ワーク搬送装置およびワーク搬送方法
【課題】タイムロスのない旋回・方向転換に好適なワーク搬送装置およびワーク搬送方法を提供する。
【解決手段】無人搬送車2を搬送台車1に対して旋回可能であり且つ搬送台車1に対して切離し可能な連結手段12,13を介して連結し、前記搬送台車1とワーク受入れ装置3との連結後に、無人搬送車2と搬送台車1との連結手段12,13を切離し、無人搬送車2の向きを反転させて搬送台車1に連結手段12,13により連結し、無人搬送車2のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークWの供給完了後の搬送台車1を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。
【解決手段】無人搬送車2を搬送台車1に対して旋回可能であり且つ搬送台車1に対して切離し可能な連結手段12,13を介して連結し、前記搬送台車1とワーク受入れ装置3との連結後に、無人搬送車2と搬送台車1との連結手段12,13を切離し、無人搬送車2の向きを反転させて搬送台車1に連結手段12,13により連結し、無人搬送車2のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークWの供給完了後の搬送台車1を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置およびワーク搬送方法に関し、特に、搬送台車の旋回に好適なワーク搬送装置およびワーク搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から部品若しくは部品を収納した部品箱(以下では、「ワーク」という)を搬送台車に積載し、車両等の組立ラインの目的とする供給場所へ搬送して供給するワーク搬送方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、ワークを搬送する無人搬送台車の向きを変える場合に、搬送台車における4角のうちいずれか1つの角を第1の中心として旋回する動作と、それ以外の角を第2の中心として旋回する動作とを組合わせて行うことにより、従来のデッドスペースを必要とする「Uターン方式」又は「スイッチバック方式」によらないで、搬送台車の向きを変えるようにしている。
【特許文献1】特開2003−84832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、搬送台車の旋回の都度、旋回軸となる軸を下降させて駆動輪を走行させて搬送台車を旋回させ、旋回後に旋回軸を上昇させる動作を必要とし、複数回の旋回を伴う場合には、一連の方向転換にタイムロスが発生する。また、搬送台車には、旋回軸を昇降させる昇降機構を必要とすると共に、搬送台車を旋回させるよう進行方向を変更しつつ前進する複数の駆動輪を必要とし、これらの制御装置も含めて搬送台車が高価となる不具合があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、タイムロスのない旋回・方向転換に好適なワーク搬送装置およびワーク搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、無人搬送車を搬送台車に対して旋回可能であり且つ搬送台車に対して切離し可能な連結手段を介して連結し、前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、無人搬送車と搬送台車との連結手段を切離し、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結手段により連結し、無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。
【発明の効果】
【0007】
したがって、本発明では、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結し、無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引するようにしたため、搬送台車は進行方向転換のために停止することがなく、タイムロスのない旋回・方向転換が実行でき、ワーク搬送のサイクルタイムの短縮ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のワーク搬送装置およびワーク搬送方法の一実施形態を図〜図に基づいて説明する。図1に基づいて、先ず本実施形態のワーク搬送方法の概要を説明する。図1では、車両組立ラインの目的とする組立ステージSTと、ピッキング場PKとが示されており、搬送台車1が無人搬送車2に牽引されて前記両者間を往復移動してワークWを収容した複数の部品箱P(以下では「実箱P1」という)若しくはパレットをピッキング場PKから組立ステージSTへ搬送し、ワークWが取出されて空となった複数の部品箱P(以下では「空箱P2」という)若しくはパレットを回収して組立ステージSTからピッキング場PKに搬送する状態を示している。
【0009】
搬送台車1は、車両組立ラインの目的とする組立ステージSTを通過する車両に組付けるべきワークWが収容されたパレット若しくは実箱P1を、実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で、後述する供給レール4上に積載し、無人搬送車2に牽引されて車両等の組立ラインの目的とする供給場所(ラインサイドのワーク受入れ装置3)へ搬送する。ラインサイドの供給場所では、搬送台車1のワーク整列(供給レール4)方向とワーク受入れ装置3の供給レール6とを一直線状にした状態となるよう無人搬送車2で牽引して、ワーク受入れ装置3(ワーク取出し機構)に搬送台車1を連結(ドッキング)する。そして、搬送台車1に搭載した複数のワークWを整列させた順番を崩すことなくワーク受入れ装置3に順次供給する。また同時に、組立ラインで空となったパレット若しくは空箱P2を、ワーク受入れ装置3の回収レール7上から搬送台車1の回収レール5上に回収する。その後、ワーク受入れ装置3との連結を解除して、空となったパレット若しくは空箱P2を搭載した搬送台車1を無心搬送車により牽引してピッキング場PKへ搬送するワーク搬送方法である。
【0010】
前記搬送台車1は、図2および図3に示すように、パイプ材等を枠状に組合わせたフレーム10に支持させて、上方に配置した供給レール4と、同じく下方に配置した回収レール5と、を備える台車で構成される。前記供給レール4は、回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、矢印で示す台車の前方が下方となる傾斜状態でフレーム10に配置されている。また、前記回収レール5は、同じく回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、矢印で示す台車の前方が上方となる傾斜状態でフレーム10に配置されている。
【0011】
搬送台車1のフレーム10の前後方向の中央部より若干後方となる下方の左右位置には、台車を走行可能に支持する従動輪11が配置され、フレーム10の下方の前端側には、台車の前端を支持する無人搬送車2が配置されている。積載ワークWを含む台車の重量は、その荷重の大半が前記従動輪11に支持され、残りの荷重が無人搬送車2の上面で支持される。
【0012】
無人搬送車2は、その上面に牽引ピンを出没可能に備え、牽引ピン12を突出させて搬送台車1に設けた連結穴13に係合させることにより搬送台車1に連結され、牽引ピン12を介して搬送台車1を牽引可能であり、牽引ピン12を介して搬送台車1を任意の方向に押引きして移動させたり、旋回させることができる。また、牽引ピン12を上面から引込めて内部に収納することにより、搬送台車1から離脱可能である。前記無人搬送車2は、AGV(automated guided vehicle)であり、床面に敷設された磁気テープ若しくは反射テープ等で形成された誘導路Uに沿って走行可能な一般的なものである。
【0013】
前記供給レール4上には、車両に組付けるべきワークWが収容された複数のパレット若しくは実箱P1を実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で搭載可能である。供給レール4の両側には、供給レール4上に搭載したパレット若しくは実箱P1を案内するフレーム10で形成したガイド14が配置されている。供給レール4の前端(搬送台車1の前端)には、搭載しているパレット若しくは実箱P1が前端より脱落するのを防止する、ストッパ16が設けられている。
【0014】
前記回収レール5上には、組立ステージSTで車両にワークWが取付けられて空となった複数のパレット若しくは空箱P2を搭載可能である。回収レール5の両側には、回収レール5上に搭載した空パレット若しくは空箱P2を案内するフレーム10で形成したガイド15が配置されている。回収レール5の後端(搬送台車1の後端)には、搭載している空パレット若しくは空箱P2が後端より脱落するのを防止する、ストッパ17が設けられている。
【0015】
搬送台車1は、組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3に対してその前端をドッキングさせた状態においては、供給レール4はワーク受入れ装置3の供給レール6と繋がると共に前記ストッパ16が解除され、積載しているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWをワーク受入れ装置3の供給レール6上に供給可能である。また、その際に、回収レール5の前端側はワーク受入れ装置3の回収レール7と繋がり、ワーク受入れ装置3の回収レール7上の、ワークWが取出されて空となった複数の空パレット若しくは空箱P2を、回収レール5上に受取り可能である。
【0016】
また、搬送台車1は、ピッキング場PKに配置されたワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態においては、供給レール4はその後端側がワーク積載装置の供給レールと繋がり、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り可能である。また、その際に、回収レール5の後端側はワーク積載装置の回収レールと繋がると共に前記ストッパ17が解除され、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給可能である。
【0017】
前記組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3は、図4に示すように、パイプ材等を枠状に組合わせたフレーム20に支持させて、上方に配置した供給レール6と、同じく下方に配置した回収レール7と、供給レール6の終端に配置されて昇降する昇降レール8と、昇降レール8を挟んで供給レール6側とは反対側に配置された取出し口9と、を備えて構成される。パイプ材等で構成されるフレーム20で支持される回収レール7の下部は、床面から所定の間隔を持って配置されており、回収レール7の下部の床面上を無人搬送車2が走行可能になっている。
【0018】
前記供給レール6は、回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、昇降レール8側に向けて若干だけ下方となる傾斜状態でフレーム20に配置されている。供給レール6上には、搬送台車1の供給レール4から供給された、車両に組付けるべきワークWが収容された複数のパレット若しくは実箱P1を、実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で搭載可能である。供給レール6の両側には、供給レール6上に搭載したパレット若しくは実箱P1を案内するフレーム20で形成したガイド21が配置されている。傾斜した供給レール6の下端である終端(昇降レール側)には、搭載しているパレット若しくは実箱P1を停止させる、ストッパ23が設けられている。なお、供給レール6は終端に向けて傾斜させた状態で配置するものについて説明したが、水平状態に配置し、搬送台車1に連結される側から終端に向けてパレット若しくは実箱P1を搬送する搬送装置を備えるものであってもよい。
【0019】
また、前記回収レール7は、同じく回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、昇降レール8側が上方となる傾斜状態でフレーム20に配置されている。回収レール7上には、組立ステージSTで車両にワークWが取付けられて空となった複数のパレット若しくは空箱P2を搭載可能である。回収レール7の両側には、回収レール7上に搭載した空パレット若しくは空箱P2を案内するフレーム20で形成したガイド22が配置されている。傾斜した回収レール7の下端である搬送台車1が連結される端部には、搭載している空パレット若しくは空箱P2が端部より脱落するのを防止する、ストッパ24が設けられている。
【0020】
前記昇降レール8は、前記供給レール6と繋がる上昇位置と前記回収レール7と繋がる下降位置との間でアクチュエータ26により昇降可能である。そして、供給レール6と繋がった上昇位置において、供給レール6より供給されたパレット若しくは実箱P1からワークWが取出し口9へ取出し可能となっている。ワークWが取出された空パレット若しくは空箱P2は、昇降レール8が下降されて回収レール7と繋がった下降位置において、図示しない押出し装置により回収レール7上に押出される。回収レール7上に押出された空パレット若しくは空箱P2は、回収レール7の傾斜に沿って下方へ送られる。なお、昇降レール8が上昇位置から下降されている状態では、供給レール6の終端に配置されているストッパ24により供給レール6上のワークWを収容したパレット若しくは実箱P1はその前進が阻止される。
【0021】
また、ワーク受入れ装置3の搬送台車1の前端と連結される端部のフレーム20には、搬送台車1のフレーム10と連結するためのドッキング装置25(クランプ装置)が配置されている。ドッキング装置25により搬送台車1のフレーム10と連結されると、搬送台車1の前端はワーク受入れ装置3に支持された状態となる。また、ドッキング装置25と連動して、搬送台車1の供給レール4の前端に配置されているストッパ16とワーク受入れ装置3の回収レール7の下端に配置されたストッパ24とが開放されるよう構成している。
【0022】
以上の構成の搬送台車1による組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3へのワーク供給動作について、図1および図5〜図16に基づいて以下に説明する。
【0023】
図1は搬送台車1が使用される現場環境を模式的に説明するものであり、図中の左側には組立ステージSTが示され、組立ステージSTには端部を通路に向けてワーク受入れ装置3が配置されている。通路には、また、磁気テープ若しくは反射テープによりなる誘導路Uがワーク受入れ装置3の端部に向けて配置され、この誘導路Uはワーク受入れ装置3の下部に直進状態で延して配置され、途中から8字状となって無人搬送車2を反転させるための誘導路Uが構成されている。そして、反転した誘導路Uはワーク受入れ装置3の端部を通過して通路を所定距離だけ進んだ時点で進入のための誘導路Uと分岐して緩やかなカーブを描いて通路に沿う誘導路Uに連なり、ピッキング場PKに向かって配置されている。
【0024】
図5は無人搬送車2およびワーク受入れ装置3を制御する搬送コントローラにより実行されるピッキング場PKから組立ステージSTへのワーク搬送に実行される手順を示すフローチャートである。以下では、図5に示すフローチャートに基づいて、ピッキング場PKから組立ステージSTへのワーク搬送手順について説明する。
【0025】
先ず、ピッキング場PKにおいて、ワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態において、回収レール5の後端側をワーク積載装置の回収レールと繋げると共にストッパ17を解除されて、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給して戻す一方、供給レール4の後端側をワーク積載装置の供給レールと繋げて、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り積載する。そして、無人搬送車2を搬送台車1の前方下部に進入させ、無人搬送車2の牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13に係合させた状態で待機させる(ステップS10)。
【0026】
組立ステージSTのワーク受入れ装置3からワーク搬送要求がなされる(ステップS1)と、その信号は上位の図示しない搬送コントローラを経由して無人搬送車2に出力され、無人搬送車2が搬送台車1を牽引してスタートする(ステップS11)。そして、無人搬送車2は搬送台車1を牽引しながら誘導路Uに沿って走行して、組立ステージSTのワーク受入れ装置3に向かって走行する(ステップS12)。
【0027】
誘導路Uに沿っての走行を継続すると、無人搬送車2は、組立ステージSTのワーク受入れ装置3のワーク受入れ口に向かって真っ直ぐに前進し、図6および図7に示すように、搬送台車1の前端とワーク受入れ装置3のワーク受入れ口とが対面した状態となる。図7に示す側面図は、図6に示す平面図に対して、その縮尺を若干拡大して、図示している。
【0028】
無人搬送車2の前進により搬送台車1がさらに前進すると、図8に示すように、搬送台車1の前端とワーク受入れ装置3のワーク受入れ口とが最接近して、ワーク受入れ装置3の端部に配置されているドッキング装置25(クランプ装置)が作動して、搬送台車1のフレーム10とワーク受入れ装置3のフレーム20とを位置決めして連結する(ステップS2)。同時に、無人搬送車2が停止される(ステップS13)。
【0029】
この状態においては、搬送台車1の供給レール4はワーク受入れ装置3の供給レール6と繋がり、搬送台車1の回収レール5の前端側はワーク受入れ装置3の回収レール7と繋がった状態となる。
【0030】
そして、無人搬送車2においては、牽引ピン12を下降させて搬送台車1との連結を解除する(ステップS14)。そして、ステップS16で、無人搬送車2を誘導路Uに沿って前進させて、搬送台車1の下部空間から抜け出る(ステップS15)。無人搬送車2は、ワーク受入れ装置3の下部空間に前進し、次いで、図9に示すように、ワーク受入れ装置3の下部空間から抜出す。
【0031】
そして、無人搬送車2は、図10に示すように、組立ステージSTの開いたスペースに誘導路Uで形成された8字状のUターン路を経由して、再びワーク受入れ装置3の下部空間に進入する。次いで、図11および図12に示すように、搬送台車1の前方部位の下部空間に搬送台車1の前方側から進入して停止する。そして、牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13へ係合させる(ステップS16)。無人搬送車2と搬送台車1とは、互いに向合う状態となっている。前記無人搬送車2のUターンは、必要とするスペースが小さくなる、最小回転半径で旋回できる8字状の誘導路Uにより実行するものを説明したが、単なるループ状のものであってもよい。
【0032】
一方、ワーク受入れ装置3と搬送台車1との間では、前記無人搬送車2のUターンの実行と並行して、ワークWの受渡しが実行される。即ち、ワーク受入れ装置3は、ドッキング装置25の作動に連動して、搬送台車1の供給レール4の前端に配置されたストッパ16を解除すると共に、ワーク受入れ装置3の回収レール7の下端に配置されたストッパ24を解除する(ステップS3)。前記各ストッパ16,24の解除により、搬送台車1の供給レール4上に積載しているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWは、ワーク受入れ装置3の供給レール6上に供給される。また、ワーク受入れ装置3の回収レール7上の、ワークWが取出されて空となった複数の空パレット若しくは空箱P2は、搬送台車1の回収レール5上に回収される(ステップS4)。
【0033】
ステップS5に進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収が完了したかどうかが判定され、完了していない場合にはステップS6へ進み、予め設定した所定時間が経過したか否かが判定され、経過していない場合にはステップS4へ進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収が継続される。ステップS5で、ワークWの払出しと空箱P2の回収が完了したと判定された場合にはステップS7へ進む。また、ステップS5でのワークWの払出しと空箱P2の回収の完了判定が所定時間経過した後もなされない場合には、ステップS8へ進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収の動作に異常があると警報を出力する。
【0034】
ステップS7では、ワーク受入れ装置3のドッキング装置25を解除して、搬送台車1を切離す。ドッキング装置25の解除によりワーク受入れ装置3の回収レール7下端のストッパ24と搬送台車1の供給レール4のストッパ16とが作動状態に復帰される。前記ドッキング装置の解除信号は無人搬送車2に出力される。
【0035】
無人搬送車2は、ステップS17を実行し、図14に示すように、牽引ピン12を介して搬送台車1を後方に押し戻して、ワーク受入れ装置3から離脱させる。この切離し距離は、搬送台車1が方向転換する際に、ワーク受入れ装置3と干渉しない位置まで継続されるよう、無人搬送車2を案内する誘導路Uが設定される。
【0036】
そして、搬送台車1が旋回してもワーク受入れ装置3側と干渉しない位置まで戻されたら、無人搬送車2は分岐された緩いカーブを持つ分岐路を選択して、図14および図15に示すように、搬送台車1を旋回させつつ進行方向に向けて曲がり(カーブ)しながら前進する。この時、搬送台車1の後輪である従動輪11を旋回軸として、無人搬送車2(AGV)の牽引ピン12と搬送台車1の連結穴13との連結部分を旋回させて、搬送台車1の方向転換が行われる。
【0037】
この方向転換にあたっては、『無人搬送車2(AGV)無停車』且つ『前進方向のみの走行』で、進行しながら旋回する。即ち、搬送台車1には駆動源は無く、あくまで“無人搬送車2(AGV)の前進動作”により搬送台車1の後輪である従動輪11(固定輪)および連結部分のみで、搬送台車1を旋回(方向変換)させる。そして、無人搬送車2(AGV)は誘導路Uに沿って弧を描きながら前進した後、図16に示すように、直進するだけで、搬送台車1は直進方向に向きを変えて方向転換が完了する。引き続き搬送台車1を牽引して、誘導路Uに沿って進行することにより、搬送台車1をピッキング場PKへ走行させる。
【0038】
ピッキング場PKでは、再び、ワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態において、回収レール5の後端側をワーク積載装置の回収レールと繋げると共にストッパ17を解除して、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給して戻す一方、供給レール4の後端側をワーク積載装置の供給レールと繋げて、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り積載する。そして、無人搬送車2を搬送台車1の前方下部に進入させ、無人搬送車2の牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13に係合させた状態で待機することで、次回のワークWの搬送に備える。
【0039】
なお、上記した実施形態では、ワーク受入れ装置3に対して搬送台車1をドッキングさせた段階およびワーク受入れ装置3の下方空間を経由してのUターン走行後の搬送台車1下方に到達した段階で、一旦無人搬送車2(AGV)を停止させ、牽引ピン12を下降させたり上昇させたりして、搬送台車1との離脱・連結を行っているが、無人搬送車2と搬送台車1との連結構造を変更して、無人搬送車2(AGV)による方向転換を開始する際の離脱時、および、方向転換完了後の再連結時において、牽引ピン12の出し入れを行わず、一旦停止もせずに、そのまま前進しながら搬送台車1との“離脱”及び“連結”をするようにしてもよい。
【0040】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0041】
(ア)ワーク積載装置から供給されたワークWを積載した搬送台車1を無人搬送車2により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置3に搬送し、搬送台車1を組立ラインのワーク受入れ装置3に連結し、搬送台車1に積載したワークWをワーク受入れ装置3に供給し、ワークWの供給完了後の搬送台車1を無人搬送車2により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送装置およびワーク搬送方法であり、無人搬送車2を搬送台車1に対して旋回可能であり且つ搬送台車1に対して切離し可能な連結手段12,13を介して連結し、前記搬送台車1とワーク受入れ装置3との連結後に、無人搬送車2と搬送台車1との連結手段12,13を切離し、無人搬送車2の向きを反転させて搬送台車1に連結手段12,13により連結し、無人搬送車2のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークWの供給完了後の搬送台車1を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。このため、搬送台車1は進行方向転換のために停止することがなく、タイムロスのない旋回・方向転換が実行でき、ワーク搬送のサイクルタイムの短縮ができる。また、搬送台車1をワーク受入れ装置3にドッキングしてワークWを供給するワーク搬送に無人搬送車2を使用することができ、搬送台車1およびワーク受入れ装置3の構造が簡素化でき投資が最小限で抑えられ、使用するスペースも最小限に抑制できる。
【0042】
(イ)無人搬送車2は、搬送台車1との連結手段12,13の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路Uに沿って走行することにより反転して、搬送台車1に連結手段12,13を介して連結するため、特別な無人搬送車2(AGV)を必要とせず、前進走行のみの汎用の無人搬送車2と併用化(使い廻し)できる。
【0043】
(ウ)搬送台車1は、そのフレーム10下方の後方側の左右に従動輪11を備えると共に、フレーム10下方の前方側を無人搬送車2に支持させ且つ連結手段12,13を介して無人搬送車2を旋回可能に連結するため、特に、駆動源や特殊な構造を必要とせず、メンテナンス性に優れた製作が安価な搬送台車1とすることができる。このため、軽量パイプ等で製作が可能であり、搬送台車1そのものの軽量化も図れる。従って、無人搬送車2の1回の充電での走行時間を長く確保できる。また、搬送するワークWの重量を増加させることも可能となる。
【0044】
(エ)無人搬送車2と搬送台車1とを連結する連結手段12,13は、無人搬送車2の上面に出没する牽引ピン12を搬送台車1に設けた連結穴13に係合させることで搬送台車1と連結するため、無人搬送車2と搬送台車1との連結・離脱が容易となる。
【0045】
(オ)Uターン誘導路Uは、8字状に形成されていることにより、少ないスペースにより、無人搬送車2を反転させることができる。
【0046】
なお、本発明のワーク搬送装置およびワーク搬送方法は、納入部品のピッキング場PKの部品棚への供給やラインサイドのワーク受入れ装置3への部品供給等、搬送台車とワーク受入れ装置とのドッキング(連結)方式による、部品の自動供給へ幅広く応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態を示すワーク搬送装置の概略構成図。
【図2】搬送台車および無人搬送車の側面図。
【図3】搬送台車および無人搬送車の斜視図。
【図4】ラインサイドにおける組立ステージに設けるワーク受入れ装置の側面図。
【図5】無人搬送車およびワーク受入れ装置を制御する搬送コントローラにより実行されるピッキング場から組立ステージへのワーク搬送に実行される手順を示すフローチャート。
【図6】ワーク搬送動作を搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する平面図。
【図7】ワーク搬送動作を搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する側面図。
【図8】ドッキング状態を示す搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する側面図。
【図9】図8に続く動作状態を説明する平面図。
【図10】図9に続く動作状態を説明する平面図。
【図11】図10に続く動作状態を説明する平面図。
【図12】図11の状態を説明する側面図。
【図13】図12に続く動作状態を説明する平面図。
【図14】図13に続く動作状態を説明する平面図。
【図15】図14に続く動作状態を説明する平面図。
【図16】図15に続く動作状態を説明する平面図。
【符号の説明】
【0048】
P,P1,P2 部品箱、実箱、空箱
PK ピッキング場
ST 組立ステージ
U 誘導路
W ワーク
1 搬送台車
2 無人搬送車
3 ワーク受入れ装置
4、6 供給レール
5、7 回収レール
8 昇降レール
9 受取り口
10、20 フレーム
11 従動輪
12 牽引ピン
13 連結穴
16,17,12,24 ストッパ
25 ドッキング装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送装置およびワーク搬送方法に関し、特に、搬送台車の旋回に好適なワーク搬送装置およびワーク搬送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から部品若しくは部品を収納した部品箱(以下では、「ワーク」という)を搬送台車に積載し、車両等の組立ラインの目的とする供給場所へ搬送して供給するワーク搬送方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、ワークを搬送する無人搬送台車の向きを変える場合に、搬送台車における4角のうちいずれか1つの角を第1の中心として旋回する動作と、それ以外の角を第2の中心として旋回する動作とを組合わせて行うことにより、従来のデッドスペースを必要とする「Uターン方式」又は「スイッチバック方式」によらないで、搬送台車の向きを変えるようにしている。
【特許文献1】特開2003−84832号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、搬送台車の旋回の都度、旋回軸となる軸を下降させて駆動輪を走行させて搬送台車を旋回させ、旋回後に旋回軸を上昇させる動作を必要とし、複数回の旋回を伴う場合には、一連の方向転換にタイムロスが発生する。また、搬送台車には、旋回軸を昇降させる昇降機構を必要とすると共に、搬送台車を旋回させるよう進行方向を変更しつつ前進する複数の駆動輪を必要とし、これらの制御装置も含めて搬送台車が高価となる不具合があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、タイムロスのない旋回・方向転換に好適なワーク搬送装置およびワーク搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、無人搬送車を搬送台車に対して旋回可能であり且つ搬送台車に対して切離し可能な連結手段を介して連結し、前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、無人搬送車と搬送台車との連結手段を切離し、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結手段により連結し、無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。
【発明の効果】
【0007】
したがって、本発明では、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結し、無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引するようにしたため、搬送台車は進行方向転換のために停止することがなく、タイムロスのない旋回・方向転換が実行でき、ワーク搬送のサイクルタイムの短縮ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のワーク搬送装置およびワーク搬送方法の一実施形態を図〜図に基づいて説明する。図1に基づいて、先ず本実施形態のワーク搬送方法の概要を説明する。図1では、車両組立ラインの目的とする組立ステージSTと、ピッキング場PKとが示されており、搬送台車1が無人搬送車2に牽引されて前記両者間を往復移動してワークWを収容した複数の部品箱P(以下では「実箱P1」という)若しくはパレットをピッキング場PKから組立ステージSTへ搬送し、ワークWが取出されて空となった複数の部品箱P(以下では「空箱P2」という)若しくはパレットを回収して組立ステージSTからピッキング場PKに搬送する状態を示している。
【0009】
搬送台車1は、車両組立ラインの目的とする組立ステージSTを通過する車両に組付けるべきワークWが収容されたパレット若しくは実箱P1を、実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で、後述する供給レール4上に積載し、無人搬送車2に牽引されて車両等の組立ラインの目的とする供給場所(ラインサイドのワーク受入れ装置3)へ搬送する。ラインサイドの供給場所では、搬送台車1のワーク整列(供給レール4)方向とワーク受入れ装置3の供給レール6とを一直線状にした状態となるよう無人搬送車2で牽引して、ワーク受入れ装置3(ワーク取出し機構)に搬送台車1を連結(ドッキング)する。そして、搬送台車1に搭載した複数のワークWを整列させた順番を崩すことなくワーク受入れ装置3に順次供給する。また同時に、組立ラインで空となったパレット若しくは空箱P2を、ワーク受入れ装置3の回収レール7上から搬送台車1の回収レール5上に回収する。その後、ワーク受入れ装置3との連結を解除して、空となったパレット若しくは空箱P2を搭載した搬送台車1を無心搬送車により牽引してピッキング場PKへ搬送するワーク搬送方法である。
【0010】
前記搬送台車1は、図2および図3に示すように、パイプ材等を枠状に組合わせたフレーム10に支持させて、上方に配置した供給レール4と、同じく下方に配置した回収レール5と、を備える台車で構成される。前記供給レール4は、回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、矢印で示す台車の前方が下方となる傾斜状態でフレーム10に配置されている。また、前記回収レール5は、同じく回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、矢印で示す台車の前方が上方となる傾斜状態でフレーム10に配置されている。
【0011】
搬送台車1のフレーム10の前後方向の中央部より若干後方となる下方の左右位置には、台車を走行可能に支持する従動輪11が配置され、フレーム10の下方の前端側には、台車の前端を支持する無人搬送車2が配置されている。積載ワークWを含む台車の重量は、その荷重の大半が前記従動輪11に支持され、残りの荷重が無人搬送車2の上面で支持される。
【0012】
無人搬送車2は、その上面に牽引ピンを出没可能に備え、牽引ピン12を突出させて搬送台車1に設けた連結穴13に係合させることにより搬送台車1に連結され、牽引ピン12を介して搬送台車1を牽引可能であり、牽引ピン12を介して搬送台車1を任意の方向に押引きして移動させたり、旋回させることができる。また、牽引ピン12を上面から引込めて内部に収納することにより、搬送台車1から離脱可能である。前記無人搬送車2は、AGV(automated guided vehicle)であり、床面に敷設された磁気テープ若しくは反射テープ等で形成された誘導路Uに沿って走行可能な一般的なものである。
【0013】
前記供給レール4上には、車両に組付けるべきワークWが収容された複数のパレット若しくは実箱P1を実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で搭載可能である。供給レール4の両側には、供給レール4上に搭載したパレット若しくは実箱P1を案内するフレーム10で形成したガイド14が配置されている。供給レール4の前端(搬送台車1の前端)には、搭載しているパレット若しくは実箱P1が前端より脱落するのを防止する、ストッパ16が設けられている。
【0014】
前記回収レール5上には、組立ステージSTで車両にワークWが取付けられて空となった複数のパレット若しくは空箱P2を搭載可能である。回収レール5の両側には、回収レール5上に搭載した空パレット若しくは空箱P2を案内するフレーム10で形成したガイド15が配置されている。回収レール5の後端(搬送台車1の後端)には、搭載している空パレット若しくは空箱P2が後端より脱落するのを防止する、ストッパ17が設けられている。
【0015】
搬送台車1は、組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3に対してその前端をドッキングさせた状態においては、供給レール4はワーク受入れ装置3の供給レール6と繋がると共に前記ストッパ16が解除され、積載しているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWをワーク受入れ装置3の供給レール6上に供給可能である。また、その際に、回収レール5の前端側はワーク受入れ装置3の回収レール7と繋がり、ワーク受入れ装置3の回収レール7上の、ワークWが取出されて空となった複数の空パレット若しくは空箱P2を、回収レール5上に受取り可能である。
【0016】
また、搬送台車1は、ピッキング場PKに配置されたワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態においては、供給レール4はその後端側がワーク積載装置の供給レールと繋がり、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り可能である。また、その際に、回収レール5の後端側はワーク積載装置の回収レールと繋がると共に前記ストッパ17が解除され、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給可能である。
【0017】
前記組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3は、図4に示すように、パイプ材等を枠状に組合わせたフレーム20に支持させて、上方に配置した供給レール6と、同じく下方に配置した回収レール7と、供給レール6の終端に配置されて昇降する昇降レール8と、昇降レール8を挟んで供給レール6側とは反対側に配置された取出し口9と、を備えて構成される。パイプ材等で構成されるフレーム20で支持される回収レール7の下部は、床面から所定の間隔を持って配置されており、回収レール7の下部の床面上を無人搬送車2が走行可能になっている。
【0018】
前記供給レール6は、回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、昇降レール8側に向けて若干だけ下方となる傾斜状態でフレーム20に配置されている。供給レール6上には、搬送台車1の供給レール4から供給された、車両に組付けるべきワークWが収容された複数のパレット若しくは実箱P1を、実際の組立ラインの生産順に順次整列させた状態で搭載可能である。供給レール6の両側には、供給レール6上に搭載したパレット若しくは実箱P1を案内するフレーム20で形成したガイド21が配置されている。傾斜した供給レール6の下端である終端(昇降レール側)には、搭載しているパレット若しくは実箱P1を停止させる、ストッパ23が設けられている。なお、供給レール6は終端に向けて傾斜させた状態で配置するものについて説明したが、水平状態に配置し、搬送台車1に連結される側から終端に向けてパレット若しくは実箱P1を搬送する搬送装置を備えるものであってもよい。
【0019】
また、前記回収レール7は、同じく回転自在な多数のローラを備えるローラコンベアで構成され、昇降レール8側が上方となる傾斜状態でフレーム20に配置されている。回収レール7上には、組立ステージSTで車両にワークWが取付けられて空となった複数のパレット若しくは空箱P2を搭載可能である。回収レール7の両側には、回収レール7上に搭載した空パレット若しくは空箱P2を案内するフレーム20で形成したガイド22が配置されている。傾斜した回収レール7の下端である搬送台車1が連結される端部には、搭載している空パレット若しくは空箱P2が端部より脱落するのを防止する、ストッパ24が設けられている。
【0020】
前記昇降レール8は、前記供給レール6と繋がる上昇位置と前記回収レール7と繋がる下降位置との間でアクチュエータ26により昇降可能である。そして、供給レール6と繋がった上昇位置において、供給レール6より供給されたパレット若しくは実箱P1からワークWが取出し口9へ取出し可能となっている。ワークWが取出された空パレット若しくは空箱P2は、昇降レール8が下降されて回収レール7と繋がった下降位置において、図示しない押出し装置により回収レール7上に押出される。回収レール7上に押出された空パレット若しくは空箱P2は、回収レール7の傾斜に沿って下方へ送られる。なお、昇降レール8が上昇位置から下降されている状態では、供給レール6の終端に配置されているストッパ24により供給レール6上のワークWを収容したパレット若しくは実箱P1はその前進が阻止される。
【0021】
また、ワーク受入れ装置3の搬送台車1の前端と連結される端部のフレーム20には、搬送台車1のフレーム10と連結するためのドッキング装置25(クランプ装置)が配置されている。ドッキング装置25により搬送台車1のフレーム10と連結されると、搬送台車1の前端はワーク受入れ装置3に支持された状態となる。また、ドッキング装置25と連動して、搬送台車1の供給レール4の前端に配置されているストッパ16とワーク受入れ装置3の回収レール7の下端に配置されたストッパ24とが開放されるよう構成している。
【0022】
以上の構成の搬送台車1による組立ステージSTに配置されたワーク受入れ装置3へのワーク供給動作について、図1および図5〜図16に基づいて以下に説明する。
【0023】
図1は搬送台車1が使用される現場環境を模式的に説明するものであり、図中の左側には組立ステージSTが示され、組立ステージSTには端部を通路に向けてワーク受入れ装置3が配置されている。通路には、また、磁気テープ若しくは反射テープによりなる誘導路Uがワーク受入れ装置3の端部に向けて配置され、この誘導路Uはワーク受入れ装置3の下部に直進状態で延して配置され、途中から8字状となって無人搬送車2を反転させるための誘導路Uが構成されている。そして、反転した誘導路Uはワーク受入れ装置3の端部を通過して通路を所定距離だけ進んだ時点で進入のための誘導路Uと分岐して緩やかなカーブを描いて通路に沿う誘導路Uに連なり、ピッキング場PKに向かって配置されている。
【0024】
図5は無人搬送車2およびワーク受入れ装置3を制御する搬送コントローラにより実行されるピッキング場PKから組立ステージSTへのワーク搬送に実行される手順を示すフローチャートである。以下では、図5に示すフローチャートに基づいて、ピッキング場PKから組立ステージSTへのワーク搬送手順について説明する。
【0025】
先ず、ピッキング場PKにおいて、ワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態において、回収レール5の後端側をワーク積載装置の回収レールと繋げると共にストッパ17を解除されて、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給して戻す一方、供給レール4の後端側をワーク積載装置の供給レールと繋げて、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り積載する。そして、無人搬送車2を搬送台車1の前方下部に進入させ、無人搬送車2の牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13に係合させた状態で待機させる(ステップS10)。
【0026】
組立ステージSTのワーク受入れ装置3からワーク搬送要求がなされる(ステップS1)と、その信号は上位の図示しない搬送コントローラを経由して無人搬送車2に出力され、無人搬送車2が搬送台車1を牽引してスタートする(ステップS11)。そして、無人搬送車2は搬送台車1を牽引しながら誘導路Uに沿って走行して、組立ステージSTのワーク受入れ装置3に向かって走行する(ステップS12)。
【0027】
誘導路Uに沿っての走行を継続すると、無人搬送車2は、組立ステージSTのワーク受入れ装置3のワーク受入れ口に向かって真っ直ぐに前進し、図6および図7に示すように、搬送台車1の前端とワーク受入れ装置3のワーク受入れ口とが対面した状態となる。図7に示す側面図は、図6に示す平面図に対して、その縮尺を若干拡大して、図示している。
【0028】
無人搬送車2の前進により搬送台車1がさらに前進すると、図8に示すように、搬送台車1の前端とワーク受入れ装置3のワーク受入れ口とが最接近して、ワーク受入れ装置3の端部に配置されているドッキング装置25(クランプ装置)が作動して、搬送台車1のフレーム10とワーク受入れ装置3のフレーム20とを位置決めして連結する(ステップS2)。同時に、無人搬送車2が停止される(ステップS13)。
【0029】
この状態においては、搬送台車1の供給レール4はワーク受入れ装置3の供給レール6と繋がり、搬送台車1の回収レール5の前端側はワーク受入れ装置3の回収レール7と繋がった状態となる。
【0030】
そして、無人搬送車2においては、牽引ピン12を下降させて搬送台車1との連結を解除する(ステップS14)。そして、ステップS16で、無人搬送車2を誘導路Uに沿って前進させて、搬送台車1の下部空間から抜け出る(ステップS15)。無人搬送車2は、ワーク受入れ装置3の下部空間に前進し、次いで、図9に示すように、ワーク受入れ装置3の下部空間から抜出す。
【0031】
そして、無人搬送車2は、図10に示すように、組立ステージSTの開いたスペースに誘導路Uで形成された8字状のUターン路を経由して、再びワーク受入れ装置3の下部空間に進入する。次いで、図11および図12に示すように、搬送台車1の前方部位の下部空間に搬送台車1の前方側から進入して停止する。そして、牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13へ係合させる(ステップS16)。無人搬送車2と搬送台車1とは、互いに向合う状態となっている。前記無人搬送車2のUターンは、必要とするスペースが小さくなる、最小回転半径で旋回できる8字状の誘導路Uにより実行するものを説明したが、単なるループ状のものであってもよい。
【0032】
一方、ワーク受入れ装置3と搬送台車1との間では、前記無人搬送車2のUターンの実行と並行して、ワークWの受渡しが実行される。即ち、ワーク受入れ装置3は、ドッキング装置25の作動に連動して、搬送台車1の供給レール4の前端に配置されたストッパ16を解除すると共に、ワーク受入れ装置3の回収レール7の下端に配置されたストッパ24を解除する(ステップS3)。前記各ストッパ16,24の解除により、搬送台車1の供給レール4上に積載しているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWは、ワーク受入れ装置3の供給レール6上に供給される。また、ワーク受入れ装置3の回収レール7上の、ワークWが取出されて空となった複数の空パレット若しくは空箱P2は、搬送台車1の回収レール5上に回収される(ステップS4)。
【0033】
ステップS5に進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収が完了したかどうかが判定され、完了していない場合にはステップS6へ進み、予め設定した所定時間が経過したか否かが判定され、経過していない場合にはステップS4へ進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収が継続される。ステップS5で、ワークWの払出しと空箱P2の回収が完了したと判定された場合にはステップS7へ進む。また、ステップS5でのワークWの払出しと空箱P2の回収の完了判定が所定時間経過した後もなされない場合には、ステップS8へ進み、ワークWの払出しと空箱P2の回収の動作に異常があると警報を出力する。
【0034】
ステップS7では、ワーク受入れ装置3のドッキング装置25を解除して、搬送台車1を切離す。ドッキング装置25の解除によりワーク受入れ装置3の回収レール7下端のストッパ24と搬送台車1の供給レール4のストッパ16とが作動状態に復帰される。前記ドッキング装置の解除信号は無人搬送車2に出力される。
【0035】
無人搬送車2は、ステップS17を実行し、図14に示すように、牽引ピン12を介して搬送台車1を後方に押し戻して、ワーク受入れ装置3から離脱させる。この切離し距離は、搬送台車1が方向転換する際に、ワーク受入れ装置3と干渉しない位置まで継続されるよう、無人搬送車2を案内する誘導路Uが設定される。
【0036】
そして、搬送台車1が旋回してもワーク受入れ装置3側と干渉しない位置まで戻されたら、無人搬送車2は分岐された緩いカーブを持つ分岐路を選択して、図14および図15に示すように、搬送台車1を旋回させつつ進行方向に向けて曲がり(カーブ)しながら前進する。この時、搬送台車1の後輪である従動輪11を旋回軸として、無人搬送車2(AGV)の牽引ピン12と搬送台車1の連結穴13との連結部分を旋回させて、搬送台車1の方向転換が行われる。
【0037】
この方向転換にあたっては、『無人搬送車2(AGV)無停車』且つ『前進方向のみの走行』で、進行しながら旋回する。即ち、搬送台車1には駆動源は無く、あくまで“無人搬送車2(AGV)の前進動作”により搬送台車1の後輪である従動輪11(固定輪)および連結部分のみで、搬送台車1を旋回(方向変換)させる。そして、無人搬送車2(AGV)は誘導路Uに沿って弧を描きながら前進した後、図16に示すように、直進するだけで、搬送台車1は直進方向に向きを変えて方向転換が完了する。引き続き搬送台車1を牽引して、誘導路Uに沿って進行することにより、搬送台車1をピッキング場PKへ走行させる。
【0038】
ピッキング場PKでは、再び、ワーク積載装置に対してその後端をドッキングさせた状態において、回収レール5の後端側をワーク積載装置の回収レールと繋げると共にストッパ17を解除して、積載している空パレット若しくは空箱P2をワーク積載装置の回収レール上に供給して戻す一方、供給レール4の後端側をワーク積載装置の供給レールと繋げて、ワーク積載装置の供給レール上に積載されているパレット若しくは実箱P1に収容されたワークWを供給レール4上に受取り積載する。そして、無人搬送車2を搬送台車1の前方下部に進入させ、無人搬送車2の牽引ピン12を上昇させて搬送台車1の連結穴13に係合させた状態で待機することで、次回のワークWの搬送に備える。
【0039】
なお、上記した実施形態では、ワーク受入れ装置3に対して搬送台車1をドッキングさせた段階およびワーク受入れ装置3の下方空間を経由してのUターン走行後の搬送台車1下方に到達した段階で、一旦無人搬送車2(AGV)を停止させ、牽引ピン12を下降させたり上昇させたりして、搬送台車1との離脱・連結を行っているが、無人搬送車2と搬送台車1との連結構造を変更して、無人搬送車2(AGV)による方向転換を開始する際の離脱時、および、方向転換完了後の再連結時において、牽引ピン12の出し入れを行わず、一旦停止もせずに、そのまま前進しながら搬送台車1との“離脱”及び“連結”をするようにしてもよい。
【0040】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0041】
(ア)ワーク積載装置から供給されたワークWを積載した搬送台車1を無人搬送車2により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置3に搬送し、搬送台車1を組立ラインのワーク受入れ装置3に連結し、搬送台車1に積載したワークWをワーク受入れ装置3に供給し、ワークWの供給完了後の搬送台車1を無人搬送車2により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送装置およびワーク搬送方法であり、無人搬送車2を搬送台車1に対して旋回可能であり且つ搬送台車1に対して切離し可能な連結手段12,13を介して連結し、前記搬送台車1とワーク受入れ装置3との連結後に、無人搬送車2と搬送台車1との連結手段12,13を切離し、無人搬送車2の向きを反転させて搬送台車1に連結手段12,13により連結し、無人搬送車2のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークWの供給完了後の搬送台車1を旋回させつつ進行方向に牽引するようにした。このため、搬送台車1は進行方向転換のために停止することがなく、タイムロスのない旋回・方向転換が実行でき、ワーク搬送のサイクルタイムの短縮ができる。また、搬送台車1をワーク受入れ装置3にドッキングしてワークWを供給するワーク搬送に無人搬送車2を使用することができ、搬送台車1およびワーク受入れ装置3の構造が簡素化でき投資が最小限で抑えられ、使用するスペースも最小限に抑制できる。
【0042】
(イ)無人搬送車2は、搬送台車1との連結手段12,13の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路Uに沿って走行することにより反転して、搬送台車1に連結手段12,13を介して連結するため、特別な無人搬送車2(AGV)を必要とせず、前進走行のみの汎用の無人搬送車2と併用化(使い廻し)できる。
【0043】
(ウ)搬送台車1は、そのフレーム10下方の後方側の左右に従動輪11を備えると共に、フレーム10下方の前方側を無人搬送車2に支持させ且つ連結手段12,13を介して無人搬送車2を旋回可能に連結するため、特に、駆動源や特殊な構造を必要とせず、メンテナンス性に優れた製作が安価な搬送台車1とすることができる。このため、軽量パイプ等で製作が可能であり、搬送台車1そのものの軽量化も図れる。従って、無人搬送車2の1回の充電での走行時間を長く確保できる。また、搬送するワークWの重量を増加させることも可能となる。
【0044】
(エ)無人搬送車2と搬送台車1とを連結する連結手段12,13は、無人搬送車2の上面に出没する牽引ピン12を搬送台車1に設けた連結穴13に係合させることで搬送台車1と連結するため、無人搬送車2と搬送台車1との連結・離脱が容易となる。
【0045】
(オ)Uターン誘導路Uは、8字状に形成されていることにより、少ないスペースにより、無人搬送車2を反転させることができる。
【0046】
なお、本発明のワーク搬送装置およびワーク搬送方法は、納入部品のピッキング場PKの部品棚への供給やラインサイドのワーク受入れ装置3への部品供給等、搬送台車とワーク受入れ装置とのドッキング(連結)方式による、部品の自動供給へ幅広く応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態を示すワーク搬送装置の概略構成図。
【図2】搬送台車および無人搬送車の側面図。
【図3】搬送台車および無人搬送車の斜視図。
【図4】ラインサイドにおける組立ステージに設けるワーク受入れ装置の側面図。
【図5】無人搬送車およびワーク受入れ装置を制御する搬送コントローラにより実行されるピッキング場から組立ステージへのワーク搬送に実行される手順を示すフローチャート。
【図6】ワーク搬送動作を搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する平面図。
【図7】ワーク搬送動作を搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する側面図。
【図8】ドッキング状態を示す搬送台車とワーク受入れ装置との関係により説明する側面図。
【図9】図8に続く動作状態を説明する平面図。
【図10】図9に続く動作状態を説明する平面図。
【図11】図10に続く動作状態を説明する平面図。
【図12】図11の状態を説明する側面図。
【図13】図12に続く動作状態を説明する平面図。
【図14】図13に続く動作状態を説明する平面図。
【図15】図14に続く動作状態を説明する平面図。
【図16】図15に続く動作状態を説明する平面図。
【符号の説明】
【0048】
P,P1,P2 部品箱、実箱、空箱
PK ピッキング場
ST 組立ステージ
U 誘導路
W ワーク
1 搬送台車
2 無人搬送車
3 ワーク受入れ装置
4、6 供給レール
5、7 回収レール
8 昇降レール
9 受取り口
10、20 フレーム
11 従動輪
12 牽引ピン
13 連結穴
16,17,12,24 ストッパ
25 ドッキング装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワーク積載装置から供給されたワークを積載した搬送台車を無人搬送車により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置に搬送し、搬送台車を組立ラインのワーク受入れ装置に連結し、搬送台車に積載したワークをワーク受入れ装置に供給し、ワークの供給完了後の搬送台車を無人搬送車により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送方法において、
前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、搬送台車と無人搬送車との連結を解除し、
前記無人搬送車の向きを反転させた後、搬送台車に連結し、
前記無人搬送車のワーク積載装置へ向かう曲線状の誘導路に沿っての前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引することを特徴とするワーク搬送方法。
【請求項2】
前記無人搬送車は、搬送台車との連結手段の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路に沿って走行することにより反転されることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送方法。
【請求項3】
前記Uターン誘導路は、8字状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のワーク搬送方法。
【請求項4】
ワーク積載装置から供給されたワークを積載した搬送台車を無人搬送車により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置に搬送し、搬送台車を組立ラインのワーク受入れ装置に連結し、搬送台車に積載したワークをワーク受入れ装置に供給し、ワークの供給完了後の搬送台車を無人搬送車により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送装置において、
前記無人搬送車を搬送台車に対して旋回可能であり且つ搬送台車に対して切離し可能な連結手段を介して連結し、
前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、無人搬送車と搬送台車との連結手段を切離し、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結手段により連結し、
無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引することを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項5】
前記無人搬送車は、搬送台車との連結手段の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路に沿って走行することにより反転して、搬送台車に連結手段を介して連結することを特徴とする請求項4に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記搬送台車は、そのフレーム下方の後方側の左右に従動輪を備えると共に、フレーム下方の前方側を無人搬送車に支持させ且つ連結手段を介して無人搬送車を旋回可能に連結することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記無人搬送車と搬送台車とを連結する連結手段は、無人搬送車の上面に出没する牽引ピンを搬送台車に設けた連結穴に係合させることで搬送台車と連結することを特徴とする請求項6に記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記Uターン誘導路は、8字状に形成されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一つに記載のワーク搬送装置。
【請求項1】
ワーク積載装置から供給されたワークを積載した搬送台車を無人搬送車により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置に搬送し、搬送台車を組立ラインのワーク受入れ装置に連結し、搬送台車に積載したワークをワーク受入れ装置に供給し、ワークの供給完了後の搬送台車を無人搬送車により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送方法において、
前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、搬送台車と無人搬送車との連結を解除し、
前記無人搬送車の向きを反転させた後、搬送台車に連結し、
前記無人搬送車のワーク積載装置へ向かう曲線状の誘導路に沿っての前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引することを特徴とするワーク搬送方法。
【請求項2】
前記無人搬送車は、搬送台車との連結手段の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路に沿って走行することにより反転されることを特徴とする請求項1に記載のワーク搬送方法。
【請求項3】
前記Uターン誘導路は、8字状に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のワーク搬送方法。
【請求項4】
ワーク積載装置から供給されたワークを積載した搬送台車を無人搬送車により牽引して組立ラインのワーク受入れ装置に搬送し、搬送台車を組立ラインのワーク受入れ装置に連結し、搬送台車に積載したワークをワーク受入れ装置に供給し、ワークの供給完了後の搬送台車を無人搬送車により牽引してワーク積載装置へ搬送するワーク搬送装置において、
前記無人搬送車を搬送台車に対して旋回可能であり且つ搬送台車に対して切離し可能な連結手段を介して連結し、
前記搬送台車とワーク受入れ装置との連結後に、無人搬送車と搬送台車との連結手段を切離し、無人搬送車の向きを反転させて搬送台車に連結手段により連結し、
無人搬送車のワーク積載装置への曲線状の前進走行により、ワークの供給完了後の搬送台車を旋回させつつ進行方向に牽引することを特徴とするワーク搬送装置。
【請求項5】
前記無人搬送車は、搬送台車との連結手段の切離し後に、床面に設けたUターン誘導路に沿って走行することにより反転して、搬送台車に連結手段を介して連結することを特徴とする請求項4に記載のワーク搬送装置。
【請求項6】
前記搬送台車は、そのフレーム下方の後方側の左右に従動輪を備えると共に、フレーム下方の前方側を無人搬送車に支持させ且つ連結手段を介して無人搬送車を旋回可能に連結することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のワーク搬送装置。
【請求項7】
前記無人搬送車と搬送台車とを連結する連結手段は、無人搬送車の上面に出没する牽引ピンを搬送台車に設けた連結穴に係合させることで搬送台車と連結することを特徴とする請求項6に記載のワーク搬送装置。
【請求項8】
前記Uターン誘導路は、8字状に形成されていることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか一つに記載のワーク搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−227160(P2009−227160A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76387(P2008−76387)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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