説明

ワクチン、免疫治療剤及び使用方法

免疫原をコードする一つ又はそれより多い単離された核酸分子を、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される免疫変調蛋白質をコードする単離された核酸分子と組み合わせて含む、組成物、組換えワクチン及び生弱毒化病原体が開示される。そのような組成物を用いて、免疫原に対して個体において免疫応答を誘導する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
本発明は、改善されたワクチン、予防上及び/又は治療上、個体を免疫原に対して免疫するための改善された方法、及び免疫治療用組成物及び改善された免疫治療方法に関する。
【0002】
発明の背景
免疫治療は、所望の治療上の効果を授与するように、人の免疫応答を変調させることを意味する。免疫治療剤(immunotherapeutics)は、個体に投与されたときに、不所望の免疫応答に関連した兆候を最終的には低下させるか又は所望の免疫応答を増加させることにより兆候を最終的には緩和させるのに十分、個体の免疫応答を変調させる組成物を意味する。幾つかの場合、免疫治療は、免疫治療剤が免疫応答を増加させ、及び/又は、特定の症状、感染又は疾患を治療するか又は予防するために望まれる免疫応答(例えば、細胞武器(arm)又は体液武器)の一部を増強するような場合において、個体が免疫応答を生じる免疫原に対して個体を暴露する、個体にワクチンを投与する、予防接種プロトコルの一部である。
【0003】
ワクチンプロトコルは、改善された免疫応答を誘導するように人の免疫応答を変調する薬剤(agents)の送達により改善され得る。個体が免疫応答を生じる免疫原に対して個体を暴露する、個体にワクチンを投与する、幾つかの予防接種プロトコルにおいては、免疫応答を増加させるか、及び/又は、特定の症状、感染又は疾患を治療するか又は予防するために望まれる免疫応答(例えば、細胞武器又は体液武器)の一部を増強するような、薬剤が提供される。
【0004】
ワクチンは、標的抗原、例えば、アレルゲン、病原性抗原、又はヒトの疾患に関与する細胞に関連する抗原に対して個体を免疫するのに有用である。ヒトの疾患に関与する細胞に関連する抗原は、癌関連腫瘍抗原及び自己免疫疾患に関与する細胞に関連する抗原を含む。
【0005】
そのようなワクチンをデザインすることにおいて、予防接種された個体の細胞内で標的抗原を生産するワクチンは免疫系の細胞武器を誘導することにおいて有効であると認識されてきた。特に、生弱毒化ワクチン、毒性ベクターを使用する組換えワクチン、及びDNAワクチンは、各々、免疫系の細胞武器の誘導をもたらす予防接種され個体の細胞において抗原の生産を導く。他方、不活化された(killed)か又は不活性化された(unactivated)ワクチン、及び蛋白質のみを含むサブユニットワクチンは、体液応答を誘導するが、良好な細胞免疫応答を誘導しない。
【0006】
細胞免疫応答は、病原の感染に対して防御を提供し、そして病原の感染、癌又は自己免疫疾患の治療のための有効な免疫媒介性治療を提供するのに、しばしば必要である。従って、予防接種された個体の細胞において標的抗原を生成するワクチン、例えば、生弱毒化ワクチン、毒性ベクターを使用する組換えワクチン、及びDNAワクチンは、しばしば好ましい。
【0007】
そのようなワクチンは病原感染又はヒト疾患に対して予防上又は治療上個体を免疫するのにしばしば有効であるが、改善されたワクチンに関する要求が存在する。増強された免疫応答を生じさせる組成物及び方法に関する要求が存在する。
【0008】
同様に、幾つかの免疫治療剤は患者において免疫応答を変調させるのに有用であるが、改善された免疫治療組成物及び方法に関する要求が残ったままである。
【0009】
発明の概要
本発明は、免疫原をコードする単離された核酸分子を、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される転写因子をコードする単離された核酸分子と共に含む、組成物に関する。
【0010】
本発明は、さらに、免疫原と、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される転写因子を、共にコードする単離された核酸分子を含む組成物に関する。
【0011】
本発明は、免疫原をコードする単離された核酸分子を、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される転写因子をコードする単離された核酸分子と共に含む、注射可能な薬学組成物に関する。
【0012】
本発明は、免疫原と、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子の両方をコードする単離された核酸分子を共に含む、注射可能な薬学組成物に関する。
【0013】
本発明は、さらに、免疫原をコードする単離された核酸分子を、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される転写因子をコードする単離された核酸分子と共に含む組成物を、個体に投与することを含む、免疫原に対して個体において免疫応答を誘導する方法に関する。
【0014】
本発明は、さらに、免疫原と、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子をコードする核酸分子を個体に投与することを含む、免疫原に対して個体において免疫応答を誘導する方法に関する。
【0015】
本発明は、さらに、制御要素に作動可能に連結された免疫原をコードするヌクレオチド配列、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子をコードするヌクレオチド配列を含む組換えワクチン、及びそのような組換えワクチンを個体に投与することを含む、免疫原に対して個体において免疫応答を誘導する方法に関する。
【0016】
本発明は、さらに、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子をコードするヌクレオチド配列を含む生弱毒化病原体、及びそのような生弱毒化病原体を個体に投与することを含む、免疫原に対して個体において免疫応答を誘導する方法に関する。
【0017】
好ましい態様の詳細な記載
本明細書にて使用される用語「免疫変調蛋白質」は、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子に関連することを意味する。
【0018】
本明細書にて使用される用語「機能性断片」は、断片なしに免疫原が送達されたときに誘導される免疫に比較して、免疫原と共に送達されたときに増加した免疫応答を提供する免疫変調蛋白質の断片に関連することを意味する。
【0019】
本明細書にて使用される用語「標的蛋白質」は、免疫応答のための標的蛋白質として作用する、本発明の遺伝子構築物によりコードされるペプチド及び蛋白質に関連することを意味する。用語「標的蛋白質」及び「免疫原」は、交換可能に使用されて、免疫応答が導き出され得る蛋白質を意味する。標的蛋白質は、病原体又は不所望の細胞種、例えば、癌細胞又は免疫応答が望まれる自己免疫疾患に関与する細胞からの蛋白質と少なくとも一つのエピトープを共有する免疫原蛋白質である。標的蛋白質に対して向けられた免疫応答は、標的蛋白質が関連する特定の感染又は疾患に関して個体を防御するか及び/又は個体を治療することになる。
【0020】
本明細書にて使用される用語「遺伝子構築物」は、標的蛋白質又は免疫変調蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含むDNA又はRNA分子を意味する。当該コーディング配列は、核酸分子が投与された個体内で発現を指示することができるプロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む制御要素に作動可能に連結された開始及び終結シグナルを含む。
【0021】
本明細書にて使用される用語「発現可能形態」は、個体の細胞内に存在するときに、コーディング配列が発現されるように、標的蛋白質又は免疫変調蛋白質をコードするコーディング配列に作動可能に連結された必要な制御要素を含む遺伝子構築物を意味する。
【0022】
本明細書にて使用される用語「エピトープを共有する」は、別の蛋白質のエピトープと同一であるか又は実質上類似の少なくとも一つのエピトープを含む蛋白質を意味する。
本明細書にて使用される用語「実質上類似のエピトープ」は、蛋白質のエピトープに同一ではないが、にも拘わらずその蛋白質に交差反応する細胞又は体液免疫応答を呼び出す(invoke)構造を有するエピトープに関連することを意味する。
【0023】
本明細書にて使用される用語「細胞内病原体」は、その生殖周期又は生活環の少なくとも一部に宿主細胞中に存在してその中で病原性蛋白質を生産するか又は生産されることを誘導する、ウイルス又は病原性生物に関連することを意味する。
【0024】
本明細書にて使用される用語「高増殖性疾患」は、細胞の高増殖により特徴付けされる疾患及び障害に関連することを意味する。
本明細書にて使用される用語「高増殖関連蛋白質」は、高増殖性疾患に関連した蛋白質に関連することを意味する。
【0025】
発明は、ワクチンの一部として送達されたときに、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片、及びそれらの組み合わせの各々が免疫応答を変調させるという発見から発生する。従って、これらの蛋白質の組み合わせは、ワクチンと組み合わせるか又はワクチンの成分として、免疫治療剤として送達してよい。
【0026】
Fosのヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、K00650又はV01512であり、各々は引用により本明細書に編入される。
c−junのヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、J04111又はM29039であり、各々は引用により本明細書に編入される。
【0027】
Sp−1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、BC021101,BC005250,BC002878,M31126,J02893又はX15102であり、各々は引用により本明細書に編入される。
【0028】
Ap1のヌクレオチド配列は、Lee et al,1987 Cell 49:741−752,Rauscher et al.1988 Science 240:1010−1016、及びChiu et al,1988 Cell 54:541−552に記載されたとおりに同定することができ、各々は引用により本明細書に編入される。
【0029】
Ap−2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、M36711であり、引用により本明細書に編入される。
p38のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U66243であり、引用により本明細書に編入される。
【0030】
p65Relのヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、L19067であり、引用により本明細書に編入される。
MyD88のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U70451であり、引用により本明細書に編入される。
【0031】
IRAKのヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、NM001569であり、引用により本明細書に編入される。
TRAF6のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U78798であり、引用により本明細書に編入される。
【0032】
IκBのヌクレオチド配列は、Gilmore et al.Trends Genet 1993 Dec;9(12):427−33に記載されたとおりに同定することができ、引用により本明細書に編入される。
【0033】
NIKのヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、Y10256であり、引用により本明細書に編入される。
SAP Kのヌクレオチド配列は、Franklin et al.Oncogene 1995 Dec;7(11):2365−74に記載されたとおりに見いだすことができ、引用により本明細書に編入される。
【0034】
SAP1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、M85164又はM85165であり、各々は引用により本明細書に編入される。
JNK2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、L31951であり、引用により本明細書に編入される。
【0035】
JNK1B2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U35005であり、引用により本明細書に編入される。
JNK1B1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U35004であり、引用により本明細書に編入される。
【0036】
JNK2B2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U35003であり、引用により本明細書に編入される。
JNK2B1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U35002であり、引用により本明細書に編入される。
【0037】
JNK1A2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U34822であり、引用により本明細書に編入される。
JNK2A1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U34821であり、引用により本明細書に編入される。
【0038】
JNK3A1のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U34820であり、引用により本明細書に編入される。
JNK3A2のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U34819であり、引用により本明細書に編入される。
【0039】
NF−カッパ−B2のp49スプライス形態のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、A57034であり、引用により本明細書に編入される。
NF−カッパ−B2のp100スプライス形態のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、A42024であり、引用により本明細書に編入される。
【0040】
NF−カッパ−B2のp105スプライス形態のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、S17233であり、引用により本明細書に編入される。
NF−カッパ−B2の50K鎖前駆体のヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、A37867であり、引用により本明細書に編入される。
【0041】
NFκB p50のヌクレオチド配列は、Meyer et al.(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88(3),966 970に記載されており、引用により本明細書に編入される。
【0042】
インターフェロン応答遺伝子の例は、GENBANK受け入れ番号M82819,GENBANK受け入れ番号M81750及びGENBANK受け入れ番号X02530のようなものを含み、各々は引用により本明細書に編入される。
【0043】
Baxのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、L22473であり、引用により本明細書に編入される。
TRAILのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U37518又はAF023849であり、各々は引用により本明細書に編入される。
【0044】
TRAILrecDRC5のヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U90875又はAF016266であり、各々は引用により本明細書に編入される。また、引用により、TRAIL−R2 AF016849;TRAIL−R3 AF014794;及びTRAIL−R4 AF021232も編入される。
【0045】
RANKのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、AF018253であり、引用により本明細書に編入される。
RANK LIGANDのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、AF019047又はAF333234であり、引用により本明細書に編入される。
【0046】
Ox40のヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X75962であり、引用により本明細書に編入される。
Ox40 LIGANDのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X79929又はAB007839であり、引用により本明細書に編入される。
【0047】
CD30のヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、M83554であり(Durkop et al,H et al.Cell 68(3),421−427(1992))、引用により本明細書に編入される。
【0048】
CD153(CD30L)のヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、L09753であり(Smith,C.A.,et al.Cell 73(7),1349−1360(1993))、引用により本明細書に編入される。
【0049】
NKG2Dのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、AF461811又はX54870であり、引用により本明細書に編入される。
MICAのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X92841であり、引用により本明細書に編入される。
【0050】
MICBのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、U65416であり、引用により本明細書に編入される。
NKG2Aのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X54867であり、引用により本明細書に編入される。
【0051】
NKG2Bのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X54868であり、引用により本明細書に編入される。
NKG2Cのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、X54869又はAj0016984であり、引用により本明細書に編入される。
【0052】
NKG2Eのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、L14542であり、引用により本明細書に編入される。
NKG2Fのヌクレオチド及びアミノ酸配列に関するGENBANK受け入れ番号は、AH006173,U96845又はU96846であり、は引用により本明細書に編入される。
【0053】
様々な生物からのTAP1をコードするヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、
【0054】
【表1】

【0055】
であり、各々は引用により本明細書に編入される。
様々な生物からのTAP2をコードするヌクレオチド配列に関するGENBANK受け入れ番号は、
【0056】
【表2】

【0057】
であり、各々は引用により本明細書に編入される。
発明の幾つかの態様によれば、免疫原と、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子との組み合わせを個体に送達することにより、個体の免疫系の活性を変調させ、それにより、上記免疫原に対する免疫応答を増強する。上記転写因子をコードする核酸分子を上記個体の細胞から集めるとき、転写因子をコードするヌクレオチド配列を当該細胞内で発現させ、当該蛋白質をそれにより個体に送達させる。発明の側面は、組換えワクチンの一部として及び弱毒化ワクチンの一部として様々な転写因子を一つ又はそれより多くコードする別の核酸分子を含む組成物において、上記蛋白質のコーディング配列を単一の核酸分子に送達する方法を提供する。
【0058】
発明の幾つかの側面によれば、病原性又は異常性、疾患関連細胞に対して個体を予防上及び/又は治療上免疫する組成物及び方法が提供される。上記ワクチンは、あらゆる種類のワクチンであってよく、例えば、生弱毒化ワクチン、細胞ワクチン、組換えワクチン又は核酸又はDNAワクチンである。免疫原と、Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い転写因子をコードする核酸分子を送達することにより、ワクチンにより誘導された免疫応答を変調してよい。
【0059】
免疫変調蛋白質をコードする単離されたcDNAは、その免疫変調蛋白質を生産し得る構築物の構築において出発物質として有用である。標準の技術及び容易に利用可能な出発物質を用いることにより、免疫変調蛋白質をコードする核酸分子を製造してよい。
【0060】
本発明は、免疫変調蛋白質を送達するための組成物及びそれらを用いる方法に関する。本発明の側面は、制御要素に作動可能なように連結されたFos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片の一つ又はそれより多くをコードするヌクレオチド配列を、制御要素に作動可能なように連結された免疫原をコードするヌクレオチド配列と共に含む核酸配列に関する。本発明の側面は、制御要素に作動可能なように連結されたFos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片の一つ又はそれより多くをコードするヌクレオチド配列を、制御要素に作動可能なように連結された免疫原をコードするヌクレオチド配列と共に含む核酸配列を含む組成物に関する。本発明は、さらに、そのような核酸分子を含む注射可能な薬学組成物に関する。
【0061】
上記核酸分子は、幾つかのよく知られた技術の何れかを用いて送達してよく、DNA注射(DNA予防接種(vaccination)とも呼ばれる)、組換えベクター、例えば組換えアデノウイルス、組換えアデノウイルス随伴ウイルス及び組換えワクシニアを含む。
【0062】
DNAワクチンは、米国特許第5,593,972号,第5,739,118号、第5,817,637号、第5,830,876号、第5,962,428号、第5,981,505号、第5,580,859号、第5,703,055号、第5,676,594号及びそれらの中で引用された先行出願に記載されており、各々は引用により本明細書に編入される。それらの出願に記載された送達プロトコルに加えて、DNAを送達する別の方法が米国特許第4,945,050号及び第5,036,006号に記載されており、両者は引用により本明細書に編入される。
【0063】
投与の経路は、限定ではないが、筋肉内、鼻内、腹膜内、皮膚内、皮下、静脈内、動脈内、眼内及び経口、並びに局所、経皮、吸入によるか又は座剤によるか又は粘膜組織、例えば、膣、直腸、尿道、口内及び舌下の組織への洗浄(lavage)を含む。好ましい投与経路は、粘膜組織、筋肉内、腹膜内、皮膚内及び皮下注射を含む。遺伝子構築物は、限定ではないが、慣用のシリンジ、針無し注射装置、又は「マイクロ発射体砲撃遺伝子銃」を含む手段により投与してよい。
【0064】
細胞から取り出すとき、遺伝子構築物は機能性染色体外分子として細胞内に存在したままであるか及び/又は細胞の染色体DNAに組み込まれてよい。DNAは、単一又は複数のプラスミドの形態にて別の遺伝物質として留まるように、細胞内に導入されてよい。あるいは、染色体に組み込まれ得る直鎖状DNAを細胞内に導入してよい。DNAを細胞内に導入する場合、染色体へのDNAの組み込みを促進させる薬剤を加えてよい。組み込みを促進させるのに有用なDNA配列をDNA分子に含ませてもよい。あるいは、RNAを細胞に投与してよい。セントロメア、テロメア及び複製起点を含む直鎖状ミニ染色体として遺伝子構築物を提供することも企図される。遺伝子構築物は、弱毒化された生きた微生物又は細胞内で生存する組換え微生物ベクター内で遺伝物質の一部として留まってよい。遺伝子構築物は、遺伝物質が細胞の染色体に組み込まれるか又は染色体外に留まるように、組換えウイルスベクターのゲノムの一部であってよい。遺伝子構築物は、核酸分子の遺伝子発現に必要な制御要素を含む。当該要素は、プロモーター、開始コドン、停止コドン、及びポリアデニル化シグナルを含む。さらに、エンハンサーが標的蛋白質又は免疫変調蛋白質をコードする配列の遺伝子発現にはしばしば必要である。これらの要素が所望の蛋白質をコードする配列に作動可能なように連結されること、及び制御要素がそれらの投与される個体において作動することが必要である。
【0065】
開始コドン及び停止コドンは、一般に、所望の蛋白質をコードするヌクレオチド配列の一部と考えられている。しかしながら、これらの要素は遺伝子構築物が投与される個体において機能することが必要である。開始コドン及び停止コドンはコーディング配列とフレームが合わなければならない。
【0066】
使用されるプロモーターとポリアデニル化シグナルは、個体の細胞内で機能しなければならない。
本発明を実施するために有用なプロモーター、特にヒトのための遺伝子ワクチンの生産におけるプロモーターの例は、限定ではないが、シミアンウイルス40(SV40)からのプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)プロモーター、ヒト免疫不全ウイルス(MV)例えばBIVロングターミナルリピート(LTR)プロモーター、モロニーウイルス、ALV,カイトメガロウイルス(CMV)、例えばCMV即初期(immediate early)プロモーター、エプスタインバールウイルス(EBV)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)並びにヒト遺伝子、例えば、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン及びヒトメタロチオネイン由来のプロモーターを含む。
【0067】
本発明を実施するのに有用なポリアデニル化シグナル、特にヒトのための遺伝子ワクチンの生産におけるポリアデニル化シグナルの例は、限定ではないが、SV40ポリアデニル化シグナル及びLTRポリアデニル化シグナルを含む。特に、pCEP4(インビトロジェン、サンディエゴCA)中のSV40のポリアデニル化シグナルはSV40ポリアデニル化シグナルと呼ばれ、使用される。
【0068】
DNA発現に必要な制御要素に加えて、他の要素を上記DNA分子に含ませてもよい。そのような追加の要素はエンハンサーを含む。エンハンサーは、限定ではないが、ヒトアクチン、ヒトミオシン、ヒトヘモグロビン、ヒト筋肉クレアチン及びウイルスエンハンサー、例えばCMV,RSV及びEBV由来のエンハンサーを含む群から選択してよい。
【0069】
遺伝子構築物は、構築物を染色体外で保持して、細胞内で構築物の複数コピーを生成するために、哺乳類の複製起点と共に提供することができる。インビトロジェン(サンディエゴCA)からのプラスミドpVAX1,pCEP4及びpREP4は、エプスタインバールウイルスの複製起点及び組み込みなしで高コピーのエピソーム複製を生じる核抗原EBNA−1コーディング領域を含む。
【0070】
免疫化応用に関係する幾つかの態様においては、標的蛋白質免疫変調蛋白質をコードするヌクレオチド配列、及びそのような標的蛋白質に対する免疫応答をさらに増強する蛋白質に関する遺伝子を含む核酸分子が送達される。そのような遺伝子の例は、他のサイトカイン及びリンホカイン、例えば、アルファ−インターフェロン、ガンマ−インターフェロン、血小板由来の成長因子(PDGF),TNF,GM−CSF,上皮成長因子(EGF),IL−1,IL−2,IL−4,IL−6,IL−10,IL−12及びシグナル配列を欠損して任意にIgEのシグナルペプチドを含むIL−15を包含するIL−15をコードするものである。
【0071】
追加の要素は、何れかの理由により遺伝子構築物を受ける細胞を排除することが望まれるならば、細胞の破壊のための標的として機能するものを追加してよい。発現可能形態でのヘルペスチミジンキナーゼ(tk)遺伝子を遺伝子構築物内に含ませることができる。ドラッグ、ガンシクロビルを個体に投与することができ、当該ドラッグはtkを生成する細胞の選択的な殺傷を誘導して、即ち、遺伝子構築物と共に細胞の選択的破壊のための手段を提供する。
【0072】
蛋白質の生産を最大にするため、構築物が投与される細胞内での遺伝子発現に都合よく適した制御配列を選択してよい。さらに、上記細胞内でより有効に転写されるコドンを選択してよい。当業者は、細胞内で機能するDNA構築物を生産できる。
【0073】
幾つかの態様において、IgEシグナルペプチドに結合された本明細書記載の免疫変調蛋白質のコーディング配列を生成するために、遺伝子構築物を提供してよい。
本発明の一つの方法は、筋肉内、鼻内、腹膜内、皮下、皮膚内又は局所的又は吸入、膣、直腸、尿道、口内及び舌下からなる群から選択される粘膜組織への洗浄(lavage)により、核酸分子を投与する工程を含む。
【0074】
幾つかの態様において、上記核酸分子は、ポリヌクレオチド機能性エンハンサー又は遺伝子ワクチン促進剤の投与と共に、細胞に送達される。ポリヌクレオチド機能性エンハンサーは、1994年1月26日に出願された、米国連続番号、第5,593,972号,第5,962,428号及び国際出願連続番号PCT/US94/00899に記載されており、引用により本明細書に編入される。遺伝子ワクチン促進剤は、1994年4月1日に出願された米国連続番号、第021,579号に記載されており、引用により本明細書に編入される。核酸分子と共に投与される補体剤(co−agent)を、核酸分子との混合物として投与するか、又は別々にして、同時か、核酸分子の投与の前に、又は後に、投与してよい。さらに、トランスフェクト剤(transfecting agent)及び/又は複製剤(replicating agent)及び/又は炎症剤(inflammatory agent)として機能するかもしれない他の薬剤及びGVFと同時投与してよい他の薬剤は、成長因子、サイトカイン及びリンホカイン、例えば、α−インターフェロン、ガンマ−インターフェロン、GM−CSF,血小板由来の成長因子(PDGF),TNF,上皮成長因子(EGF),IL−1,IL−2,IL−4,IL−6,IL−10,IL−12及びIL−15並びに繊維芽成長因子、表面活性剤、例えば免疫刺激複合体(ISCOMS)、フロイント不完全アジュバント、モノホスホリルリピッドA(WL)を含むLPS類似体、ムラミルペプチド、キノン類似体及びスクアラン及びスクアレンを含む小胞(vesicles)を含み、そしてヒアルウロン酸を上記遺伝子構築物と共に投与してもよい。幾つかの態様において、免疫変調剤は、GVFとして使用してよい。幾つかの態様において、送達/取込みを増強するためには、上記核酸分子をPLGと共に提供する。
【0075】
本発明による薬学組成物は、約1ナノグラムから約2000マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、本発明による薬学組成物は、約5ナノグラムから約1000マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、薬学組成物は、約10ナノグラムから約800マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、薬学組成物は、約0.1から約500マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、薬学組成物は、約1から約350マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、薬学組成物は、約25から約250マイクログラムのDNAを含む。幾つかの好ましい態様において、薬学組成物は、約100から約200マイクログラムのDNAを含む。
【0076】
本発明による薬学組成物は、使用される投与の様式に従い製剤化される。薬学組成物が 注射可能な薬学組成物である場合、それらは滅菌されて、発熱物質フリーであり、そして微粒子(particulate)フリーである。等張性製剤を、好ましくは使用する。一般に、等張性のための付加物は、塩化ナトリウム、デキストロース、マニトール、ソルビトール及びラクトースを含み得る。幾つかの場合、等張性溶液、例えばリン酸緩衝塩溶液が好ましい。安定剤は、ゼラチン及びアルブミンを含む。幾つかの態様においては、血管収縮剤を製剤に加える。
【0077】
発明の幾つかの態様によれば、免疫原に対して免疫応答を誘導する方法は、免疫原及びFos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片の一つ又はそれより多くの組み合わせを個体に送達することにより提供される。ワクチンは、生弱毒化ワクチン、細胞ワクチン、組換えワクチン又は核酸又はDNAワクチンであってよい。
【0078】
本発明は、標的蛋白質、即ち、病原体、アレルゲン又は個々の「異常性」細胞に特異的に付随する蛋白質に対して増強された免疫応答を誘発するのに有用である。本発明は、病原体蛋白質が病原体に対して防御性免疫を提供するように、病原体因子(agents)及び生物に対して個体を免疫するのに有用である。本発明は、高増殖性細胞に特異的に関連する標的蛋白質に対して免疫応答を誘発することにより高増殖性疾患又は障害、例えば、癌と戦うのに有用である。本発明は、自己免疫の症状に関与する細胞に特異的に関連する標的蛋白質に対して免疫応答を誘発することにより自己免疫疾患又は障害と戦うのに有用である。
【0079】
本発明のいくつかの側面によれば、標的蛋白質及び免疫変調蛋白質をコードするDNA又はRNAをそれが発現される個体の組織の細胞内に導入し、即ち、コードされた蛋白質を生成する。標的蛋白質及び一つ又は両方の免疫変調蛋白質をコードするDNA又はRNAの配列を、個体の細胞内での発現に必要な制御要素に連結する。DNA発現のための制御要素は、プロモーター及びポリアデニル化シグナルを含む。さらに、他の要素、例えば、コザック領域を遺伝子構築物内に含ませてもよい。
【0080】
幾つかの態様において、標的蛋白質をコードする配列の発現可能形態及び両免疫変調蛋白質をコードする配列の発現可能形態は、個体へ送達される同じ核酸分子内に見いだされる。
【0081】
幾つかの態様において、標的蛋白質をコードする配列の発現可能形態は、一つ又はそれより多い免疫変調蛋白質をコードする配列の発現可能形態を含む核酸分子からの別の核酸分子上に起こる。幾つかの態様において、標的蛋白質をコードする配列の発現可能形態及び両免疫変調蛋白質をコードする配列の発現可能形態は、一つ又はそれより多い免疫変調蛋白質をコードする配列の発現可能形態を含む核酸分子とは独立した一つの核酸分子上に起こる。複数の異なる核酸分子を本発明に従い生産して送達して、個体に送達することができる。例えば、幾つかの態様において、標的蛋白質をコードする配列の発現可能形態は、一つ又はそれより多い免疫変調蛋白質をコードする配列の発現可能形態を含む核酸分子とは異なる核酸分子上に起こる、2つの免疫変調蛋白質の一つ又はそれより多くをコードする配列の発現可能形態を含む核酸分子とは異なる核酸分子上に起こる。そのような場合、全部で3つの分子が個体に送達される。
【0082】
上記核酸分子は、プラスミドDNA、組換えベクターの核酸分子又は弱毒化ワクチン又は細胞ワクチン内に提供される遺伝物質の一部として提供してよい。或いは、幾つかの態様においては、標的蛋白質及び/又は一方又は両方の免疫変調蛋白質を、それらをコードする核酸分子に加えて又はそれらをコードする核酸分子の代わりに、蛋白質として送達してよい。
【0083】
遺伝子構築物は、遺伝子発現に必要な制御要素に作動可能なように連結された標的蛋白質又は免疫変調蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含んでよい。発明によれば、標的蛋白質をコードするヌクレオチド配列の発現可能な形態を含むもの及び免疫変調蛋白質をコードするヌクレオチド配列の発現可能な形態を含むものを含む遺伝子構築物の組み合わせが提供される。遺伝子構築物の組み合わせを含むDNA又はRNA分子の生きた細胞への取込みは、DNA又はRNAの発現及び標的蛋白質及び一つ又はそれより多い免疫変調蛋白質の生産をもたらす。標的蛋白質に対する増強された免疫応答がもたらされる。
【0084】
本発明は、単細胞病原生物及び多細胞寄生生物のような、ウイルス、原核及び病原性真核生物のような全ての病原生物に対して個体を免疫するのに使用してよい。本発明は、細胞に感染し且つ封入されていない病原体、例えば、ウイルス、及び原核生物、例えば、淋菌(gonorrhea)、リステリア菌及びシゲラに対して個体を免疫するのに特に有用である。さらに、本発明は、それらが細胞内病原体である細胞周期におけるステージを含む原生動物病原体に対して個体を免疫するのにも有用である。表1は、本発明によるワクチンが作成され得るウイルスのファミリー及び属の幾つかのリストを提供する。表に掲載された抗原のような病原性抗原上に提示されるエピトープと同一であるか又は実質上類似の少なくとも一のエピトープを含むペプチドをコードするDNA配列を含むDNA構築物は、ワクチンにおいて有用である。さらに、本発明は、表2に掲載されたような原核及び真核原生動物病原体並びに多細胞寄生成物を含む他の病原体に対して個体を免疫するのにも有用である。
【0085】
病原体感染に対して防御するための遺伝子ワクチンを生産するため、防御性免疫応答が増加され(mounted)得る免疫原蛋白質をコードする遺伝物質は、標的のコーディング配列として遺伝子構築物内に含ませなければならない。病原体が細胞内で感染するか、本発明が特に有用なことに、又は細胞外で感染するかについて、全ての病原性抗原が防御性応答を誘発することは、あり得そうにない。DNA及びRNAは共に相対的に小さくそして相対的に容易に生産され得るから、本発明は、複数の病原性抗原による予防接種(vaccination)を可能にさせる追加の利点を提供する。上記遺伝子ワクチン内で使用される遺伝子構築物は、多数の病原性抗原をコードする遺伝物質を含み得る。例えば、幾つかのウイルス遺伝子を単一の構築物に含ませて、それにより複数標的を提供してよい。
【0086】
表1及び2は、それらによる感染から個体を防御するように遺伝子ワクチンが製造され得るような、病原性因子(agents)及び生物の幾つかのリストを含む。幾つかの好ましい態様において、病原体に対して個体を免疫する方法は、HIV,HSV,HCV,WNV又はHBVに対して向けられる。
【0087】
本発明の別の側面は、高増殖性疾患に特徴的な高増殖性細胞に対して防御性免疫応答を授与する方法及び高増殖性疾患を罹患した個体を治療する方法を提供する。高増殖性疾患の例は、癌及び乾癬の全ての形態を含む。
【0088】
免疫原性「高増殖性細胞」関連蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物の、個体の細胞への導入は、個体の予防接種された(vaccinated)細胞内のそれら蛋白質の生産をもたらす。高増殖性疾患に対して免疫するため、高増殖性疾患に関連する蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物を個体に投与する。
【0089】
高増殖関連蛋白質が有効な免疫原性標的になるためには、正常細胞と比較して、高増殖細胞内で独占的であるか又は高いレベルにて生産される蛋白質でなければならない。標的抗原は、そのような蛋白質、その断片及びペプチドを含み;そのような蛋白質上に見いだされる少なくとも一つのエピトープを含む。幾つかの場合、高増殖関連蛋白質は、蛋白質をコードする遺伝子の変異の産物である。変異した遺伝子は、正常な蛋白質上に見いだされない異なるエピトープをもたらすわずかに異なるアミノ酸配列を有すること以外は、正常な蛋白質とほとんど同一の蛋白質をコードする。そのような標的蛋白質は、癌遺伝子、例えば、myb,myc,fyn,及び転位(translocation)遺伝子、例えば、bcr/abl,ras,src,P53,neu,trk及びEGRFによりコードされる蛋白質であるもの等を含む。標的抗原としての癌遺伝子産物に加えて、抗癌治療及び防御養生法のための標的蛋白質は、幾つかの態様においては自己免疫疾患の標的抗原としても使用されるB細胞リンパ腫により作成される抗体の可変領域及びT細胞リンパ腫のT細胞受容体の可変領域を含む。モノクローナル抗体17−IAにより認識される蛋白質及び葉酸結合蛋白質及びPSAを含む腫瘍細胞中に高レベルで見いだされる蛋白質のような標的蛋白質として、他の腫瘍関連蛋白質を使用することができる。
【0090】
本発明は一つ又はそれより多い幾つかの形態の癌に対して個体を免疫するのに使用してよいが、本発明は、特定の癌を発症する素因を有する人又は癌であったため再発の疑いのある人を予防上免疫するのに特に有用である。遺伝学及び技術の発達並びに疫学の発達は個々における癌の発症の可能性及び危険性評価の決定を可能にする。遺伝子スクリーニング及び/又は家族の病歴を用いることにより、幾つかの種類の癌の何れか一つを発症することについて、特定の個体が有する可能性を予測することが可能である。
【0091】
同様に、癌を既に発症した人及び癌を除去する治療を受けた人又はさもなくば緩解した人は、特に再発(relapse)及び再開(reoccurrence)の疑いがある。治療養生法の一部として、そのような個体を、有すると診断された癌に対して免疫することにより、再開と戦うことができる。即ち、ある人が一つの種類の癌を有し、且つ再発の危険にあることが分かっていれば、癌の未来のあらゆる出現と戦うように彼らの免疫系を用意するため、彼らを免疫することができる。
【0092】
本発明は、高増殖性疾患に罹患した人を治療する方法を提供する。そのような方法においては、遺伝子構築物の導入が免疫治療剤として機能し、標的蛋白質を生産する高増殖性細胞と戦うために、個体の免疫系を指示及び促進させる。
【0093】
本発明は、細胞受容体及び「自己」指示抗体を生産する細胞を含む自己免疫に関連した標的に対しての、広い底辺を有する(broad based)防御性免疫応答を授与することにより、自己免疫疾患及び障害を罹患した人を治療する方法を提供する。
【0094】
T細胞媒介性自己免疫疾患は、慢性関節リウマチ(RA)、多発性硬化症(MS)、シェーグレン症候群、類肉腫症、インスリン依存性糖尿病(1DDM)、自己免疫甲状腺炎、反応性関節炎、強直性脊椎炎、硬皮症、多発性筋炎、皮膚筋炎、乾癬、脈管炎、ヴェゲナー肉芽腫症、クローン病及び潰瘍性大腸炎を含む。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合して自己免疫疾患に関連した炎症性カスケードを開始するT細胞受容体により特徴付けられる。T細胞の可変領域に対する予防接種は、それらのT細胞を排除するようにCTLsを含む免疫応答を誘発するはずである。
【0095】
RAにおいては、上記疾患に関与するT細胞受容体(TCRs)の幾つかの特異的可変領域が同定された。これらのTCRsは、Vβ−3,Vβ−14,20,Vβ−17及びVα−17を含む。即ち、これらの蛋白質を少なくとも一つコードするDNA構築物による予防接種は、RAに関与するT細胞を標的とする免疫応答を誘発することになる。Howell,M.D.,et al.,1991 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10921−10925;Piliard,X.,et al.,1991 Science 253:325−329;Williams,W.V.,et al.,1992 J Clin Invest.90:326−333を参照されたく、各々が引用により本明細書に編入される。MSにおいては、上記疾患に関与するTCRsの幾つかの特異的可変領域が特定された。これらのTCRsは、VfP及びVa−10を含む。即ち、これらの蛋白質を少なくとも一つコードするDNA構築物による予防接種は、MAに関与するT細胞を標的とする免疫応答を誘発することになる。Wucherpfennig,K.W.,et al.,1990 Science 248:1016−1019;Oksenberg,J.R.,1990 Nature 345:344−346を参照されたく、各々が引用により本明細書に編入される。
【0096】
硬皮症においては、当該疾患に関与するTCRsの幾つかの特異的可変領域が同定された。これらのTCRsは、Vβ−6,Vβ−8,Vβ−14及びV−16,Vα−3C,Vα−7,Vα−14,Vα−15,Vα−16,Vα−28及びVα−12を含む。即ち、これらの蛋白質を少なくとも一つコードするDNA構築物による予防接種は、硬皮症に関与するT細胞を標的とする免疫応答を誘発することになる。
【0097】
T細胞媒介性自己免疫疾患、特にTCRの可変領域が既に特性決定された疾患に罹患した患者を治療するためには、滑液生検を実施することができる。存在するT細胞のサンプルを取り出すことができ、そしてそれらのTCRsの可変領域を標準技術を用いて同定する。遺伝子ワクチンをこの情報を用いて製造することができる。
【0098】
B細胞媒介性自己免疫疾患は、踉蹌(SLE)、グレーヴス病、重症性筋無力症、自己免疫溶血性貧血、自己免疫血小板減少症、喘息、クリオグロブリン血症、第一次(primary)胆嚢硬化症及び悪性貧血を含む。これらの疾患の各々は、内因性抗原に結合し且つ自己免疫疾患に関連した炎症性カスケードを開始する抗体により特徴付けられる。抗体の可変領域に対する予防接種は、当該抗体を生産するそれらB細胞を排除するように、CTLsを含む免疫応答を誘発するはずである。
【0099】
B細胞媒介性自己免疫疾患に罹患した患者を治療するためには、自己免疫活性に関与する抗体の可変領域を同定しなければならない。生検を実施することができ、そして炎症の部位に存在する抗体のサンプルを取り出すことができる。それらの抗体の可変領域は標準技術を用いて同定することができる。遺伝子ワクチンを、この情報を用いて製造することができる。
【0100】
SLEの場合には、一つの抗原がDNAであると信じられている。即ち、SLEに対して免疫される患者においては、彼らの血清を抗−DNA抗体に関してスクリーニングすることができ、そして血清中に見いだされるそのような抗−DNA抗体の可変領域をコードするDNA構築物を含むワクチンを製造することができる。
【0101】
TCRs及び抗体の可変領域間の共通の構造上の特徴は、よく知られている。特定のTCRs又は抗体をコードするDNA配列は、よく知られた方法に従い通常は見いだすことができ、例えば、Kabat,et al 1987 Sequence of Proteins of Immunological Interest U.S. Department of Health and Human Services,ベセスダMDに記載されたような方法であり、引用により本明細書に編入される。さらに、抗体からの機能性可変領域をクローン化するための一般的方法は、Chaudhary,V.K.,et al,1990 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1066に見いだすことができ、引用により本明細書に編入される。
【0102】
遺伝子ワクチンを改良するための免疫変調蛋白質コーディング配列の発現可能形態の使用に加え、本発明は、抗原をコードする外来遺伝子を送達するための組換えベクターを用いる、弱毒化生ワクチン及び改良されたワクチンに関する。弱毒化生ワクチンの例及び外来抗原を送達するための組換えベクターを用いた例は、米国特許番号第4,722,848号;第5,017,487号;第5,077,044号;第5,110,587号;第5,112,749号;第5,174,993号;第5,223,424号;第5,225,336号;第5,240,703号;第5,242,829号;第5,294,441号;第5,294,548号;第5,310,668号;第5,387,744号;第5,389,368号;第5,424,065;第5,451,499号;第5,453,364号;第5,462,734号;第5,470,734号;及び第5,482,713号に記載されており、各々は引用により本明細書に編入される。発現を遂げるようにワクチン内で機能し得る制御配列に作動可能に連結された免疫変調蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む遺伝子構築物が提供される。当該遺伝子構築物は弱毒化ワクチン及び組換えワクチンに取込まれることにより、発明により改善されたワクチンを生成する。
【0103】
本発明は、DNAワクチン、弱毒化生ワクチン及び組換えワクチンを含むように提供されたワクチン組成物の一部として個体の細胞に遺伝子構築物を送達する工程を含む、個体を免疫する改善方法を提供する。当該遺伝子構築物は、免疫変調蛋白質をコードし、且つ発現を遂げるようにワクチン内で機能し得る制御配列に作動可能なように連結されたヌクレオチド配列を含む。
【0104】
実施例
DNA予防接種における分子アジュバントとしてのプラスミドによりコードされたOX40:体液免疫応答を増強すること
OX40/OX40L経路は、樹状細胞がTh2免疫応答を推進するように用意して(priming)、最近活性化されたCD4+ T細胞をTh2表現型に対して対立させる(polarizing)重要な部分であることがわかった。
【0105】
データは、死ドメイン(death domain)OX40をコードするDNAの発現可能形態が免疫原をコードするDNAの発現可能形態をコードするDNA構築物と共に含まれるようにDNAワクチン構築物が提供される場合に、結果の免疫応答は主に顕著な抗体応答であることを示す。これらの結果は、予防接種された細胞内のOX40の存在がB細胞上に見いだされるOX40受容体と相互作用し得ることを示したので、意外である。プラスミドにコードされたOX40の同時投与により観察された増強された抗体とCD4+の応答は、図1及び2に示されるデータにより示される。プラスミドにコードされたOX40の同時投与により観察された増強された抗体応答は、図3に示されるデータによりさらに示される。
【0106】
「外来抗原」は、その外来抗原を唯一認識するB細胞受容体と複合体を形成する。当該複合体は、次に、サイトカインのようなメッセンジャーを分泌することにより複合体及び反応(responds)を認識するヘルパーT細胞と相互作用する。B細胞は外来抗原に特異的に結合する抗体を生産することにより、分泌されたメッセンジャーに反応する。
【0107】
本実験において使用されたDNAワクチンは、コーディング形態のHIVのenvを含んだ。この蛋白質は、分泌されないが、上記DNAワクチンを拾い上げてプラスミドDNAによりコードされた蛋白質を発現する細胞の細胞膜に主に局在する。当該DNAワクチンは、DNAワクチンプラスミドを拾い上げる細胞により発現もされるOX40コーディング配列も含む。
【0108】
OX40の不在下では、HIVのenvをコードするDNAワクチンが最少の抗体応答を誘導するが、おそらくは、蛋白質が分泌されないためである。CTL免疫応答はenvに対して生じる。意外なことに、OX40の存在は顕著な抗体応答及び最少のCTL応答をもたらす。免疫応答におけるこの変化が如何にして起こるか、即ち、どの機構がCTL応答のB細胞関与及びシャットダウンをもたらすかが不明である。この発見の実用上の応用は、DNAワクチンをデザインすることにより顕著な抗体応答を提供できることである。抗体応答は、多数の病原体、例えば、肝炎ウイルス(HAV,HBV,HCV)、デンギウイルス(dengivirus)に対する防御及び浄化(clearance)において、並びにアレルゲンに対する防御及び治療において、必要とされる。さらに、抑圧されたTL応答及び顕著な抗体応答を伴うDNAワクチンは、癌及び自己免疫疾患を治療するのに特に有用である。そのようなワクチンは、一般に上記疾患に関連した細胞上に優先的に発現される自己蛋白質である、癌及び自己免疫関連蛋白質をコードする配列を一般に提供する。CTL応答の不在は、不所望の細胞を攻撃できる免疫応答をなおも提供しながら、不所望な自己免疫応答を誘導する能力を最少にする。従って、本明細書に記載された、病原体抗原、アレルゲン、高増殖性疾患に関連した抗原及び自己免疫及び疾患関連細胞からの抗原のコーディング配列と組み合わせてOX40コーディング配列を提供する構築物及び組成物は、本発明の態様において特に有用である。
【0109】
【表3】

【0110】
【表4】

【0111】
【表5】

【0112】
【表6】

【0113】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】図1は、OX40の投与を伴う場合及び伴わない場合の、balb/cマウスのHIVに対する抗体力価を示す。
【図2】図2は、CD4 T細胞リンパ球増殖アッセイからのデータを示す。
【図3】図3は、1:1,000希釈におけるOX40の同時投与によるC57B6 HLA−DRトランスジェニックマウスのHIVに対する応答を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
免疫原をコードする単離された核酸分子;及び
Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される転写因子をコードする単離された核酸分子
を含む組成物。
【請求項2】
核酸分子がプラスミドである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
病原体抗原、癌関連抗原又は自己免疫疾患に関連する細胞にリンクした抗原である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
免疫原が病原体抗原である、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
免疫原がヘルペスシンプレックス抗原である、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
ヘルペスシンプレックス抗原がHSV2gDである、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
免疫原をコードするヌクレオチド配列;及びFos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を含む組成物。
【請求項8】
核酸分子がプラスミドである、請求項7記載の組成物。
【請求項9】
病原体抗原、癌関連抗原又は自己免疫疾患に関連する細胞にリンクした抗原である、請求項7記載の組成物。
【請求項10】
免疫原が病原体抗原である、請求項9記載の組成物。
【請求項11】
免疫原がヘルペスシンプレックス抗原である、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
ヘルペスシンプレックス抗原がHSV2gDである、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
請求項1乃至12の何れか1項記載の組成物を含む注射可能な薬学組成物。
【請求項14】
請求項1乃至12の何れか1項記載の組成物を個体に投与することを含む、個体において免疫応答を誘導する方法。
【請求項15】
制御要素の作動可能に連結された免疫原をコードするヌクレオチド配列;及びFos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む組換えワクチン。
【請求項16】
病原体抗原、癌関連抗原又は自己免疫疾患に関連する細胞にリンクした抗原である、請求項15記載の方法。
【請求項17】
免疫原が病原体抗原である、請求項16記載の方法。
【請求項18】
組換えワクチンが組換え体ワクシニアワクチンである、請求項16記載の方法。
【請求項19】
請求項17記載の組換えワクチンを個体に投与することを含む、個体において免疫応答を誘導する方法。
【請求項20】
Fos,c−jun,Sp−1,Ap−1,Ap−2,p38,p65Rel,MyD88,IRAK,TRAF6,IkB,不活性NIK,SAP K,SAP−1,JNK,インターフェロン応答遺伝子、NFκB,Bax,TRAIL,TRAILrec,TRAILrecDRC5,TRAIL−R3,TRAIL−R4,RANK,RANK LIGAND,Ox40,Ox40 LIGAND,NKG2D,MICA,MICB,NKG2A,NKG2B,NKG2C,NKG2E,NKG2F,TAP1,TAP2及びそれらの機能性断片からなる群から選択される一つ又はそれより多い蛋白質をコードするヌクレオチド配列を含む生弱毒化病原体。
【請求項21】
請求項20記載の生弱毒化病原体を個体に投与することを含む、病原体に対して個体を免疫する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−502868(P2007−502868A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533794(P2006−533794)
【出願日】平成16年6月14日(2004.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2004/019028
【国際公開番号】WO2004/112706
【国際公開日】平成16年12月29日(2004.12.29)
【出願人】(500429103)ザ・トラスティーズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ペンシルバニア (102)
【Fターム(参考)】