説明

一軸剪断式破砕機

【課題】回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、被破砕物の破砕効率を向上させた一軸剪断式破砕機を提供する。
【解決手段】一軸剪断式破砕機1において、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の肩部8dには突起部8eが設けられている。この突起部8eは、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aに隣接する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を、回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば都市ごみ、産業廃棄物等の被破砕物を破砕する一軸剪断式破砕機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、都市ごみ、産業廃棄物等の被破砕物を破砕する一軸剪断式破砕機として、例えば、図22乃至図28に示すもの(特許文献1参照)が知られている。図22は、従来例の一軸剪断式破砕機の断面図である。図23は、図22に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、(A)は回転刃の刃部の刃先が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図、(B)は(A)における矢印23Bで示す部分の拡大図である。図24は、図22に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、(A)は回転刃の刃部の刃元が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図、(B)は(A)の状態から回転刃の回転が進行した状態の断面模式図である。図25は、図24(A)における矢印25−25から見た模式図である。図26は、図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転体の部分正面図である。図27は、図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転刃組立体の分解斜視図である。図28は、図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる固定刃組立体の部分平面図である。
【0003】
図22に示す一軸剪断式破砕機101は、被破砕物Wを破砕するものであって、内部に破砕室103を形成した破砕機体102を備えている。破砕機体102の破砕室103内には、回転軸104が回転可能に設けられている。回転軸104の外周には、回転軸104とともに回転可能な回転体105が設けられている。
【0004】
この回転体105の外周には、図22及び図26に示すように、複数の回転刃組立体106が取り付けられている。各回転刃組立体106は、後述する固定刃組立体110の固定刃111と協働して被破砕物Wを破砕する回転刃107と、回転刃107を支持する回転刃支持ホルダ108とを備えている。回転体105の外周面には、図26に示すように、円周方向に延びる複数個の弧状溝105aが軸方向に沿って並列に形成されている。各弧状溝105aには、回転刃組立体106を取付けるための取付溝105bが設けられている。取付溝105bは、円周方向に沿って所定ピッチで複数個形成され、軸方向に沿って隣り合う取付溝105bの位相が少しずつずれるように形成されている。このため、取付溝105bに取り付けられた回転刃組立体106の回転刃107は、円周方向に沿って所定ピッチで複数個配置されるとともに、軸方向に沿って隣り合う回転刃107の位相が少しずつずれるように配置される。
【0005】
回転刃107は、図27に示すように、正方形断面の角柱状に形成され、その表面の四個の稜線のうちの略V字状をなして隣り合う二つの稜線及び残りの略V字状をなして隣り合う二つの稜線をそれぞれ刃部107aとしている。回転刃107は、刃部107aの摩耗状況を見て裏返して用い、その裏面の四個の稜線のうちの略V字状をなして隣り合う二つの稜線及び残りの略V字状をなして隣り合う二つの稜線もそれぞれ刃部107aとしている。
【0006】
回転刃支持ホルダ108は、図27に示すように、角ブロック状のホルダ本体108aを備えている。ホルダ本体108aの前面側には、回転刃107を収容する回転刃収容凹部108bが形成されている。回転刃収容凹部108bは、図27に示すように、ホルダ本体108aの幅方向の中央部において上側に開いた互いになす角度が90度のV字状凹部に形成されている。回転刃支持ホルダ108の回転刃収容凹部108bには、図27に示すように、回転刃107がその表面107b側を前面側にして収容され。回転刃107は取付ボルト107dにより取付孔108c及びねじ孔107cを介して回転刃支持ホルダ108に取り付けられる。回転刃ホルダ組立体106は、回転体105の取付溝105bに回転刃107を前側にして取付ボルト107eにより取り付けられる。
【0007】
また、破砕機体102の破砕室103内には、図22に示すように、固定刃組立体110が設けられている。固定刃組立体110は、回転刃107と協働して被破砕物Wを破砕する複数の固定刃111と、固定刃111を取り付けた取付座体112とを備えている。
複数の固定刃111は、図28に示すように、並列方向(図28における左右方向)に並べられて取付座体112に取り付けられる。各固定刃111は、略矩形状板で構成され、回転刃107の刃部107aに対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなる複数の刃部111aを備えている。略V字状をなす固定刃111の刃部111aは、取付座体112の一端縁(図28における下端縁)に並列に複数並べて形成されている。
【0008】
各刃部111aは、図23(A)及び図28に示すように、固定刃111の表面(図23(A)において上側の面)と裏面との双方に形成されている。被破砕物Wの破砕に際しては、図23(A),(B)に示すように、表面側の刃部111aを用いるが、刃部111aの摩耗状況を見て裏返して用い、その場合、裏面側に形成されている刃部111aを用いる。
【0009】
取付座体112は、図28に示すように、表面側に固定刃111を取り付けるための取付凹部112aを備えている。固定刃111は、刃部111aが取付座体112から突出するように取付凹部112aに取り付けられる。固定刃111の取付けに際しては、調節ボルト114及びナット115により刃部111aの突出量を調節しておいてから、固定刃111に形成された長孔111eを介して取付けボルト113により固定刃111を着脱自在に取付座体112に取付固定する。そして、図23(A)に示すように、固定刃111の刃部111aが回転体105の方に向くようにして取付座体112が破砕機体102に取り付けられ、これにより固定刃組立体110が破砕機体102に取り付けられる。
【0010】
ここで、固定刃組立体110は、図22に示すように、固定刃111の表面としてのすくい面111bが水平軸線Lに対して回転軸104に向かって前下がり状に角度α分傾斜配置されている。また、固定刃組立体110は、固定刃111のすくい面111bが回転軸104の中心軸Oに対して距離E分ずらして配置されている。これにより、図23(A)に示すように、回転刃107の回転方向前面であるすくい面と固定刃111の表面であるすくい面111bとが剪断開始時において剪断角度θとなるように配置されている。
【0011】
被破砕物Wの破砕に際し、回転刃107の刃部107aは、回転軸104の中心軸Oを中心に円運動をし、刃部107aの刃先107aaの回転軌跡は、図23(A)に示すように、Cとなる。一方、固定刃111の各刃部111aは、V字状の隣り合う稜線が凹曲線状となる形状に形成されている。そして、図23(A)に示すように、回転刃107の刃部107aの刃先107aaが固定刃110のすくい面111b上にきたときに、図23(B)に示すように、回転刃107の刃部107aの刃先107aaと固定刃111の刃部111aと隙間がΔ1となるように固定刃111の刃部111aが形成されている。そして、固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dは、刃部107aの回転軌跡面と可及的に近接する近接面に形成されている。
【0012】
そして、破砕機体102の回転体105の下方位置には、図22に示すように、複数の排出孔109aを有するスクリーン板109が設置されている。
このように構成された一軸剪断式破砕機101において、図22に示すように、被破砕物Wが破砕室103内に投入される。一方、回転体105に取り付けられた回転刃107は回転している。投入された被破砕物Wは、回転する回転刃107の刃部107aに引っ掛けられて固定刃110の刃部110aのところに至る。そして、回転刃107の刃部107aの回転が続行すると、回転刃107の刃部107aと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間において、被破砕物Wは、回転する回転刃107の刃部107aに引きずられる。回転刃107の固定刃111に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力と、前記隙間において被破砕物Wを引きずる被破砕物Wに対する引張力との相乗効果により、被破砕物Wは破砕される。そして、破砕された被破砕物Wは下方にあるスクリーン板109の排出孔109aから外部に排出されるのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特許第4164811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、図22乃至図28に示した従来の一軸剪断式破砕機101にあっては、以下の問題点があった。
即ち、図23(A),(B)に示すように、回転刃107の刃部107aの刃先107aaが固定刃110のすくい面111b上にきたときに、回転刃107の刃部107aの刃先107aaと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間はΔ1と小さくなっている。
【0015】
また、回転刃107の回転が続行し、図24(A)に示すように、回転刃107の刃部107aの刃元107abが固定刃110のすくい面111b上にくる。このときには、図25に示すように、回転刃107の刃部107aの刃先107aaと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間はΔ1となっている。また、回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間はΔ2である。
【0016】
一方、回転刃107の刃部107aの刃元107abが固定刃110のすくい面111b上にきたときには、図25に示すように、回転刃支持ホルダ108の肩部108cと、回転刃107の刃部107aと対向する固定刃111の刃部111aに隣接する刃部111aを含む逃げ面111dとの間には、Δ1やΔ2と比較してとても大きな隙間Aが存在する。
このような大きな隙間Aが、回転刃ホルダ108の肩部108cと、回転刃107の刃部107aと対向する固定刃111の刃部111aに隣接する刃部111aを含む逃げ面111dとの間に存在すると、次の問題が生じることになる。
【0017】
即ち、回転刃107が回転して固定刃111と協働して被破砕物Wを破砕している際に、被破砕物Wが、当該隙間Aからすり抜け、破砕されずにスクリーン板109上に落下することがあった。このように、破砕されずにスクリーン板109上に落下した被破砕物Wは、再度、破砕機によって破砕する必要があり、破砕効率が極めて悪かった。特に、回転刃支持ホルダ108の材質は、加工を容易にするために比較的軟質の炭素鋼等が用いられている。このため、破砕を長期にわたり繰り返すと、回転刃ホルダ108の肩部108cが摩耗し、ますます当該隙間Aが大きくなってしまう傾向にある。隙間Aが大きくなると、被破砕物Wのすり抜け量が多くなり、ますます破砕効率が悪くなってしまうという問題点があった。
【0018】
また、図22、図23(A)及び図24(A)に示すように、固定刃111の刃部111aの先端は、固定刃111の板厚方向に沿う平坦面111cで形成されている。
前述したように、回転刃107の刃部107aの刃元107abが固定刃110のすくい面111b上にきたときには、図25に示すように、回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間はΔ2となっている。このとき、回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの隙間と、回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間とは、同等で、当該回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間は、比較的小さくΔ2となっている。
【0019】
しかし、図24(B)に示すように、回転刃107がさらに回転し回転刃107の刃部107aが固定刃111の平坦面111cの中央部に交差する位置にくると、当該回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間(回転刃107の刃部107aに沿う長さ)は、図24(B)に示すように、Δ2からΔ3に広がってしまう。この回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間は、回転刃107の回転が続行するとさらに大きくなる。この理由は、固定刃111の刃部111aの先端が平坦面で形成されているからである。
【0020】
回転刃107が固定刃111を通過するまで、当該回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間が小さいままなら問題はないが、当該隙間が大きくなると、回転刃107が回転して固定刃111と協働して被破砕物Wを破砕している際に、被破砕物Wが、当該隙間からすり抜け、破砕されずにスクリーン板109上に落下することがあった。
従って、本発明はこれら従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、被破砕物の破砕効率を向上させた一軸剪断式破砕機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る一軸剪断式破砕機は、内部に破砕室を形成した破砕機体と、前記破砕室内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸の外周に前記回転軸とともに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の外周に取り付けられた回転刃組立体と、前記破砕室内に設けられた固定刃とを備え、前記回転刃組立体が、前記固定刃と協働して被破砕物を破砕する回転刃と、該回転刃を支持する回転刃支持ホルダとを備え、前記回転刃の刃部が略V字状をなして隣り合う二つの直線状の稜線からなり、前記固定刃の刃部が前記回転刃の刃部としての二つの直線状の稜線に対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなると共に、前記固定刃の刃部を並列に複数並べて形成した一軸剪断式破砕機であって、前記回転刃の刃部の刃元側に位置する前記回転刃支持ホルダの肩部に突起部を設けたことを特徴としている。
【0022】
また、この一軸剪断式破砕機において、前記突起部を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部に隣接する固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成してもよい。
また、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃支持ホルダは、回転方向である前後方向及び回転軸方向である幅方向に延びる角ブロック状のホルダ本体と、該ホルダ本体の回転方向前側に形成されたV字形に凹む回転刃収容凹部と、該回転刃収容凹部の回転方向後側に形成され、前記ホルダ本体から上方にV字形に突出するV字形突起部とを備え、前記V字状突起部の頂線を含む外形形状を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成してもよい。
【0023】
また、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、前記回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、前記回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成してもよい。
また、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃の刃部の刃元側に位置する前記回転刃支持ホルダの肩部に、前記固定刃の前記先鋭部との間の隙間を前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って回転方向に沿って一定間隔に保持する溝を形成してもよい。
このある態様に係る一軸剪断式破砕機において、「一定間隔に保持する」とは、回転刃の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。
【0024】
更に、本発明の他の態様に係る一軸剪断式破砕機は、内部に破砕室を形成した破砕機体と、前記破砕室内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸の外周に前記回転軸とともに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の外周に取り付けられた回転刃組立体と、前記破砕室内に設けられた固定刃とを備え、前記回転刃組立体が、前記固定刃と協働して被破砕物を破砕する回転刃と、該回転刃を支持する回転刃支持ホルダとを備え、前記回転刃の刃部が略V字状をなして隣り合う二つの直線状の稜線からなり、前記固定刃の刃部が前記回転刃の刃部としての二つの直線状の稜線に対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなると共に、前記固定刃の刃部を並列に複数並べて形成した一軸剪断式破砕機であって、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、前記回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、前記回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したことを特徴としている。
【0025】
この他の態様に係る一軸剪断式破砕機において、「一定間隔に保持する」とは、回転刃の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る一軸剪断式破砕機によれば、回転刃の刃部の刃元側に位置する回転刃支持ホルダの肩部に突起部を設けたので、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃支持ホルダの肩部と、回転刃の刃部と対向する固定刃の刃部に隣接する刃部を含む逃げ面との間に突起部が存在し、当該肩部と当該固定刃の逃げ面との間の隙間が小さくなる。これにより、被破砕物が、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を向上することができる。
【0027】
また、この一軸剪断式破砕機において、前記突起部を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部に隣接する固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成すれば、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃支持ホルダの突起部と、回転刃の刃部と対向する固定刃の刃部に隣接する固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物が、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を一層向上させることができる。回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダの突起部と固定刃の刃部を含む逃げ面との隙間において、被破砕物は、回転する回転刃支持ホルダの突起部に引きずられる。回転刃の固定刃に対する相対移動による被破砕物に対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダの突起部と固定刃の刃部を含む逃げ面との隙間において被破砕物を引きずる被破砕物に対する引張力の相乗効果により、被破砕物の破砕効率が向上する。
【0028】
更に、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃支持ホルダは、回転方向である前後方向及び回転軸方向である幅方向に延びる角ブロック状のホルダ本体と、該ホルダ本体の回転方向前側に形成されたV字形に凹む回転刃収容凹部と、該回転刃収容凹部の回転方向後側に形成され、前記ホルダ本体から上方にV字形に突出するV字形突起部とを備え、前記V字状突起部の頂線を含む外形形状を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成すれば、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃を支持する回転刃支持ホルダのV字状突起部の外形と回転刃の刃部と対向する固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物が、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を一層向上することができる。回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダのV字状突起部の外形と固定刃の刃部を含む逃げ面との隙間においても、被破砕物は、回転する回転刃支持ホルダの突起部に引きずられる。回転刃の固定刃に対する相対移動による被破砕物に対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダのV字状突起部の外形と固定刃の刃部を含む逃げ面との隙間において被破砕物を引きずる被破砕物に対する引張力の相乗効果により、被破砕物の破砕効率が向上する。
【0029】
また、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、前記回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、前記回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成すれば、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先端に設けた先鋭部との間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物が、固定刃の刃部の先端と回転刃との間の隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を一層向上することができる。回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先鋭部との隙間においても、被破砕物は、回転する回転刃の刃部に引きずられる。回転刃の固定刃に対する相対移動による被破砕物に対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先鋭部との隙間において被破砕物を引きずる被破砕物に対する引張力の相乗効果により、被破砕物の破砕効率が向上する。
【0030】
更に、この一軸剪断式破砕機において、前記回転刃の刃部の刃元側に位置する前記回転刃支持ホルダの肩部に、前記固定刃の先鋭部との間の隙間を前記回転支持ホルダの回転方向に沿って回転方向に沿って一定間隔に保持する溝を形成すれば、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃の刃部の刃元側に位置する回転刃支持ホルダの肩部に形成された溝と固定刃の刃部の先端に設けた先鋭部との間の隙間を一定にすることができ、これにより、被破砕物が、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を一層向上することができる。回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元側に位置する回転刃支持ホルダの肩部に形成された溝と固定刃の刃部の先鋭部との隙間においても、被破砕物は、回転する回転刃支持ホルダに形成された溝に引きずられる。回転刃の固定刃に対する相対移動による被破砕物に対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元側に位置する回転刃支持ホルダの肩部に形成された溝と固定刃の刃部の先鋭部との隙間において被破砕物を引きずる被破砕物に対する引張力の相乗効果により、被破砕物の破砕効率が向上する。
【0031】
また、本発明に係る一軸剪断式破砕機によれば、回転刃の刃部と対向する固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したので、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先端に設けた先鋭部との間の隙間を一定にすることができる。これにより、被破砕物が、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物の破砕効率を一層向上することができる。回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先鋭部との隙間においても、被破砕物は、回転する回転刃の刃部に引きずられる。回転刃の固定刃に対する相対移動による被破砕物に対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃の刃部の刃元と固定刃の刃部の先鋭部との隙間において被破砕物を引きずる被破砕物に対する引張力の相乗効果により、被破砕物の破砕効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る一軸剪断式破砕機の断面図である。
【図2】図1に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、(A)は回転刃の刃部の刃先が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図、(B)は(A)における矢印2Bで示す部分の拡大図である。
【図3】図1に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、回転刃の刃部の刃先が固定刃の逃げ面の頂点にきたときの状態の断面模式図である。
【図4】図1に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、回転刃の刃部の刃元が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図である。
【図5】図4における矢印5−5から見た模式図である。
【図6】図1に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、回転刃の刃部の刃先が固定刃の裏側のすくい面上にきたときの状態の断面模式図である。
【図7】図1に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、回転刃が固定刃を通過した後の状態の断面模式図である。
【図8】図1に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転体を示し、(A)は回転体の部分正面模式図、(B)は(A)における8B−8B線に沿う断面図である。
【図9】図1に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転刃組立体の分解斜視図である。
【図10】回転刃組立体を構成する回転刃支持ホルダを示し、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は左側面図である。
【図11】回転刃組立体を構成する回転刃支持ホルダを示し、(A)は図10(A)における11A−11A線に沿う断面図、(B)は図10(A)における11B−11B線に沿う断面図、(C)は図10(A)における矢印11C−11C方向から見た図である。
【図12】図1に示す一軸剪断式破砕機に用いられる固定刃組立体の部分平面図である。
【図13】固定刃組立体を構成する中央固定刃の斜視図である。
【図14】図13に示す中央固定刃を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図15】図13に示す中央固定刃を示し、(A)は右側面図、(B)は左側面図、(C)は背面図である。
【図16】固定刃組立体を構成する右側固定刃の斜視図である。
【図17】図16に示す右側固定刃を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図18】図16に示す右側固定刃を示し、(A)は右側面図、(B)は左側面図、(C)は背面図である。
【図19】固定刃組立体を構成する左側固定刃の斜視図である。
【図20】図19に示す左側固定刃を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図21】図19に示す左側固定刃を示し、(A)は右側面図、(B)は左側面図、(C)は背面図である。
【図22】従来例の一軸剪断式破砕機の断面図である。
【図23】図22に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、(A)は回転刃の刃部の刃先が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図、(B)は(A)における矢印23Bで示す部分の拡大図である。
【図24】図22に示す一軸剪断式破砕機における回転刃と固定刃の協働関係を説明するもので、(A)は回転刃の刃部の刃元が固定刃のすくい面上にきたときの状態の断面模式図、(B)は(A)の状態から回転刃の回転が進行した状態の断面模式図である。
【図25】図24(A)における矢印25−25から見た模式図である。
【図26】図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転体の部分正面図である。
【図27】図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる回転刃組立体の分解斜視図である。
【図28】図22に示す一軸剪断式破砕機に用いられる固定刃組立体の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示す一軸剪断式破砕機1は、被破砕物Wを破砕するものであって、内部に破砕室3を形成した破砕機体2を備えている。破砕機体2の破砕室3内には、回転軸4が回転可能に設けられている。回転軸4の外周には、回転軸4とともに回転可能な回転体5が設けられている。
【0034】
この回転体5の外周には、図1及び図8に示すように、複数の回転刃組立体6が取り付けられている。各回転刃組立体6は、後述する固定刃組立体10の固定刃11と協働して被破砕物Wを破砕する回転刃7と、回転刃7を支持する回転刃支持ホルダ8とを備えている。回転体5の外周面には、図8(A),(B)に示すように、円周方向に延びる複数個の弧状溝5aが軸方向に沿って並列に形成されている。各弧状溝5aには、回転刃組立体6を取付けるための取付溝5bが設けられている。取付溝5bは、円周方向に沿って所定ピッチで複数個形成され、軸方向に沿って隣り合う取付溝5bの位相が少しずつずれるように形成されている。このため、取付溝5bに取り付けられた回転刃組立体6の回転刃7は、円周方向に沿って所定ピッチで複数個配置されるとともに、軸方向に沿って隣り合う回転刃7の位相が少しずつずれるように配置される。
【0035】
回転刃7は、図9に示すように、正方形断面の角柱状に形成され、その表面7bの四個の稜線のうちの略V字状をなして隣り合う二つの稜線及び残りの略V字状をなして隣り合う二つの稜線をそれぞれ刃部7aとしている。回転刃7は、刃部7aの摩耗状況を見て裏返して用い、その裏面の四個の稜線のうちの略V字状をなして隣り合う二つの稜線及び残りの略V字状をなして隣り合う二つの稜線もそれぞれ刃部7aとしている。回転刃7の材質としては、例えば、超硬合金が使用される。
【0036】
回転刃支持ホルダ8は、図2及び図9に示すように、回転方向である前後方向及び回転軸方向である幅方向に延びる角ブロック状のホルダ本体8aを備えている。このホルダ本体8aの回転方向前側には、回転刃7を収容する回転刃収容凹部8bが形成されている。回転刃収容凹部8bは、図9及び図10(B)に示すように、ホルダ本体8aの幅方向の中央部において上側に開いた互いになす角度が90度のV字形に凹んでいる。そして、ホルダ本体8aの回転刃収容凹部8bの回転方向後側には、ホルダ本体8aからV字形に突出するV字形突起部8cが設けられている。V字形突起部8cの形状については、後に詳述する。また、ホルダ本体8aには、回転刃収容凹部8bの幅方向両側からV字形突起部8cの幅方向両側にかけて前後方向に延びる1対の肩部8dが形成されている。各肩部8dは、回転刃7を回転刃収容凹部8bに収容したときに回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する。各肩部8dには、突起部8e及び溝8fが設けられている。突起部8e及び溝8fについては、後に詳述する。回転刃支持ホルダ8の材質としては、例えば、耐摩耗性に優れた低合金鋼が使用される。
【0037】
回転刃支持ホルダ8の回転刃収容凹部8bには、図9に示すように、回転刃7がその表面7b側を前面側にして収容される。回転刃7は取付ボルト7dにより取付孔8j及びねじ孔7cを介して回転刃支持ホルダ8に取り付けられる。この際、刃部7aの刃先7aaが上側に、刃部7aの刃元7abが下側になるように回転刃7を取り付ける。回転刃組立体6は、回転体5の取付溝5bに回転刃7を前側にして、回転刃支持ホルダ8に形成された取付孔8iを介して取付ボルト7eにより取り付けられる。
【0038】
また、破砕機体2の破砕室3内には、図1に示すように、固定刃組立体10が設けられている。固定刃組立体10は、回転刃7と協働して被破砕物Wを破砕する複数の固定刃11と、固定刃11を取り付けた取付座体12とを備えている。
複数の固定刃11は、図12に示すように、並列に並べられて取付座体12に取り付けられる。具体的には、図13乃至図15に示す中央の固定刃11と、この中央の固定刃11の右側に配置された、図16乃至図18に示す右側の固定刃11と、中央の固定刃11の左側に配置された、図19乃至図21に示す左側の固定刃11とが、並列に並べられて取付座体12に取り付けられる。
【0039】
中央、右側及び左側の各固定刃11は、基本構成及び基本形状は同一であるので、図13乃至図15に示す中央の固定刃11の構成のみについて説明する。中央の固定刃11は、図13乃至図15に示すように、略矩形状板で構成され、回転刃7の刃部7aに対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなる複数の刃部11aを備えている。刃部11aは、図14(B)、図15(A),(B)に示すように、固定刃11の表面(すくい面11b)と裏面との双方に形成されている。刃部11aは、固定刃11の一端縁(図12における下端縁)に沿って並列に並べて複数形成されている。また、固定刃11の表裏面に形成された各刃部11aからは、固定刃11の板厚方向中央に向けて延びる逃げ面11dが形成されている。各逃げ面11dの形状については、後に詳述する。また、固定刃11の表裏面に形成された刃部11aの先端には、先鋭部11cが形成されている。先鋭部11cの形状についても、後に詳述する。被破砕物Wの破砕に際しては、図1に示すように、表面側の刃部11aを用いるが、刃部11aの摩耗状況を見て裏返して用い、その場合、裏面側に形成されている刃部11aを用いる。固定刃11の材質としては、例えば、合金工具鋼が使用される。
【0040】
取付座体12は、図12に示すように、表面側に各固定刃11を取り付けるための取付凹部12aを備えている。各固定刃11は、刃部11aが取付座体12から突出するように取付凹部12aに取り付けられる。各固定刃11の取付けに際しては、調節ボルト14及びナット15により刃部11aの突出量を調節しておいてから、固定刃11に形成された長孔11eを介して取付けボルト13により固定刃11を着脱自在に取付座体12に取付固定する。そして、図1に示すように、固定刃11の刃部11aが回転体5の方に向くようにして取付座体12が破砕機体2に取り付けられ、これにより固定刃組立体10が破砕機体2に取り付けられる。
【0041】
ここで、固定刃組立体10は、図1に示すように、固定刃11の表面としてのすくい面11bが水平軸線Lに対して回転軸4に向かって前下がり状に角度α分傾斜配置されている。また、固定刃組立体10は、固定刃11のすくい面11bが回転軸4の中心軸Oに対して距離E分ずらして配置されている。これにより、図2(A)に示すように、回転刃7の回転方向前面であるすくい面と固定刃11の表面であるすくい面11bとが剪断開始時において剪断角度θとなるように配置されている。
被破砕物Wの破砕に際し、回転刃7の刃部7aは、回転軸4の中心軸Oを中心に円運動をする。回転刃7の刃部7aの刃先7aaの回転軌跡は、図2(A)、図3、図4、図6及び図7に示すように、Hとなる。
【0042】
一方、固定刃11の刃部11aは、V字状の隣り合う稜線が凹曲線状となる形状に形成されている。そして、図2(B)に示すように、回転刃7の刃部7aの刃先7aaが固定刃11のすくい面11b上にきたときに、回転刃7の刃部7aの刃先7aaと固定刃11の刃部11aと隙間がδ1となるように固定刃11の刃部11aが形成されている。そして、固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dの形状は、回転刃7の刃部7aとの間の隙間を回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成されている。ここで、「一定間隔に保持する」とは、回転刃7の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。図4に示すように、回転刃7の刃部7aの刃元7abが固定刃11のすくい面11b上にきたときには、図5に示すように、回転刃7の刃部7aの刃先7aaと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dと隙間は、一定に保持されδ1のままである。一方、回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dと隙間は、δ1よりもやや大きくδ2である。回転刃7の刃部7aと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間は、回転刃7の刃先7aaから刃元7abにかけてδ1からδ2にかけて斬次増加し、この隙間が回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持されている。隙間δ1は、回転刃7の刃部7aの刃先7aaと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間が可及的に近接するように維持されていればよい。また、隙間δ2は、隙間δ1よりも大きいが、回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間が可及的に近接するように維持されていればよい。
【0043】
ここでは隙間δ2が隙間δ1よりやや大きい場合の態様を説明したが、本発明においてはこの態様に限定されず、隙間δ2は隙間δ1と同等あるいは小さくても構わない。
そして、固定刃11の刃部11aの先端に設けられた先鋭部11cの形状は、刃部11aの先端から尖るように形成され、回転刃7の刃部7aの刃元7abとの間の隙間を回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持する形状になっている。ここで、「一定間隔に保持する」とは、回転刃7の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。即ち、図5に示すように、回転刃7の刃部7aの刃元7abが固定刃11のすくい面11b上にきたときには、回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dと隙間は、δ2である。この回転刃7の刃部7aの刃元7abが固定刃11のすくい面11b上にきたときの、回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間と、回転刃7の刃部7aの刃元7abと先鋭部11cとの間の隙間とは同一であり、δ2である。先鋭部11cの形状は、当該隙間を、回転刃7の回転方向に沿って一定間隔δ2に保持するように形成されている。具体的に述べると、図4において、回転刃7の刃部7aの刃元7abの回転軌跡Fと先鋭部11cの先端部との間がδ2となるように、先鋭部11cは形成されている。
【0044】
また、回転刃支持ホルダ8は、被破砕物Wの破砕に際し、回転軸4の中心軸Oを中心に円運動をする。回転刃支持ホルダ8は、前述したように、ホルダ本体8aの回転刃収容凹部8bの回転方向後側にV字状突起部8cを備えている。このV字状突起部8cの頂線8hを含む外形形状は、固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成されている。ここで、「一定間隔に保持する」とは、回転刃7の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。具体的に述べると、V字状突起部8cの頂線8hは、図10(C)に示すように、回転軸4の中心軸Oからの半径がHlの円弧状に形成されている。そして、半径がHlの円弧状の頂線8hの回転軌跡と、回転刃7の刃部7aの刃先7aaの回転軌跡Hとが同一になっている。従って、V字状突起部8cの頂線8hと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dと隙間は、V字状突起部8cの頂線8hが固定刃11のすくい面11b上にきてから固定刃11の先端部を通り過ぎるまで一定に保持され、図5に示すδ1である。一方、回転刃支持ホルダ8の刃元7ab側の肩部8d(V字状突起部8cの付け根の部分)には、図10(A),(B),(C)及び図11(A),(B),(C)に示すように、回転軸4の中心軸Oからの半径がFlの円弧状に形成された溝底8gを有する溝8fが形成されている。そして、半径がFlの円弧状の溝底8gの回転軌跡と、回転刃7の刃部7aの刃元7abの回転軌跡Fとが同一になっている。従って、溝8fの円弧状溝底8gと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間、具体的には、溝8fの円弧状溝底8gと固定刃11に設けられた先鋭部11cとの間の隙間は、溝8fの円弧状溝底8gが固定刃11のすくい面11b上にきてから固定刃11の先端部を通り過ぎるまで一定に保持され、図5に示すδ2である。V字状突起部8cの外形と固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間は、V字状突起部8cの頂線8hから溝底8gにかけてδ1からδ2にかけて斬次増加し、この隙間が回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持されている。
【0045】
更に、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の両肩部8dには、前述したように、1対の突起部8eが設けられている。各突起部8eは、溝底8gを挟んでV字状突起部8cの幅方向外側に位置し、根元から上方に向けて斬次細くなるように形成されている。そして、各突起部8eの幅方向内側面は、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aに隣接する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を、回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成されている。ここで、「一定間隔に保持する」とは、回転刃7の回転の進行によって当該隙間がなるべく拡大しないように、当該隙間の拡大見込み分を設計上無理のない程度で回転に沿った形状で補充することを意味し、隙間の寸法が厳密に一定であるか一定でないかを問わない。具体的に述べると、突起部8eと、隣接する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間は、回転刃支持ホルダ8の肩部8dが固定刃11のすくい面11b上にきてから固定刃11の先端部を通り過ぎるまで一定間隔に保持される。突起部8eと逃げ面11dとの間の隙間は、V字状突起部8cの外形と、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間と同程度である。各突起部8eの頂線は、図10(C)に示すように、回転軸4の中心軸Oからの半径がGlの円弧状に形成されている。そして、半径がGlの円弧状の頂線の回転軌跡は、図1において、Gで示される。
【0046】
そして、破砕機体2の回転体5の下方位置には、図1に示すように、複数の排出孔9aを有するスクリーン板9が設置されている。
このように構成された一軸剪断式破砕機1において、図1に示すように、被破砕物Wが破砕室3内に投入される。一方、回転体5に取り付けられた回転刃7は、図2(A)、図3、図4、図6及び図7に示すように、回転軸4の中心軸Oを中心に回転する。
【0047】
破砕室3に投入された被破砕物Wは、回転する回転刃7の刃部7aに引っ掛けられて固定刃11の刃部11aのところに至る。そして、回転刃7の刃部7aの回転が続行し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する。この際、回転刃7の刃部7aと固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間において、被破砕物Wは、回転する回転刃7の刃部7aに引きずられる。ここで、回転刃7の固定刃11に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力と、前記隙間において被破砕物Wを引きずる被破砕物Wに対する引張力との相乗効果により、被破砕物Wは破砕される。
【0048】
そして、破砕された被破砕物Wは下方にあるスクリーン板9の排出孔9aから外部に排出されるのである。
ここで、本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1にあっては、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の肩部8dに、突起部8eが設けられている。このため、回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕する際に、回転刃支持ホルダ8の肩部8dと、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aに隣接する刃部11aを含む逃げ面11dとの間に突起部8eが存在し、当該肩部8dと当該固定刃11の逃げ面11dとの間の隙間が小さくなる。これにより、被破砕物Wが、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物Wの破砕効率を向上することができる。
【0049】
また、本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1にあっては、突起部8eを、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aに隣接する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を、回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成してある。このため、回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、回転刃7を支持する回転刃支持ホルダ8の突起部8eと当該固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物Wが、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物Wの破砕効率を一層向上することができる。回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダ8の突起部8eと当該固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間において、被破砕物Wは、回転する回転刃支持ホルダ8の突起部8eに引きずられる。回転刃7の固定刃11に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダ8の突起部8eと当該固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間において被破砕W物を引きずる被破砕物Wに対する引張力の相乗効果が発揮される。これにより、被破砕物Wの破砕効率が向上する。
【0050】
なお、図22乃至図28に示した従来の一軸剪断式破砕機101にあっては、回転刃107の刃部107aの刃元107abが固定刃110のすくい面111b上にきたときには、図25に示すように、回転刃支持ホルダ108の肩部108cと固定刃111の刃部111aを含む逃げ面111dとの間には、大きな隙間Aが存在した。
【0051】
また、本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1にあっては、回転刃支持ホルダ8において、回転刃収容凹部8bの回転方向後側に形成されたV字形突起部8cの頂線8hを含む外形形状を、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間が回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持されるように形成した。このため、回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、回転刃支持ホルダ8のV字状突起部8cの外形と固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を一定にすることができる。これにより、被破砕物Wが、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物Wの破砕効率を一層向上することができる。回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、一定間隔に保持されているV字状突起部8cの外形と固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間においても、被破砕物Wは、回転する回転刃支持ホルダ8のV字状突起部8cに引きずられる。回転刃7の固定刃11に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダ8のV字状突起部8cの外形と固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの隙間において被破砕物Wを引きずる被破砕物Wに対する引張力の相乗効果が発揮される。これにより、被破砕物Wの破砕効率が向上する。
【0052】
また、本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1にあっては、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aの先端に、回転刃7の刃部7aの刃元7abとの間の隙間を回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持する先鋭部11cを設けた。このため、回転刃と固定刃とが協働して被破砕物を破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の刃部11aの先端に設けた先鋭部11cとの間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物Wが、固定刃11の刃部11aの先端と回転刃7との間の隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物Wの破砕効率を一層向上することができる。回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕する際に、一定間隔に保持されている回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の先鋭部11cとの隙間においても、被破砕物Wは、回転する回転刃7の刃部7aに引きずられる。回転刃7の固定刃11に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃7の刃部7aの刃元7abと固定刃11の先鋭部11cとの隙間において被破砕物Wを引きずる被破砕物Wに対する引張力の相乗効果が発揮される。これにより、被破砕物Wの破砕効率が向上する。
【0053】
なお、図22乃至図28に示した従来の一軸剪断式破砕機101にあっては、固定刃111の刃部111aの先端が平坦面111cに形成されている。このため、回転刃107の刃部107aの刃元107abが固定刃110のすくい面111b上にきたときから回転刃107がさらに回転すると、当該回転刃107の刃部107aの刃元107abと固定刃111の刃部111aの平坦面111cとの間の隙間は、徐々に大きくなってしまっていた。
【0054】
更に、本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1にあっては、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の肩部8dに、固定刃11の先鋭部11cとの間の隙間を回転支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持する溝8fを形成した。このため、回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の肩部8dに形成された溝8fと固定刃11の先鋭部11cとの間の隙間を一定間隔に保持することができる。これにより、被破砕物Wが、当該隙間からすり抜けるのを防止し、被破砕物Wの破砕効率を一層向上することができる。回転刃7と固定刃11とが協働して被破砕物Wを破砕し、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過する際に、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダ8の肩部8dに形成された溝8fと固定刃11の先鋭部11cとの隙間においても、被破砕物Wは、回転する回転刃支持ホルダ8に形成された溝8fに引きずられる。回転刃7の固定刃11に対する相対移動による被破砕物Wに対する剪断力に加えて、一定間隔に保持されている回転刃支持ホルダ8の肩部8dに形成された溝8fと固定刃11の先鋭部11cとの隙間において被破砕物Wを引きずる被破砕物Wに対する引張力の相乗効果が発揮される。これにより、被破砕物Wの破砕効率が向上する。
【0055】
なお、長期にわたり一軸剪断式破砕機1によって被破砕物Wを破砕していると、比較的軟質の炭素鋼等で製造されている回転刃支持ホルダ8は、V字状突起部8c、溝8fや突起部8eのところが摩耗してくる。この場合、固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとV字状突起部8cとの間の隙間、前記逃げ面11dと溝8fとの間の隙間、及び前記逃げ面11dと突起部8eとの間の隙間が大きくなってくる。当該隙間が大きくなりすぎると、破砕効率が低下するため、回転刃支持ホルダ8を交換する必要がある。本実施形態に係る一軸剪断式破砕機1においては、初期において前記隙間が比較的小さく一定間隔に保持されているため、回転刃支持ホルダ8の交換スパンを長くすることができる。
【0056】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、突起部8eの形状は、必ずしも、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aに隣接する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間を、回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成しなくてもよい。
【0057】
また、回転刃7の刃部7aと対向する固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dの形状は、必ずしも、回転刃7の刃部7aとの間の隙間が回転刃7の回転方向に沿って一定間隔に保持されるように形成しなくてもよい。
また、回転刃7を支持する回転刃支持ホルダ8において、回転刃収容凹部8bの回転方向後側にV字状突起部8cを必ずしも設ける必要はない。また、回転刃支持ホルダ8が固定刃11を通過できる形状であれば、V字状突起部8cの頂線8hを含む外形形状を、必ずしも、固定刃11の刃部11aを含む逃げ面11dとの間の隙間が回転刃支持ホルダ8の回転方向に沿って一定間隔に保持する必要もない。
【0058】
更に、回転刃支持ホルダ8が固定11を通過できる形状であれば、回転刃7の刃部7aの刃元7ab側に位置する回転刃支持ホルダ8の肩部8dに、必ずしも、固定刃11の先鋭部11cとの間の隙間を回転支持ホルダ8の回転方向に沿って回転方向に沿って一定間隔に保持する溝8fを形成する必要はない。
【符号の説明】
【0059】
1 一軸剪断式破砕機
2 破砕機体
3 破砕室
4 回転軸
5 回転体
6 回転刃組立体
7 回転刃
7a 刃部
7aa 刃先
7ab 刃元
7b 表面
7c ねじ孔
7d 取付ボルト
7e 取付ボルト
8 回転刃支持ホルダ
8a ホルダ本体
8b 回転刃収容凹部
8c V字状突起部
8d 肩部
8e 突起部
8f 溝
8g 溝底
8h 頂線
8i 取付孔
8j 取付孔
9 スクリーン板
10固定刃組立体
11 固定刃
11a 刃部
11b すくい面
11c 先鋭部
11d 逃げ面
11e 長孔
12 取付座体
12a 取付凹部
13 取付ボルト
14 調節ボルト
15 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に破砕室を形成した破砕機体と、前記破砕室内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸の外周に前記回転軸とともに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の外周に取り付けられた回転刃組立体と、前記破砕室内に設けられた固定刃とを備え、前記回転刃組立体が、前記固定刃と協働して被破砕物を破砕する回転刃と、該回転刃を支持する回転刃支持ホルダとを備え、前記回転刃の刃部が略V字状をなして隣り合う二つの直線状の稜線からなり、前記固定刃の刃部が前記回転刃の刃部としての二つの直線状の稜線に対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなると共に、前記固定刃の刃部を並列に複数並べて形成した一軸剪断式破砕機であって、
前記回転刃の刃部の刃元側に位置する前記回転刃支持ホルダの肩部に突起部を設けたことを特徴とする一軸剪断式破砕機。
【請求項2】
前記突起部を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部に隣接する固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したことを特徴とする請求項1記載の一軸剪断式破砕機。
【請求項3】
前記回転刃支持ホルダは、回転方向である前後方向及び回転軸方向である幅方向に延びる角ブロック状のホルダ本体と、該ホルダ本体の回転方向前側に形成されたV字形に凹む回転刃収容凹部と、該回転刃収容凹部の回転方向後側に形成され、前記ホルダ本体から上方にV字形に突出するV字形突起部とを備え、前記V字状突起部の頂線を含む外形形状を、前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部を含む逃げ面との間の隙間を、前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の一軸剪断式破砕機。
【請求項4】
前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、前記回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、前記回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の一軸剪断式破砕機。
【請求項5】
前記回転刃の刃部の刃元側に位置する前記回転刃支持ホルダの肩部に、前記固定刃の前記先鋭部との間の隙間を前記回転刃支持ホルダの回転方向に沿って回転方向に沿って一定間隔に保持する溝を形成したことを特徴とする請求項4記載の一軸剪断式破砕機。
【請求項6】
内部に破砕室を形成した破砕機体と、前記破砕室内に回転可能に設けられた回転軸と、該回転軸の外周に前記回転軸とともに回転可能に設けられた回転体と、該回転体の外周に取り付けられた回転刃組立体と、前記破砕室内に設けられた固定刃とを備え、前記回転刃組立体が、前記固定刃と協働して被破砕物を破砕する回転刃と、該回転刃を支持する回転刃支持ホルダとを備え、前記回転刃の刃部が略V字状をなして隣り合う二つの直線状の稜線からなり、前記固定刃の刃部が前記回転刃の刃部としての二つの直線状の稜線に対向する略V字状をなして隣り合う二つの稜線からなると共に、前記固定刃の刃部を並列に複数並べて形成した一軸剪断式破砕機であって、
前記回転刃の刃部と対向する前記固定刃の刃部の先端に先鋭部を設け、該先鋭部を、前記回転刃の刃部の刃元との間の隙間を、前記回転刃の回転方向に沿って一定間隔に保持するように形成したことを特徴とする一軸剪断式破砕機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−34917(P2013−34917A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170923(P2011−170923)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】