ワーク硬度センサー
【課題】センサーに加わる衝撃を吸収することができるワーク硬度センサーを提供することを課題とする。
【解決手段】ワーク硬度センサー18は、ベース部材78と、このベース部材78に設けられている複数のガイド筒79、79と、これらのガイド筒79、79に摺動自在に設けられはすば歯車14に向かって延びている複数のシャフト81、81と、これらのシャフト81、81に接続されているフォルダー82と、このフォルダー82とベース部材78の間に設けられフォルダー82に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構としてのコイルばね83とを備えている。
【効果】センサーがワークに接触してもセンサーに加わる衝撃を衝撃吸収機構が吸収するので、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止することができる。
【解決手段】ワーク硬度センサー18は、ベース部材78と、このベース部材78に設けられている複数のガイド筒79、79と、これらのガイド筒79、79に摺動自在に設けられはすば歯車14に向かって延びている複数のシャフト81、81と、これらのシャフト81、81に接続されているフォルダー82と、このフォルダー82とベース部材78の間に設けられフォルダー82に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構としてのコイルばね83とを備えている。
【効果】センサーがワークに接触してもセンサーに加わる衝撃を衝撃吸収機構が吸収するので、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの表面近傍の硬度を計測するワーク硬度センサーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面処理が施されたワークの表面近傍の硬度を非破壊で計測する技術が知られている(例えば、特許文献1(図2、図3)参照。)。
【0003】
特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
図17(a)に示すように、表面処理が施された円柱ワーク101に、励磁コイル102と検出コイル103を隣接して配置する。次に、励磁コイル102に交流電源104から交流電圧(励磁電圧)を印加する。すると、円柱ワーク101の表層に渦電流が発生する。この渦電流により検出コイル103に交流電流が発生する。この発生した交流電流の電圧(検出電圧)を測定装置105で計測する。励磁電圧と検出電圧との相関を(c)で説明する。
【0004】
(c)は横軸が時間軸で縦軸が電圧であるグラフであり、正弦波V1が励磁電圧曲線であるときに、検出電圧は正弦波V2で表される。正弦波V1と正弦波V2の位相差をΦと定義する。
(b)で、cosΦで表されるX値は浸炭深さと良好な相関関係があり、sinΦで表されるY値は表面硬さに良好な相関関係がある。
【0005】
浸炭深さや表面硬さが変化すると、Φの大きさやV2の高さが変化する。そこで、cosΦやsinΦを計測で求めることにより、そのときの浸炭深さや表面硬さを特定することができる。
【0006】
ところで、機械要素の一つである歯車は、高い強度が求められる。強度を高める手法として、浸炭処理法が広く採用されている。そして、歯車では表面近傍の硬度が重要であり、特に歯底の硬度を全数計測することが望ましい。
しかしながら、特許文献1では、円柱ワーク101の外周面を計測する原理が開示されているものの、歯車の歯底のようなワークの特定箇所を計測する具体的な構成となっていない。また、センサーはワークの表面に接近させる必要があり、センサーがワークに接触した場合には、センサーに衝撃が加わり、破損や取得データの乱れが発生する虞がある。すなわち、センサーに加わる衝撃を吸収することができるワーク硬度センサーが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−108873公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、センサーに加わる衝撃を吸収することができるワーク硬度センサーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ベース部材に設けられている複数のガイド筒と、これらのガイド筒に摺動自在に設けられワークに向かって延びている複数のシャフトと、これらのシャフトに接続され前記ワークに対向する略コの字形状の鉄心と、この鉄心と前記ベース部材の間に設けられ前記鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、前記鉄心に設けられ前記ワークに向かって延びており先端が楔型断面形状を呈する検出コイル支持体と、この検出コイル支持体の先端に設けられ前記ワークに発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイルと、前記鉄心に設けられ前記ワークを励磁する励磁コイルと、からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーとベース部材との間に衝撃吸収機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、弾性樹脂は、ウレタン又はゴムであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、衝撃吸収機構は、シャフト及びガイド筒を囲うように設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明では、衝撃吸収機構は、ガイド筒に収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、ワーク硬度センサーは、鉄心とベース部材の間に設けられ鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えている。センサーがワークに接触してもセンサーに加わる衝撃を衝撃吸収機構が吸収するので、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止することができる。この結果、センサーの修理に掛かる工数を軽減させることができる。加えて、取得データの信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーとベース部材との間に衝撃吸収機構が設けられている。鉄心をフォルダーに傾けて配置する等、鉄心の配置に自由度をもたせるので、傘歯車のように歯底が傾いていても対応することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなる。衝撃吸収機構を簡易な構造で作製するので、装置のコストを低減することができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、弾性樹脂は、ウレタン又はゴムである。衝撃吸収機構を安価な材料で作製するので、装置のコストをいっそう低減することができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、衝撃吸収機構は、シャフト及びガイド筒を囲うように設けられている。衝撃吸収機構の配置場所をシャフト及びガイド筒と共通にするので、スペースをとらず、衝撃吸収機構のコンパクト化を図ることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、衝撃吸収機構は、ガイド筒に収納されている。外部からは衝撃吸収機構が見えず、外観がシンプルになるので、外観性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るワーク硬度計測装置の構成図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】ショックアブソーバを説明する図である。
【図5】ワーク支持機構を説明する図である。
【図6】センサー回転機構を説明する図である。
【図7】センサー部の拡大図である。
【図8】図7の8線断面図である。
【図9】図7の9線断面図である。
【図10】ワーク硬度計測装置の作用説明図である。
【図11】ワーク硬度センサーの作用説明図である。
【図12】本発明に係る実施例2のワーク硬度センサーの構成図である。
【図13】本発明に係る実施例3のワーク硬度センサーの構成図である。
【図14】本発明に係る実施例4のワーク硬度センサーの構成図である。
【図15】本発明に係る実施例5のワーク硬度センサーの構成図である。
【図16】本発明に係る実施例6のワーク硬度センサーの構成図である。
【図17】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0023】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、ワーク硬度計測装置10は、床11と、この床11に絶縁ゴム12を介して支持されているベースプレート13と、このベースプレート13に設けられワーク14の軸廻りに回転する回転軸15を備えている回転機構16と、回転軸15に設けられワーク14を支持するワーク支持機構17と、このワーク支持機構17で支持されたワーク14に臨むように設けられワーク14の表面近傍の硬度を検出するワーク硬度センサー18と、このワーク硬度センサー18で検出された情報を取得して硬度に換算する硬度換算部21と、この換算された情報を表示記録する表示記録部22と、ベースプレート13にL字支持部材23を介して設けられワーク硬度センサー18をワーク14に進退するセンサー進退機構24とからなる。
【0024】
図2に示されるように、ワーク14をワーク14の軸に沿って移動させる第1スライド機構25と、ワーク14をワーク硬度センサー18に向かって移動させる第2スライド機構26とからなる2つのスライド機構を介して回転機構16がベースプレート13に設けられている。
【0025】
第1スライド機構25は、ベースプレート13に設けられている縦板27と、この縦板27に設けられている2本の縦レール28、28と、この縦レール28、28にスライド自在に設けられている縦スライダー29、29と、縦スライダ29、29ーに設けられている縦移動プレート31とからなる。
【0026】
第2スライド機構26は、縦移動プレート31に設けられている横板32と、この横板32に設けられている2本の横レール33、33と、この横レール33、33にスライド自在に設けられている横スライダー34、34と、これらの横スライダー34、34に設けられている横移動プレート35とからなる。
【0027】
図1に戻って、第2スライド機構26は、床11に上下方向の衝撃を吸収するショックアブソーバ36を介して設けられている。
また、ワーク硬度センサー18とセンサー進退機構24との間に、ワーク14の軸に直交する軸廻りに回転するセンサー回転機構41が介在している。センサー進退機構24の進退スライダー42に固定部材43が設けられ、この固定部材43にセンサー回転機構41が設けられている。
【0028】
また、符号44は、交流電源を示す。交流電源44で励磁コイル(詳細後述)を印加する。また、符号45は、回転機構16、ワーク支持機構17及びセンサー進退機構24を制御する制御部である。
【0029】
図2に戻って、第1スライド機構25の縦板27が固定されているベースプレート13に、上下方向に高さ表示用の目盛り46が設けられている。横板32に目盛り46を指し示す指示部材47が設けられている。
【0030】
第2スライダー26には、横移動プレート35の移動をロックする横ロックレバー48が設けられている。横移動プレート35にボルト49を介して、回転機構16が設けられている。
【0031】
図3に示されるように、第1スライド機構25には、縦板27に設けられている支持板51、51と、この支持板51、51の上端に設けられているハンドル支持部材52と、ハンドル支持部材に回転自在に支持されているハンドル53と、このハンドル53に接続されている長ねじ54と、縦移動プレート31に設けられ長ねじ54に噛み合っているナット部55と、ハンドル53をロックするハンドルロックレバー56とが備えられている。
ハンドルロックレバー56を開くことで、ハンドル53を回し、縦移動プレート31を上下に移動させることができる。ハンドルロックレバー56を閉めることで、バンドル53をロックし、縦移動プレート31を固定することができる。
【0032】
図4に示されるように、ショックアブソーバ36は、横板32にボルト57、57を介して固定されている固定板58と、この固定板58の上部に設けられている揺動部材61と、この揺動部材61に接続されているロッド62と、ロッド62に接続されているピストン63と、このピストン63に設けられている穴64と、床11にボルト65を介して固定されピストン63を摺動自在に収納するシリンダ66と、このシリンダ66内のオイル67とからなる。
【0033】
なお、ショックアブソーバ36は、上述した構成に限定されず、圧縮ばねで支える構成等、第2スライド機構(図1、符号26)等を支えてワーク(図1、符号14)の上下移動を無理なく実施させるものであれば、他の構成であっても差し支えない。
【0034】
図5(a)に示されるように、ワークとしての歯車14は、貫通穴68を有している。ワーク支持機構17は、ハウジング71と、ハウジング71の内部に設けられているレール72、72と、これらのレール72、72にスライド自在に設けられ貫通穴68の周面を押すことで歯車14を支持する複数のクランプ爪73、73と、ハウジング71に設けられクランプ爪73、73をハウジング71の内側に付勢する圧縮ばね74、74と、クランプ爪73、73の内側に接し上昇することでクランプ爪73、73を押し開くコーン75と、このコーン75を昇降させる昇降シリンダ76とからなる。
【0035】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、クランプ爪73は3個備えられている。3個のクランプ爪73により、歯車14を確実に支持することができる。
なお、クランプ爪73は、3個に限定せず、4個等、ワーク14に合わせて適切な数のクランプ爪73を設けても差し支えない。また、ワーク支持機構17は、上述の構成に限定されず、貫通穴68の周面を押すことでワーク14を支持できれば、他の一般的なクランプ機構でも差し支えない。
【0036】
図6に示されるように、ワーク14は、はすば歯車である。
センサー回転機構41は、回転角度を知ることができる角度目盛り77が設けられており、はすば歯車14の歯すじの傾きに合わせて、矢印(1)のように回転させ、角度の設定を容易に行うことができる。
【0037】
ワーク硬度センサー18は、ベース部材78と、このベース部材78に設けられている複数のガイド筒79、79と、これらのガイド筒79、79に摺動自在に設けられはすば歯車14に向かって延びている複数のシャフト81、81と、これらのシャフト81、81に接続されているフォルダー82と、このフォルダー82とベース部材78の間に設けられフォルダー82に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構としてのコイルばね83とを備えている。
なお、衝撃吸収機構83は、コイルばねに限定されず、弾性樹脂、板ばね及び皿ばね等、衝撃力を吸収するものであれば、他の弾性部材であっても差し支えない。
【0038】
図7に示されるように、ワーク硬度センサー18は、フォルダー82にボルト84、84を介して支持されている略コの字状の鉄心85と、この鉄心85に設けられワークとしての歯車14に向かって延びてスライド可能にビス86で固定されている検出コイル支持体87と、この検出コイル支持体87の先端に設けられ歯車14に発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイル88と、鉄心85に設けられ歯車14を励磁する励磁コイル89、89と、鉄心85の先端に設けられ歯車14の歯面に接触する鋼球91、92とからなる。
【0039】
図8に示されるように、検出コイル88は絶縁性に富む楔形断面形状のナイロン等の樹脂体93を介して検出コイル支持体87に支持されている。樹脂体93が楔形断面形状であるため、検出コイル88を歯車14の歯底94に接近させることができる。
【0040】
図9に示されるように、鋼球91の球径は、隣り合う歯先95と歯先95との間は通過するが、歯底94に到達する前に歯面に接する外径に設定されているすなわち、接触点96、96に接触しているため、鋼球91の図左右方向及び上下方向の位置が規定される。併せて、鋼球91の中心は歯底94の中心に合致する。この結果、歯底94からの検出コイル(図8、符号88)の距離や、励磁コイル89、89の距離を一定化することができる。この結果、測定の信頼性を高めることができる。
【0041】
以上の述べたワーク硬度計測装置の作用を次に述べる。
図10において、(a)に示すように、静止状態にあるワークとしての歯車14へ、検出コイル88を矢印(2)のように前進させる。(b)に示すように、検出コイル88に任意の歯底94を臨ませ、歯底94の硬度を測定する。終わったら、矢印(3)のように検出コイル88を後退させる。
【0042】
次に、(c)に示すように、歯車14を1ピッチ(歯一枚分)だけ回す(矢印(4))。すると、(d)に示すように、隣の歯底94が検出コイル88に臨む。以降、(a)に戻って作業を継続する。
【0043】
以上に述べたワーク硬度センサーの作用を次に述べる。
図11において、(a)に示すように、静止状態にある歯車14へ、ワーク硬度センサー18を矢印(5)のように前進させる。(b)に示すように、歯車14に鋼球91が接触する。更に、ベース部材78が矢印(6)のように前進する。
【0044】
(c)に示すように、ガイド筒79にシャフト81が入り、衝撃吸収機構としてのコイルばね83が縮む。この結果、ワーク硬度センサー18に加わった衝撃を衝撃吸収機構としてのコイルばね83が吸収し、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止する。
【実施例2】
【0045】
次に、本発明に係る実施例2のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図12において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
ワーク硬度センサー18において、衝撃吸収機構83は、鉄心85とベース部材78の間に設けられている。
【0046】
実施例2の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
フォルダー(図6、符号82)を設けずに、鉄心85をシャフト81、81に直接接続しているので、ワーク硬度センサー18の構造を簡易にすることができる。
【実施例3】
【0047】
次に、本発明に係る実施例3のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図13において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
ワーク14は、傘歯車である。傘歯車14の噛み合いピッチ円錐角(以下、傘の傾きという)に合わせて、鉄心85を傾け、ボルト84、84を介してフォルダー82に固定する。
【0048】
実施例3の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
傘歯車14の傘の傾きに対応させて、フォルダー82にボルト穴を設けるだけであるので、構造を簡易にすることができる。
【実施例4】
【0049】
次に、本発明に係る実施例4のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図14において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃吸収機構としての弾性樹脂83は、ウレタン又はゴムである。
【0050】
実施例4の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
ウレタン又はゴムは、安価であるので、ワーク硬度センサー18のコストを低減することができる。
【実施例5】
【0051】
次に、本発明に係る実施例5のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図15において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃力吸収機構としてのコイルばね83、83は、シャフト81、81及びガイド筒79、79を囲うように設けられている。
【0052】
実施例5の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
衝撃吸収機構としてのコイルばね83、83の配置場所をシャフト81、81及びガイド筒79、79と共通にするので、省スペース化を図ることができる。
【実施例6】
【0053】
次に、本発明に係る実施例6のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図16において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃力吸収機構としてのコイルばね83、83は、ガイド筒79、79に収納されている。
【0054】
実施例6の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
外部からはコイルばね83が見えず、外観がシンプルになるので、外観性を向上させることができる。加えて、コイルばね83がガイド筒79内にあるので、外部からの影響を受けない。
【0055】
尚、本発明のワーク硬度センサーは、実施の形態では歯車に適用したが、ピストンにも適用可能であり、表面処理が施された部材であれば、一般の機械部品に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のワーク硬度センサーは、歯車に好適である。
【符号の説明】
【0057】
10…ワーク硬度計測装置、14…ワーク(歯車、はすば歯車、傘歯車)、18…ワーク硬度センサー、78…ベース部材、79…ガイド筒、81…シャフト、82…フォルダー、83…衝撃吸収機構(コイルばね、弾性樹脂、板ばね、皿ばね、ウレタン、ゴム)、85…鉄心、87…検出コイル支持体、88…検出コイル、89…励磁コイル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークの表面近傍の硬度を計測するワーク硬度センサーの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面処理が施されたワークの表面近傍の硬度を非破壊で計測する技術が知られている(例えば、特許文献1(図2、図3)参照。)。
【0003】
特許文献1の技術を図面に基づいて以下に説明する。
図17(a)に示すように、表面処理が施された円柱ワーク101に、励磁コイル102と検出コイル103を隣接して配置する。次に、励磁コイル102に交流電源104から交流電圧(励磁電圧)を印加する。すると、円柱ワーク101の表層に渦電流が発生する。この渦電流により検出コイル103に交流電流が発生する。この発生した交流電流の電圧(検出電圧)を測定装置105で計測する。励磁電圧と検出電圧との相関を(c)で説明する。
【0004】
(c)は横軸が時間軸で縦軸が電圧であるグラフであり、正弦波V1が励磁電圧曲線であるときに、検出電圧は正弦波V2で表される。正弦波V1と正弦波V2の位相差をΦと定義する。
(b)で、cosΦで表されるX値は浸炭深さと良好な相関関係があり、sinΦで表されるY値は表面硬さに良好な相関関係がある。
【0005】
浸炭深さや表面硬さが変化すると、Φの大きさやV2の高さが変化する。そこで、cosΦやsinΦを計測で求めることにより、そのときの浸炭深さや表面硬さを特定することができる。
【0006】
ところで、機械要素の一つである歯車は、高い強度が求められる。強度を高める手法として、浸炭処理法が広く採用されている。そして、歯車では表面近傍の硬度が重要であり、特に歯底の硬度を全数計測することが望ましい。
しかしながら、特許文献1では、円柱ワーク101の外周面を計測する原理が開示されているものの、歯車の歯底のようなワークの特定箇所を計測する具体的な構成となっていない。また、センサーはワークの表面に接近させる必要があり、センサーがワークに接触した場合には、センサーに衝撃が加わり、破損や取得データの乱れが発生する虞がある。すなわち、センサーに加わる衝撃を吸収することができるワーク硬度センサーが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−108873公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、センサーに加わる衝撃を吸収することができるワーク硬度センサーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ベース部材に設けられている複数のガイド筒と、これらのガイド筒に摺動自在に設けられワークに向かって延びている複数のシャフトと、これらのシャフトに接続され前記ワークに対向する略コの字形状の鉄心と、この鉄心と前記ベース部材の間に設けられ前記鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、前記鉄心に設けられ前記ワークに向かって延びており先端が楔型断面形状を呈する検出コイル支持体と、この検出コイル支持体の先端に設けられ前記ワークに発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイルと、前記鉄心に設けられ前記ワークを励磁する励磁コイルと、からなることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーとベース部材との間に衝撃吸収機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、弾性樹脂は、ウレタン又はゴムであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、衝撃吸収機構は、シャフト及びガイド筒を囲うように設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明では、衝撃吸収機構は、ガイド筒に収納されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明では、ワーク硬度センサーは、鉄心とベース部材の間に設けられ鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えている。センサーがワークに接触してもセンサーに加わる衝撃を衝撃吸収機構が吸収するので、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止することができる。この結果、センサーの修理に掛かる工数を軽減させることができる。加えて、取得データの信頼性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項2に係る発明では、鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーとベース部材との間に衝撃吸収機構が設けられている。鉄心をフォルダーに傾けて配置する等、鉄心の配置に自由度をもたせるので、傘歯車のように歯底が傾いていても対応することができる。
【0017】
請求項3に係る発明では、衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなる。衝撃吸収機構を簡易な構造で作製するので、装置のコストを低減することができる。
【0018】
請求項4に係る発明では、弾性樹脂は、ウレタン又はゴムである。衝撃吸収機構を安価な材料で作製するので、装置のコストをいっそう低減することができる。
【0019】
請求項5に係る発明では、衝撃吸収機構は、シャフト及びガイド筒を囲うように設けられている。衝撃吸収機構の配置場所をシャフト及びガイド筒と共通にするので、スペースをとらず、衝撃吸収機構のコンパクト化を図ることができる。
【0020】
請求項6に係る発明では、衝撃吸収機構は、ガイド筒に収納されている。外部からは衝撃吸収機構が見えず、外観がシンプルになるので、外観性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係るワーク硬度計測装置の構成図である。
【図2】図1の2矢視図である。
【図3】図2の3−3線断面図である。
【図4】ショックアブソーバを説明する図である。
【図5】ワーク支持機構を説明する図である。
【図6】センサー回転機構を説明する図である。
【図7】センサー部の拡大図である。
【図8】図7の8線断面図である。
【図9】図7の9線断面図である。
【図10】ワーク硬度計測装置の作用説明図である。
【図11】ワーク硬度センサーの作用説明図である。
【図12】本発明に係る実施例2のワーク硬度センサーの構成図である。
【図13】本発明に係る実施例3のワーク硬度センサーの構成図である。
【図14】本発明に係る実施例4のワーク硬度センサーの構成図である。
【図15】本発明に係る実施例5のワーク硬度センサーの構成図である。
【図16】本発明に係る実施例6のワーク硬度センサーの構成図である。
【図17】従来の技術の基本原理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0023】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、ワーク硬度計測装置10は、床11と、この床11に絶縁ゴム12を介して支持されているベースプレート13と、このベースプレート13に設けられワーク14の軸廻りに回転する回転軸15を備えている回転機構16と、回転軸15に設けられワーク14を支持するワーク支持機構17と、このワーク支持機構17で支持されたワーク14に臨むように設けられワーク14の表面近傍の硬度を検出するワーク硬度センサー18と、このワーク硬度センサー18で検出された情報を取得して硬度に換算する硬度換算部21と、この換算された情報を表示記録する表示記録部22と、ベースプレート13にL字支持部材23を介して設けられワーク硬度センサー18をワーク14に進退するセンサー進退機構24とからなる。
【0024】
図2に示されるように、ワーク14をワーク14の軸に沿って移動させる第1スライド機構25と、ワーク14をワーク硬度センサー18に向かって移動させる第2スライド機構26とからなる2つのスライド機構を介して回転機構16がベースプレート13に設けられている。
【0025】
第1スライド機構25は、ベースプレート13に設けられている縦板27と、この縦板27に設けられている2本の縦レール28、28と、この縦レール28、28にスライド自在に設けられている縦スライダー29、29と、縦スライダ29、29ーに設けられている縦移動プレート31とからなる。
【0026】
第2スライド機構26は、縦移動プレート31に設けられている横板32と、この横板32に設けられている2本の横レール33、33と、この横レール33、33にスライド自在に設けられている横スライダー34、34と、これらの横スライダー34、34に設けられている横移動プレート35とからなる。
【0027】
図1に戻って、第2スライド機構26は、床11に上下方向の衝撃を吸収するショックアブソーバ36を介して設けられている。
また、ワーク硬度センサー18とセンサー進退機構24との間に、ワーク14の軸に直交する軸廻りに回転するセンサー回転機構41が介在している。センサー進退機構24の進退スライダー42に固定部材43が設けられ、この固定部材43にセンサー回転機構41が設けられている。
【0028】
また、符号44は、交流電源を示す。交流電源44で励磁コイル(詳細後述)を印加する。また、符号45は、回転機構16、ワーク支持機構17及びセンサー進退機構24を制御する制御部である。
【0029】
図2に戻って、第1スライド機構25の縦板27が固定されているベースプレート13に、上下方向に高さ表示用の目盛り46が設けられている。横板32に目盛り46を指し示す指示部材47が設けられている。
【0030】
第2スライダー26には、横移動プレート35の移動をロックする横ロックレバー48が設けられている。横移動プレート35にボルト49を介して、回転機構16が設けられている。
【0031】
図3に示されるように、第1スライド機構25には、縦板27に設けられている支持板51、51と、この支持板51、51の上端に設けられているハンドル支持部材52と、ハンドル支持部材に回転自在に支持されているハンドル53と、このハンドル53に接続されている長ねじ54と、縦移動プレート31に設けられ長ねじ54に噛み合っているナット部55と、ハンドル53をロックするハンドルロックレバー56とが備えられている。
ハンドルロックレバー56を開くことで、ハンドル53を回し、縦移動プレート31を上下に移動させることができる。ハンドルロックレバー56を閉めることで、バンドル53をロックし、縦移動プレート31を固定することができる。
【0032】
図4に示されるように、ショックアブソーバ36は、横板32にボルト57、57を介して固定されている固定板58と、この固定板58の上部に設けられている揺動部材61と、この揺動部材61に接続されているロッド62と、ロッド62に接続されているピストン63と、このピストン63に設けられている穴64と、床11にボルト65を介して固定されピストン63を摺動自在に収納するシリンダ66と、このシリンダ66内のオイル67とからなる。
【0033】
なお、ショックアブソーバ36は、上述した構成に限定されず、圧縮ばねで支える構成等、第2スライド機構(図1、符号26)等を支えてワーク(図1、符号14)の上下移動を無理なく実施させるものであれば、他の構成であっても差し支えない。
【0034】
図5(a)に示されるように、ワークとしての歯車14は、貫通穴68を有している。ワーク支持機構17は、ハウジング71と、ハウジング71の内部に設けられているレール72、72と、これらのレール72、72にスライド自在に設けられ貫通穴68の周面を押すことで歯車14を支持する複数のクランプ爪73、73と、ハウジング71に設けられクランプ爪73、73をハウジング71の内側に付勢する圧縮ばね74、74と、クランプ爪73、73の内側に接し上昇することでクランプ爪73、73を押し開くコーン75と、このコーン75を昇降させる昇降シリンダ76とからなる。
【0035】
(b)は(a)のb−b線断面図であり、クランプ爪73は3個備えられている。3個のクランプ爪73により、歯車14を確実に支持することができる。
なお、クランプ爪73は、3個に限定せず、4個等、ワーク14に合わせて適切な数のクランプ爪73を設けても差し支えない。また、ワーク支持機構17は、上述の構成に限定されず、貫通穴68の周面を押すことでワーク14を支持できれば、他の一般的なクランプ機構でも差し支えない。
【0036】
図6に示されるように、ワーク14は、はすば歯車である。
センサー回転機構41は、回転角度を知ることができる角度目盛り77が設けられており、はすば歯車14の歯すじの傾きに合わせて、矢印(1)のように回転させ、角度の設定を容易に行うことができる。
【0037】
ワーク硬度センサー18は、ベース部材78と、このベース部材78に設けられている複数のガイド筒79、79と、これらのガイド筒79、79に摺動自在に設けられはすば歯車14に向かって延びている複数のシャフト81、81と、これらのシャフト81、81に接続されているフォルダー82と、このフォルダー82とベース部材78の間に設けられフォルダー82に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構としてのコイルばね83とを備えている。
なお、衝撃吸収機構83は、コイルばねに限定されず、弾性樹脂、板ばね及び皿ばね等、衝撃力を吸収するものであれば、他の弾性部材であっても差し支えない。
【0038】
図7に示されるように、ワーク硬度センサー18は、フォルダー82にボルト84、84を介して支持されている略コの字状の鉄心85と、この鉄心85に設けられワークとしての歯車14に向かって延びてスライド可能にビス86で固定されている検出コイル支持体87と、この検出コイル支持体87の先端に設けられ歯車14に発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイル88と、鉄心85に設けられ歯車14を励磁する励磁コイル89、89と、鉄心85の先端に設けられ歯車14の歯面に接触する鋼球91、92とからなる。
【0039】
図8に示されるように、検出コイル88は絶縁性に富む楔形断面形状のナイロン等の樹脂体93を介して検出コイル支持体87に支持されている。樹脂体93が楔形断面形状であるため、検出コイル88を歯車14の歯底94に接近させることができる。
【0040】
図9に示されるように、鋼球91の球径は、隣り合う歯先95と歯先95との間は通過するが、歯底94に到達する前に歯面に接する外径に設定されているすなわち、接触点96、96に接触しているため、鋼球91の図左右方向及び上下方向の位置が規定される。併せて、鋼球91の中心は歯底94の中心に合致する。この結果、歯底94からの検出コイル(図8、符号88)の距離や、励磁コイル89、89の距離を一定化することができる。この結果、測定の信頼性を高めることができる。
【0041】
以上の述べたワーク硬度計測装置の作用を次に述べる。
図10において、(a)に示すように、静止状態にあるワークとしての歯車14へ、検出コイル88を矢印(2)のように前進させる。(b)に示すように、検出コイル88に任意の歯底94を臨ませ、歯底94の硬度を測定する。終わったら、矢印(3)のように検出コイル88を後退させる。
【0042】
次に、(c)に示すように、歯車14を1ピッチ(歯一枚分)だけ回す(矢印(4))。すると、(d)に示すように、隣の歯底94が検出コイル88に臨む。以降、(a)に戻って作業を継続する。
【0043】
以上に述べたワーク硬度センサーの作用を次に述べる。
図11において、(a)に示すように、静止状態にある歯車14へ、ワーク硬度センサー18を矢印(5)のように前進させる。(b)に示すように、歯車14に鋼球91が接触する。更に、ベース部材78が矢印(6)のように前進する。
【0044】
(c)に示すように、ガイド筒79にシャフト81が入り、衝撃吸収機構としてのコイルばね83が縮む。この結果、ワーク硬度センサー18に加わった衝撃を衝撃吸収機構としてのコイルばね83が吸収し、センサーの破損、衝撃による取得データの乱れを防止する。
【実施例2】
【0045】
次に、本発明に係る実施例2のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図12において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
ワーク硬度センサー18において、衝撃吸収機構83は、鉄心85とベース部材78の間に設けられている。
【0046】
実施例2の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
フォルダー(図6、符号82)を設けずに、鉄心85をシャフト81、81に直接接続しているので、ワーク硬度センサー18の構造を簡易にすることができる。
【実施例3】
【0047】
次に、本発明に係る実施例3のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図13において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
ワーク14は、傘歯車である。傘歯車14の噛み合いピッチ円錐角(以下、傘の傾きという)に合わせて、鉄心85を傾け、ボルト84、84を介してフォルダー82に固定する。
【0048】
実施例3の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
傘歯車14の傘の傾きに対応させて、フォルダー82にボルト穴を設けるだけであるので、構造を簡易にすることができる。
【実施例4】
【0049】
次に、本発明に係る実施例4のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図14において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃吸収機構としての弾性樹脂83は、ウレタン又はゴムである。
【0050】
実施例4の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
ウレタン又はゴムは、安価であるので、ワーク硬度センサー18のコストを低減することができる。
【実施例5】
【0051】
次に、本発明に係る実施例5のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図15において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃力吸収機構としてのコイルばね83、83は、シャフト81、81及びガイド筒79、79を囲うように設けられている。
【0052】
実施例5の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
衝撃吸収機構としてのコイルばね83、83の配置場所をシャフト81、81及びガイド筒79、79と共通にするので、省スペース化を図ることができる。
【実施例6】
【0053】
次に、本発明に係る実施例6のワーク硬度センサーを図面に基づいて説明する。
図16において、図6と同様の部材で構成されている部分は、符号を流用して詳細な説明は省略する。
衝撃力吸収機構としてのコイルばね83、83は、ガイド筒79、79に収納されている。
【0054】
実施例6の作用は、図11に示した実施例の作用と同様である。
外部からはコイルばね83が見えず、外観がシンプルになるので、外観性を向上させることができる。加えて、コイルばね83がガイド筒79内にあるので、外部からの影響を受けない。
【0055】
尚、本発明のワーク硬度センサーは、実施の形態では歯車に適用したが、ピストンにも適用可能であり、表面処理が施された部材であれば、一般の機械部品に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明のワーク硬度センサーは、歯車に好適である。
【符号の説明】
【0057】
10…ワーク硬度計測装置、14…ワーク(歯車、はすば歯車、傘歯車)、18…ワーク硬度センサー、78…ベース部材、79…ガイド筒、81…シャフト、82…フォルダー、83…衝撃吸収機構(コイルばね、弾性樹脂、板ばね、皿ばね、ウレタン、ゴム)、85…鉄心、87…検出コイル支持体、88…検出コイル、89…励磁コイル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材に設けられている複数のガイド筒と、
これらのガイド筒に摺動自在に設けられワークに向かって延びている複数のシャフトと、
これらのシャフトに接続され前記ワークに対向する略コの字形状の鉄心と、
この鉄心と前記ベース部材の間に設けられ前記鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、
前記鉄心に設けられ前記ワークに向かって延びており先端が楔型断面形状を呈する検出コイル支持体と、
この検出コイル支持体の先端に設けられ前記ワークに発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイルと、
前記鉄心に設けられ前記ワークを励磁する励磁コイルと、からなることを特徴とするワーク硬度センサー。
【請求項2】
前記鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーと前記ベース部材との間に前記衝撃吸収機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載のワーク硬度センサー。
【請求項3】
前記衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワーク硬度センサー。
【請求項4】
前記弾性樹脂は、ウレタン又はゴムであることを特徴とする請求項3記載のワーク硬度センサー。
【請求項5】
前記衝撃吸収機構は、前記シャフト及び前記ガイド筒を囲うように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のワーク硬度センサー。
【請求項6】
前記衝撃吸収機構は、前記ガイド筒に収納されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のワーク硬度センサー。
【請求項1】
ベース部材に設けられている複数のガイド筒と、
これらのガイド筒に摺動自在に設けられワークに向かって延びている複数のシャフトと、
これらのシャフトに接続され前記ワークに対向する略コの字形状の鉄心と、
この鉄心と前記ベース部材の間に設けられ前記鉄心に加わった衝撃を吸収する衝撃吸収機構と、
前記鉄心に設けられ前記ワークに向かって延びており先端が楔型断面形状を呈する検出コイル支持体と、
この検出コイル支持体の先端に設けられ前記ワークに発生する渦電流による磁界の変化を検出する検出コイルと、
前記鉄心に設けられ前記ワークを励磁する励磁コイルと、からなることを特徴とするワーク硬度センサー。
【請求項2】
前記鉄心はフォルダーに支持され、このフォルダーと前記ベース部材との間に前記衝撃吸収機構が設けられていることを特徴とする請求項1記載のワーク硬度センサー。
【請求項3】
前記衝撃吸収機構は、コイルばね、弾性樹脂、板ばね又は皿ばねからなることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のワーク硬度センサー。
【請求項4】
前記弾性樹脂は、ウレタン又はゴムであることを特徴とする請求項3記載のワーク硬度センサー。
【請求項5】
前記衝撃吸収機構は、前記シャフト及び前記ガイド筒を囲うように設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のワーク硬度センサー。
【請求項6】
前記衝撃吸収機構は、前記ガイド筒に収納されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のワーク硬度センサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−230349(P2010−230349A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75651(P2009−75651)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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