説明

ワークロードインジケータ装置、ワークロード表示方法およびプログラム

【課題】車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性を向上させることのできるワークロードインジケータ装置を提供する。
【解決手段】ワークロードインジケータ装置1は、車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、車両運転中のドライバーの寄与行動からワークロード値を算出するための定量化モデルが予め記憶されているモデルDB2を備えている。この装置1は、複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから寄与行動に関するデータを取得し、定量化モデルを用いてドライバーのワークロード値を算出する。そして、複数のワークロードごとに算出されたワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、車両運転中のドライバーのワークロードが分かりやすく表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転中のドライバーのワークロードを表示して運転の安全性を向上させる機能を備えたワークロードインジケータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転の安全性を向上させるために、車両が走行しているときの入力操作を無効にする機能を備えたナビゲーション装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この従来のナビゲーション装置では、車両の停止・走行情報に基づいて、ナビゲーション装置への入力操作の有効・無効が判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−174268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、従来のナビゲーション装置のように、車両が走行しているときの入力操作を受け付けないことによっても、ある程度運転の安全性の向上を図ることはできる。しかしながら、運転の安全性をさらに向上させるには、ドライバーのワークロードに着目する必要がある。
【0005】
ドライバーのワークロードには、例えば、車両を運転するときのドライバーの運転操作に起因する運転ワークロード、車両に備えられた機器を操作するときのドライバーの機器操作に起因する機器操作ワークロード、車両を運転するときのドライバーの視覚的動作に起因する視覚的ワークロード、車両を運転するときのドライバーの聴覚的動作に起因する聴覚的ワークロードなどが含まれる。これらのワークロードが高い状態にあるときに、同乗者がドライバーに話しかけたり、エアコン操作を依頼したりすると、ドライバーの運転に対する注意力が低下し、運転の安全が損なわれるおそれがある。
【0006】
車両運転中のドライバーのワークロードの状態を分かりやすく表示することができれば、運転の安全性をさらに向上させることができるが、従来、そのような装置やシステムは、まったく提案されていなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、車両運転中のドライバーのワークロードを分かりやすく表示して運転の安全性を向上させることのできるワークロードインジケータ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のワークロードインジケータ装置は、車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルが記憶されているモデル記憶手段と、前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得するデータ取得手段と、前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出するワークロード算出手段と、前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示するワークロード表示手段と、を備えている。
【0009】
これにより、複数のワークロードごとに、定量化モデルを用いて車両運転中のドライバーから取得したデータからワークロード値が算出され、算出されたワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示される。したがって、このドライバー画像を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができる。そのため、例えば、ドライバーのワークロードが高いときに、同乗者がドライバーに話しかけたり、エアコン操作を依頼したりすることが抑えられ、運転の安全性が向上する。
【0010】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記ドライバー画像は、前記複数の異なるワークロードに対応する複数の異なる画像要素を合成することによって構成されており、前記複数の異なる画像要素は、前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じて変化してもよい。
【0011】
これにより、車両運転中のドライバーのワークロードに変化があると、それに対応するドライバー画像の画像要素が変化する。したがって、ドライバー画像の変化を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態の変化を容易に把握することができる。
【0012】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記ワークロード表示手段は、前記車両の同乗者に対して、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示してもよい。
【0013】
これにより、同乗者は、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができるので、ドライバーのワークロードが高いときに、ドライバーに話しかけたり、エアコン操作を依頼したりすることが抑えられ、運転の安全性が向上する。
【0014】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記ワークロード表示手段は、前記車両のドライバーに対して、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示してもよい。
【0015】
これにより、車両運転中のドライバーは、自己のワークロードの状態を客観的に把握することができるので、ワークロードを意識した安全運転をすることが可能になる。
【0016】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記複数のワークロードに、前記車両を運転するときのドライバーの運転操作に起因する運転ワークロードと、前記車両に備えられた機器を操作するときのドライバーの機器操作に起因する機器操作ワークロードと、前記車両を運転するときのドライバーの視覚的動作に起因する視覚的ワークロードと、前記車両を運転するときのドライバーの聴覚的動作に起因する聴覚的ワークロードと、が含まれてもよい。
【0017】
これにより、複数のワークロード(運転ワークロード、機器操作ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロード)ごとに、車両運転中のドライバーの寄与行動のデータからワークロード値を容易に算出することが可能になる。
【0018】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記運転ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像の表情であり、前記機器操作ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に付加される手画像であり、前記視覚的ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に含まれる目画像であり、前記聴覚的ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に含まれる耳画像であり、前記複数のワークロードの時間累積値として算出される疲労度に対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像の顔色であってもよい。
【0019】
これにより、車両運転中のドライバーのワークロードや疲労度に変化があると、それに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の表情、手画像、目画像、耳画像、顔色)が変化し、車両運転中のドライバーのワークロードの状態の変化や疲労度の変化を容易に把握することができる。
【0020】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記ワークロード表示手段は、携帯型の表示手段であってもよい。
【0021】
これにより、ドライバーや同乗者(特に後部座席の同乗者)は、携帯型の表示手段を用いて、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができる。
【0022】
また、本発明のワークロードインジケータ装置では、前記ドライバー画像は、顔として認識することができる画像であってもよい。
【0023】
これにより、顔として認識することができる画像(例えば、人間の顔画像や動物の顔画像など)を用いて、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示される。
【0024】
本発明のワークロード表示方法は、車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルを記憶しておき、前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得し、前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出し、前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示する。
【0025】
この方法によれば、上記と同様に、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示されるので、このドライバー画像を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性が向上する。
【0026】
本発明のプログラムは、車両運転中のドライバーのワークロードを表示するためのプログラムであって、メモリには、車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルが記憶されており、前記プログラムは、コンピュータに、前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得する処理と、前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出する処理と、前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示する処理と、を実行させる。
【0027】
このプログラムによっても、上記と同様に、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示されるので、このドライバー画像を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性が向上する。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示されるので、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態におけるワークロードインジケータ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ワークロードの算出の一例(定式化モデルを用いた例)を示す説明図である。
【図3】ワークロードの算出の他の例(確率推論モデルを用いた例)を示す説明図である。
【図4】正解データの一例(生体信号指標の正解データ)を示す図である。
【図5】正解データの他の例(主観評価指標の正解データ)を示す図である。
【図6】運転ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の表情)の変化の一例を示す図である。
【図7】機器操作ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の手画像)の変化の一例を示す図である。
【図8】視覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の目画像)の変化の一例を示す図である。
【図9】聴覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の耳画像)の変化の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態におけるワークロード表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態のワークロードインジケータ装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、車両用のナビゲーション装置等に適用されるワークロードインジケータ装置の場合を例示する。このワークロードインジケータ装置は、ドライバーのワークロードを表示する機能を備えており、この機能は、装置のHDDやメモリ等に格納されたプログラムによって実現されている。
【0031】
まず、本実施の形態のワークロードインジケータ装置の全体の構成について、図面を用いて説明する。図1は、ワークロードインジケータ装置のブロック図である。図1に示すように、ワークロードインジケータ装置1は、車両の運転に関連する複数のワークロードごとにワークロード値を算出するための定量化モデルが記憶されているモデルデータベース2(モデルDB)を備えている。定量化モデルは、ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データを用いて、車両運転中のドライバーの寄与行動からワークロード値を算出するためのモデルである。なお、定量化モデルや正解データの詳しい内容については、図面を用いて後述する。
【0032】
また、ワークロードインジケータ装置1は、複数のワークロード(運転ワークロード、機器操作ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロード)ごとに、車両に搭載された車両センサ3や視線カメラ4から、車両運転中のドライバーの寄与行動に関するデータを取得するデータ取得部5を備えている。
【0033】
また、このワークロードインジケータ装置1は、複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーのワークロード値を算出するワークロード算出部6を備えている。このワークロード算出部6は、モデルDB2に記憶されている定量化モデルを用いて、データ取得部5が取得した車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから、複数のワークロードごとのワークロード値を算出する。
【0034】
また、ワークロードインジケータ装置1は、正解データ記録部7と正解データDB8とモデル学習部9を備えている。正解データ記録部7は、ドライバーの車両運転中に正解データの記録を行う機能を備えており、ドライバーの車両運転中に記録された正解データは、正解データDB8に記録される。そして、モデル学習部9は、正解データDB8に記録された正解データを用いて、定量化モデルの学習を行う機能を備えている。
【0035】
(ワークロードの種類)
ここで、車両運転中のドライバーのワークロードの種類と、そのワークロードの寄与データについて詳しく説明する。車両運転中のドライバーのワークロードには、車両を運転するときのドライバーの運転操作に起因する運転ワークロードが含まれる。例えば、データ取得部5は、運転ワークロードの寄与行動に関するデータ(例えば、車両運転中の舵角データ、車速データ、車間距離データ、アクセル開度率データ、ブレーキ信号データなど)を、車両センサ3から取得する。
【0036】
また、車両運転中のドライバーのワークロードには、車両に備えられた機器を操作するときのドライバーの機器操作に起因する機器操作ワークロードが含まれる。データ取得部5は、機器操作ワークロードの寄与行動に関するデータ(例えば、車両運転中のナビ操作データ、オーディオ操作データ、エアコン操作データ、窓開閉操作データなど)を、車両センサ3から取得する。
【0037】
また、車両運転中のドライバーのワークロードには、車両を運転するときのドライバーの視覚的動作に起因する視覚的ワークロードが含まれる。データ取得部5は、視覚的ワークロードの寄与行動に関するデータ(例えば、車両運転中のドライバーの視点移動速度データや視点座標データなど)を、視線カメラ4から取得する。
【0038】
また、車両運転中のドライバーのワークロードには、車両を運転するときのドライバーの聴覚的動作に起因する聴覚的ワークロードが含まれている。データ取得部5は、聴覚的ワークロードの寄与行動に関するデータ(例えば、車両運転中の経路案内やオーディオ再生などに含まれる音声情報データや音楽情報データなど)を、車両センサ3から取得する。
【0039】
(定量化モデルを用いたワークロードの算出)
つぎに、ワークロードの算出について、図面を用いて詳しく説明する。図2は、本実施の形態におけるワークロードの算出の一例を示す説明図である。ここでは、図2に示すように、定量化モデルの一つとして定式化モデルを用いて、複数のワークロードごとにワークロード値の算出を行う場合を例示して説明する。この定式化には、例えば、線形重回帰分析、主成分分析、因子分析などの統計的手法が用いられる。
【0040】
図2に示すように、運転ワークロードに寄与するデータ(運転WL寄与データ)には、車両運転中の舵角d1(度)、車速d2(km/h)、車間距離d3(m)、アクセル開度率d4(%)、ブレーキ信号d5(ON:1、OFF:0)のデータが含まれる。これらのデータd1〜d5と正解データ(後述する)との関係を統計的手法などで導くことにより、下記の式1ように運転ワークロード(DWL)の定式化が行われる。
DWL=α(n)×d1/360+β(n)×d2/100+γ(n)/d3
+δ(n)×d4/100+ε×d5 (式1)
【0041】
ここで、α、β、γ、δ、εは、重み付け係数であり、nは、ドライバーの車両運転に関する慣れを考慮した慣れ係数である。この慣れ係数は、ドライバーの走行履歴に基づいて定められる係数である。重み付け係数αを例示して説明すると、ドライバーが初めて車両走行をした場合(n=1)の重み付け係数は、α(1)となり、ドライバーが二度目に車両走行した場合(n=2)の重み付け係数は、α(2)となる。つまり、この定式化モデルは、ドライバーの車両運転に関する慣れを考慮した重み付け処理がなされているともいえる。
【0042】
また、機器操作ワークロードに寄与するデータ(機器操作WL寄与データ)には、車両運転中のナビ操作o1(ハードウェアボタン操作:A1、タッチパネル操作:A2など)、オーディオ操作o2(スキップボタン操作:A3、ボリューム操作:A4など)、エアコン操作o3(操作あり:1、操作なし:0)、窓開閉操作o4(操作あり:1、操作なし:0)のデータが含まれる。これらのデータo1〜o4と正解データとの関係を統計的手法などで導くことにより、下記の式2のように機器操作ワークロード(OWL)の定式化が行われる。
OWL=α(n)×o1+β(n)×o2
+γ(n)×o3+δ(n)×o4 (式2)
なお、A1〜A4は、それぞれ所定の定数である。また、α、β、γ、δは、重み付け係数であり、nは、ドライバーの車両運転に関する慣れを考慮した慣れ係数である。
【0043】
また、視覚的ワークロードに寄与するデータ(視覚的WL寄与データ)には、車両運転中の視点移動速度v1(mm/秒)、視点座標v2(ルームミラー:C1、サイドミラー:C2、ナビ:C3など)のデータが含まれる。これらのデータv1、v2と正解データとの関係を統計的手法などで導くことにより、下記の式3のように視覚的ワークロード(VWL)の定式化が行われる。
VWL=α(n)×v1+β(n)×v2 (式3)
なお、C1〜C6は、それぞれ所定の定数である。また、α、βは、重み付け係数であり、nは、ドライバーの車両運転に関する慣れを考慮した慣れ係数である。
【0044】
また、聴覚的ワークロードに寄与するデータ(聴覚的WL寄与データ)には、車両運転中の経路案内やオーディオ再生などに含まれる音声情報a1(経路案内:B1、施設情報案内:B2、電話:B3など)、音楽情報a2(クラシック:B4、ロック:B5、お気に入りの曲:B6など)のデータが含まれる。これらのデータa1、a2と正解データとの関係を統計的手法などで導くことにより、下記の式4のように聴覚的ワークロード(AWL)の定式化が行われる。
AWL=α(n)×a1+β(n)×a2 (式4)
なお、B1〜B6は、それぞれ所定の定数である。また、α、βは、重み付け係数であり、nは、ドライバーの車両運転に関する慣れを考慮した慣れ係数である。
【0045】
ワークロード算出部は、これらのワークロード値からドライバーの疲労度を算出する機能も備えている。ドライバーの疲労度Zは、複数のワークロード(運転ワークロードDWL、機器操作ワークロードOWL、聴覚的ワークロードVWL、視覚的ワークロードAWL)の時間累積値として算出され、例えば、下記の式5を用いて算出される。
Z=z1×Σ(DWL)+z2×Σ(OWL)
+z3×Σ(VWL)+z4×Σ(AWL) (式5)
なお、Σは、各ワークロード値を運転時間で累積(積分)した値を示す記号であり、z1〜z4は、重み付け係数である。
【0046】
以上では、定式化モデルを用いたワークロードの算出の例について説明したが、本発明の範囲は、これに限定されるものではない。例えば、図3に示すように、ワークロードの算出には、確率推論モデルが用いられてもよい。
【0047】
確率推論モデルとしては、例えば、ベイジアンネットワークやニューラルネットワーク等が用いられる。例えば、運転ワークロードを例示して具体的に説明すると、この場合には、運転ワークロードに寄与するデータ(運転WL寄与データ)である舵角d1(度)、車速d2(km/h)、車間距離d3(m)、アクセル開度率d4(%)、ブレーキ信号d5(ON:1、OFF:0)のデータを入力として、ベイジアンネットワークやニューラルネットワークの確率モデルを構築し、その推論結果として運転ワークロード(DWL)のワークロード値の算出が行われる。
【0048】
同様に、機器操作ワークロードについては、上述の機器操作WL寄与データ(o1〜o4)を入力として、ベイジアンネットワークやニューラルネットワークの確率モデルを構築し、その推論結果として機器操作ワークロード(OWL)のワークロード値の算出が行われる。
【0049】
また、視覚的ワークロードについては、上述の視覚的WL寄与データ(v1、v2)を入力として、ベイジアンネットワークやニューラルネットワークの確率モデルを構築し、その推論結果として視覚的ワークロード(VWL)のワークロード値の算出が行われる。
【0050】
また、聴覚的ワークロードについては、上述の聴覚的WL寄与データ(a1、a2)を入力として、ベイジアンネットワークやニューラルネットワークの確率モデルを構築し、その推論結果として聴覚的ワークロード(AWL)のワークロード値の算出が行われる。
【0051】
なお、定量化モデル(定式化モデルや確率推論モデル)を構築する際には、正解データを利用するとともに、ドライバーのプロフィール(年齢、性別、運転暦)などを考慮してもよい。
【0052】
(正解データ)
つづいて、定量化モデルの構築に用いられる正解データについて、図面を参照して説明する。本実施の形態では、二種類の正解データ(生体信号指標と主観評価指標)を利用して、定量化モデルの構築が行われる。なお、定量化モデルの構築は、各ワークロードのモデル化(定量化)ということもできる。
【0053】
図4は、生体信号指標の正解データの一例を示す図である。ここでは、生体信号指標として、瞳孔反応を例示して説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。生体信号指標には、瞳孔反応のほかに、心拍数変動、呼吸数変動、生体電位変動などが含まれる。
【0054】
一般に、瞳孔が散瞳(瞳孔半径が大きくなる)している場合には、交感神経が刺激され、ドライバーは興奮している。逆に、瞳孔が縮瞳(瞳孔半径が小さくなる)している場合には、副交感神経が刺激され、ドライバーはリラックスしている。そして、瞳孔反応(瞳孔半径変化速度)が大きいほど、ドライバーに加わるワークロードは高く、瞳孔反応が小さいほど、ドライバーに加わるワークロードは低い。
【0055】
本実施の形態では、所定の実験コースをドライバーが走行したときの車両運転中のドライバーの瞳孔反応の時系列のデータを取得し、車両の運転との対応を解析する。例えば、図4の正解データでは、出発時には、瞳孔反応が小さく、左折や右折、すれ違いや追越しなどを行うときに、瞳孔反応が大きくなっている。このような瞳孔反応の正解データから、各ワークロードの寄与行動を行っている部分を抽出して、その部分の瞳孔反応の大きさや変化率等に基づいて、各ワークロードの定式化が行われる。
【0056】
ここで、運転ワークロードの定式化を例にして説明する。例えば、図4の瞳孔反応の正解データから、運転ワークロードの寄与行動を行っている部分(例えば右折の部分)を抽出して、そのときの運転WL寄与データ(舵角信号、車速、車間距離、アクセル開度率、ブレーキ信号のデータ)との関係を統計的手法で導いて、運転ワークロードの定式化が行われる。つまり、この瞳孔反応の正解データに基づいて、運転WL寄与データから運転ワークロードのワークロード値を算出するための定式化モデル(上記の式1)が求められる。
【0057】
以上、瞳孔反応の正解データから運転ワークロードの定式化を行う例について説明した。なお、ここでは説明を省略するが、これと同様にして、機器操作ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロード、内因的ワークロードの定式化が行われる。
ークロード、視覚的ワークロード、内因的ワークロードの定式化が行われる。
【0058】
図5は、主観評価指標の正解データの一例を示す図である。ここでは、主観評価指標として、従前のNASA−TLXを例示して説明するが、本発明の範囲はこれに限定されない。例えば、従前のNASA−TLXの代わりに、映像を見ながら事後的にパソコン上で主観評価を行う連続的なNASA−TLX(時系列のNASA−TLX)を用いてもよい。本発明の主観評価指標には、NASA−TLXのほかに、SWAT、MCHなどが含まれる。
【0059】
NASA−TLXは、ワークロードをドライバーが主観的に定量化する指標であり、一般に、その値が大きいほど、ドライバーのワークロードが高く、その値が小さいほど、ドライバーのワークロードは低い。
【0060】
本実施の形態では、所定の実験コースをドライバーが走行したときの車両運転中のドライバーのNASA−TLXの時系列のデータを取得し、車両の運転との対応を解析する。例えば、図5の正解データでは、出発時や左折時や右折時に、NASA−TLXの値が大きく、直進時に、NASA−TLXの値が小さくなっている。このようなNASA−TLXの正解データから、各ワークロードの寄与行動を行っている部分を抽出して、その部分のNASA−TLXの値の大きさや変化率等に基づいて、各ワークロードの定式化が行われる。
【0061】
ここで、運転ワークロードの定式化を例にして説明する。例えば、図5のNASA−TLXの正解データから、運転ワークロードの寄与行動を行っている部分(例えば右折の部分)を抽出して、そのときの運転WL寄与データ(舵角信号、車速、車間距離、アクセル開度率、ブレーキ信号のデータ)との関係を統計的手法で導いて、運転ワークロードの定式化が行われる。つまり、このNASA−TLXの正解データに基づいて、運転WL寄与データから運転ワークロードのワークロード値を算出するための定式化モデル(上記の式1)が求められる。
【0062】
以上、NASA−TLXの正解データから運転ワークロードの定式化を行う例について説明した。なお、ここでは説明を省略するが、これと同様にして、機器操作ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロード、内因的ワークロードの定式化が行われる。
【0063】
図1に戻って、ワークロードインジケータ装置1の構成を説明する。ワークロードインジケータ装置1は、表示部に表示するドライバー画像を生成するドライバー画像生成部11と、このドライバー画像を生成するための素材として用いられる画像要素(ドライバー画像を構成する画像要素)を格納する画像要素格納部12を備えている。なお、表示部は、車載機器(例えばカーナビゲーション装置)のモニタを利用してもよく、また、ドライバーや同乗者が携帯する携帯端末(携帯電話機やPDAなど)のモニタを利用してもよい。ここでは、この表示部が、本発明のワークロード表示手段に相当する。
【0064】
(ドライバー画像)
ここで、本発明の特徴であるドライバー画像について、図面を参照しながら説明する。ドライバー画像は、車両運転中のドライバーの複数のワークロードを総合的に表示するものであり、複数のワークロードに対応する複数の画像要素を合成することによって構成されている。以下では、ドライバー画像が、人間の顔画像である場合を例として説明するが、ドライバー画像は、顔として認識することができる画像(顔画像)であれば、人間以外の顔画像(例えば、動物の顔画像や、漫画やアニメのキャラクターの顔画像など)であってもよい。また、ドライバー画像は、写真(例えば、有名人の写真など)で構成されていてもよく、イラスト(例えば、有名人の似顔絵など)で構成されていてもよい。そして、図6〜図9に示すように、ドライバー画像を構成する複数の画像は、複数のワークロードごとに算出されたワークロード値に応じて変化する。
【0065】
図6は、運転ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素の変化の一例を示す図である。図6に示すように、運転ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素は、ドライバー画像の表情であり、運転ワークロードが低いとドライバー画像の表情が笑顔になり、運転ワークロードが高いとドライバー画像の表情が不機嫌な顔になる。
【0066】
図7は、機器操作ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素の変化の一例を示す図である。図7に示すように、機器操作ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素は、ドライバー画像に付加される手画像であり、機器操作ワークロードが低いとドライバー画像に付加される手画像の数が少なくなり、機器操作ワークロードが高いとドライバー画像に付加される手画像の数が多くなる。
【0067】
図8は、視覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素の変化の一例を示す図である。図8に示すように、視覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素は、ドライバー画像に含まれる目画像(黒目の動き、白目の色など)である。例えば、視覚的ワークロードが低いとドライバー画像の黒目の動きが小さくなり、視覚的ワークロードが高いとドライバー画像の黒目の動きが大きくなる。また、視覚的ワークロードが低いとドライバー画像の白目の色が白くなり、視覚的ワークロードが高いとドライバー画像の白目の色が赤くなる。なお、黒目の動きや白目の色だけでなく、視覚的ワークロードのワークロード値に応じて、黒目の大きさや白目の大きさを変化させてもよい。
【0068】
図9は、聴覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素の変化の一例を示す図である。図9に示すように、聴覚的ワークロードに対応するドライバー画像の画像要素は、ドライバー画像に含まれる耳画像(耳の大きさ)である。例えば、聴覚的ワークロードが低いとドライバー画像の耳が小さくなり、聴覚的ワークロードが高いとドライバー画像の耳が大きくなる。
【0069】
そして、疲労度(これらのワークロード値の時間累積値)に対応するドライバー画像の画像要素は、ドライバー画像の顔色である。例えば、疲労度が低いとドライバー画像の顔色が良くなり(肌色に近くなり)、疲労度が高いとドライバー画像の顔色が悪くなる(青色に近くなる)。
【0070】
これらのドライバー画像の画像要素(例えば、ドライバー画像の表情)の切替は、算出したワークロード値(例えば、運転ワークロード値)が所定の閾値を超えるか否かによって制御されてもよい。図6〜図9では、画像要素の切替が三段階で行われる(つまり、二つの閾値を設定する)例が示されているが、これらの切替はより細分化することが可能であり、切替を細かくすることにより、アニメーションのようにドライバー画像を変化させることも可能である。
【0071】
また、閾値は、ユーザ(ドライバーや同乗者)が手動で調整(再設定)することができる。したがって、表示されたドライバー画像によって示されるワークロードが、ドライバーが自分で感じているワークロード(主観的ワークロード)と異なる場合には、閾値を調整することにより、適切なワークロード表示になるように設定変更(学習)することができる。
【0072】
以上のように構成されたワークロードインジケータ装置1について、図面を参照してその動作を説明する。ここでは、本発明の特徴であるワークロード表示(ドライバー画像の表示)について説明する。
【0073】
図10は、本実施の形態のワークロードインジケータ装置1で行われるワークロード表示の一例を示す図である。図10の例では、ドライバーが運転する車両が、まず経路に沿って直進し、右折待ちをした後、右折と左折を行い、直進をした後に信号待ちをする場合が例示されている。
【0074】
このような車両の運転が行われる際に、ワークロードインジケータ装置1は、複数のワークロードごとに、ドライバーから寄与行動のデータ(運転WL寄与データなど)を取得して、モデルDB2に記憶されている定量化モデルを用いて、ワークロード値の算出を行う。図10では、算出結果としての運転ワークロードと機器操作ワークロードと視覚的ワークロードと聴覚的ワークロードのそれぞれの変化がグラフで示されている。
【0075】
そして、ワークロードインジケータ装置1では、上記のように複数のワークロードごとに算出されたワークロード値に応じたドライバー画像の表示が行われる。例えば、図10の時間Taでは、ドライバーの運転ワークロードと機器操作ワークロードと視覚的ワークロードはいずれも低いものの、聴覚的ワークロードが高くなっている。したがって、この場合には、耳が大きくなったドライバー画像が表示される。
【0076】
また、図10の時間Tbでは、機器操作ワークロードと聴覚的ワークロードは低いものの、運転ワークロードと視覚的ワークロードが高くなっている。したがって、この場合には、不機嫌な表情であって黒目の動きが大きくかつ白目の色が赤くなったドライバー画像が表示される。
【0077】
また、図10の時間Tcでは、機器操作ワークロードは低いものの、運転ワークロードと視覚的ワークロードと聴覚的ワークロードが少し高くなっている。したがって、この場合には、少し不機嫌な表情であって黒目の動きが少しありかつ白目の色が少し赤くなった少し耳の大きいドライバー画像が表示される。
【0078】
また、図10の時間Tdでは、運転ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロードのいずれも低く、機器操作ワークロードが高くなっている。したがって、この場合には、手の動きの大きいドライバー画像が表示される。
【0079】
このような本発明の実施の形態のワークロードインジケータ装置1によれば、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示されるので、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性を向上させることができる。
【0080】
すなわち、本実施の形態では、複数のワークロードごとに、定量化モデルを用いて車両運転中のドライバーから取得したデータからワークロード値が算出され、算出されたワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、車両運転中のドライバーのワークロードが総合的に分かりやすく表示される。したがって、このドライバー画像を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができる。そのため、例えば、ドライバーのワークロードが高いときに、同乗者がドライバーに話しかけたり、エアコン操作を依頼したりすることが抑えられ、運転の安全性が向上する。
【0081】
また、本実施の形態では、車両運転中のドライバーのワークロードに変化があると、それに対応するドライバー画像の画像要素が変化する。したがって、ドライバー画像の変化を見るだけで、車両運転中のドライバーのワークロードの状態の変化を容易に把握することができる。
【0082】
また、本実施の形態では、同乗者は、車載機器(例えばカーナビゲーション装置)のモニタや同乗者が携帯する携帯端末(携帯電話機やPDAなど)のモニタを見ることによって、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができるので、ドライバーのワークロードが高いときに、ドライバーに話しかけたり、エアコン操作を依頼したりすることが抑えられ、運転の安全性が向上する。
【0083】
また、本実施の形態では、車両運転中のドライバーは、車載機器(例えばカーナビゲーション装置)のモニタや自分が携帯する携帯端末(携帯電話機やPDAなど)のモニタを見ることによって、自己のワークロードの状態を客観的に把握することができるので、ワークロードを意識した安全運転をすることが可能になる。
【0084】
また、本実施の形態では、複数のワークロード(運転ワークロード、機器操作ワークロード、聴覚的ワークロード、視覚的ワークロード)ごとに、車両運転中のドライバーの寄与行動のデータからワークロード値を容易に算出することが可能になる。そして、車両運転中のドライバーのワークロードや疲労度に変化があると、それに対応するドライバー画像の画像要素(ドライバー画像の表情、手画像、目画像、耳画像、顔色)が変化し、車両運転中のドライバーのワークロードの状態の変化や疲労度の変化を容易に把握することができる。
【0085】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【0086】
例えば、以上の説明では、ワークロード表示手段が、車載機器のモニタや携帯端末のモニタとして車内に設けられ、ドライバーや同乗者に向けてドライバー画像を表示する例について説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、このワークロード表示手段は、自宅や会社のコンピュータ端末などのモニタとして車外に設けられ、家族や会社の同僚に向けてドライバー画像を表示してもよい。あるいは、車車間通信によって、他の車の車内の人に向けてドライバー画像を表示してもよい。このように、本発明は、家庭向けや企業向けのシステム(例えば、物流系の企業用)に適用することも可能である。
【0087】
また、上記のドライバー画像の画像要素の変化はあくまで一例であり、例えば、ドライバー画像の髪型、汗、歯などを画像要素として変化させてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
以上のように、本発明にかかるワークロードインジケータ装置は、車両運転中のドライバーのワークロードの状態を容易に把握することができ、運転の安全性を向上させることができるという効果を有し、車両用のナビゲーション装置等に適用され、有用である。
【符号の説明】
【0089】
1 ワークロードインジケータ装置
2 モデルDB
3 車両センサ
4 視線カメラ
5 データ取得部
6 ワークロード算出部
7 正解データ記録部
8 正解データDB
9 モデル学習部
10 表示部
11 ドライバー画像生成部
12 画像要素格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルが記憶されているモデル記憶手段と、
前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得するデータ取得手段と、
前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出するワークロード算出手段と、
前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示するワークロード表示手段と、
を備えることを特徴とするワークロードインジケータ装置。
【請求項2】
前記ドライバー画像は、前記複数の異なるワークロードに対応する複数の異なる画像要素を合成することによって構成されており、
前記複数の異なる画像要素は、前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じて変化することを特徴とする請求項1に記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項3】
前記ワークロード表示手段は、前記車両の同乗者に対して、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項4】
前記ワークロード表示手段は、前記車両のドライバーに対して、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項5】
前記複数のワークロードには、
前記車両を運転するときのドライバーの運転操作に起因する運転ワークロードと、
前記車両に備えられた機器を操作するときのドライバーの機器操作に起因する機器操作ワークロードと、
前記車両を運転するときのドライバーの視覚的動作に起因する視覚的ワークロードと、
前記車両を運転するときのドライバーの聴覚的動作に起因する聴覚的ワークロードと、
が含まれることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項6】
前記運転ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像の表情であり、
前記機器操作ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に付加される手画像であり、
前記視覚的ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に含まれる目画像であり、
前記聴覚的ワークロードに対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像に含まれる耳画像であり、
前記複数のワークロードの時間累積値として算出される疲労度に対応する前記画像要素は、前記ドライバー画像の顔色であることを特徴とする請求項5に記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項7】
前記ワークロード表示手段は、携帯型の表示手段であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項8】
前記ドライバー画像は、顔として認識することができる画像であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のワークロードインジケータ装置。
【請求項9】
車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルを記憶しておき、
前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得し、
前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出し、
前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示することを特徴とするワークロード表示方法。
【請求項10】
車両運転中のドライバーのワークロードを表示するためのプログラムであって、
メモリには、車両の運転に関連する複数の異なるワークロードごとに、前記ワークロードに寄与するドライバーの寄与行動とワークロード値との相関関係が記録された正解データに基づいて、車両運転中のドライバーの寄与行動から前記ワークロード値を算出するための定量化モデルが記憶されており、
前記プログラムは、コンピュータに、
前記複数のワークロードごとに、車両運転中のドライバーから前記寄与行動に関するデータを取得する処理と、
前記複数のワークロードごとに、前記定量化モデルを用いて、前記車両運転中のドライバーの寄与行動のデータから前記ドライバーのワークロード値を算出する処理と、
前記複数のワークロードごとに算出された前記ワークロード値に応じたドライバー画像を用いて、前記車両運転中のドライバーのワークロードを表示する処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−118565(P2011−118565A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274205(P2009−274205)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】