説明

ワークステーション装置

【課題】横長の支持ユニットに、テーブルや仕切りパネル等を含む多数のワークステーション構成要素を、集約して、簡単かつ強固に、しかも容易にレイアウト変更できるようにして装着しうるようにしたワークステーション装置を提供する。
【解決手段】床上に設けた横長の支持ユニットA4の上面における長手方向と直交する方向の中央部と両側部とに、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔16を長手方向に3列として並べて設け、中央の列の嵌合孔16に、支持ユニットA4の長手方向を向く仕切りパネル5の両側端部下面に設けた脚杆22を嵌合して、この仕切りパネル5を支持し、かつ両側部の列の嵌合孔16に、支持ユニットより外側方に向かって延出するテーブル1〜4等における一端部の下面に設けた脚杆を嵌合して、このテーブル1〜4等を支持するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィス、工場、学習室等において、用途や目的に応じて、テーブルや仕切り等の構成要素のレイアウトを、容易に変更できるようにしたワークステーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種のものとしては、フロアの所定箇所に配設される位置決め要素と、フロア上を自由に移動させて、共同ワークエリアまたは個人ワークエリアを適宜形成するための移動家具とを備え、交流性と自由性とを両立しうるようにしたものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、配線ダクトとしての機能を有する横杆体の上面に、長手方向を向く溝を形成し、この溝に、スクリーンやパネル、天板支持用のブラケット等を、長手方向に取付位置調節可能として装着しうるようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−299167号公報(図1、図10〜図14)
【特許文献2】特開平10−262744号公報(図6、図7、図20)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の前者は、各机が互いに独立して自立し、しかもフロア上を自由に移動できるようになっているので、所望のレイアウトで配置した後に、各机が妄りに移動して、レイアウトが崩れるおそれがあり、それを防止するため、各机の相互間を互いに連結するようにすると、その連結作業が煩雑になる。
【0005】
後者は、パネルや天板を、横杆体の上面に設けた溝に嵌合して支持しているだけであるので、それらの支持が不安定であり、またそれらが横杆体の長手方向に妄りに移動するおそれがあり、さらに、横杆体の同一部所に複数の天板やパネル等を取付けることはできない。
【0006】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、横長の支持ユニットに、テーブルや仕切りパネル等を含む多数のワークステーション構成要素を、集約して、簡単かつ強固に、しかも容易にレイアウト変更できるようにして装着しうるようにしたワークステーション装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 床上に設けた横長の支持ユニットの上面における長手方向と直交する方向の中央部と両側部とに、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔を長手方向に3列として並べて設け、中央の列の嵌合孔に、前記支持ユニットの長手方向を向くワークステーション構成要素の両側端部下面に設けた脚杆を嵌合して、このワークステーション構成要素を支持し、かつ両側部の列の嵌合孔に、支持ユニットより外側方に向かって延出するワークステーション構成要素における一端部の下面に設けた脚杆を嵌合して、このワークステーション構成要素を支持するようにする。
【0008】
このような構成とすると、次のような効果を奏することができる。
(a) 横長の支持ユニットに、テーブルや仕切りパネル等を含む多数のワークステーション構成要素を、集約して、簡単かつ強固に装着することができ、しかも容易にレイアウト変更することができる。
(b) また、各種のワークステーション構成要素の組合せにより、目的及び用途に応じた作業環境を形成することができる。
(c) 各ワークステーション構成要素の下端部に設けられた脚杆の少なくとも一部を、脚杆支持部である任意の嵌合孔に嵌合するだけで、多数のワークステーション構成要素を、簡単かつ迅速に支持ユニットに装着することができ、しかも、装着後に、各ワークステーション構成要素が妄りに移動することはない。
(d) 支持ユニットにおける長手方向の同一部所の両側部の嵌合孔に、外側方を向く2個のワークステーション構成要素の脚杆を嵌合し、かつ同じく中央の嵌合孔に、別のワークステーション構成要素の脚杆を嵌合することにより、支持ユニットにおける長手方向の同一部所に、3個のワークステーション構成要素を、共に支持させることができる。
【0009】
(2) 上記(1)項において、支持ユニットより外側方に向かって延出するワークステーション構成要素における他端部の下面に設けた脚杆を接床させて、このワークステーション構成要素の他端部を支持するようにする。
【0010】
このような構成とすると、外側方に向かって延出するワークステーション構成要素の荷重の半分を、脚杆を介して、直接床で受けることができるので、支持ユニットに掛る各ステーション構成要素の荷重を半減させることができ、しかも支持ユニットを通して、各ワークステーション構成要素の相互の連結を図ることができる。
【0011】
(3) 上記(1)または(2)項において、ワークステーション構成要素を、テーブル、仕切りパネル、及び棚のいずれかとする。
【0012】
このような構成とすると、各種のワークステーション構成要素の組合せにより、目的及び用途に応じた作業環境を形成することができる。
【0013】
(4) 上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、支持ユニットが、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔が長手方向に並べて設けられた受支板と、この受支板の両端を床面より所要高さに支持する支持脚とを備えているものとする。
【0014】
このような構成とすると、支持ユニットを、簡素な構造とし、安価に製造することができる。
【0015】
(5) 上記(4)項において、支持ユニットが、受支板の両側部を支持するとともに、両端が支持脚に固着された1対のサイドビームを備えているものとする。
【0016】
このような構成とすると、受支板の両側部がサイドビームにより補強され、受支板の反りや撓みが防止される。
【0017】
(6) 上記(4)または(5)項において、支持ユニットが、受支板と平行をなして、その下方に配設され、かつ両端が支持脚に固着された梁杆を備えているものとする。
【0018】
このような構成とすると、梁杆により、支持ユニット全体の強度は増すとともに、支持脚の倒れ等を防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、横長の支持ユニットに、テーブルや仕切りパネル等を含む多数のワークステーション構成要素を、集約して、簡単かつ強固に、しかも容易にレイアウト変更できるようにして装着しうるようにしたワークステーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明のワークステーション装置の一実施形態を示す。
【0021】
この例では、ワークステーション装置は、床上に直列に設けた同一構成の4組の横長の支持ユニット(A1)〜(A4)に、各々がワークステーション構成要素をなす4種類のテーブル(机を含む)(1)(2)(3)(4)、2種類の仕切りパネル(5)(6)、及び2種類の棚(7)(8)(この棚(7)(8)だけは、支持ユニット(A)から分離して示してある)を装着して構成されている。
【0022】
図2は、1単位の支持ユニット(A)を示し、任意の単位を横方向に直列に連結することにより、所望に応じた長さとすることができるようになっている。
【0023】
図2に示すように、1単位の支持ユニット(A)は、左右1対の支持脚(9)(9)と、それらの上部の対向面間に支持された左右方向に長い基杆(10)とを備えている。
【0024】
図2及び図3に示すように、基杆(10)は、左右1対の支持脚(9)(9)の上部の対向面に固着された側面視ほぼY字状をなす左右1対の支杆(11)(11)と、その上端前後部に両端が固着された左右方向を向く前後1対のサイドビーム(12)(12)と、側面視上向きコ字状をなし、前後の起立片(13a)(13a)が前後のサイドビーム(12)(12)の内側面に固着された左右方向を向くほぼ水平の受支板(13)と、受支板(13)の中央部の下方にそれと平行をなすようにして配設され、かつ左右の両端が、両支杆(11)(11)の下部中央に固着された梁杆(14)と、梁杆(14)の長手方向の適所の上面に設けられ、かつ上端で受支板(13)を支持する1個または複数個の起立板(15)とを備えている。
【0025】
受支板(13)の中央部と前後の両側部とには、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔(16)が、長手方向に3列として、かつ中央のものより両側部のものの方の間隔を密として、並べて設けられている。
各嵌合孔(16)は、図5にその1個のみを拡大して示すように、円形の孔の左右の縁に、所要幅の方形の凹入部(16a)を設けた形状としてある。
【0026】
図6及び図7に示すように、梁杆(14)は、側面視幅広I形をなす角筒状のもので、その上面中央には、開口部(17a)より下部(17b)の前後幅を大とした倒立T字状の係合溝(17)が、前後の両側面には、底面を外方に向かって上向き傾斜する傾斜面(18a)とした係合凹溝(18)が、また下面の前後両側部には、倒立台形状の下向き突条(19)(19)が、それぞれ長手方向に連続するように設けられている。前後に対向する下向き突条(19)(19)の対向面は、外方に向かって下向き傾斜する傾斜面(19a)としてある。
【0027】
図1及び図2に示すように、各支持ユニット(A)は、前後のサイドビーム(12)(12)に上端部が係止され、各基杆(10)の前後面を覆うサイドカバー(20)(20)と、最も外側の支持脚(9)の外側面に着脱自在に装着され、支持ユニット(A)の左右の端面を覆うエンドカバー(21)とを備えている。なお、支持ユニット(A)における中間部の支持脚(9)の左右の両側面には、互いに隣接する基杆(10)の支杆(11)が固着され、エンドカバー(21)は設けられていない。
【0028】
支持ユニット(A)における受支板(13)の上方の空間と、その下方における前後のサイドカバー(20)(20)により囲まれた空間とは、各種の電気機器への給電線、信号線、コネクタケーブル等の配線用の配線ダクトとなっている。
【0029】
ワークステーション構成要素(1)〜(8)のそれぞれは、受支板(13)におけるいずれかの嵌合孔(16)に嵌合しうる少なくとも1本の垂直の係合用脚杆(22)を備えている。
【0030】
詳言すると、図1における右端の支持ユニット(A4)の右端のテーブル(1)及び右から2番目の支持ユニット(A3)の左端のテーブル(1)においては、図4に示すように、左右側面に複数の係合孔(23)が上下方向に並べて設けられ、かつ上端に前後方向を向く水平杆(24)を有する左右2本の脚杆(22)(22)と、この脚杆(22)より前後方向に離間し、かつ上下方向の長さ調節手段(図示略)を有するとともに、上端に左右方向の張り出し部(25a)(25a)を有する1個の接床用脚杆(25)とにより、前後方向に長い天板(26)が支持されている。
【0031】
左右のテーブル(1)(1)の間において、支持ユニット(A3)(A4)の後側に位置するテーブル(2)においては、上記と同様の係合孔(23)及び水平杆(24)が設けられた2本の脚杆(22)(22)と、長さ調節手段(図示略)を有する2本の接床用脚杆(27)とにより、左右方向に長い天板(28)が支持されている。
【0032】
左右のテーブル(1)(1)の間において、支持ユニット(A3)(A4)の前側に位置するテーブル(3)においては、上記と同様の係合孔(23)及び水平杆(24)が設けられた3本の脚杆(22)のみにより、前後幅が狭く、かつ左右方向に長い天板(29)が片持ち支持されている。
【0033】
左端とその右に並ぶ支持ユニット(A1)(A2)にまたがって設けられているテーブル(4)においては、図1に示すように、上記と同様の係合孔(23)及び水平杆(24)が設けられた2本の脚杆(22)(22)(図1には図示されていない)と、長さ調節手段(図示略)を有する1本の接床用の脚杆(27)とにより、平面視三角形または半円弧状の前後の天板(30)(30)が支持されている。
【0034】
嵌合孔(16)に嵌合する脚杆(22)は、接床用の脚杆(25)(27)より短くしてある。
また、各係合孔(23)は、上下方向に長い長円形としてある(図6及び図7参照)
【0035】
図1に示すように、左右方向を向く垂直の仕切りパネル(5)の左右の側端部下面には、上述したのと同様の係合孔(23)を両側面に設けた垂直の脚杆(22)が設けられている。
【0036】
また、前後方向を向く垂直の仕切りパネル(6)の前後の側端部下面には、上述したのと同様の係合孔(23)を両側面に設けた脚杆(22)と、それより長寸とした接床用の脚杆(31)とが、前後に1対として設けられている。
【0037】
棚(7)の後部下端には、上部に拡径鍔部(32)を有する左右1対の垂直の脚杆(22)(22)が設けられている。
棚(8)の後部下端には、上部が前後方向を向く水平杆(33)の後端に固着された左右1対の垂直の脚杆(22)が、また脚杆(22)より前方において、棚(8)の下端部には、脚杆(22)より長寸の左右1対の接床用の脚杆(34)が、それぞれ設けられている。
【0038】
次に、図4〜図10を参照して、支持ユニット(A)への各ワークステーション構成要素(1)〜(8)の取付構造について説明する。
【0039】
図4〜図8に示すように、テーブル(1)(テーブル(2)〜(4)においても同じ)の脚杆(22)は、互いに向き合わせて合体させることにより、上端部に拡径フランジ(35)を備える上下方向を向くスリーブ(36)を形成するようにした1対のほぼ半円筒状のスリーブ分割片(36a)(36a)の内面に、脚杆(22)の複数の係合孔(23)に選択的に係合しうるようにした上下2個の突部(37)(37)を設け、この突部(37)(37)が所望の係合孔(23)(23)に嵌合するようにして、両スリーブ分割片(36a)(36a)により脚杆(22)を両側方より挟み、両スリーブ分割片(36a)(36a)を脚杆(22)の外周において合体させて形成したスリーブ(36)を、筒体(38)に外嵌し、かつ筒体(38)の下部に設けた縮径段部(38a)を、受支板(13)に穿設した両側部の列の多数の嵌合孔(16)の所望のものに嵌合することにより、受支板(13)上に起立状態で支持されている。
【0040】
スリーブ(36)の拡径フランジ(35)は、その外周部を下方に向かって折り返すことにより、下面の内側に上向きの環状溝(39)が形成され、この環状溝(39)に筒体(38)の上端に設けた上向きの環状突条(40)を嵌合することにより、両スリーブ分割片(36a)(36a)の相互の位置ずれやがたつきが防止されるようになっている。
【0041】
図7及び図8に示すように、筒体(38)における縮径段部(38a)の外周面の左右の両側部には、筒体(38)の円周方向の幅を嵌合孔(16)の凹入部(16a)の幅より小とした水平板状の突部(41)が形成されている。この突部(41)の上面両側部には、緩やかな外方下向きの傾斜面(41a)(41a)が形成されている。
【0042】
筒体(38)における縮径段部(38a)より上方の拡径鍔部(38b)の下面における突部(41)と対向する部分には、突部(41)の上面とほぼ補形をなす凹部(42)が形成されている。
筒体(38)における拡径鍔部(38b)の下面と突部(41)の上面との間隔は、受支板(13)の板厚とほぼ同一か、またはそれより若干小としておくのが好ましい。
【0043】
したがって、両突部(41)(41)が凹入部(16a)(16a)を挿通するようにして、筒体(38)の縮径段部(38a)を、拡径鍔部(38b)の下端が受支板(13)の上面に当接するまで嵌合孔(16)に嵌合し、次いで、筒体(38)を、各突部(41)が凹入部(16a)から外れるまで、好ましくは、ほぼ90°中心軸線回りに回転させることにより、筒体(38)における拡径鍔部(38b)の下面と突部(41)の上面との間隙内に受支板(13)がきつ目に挟み込まれ、筒体(38)は受支板(13)から外れ止めされる。このとき、各突部(41)が若干弾性撓曲しうるように、筒体(38)全体、または少なくとも各突部(41)を、弾性変形可能な合成樹脂材料により形成しておくのがよい。
【0044】
また、脚杆(22)は、そのいずれかの係合孔(23)にスリーブ分割片(36a)(36a)の上下2個の突部(37)(37)が嵌合し、そのスリーブ分割片(36a)(36a)によって形成されたスリーブ(36)の拡径フランジ(35)が、受支板(13)に強固に支持され、かつ外れ止めされた筒体(38)の環状突条(40)に係合することにより、受支板(13)上に強固に支持される。
【0045】
図4〜図7、特に図7に示すように、脚杆(22)の下部は、受支板(13)より下方において、支持ブロック(43)に設けられた支持孔(44)に挿入されている。
【0046】
支持ブロック(43)には、梁杆(14)における係合凹溝(18)より下方の部分と下向き突条(19)とによって形成された、断面形があり形の突条(45)の上下の面に係合する上下1対の把持片(46)(47)が設けられている。
【0047】
上方の把持片(46)は、支持ブロック(43)と一体的に形成され、支持ブロック(43)の後面より後下方に向かって延出し、梁杆(14)における係合凹溝(18)に係合しうるとともに、突条(45)の上面である傾斜面(18a)と当接する下面(当接部)を、傾斜面(18a)と同方向を向く傾斜面(46a)としてある。
【0048】
下方の把持片(47)は、前後方向の中間部の上部が左右方向を向く軸(48)をもって、支持ブロック(43)に枢着され、後部に梁杆(14)における下向き突条(19)の下面、すなわち、突条(45)の下面に係合する上向きのフック部(49)を備え、かつ前部に、フック部(49)が突条(45)の下面に係合する図7に実線で示す把持位置に位置しているときは、支持ブロック(43)の支持孔(44)と整合して、支持孔(44)に嵌合された脚杆(22)の外周面に当接し、図7に想像線で示すように、フック部(49)が突条(45)の下面から下方に外れた離脱位置のときは、支持ブロック(43)の支持孔(44)内に突入し(このとき支持孔(44)内に脚杆(22)が嵌入されていないことが前提となる)、支持孔(44)内に脚杆(22)が上方より挿入されることにより、脚杆(22)の下端により押動されて、把持位置に位置させられるようにした当接部(50)を備えている。
【0049】
脚杆(22)の下端部は、支持孔(44)内に挿入したときの下方の把持片(47)の当接部(50)の押動を円滑にするため、図6に示すような半球状、または先端に向かって漸次小径となるテーパ状とするのが好ましい。
【0050】
テーブル(1)における左右1対の脚杆(22)(22)を、上述のようにして、受支板(13)と梁杆(14)との上下2箇所で強固に支持し、かつ脚杆(25)の長さを、床から各脚杆(22)の上端までの高さに合わせて調節した後、両脚杆(22)(22)の上端に固着した水平杆(24)(24)と脚杆(25)の上端とに、天板(26)の前後の端部を載置して固定することにより、天板(26)の後部(または前部)は、支持ユニット(A)に強固に支持され、また天板(26)の前部(または後部)は、接床する脚杆(25)により簡易に支持され、支持ユニット(A)に掛かる天板(26)の荷重は半減させられる。
【0051】
他のテーブル(2)〜(4)も、同様にして(テーブル(3)は、接床用の脚杆(25)を用いることなく、3本の脚杆(22)のみで、天板(29)を片持ち支持するようにして)、支持ユニット(A)に集中して支持させることができる。
【0052】
仕切りパネル(6)は、テーブル(1)等の支持と同様に、スリーブ分割片(36a)(36a)と筒体(38)とを用いて、その脚杆(22)を受支板(13)における側部の嵌合孔(16)に嵌合するとともに、脚杆(22)の下部を、梁杆(14)の最適位置に装着した支持ブロック(43)の支持孔(44)に嵌合することにより、脚杆(22)を支持ユニット(A)に強固に支持させ、かつ他方の脚杆(31)を接床させることにより、荷重を支持ユニット(A)と床とに分散させるようにして、支持ユニット(A)に強固に支持されている。
【0053】
脚杆(22)は、受支板(13)及び支持ブロック(43)に対して、その中心軸線回りに回転可能であるので、仕切りパネル(6)は、脚杆(22)を中心として、平面視における向きを自由に変更することができる。
【0054】
また、図1に示すように、前後1対の仕切りパネル(6)(6)における各脚杆(22)の前方のものを、受支板(13)における前列の嵌合孔(16)に、同じく後方のものを、後列の嵌合孔(16)に、それぞれ嵌合することにより、支持ユニット(A)における長手方向の同一個所に、前後1対の仕切りパネル(6)(6)を、支持ユニット(A)から前後両方向に向かって延出させて配設することができる。
【0055】
さらに、受支板(13)における中央の列の嵌合孔(16)を利用して、仕切りパネル(5)を、後述するように、支持ユニット(A)の長手方向に向けて支持させることにより、多数の仕切りパネル(5)(6)を、支持ユニット(A)のほぼ同一部位に、平面視L字状、T字状、または十字状等に交差するようにして、強固に支持させることができる。
【0056】
仕切りパネル(5)における両側部の脚杆(22)は、図6及び図7に示すように、上述したのと同様のスリーブ分割片(36a)(36a)及び筒体(38)を用いて、受支板(13)における中央の列の任意の嵌合孔(16)に嵌合し、かつ下端部を、梁杆(14)の上面に、着脱自在かつ長手方向に摺動自在に装着した支持ブロック(51)に設けた支持孔(52)に嵌合して、上下2箇所で支持ユニット(A)に強固に支持されている。
【0057】
図9及び図10に示すように、支持ブロック(51)は、内面を支持孔(52)とした筒体(53)の下端に円形の鍔部(54)が設けられ、鍔部(54)の下面中央に、円形の頸部(55)を介して、底面形をほぼ長円形とした係合板(56)が連設されたものとしてある。
筒体(53)の外周面と鍔部(54)の上面との間には、複数の補強用のリブ(57)が設けられている。
【0058】
頸部(55)の直径と、係合板(56)の短軸方向の幅とは、梁杆(14)の上面に形成された係合溝(17)の開口部(17a)の幅より小とし、係合板(56)の長軸方向の長さは、係合溝(17)の開口部(17a)の幅より大で、好ましくは係合溝(17)の下部(17b)の幅とほぼ等しくするのがよい。
【0059】
したがって、支持ブロック(51)は、脚杆(22)を嵌合しようとする中央の列の嵌合孔(16)のほぼ真下の位置において、係合板(56)の長手方向が梁杆(14)の長手方向を向くようにして、係合板(56)を係合溝(17)の開口部(17a)より下部(17b)まで嵌合し、次いで、筒体(53)の中心軸線回りにほぼ90°回転させて、係合板(56)の両端部を係合溝(17)の下部(17b)の両側部に係合させることにより、梁杆(14)に簡単に装着することができる。
また、支持ブロック(51)は、そのままの状態か、または上述と逆の方向に若干回転させて、梁杆(14)の長手方向に摺動させることにより、支持孔(52)が所望の嵌合孔(16)の真下に位置するように、容易に位置調整することができる。
【0060】
仕切りパネル(5)は、その両側部の脚杆(22)(22)を、上述のようにして、上下2箇所で支持ユニット(A)に支持させることにより、特に前後方向に傾倒しないように強固に支持される。
【0061】
棚(7)は、その脚杆(22)を、拡径鍔部(32)が受支板(13)に当接するまで、前後及び中央のいずれかの列の任意の嵌合孔(16)に嵌合し、かつ必要に応じて、脚杆(22)の下端部を、支持ブロック(43)の支持孔(44)、または支持ブロック(51)の支持孔(52)に嵌合することにより、支持ユニット(A)に簡単に、かつ強固に支持させることができる。
【0062】
棚(8)は、水平杆(33)が支持ユニット(A)のサイドビーム(12)に当接するようにして、その脚杆(22)を、棚(7)におけるのと同様にして、支持ユニット(A)の任意の嵌合孔(16)に嵌合して支持させ、かつ脚杆(34)を接床させることにより、荷重の大部分を脚杆(34)とサイドビーム(12)とにより支承させ、しかも脚杆(22)により、支持ユニット(A)に対して移動不能として連結することができる。
【0063】
なお、仕切りパネル(5)(6)や、テーブル(1)〜(4)のうち、高さ調節が必要ないものについては、各脚杆(22)に係合孔(23)を設ける代わりに、棚(7)における脚杆(22)に設けたのと同様の拡径鍔部(32)を設け、その下端を受支板(13)の上面に当接させるようにしてもよい。
【0064】
また、本発明のワークステーション構成要素は、上述のもののみに限定されるものではなく、形状や構造及び機能の異なる各種のものを組み込むことができる。
【0065】
さらに、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、幾多の変形した態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態の外観斜視図である。
【図2】同じく、支持ユニットの分解斜視図である。
【図3】同じく、支持ユニットの基杆の分解斜視図である。
【図4】同じく、支持ユニットに各種のテーブルを装着する状況を示す分解斜視図である。
【図5】同じく、要部の拡大分解斜視図である。
【図6】同じく、要部の縦断側面図である。
【図7】同じく、要部の拡大縦断側面図である。
【図8】同じく、筒体の正面図である。
【図9】同じく、支持ブロックの正面図である。
【図10】同じく、支持ブロックの底面図である。
【符号の説明】
【0067】
(A)(A1)〜(A4)支持ユニット
(1)(2)(3)(4)テーブル(ワークステーション構成要素)
(5)(6)仕切りパネル(ワークステーション構成要素)
(7)(8)棚(ワークステーション構成要素)
(9)支持脚
(10)基杆
(11)支杆
(12)サイドビーム
(13)受支板(配線ダクト)
(13a)起立片
(14)梁杆
(15)起立板
(16)嵌合孔(脚杆支持部)
(16a)凹入部
(17)係合溝
(17a)開口部
(17b)下部
(18)係合凹溝
(18a)傾斜面
(19)下向き突条
(19a)傾斜面
(20)サイドカバー
(21)エンドカバー
(22)係合用脚杆
(23)係合孔
(24)水平杆
(25)接床用脚杆
(25a)張り出し部
(26)天板
(27)接床用脚杆
(28)(29)(30)天板
(31)接床用脚杆
(32)拡径鍔部
(33)水平杆
(34)接床用脚杆
(35)拡径フランジ
(36)スリーブ
(36a)スリーブ分割片
(37)突部
(38)筒体
(38a)縮径段部
(38b)拡径鍔部
(39)環状溝
(40)環状突条
(41)突部
(42)凹部
(43)支持ブロック
(44)支持孔
(45)突条
(46)(47)把持片
(46a)傾斜面
(48)軸
(49)フック部
(50)当接部
(51)支持ブロック
(52)支持孔
(53)筒体
(54)鍔部
(55)頸部
(56)係合板
(57)リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床上に設けた横長の支持ユニットの上面における長手方向と直交する方向の中央部と両側部とに、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔を長手方向に3列として並べて設け、中央の列の嵌合孔に、前記支持ユニットの長手方向を向くワークステーション構成要素の両側端部下面に設けた脚杆を嵌合して、このワークステーション構成要素を支持し、かつ両側部の列の嵌合孔に、支持ユニットより外側方に向かって延出するワークステーション構成要素における一端部の下面に設けた脚杆を嵌合して、このワークステーション構成要素を支持するようにしたことを特徴とするワークステーション装置。
【請求項2】
支持ユニットより外側方に向かって延出するワークステーション構成要素における他端部の下面に設けた脚杆を接床させて、このワークステーション構成要素の他端部を支持するようにした請求項1記載のワークステーション装置。
【請求項3】
ワークステーション構成要素が、テーブル、仕切りパネル、及び棚のいずれかである請求項1または2記載のワークステーション装置。
【請求項4】
支持ユニットが、脚杆支持部をなす多数の嵌合孔が長手方向に並べて設けられた受支板と、この受支板の両端を床面より所要高さに支持する支持脚とを備えている請求項1〜3のいずれかに記載のワークステーション装置。
【請求項5】
支持ユニットが、受支板の両側部を支持するとともに、両端が支持脚に固着された1対のサイドビームを備えている請求項4記載のワークステーション装置。
【請求項6】
支持ユニットが、受支板と平行をなして、その下方に配設され、かつ両端が支持脚に固着された梁杆を備えている請求項4または5記載のワークステーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−212719(P2008−212719A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−144433(P2008−144433)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【分割の表示】特願2002−326061(P2002−326061)の分割
【原出願日】平成14年11月8日(2002.11.8)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】