説明

ワーク移載装置および移載方法

【課題】 搬送台車側のワーク位置決め精度およびハンドリングロボットの受取り位置精度の低減に好適なワーク移載装置および移載方法を提供する。
【解決手段】 複数のワークWを搭載して移動するワーク搬送台車2からワーク搬送装置としてのハンドリングロボット3によりワークWを一つずつハンド13にクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するワーク移載装置1であり、前記ワークWのクランプに先立ちワークWに係合して前記ハンド13とワークWとの相対位置を補正してワークWのクランプ部位をハンド13のクランプ17へ案内するガイド手段としてのワークガイド16をハンド13に設けて、ワークガイド16により、ワーク搬送台車2上のワーク位置を移動させて両者の相対位置を補正するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーク搬送台車のパネル部品(ワーク)を次工程へ移載するワーク移載装置および移載方法に関し、特に、搬送台車のワークを位置決め状態で把持するに好適なワーク移載装置および移載方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から台車製作コストの低減およびワーク搭載時の作業性の向上を実現するワーク搬送装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
これは、複数のボディサイド部品を搭載するワーク貯蔵台車と所定位置のワーク貯蔵台車からボディサイド部品を次工程に運ぶハンドリングロボットを備える。前記ワーク貯蔵台車は、複数本のワーク保持バーにより上下・左右方向に位置決めしてボディサイド部品を奥行き方向に水平に支持させ且つワーク搬出・搬入部から水平方向からボディサイド部品の出し入れ可能とし、前記ハンドリングロボットは、ワーク保持バーに保持されるワーク搬出・搬入部寄りのボディサイド部品から一枚ずつ奥行き方向の姿勢を補正する姿勢補正機構と補正後のボディサイド部品を把持するワーク把持機構とにより、ワークの姿勢を補正しつつワークを把持するようにしている。
【特許文献1】特開平8−157069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例では、ワークが奥行き方向位置を除き、上下・左右方向に位置決めされていることを前提としているため、搬送台車側のワーク位置決め精度およびハンドリングロボットのワーク受取り位置精度を高精度にする必要がある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、搬送台車側のワーク位置決め精度およびハンドリングロボットの受取り位置精度の低減に好適なワーク移載装置および移載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数のワークを搭載して移動するワーク搬送台車からワーク搬送装置によりワークを一つずつハンドにクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するワーク移載装置であり、前記ハンドにワークのクランプに先立ちワークに係合してハンドとワークとの相対位置を補正してワークのクランプ部位をハンドのクランプへ案内するガイド手段を設けるようにした
【発明の効果】
【0007】
したがって、本発明では、複数のワークを搭載して移動するワーク搬送台車からワーク搬送装置によりワークを一つずつハンドにクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するにあたり、前記ハンドにワークのクランプに先立ちワークに係合してハンドとワークとの相対位置を補正してワークのクランプ部位をハンドのクランプへ案内するガイド手段を設けたため、搬送台車側のワーク位置決め精度およびワーク搬送装置の受取り位置精度を低減させることができ、搬送台車の製作コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明のワーク移載装置および移載方法を各実施形態に基づいて説明する。
【0009】
(第1実施形態)
図1〜図4は、本発明を適用したワーク移載装置および移載方法の第1実施形態を示し、図1は搬送台車のワーク搭載状態およびハンドリングロボットとの位置関係を示す平面図および側面図、図2は搬送台車からハンドリングロボットによるワーク移載状態を示す平面図、図3は図2の側面図、図4はハンドリングロボットによるワーク移載の手順を示すフローチャートである。この実施形態では、車体のボディサイド部品(ワーク)を車体組立てラインに搬送するワーク移載装置および移載方法に適用した場合を示す。
【0010】
図1において、ワーク移載装置1は、複数のボディサイド部品Wを搭載・貯蔵して移動するワーク搬送台車2と、所定位置に停止したワーク搬送台車2からボディサイド部品Wを一枚ずつ取出して次工程に運ぶハンドリングロボット3を備えている。
【0011】
前記ワーク搬送台車2はフレーム構造をなし、奥側の枠体10に端部を固定した複数本(この実施例では3本)のパレットガイド11を備え、このパレットガイド11に複数のボディサイド部品Wを吊り下げ保持しかつボディサイド部品Wの奥行き方向と直交する上下・左右方向(図1のZ方向およびY方向)に位置決めしており、パレットガイド11の自由端を水平方向(図1のX方向)からボディサイド部品Wの出し入れが可能なワーク搬出・搬入部としている。
【0012】
前記ハンドリングロボット3は、図2および図3に詳細に示すように、アーム12の先端に装着したハンド13を備え、ハンド13を構成するフレーム14上に、ワーク在席センサ15と、複数のワークガイド16と、複数のクランプ17と、を備える。
【0013】
前記ワーク在席センサ15は、検出部をハンド13前方に向けた状態でフレーム14に固定配置された非接触のセンサであり、ハンド13前方の予め設定した距離内にワークWが存在する場合に検出信号をコントローラ4に出力する。前記ワーク在席センサ15の検出可能な距離は、例えば、200mm〜600mmに設定している。そして、ワーク移載のために、ハンド13をワーク搬送台車2のワーク搬出・搬入部側からパレットガイド11に吊下げたワークWに高速で接近させて、ワークWをワーク在席センサ15で検出した時点で、コントローラ4によりハンド13の接近を停止させるよう機能させる。図示例のワークWであるボディサイド部品においては、ワーク在席センサ15はハンド13のフレーム14の中央部に配置されて、センターピラー構成部によりワーク在席を検知するようにしている。このセンターピラー構成部はボディサイド部品Wの略中央部に位置しており、搬送台車2への搭載状態で最も位置ずれが少ない部分である。
【0014】
前記複数のワークガイド16は、前記ハンド13のワークWに対する接近が停止され、次いで微速前進に切換えられた後に、ワークWの縁に接触してワークWをハンド13に対してY方向(ハンド13の左右方向)必要に応じてZ方向(上下方向)に位置決めするよう機能する。前記位置決めのために複数のワークガイド16は、一対以上が対向して夫々の方向用に配置され、これら一対のガイド16は、ハンド13から離れるにつれて先端同士の間隔を拡げ、ハンド13に近い側はその間隔を狭めて形成しており、ワークWがハンド13のフレーム14に接近するにつれてワークWをY方向更にはZ方向に位置調整しつつワークW側のクランプ位置がハンド13側の当該クランプ17に着座するよう案内する。
【0015】
図示例のワークWであるボディサイド部品においては、Y方向のワークガイド16Yは、センターピラー構成部をガイドするよう構成しており、Z方向のワークガイド16Zは、ドア開口部のフランジの先端をガイドするよう構成している。ワークガイド16は、本例では、フレーム14に対して移動しない固定状態で配置したものについて説明しているが、図示しないが、ワークWをハンド13から離脱させる脱荷時にワークWと干渉する場合には、ガイド状態の位置から退避させる待機状態を持たせて、待機位置とガイド位置とを切換えるものであってもよい。
【0016】
前記複数のクランプ17は、クランプ座17Aと、クランプ座17Aに接近離脱可能なクランプアーム17Bとを備え、クランプアーム17Bをクランプ座17Aから遠ざけた開放状態と、クランプ座17Aとの間でワークWを挟むクランプ状態とをシリンダ17Cにより切換え可能としている。クランプ座17AにはワークWの着座センサ17Dが配置され、ワークWがクランプ座17Aに着座した際には、着座センサ17Dよりの着座信号がコントローラ4に出力される。前記複数のクランプ17は、前記ワークガイド16により案内されて全てのクランプ17のクランプ座17AにワークWが着座したことを着座センサ17Dで確認したとき、コントローラ4により図示しないバルブを作動させて加圧エアをシリンダ17Cに供給してシリンダ17Cを作動させ、ワークWのフランジをクランプ座17Aとクランプアーム17Bとで挟むことによりワークWをクランプする。
【0017】
以上の構成のワーク移載装置の動作について、図4に基づいて説明する。
【0018】
まず、複数のボディサイド部品Wをワーク搬出・搬入部から搬入して、パレットガイド11に奥行き方向と直交する上下・左右方向の位置決めをした状態で吊り下げ保持させたワーク搬送台車2をハンドリングロボット3近傍の所定位置に移動させる。ハンドリングロボット3のハンド13は、クランプ17が夫々開放状態とされている。
【0019】
次いで、ステップS1において、ハンドリングロボット3に前進指令を与え、そのハンド13がワーク搬送台車2のワーク搬出・搬入部に水平方向から接近させる。このときのハンド13の接近速度は高速となっている。
【0020】
ステップS2により、ワークWの在席がワーク在席センサ15により検出されるまでは、ハンド13の高速での前進が継続される。このようにハンド13の高速での前進が継続されるため、パレットガイド11の奥側に位置するワークWを取出す際にも、奥側のワークWの在席検知がなされるまで、ワークWに高速接近させることができ、ワークWへのアプローチ時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができる。この場合に、ワーク在席センサ15が非接触でワークWの在席を検出するため、高速接近としてもワークWとは所定距離を離してハンド13を停止させるものであるため、ワークWに当接してワークWを変形・損傷させることもない。
【0021】
ハンド13の前進によりワーク在席センサ15によりワークWの在席が検出されると、ステップS3へ進み、ステップS3でハンド13の前進を停止させ、ステップS4へ進む。このとき、ワーク搬送台車2のワーク搬出・搬入部寄りに位置するボディサイド部品Wは、図2および図3に示す状態となっている。
【0022】
ステップS4では、ハンド13を微速前進として、ワークガイド16によりワークWをハンド13側のクランプ位置へ案内するワーク位置決め動作が行われる。ハンド13は、ワークWの形状によっては、微速前進に加えて徐々に上昇させるようにして、ワーク搬送台車2のパレットガイド11からワークWを持上げるようにしてもよい。この動作は、ステップS5のワーク着座センサ17Dによるワーク着座検知がなされるまで継続される。このステップS4での位置決め動作により、ワークWはハンドリングロボット2のハンド13に対して位置決めされるため、ワーク搬送台車2のパレットガイド11に精度よく整列させない場合においても、ワークWをハンド13に精度よくクランプ座17Aへ案内することができる。
【0023】
このように、ワークWのクランプ部をハンド13側のクランプ座17Aへ精度よく案内するため、ハンド13側の荷取り位置をワーク搬送台車2の積載ワークWに対して高精度に位置ティーチングすることも不要であり、ティーチングおよびその修正工数等の調整時間を短縮することができる。また、新たにワーク搬送台車2を追加したり、寸法精度のバラツキのある複数の搬送台車2を用いてワークWを搬送する場合においても、ワークWはハンド13の着座位置に確実に案内されるため、ワークWの着座異常等が発生しない。この場合においても、ハンド13側の荷取り位置をワーク搬送台車2の積載ワークに対して高精度に位置ティーチングすることも不要であり、ティーチングおよびその修正工数等の調整時間を短縮することができる。
【0024】
ステップS5で、ワークWの着座センサ17Dによるワーク検知が全てのクランプ17においてなされると、ステップS6へ進み、ステップS6で、シリンダ17Cが作動されてクランプアーム17BによりワークWのフランジ部をクランプ座17Aに挟みつけてワークWをクランプし、ステップS7へ進む。
【0025】
ステップS7では、ロボット3によりハンド13を矢印Bに示すように上昇させ、ワークWをワーク搬送台車2のパレットガイド11から離脱させ、次いで、矢印Cに示すように、パレットガイド11からワークWを抜出し、次工程に搬送する。
【0026】
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
【0027】
(ア)複数のワークWを搭載して移動するワーク搬送台車2からワーク搬送装置としてのハンドリングロボット3によりワークWを一つずつハンド13にクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するワーク移載装置1であり、前記ワークWのクランプに先立ちワークWに係合して前記ハンド13とワークWとの相対位置を補正してワークWのクランプ部位をハンド13のクランプ17へ案内するガイド手段としてのワークガイド16をハンド13に設けたため、例えば、ワークガイド16により、ワーク搬送台車2上のワーク位置を移動させて両者の相対位置を補正するようにすると、搬送台車2側のワーク位置決め精度およびハンドリングロボット3の受取り位置精度を低減させることができ、搬送台車2の製作コストを低減することができる。
【0028】
また、ガイド手段としてのワークガイド16によりハンド13とワークWとの相対位置が補正され、ワークWのクランプ部位をハンド13のクランプ17へ案内されるため、ワークWのクランプ時にワークWを変形・損傷させる可能性を非常に低くできる。
【0029】
また、寸法精度のバラツキのある複数の台車2やパレット等を使用してもハンド13内でのワーク着座異常が発生し難く、ハンド13のティーチング・修正工数等の調整時間を短縮することができる。しかも、台車2やパレット等を追加投入しても、再調整の必要が無く、調整時間を大幅に削減できる。
【0030】
(イ)ガイド手段としてのワークガイド16により、ワークWに対してハンド13の位置を移動させて両者の相対位置を補正するようにすると、大型のワークWや重量の大きいワークWに対しても、ハンド13とワークWとの相対位置を補正することができ、上記(ア)の効果を発揮させることができる。
【0031】
(ウ)ハンド13にワーク搬送台車2上のワークWの在席を検出するワーク在席センサ15を設けて、前記ワーク在席センサ15によりワークWの在席が検出されるまでハンド13をワークWに対して高速接近させ、ワーク在席検出後にガイド手段としてのワークガイド16をワークWへ係合させて微速接近させるようにすると、クランプ17によるワーク把持位置まで高速でアプローチ可能となり、サイクルタイムを短縮することが可能である。
【0032】
(エ)クランプ手段17のクランプ座17AにワークWのクランプ部位が着座したことを検出するワーク着座センサ17Dを設け、前記着座センサ17Dによる検出信号の出力後にクランプ手段17によりワークWをクランプするようにすると、クランプ時におけるワークWの変形・損傷の可能性を非常に低くできる。
【0033】
(第2実施形態)
図5は、本発明を適用したワーク移載装置および移載方法の第2実施形態を示す搬送台車のワーク搭載状態およびハンドリングロボットとの位置関係を示す側面図である。本実施形態においては、搬送台車により供給されるワークが縦方向に積層して搬入される場合を対象とするワーク移載装置を提供するものである。なお、第1実施形態と同一装置には同一符号を付してその説明を省略ないし簡略化する。
【0034】
図5におけるワークWは、例えば、車体のルーフを示しており、複数のルーフWが搬送台車2Aに設けた複数の爪20により水平状態に支持されている。搬送台車2Aの前記複数の爪20は、ワークWが搬出された際には、図示しないばね等により回転して、その先端を上方に向けるようにされている。また、ハンドリングロボット3のハンド13は、第1実施形態と略同様に、フレーム14上にワーク在席センサ15と、複数のワークガイド16と、複数のクランプ17とを備える。
【0035】
この場合においても、ハンドリングロボット3のハンド13は、搬送台車2の上方からワークWに接近するよう構成しており、第1実施形態の図4に示す手順と同様に、ワーク在席センサ15によりワークWの在席が検知されるまでワークWに高速接近し、ワークWの在席が検出されると接近を停止させ、ワーク位置決め動作を開始して、ワークガイド16によりワークWの位置を補正しつつ微速前進される。そして、着座センサ17DによりワークWのクランプ部がクランプ座17Aに着座されたことを着座センサ17Dにより検知されるとクランプ17を作動させてワークWを把持し、搬送台車2AよりワークWを上方に取出し、次工程に搬送することができる。ワークWが車体ルーフである場合には、クランプ17に代えてバキュームパッドを用いることもできる。
【0036】
この構成においても、ワークWの在席がワーク在席センサ15により検出されるまでは、ハンド13の高速での前進が継続されるため、搬送台車2Aの奥側(底側)に位置するワークWを取出す際にも、奥側のワークWの在席検知がなされるまで、ワークWに高速接近させることができ、ワークWへのアプローチ時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができる。この場合に、ワーク在席センサ15が非接触でワークWの在席を検出するため、高速接近としてもワークWとは所定距離を離してハンド13を停止させるものであるため、ワークWに当接してワークWを変形・損傷させることもない。
【0037】
またその後のハンド13を微速前進により、ワークガイド16でワークWをハンド13側のクランプ位置へ案内するワーク位置決め動作を行ない、ワークWはハンドリングロボット3のハンド13に対して位置決めされるため、ワーク搬送台車2Aの爪20に精度よく整列させない場合においても、ワークWを精度よくハンド13のクランプ座17Aへ案内することができる。
【0038】
このように、ワークWのクランプ部をハンド13側のクランプ座17Aへ精度よく案内するため、ハンド13側の荷取り位置をワーク搬送台車2Aの積載ワークWに対して高精度に位置ティーチングすることも不要であり、ティーチングおよびその修正工数等の調整時間を短縮することができる。また、新たにワーク搬送台車2Aを追加したり、寸法精度のバラツキのある複数の搬送台車2Aを用いてワークWを搬送する場合においても、ワークWはハンド13の着座位置に確実に案内されるため、ワークWの着座異常等が発生しない。この場合においても、ハンド13側の荷取り位置をワーク搬送台車2Aの積載ワークWに対して高精度に位置ティーチングすることも不要であり、ティーチングおよびその修正工数等の調整時間を短縮することができる。
【0039】
本実施形態においては、上下に積層したパレット2AのワークWに対しても、前記第1実施形態における効果(ア)〜(エ)を奏することができる。
【0040】
なお、上記実施形態において、ワークWの移載機構として、ハンドリングロボット3を用いるものについて説明したが、図示はしないが、複数の軸駆動装置を備えた専用の軸駆動装置を用いるものであってもよい。
【0041】
また、上記実施形態において、ワーク位置決め動作として、ワークWをワークガイド16によりその面内で移動させてハンド13のクランプ座17Aまでガイドするものについて説明したが、図示はしないが、ワークWを移動させることなく、ハンドリングロボット3の軸をワークガイド16がガイドする方向に駆動して、ハンド13をワークW面内に沿って移動させることでワークWのクランプ部をクランプ座17Aに案内し、クランプするようにしてもよい。なお、次工程に搬送途中において、ワーク把持後のハンドリングロボット3の軸位置を元に補正する必要がある。また、ハンドリングロボット3の軸位置の移動をさせることなく、ハンド13をその面内で移動可能な新たな軸駆動装置を設置してハンド13をその面内でガイド16に応じて移動させるようにしてもよく、この場合には、新たに設けた軸駆動装置を中立状態に戻した後に、ワークWを次工程に搬送させるようにすればよい。これらの方法においては、ワークWをずらせる必要がないため、大型のワークや重量のあるワークに対して有効である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態を示すワーク移載装置および移載方法における搬送台車のワーク搭載状態およびハンドリングロボットとの位置関係を示す平面図(A)および側面図(B)。
【図2】同じく搬送台車からハンドリングロボットによるワーク移載状態を示す平面図。
【図3】同じく図2の側面図。
【図4】ハンドリングロボットによるワーク移載の手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態を示すワーク移載装置および移載方法における搬送台車のワーク搭載状態およびハンドリングロボットとの位置関係を示す側面図。
【符号の説明】
【0043】
1 ワーク移載装置
2、2A ワーク搬送台車
3 ハンドリングロボット
4 コントローラ
11 パレットガイド
12 ロボットアーム
13 ハンド
14 フレーム
15 ワーク在席センサ
16 ワークガイド
17 クランプ
17D ワーク着座センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを搭載して移動するワーク搬送台車からワーク搬送装置によりワークを一つずつハンドにクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するワーク移載装置において、
前記ハンドにワークのクランプに先立ちワークに係合してハンドとワークとの相対位置を補正してワークのクランプ部位をハンドのクランプへ案内するガイド手段を設けたことを特徴とするワーク移載装置。
【請求項2】
前記ガイド手段は、ワーク搬送台車上のワーク位置を移動させて両者の相対位置を補正することを特徴とする請求項1に記載のワーク移載装置。
【請求項3】
前記ガイド手段は、ワークに対してハンドの位置を移動させて両者の相対位置を補正することを特徴とする請求項1に記載のワーク移載装置。
【請求項4】
前記ハンドは、ワーク搬送台車上のワークの在席を検出するワーク在席センサを備え、
前記ワーク在席センサによりワークの在席が検出されるまでハンドをワークに対して高速接近させ、ワーク在席検出後にガイド手段をワークへ係合させて微速接近させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載のワーク移載装置。
【請求項5】
前記クランプ手段は、クランプ座にワークのクランプ部位が着座したことを検出するワーク着座センサを備え、
前記着座センサによる検出信号の出力後にクランプ手段によりワークをクランプするようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載のワーク移載装置。
【請求項6】
複数のワークを搭載して移動するワーク搬送台車からワーク搬送装置によりワークを一つずつハンドにクランプして取出して位置決め状態で次工程に搬送するワーク移載方法において、
前記クランプに先立ちハンドに設けたガイド手段をワークに係合させてハンドとワークとの相対位置を補正しつつワークのクランプ部位をハンドのクランプへ案内し、
前記ワークのクランプ部位がハンドのクランプ位置に到達したときクランプ手段によりワークをクランプするようにしたことを特徴とするワーク移載方法。
【請求項7】
前記ガイド手段は、ワーク搬送台車上のワークを移動させて両者の相対位置を補正することを特徴とする請求項6に記載のワーク移載方法。
【請求項8】
前記ガイド手段は、ワークに対してハンドを移動させて両者の相対位置を補正することを特徴とする請求項6に記載のワーク移載方法。
【請求項9】
前記ワーク搬送台車上のワークの在席を検出するワーク在席センサをハンド設け、
前記ワーク在席センサによりワークの在席が検出されるまでハンドをワークに対して高速接近させ、ワーク在席検出後にガイド手段をワークへ係合させて両者を微速接近させることを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか一つに記載のワーク移載方法。
【請求項10】
前記クランプ手段は、クランプ座にワークのクランプ部位が着座したことを検出するワーク着座センサを備え、
前記着座センサによる検出信号の出力後にクランプ手段によりワークをクランプするようにしたことを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか一つに記載のワーク移載方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−199391(P2006−199391A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10262(P2005−10262)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】