説明

一体成型してなる複合スイッチの操作機構

【課題】操作入力方向または入力位置が異なる複合スイッチを一体成型可能な操作機構を提供する。
【解決手段】回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間を略S字状に弾性連結する相互接続部30は、主に、丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間方向の変位を許容し、また、相互接続部30の略中央に形成した丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間を結ぶ相互干渉部33は、丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間方向に対して直線方向の変位を自在としたものであるから、押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する2個以上の丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20からスイッチの操作入力を行ったとき、対象の押圧部12または押圧部22に接続されたスイッチのみの動作を行わせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスイッチ入力を許容する複合スイッチに関するもので、特に、合成樹脂金型で可動部分を一体成型してなる複合スイッチの操作機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一体化構造の押しボタンスイッチとしては、スイッチノブ21(番号は特許文献1中の部品番号を示す)を、ヒンジ212を介してランナー幹部22によって一体的なスイッチ部材20として構成し、スイッチケース10内面側に複数のリブ12を設け、これらリブ12に形成された溝部121に、ランナー幹部22を係合させてスイッチ部材20を各スイッチノブ21の近傍で特定方向について位置決めし、また、スイッチケース10に設けられた位置決めピン13をランナー幹部22端部の位置決めピン穴23に嵌め込み、スイッチ部材20を前記特定方向に直交する方向に位置決めする。更に、ランナー幹部22に基板30を当接させて、スイッチ部材20を前記特定方向及びその特定方向に直交する方向及びそれらに直交する方向について位置決めした構造を特許文献1は開示している。
【0003】
また、特許文献2の押釦スイッチでは、組立作業を容易なものとするため、複数のスイッチノブ21(番号は特許文献1中の従来例の部品番号を示す)がランナー部25で連結され、スイッチ部材20として一体的に構成されている。このスイッチ部材20は、フランジ部24に設けられた孔部241及び切欠き部242が、スイッチパネル50の内面側に設けられたピン51及び突起部52にそれぞれ嵌め込まれることにより、スイッチパネル50に取り付けられる。このようにしてスイッチ部材20がスイッチパネル50に取り付けられたとき、各スイッチノブ21は、スイッチパネル50の各スイッチノブ穴11に対応する位置に位置決めされるようになっている技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−138017
【特許文献2】特開平8−55537
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、特許文献1及び特許文献2は、何れもスイッチ操作を入力する部分が弾性変形する相互接続部を経て支持部分に一体化されており、スイッチ操作を入力する部分が変化する距離を相互接続部の弾性変形によって対応している。したがって、スイッチ操作部分は相互接続部を経て支持部分に一体化されているから、複数の操作入力に対するスイッチ操作部分の相互接続部は、相互接続部と1対1の関係にあり、操作入力の入力方向または入力位置が異なる複数のスイッチからなる複合スイッチを一体成型で成型することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明は、操作入力方向または入力位置が異なる複合スイッチを合成樹脂成型が可能な一体成型してなる複合スイッチの操作機構の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる2個以上のスイッチ操作部相互間を、略S字状に弾性連結する相互接続部と、前記相互接続部の略中央に形成した前記スイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在とした相互干渉部を具備するものである。
ここで、2個以上のスイッチ操作部は、操作入力として押圧力を付与する押釦スイッチ、スライドスイッチ等のスイッチの操作部、押圧力を付与する位置が異なる回動力を付与するトグルスイッチ等の操作部であり、外力を得て接点の開閉を行う他のスイッチとすることもできる。
また、2個以上のスイッチ操作部相互間を略S字状(略Z字状、略己字状を含む)に弾性連結する相互接続部は、少なくともスイッチ操作部相互間を結ぶ直線上に対して、その直線方向の移動を許容する形状を呈し、そして、望ましくは、前記直線方向に対する直角方向の移動を許容する形状を呈するものであればよい。
そして、前記相互干渉部は、前記相互接続部の略中央に形成し、前記スイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在とするものであればよい。
なお、本発明の一体成型してなる複合スイッチの操作機構とは、スイッチ自体の接点機構を有せず、前記スイッチ自体の操作入力を人から前記スイッチ自体の操作部に力を伝達するものであり、意匠パネルを含んで呼ぶこともある。
【0008】
請求項2の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、請求項1の構成に対して、更に、前記スイッチ操作部の一部を露出する意匠パネルを具備するものである。
ここで、前記一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、意匠パネル側に取り付けることも、本体のケース側に設けることもできるが、スイッチ機構との接合のために、組み付け易いスイッチ操作部の一部を露出する意匠パネル側の裏面に配設する構造であればよい。
【0009】
請求項3の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲に往復動を許容するリブを形成したものである。
ここで、前記スイッチ操作部の周囲のリブは、往復動を許容するものでよいことから、意匠パネルまたは本体のケース側との間で、往復動のみが可能な結合関係が維持できる構造であればよい。
【0010】
請求項4の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲に回動を許容する回動軸を形成したものである。
ここで、前記スイッチ操作部の周囲の回動軸は、回動を許容するものでよいことから、意匠パネルまたは本体のケース側との軸支受間で、回動のみが可能な結合関係が維持できる構造であればよい。
【0011】
請求項5の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する往復動を許容する複数のリブを形成したものである。
ここで、前記スイッチ操作部の周囲の複数のリブは、往復動を許容するものでよいことから、意匠パネル側との間で、往復動のみが可能な結合関係がある構造であればよい。
【0012】
請求項6の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する回動を許容する回動軸を形成したものである。
ここで、前記スイッチ操作部の周囲の回動軸は、回動を許容するものでよいことから、意匠パネル側との軸支受間で、回動のみが可能な結合関係がある構造であればよい。
【0013】
請求項7の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、請求項1の構成に対して、更に、前記スイッチ操作部相互間を接続する相互接続部に、前記相互接続部相互間を弾性連結する連結部を具備するものである。
ここで、前記連結部は、前記相互接続部相互間を弾性連結するものであり、前記スイッチ操作部相互間に三次元的な変化が伝達されない構造であればよい。
【0014】
請求項8の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記相互接続部に形成した相互干渉部は、略S字形または略U字形、またはその繰り返しによるジグザグとしたものである
ここで、前記相互干渉部は、前記スイッチ操作部相互間を弾性連結するものであり、前記スイッチ操作部相互間に、前記スイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して、少なくとも、直角方向の移動を自在とするものであればよい。勿論、好ましくは、三次元的な変化が伝達されない構造であればよい。
【0015】
請求項9の発明にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、各スイッチ操作部の中心を少なくとも単一の直線上に配置したものである。
ここで、各スイッチ操作部の中心を少なくとも単一の直線上に配置したものは、1列または複数列形成できる構造であればよい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、スイッチ操作部相互間を略S字状に弾性連結する相互接続部は、主にスイッチ操作部相互間方向の変位を許容し、また、前記相互接続部の略中央に形成した前記スイッチ操作部相互間を結ぶ相互干渉部は、スイッチ操作部相互間に対して並行する直線方向の変位を自在としたものであるから、押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる2個以上のスイッチ操作部からスイッチの操作入力を行ったとき、対象のスイッチ操作部に接続されたスイッチのみの動作を行わせることができる。また、全体を合成樹脂の射出成形で成型してもスライドコア等の複雑な金型を製作することなく製造でき、製造単価を廉価にすることができる。
したがって、操作入力方向または入力位置が異なる複合スイッチを一体に成型可能な複合スイッチの操作機構とすることができる。
【0017】
請求項2の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、更に、前記スイッチ操作部の一部を露出する意匠パネルを具備するものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、意匠パネルと対にして一体成型してなる複合スイッチの操作機構を組み付けることにより、スイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整を容易に行うことができる。
【0018】
請求項3の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲に、往復動を許容する複数のリブを形成したものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、前記スイッチ操作部の周囲の複数のリブが往復動のみを許容することから、意匠パネルまたは本体のケース側との間で、往復動のみを規制でき、他の構造を使用することなく、複合スイッチの操作機構を構成できる。
【0019】
請求項4の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲には、回動を許容する回動軸を形成したものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、前記スイッチ操作部の周囲の回動軸が回動のみを許容することから、意匠パネルまたは本体のケース側との間で、回動のみを規制でき、他の構造を使用することなく、複合スイッチの操作機構を構成できる。
【0020】
請求項5の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する往復動を許容する複数のリブを形成したものであるから、請求項3に記載の効果に加えて、前記意匠パネルと前記複合スイッチの操作機構との対が組み立てられ、前記スイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整を容易に行うことができる。
【0021】
請求項6の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する回動を許容する回動軸を形成したものであるから、請求項4に記載の効果に加えて、前記意匠パネルと前記複合スイッチの操作機構との対が組み立てられ、前記スイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整を容易に行うことができる。
【0022】
請求項7の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、更に、前記スイッチ操作部相互間を接続する相互接続部に、前記相互接続部の相互間を弾性連結する連結部を具備するものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動するスイッチ操作部を必要に応じて任意数形成することができる。
【0023】
請求項8の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記相互接続部に形成した相互干渉部は、略S字形または略U字形、またはその繰り返しによるジグザグとしたものであるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、前記スイッチ操作部相互間を弾性連結し、前記スイッチ操作部相互間に歪を付与することなく、弾性変形でき、長寿命とすることができる。
【0024】
請求項9の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の前記スイッチ操作部は、各スイッチ操作部の中心を、少なくとも単一の直線上に配置したものであるから、請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の効果に加えて、1列または複数列に整然と配列させて設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明の実施の形態1にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構を示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構の意匠パネルに対する組み付け完了状態を示す正面図(a)、側面図(b)、背面図(c)である。
【図3】図3は図2の切断線A−AによるA−A断面図(a)、図2の切断線B−BによるB−B断面図(b)である。
【図4】図4は本発明の実施の形態2にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構を示す斜視図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態3にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構を示す斜視図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態4にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構を示す斜視図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態5にかかる一体成型してなる複合スイッチの操作機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0027】
[実施の形態1]
本実施の形態1の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の図1乃至図3に示す事例で説明する。
操作入力として押圧力を付与する丸形スイッチ操作部10と、操作入力としてトグルスイッチの機能を持つ図1の左右方向から押圧力を付与する角形スイッチ操作部20とで操作部分が形成されている。丸形スイッチ操作部10は、所定の厚みで有底円筒に成型されており、その周囲には、3個のリブ11が形成されている。3個のリブ11は丸形スイッチ操作部10の中心から放射状に少なくとも180度以上の範囲に配設するのが望ましい。3個のリブ11は他の部分と肉厚がほぼ同じである略直方体形状となっており、丸形スイッチ操作部10の円筒の中心線に並行する配設となっている。また、丸形スイッチ操作部10の内側には、補強のための肉厚部13が形成され、押圧部12の機械的強度を上げている。
【0028】
角形スイッチ操作部20は、丸形スイッチ操作部10と同様、所定の厚みで成型されており、図1の幅方向の中央の上部及び下部には、所定の太さ及び長さの回動軸21が直線上に形成されている。したがって、角形スイッチ操作部20は、回動軸21を中心に回動自在になっている。また、角形スイッチ操作部20の内側には、補強のための肉厚部23が形成され、押圧部22の機械的強度を上げている。
【0029】
意匠パネル40は、丸形スイッチ操作部10の押圧部12及び角形スイッチ操作部20の押圧部22の露出部分以外の本実施の形態1の一体成型してなる複合スイッチの操作機構を覆うものであり、図3(b)に示すように、側面46または意匠面47の裏面45には、押釦スイッチSW/Sを配設した基板70または図示しないケース(複合スイッチケース)側が用意されており、図示しない係合手段によって、両者が一体化するようになっている。即ち、一体化した状態では、図2に示すように、意匠パネル40の意匠面47は、押圧部12及び押圧部22が露出している。
【0030】
意匠パネル40の意匠面47の裏面45には、丸形スイッチ操作部10の3個のリブ11を摺動自在とする断面略コ字状の3個のスライド部41が形成され、かつ、意匠パネル40の意匠面47に押圧部12が露出するように、嵌合孔42が形成されている。
また、裏面45には、角形スイッチ操作部20の2個の回動軸21を回動自在とする略逆Ω字状の軸受43が形成され、そして、意匠パネル40の意匠面47に押圧部22が露出するように、嵌合孔44が形成されている。
【0031】
意匠パネル40の裏面45の断面略コ字状の3個のスライド部41には、丸形スイッチ操作部10の3個のリブ11が挿入され、意匠パネル40の意匠面47に露出する押圧部12の押圧によって摺動自在になっており、押圧部12の中心軸線に沿って往復動自在になっている。
また、意匠面の裏面45には、略逆Ω字状の軸受43に角形スイッチ操作部20の2個の回動軸21が回動自在に装着され、かつ、意匠パネル40の嵌合孔44に露出する押圧部22が挿入されており、2個の回動軸21を軸として、角形スイッチ操作部20の右側または左側を押圧することにより、回動軸21線に沿ってシーソー動作が自在になっている。
【0032】
そして、図3(a)に示すように、角形スイッチ操作部20の押圧部22の内側に、意匠パネル40の裏面45の右側に押釦スイッチSW/Rを配設し、また、左側に押釦スイッチSW/Lを配設した基板70が図示しないケース(複合スイッチケース)に取付けられている。
したがって、角形スイッチ操作部20の右側または左側を押圧することにより、回動軸21線に沿ってシーソー動作が行われ、それによって右側の押釦スイッチSW/Rまたは左側の押釦スイッチSW/Lが動作する。
【0033】
丸形スイッチ操作部10と角形スイッチ操作部20との間には、略S字状、見方によっては略己字状、Z字状に弾性連結する相互接続部30が形成されている。詳しくは、弾性連結する相互接続部30は、丸形スイッチ操作部10の開口側に接続した接続端部31及び接続端部31から略U字状に形成した横U字部32、同様に、角形スイッチ操作部20の開口側に接続した接続端部35及び接続端部35から略U字状に形成した横U字部34、並びに横U字部32と横U字部34とを接続する相互干渉部33によって構成されている。
なお、相互干渉部33は、少なくとも、弾性連結する相互接続部30の略中央に形成したスイッチ操作部10と角形スイッチ操作部20との相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在とするものである。
また、相互接続部30の略S字状とは、見方によっては2個のU字状が結合した形状であるともいえるが、本発明が実施できる範囲の弾性連結する略己字状、Z字状の形状を意味するものとする。
【0034】
丸形スイッチ操作部10と角形スイッチ操作部20との間を弾性連結する相互接続部30は、丸形スイッチ操作部10と角形スイッチ操作部20との中心を結ぶ直線の方向の動きを干渉する機能を有している。また、丸形スイッチ操作部10の押圧部12の押圧方向の押圧力によって、その丸形スイッチ操作部10の押圧力に並行する変位が横U字部32及び相互干渉部33及び横U字部34に加わる。しかし、その変位の多くは、横U字部32及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。即ち、相互干渉部33は、略U字状に形成し、その開口端部を横U字部32と横U字部34に接続しているから、当該略U字状の開口端部の変形による吸収によって、丸形スイッチ操作部10の変位は横U字部32及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。
【0035】
また、角形スイッチ操作部20はトグルスイッチの機能を有するように構成しており、角形スイッチ操作部20の図1の左端または右端を押圧することにより、その背後に配設された押釦スイッチを押圧し、何れか側の押釦スイッチをオンまたはオフさせるものである。このとき、接続端部35には角形スイッチ操作部20の回動力が伝わるが、角形スイッチ操作部20の変位は横U字部34及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部32にはその変位が殆ど現れない。
【0036】
このように、本実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、合成樹脂によって一体に成型されている。特に、操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20と、回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間を、略S字状に合成樹脂の弾性で連結する相互接続部30と、相互接続部30の略中央に形成した丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20からなるスイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在とした相互干渉部33を具備することから、その成型金型にスライドコア等を使用することなく射出成型でき、成型コストを廉価にすることができる。
【0037】
また、回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間を略S字状に弾性連結する相互接続部30は、主に、丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間方向の変位を許容し、また、相互接続部30の略中央に形成した丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間を結ぶ相互干渉部33は、丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20相互間方向に対して直線方向の変位を自在としたものであるから、押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10及び角形スイッチ操作部20からなるスイッチ操作部からスイッチの操作入力を行ったとき、対象の押圧部12または押圧部22に接続されたスイッチのみの動作を行わせることができる。したがって、操作入力方向または入力位置が異なる複合スイッチを一体に成型可能な複合スイッチの操作機構とすることができる。
【0038】
[実施の形態2]
図4は実施の形態2にかかる一体に成型可能な複合スイッチの操作機構である。実施の形態1では、押圧方向に操作する押釦スイッチの機能を有する丸形スイッチ操作部10、及びシーソー操作するトグルスイッチの機能を有する角形スイッチ操作部20を有している。しかし、本実施の形態では、2個の押圧方向に操作する押釦スイッチの機能を有する丸形スイッチ操作部10でスイッチ操作部を構成している。
【0039】
操作入力として押圧力を付与する2個の丸形スイッチ操作部10a,10bで操作部分が形成されている。丸形スイッチ操作部10a,10bは、所定の厚みで成型されており、その周囲には、各3個のリブ11a,11bが形成されている。各3個のリブ11a,11bは丸形スイッチ操作部10a,10bの各中心から放射状に180度以上の範囲に配設するのが望ましい。各3個のリブ11a,11bは他の部分と肉厚がほぼ同じである略直方体形状となっており、丸形スイッチ操作部10a,10bの中心線に並行する配設となっている。また、丸形スイッチ操作部10a,10bの内側には、補強のための肉厚部13a,13bが形成され、両押圧部12a,12bの機械的強度を上げている。
【0040】
図示しない意匠パネル40(図1参照)は、実施の形態1に示す意匠パネル40(図1参照)の裏面45の断面略コ字状の3個のスライド部41が上下対象に設けられ、丸形スイッチ操作部10a,10bの各3個のリブ11a,11bが挿入され、意匠パネル40の意匠面47に露出する押圧部12a,12bの押圧によって、丸形スイッチ操作部10a,10bの円筒状の中心軸方向に摺動自在になっており、押圧部12の中心軸線に沿って往復動動作が自在になっている。
【0041】
丸形スイッチ操作部10a,10b相互間を弾性連結する相互接続部30は、丸形スイッチ操作部10a,10b相互間を結ぶ直線の方向の動きを干渉する機能を有している。また、丸形スイッチ操作部10aの円筒状の中心軸方向の押圧力によって、その丸形スイッチ操作部10aの押圧力に並行する変位が横U字部32及び相互干渉部33及び横U字部34に加わる。しかし、その変位は横U字部32及び相互干渉部33の開口の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。即ち、相互干渉部33は、略U字状に形成し、その開口端部を横U字部32と横U字部34に接続しているから、当該略U字状の開口端部による吸収によって、丸形スイッチ操作部10aの変位は横U字部32及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。
逆に、丸形スイッチ操作部10b側から見ても、接続端部35には丸形スイッチ操作部10bの押圧力が伝わるが、丸形スイッチ操作部10bの変位は横U字部34及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部32にはその変位が殆ど現れない。
【0042】
[実施の形態3]
図5は実施の形態3にかかる一体に成型可能な複合スイッチの操作機構である。実施の形態1では、押圧方向に操作する押釦スイッチの機能を有する丸形スイッチ操作部10、及びシーソー操作するトグルスイッチの機能を有する角形スイッチ操作部20からなるスイッチ操作部を有している。しかし、本実施の形態では、2個のシーソー操作するトグルスイッチの機能を有する角形スイッチ操作部20でスイッチ操作部を構成することもできる。
【0043】
操作入力としてシーソー操作するトグルスイッチの機能を有する角形スイッチ操作部20a,20bで操作部分が形成されている。角形スイッチ操作部20a,20bは、所定の厚みで成型されており、その中心位置の上下には、各2個の回動軸21a,21bが形成されている。各2個の回動軸21a,21bは角形スイッチ操作部20a,20bの回動中心の中心線上に配設するのが望ましい。各2個の回動軸21a,21bは円柱状(正確には一部で接続端部31または接続端部35と接合され一体化されている。)で所定の機械的強度が維持されるように形成されている。また、角形スイッチ操作部20a,20bの内側には、補強のための肉厚部23a,23bが形成され、両押圧部22a,22bの機械的強度を上げている。
【0044】
図示しない意匠パネル40は、実施の形態1に示す意匠パネル40の下側半分を上下の中央線対称とした構造を有するものである。
実施の形態1に示す意匠パネル40の裏面45の略逆Ω字状の軸受43に角形スイッチ操作部20a,20bの各2個の回動軸21a,21bが回動自在に装着され、かつ、意匠パネル40の嵌合孔44に露出する押圧部22a,22bが挿入され、2個の回動軸21a,21bを軸として、角形スイッチ操作部20a,20bの右側または左側を押圧することにより、回動軸21a,21b線に沿ってシーソー動作が自在になっている。
【0045】
角形スイッチ操作部20a,20b相互間を弾性連結する相互接続部30は、角形スイッチ操作部20a,20b相互間を結ぶ直線の方向の動きを干渉する機能を有している。また、角形スイッチ操作部20aの押圧力(結果は回動力となる)によって、その角形スイッチ操作部20aの押圧力として得た回転力に伴う変位が横U字部32及び相互干渉部33及び横U字部34に加わる。しかし、その変位は横U字部32及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。即ち、相互干渉部33は、略U字状に形成し、その開口端部を横U字部32と横U字部34に接続しているから、当該略U字状の開口端部による吸収によって、角形スイッチ操作部20の変位は横U字部32及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部34にはその変位が殆ど現れない。
逆に、角形スイッチ操作部20b側から見ても、接続端部35には角形スイッチ操作部20bの回転力が伝わるが、角形スイッチ操作部20bの変位は横U字部34及び相互干渉部33の弾性変化となり、横U字部32にはその変位が殆ど現れない。
【0046】
[実施の形態4]
本実施の形態4の一体成型してなる複合スイッチの操作機構を、図6に示す事例で説明する。
操作入力として押圧力を付与する2個の丸形スイッチ操作部10A,10Bと、操作入力としてトグルスイッチとして、図6の左右の押圧力を付与する2個の角形スイッチ操作部20A,20Bとで操作部分が形成されている。丸形スイッチ操作部10A,10B及び角形スイッチ操作部20A,20Bは、個々には実施の形態1と同様に形成されているので、その説明を省略する。
【0047】
意匠パネル40は、押圧部12A,12B及び押圧部22A,22Bの露出部分以外の一体成型してなる複合スイッチの操作機構を覆うものであり、側面46または意匠面47の裏面45には、図示しない押釦スイッチを配設した基板または複合スイッチケース側が用意されており、図示しない係合手段によって、両者が一体化するようになっている。即ち、図6に示すように、意匠パネル40の意匠面側には、押圧部12A,12B及び押圧部22A,22Bのみが露出している。
【0048】
意匠パネル40の裏面45には、各丸形スイッチ操作部10A,10Bの各3個のリブ11A,11Bを摺動自在とする断面略コ字状の各3個のスライド部41A,41Bが形成され、かつ、意匠パネル40の意匠面側に押圧部12A,12Bが露出するように、嵌合孔42A,42Bが形成されている。
また、裏面45には、各角形スイッチ操作部20A,20Bの各2個の回動軸21A,21Bを回動自在とする略逆Ω字状の軸受43A,43Bが形成され、かつ、意匠パネル40の意匠面側に押圧部22A,22Bが露出するように、嵌合孔44A,44Bが形成されている。
【0049】
意匠パネル40の裏面45の断面略コ字状の各3個のスライド部41A,41Bには、各丸形スイッチ操作部10A,10Bの3個のリブ11A,11Bが挿入され、意匠パネル40の意匠面側に露出する押圧部12A,12Bの押圧によって摺動自在になっており、押圧部12A,12Bの中心軸線に沿って往復動動作が自在になっている。
また、意匠面の裏面45には、略逆Ω字状の各軸受43A,43Bに各角形スイッチ操作部20A,20Bの2個の回動軸21A,21Bが回動自在に外力で押し付けて装着され、かつ、意匠パネル40の嵌合孔44A,44Bに露出する押圧部22A,22Bが挿入されており、2個の回動軸21A,21Bを軸として、各角形スイッチ操作部20A,20Bの右側または左側を押圧することにより、回動軸21A,21B線に沿ってシーソー動作が自在になっている。
【0050】
丸形スイッチ操作部10A,10Bと角形スイッチ操作部20A,20Bとの間には、略S字状或いは略己字状、Z字状に弾性連結する相互接続部30A,30Bが形成されている。弾性連結する相互接続部30A,30Bは、丸形スイッチ操作部10A,10Bの開口側に接続した接続端部31A,31B及び接続端部31A,31Bから略U字状に形成した横U字部32A,32B、同様に、角形スイッチ操作部20A,20Bの開口側に接続した接続端部35A,35B及び接続端部35A,35Bから略U字状に形成した横U字部34A,34B、並びに横U字部32A,32Bと横U字部34A,34Bとを接続する相互干渉部33A,33Bによって構成されている。
なお、相互干渉部33A,33Bは、弾性連結する相互接続部30A,30Bの略中央に形成したスイッチ操作部10A,10Bと角形スイッチ操作部20A,20Bとの相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在としている。
【0051】
丸形スイッチ操作部10A,10Bと角形スイッチ操作部20A,20Bとの間を弾性連結する相互接続部30A,30Bは、丸形スイッチ操作部10A,10Bと角形スイッチ操作部20A,20Bとの中心を結ぶ直線の方向の動きを干渉する機能を有している。また、丸形スイッチ操作部10A,10Bの押圧力によって、その丸形スイッチ操作部10A,10Bの押圧力に並行する変位が横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33B及び横U字部34A,34Bに加わる。しかし、その変位は横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化となり、横U字部34A,34Bにはその変位が殆ど現れない。即ち、相互干渉部33A,33Bは、略U字状に形成し、その開口端部を横U字部32A,32Bと横U字部34A,34Bに接続しているから、当該略U字状の開口端部による吸収によって、丸形スイッチ操作部10A,10Bの変位は横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化となり、横U字部34A,34Bにはその変位が殆ど現れない。
【0052】
また、角形スイッチ操作部20A,20Bはトグルスイッチの機能を有するように構成しており、角形スイッチ操作部20A,20Bの図1の左端または右端を押圧することにより、その背後に配設された押釦スイッチを押圧し、何れか側の押釦スイッチをオンまたはオフさせるものである。このとき、接続端部35A,35Bには角形スイッチ操作部20A,20Bの回動力が伝わるが、角形スイッチ操作部20A,20Bの変位は横U字部34A,34B及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化となり、横U字部32A,32Bにはその変位が殆ど現れない。
【0053】
また、丸形スイッチ操作部10Aと角形スイッチ操作部20Aと、丸形スイッチ操作部10Bと角形スイッチ操作部20B相互間を接続する相互接続部30A,30Bには、相互接続部30A,30B相互間を弾性連結する連結部50を具備する。図6の連結部50は、略U字状に形成している。連結部50は相互接続部30A,30Bの連結を略U字状にした開口端部で行っている。
【0054】
したがって、丸形スイッチ操作部10A,10Bの押圧力によって、その丸形スイッチ操作部10A,10Bの押圧力に並行する変位が横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33B及び相互接続部30A,30B、横U字部34A,34Bに加わる。しかし、その変位は横U字部32A,32Bその中間から分岐した相互接続部30A,30Bの弾性変化及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化となり、特に、横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化は、横U字部32A,32Bの単独に比較して相互接続部30A,30Bの弾性変化が加わることで2倍の負荷となり、横U字部34A,34Bにはその変位が殆ど現れない。即ち、相互干渉部33A,33Bは、略U字状に形成し、その開口端部を横U字部32A,32Bと横U字部34A,34Bに接続しているが、当該略U字状の開口端部による吸収によって、丸形スイッチ操作部10A,10Bの変位は横U字部32A,32B及び相互干渉部33A,33Bの弾性変化及び相互接続部30A,30Bの弾性変化となり、横U字部34A,34Bにはその変位が殆ど現れない。
【0055】
[実施の形態5]
本実施の形態5の一体成型してなる複合スイッチの操作機構を、図7に示す事例で説明する。
操作入力として押圧力を付与する2個の丸形スイッチ操作部10A,10Bと、操作入力としてトグルスイッチとしての図1の左右の押圧力を付与する2個の角形スイッチ操作部20A,10Bとで操作部分が形成されている。丸形スイッチ操作部10A,10B及び角形スイッチ操作部20A,20Bは、個々には実施の形態1と同様に形成されているので、その説明を省略する。
本実施の形態5と実施の形態4との相違点は、実施の形態4が横U字部32A,32Bその中間から分岐した連結部50の弾性変化を略U字状の開口端部による吸収によって行っているのを、実施の形態5は横U字部32A,32Bの中間から分岐した連結部60の弾性変化を略S字状の開口端部による吸収によって行っている。この略S字状の開口端部の連結部50は、金型が開けることのできるような略U字状の反転繰り返しであればよく、蛇行させてジグザグに形成してもよい。
この実施の形態の連結部60では、実施の形態4の連結部50よりもストレスの伝達が少なくなり、機械的なスイッチ耐用動作回数を増加させることができる。
【0056】
[実施の形態のまとめ]
ところで、上記実施の形態のスイッチ操作部は、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bの事例で説明したが、本発明を実施する場合には、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bに限定されるものではなく、その形状は格別本発明の実施を限定するものではなく、任意の計上とすることができる。
【0057】
このように、本実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、合成樹脂によって一体に成型されている。特に、操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する2個以上の、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部と、回動及び/または往復動する、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を略S字状に合成樹脂の弾性で連結する相互接続部30,30A,30Bと、相互接続部30,30A,30Bの略中央に形成した、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して直角方向の移動を自在とした相互干渉部33を具備する構成であるから、その成型金型にスライドコア等を使用することなく成型でき、成型コストを廉価にすることができる。
【0058】
また、回動及び/または往復動する、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を略S字状に弾性連結する相互接続部30,30A,30Bは、主に、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間方向の変位を許容し、また、相互接続部30,30A,30Bの略中央に形成した、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を結ぶ相互干渉部33は、例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間方向に対して直線方向の変位を自在としたものであるから、押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する2個以上の例えば、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部からスイッチの操作入力を行ったとき、対象の押圧部12,12a,12b,12A,12Bまたは押圧部22,22a,22b,22A,22Bに接続されたスイッチのみの動作を行わせることができる。したがって、操作入力方向または入力位置が異なる複合スイッチを一体に成型可能な複合スイッチの操作機構とすることができる。
【0059】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、更に、回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の押圧部12,12a,12b,12A,12B及び押圧部22,22a,22b,22A,22Bの一部を露出する意匠パネル40を具備するものであるから、意匠パネル40と対にして一体成型してなる複合スイッチの操作機構を組み付けることにより、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整設定を容易に行うことができる。
なお、上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、意匠パネル40側に取り付けることも、本体のケース側に設けることもできるが、スイッチ機構との接合のために、組み付け易い回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の一部を露出する意匠パネル40側に配設するものが好ましい。
【0060】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構は、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲に、往復動を許容する複数のリブ11を形成したものであるから、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲のリブ11,11a,11b,11A,11Bが往復動のみを許容することから、意匠パネル40または本体のケース側との間で、往復動のみを規制でき、他の構造を使用することなく、複合スイッチの操作機構を構成できる。
特に、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲の複数のリブ11,11a,11b,11A,11Bは、往復動を許容するものでよく、意匠パネル40または本体のケース側との間で、往復動のみが可能な結合関係がある手段であればよい。
【0061】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲には、回動を許容する回動軸21,21a,21b,21A,21Bを形成したものであるから、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲の回動軸21,21a,21b,21A,21Bが回動のみを許容することから、意匠パネル40または本体のケース側との間で、回動のみを規制でき、他の構造を使用することなく、複合スイッチの操作機構を構成できる。
また、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲の回動軸21,21a,21b,21A,21Bは、回動を許容するものであればよいことから、意匠パネル40または本体のケース側との軸受43,43A,43Bで、回動のみが可能な結合関係がある手段であればよい。
【0062】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部は、その周囲に、意匠パネル40の裏面45で規制する往復動を許容する複数のリブ11,11a,11b,11A,11Bを形成したものであるから、意匠パネル40と丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなる複合スイッチの操作機構との対が組み立てられ、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整を容易に行うことができる。特に、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲の複数のリブ11,11a,11b,11A,11Bは、往復動を許容するものでよいことから、意匠パネル40側との間で、往復動のみが可能な結合関係が維持できる構造であればよい。
【0063】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部は、その周囲に、意匠パネル40の裏面45で規制する回動を許容する回動軸21,21a,21b,21A,21Bを形成したものであるから、意匠パネル40と丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなる複合スイッチの操作機構との対が組み立てられ、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部からスイッチ機構の操作入力の機械的エネルギの伝達の調整を容易に行うことができる。
なお、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の周囲の回動軸21,21a,21b,21A,21Bは、回動を許容するものでよいことから、意匠パネル40側との軸支受43,43A,43B間で、回動のみが可能な結合関係が維持できる構造であればよい。
【0064】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部は、更に、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を接続する相互接続部30,30A,30Bに、相互接続部30,30A,30Bの相互間を弾性連結する連結部50,60を具備するものであるから、操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる回動及び/または往復動する丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部を必要に応じて任意数形成することができる。
なお、前記連結部50,60は、相互接続部30,30A,30Bの相互間を弾性連結するものであり、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部の相互間に三次元的な変化が伝達されない構造であればよい。
【0065】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の相互接続部30,30A,30Bに形成した相互干渉部33,33A,33Bは、略U字形または略S字形としたものであるから、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を弾性連結し、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間に歪を付与することなく、弾性変形でき、長寿命とすることができる。
なお、相互干渉部33,33A,33Bは、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を弾性連結するものであり、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間に、丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対して、少なくとも、直角方向の移動を自在とするものであればよい。勿論、好ましくは、三次元的な変化が伝達されないものがよい。
【0066】
上記実施の形態の一体成型してなる複合スイッチの操作機構の丸形スイッチ操作部10,10a,10b,10A,10B及び/または角形スイッチ操作部20,20a,20b,20A,20Bからなるスイッチ操作部は、各スイッチ操作部の中心を、少なくとも単一の直線上に配置したものであるから、1列または複数列に整然と配列させて設置することができる。なお、各スイッチ操作部の中心を少なくとも単一の直線上に配置したものは、1列または複数列形成できればよい。
【0067】
ところで、上記実施の形態の相互接続部30は、スイッチ操作部の開口側に接続した接続端部31及び接続端部31から略U字状に形成した横U字部32、同様に、スイッチ操作部の開口側に接続した接続端部35及び接続端部35から略U字状に形成した横U字部34、並びに横U字部32と横U字部34とを接続する相互干渉部33によって構成されている。このスイッチ操作部と相互接続部30の接続、相互接続部30間の連結部50,60との接続には、機械的強度が急変しないように、ストレスが特定の箇所に集中しないように、滑らかな結合を行う必要がある。
即ち、上記実施の形態では均一な幅及び厚みで、相互接続部30、連結部50,60を形成しているが、実施物においては、機械的強度が急変しないように、ストレスが特定の箇所に集中しないように、滑らかな結合を行うように、幅、厚みの処理を行う必要がある。
【符号の説明】
【0068】
10,10a,10b,10A,10B 丸形スイッチ操作部
11,11a,11b,11A,11B リブ
12,12a,12b,12A,12B 押圧部
20,20a,20b,20A,20B 角形スイッチ操作部
21,21a,21b,21A,21B 回動軸
22,22a,22b,22A,22B 押圧部
30,30A,30B 相互接続部
32,34 横U字部
33 相互干渉部
40 意匠パネル
43,43A,43B 軸受
50,60 連結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作入力として押圧力を付与する力の方向または押圧力を付与する位置が異なる2個以上のスイッチ操作部と、
前記スイッチ操作部相互間を略S字状に弾性連結する相互接続部と、
前記相互接続部の略中央に形成した前記スイッチ操作部相互間を結ぶ直線方向に対する直角方向の移動を自在とした相互干渉部と
を具備することを特徴とする一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項2】
更に、前記スイッチ操作部の一部を露出する意匠パネルを具備することを特徴とする請求項1に記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項3】
前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲には、往復動を許容する複数のリブを形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項4】
前記スイッチ操作部の少なくとも1個は往復動するものであり、前記スイッチ操作部の周囲には、回動を許容する回動軸を形成したことを特徴とする請求項1に記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項5】
前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する往復動を許容する複数のリブを形成したことを特徴とする請求項3に記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項6】
前記スイッチ操作部は、その周囲に、前記意匠パネルの裏面で規制する回動を許容する回動軸を形成したことを特徴とする請求項4に記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項7】
更に、前記スイッチ操作部相互間を接続する相互接続部には、前記相互接続部の相互間を弾性連結する連結部を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項8】
前記相互接続部に形成した相互干渉部は、略S字形または略U字形またはその繰り返しによるジグザグとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。
【請求項9】
前記スイッチ操作部は、各スイッチ操作部の中心を、少なくとも単一の直線上に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1つに記載の一体成型してなる複合スイッチの操作機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−49057(P2011−49057A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197109(P2009−197109)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】