この際の第2の酸化防止ガスの導入方向は、図5に示すように、下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向である。この第1の方向は、リードフレーム18の表面と略平行な方向であり、第1の酸化防止ガスが流れる方向と略垂直方向である。
【0076】
ワイヤボンディング時において、図4に示すように、第1又は第2の酸化防止ガスを矢印25aのように内部中空部14bから空間14jに面状又はカーテン状に吸い込むものであり、第1又は第2の酸化防止ガスを吸い込む方向は、下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する前記第1の方向である。また、空間14jに吸い込まれた第1又は第2の酸化防止ガスは、図5に示す矢印25aのように第4のガス経路16dを通ってガス排出口14kからワーククランプ14の外部に排出される。
【0077】
次に、ワーククランプ14の酸化を抑制する方法について詳しく説明する。
ワーク19をヒータープレート3によって加熱してボンディングを行う際、ボンディングワイヤ、ボンディングチップ17及びリードフレーム18の酸化を抑制するために、内部中空部14bに第1及び第2の酸化防止ガスを導入するとともに内部中空部14bから第1又は第2の酸化防止ガスを排出することで酸化防止ガスの雰囲気とする。詳細には、下部開口部14aを通して内部中空部14bに下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを矢印21のように導入し、且つ下部開口部14aに入れられた複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを矢印24のように面状又はカーテン状に導入し、且つ前記第1の方向に第1又は第2の酸化防止ガスを矢印25aのように面状又はカーテン状に排出する。これとともに、内部中空部14bに導入された第1及び第2の酸化防止ガスは、上部開口部14cからも外部へ放出される。
【0078】
上記実施形態2において実施形態1と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、本実施形態では、第1及び第2の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入しながら内部中空部14bから第1又は第2の酸化防止ガスを吸い込むことで、内部中空部14bを酸化防止ガスによって充満させることにより、ボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができる。詳細には、ボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入しながら前記第1の方向に第1又は第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に吸い込むことで、前記第1の方向にガスの流れを作り、従来技術のスライドウィンドウを使用しなくてもボンディングエリア内に外気を巻き込むことを防ぐことができ、銅のボンディングワイヤ又はベアカッパーリードフレームの酸化を効果的に抑制することができる。
【0080】
また、本実施形態では、実施形態1に比べて少量の酸化防止ガスによってボンディングエリアの酸化を十分に抑制することができる。従って、酸化防止ガスのコストを低減することができる。
【0081】
また、本実施形態では、ボンディングエリアの上方を横断する方向に導入される第2の酸化防止ガスによって、撮像手段11である認識レンズ下の陽炎を吹き飛ばすことができるため、酸化防止ガスの濃度を低下させて酸化防止効果に悪影響を与える陽炎を除去するためのエアブローを使用する必要がなくなる。
【0082】
なお、上記実施形態を次のような変形例として実施することも可能である。
【0083】
(変形例1)
上記実施形態において、ワーククランプ14に、その上面14fに対して掘り下げられた窪み14dを内部中空部14bの周囲全体に設けているのを、以下のように変形する。なお、本変形例は、実施形態1の変形例1と同一部分の説明を省略する。
【0084】
第2の窪みと第2のガスカバー2bとによって形成された第2の空間は、第1又は第2の酸化防止ガスを内部中空部14bから第4のガス経路16dに排出するための空間である。
【0085】
前記第2の空間は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向(矢印25aの方向)に第1又は第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に吸い込むための空間である。
【0086】
上記変形例1においても上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。
【0087】
(変形例2)
上記実施形態において、ワーククランプ14の上面14fに対して掘り下げられた窪み14dと、この窪み14dを覆うための第1及び第2のガスカバー2a,2bと、窪み14dに一端が繋げられた第3のガス経路16cと、第3のガス経路16cの他端に設けられた第1のガス導入口14gと、窪み14dに一端が繋げられた第4のガス経路16dと、第4のガス経路16dの他端に設けられた第2のガス導入口14hとを形成しているのを、これらを形成することなく、以下のように変形する。なお、本変形例は、実施形態1の変形例2と同一部分の説明を省略する。
【0088】
ワーククランプ14には、内部中空部14bの側方全体を覆う内壁の上部に位置する第3のガス導入口が設けられており、この第3のガス導入口は内部中空部14bに第2の酸化防止ガスを導入するための導入口である。また、ワーククランプ14には、内部中空部14bの側方全体を覆う内壁の上部に位置する第1のガス排出口が設けられており、この第1のガス排出口は、前記第3のガス導入口と対向する位置に設けられ、第1又は第2の酸化防止ガスを内部中空部14bから吸い込むための排出口である。
【0089】
ワーククランプ14には前記第3のガス導入口に一端が繋げられた第5のガス経路が設けられており、ワーククランプ14には前記第5のガス経路の他端に繋げられた第5のガス導入口が設けられている。この第5のガス導入口は、前記第5のガス経路に第2の酸化防止ガスを導入する導入口である。また、ワーククランプ14には前記第1のガス排出口に一端が繋げられた第6のガス経路が設けられており、ワーククランプ14には前記第6のガス経路の他端に繋げられた第2のガス排出口が設けられている。この第2のガス排出口は、第1又は第2の酸化防止ガスを前記第6のガス経路から排出する排出口である。前記第5のガス導入口と前記第2のガス排出口との間には内部中空部14bが位置される。
【0090】
前記第3のガス導入口は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向(矢印24の方向)に第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に導入するための導入口である。前記第1のガス排出口は、下部開口部14aに入れられる複数のワーク19のボンディングエリアの上方を横断する第1の方向(矢印25aの方向)に第1又は第2の酸化防止ガスを面状又はカーテン状に排出するための排出口である。
【0091】
上記変形例2においても上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。
【0092】
(変形例3)
上記実施形態において、2列のボンディングチップ17が載置されたリードフレーム18をボンディング対象のワーク19としているのを、3列以上のボンディングチップが載置されたリードフレームをボンディング対象のワークとする。
【0093】
上記変形例3においても上記実施形態2と同様の効果を得ることができる。
【0094】
図1乃至図3又は図4及び図5に示すワイヤボンディング装置を用いて実施形態1,2の効果を確認する実験を行ったので、その実験方法及び実験結果について表1〜表3を参照しつつ説明する。なお、ワイヤボンディング装置は、リードフレーム18にヒータープレート3を接触させる為の上下移動機構(図示せず)を備えている。
【0095】
【表1】

【0096】
(実験方法)
図1乃至図3又は図4及び図5に示すように、ベアカッパーリードフレームをワーククランプによってクランプし、第1乃至第3の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入し、又は、第1及び第2の酸化防止ガスを内部中空部14bに導入しながら第1又は第2の酸化防止ガスを内部中空部14bから排出し、前記上下移動機構によってリードフレーム18とヒータープレート3とを接触させ、このヒータープレート3によって320℃の温度で3分間加熱し、その後、ヒータープレート3を下降させてヒータープレート3とリードフレーム18の接触を解除してヒータープレート3による加熱を停止し、27分間放置し(この間、ヒータープレート加熱は作動しており、ヒータープレート3からのリードフレーム18下面への酸化防止ガスの供給は行ったままとした)、その後、リードフレームを取り出して酸化の状態を判定し、その結果を表1に示した。表1において、酸化しなかったと判定されたリードフレームを「○」と記載し、酸化したと判定されたリードフレームを「×」と記載した。なお、ワイヤボンディング作業中にエアブローは行わなかった。第1乃至第3の酸化防止ガスは、窒素ガスを用いた。窒素ガスの流量は表1に示す通りとし、ガス流量を変化させた条件1〜8の実験を行った。
【0097】
表1に示す「PRE」、「MAIN」、「POST」、「AROUND」はベアカッパーリードフレームの下方から上方に酸化防止ガスを流すことを意味する。「MAIN」は、ワーククラン14プの内部中空部14bに導入する第1の酸化防止ガスの流量に相当し、「PRE」は、レールによってベアカッパーリードフレームがワーククランプ14の下方に搬送される一つ前の位置に導入する酸化防止ガスの流量に相当する。「POST」は、ワーククランプ14の下方に位置するベアカッパーリードフレームがレールによって搬送される一つ後の位置に導入する酸化防止ガスの流量に相当し、「AROUND」は、ワーククランプ14の内部中空部であるヒータープレート3の周囲に導入する酸化防止ガスの流量に相当する。
【0098】
表1に示す「COVER手前側」は、図1に示す矢印24の方向にカーテン状に導入する第2の酸化防止ガスの流量に相当し、「COVER奥側」は、図1に示す矢印25の方向にカーテン状に導入する第3の酸化防止ガスの流量、又は図4に示す矢印25aの方向にカーテン状に排出する第1又は第2の酸化防止ガスの流量に相当する。また、表1に示す「判定」は、「○」がベアカッパーリードフレームに酸化が見られなかったことを意味し、「×」がベアカッパーリードフレームに酸化が見られたことを意味する。
【0099】
ベアカッパーリードフレームの酸化に関しては、条件1,2,3,4,6で酸化が見られなかったことから、「PRE」、「MAIN」、「POST」の流量が1L/min以上で「AROUND」の流量が0.5L/min以上、そして「COVER手前側」の流量が0.5L/min以上で、「COVER奥側」の流量が噴出しでもバキューム(吸い込み)でも0.5L/min以上であれば、ベアカッパーリードフレームの酸化を防止する効果が得られることが確認された。
【0100】
【表2】

【0101】
表2は、「PRE」、「MAIN」及び「POST」それぞれの流量が1.0L/min、「AROUND」の流量が0.5L/min、「COVER手前側」及び「COVER奥側」それぞれの流量が1.0L/min(噴出し)の実験条件で、ボンディングツールによって形成されたイニシャルボール(IB)径を測定した結果を示すものである。測定数Nは20である。
【0102】
【表3】

【0103】
表3は、条件4の実験で、ボンディングツールによって形成されたイニシャルボール(IB)径を測定した結果を示すものである。測定数Nは20であり、「COVER手前側」の流量が0.5L/minで、「COVER奥側」の流量がバキュームで0.5L/minとした。
【0104】
表2及び表3によれば、Cpkが1.33以上となり、バラツキが抑えられていることが確認された。従って、フリーエアボールの偏芯又はボール径のばらつきが発生することを抑制できることが確認された。なお、Cpkとは、一般的な生産工程能力指数の判定数値であり、この考え方は下記の通りである。
【0105】
Cpk>1.67 工程能力が高い
1.67>Cpk>1.33 工程能力はある
1.33>Cpk>1.00 工程能力はあるが十分とはいえない
1.00>Cpk 工程能力不足
【符号の説明】
【0106】
2a…第1のガスカバー
2b…第2のガスカバー
3,6…ヒータープレート
4,14…ワーククランプ
4a…ボンディングエリア開口部
4b,4b…空間
5…スライドウィンドウ
5a…ボンディング作業用開口部
5b…ティーチング用開口部
6a,6b…ガス経路
7,17…ボンディングチップ
8,18…リードフレーム
9,19…ワーク
10…ボンディングツール(キャピラリ)
11…撮像手段
14a…下部開口部
14b…内部中空部
14c…上部開口部
14d…窪み(凹部又は溝部)
14e…内壁
14f…上面
14g…第1のガス導入口
14h…第2のガス導入口
14i,14j…空間
14k…ガス排出口
16a…第1のガス経路
16b…第2のガス経路
16c…第3のガス経路
16d…第4のガス経路
21〜25,25a…矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを保持する保持部と、
前記複数のワークを前記保持部上に固定するワーククランプと、
前記ワーククランプに設けられた内部中空部と、
前記内部中空部に第1乃至第3の酸化防止ガスを導入するガス導入機構と、
前記複数のワークを加熱する加熱機構と、
前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を前記内部中空部内で行うボンディングツールと、
を具備し、
前記ワーククランプは、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、を有し、
前記ガス導入機構は、
前記加熱機構によって前記複数のワークを加熱しながら前記ボンディングツールによってボンディング作業を行う際に、前記下部開口部を通して前記内部中空部に下方から上方に向けて第1の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に第2の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第2の方向に第3の酸化防止ガスを導入する機構であり、前記第2の方向は、前記第1の方向と逆方向であることを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ワーククランプは、
前記内壁の上部に設けられ、前記内部中空部に前記第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、
前記内壁の上部に設けられ、前記第1のガス導入口と対向する位置に設けられ、前記内部中空部に前記第3の酸化防止ガスを導入するための第2のガス導入口と、を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記ワーククランプは、
前記第1のガス導入口に一端が繋げられた第1のガス経路と、
前記第1のガス経路の他端に繋げられ、前記第1のガス経路に前記第2の酸化防止ガスを導入する第3のガス導入口と、
前記第2のガス導入口に一端が繋げられた第2のガス経路と、
前記第2のガス経路の他端に繋げられ、前記第2のガス経路に前記第3の酸化防止ガスを導入する第4のガス導入口と、
を具備し、
前記第3のガス導入口と前記第4のガス導入口との間に前記内部中空部が位置することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項4】
複数のワークを保持する保持部と、
前記複数のワークを前記保持部上に固定するワーククランプと、
前記ワーククランプに設けられた内部中空部と、
前記内部中空部に第1及び第2の酸化防止ガスを導入するガス導入機構と、
前記内部中空部から前記第2の酸化防止ガスを排出するガス排出機構と、
前記複数のワークを加熱する加熱機構と、
前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれに対してボンディング作業を前記内部中空部内で行うボンディングツールと、
を具備し、
前記ワーククランプは、
前記内部中空部の下に設けられ、前記内部中空部に前記複数のワークのボンディングエリアを入れるための下部開口部と、
前記内部中空部の上に設けられ、前記複数のワークのボンディングエリアそれぞれを露出させる上部開口部と、
前記上部開口部と前記下部開口部との間に位置する前記内部中空部の側方全体を覆う内壁と、を有し、
前記ガス導入機構は、
前記加熱機構によって前記複数のワークを加熱しながら前記ボンディングツールによってボンディング作業を行う際に、前記下部開口部を通して前記内部中空部に下方から上方に向けて前記第1の酸化防止ガスを導入し、且つ前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを導入する機構であり、
前記ガス排出機構は、
前記下部開口部に入れられた前記複数のワークのボンディングエリアの上方を横断する第1の方向に前記第2の酸化防止ガスを排出する機構であることを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記ワーククランプは、
前記内壁の上部に設けられ、前記内部中空部に前記第2の酸化防止ガスを導入するための第1のガス導入口と、
前記内壁の上部に設けられ、前記第1のガス導入口と対向する位置に設けられ、前記第2の酸化防止ガスを前記内部中空部から排出するための第1のガス排出口と、
を有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記ワーククランプは、
前記第1のガス導入口に一端が繋げられた第1のガス経路と、
前記第1のガス経路の他端に繋げられ、前記第1のガス経路に前記第2の酸化防止ガスを導入する第3のガス導入口と、
前記第1のガス排出口に一端が繋げられた第2のガス経路と、
前記第2のガス経路の他端に繋げられ、前記第2の酸化防止ガスを前記第2のガス経路から排出する第2のガス排出口と、
を具備し、
前記第3のガス導入口と前記第2のガス排出口との間に前記内部中空部が位置することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項において、前記下部開口部に入れられる前記複数のワークは、2列以上に配置されたワークであることを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項において、前記加熱機構はヒータープレートを有しており、前記ヒータープレートには、前記下部開口部を通して前記内部中空部に前記第1の酸化防止ガスを供給するためのガス供給経路が設けられていることを特徴とするワイヤボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−39157(P2012−39157A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253120(P2011−253120)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【分割の表示】特願2009−177854(P2009−177854)の分割
【原出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(000124959)株式会社カイジョー (83)
【Fターム(参考)】