説明

一つの端末により一つの通信ネットワークを選択するシステムと方法

一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の少なくとも一つのアーキテクチャ(15、16、17)を、少なくとも一つのユーザ・インターフェイス(11)を含む端末(10)の中で選択するシステム。本発明によると、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への接続は、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクを介して確立されるのであり、前記システムには、前記端末(10)に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器(19)への少なくとも一回のアクセスを制御するに適した選択手段(18)が少なくとも一つあって、それにより、一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の、少なくとも一つのアーキテクチャ(15、16、17)を管理するようにし、また、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)のうちの複数のものと接続された前記端末(10)の複数の前記専用アーキテクチャ(15、16、17)の働きを同時に処理するようにしている。それぞれで一通りのサービスを提供する通信ネットワークの集合の中から、ユーザが加入している一般のモバイルネットワークに接続された一つの端末(10)に組み込まれた専用アーキテクチャ(15、16、17)を介して、一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)へのアクセスを選択するのに応用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つの通信ネットワークに専用の一つのアーキテクチャを、一つの端末の中で選択するシステムと方法に関するものである。
【0002】
本発明は、特に、それぞれで一通りのサービスが提供される通信ネットワーク全体の中から、ユーザが加入している一般のモバイルネットワークに接続された一つの端末に専用の組み込まれたアーキテクチャを介して、一つの通信ネットワークへのアクセスを選択するのに応用されるものである。
【背景技術】
【0003】
実際には、そのようなサービスは、GPRS(General Packet Radio Service、すなわちパケット方式での無線通信総合サービス)システムや、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System、すなわち移動端末による電気通信包括サービス)システムなどの移動電気通信ネットワークに接続された一つの端末からアクセス可能なものである。
【0004】
そのようなモバイルネットワークでは、サービスを提供する通信ネットワークを一つ選ぶには、前記通信ネットワークを識別する名称を一つ選択しなければならない。一つの端末と所定の一つの通信ネットワークとの間で接続を確立するために、前記識別名を、そのモバイルネットワークのサービスを支える機器を介して、前記通信ネットワークへのアクセスを管理する機器に向けて伝送する。その端末から発せられる前記識別名があることで、そのモバイルネットワークのサービスをサポートする前記機器は、その通信ネットワークへのアクセスを提供し、しかも前記識別名に関連付けられているアクセス管理機器を、決定することができる。
【0005】
GPRS並びにUMTSタイプの現行のシステムにおいて、一つの通信ネットワークを識別する名称をAPN(Acess Point Name、すなわちアクセス・ポイント・ネーム)と呼ぶ。そのようなシステムにおいては、サービスをサポートする機器は、SGSN(Serving GPRS Support Node、すなわちGPRSサービス・サポート・ノード)と呼び、様々な通信ネットワークにアクセスするのを管理する機器は、GGSN(Gateway GPRS Service Node、すなわちゲートウェイGPRSサービス・ノード)と呼ぶ。
【0006】
識別名APNを構成するのは主に、選んだ通信ネットワークに対応する識別子、前記通信ネットワークを管理する業者の識別子、および、例えばGPRSのようなモバイルネットワークの技術の識別子である。一つの識別名称APNのフォーマット、並びに用法を規格化するのは、ETSI(European Telecommunications Standards Institute、すなわちヨーロッパ通信規格協会)である。
【0007】
他の機能の中でも、SGSNサービス・サポート機器は、一つの端末から識別名称APNを受信し、該識別名称APNを、その端末が接続された識別名称APNのサーバに伝送して認識させる。前記識別名称APNのサーバがSGSNサービス・サポート機器に応答するには、その識別名称APNに関連するGGSNアクセス管理機器のリストを伝送する。他の機能の中でも、前記SGSNサービス・サポート機器は、前記リストに載っているGGSNアクセス管理機器に向けての接続を確立する。前記GGSNアクセス管理機器は、識別名称APNに対応する一つの通信ネットワークに向けて接続を確立する。そのようなSGSN機器およびGGSN機器もまた、ETSIによって規格化されている。
【0008】
一通りのサービスを提供する通信ネットワークにアクセスするには、ユーザは、端末上で一つの識別名称APNを選択し、それにより、対応する通信ネットワークとの接続を確立する。
【0009】
いったん端末上で一つの識別名称APNを選ぶと、一つのアクセス・プロトコルが開始される。GPRSやUMTSでは、このプロトコルは「PDP」(Packet Data Protocol、すなわちパケット方式データのプロトコル)と呼ばれる。その端末の接続をGGSNと呼ばれるアクセス管理機器に向けて確立する手順が、活用される。そのような接続確立を可能とするには、選んだ通信ネットワークに向けて、そのモバイルネットワークを介して、リンクを生成する。GPRSやUMTSでは、このリンクは、「PDPコンテキスト」と呼ばれる。このリンクにより、その端末から、前記通信ネットワークの一通りのサービスにアクセスできる。
【0010】
前記手順の終わりのところで、その端末がその通信ネットワークからのアドレスを一つ受信し、該通信ネットワークにより、その接続が確立される。このアドレスは、前記通信ネットワークの内部で、前記端末を識別するものである。該アドレスは、「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクに関連しており、その端末と前記通信ネットワークとの間に存在するものである。
【0011】
ETSI規格では、同一の端末から様々な通信ネットワークに向けて同時に複数の接続が確立可能であることも想定されている。文献仏国特許第0207457号明細書に記載されているのは、一つの端末の中にある複数の専用アーキテクチャの管理器を用いることであり、それにより、複数の通信ネットワークに同時にアクセスするのを管理するものである。
【0012】
前記文献によると、一つの通信ネットワークに向けて接続を確立する際に、複数の専用アーキテクチャの管理器が前記通信ネットワークと対話を行う。該端末において、複数の専用アーキテクチャの管理器は、前記通信ネットワークとの接続のための専用アーキテクチャを指定する。新しい通信ネットワークに向けて新たに接続が確立される毎に、複数の専用アーキテクチャの管理器が、新しい前記通信ネットワークへの接続専用の、異なるアーキテクチャを指定する。同一の端末の中で、異なる複数の専用アーキテクチャが同時に作動する。「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクにそれぞれ関連づけられた、専用アーキテクチャの一つ一つが、異なる通信ネットワークにアクセスすることを可能にしている。
【0013】
前記文献によると、専用アーキテクチャの一つ一つにネットワーク・インターフェイスが一つ含まれている。各通信ネットワークは、切り離されたネットワーク・インターフェイスを介して、前記端末の専用アーキテクチャと通信する。複数の通信ネットワークのそれぞれが伝送するアドレスは、複数の専用アーキテクチャの前記管理器によって受信され、一つのネットワーク・インターフェイスの上でパラメータ化される。一つの専用アーキテクチャの一つのネットワーク・インターフェイスは、もう一つの別の専用アーキテクチャのもう一つの別のネットワーク・インターフェイスとは、一切関連のないものである。
【0014】
一つの端末の中で、専用アーキテクチャの一つ一つを一つの通信ネットワークに割り当てているのは、複数の専用アーキテクチャの前記管理器である。前記端末の複数の専用アーキテクチャが自立しており、独立して作動することにより、そのような複数の通信ネットワークの間の秘密性と安全性が確保されており、それにより、前記端末に接続された様々なサービスの間でも秘密が漏れることは確実に防止されている。
【0015】
端末が一つの通信ネットワークにアクセスすることができるようにするために、前記専用のアーキテクチャに関連付けられ、モバイルネットワークを通して生成された「PDPコンテキスト」リンクを管理することができる機能を、様々な通信ネットワークの間で実際に独立を維持するために、一つの専用アーキテクチャにはもたせない。
【0016】
更に、一つの端末の様々な専用アーキテクチャ相互が自立しているために、各専用アーキテクチャからは、前記端末の他の専用アーキテクチャの働きはまったく分からないようになっている。
【特許文献1】仏国特許第0207457号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
そういうわけで、本発明の対象により解決されるべき技術的課題は、一つの通信ネットワークに専用のアーキテクチャを少なくとも一つ、一つの端末の中で選択するシステムと方法とを提案することであり、前記端末には、同一の端末の複数の様々な専用アーキテクチャを管理して既存のシステムの欠点を克服できるような、ユーザ・インターフェイスが少なくとも一つ含まれている。
【課題を解決するための手段】
【0018】
技術的課題の解決は、本発明によると、前記通信ネットワークへの接続が、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクを介して確立されるのであり、前記システムには、前記端末に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器への少なくとも一回のアクセスを制御するのに適した選択手段が少なくとも一つあって、それにより、一つの通信ネットワークに専用の少なくとも一つのアーキテクチャを管理し、そして、前記通信ネットワークのうちの複数のものと接続された前記端末の、前記複数の専用アーキテクチャの働きを同時に処理するようにしている。
【0019】
その端末の複数の専用アーキテクチャの管理器は、前記端末が接続されている様々な通信ネットワークに専用の様々なアーキテクチャが同時に働くのを管理するものである。
【0020】
その選択手段により、複数の専用アーキテクチャの前記管理器にアクセスすることが可能になり、該管理器が、自分の管理する専用アーキテクチャのうちの一つを、実施される選択に応じて制御する。
【0021】
そのようにして、前記端末の専用アーキテクチャのそれぞれが通信するのは、たとえ、前記端末が複数の通信ネットワークに接続されている場合でも、対応するリンクPDPコンテキストに関連付けられた、たった一つの通信ネットワークだけということになる。
【0022】
それゆえ、その端末の様々な専用アーキテクチャの働きが別個で自立したものであるということには変わりがないので、前記端末を接続している様々な通信ネットワーク相互間の秘密性と安全性が確実に保たれることになる。このような必要性が特に感じられるのは、例えば特に銀行取引の場合、あるいは企業のプライベート・ネットワークの接続の場合である。
【0023】
本発明によると、前記選択手段は、前記端末の前記ユーザ・インターフェイスに組み込まれている。
【0024】
例えば、表示手段、音響聴取手段、音声信号伝送手段、あるいは点字読み取り手段のような、前記端末のユーザ・インターフェイスにより、一つの通信ネットワークに対応するサービスへのアクセスが可能となる。
【0025】
その端末のユーザが前記選択手段を起動して、それにより、複数の専用アーキテクチャの前記管理器を制御する。
【0026】
前記選択手段の形態や性質は、前記端末のユーザ・インターフェイスの既存の技術に適合するものなら、どのようなものでもよく、例えば、前記端末のキーボードの上の一つまたは複数のボタンとか、一つまたは複数のプルダウンメニューとか、一つまたは複数のボイス・コマンドとか、一つまたは複数の点字での制御装置とか、前記端末のスクリーンの上に位置する一つまたは複数のハイパーテキスト・リンクとか、あるいは選択を実行するその他一切の機器などのようなものである。
【0027】
本発明によると、前記選択手段は、前記選択手段の少なくとも一つの制御装置と関連している。
【0028】
前記端末の前記選択手段は、一つまたは複数の温度検知器、一つまたは複数の圧力検知器あるいはその他一切の制御を実行する機器のような制御装置により、起動することが可能である。
【0029】
本発明はまた、一つの通信ネットワークに専用の少なくとも一つのアーキテクチャを、一つの端末の中で選択する方法をも対象としており、前記端末は少なくとも一つのユーザ・インターフェイスを含み、そして前記通信ネットワークへの接続は、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクを介して確立され、前記方法の特徴は、その方法が以下のような手順からなることである。
・前記端末の前記ユーザ・インターフェイスに少なくとも一つの選択手段を組み込み、
・前記端末の前記選択手段を起動し、
・前記端末に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器への、少なくとも一回のアクセスを前記選択手段により制御し、それにより、少なくとも一つの専用アーキテクチャの少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器により、前記端末の少なくとも一つの専用アーキテクチャに向かう少なくとも第一伝送手段を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器により、少なくとも一つの通信ネットワークに向かう少なくとも一つの第二伝送手段を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器により、前記通信ネットワークに向かう「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクの少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器により、前記専用アーキテクチャによるアクセスが可能な前記端末の少なくとも一つのリソースにアクセスする。
【0030】
複数の専用アーキテクチャの前記管理器が、前記通信ネットワークのそれぞれに、一つの専用アーキテクチャを割り当て、それにより、様々に異なり独立した管理を同時に行う可能性が得られる。
【0031】
その選択手段により、その端末の複数の専用アーキテクチャの前記管理器に働きかけることが可能になる。その場合、複数の専用アーキテクチャの前記管理器は、少なくとも一つの第一伝送手段を用いて複数の専用アーキテクチャのそれぞれのアクセスと機能を制御し、並びに少なくとも一つの第二伝送手段を用いて複数の通信ネットワークのそれぞれのアクセスと機能を制御し、並びに対応するリンクPDPコンテキストのそれぞれのアクセスと機能とを制御し、並びに前記端末のリソースのそれぞれのアクセスと機能とを制御する。
【0032】
実行される選択により、複数の専用アーキテクチャの前記管理器が、使用中に、複数の専用アーキテクチャのいずれか、そのような複数の通信ネットワークのいずれか、前記通信ネットワークに対応するリンクPDPコンテキストのいずれか、前記端末のリソースのいずれかを管理する。
【0033】
様々な専用アーキテクチャが別々に自立して働くことにより、前記端末の働きをその端末が接続されている通信ネットワークに応じて適合させることができる。例えは、幾つかの機能は、通信ネットワークの一つとなら考慮に入れることが可能ではあるが、他の通信ネットワークとは両立し得ないようにすることができる。
【0034】
更に、幾つかの通信ネットワークによるアクセスが可能なサービスの数が増加していくことから、各専用アーキテクチャの自立性により特に可能となるのは、例えば特定のアプリケーション、あるいは異なるメモリ空間、あるいはある通信ネットワークとその他の通信ネットワークとでは異なるサービスの質などの、特定のリソースの割り当てをすることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、添付図面を参照しつつ行われる説明は、非限定的例示として行われるものであるが、本発明の構成と実施方法の理解を助けるものとなろう。
【0036】
図1は、本発明による、一つの通信ネットワークに専用のアーキテクチャのための、一つの端末の中での選択システムの全体的なアーキテクチャを示す図である。
【0037】
分かりやすくするために、本発明の説明には、UMTSシステムの用語で用いられている呼称を用いる。しかしながら、本発明は、通信ネットワークを識別する同様の技法を用いる通信システムなら、どのようなものにでも応用されるものである。
【0038】
同様に、説明を簡略なものにするために、その移動電気通信ネットワークの加入者を端末10として示すが、それは例えば、一つのサーバまたは移動通信の端末でも、あるいはPCタイプのパソコン(Personnal Computer)あるいはテレビ受信器のような、様々な性質のものであってもよく、そして図1に示すUE(User Equipment)と呼ばれる加入者機器10によるものであってもよい。
【0039】
用いられる端末10がどのようなものにせよ、それを、ユーザが加入している一般のモバイルネットワークに接続する。
【0040】
現に、端末10のユーザが通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスしたいと望む場合には、ユーザはそのモバイルネットワークの無線局を介して、前記端末10でアクセスしたい一通りのサービスを提供する前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52を識別する名称APNを伝送する。
【0041】
そのために、前記ユーザは、例えば、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中のユーザ・インターフェイス11により、前記ユーザが加入していてアクセスすることが可能な前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52を識別する名称APNの少なくとも一つのリストにアクセスする。ETSI規格は、同一の端末から様々な通信ネットワークに向けて複数の接続を同時に確立することがあり得ることも想定しており、数あるものの中でも、名称APNの前記リストにより、前記端末は「マルチAPN」と呼ばれる端末として機能することが可能になる。
【0042】
前記モバイルネットワークにおいて、「SGSN」と呼ばれる無線アクセス管理機器が前記端末10からの前記名称APNを受信する。「SGSN」と呼ばれる前記機器は、「GGSN」と呼ばれるどのアクセス管理機器が前記識別名称APNを管理するのか、検索する。
【0043】
「SGSN」と呼ばれる機器が、その識別名称APNを、該機器が接続されている名称APNのサーバに伝送し、該サーバには、名称APNと「GGSN」と呼ばれるアクセス管理機器との間の対応表がある。「SGSN」と呼ばれる前記機器が、前記名称APNを管理する「GGSN」と呼ばれるアクセス管理機器30、30’を選択する。
【0044】
「GGSN」と呼ばれる前記機器30、30’は、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向けて接続を確立する。「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクが、モバイルネットワークを通して、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向けて確立される。この「PDPコンテキスト」リンクのお蔭で、その端末10から前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスすることが可能になる。
【0045】
つぎに「GGSN」と呼ばれる前記機器30、30’が、端末10に向かって、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52について、前記端末10を識別するアドレスを伝送する。
【0046】
前記端末10の中で、複数の専用アーキテクチャの管理器19が前記アドレスを受信する。複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、専用アーキテクチャ15、16、17を、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に割り当て、そのアドレスを、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に割り当てられた前記専用アーキテクチャ15、16、17に伝送する。
【0047】
前記専用アーキテクチャ15、16、17は、「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクに関連づけられており、そのリンクのお陰で、前記端末10から前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスできる。
【0048】
上記に述べた接続手順は、前記端末10のユーザが新たな通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスしようとするたびに更新される。
【0049】
新たな接続が、前記端末10と新たな通信ネットワーク40、41、42、50、51、52との間に確立される。したがって、「PDPコンテキスト」と呼ばれる新たなリンクが、前記モバイルネットワークを通して新たな通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向かって確立される。
【0050】
前記端末10の中で、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、新たなアドレスを受信する。該管理器が、新たな専用アーキテクチャ15、16、17を新たに接続された通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に割り当てる。その時からすぐに、前記新たな専用アーキテクチャ15、16、17は、「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記新たなリンクに関連づけられ、該リンクにより、前記端末10から前記新たな通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスすることが可能になる。
【0051】
接続が確立されるたびに、そして専用アーキテクチャ15、16、17を通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に割り当てるたびに、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19は、前記端末10の複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が管理する、専用アーキテクチャ15、16、17の少なくとも一つのリストの中に、前記端末10の中で使用される前記専用アーキテクチャ15、16、17の識別子を記憶する。ETSI規格は、同一の端末から様々な通信ネットワークに向けて複数の接続を同時に確立することがあり得ることも想定しており、他のものの中でも、専用アーキテクチャの前記リストがあることにより、前記端末は「マルチAPN」と呼ばれる端末として機能することが可能になる。
【0052】
いったん接続が確立されると、専用アーキテクチャが前記端末10のユーザ・インターフェイス11にアクセスする。そのようにして、加入者は、例えばホーム・ページ12、13のような、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52のサービス内容の少なくとも一つにアクセスする。
【0053】
その内容を前記端末10に表示することを、通信ネットワークから要求されない場合には、前記通信ネットワークの内容の表示を、音響聴取手段によって伝送される音声メッセージのような、前記端末10のユーザ・インターフェイス11の他のどのような手段で実行してもよい。
【0054】
例えは表示手段、または音響聴取手段、または音声信号伝送手段、あるいは点字読み取り手段のような、前記端末10のユーザ・インターフェイス11により、様々な通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に対応するサービスにアクセス可能となる。
【0055】
確立された接続が幾つあろうとも、一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の各アーキテクチャ15、16、17が、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に対応する各「PDPコンテキスト」リンクを介して、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52から来る情報を受信する。
【0056】
これらの様々な接続を管理できるようにするために、前記端末10には、前記ユーザ・インターフェイス11の中に組み込まれた、少なくとも一つの選択手段18が装備されている。
【0057】
前記選択手段18の形態や性質は、前記端末10のユーザ・インターフェイス11の既存の技術に適合するものならどのようなものでもよい。前記選択手段18を構成するのは、前記端末の一つまたは複数のキーボードの上の一つまたは複数のボタン、少なくとも一つの表示手段の上の一つまたは複数のプルダウンメニュー、前記表示手段の上に位置していて、例えばマウスかタッチ・パネルか視線の指示でカーソルを動かして選択する一つまたは複数のハイパーテキスト・リンク、前記端末の加入者が発信する一つまたは複数の音声コマンド、一つまたは複数の点字コマンド、あるいはその他一切の選択実行機器である。
【0058】
端末10のユーザは、前記端末10の前記選択手段18を起動する。
【0059】
前記選択手段18はまた、前記選択手段18の少なくとも一つの制御装置と関連してもよい。その場合には、前記制御装置が前記端末10の前記選択手段18を起動する。
【0060】
前記制御装置は、例えば、温度センサか圧力センサ、あるいは誘導式センサ、あるいはその他一切の検出装置か手段であり、それにより、例えば、前記制御装置により測定されたその温度や圧力の測定値の数値か閾値に応じて、前記選択手段18を起動することが可能なものである。
【0061】
前記選択手段18は、総合的なものか、あるいは、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の管理機能に特化したものである。
【0062】
選択手段18がいわゆる「総合的な」ものである場合には、該手段により、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の様々な管理機能の中からの選択肢にアクセスできるのであり、その際には用いられる手段には、例えば前記管理機能をリストアップしている文字で書かれたメニューや音声メニューなどがある。
【0063】
そうでない場合には、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の管理機能の一つにそれぞれが対応する、いわゆる「特化した」選択手段18を複数、その端末10に付けてもよい。
【0064】
他のタスクの中で、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が管理するのは前記管理機能であり、すなわち特に少なくとも一つの専用アーキテクチャ15、16、17を生成し、変更し、中断し、クローズする機能、あるいは、一つの専用アーキテクチャ15、16、17に有益なその他一切の管理機能、あるいは、例えば前記端末10の中で用いられるリソースのような、一つの専用アーキテクチャ15、16、17の特徴的なデータの照会である。
【0065】
複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中、前記管理機能は、前記選択手段18か、あるいは、例えば、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の管理機能リストを用いて実行される選択により起動する。
【0066】
実際の起動に従い、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の少なくとも一つのアーキテクチャ15、16、17に向かって少なくとも一つの第一伝送手段20を制御する。前記第一伝送手段20は、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19に組み込まれている。
【0067】
選択された管理機能に従い、通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17に向かう伝送を、例えば生成し、変更し、中断しあるいはクローズすることを、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が制御する。
【0068】
実際の起動に従い、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19は、少なくとも一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う少なくとも一つの第二伝送手段21を制御する。前記第二伝送手段21もまた、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19に組み込まれている。
【0069】
選択された管理機能に従い、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向かう伝送を、例えば生成し、変更し、中断し、あるいはクローズすることを、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が制御する。
【0070】
実際の起動に従い、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19は、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う少なくとも一つの「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクの少なくとも一つの状態を管理する。
【0071】
選択された管理機能に従い、前記端末10と前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52との間の前記リンクPDPコンテキストを、例えば生成し、変更し、中断し、あるいはクローズすることを、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、そのモバイルネットワークを通して、制御する。
【0072】
実際の起動に従い、一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17によるアクセスが可能な前記端末10の少なくとも一つのリソースに、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19がアクセスすることが可能になる。
【0073】
選択された管理機能に従い、例えば前記端末10の記憶箇所へのアクセスや、前記端末10の中央処理装置(つまりCPU、すなわちCentral processing Unit)の機能性へのアクセスを、一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17の働きのために、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、制御する。
【0074】
したがって、管理機能のうちの一つの起動にしたがって、その制御は、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19から、一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の少なくとも一つのアーキテクチャ15、16、17に向う前記第一伝送手段20に向かってのものか、あるいは少なくとも一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う前記第二伝送手段21に向かってのものか、あるいは前記端末10と前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52との間の前記リンクPDPコンテキストに向かってのものか、あるいは前記端末10の前記リソースに向ってのものかによって異なるものとなる。
【0075】
実際の選択にしたがって、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、複数の専用アーキテクチャのいずれか、複数の通信ネットワークのいずれか、前記通信ネットワークに対応するリンクPDPコンテキストのいずれか、前記端末のリソースのいずれかを管理するのであり、それらすべてを、使用中に、そして、前記端末10が前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52の供給するサービスにアクセスするのと並行して、行う。
【0076】
特に、前記端末10のユーザが一つの通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスしたいと希望する場合には、前記ユーザは、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中から、前記ユーザが加入しており、アクセスが許されている前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52を識別する名称APNの前記リストにアクセスする。
【0077】
前記ユーザが前記リストの中から一つの名称APNを選択した後では、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19を前記第一伝送手段20を介して生成する機能は、前記端末10の複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が管理する一つの専用アーキテクチャ15、16、17を、対応するリンクPDPコンテキストに関連づけられた前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52のうちの一つを識別する、選択された前記名称APNに割り当てることを目的とする。
【0078】
前記第二伝送手段21を介した、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中の前記生成により、「PDPコンテキスト起動手順」の呼称で、ETSI(European Telecommunications Standards Institute、すなわちヨーロッパ通信規格協会)により規格化されたリンクPDPコンテキスト起動手順の制御が可能となるのであり、それがひいては、前記端末10の上で選択された前記名称APNにより識別される前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向うアクセスを生成することにつながる。
【0079】
前記端末10の複数の専用アーキテクチャの前記管理器19は、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用のアーキテクチャ15、16、17が用いる前記端末10の少なくとも一つのリソースへのアクセスを制御し、該アクセスというのは、例えば前記端末10の記憶箇所へのアクセスか、あるいは、前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17の働きのために、前記端末10の中央処理装置(つまりCPU)の機能性にアクセスすることである。
【0080】
同様に、前記端末10と前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52のうちの少なくとも一つとの間に少なくとも一つの接続がいったん確立されると、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の変更機能は、対応する前記リンクPDPコンテキストに関連づけられた、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用のアーキテクチャ15、16、17により前記端末10の中で使用されているリソースを変更することを目的とする。
【0081】
前記変更により、前記端末10のリソースを、例えば前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向けてのサービスの質を変える際に、前記端末10の上に割り当てられたメモリの容量を変更することにより、適合させることができる。
【0082】
前記変更を、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中で、前記第一伝送手段20および第二伝送手段21を介して行うことにより、「PDPコンテキスト変更手順」の呼称でETSIにより規格化されたリンクPDPコンテキスト変更手順の制御が可能となるのであり、該変更には、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う伝送特性を変更することが含まれる。
【0083】
同様に、前記端末10と前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52のうちの少なくとも一つとの間に少なくとも一つの接続がいったん確立されると、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中断機能は、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19と、対応する前記リンクPDPコンテキストに関連づけられた、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17との間の伝送を、一時的に中断することを目的とする。
【0084】
そのことから、前記専用アーキテクチャ15、16、17はもはや前記接続された通信ネットワーク40、41、42、50、51、52にアクセスすることはできないので、例えば、前記端末10のメモリのリソースを割り当てるとか、あるいはその伝送のサービスの質を変更するなどの、いかなる種類の機能も、変更も介入も、もはやできなくなってしまう。
【0085】
前記中断を、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中で、前記第一伝送手段20および第二伝送手段21を介して行うことにより、「中断手順」の呼称でETSIにより規格化された伝送中断手順の制御が可能となるのであり、それがひいては、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う伝送を一時的に停止させることにつながる。
【0086】
一つの中断を停止することは、正常な伝送を、そのような伝送が中断された時点およびその時の状態で、再開することになる。複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中で、前記中断を停止することにより、「レジューム処理」の呼称でETSIにより規格化された伝送再開手順の制御が可能となるのであり、それがひいては、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う伝送を再開させることにつながる。
【0087】
同様に、前記端末10と前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52のうちの少なくとも一つとの間に少なくとも一つの接続がいったん確立されると、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19のクローズ機能は、複数の専用アーキテクチャの前記管理器19と、対応するリンクPDPコンテキストに関連づけられた、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17との間の一切の伝送を閉じることを目的とする。
【0088】
複数の専用アーキテクチャの前記管理器19の中で前記クローズを、前記第一伝送手段20および第二伝送手段21を介して行うことにより、「PDPコンテキスト活動停止手順」の呼称でETSIにより規格化されたリンクPDPコンテキストのクローズ手順の制御が可能となるのであり、それがひいては、前記端末10に接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に向う一切の伝送を停止させることにつながる。
【0089】
前記端末10の複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が、接続された前記通信ネットワーク40、41、42、50、51、52に専用の前記アーキテクチャ15、16、17をクローズすることを制御すると、そのことが、例えば、前記端末10の記憶箇所のすべてや、前記専用アーキテクチャ15、16、17のための前記端末の中央処理装置(すなわちCPU)へのアクセスなどの、前記専用アーキテクチャ15、16、17が前記端末10の中で用いるリソースすべてを解放することになる。既存のものであれば、前記端末10の非揮発性メモリーの中にダウンロードされ記憶されたファイルは、前記クローズ機能や、前記端末10の他のリソースを解放することで割り当てられるのではない。
【0090】
前記クローズ機能の後で、クローズされた前記専用アーキテクチャ15、16、17の識別子は、前記端末10の複数の専用アーキテクチャの前記管理器19が管理する専用アーキテクチャ15、16、17の前記リストから消去される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による、一つの通信ネットワークに専用のアーキテクチャのための、一つの端末の中での選択システムの全体的なアーキテクチャを示す図。
【符号の説明】
【0092】
10 端末
11 ユーザ・インターフェイス
12 ホーム・ページ
13 ホーム・ページ
15 専用アーキテクチャ
16 専用アーキテクチャ
17 専用アーキテクチャ
18 選択手段
19 管理器
20 第一伝送手段
21 第二伝送手段
30 アクセス管理機器
40 通信ネットワーク
41 通信ネットワーク
42 通信ネットワーク
50 通信ネットワーク
51 通信ネットワーク
52 通信ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の少なくとも一つのアーキテクチャ(15、16、17)を、一つの端末(10)の中で選択するシステムであり、前記端末(10)は、少なくとも一つのユーザ・インターフェイス(11)を含み、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への接続が、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクを介して確立されるのであり、前記システムには、前記端末(10)に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器(19)への少なくとも一回のアクセスを制御するに適した選択手段(18)が少なくとも一つあって、それにより、一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の、少なくとも一つのアーキテクチャ(15、16、17)を管理するようにし、また、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)のうちの複数のものと接続された前記端末(10)の複数の前記専用アーキテクチャの働きを同時に処理するようにしていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記選択手段(18)が、前記端末(10)の前記ユーザ・インターフェイス(11)の中に組み込まれていることを特徴とする、請求項1に記載の、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項3】
前記選択手段(18)が、前記選択手段の少なくとも一つの制御装置と関連していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項4】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの第一伝送手段(20)につながっていて、それにより、前記端末(10)の少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)との少なくとも一本の伝送を管理することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項5】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの第二伝送手段(21)につながっていて、それにより、少なくとも一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)との少なくとも一本の伝送を管理することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項6】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクにつながっていて、それにより、少なくとも一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に向う前記リンクの少なくとも一つの状態を管理することを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項7】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)によるアクセスが可能な前記端末(10)の少なくとも一つのリソースにつながっていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか一つの、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項8】
一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の少なくとも一つのアーキテクチャ(15、16、17)を、一つの端末(10)の中で選択する方法であり、前記端末(10)は少なくとも一つのユーザ・インターフェイス(11)を含み、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への接続が、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれるリンクを介して確立されるのであり、前記方法の手順が、
・前記端末(10)の前記ユーザ・インターフェイス(11)に少なくとも一つの選択手段(18)を組み込み、
・前記端末(10)の前記選択手段(18)を起動し、
・前記端末(10)に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器(19)への少なくとも一回のアクセスを、前記選択手段(18)により制御し、それにより、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)の少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)により、前記端末(10)の前記専用アーキテクチャ(15、16、17)に向かう少なくとも一つの第一伝送手段(20)を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)により、少なくとも一つの通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に向かう少なくとも一つの第二伝送手段(21)を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)により、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に向かう「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクの少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)により、前記専用アーキテクチャ(15、16、17)によるアクセスが可能な前記端末(10)の少なくとも一つのリソースにアクセスする、
ことからなることを特徴とする、選択方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の一通りのアーキテクチャ(15、16、17)を、一つの端末(10)の中で選択するシステムであり、前記端末(10)は、少なくとも一つのユーザ・インターフェイス(11)を含み、また複数の前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に同時に接続されており、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への接続が、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)へのリンクを介して確立されるのであり、前記システムには、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)の一つの選択を可能にする前記端末(10)の、前記ユーザ・インターフェイス(11)の中に組み込まれた選択手段(48)が少なくとも一つあって、それにより、選択された前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)専用の前記アーキテクチャ(15、16、17)を管理するために、前記端末(10)に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器(19)への少なくとも一回のアクセスを制御することが可能になり、また、選択された前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への前記リンクの少なくとも一つの状態を管理するために、「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクに、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)をつなげることを可能にすることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記選択手段(18)が選択した管理機能に従い、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの専用アーキテクチャを、分離してまたは組み合わせて、生成、変更、中断、クローズすることを制御することを特徴とする、請求項1に記載の、一通りの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項3】
前記選択手段(18)が、前記選択手段の少なくとも一つの制御装置と関連していることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、一通りの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項4】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの第一伝送手段(20)につながっていて、それにより、前記端末(10)の少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)との少なくとも一本の伝送を管理することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の、一通りの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項5】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの第二伝送手段(21)につながっていて、それにより、選択された前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)との少なくとも一本の伝送を管理することを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の、一通りの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項6】
前記選択手段(18)に応じて、複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)が、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)によるアクセスが可能な前記端末(10)の、少なくとも一つのリソースにつながっていることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の、一通りの専用アーキテクチャ(15、16、17)を一つの端末(10)の中で選択するシステム。
【請求項7】
複数の通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に専用の一通りのアーキテクチャ(15、16、17)を、一つの端末(10)の中で選択する方法であり、前記端末(10)は少なくとも一つのユーザ・インターフェイス(11)を含み、また複数の前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に同時に接続されており、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)への接続が、一つのモバイルネットワーク経由で「PDPコンテキスト」と呼ばれる、前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)へのリンクを介して確立されるのであり、前記方法の手順が、
・前記端末(10)の前記ユーザ・インターフェイス(11)に少なくとも一つの選択手段(18)を組み込み、
前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)のうちの一つを選択するために、前記端末(10)の前記選択手段(18)を起動し、
・前記端末(10)に組み込まれた、複数の専用アーキテクチャの少なくとも一つの管理器(19)への少なくとも一回のアクセスを、前記選択手段(18)により制御し、それにより、少なくとも一つの専用アーキテクチャ(15、16、17)の少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)を介して、前記端末(10)の前記専用アーキテクチャ(15、16、17)に向かう少なくとも一つの第一伝送手段(20)を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)を介して選択された前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に向かう少なくとも一つの第二伝送手段(21)を制御し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)を介して選択された前記通信ネットワーク(40、41、42、50、51、52)に向かう「PDPコンテキスト」と呼ばれる前記リンクの少なくとも一つの状態を管理し、
・複数の専用アーキテクチャの前記管理器(19)を介して、前記専用アーキテクチャ(15、16、17)によるアクセスが可能な前記端末(10)の少なくとも一つのリソースにアクセスする
ことからなることを特徴とする、選択方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−508595(P2006−508595A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556407(P2004−556407)
【出願日】平成15年11月19日(2003.11.19)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003430
【国際公開番号】WO2004/052032
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504013476)オランジュ フランス (7)
【氏名又は名称原語表記】ORANGE FRANCE
【Fターム(参考)】