説明

ワイヤレス技術を使った狭域電子広告システム

【課題】店舗の広告情報を目の前の通行人にだけに伝える狭域電子広告システムを実現する場合、従来の方法では基地局やサーバなどのインフラを追加する必要がある。
【解決手段】広告主が持つ移動端末と通行人が持つ移動端末間でピアツーピア通信を行い、電波到達範囲に入った移動端末は広告情報を自動で受け取り、電波到達範囲から抜けたときには広告情報は自動で消えるという、ワイヤレス技術を使った狭域電子広告システムで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はワイヤレス技術を利用して必要領域に紐付ける電子広告システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスプレイに広告を表示させる電子広告システムとして、特許4165343号、特許4122707号、特許4192603号、特許4445784号などがある。
【0003】
これらは、情報配信サーバに電子広告情報を置き、そこから情報をダウンロードしてディスプレイに表示させるものである。
【0004】
また、移動端末に広告を表示させる方法もあり、ユーザの興味を引く広告情報を送信する方法として、特願2002−225007がある。
【0005】
これらは各店舗の広告情報を有償の広告配信サーバに置きインターネットを介してその広告情報が情報機器・端末に配信されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4165343号
【特許文献2】特許4122707号
【特許文献3】特許4192603号
【特許文献4】特許4445784号
【特許文献5】特許4314907号
【特許文献6】特願2002−225007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
現行の電子広告システムは、有償の大規模なインフラが必要とされており、その設置場所や運用も複雑化されて来ている。 また、その広告の目的範囲がワールドワイドとなる為にリアルタイムに必要且つ有用な情報とする場面では大袈裟な広告システムとなる。
【0008】
本発明は、広告配信サーバやインフラを不要としていて、広告主の店舗側の情報機器と受け側の移動端末との相互関係で構成する事により前項の課題を解決する。 また、広告情報を広告主の都合で自由に作成・更新できる方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の問題を解決するため、請求項1記載の発明では、広告主が持つ移動端末と通行人が持つ移動端末間でピアツーピア通信を行い広告情報を転送するシステムであって、
【0010】
電波到達範囲にある移動端末を検索する機能、
【0011】
電波到達範囲に入った通行人が持つ移動端末は広告情報を自動で受け取り、電波到達範囲から抜けたときには広告情報は自動で消える機能、
【0012】
広告主が手元の移動端末で広告情報を作成および変更する機能、
【0013】
前記機能を有することを特徴とするピアツーピアネットワークを使った電子広告システム、を提供する。
【発明の効果】
【0014】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、移動端末のピアツーピア通信を利用することで特別なインフラ(無線LAN基地局や広告データサーバや店舗IDや広告表示用ディスプレイ)を用意することなく、自店舗の近くにいる人にだけに自店舗の広告情報を伝えることができる。 特別なインフラが不要なため、それらの設定や運用にかかる手間がいらなくなる。 広告主が広告情報を変更する場合でもインターネットに接続する必要はなく、手元にある移動端末に保存されている広告情報を変更すればよい。 通行人にとってはサーバへの接続という手順をふまなくてもピアツーピア通信への準備をしておくだけで自動的に目の前の店舗に係る広告情報だけ入手することができ、その店舗の前を離れれば広告情報は自動的に消えるので移動端末の資源を圧迫することがない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るシステムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は下記例に限定されるものではない。 図1は本発明に係る狭域電子広告システムの一例を示す概略図である。 商店街にある店舗は広告情報を移動端末に用意しておく。 ピアツーピアネットワークに接続された移動端末が検知されると店舗の広告情報をその移動端末に送信する。 通行人が持つ移動端末では広告情報を受信すると自動で画面に表示する。通行人がさらに移動して電波到達範囲からはずれた場合は広告情報は画面から消える。
【0017】
図1における本実施形態に係る狭域電子広告システムは、店舗10にある移動端末11はピアツーピア通信ができる移動端末であり店舗10の広告情報を持つ。 店舗20にある移動端末21も店舗20の広告情報を持つ。 通行人が持つ移動端末30はピアツーピア通信ができる移動端末である。
【0018】
図1における本実施形態に係る狭域電子広告システムは、店舗10にある移動端末11においてピアツーピア通信できる移動端末が現れるのを待つ。 通行人が持つ移動端末30が電波到達範囲に入るとピアツーピア通信の接続を行い店舗10の広告情報を移動端末30に送信する。 移動端末30は広告情報を受信するとそれを画面に自動的に表示する。 通行人が店舗10の前を通り過ぎ電波到達範囲からはずれると店舗10の広告情報は移動端末30の画面から消える。 さらに通行人が店舗20の前に来ると同様に店舗20の広告情報が移動端末21から送信され、通行人の移動端末30に店舗20の広告情報が表示される。
【0019】
商店街を通行人が移動端末を持って歩いて、店舗の前にさしかかるとその店舗の広告情報が移動端末に表示される。 そのまま歩き続けると広告情報は消える。 新たな店舗の前に来ると、その店舗の広告情報が自動的に通行人の移動端末に表示される。
【0020】
店舗および通行人が持つ移動端末はワイヤレスでピアツーピア通信ができればスマートフォンであっても携帯電話であってもパソコンであってもよい。 ワイヤレス通信は無線LANであってもBluetoothであってもZigBeeであってもよい。
【0021】
移動端末が電波到達範囲にあることを検知するには、各移動端末から発信される端末情報を自端末が受信できることで判断する。
【符号の説明】
【0022】
10 店舗1
11 店舗1が持っている移動端末1
20 店舗2
21 店舗2が持っている移動端末2
30 通行人がもっている移動端末3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告主が持つ移動端末と通行人が持つ移動端末間でピアツーピア通信を行い広告情報を転送するシステムであって、
電波到達範囲にある移動端末を検索する機能、
電波到達範囲に入った通行人が持つ移動端末は広告情報を自動で受け取り、電波到達範囲から抜けたときには広告情報は自動で消える機能、
広告主が手元の移動端末で広告情報を作成および変更する機能、
前記機能を有することを特徴とするピアツーピアネットワークを使った電子広告システム。
【請求項2】
ピアツーピア通信をする為の無線の暗号化アルゴリズムとキー値の決定化方法。
【請求項3】
前記広告情報は、静止画、動画、文字情報の内1つ以上を含む情報であることを特徴とする請求項1の電子広告システム。
【請求項4】
広告主と通行人の移動端末が電波到達範囲にあることを判定する手段は、移動端末が周期的に自端末情報を発信し相手端末がそれを受信することで電波到達範囲にある移動端末を検索することを特徴とする請求項1に記載の相手端末検索方法。

【図1】
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【公開番号】特開2012−220934(P2012−220934A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90225(P2011−90225)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(711002421)株式会社ゼロソフト (1)
【Fターム(参考)】