説明

ワイヤレスエネルギー自給スイッチ

電源と、前記電源と選択的に電気通信するセキュリティ装置とを含むワイヤレスセキュリティシステムである。セキュリティ装置は、電源に電気的に接続されるとセキュリティ応答を与える。受信機が、電源とセキュリティ装置との間に電気的に接続され、セキュリティ装置を電源に選択的に電気接続するべく動作可能である。当該システムの少なくとも1つのエネルギー自給スイッチは、ワイヤレス送信機と、ワイヤレス送信機に電力を供給するべく動作可能なエネルギー回収器とを含む。ワイヤレス送信機は、エネルギー回収器からの電力供給に応答して受信機に信号を発信してセキュリティ応答のトリガを与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はセキュリティシステムに関し、詳しくは、少なくとも1つのエネルギー自給スイッチを使用したセキュリティシステムに関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本開示は、2007年8月5日出願の米国仮特許出願第60/954,007号の優先権を主張する。
【0003】
ワイヤレススイッチは典型的には、内部送信機に電力を供給するべくバッテリを使用する。例えば、かかるワイヤレススイッチは、例えばワイヤレスガレージドア開閉器のような、バッテリを交換するべくアクセス容易な所定のスイッチ用途に使用されている。他のスイッチ用途では、バッテリへのアクセスは限られるか又は全く実行不能である。例えば、ライトスイッチは壁内へ埋め込まれるので、分解するにはかなりの労力が必要となる。また、セキュリティセンサスイッチは高所又は容易に届かないところにある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/033597(A1)号明細書
【特許文献2】米国特許第3827038号明細書
【特許文献3】米国特許第5572190号明細書
【発明の概要】
【0005】
例示のワイヤレスセキュリティシステムは、電源と、当該電源と選択的に電気通信するセキュリティ装置とを含む。セキュリティ装置は、電源と電気的に接続されるとセキュリティ応答を与える。電源とセキュリティ装置との間には受信機が電気的に接続される。受信機は、セキュリティ装置を電源に選択的に電気接続するべく動作可能である。当該システムの少なくとも1つのエネルギー自給スイッチは、ワイヤレス送信機と、当該ワイヤレス送信機に電力を供給するべく動作可能なエネルギー回収器とを含む。ワイヤレス送信機は、エネルギー回収器からの電力に応答して受信機へ信号を発信し、セキュリティ応答のトリガが与えられる。
【0006】
他の側面では、本ワイヤレスセキュリティシステムは、受信機と通信するメモリモジュールを含む。メモリモジュールは、建物のライトのアクティビティパターンを第1期間にわたり記録することができる。受信機はその後、第2期間にわたり当該アクティビティパターンをセキュリティ応答として反復するべくセキュリティ装置を電源に選択的に電気接続する。
【0007】
ワイヤレスセキュリティシステムとともに使用される例示の方法は、少なくとも1つのセキュリティ装置に対して第1期間にわたりアクティビティパターンをメモリモジュールに記録することと、当該アクティビティパターンを反復するべく第2期間にわたり、当該少なくとも1つのセキュリティ装置を電源に選択的に電気接続することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の詳細な説明から当業者にとって、開示の例の様々な特徴及び利点が明らかとなる。詳細な説明に付随する図面は、以下のとおり簡単に説明される。
【図1】例示のワイヤレスセキュリティシステムを概略的に示す。
【図2A】窓とともに使用される例示のワイヤレスセキュリティシステムを示す。
【図2B】他の例の窓を示す。
【図2C】他の例の窓を示す。
【図3A】ドアとともに使用されるワイヤレスセキュリティシステムを示す。
【図3B】図3Aのドアの例示のヒンジを示す。
【図4】錠とともに使用される例示のワイヤレスセキュリティシステムを示す。
【図5】運動センサを有する例示のワイヤレスセキュリティシステムを示す。
【図6】水バルブとともに使用される例示のワイヤレスセキュリティシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、セキュリティ事象(例えば、犯罪、非犯罪、物的損害等)に応答するセキュリティ応答を与える例示のワイヤレスセキュリティシステム10の選択された一部を概略的に示す。図示の例では、ワイヤレスセキュリティシステム10は、電源12と、接続線により一般に示されるように当該電源12と選択的に電気通信するセキュリティ装置14aとを含む。
【0010】
ワイヤレスセキュリティシステム10は、電源12とセキュリティ装置14aとの間に電気的に接続される受信機16も含む。例えば、受信機16は、セキュリティ装置14aを電源12に選択的に電気接続することができる。例えば、受信機16は、この機能を果たすべくハードウェア、ソフトウェア、又はその双方を含んでよい。受信機16は、セキュリティ装置14aの制御動作を行う単チャンネル受信機であってよい。または、セキュリティ装置14bのような1つ以上の付加的なセキュリティ装置の制御動作を行うことができる多チャンネル受信機であってよい。例えば、受信機16は、EnOcean(登録商標)製品番号RCM130Cであってよい。
【0011】
さらに、ワイヤレスセキュリティシステム10は、受信機16と通信するエネルギー自給センサ18を含む。エネルギー自給センサ18は、ワイヤレス送信機20と、当該ワイヤレス送信機20に電力を供給するべく動作可能なエネルギー回収器22とを含む。例えば、エネルギー自給センサ18は、例えばドアの動き、太陽エネルギー等のような(エネルギー自給センサ18に対して)外部のエネルギーをエネルギー回収器22を使用して回収する。エネルギー回収器22は、圧電素子、光起電力装置、又は他のタイプのエネルギー変換装置であってよい。エネルギー変換装置は、エネルギー自給センサ18の外部環境からエネルギーを受け取り、当該エネルギーを電気に変換してワイヤレス送信機20に電力を供給することができる。したがって、こうした任意のタイプの装置の使用がエネルギー自給センサ18の範囲内とされる。例えば、エネルギー自給センサ18は、EnOcean製品番号PTM250であってよい。
【0012】
ワイヤレス送信機20は、エネルギー回収器22からの電力供給に応答して例えば無線周波数(radio frequency(「RF」))信号のような信号を受信機16へ発信するべく動作可能であり、当該セキュリティ応答のトリガを与えることができる。この点で、エネルギー自給センサ18は、ハードウェア(例えばタイミング回路、論理回路、マイクロプロセッサ等)、ソフトウェア、又はその双方を含んでよい。ワイヤレス送信機20は、特定のエネルギー自給センサ18を識別する符号化信号のような所望タイプの信号を与える。または、回収された電力量をモニタし及び/又はワイヤレス送信機20の電力を制御する「スマート」な能力を与える。
【0013】
いくつかの例では、受信機16は、ワイヤレスセキュリティシステム10の動作を向上させる付加的なコンポーネントも含んでよい。例えば、受信機16は、ソフトウェアモジュール16a及び/又はメモリモジュール16bも含んでよい。ソフトウェアモジュール16aはまた、1つ以上のエネルギー自給センサ18から受信機16に受け取られた信号の解析を容易にする。複数のエネルギー自給センサ18並びに/又は複数のセキュリティ装置14a及び14bが存在する例では、ソフトウェアモジュール16aは、エネルギー自給センサ18の特定の1つを(例えば符号化信号から)伴う受信信号及び所望の出力セキュリティ応答を識別する。例えば、ソフトウェアモジュール16aは、エネルギー自給センサ18の1つからの信号に応答してセキュリティ装置14aをアクティベートすべきと決定してよく、エネルギー自給センサ18の他の1つからの信号に応答してセキュリティ装置14bをアクティベートすべきと決定してよい。したがって、ソフトウェアモジュール16aにより、受信機16は、複数のエネルギー自給センサ18及び複数の異なるセキュリティ応答出力を管理することができる。
【0014】
図示の例では、ワイヤレスセキュリティシステム10は、建物構造物24と関連付けられて建物構造物24のセキュリティをモニタする。この点で、セキュリティシステム10は、セキュリティモニタの様々な異なる方法で使用できる。開示の例でさらに示されるように、エネルギー自給センサ18は、セキュリティモニタにより利益が得られるであろう窓、ドア、引き出し、ゲート等の一部26のような建物構造物24の一部26に接続されてよい。セキュリティ事象に起因してのエネルギー供給に応答して、エネルギー自給センサ18は、ワイヤレス信号28を受信機16へ発信する。これにより、セキュリティ応答を与えるセキュリティ装置14a及び/又は14bがトリガされる。
【0015】
与えられる当該タイプのセキュリティ応答は、特定のタイプに限られない。例えば、視覚指示、聴覚指示、通信、又は機械的応答であってもよい。以下の非限定例により示されるように、ワイヤレスセキュリティシステム10は、様々な異なる方法で使用されてよい。
【0016】
さらに、セキュリティ装置14a及び14bは、特定のタイプに限られない。例えば、視覚インジケータ、聴覚装置、通信装置、又は機械的装置であってもよい。例えば、セキュリティ装置14a又は14bは、建物のライト、聴覚装置、セキュリティ当局への信号、電動ロック、セキュリティシステム、建物の水バルブ、又は、建物構造物24の異なる部屋R1及びR2に配置されるインジケータを有する多室間インジケータシステムであってよい。インジケータは、建物構造物24の当該一部26に関連するセキュリティ事象が存在するという部屋R1及びR2内の指示を与える。例えば、エネルギー自給センサ18がゲート又はドアに組み込まれる場合、部屋R1及びR2内のインジケータのアクティベーションにより、何者かが建物構造物24に到着又は建物構造物24から立ち去ったことが指示される。
【0017】
いくつかの例では、エネルギー自給センサ18は、(例えば、受信機16並びにセキュリティ装置14a及び14bから離れた)建物構造物24内の異なる場所からセキュリティ応答をトリガできるように携帯可能であってよい。例えば、エネルギー自給スイッチは、ワイヤレス送信機20の範囲に応じて、建物構造物24内で部屋から部屋へ又は建物構造物24の敷地まわりに局所的に持ち運びできるハンドヘルド装置であってよい。一例では、エネルギー自給センサ18は、セキュリティ事象が存在する場合にセキュリティ応答をアクティベートさせるべく個人が持ち運ぶ「パニック」ボタンとして使用してよい。例えば、セキュリティ応答は、ホームセキュリティシステムをアクティベートするか又はセキュリティ当局(例えばセキュリティ会社)へ信号を送る形態であってよい。
【0018】
いくつかの例では、メモリモジュール16bは、セキュリティ装置14a又は14bのアクティビティを所定期間にわたり記録するべく使用されてよい。メモリモジュール16は、例えばソリッドステートメモリ装置、フラッシュ装置等の任意のタイプのメモリ装置であってよい。メモリモジュール16bは、例えば1週間のような期間にわたりアクティビティパターンを記録するべくセキュリティ装置14a又は14bと機能的に接続されてよい。すなわち、メモリモジュール16bは、セキュリティ装置14a又は14bのアクティビティをモニタ及び記録するべく受信機16を介してソフトウェアモジュール16aと協働してよい。アクティビティパターンは、例えば建物のライトの点灯パターンのような任意のタイプのパターンであってよい。また、建物内の占有を模擬できるテレビジョン、ラジオ等のような他の装置の使用パターンを含んでもよい。
【0019】
一例では、建物の占有者が夜にライトを点灯し、その後当該ライトを消灯する。または、部屋に入る/部屋を出るときにライトを点灯/消灯する。メモリモジュール16bが、エネルギー自給センサ18を使用してアクティベート及びディアクティベートされて、所定期間にわたるライトのオン及びオフのアクティビティが記録開始及び終了される。エネルギー自給センサ18はまた、その後の第2期間を開始するべく使用されて、オン及びオフのアクティビティを再生する。当該アクティビティにおいて、受信機16は、セキュリティ応答としてのライトの点灯パターンに応じて選択的にライトを電源12に電気接続する。したがって、メモリモジュール16bは、占有者が家にいるときのアクティビティを記録し、占有者が家にいないときに点灯パターンを再生して占有を模擬できる。いくつかの例では、メモリモジュール16bは、現時点から開始して過去にプリセット時間量だけ遡る期間の連続的なアクティビティを記録できる。
【0020】
以下の例は、ワイヤレスセキュリティシステム10のさらなる実施例を示す。図2Aは、図1の例に記載されたワイヤレスセキュリティシステム10にある程度類似するワイヤレスセキュリティシステム100の実施例を示す。本開示では、同じ参照番号は適宜同じ要素を示すこととする。また、100又は100の倍数を付加した参照番号は修正要素を示すこととする。なお、修正要素は、特に言及がある場合を除き、対応する元の要素と同じ特徴及び利点を含む。この例では、ワイヤレスセキュリティシステム100は、建物の電球であるセキュリティ装置114aを含む。受信機116は、電源112と建物の電球との間に電気的に接続される。これにより、建物の電球が電源と選択的に電気接続されて点灯する。エネルギー自給センサ118が窓131に機械的に接続される。例えば、窓131は、前述の例の建物構造物24内に存在する。
【0021】
窓131は、当該窓131を開閉するべく上下にスライドする可動部133を含む。可動部133の動きがエネルギー自給センサ118を機械的にアクティベートする。アクティベートされると、エネルギー自給センサ118のエネルギー回収器122がワイヤレス送信機120に電力を供給する。それに応答して、ワイヤレス送信機120は、受信機116に信号を発信する。信号に応答して、受信機116は、建物の電球と電源112との電気接続を制御してセキュリティ応答のトリガを与える。例えば、窓131の開動作により建物の電球が点灯し、閉動作により建物の電球が消灯する。他の例では、受信機116は、セキュリティ応答としてのフラッシュ効果を目的として建物の電球を間欠的に点灯させる。
【0022】
図2Bに示されるように、エネルギー自給センサ218が、図2Aに示される窓131とは別のタイプの窓に接続されてよい。この例では、エネルギー自給センサ218は、フレーム241及び可動枠243を含む開き窓231に接続される。可動枠は、回転クランク245を使用して開閉することができる。フレーム241に対して可動枠243をロックするべく複数のラッチ247が使用される。エネルギー自給センサ218がフレーム241に接続される。枠243の動きにより、エネルギー自給スイッチ218が機械的にアクティベートされる。アクティベートされると、エネルギー自給センサ218のエネルギー回収器222がワイヤレス送信機220に電力を供給する。それに応答して、ワイヤレス送信機220は、例えば受信機116に信号を発信する。
【0023】
図2Cに示されるように、少なくとも1つのエネルギー自給センサ318が、スライド窓331に接続される。スライド窓331は、互いに対して可動な第1窓部359及び第2窓部361を含む。第1窓部359及び第2窓部361はフレーム341内に取り付けられる。一のエネルギー自給センサ318がフレーム341の各側部に接続される。これにより、第1窓部359及び第2窓部361のそれぞれの動きが感知される。第1窓部359又は第2窓部361の動きにより、エネルギー自給センサ318のそれぞれが機械的にアクティベートされる。アクティベートされると、エネルギー自給センサ318のエネルギー回収器322がワイヤレス送信機320に電力を供給する。それに応答して、ワイヤレス送信機320は、例えば受信機116に信号を発信する。
【0024】
図3Aは、他の例のワイヤレスセキュリティシステム410を示す。これは、ドア471に組み込まれる。例えば、ドア471は、図1の例の建物構造物24内に存在してよい。電源412は、本開示で記載される建物のライト等の装置のようなセキュリティ装置414aと選択的に電気通信する。受信機416は、電源412とセキュリティ装置414aとの間に電気的に接続される。一般的に上述したように、セキュリティ装置414aを電源412に選択的に電気接続するべく動作可能である。エネルギー自給センサ418がドア471に接続される。例えば、エネルギー自給センサ418は、ドア471のヒンジ473に一体化される。これにより、ドア471の動きがエネルギー自給センサ418を機械的にアクティベートする。アクティベートされると、エネルギー自給センサ418のエネルギー回収器422がワイヤレス送信機420に電力を供給する。それに応答して、ワイヤレス送信機420は、受信機416に信号を発信する。これにより、セキュリティ装置414aがトリガされて建物のライトを点灯させるといったセキュリティ応答が与えられる。例えば、ドア471の開動作により建物の電球が点灯し、閉動作により建物の電球が消灯する。
【0025】
図3Bは、エネルギー自給センサ418が組み込まれたドア471のヒンジ473を示す。この例では、ヒンジ473は、ドア471に固定される第1部分475と、ドアフレームのようなドア471の周囲構造物に固定される第2部分477とを含む。エネルギー自給センサ418は第2部分477に機械的に接続されるが、その代わりに第1部分475に接続されてもよい。ドア471の動きにより、エネルギー回収器422が機械的にアクティベートされる。これにより、ワイヤレス送信機420のための電力が発生される。その代わりに、エネルギー自給センサ418は他のタイプのヒンジに組み込まれてよいが、図示の例に限定されない。さらに、例示のヒンジ473又は他のタイプのヒンジは、ヒンジ付窓、キャビネット等のような他のヒンジ付構造物に組み込まれてよい。
【0026】
図4は、他の例のワイヤレスセキュリティシステム510を示す。これは、錠581とともに使用される。例えば、錠581は、ドア、窓等、又は上述の例のいずれかに組み込まれてよい。この例では、錠581は、錠ハウジング585内に少なくとも一部が存在するデッドボルト583を含む。デッドボルトはアクチュエータ587に接続されてデッドボルト583のロック又はアンロックが行われる。デッドボルト583は、周知の態様で窓、ドア、又は他の装置と相互作用してロック又はアンロック状態を与えてよい。
【0027】
この例では、ロック位置及びアンロック位置の間のデッドボルト583の動きがそれぞれスプリング589を圧縮及び解放する。スプリング589はエネルギー自給センサ518に接続される。エネルギー自給センサ518は、アーム591を有するエネルギー回収器522を含む。アーム591は、スプリング589及びデッドボルト583の近くまで延びる。いくつかの例では、アーム591はスプリング589、デッドボルト583、又はその双方に接続される。
【0028】
デッドボルト583が図4にて左へ動くとスプリング589が圧縮され、デッドボルト583が図4にて右へ動くとスプリング589が伸長する。アーム591は、スプリング589及びデッドボルト583の動きとともに左右に動く。アーム591の動きにより、エネルギーがデッドボルト583の機械的動きから回収される。これにより、ワイヤレス送信機520は信号を発信するための電力を供給される。信号に応答して、受信機516は、セキュリティ装置514aと電源512との電気接続を制御することによりセキュリティ応答のトリガを与える。例えば、錠581をアンロック又はロックすることにより、電球を一時的に点灯するか又は警告音を発する形態のセキュリティ応答のトリガが与えられる。
【0029】
オプションとして、錠581は電動ロックであってよく、ロック位置とアンロック位置との間でデッドボルト583を選択的に動かすアクチュエータ593を含んでよい。例えば、アクチュエータ593は、ソレノイド又は他のタイプのアクチュエータであってよい。アクチュエータ593は、光起電力装置595のような自身の電源を有してよい。または、電源512に電気的に接続されてよい。その代わりに、光起電力装置595が、熱的発電装置、機械的発電装置、又は風力発電装置であってよい。この点で、他のエネルギー自給センサ518’が手動で選択的にアクティベートされて受信機516に、又はアクチュエータ593内の他の類似の受信機516’に信号を発信してよい。受信機516’は、光起電力装置595(又は電源512)とアクチュエータ593との電気接続に対して選択的な電気的制御を行う。これにより、アクチュエータ593がアクティベートされて錠581の状態がロック及びアンロック間で変更される。
【0030】
図5は、他の例のワイヤレスセキュリティシステム610を示す。これは、居住建物又は商用建物のような建物構造物624に組み込まれる。この例では、エネルギー自給センサ618が、外部ドアのようなドア671の上方に取り付けられる。他の例では、エネルギー自給センサ618は、その代わりに、建物構造物624の内部に取り付けられてよい。
【0031】
エネルギー自給センサ618は、ドア671に対応する領域Aにわたる動きを検知するための運動センサ699を含む。この例では、エネルギー回収器622は、日光又は建物のライトからの外部光エネルギーを回収する光起電力装置である。これにより、運動センサ699及びワイヤレス送信機620が電力供給を受ける。例えば、エネルギー回収器622は運動センサ699に周期的に電力を供給してよい。これにより、運動センサ699は周期的に領域Aにわたる動きをチェックする。一例では、エネルギー回収器622は、所定のしきい量のエネルギーが回収されたときにのみ運動センサに電力を供給する。しきい量は、運動センサ699及びワイヤレス送信機620に電力を供給するべく必要とされる量であってよい。この点で、エネルギー自給センサ618は、上述の「スマート」な能力を与えるハードウェア、ソフトウェア、又はその双方を含んでよい。
【0032】
ワイヤレス送信機620は受信機616に信号を発信する。例えば、信号は、運動センサ699により検知されるような動きの存在又は不存在を表す。そして、受信機616は動きの存在又は不存在に応じて、電源612をセキュリティ装置614aに選択的に電気接続してよい。一例では、検知された動きが、建物構造物624内のライトを点灯する形態のセキュリティ応答のトリガを与える。これにより、占有者はドア671におけるセキュリティ事象の可能性を知る。
【0033】
図6は、他の例のワイヤレスセキュリティシステム710を示す。これは、物的損害に対するセキュリティを目的として居住建物又は商用建物のような建物構造物724に組み込まれる。この例では、建物構造物724は、接続ライン713を通して建物構造物724に水を供給する主水ライン711に流体的に接続される。建物構造物724は、水バルブをセキュリティ装置714aとして含む。水バルブは接続ライン713に組み込まれ、完全に閉止して主水ライン711からの任意の水流をブロックするべく動作可能である。
【0034】
図示の例では、水バルブは、アクチュエータ717(例えばソレノイド)を含む電動バルブ715である。アクチュエータ717は、完全開位置及び完全閉位置の間で電動バルブ715を動かすことができる。受信機716は、電源712と電動バルブ715との間に電気的に接続される。
【0035】
ワイヤレスセキュリティシステム710のエネルギー自給センサ718は、ワイヤレス送信機720と、ワイヤレス送信機720に電力を供給するエネルギー回収器722とを含む。アクティベートされると、ワイヤレス送信機720は受信機716に信号を発信してセキュリティ応答のトリガを与える。この例では、セキュリティ応答は、電動バルブ715の開状態及び閉状態を制御する携帯である。例えば、エネルギー自給センサ718が作動して電動バルブ715を選択的に開くか又は閉じる。これにより、建物構造物724内への水流が制御される。例えば、個人が、建物構造物724から立ち去るときに水流を止めることができる。これにより、浸水の可能性が防止される。一の可能な実施例では、建物構造物は、かなりの期間離れる場合に容易に水を止めることが望ましい休暇用住宅であってよい。
【0036】
特徴の組み合わせが例示されているが、本開示の様々な実施例の利点を実現するべくこれらの全てを組み合わせる必要はない。すなわち、本開示の実施例に従って設計されたシステムは、図面の任意の1つに示された特徴の全てを含む必要はないし、図面に概略的に示された部分の全てを含む必要もない。さらに、一実施例の選択された特徴を他実施例の選択された特徴と組み合わせてもよい。
【0037】
上述の説明は事実上、例示的であって限定的ではない。当業者にとって、本開示の要旨を必ずしも逸脱しないような、開示の例に対する変形及び修正が明らかになる。本開示に与えられる法的保護範囲は、以下の請求項を精査することによってのみ決定することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
前記電源と選択的に電気通信するセキュリティ装置と、
前記電源と前記セキュリティ装置との間に電気的に接続された受信機と、
ワイヤレス送信機と前記ワイヤレス送信機にセキュリティ事象に応答して電力を供給するエネルギー回収器とを含む少なくとも1つのエネルギー自給センサと
を含み、
前記セキュリティ装置は前記電源に電気的に接続された場合にセキュリティ応答を与え、
前記受信機は前記セキュリティ装置を前記電源に選択的に電気接続し、
前記ワイヤレス送信機は、前記エネルギー回収器により電力供給を受けたことに応答して前記受信機に信号を発信し、前記セキュリティ応答のトリガが与えられるワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項2】
前記エネルギー回収器により電源供給を受ける運動センサをさらに含み、前記エネルギー回収器は光起電力装置である、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項3】
前記光起電力装置は前記運動センサに電力を供給する、請求項2に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのエネルギー自給センサは、窓及びドアから選択される建物の入口に機械的に接続される、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項5】
前記エネルギー回収器が建物の入口に接続されて、前記エネルギー回収器は前記建物の入口の動きに応じて前記電力を発生する、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項6】
前記受信機は、前記少なくとも1つのエネルギー自給センサにより前記信号を識別するソフトウェアモジュールを含む、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項7】
前記セキュリティ装置は、ライト、聴覚装置、セキュリティ当局への他の信号、電動ロック、セキュリティシステム、建物水バルブ、及び多室間インジケータシステムからなるグループから選択される、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのエネルギー自給センサは建物の入口の錠に接続される、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項9】
前記セキュリティ装置は電動ロックであり、前記電源は、光起電力装置、熱的発電装置、機械的発電装置、及び風力発電装置からなるグループから選択される、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項10】
前記セキュリティ装置は、前記セキュリティ応答として建物に関する水流を制御するべく動作可能な開状態及び閉状態を有する建物の水バルブである、請求項1に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項11】
電源と、
前記電源と選択的に電気通信するセキュリティ装置と、
前記電源と前記セキュリティ装置との間に接続された受信機と、
ワイヤレス送信機と、前記ワイヤレス送信機にセキュリティ事象に応答して電力を供給するエネルギー回収器とを含む少なくとも1つのエネルギー自給センサと、
前記受信機と通信して前記セキュリティ装置のアクティビティパターンを所定期間にわたり記録することができるメモリモジュールと
を含み、
前記セキュリティ装置は前記電源に電気的に接続された場合にセキュリティ応答を与え、
前記受信機は前記セキュリティ装置を前記電源に選択的に電気接続し、
前記ワイヤレス送信機は、前記エネルギー回収器により電力供給を受けたことに応答して前記受信機に信号を発信して前記セキュリティ応答のトリガが与えられ、前記受信機は前記セキュリティ装置を他の所定期間にわたり前記電源に選択的に電気接続し、前記セキュリティ応答として前記アクティビティパターンが反復されるワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項12】
前記セキュリティ装置は建物のライトを含み、前記アクティビティパターンは前記建物のライトのオン状態及びオフ状態が交互となることを含む、請求項11に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項13】
前記受信機は、前記メモリモジュールと、前記少なくとも1つのエネルギー自給スイッチにより前記信号を識別するソフトウェアモジュールとを含む、請求項11に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つのエネルギー自給センサは携帯可能であり、前記セキュリティ応答は前記受信機及び前記セキュリティ装置に関して異なる場所からトリガを受けることができる、請求項11に記載のワイヤレスセキュリティシステム。
【請求項15】
少なくとも1つのセキュリティ装置に対して第1期間にわたりメモリモジュールにアクティビティパターンを記録することと、
第2期間にわたり前記第1期間の前記アクティビティパターンを反復するべく前記少なくとも1つのセキュリティ装置を電源に選択的に電気接続することと
を含むワイヤレスセキュリティシステムを使用する方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのセキュリティ装置は建物のライトを含み、前記アクティビティパターンは構造物内の占有を模擬する点灯パターンである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
建物のライトをオン状態とオフ状態とに切り換えることにより前記アクティビティパターンを発生することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記アクティビティパターンを所定の遡る期間にわたり自動記録することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
エネルギー自給スイッチを使用して前記第2期間が開始するトリガを手動で与えることを含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−512044(P2011−512044A)
【公表日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520068(P2010−520068)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【国際出願番号】PCT/US2008/070720
【国際公開番号】WO2009/020762
【国際公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(503322205)マスコ コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】