説明

一酸化窒素供与化合物

本発明は、式(I):


(式中、AおよびA'は、それらの少なくとも一つがHでないという条件で、それぞれ独立してHおよび-(X)S-Y(ここで、sは0または1であり;Xは-CO-、-COO-、-CONH-および-SO2-からなる群から選択されるか、または


であり、
Yは、
− 1つもしくは2つの−ONO2で置換された、直鎖状または分枝鎖状のC1−C20アルキル鎖、好ましくはC1−C10アルキル鎖、または
− アルキル部分が1つもしくは2つの−ONO2基で置換されたC1−C6アルキレンオキシ−C1−C5アルキルである)
からなる群から独立して選択される)
の一酸化窒素供与体、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体に関する。
本発明は、本発明の少なくとも一つの化合物および少なくとも一つの治療剤を含む新規な組成物をも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化窒素供与化合物およびそれらを含む医薬組成物に関する。本発明は、本発明の化合物および少なくとも1つの治療剤を含む新規組成物も提供する。
本発明は、心血管系疾患、高血圧症、炎症、疼痛、発熱、胃腸障害、眼疾患、緑内障、高眼圧症、肝障害、腎臓病、腎症、糖尿病、呼吸器障害、免疫疾患、骨代謝機能障害、中枢および末梢神経系疾患、性機能障害、感染症、血小板凝集および血小板癒着阻害用、異常細胞増殖による症状治療用、血管疾患、神経変性疾患、代謝症候群、レイノルズ症候群、強皮症、デュヘン(Duchenne)およびベッカー(Becher)ジストロフィーのような筋ジストロフィーを治療するための、一酸化窒素供与化合物の使用、ならびにそれらの組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
一酸化窒素供与化合物(NO供与体)はインビボまたはインビトロでNOを放出する薬理学的に活性な物質である。
有機ナイトレートは最も一般的に用いられているNO供与体である。グリセリルトリナイトレート(GNT、ニトログリセリンとしても知られている)は、最も研究されたナイトレートであり、狭心症に伴う疼痛の緊急除去に主に用いられている。一方、イソソルビドモノナイトレート(ISMN)のようなその他の遅延放出製剤は、慢性的な狭心症の治療に用いられている。
【0003】
有機ナイトレートの主な制約は、長期連続使用での耐性のよく裏付けられた開発である。耐性を回避する唯一の信頼できる手段は、治療養生中にナイトレートのない時期をもつことであるが、これはある種の狭心症にとっては問題となり得るし、慢性の症状を管理するためのナイトレートの使用にとって明らかな障害となる(British Journal of Pharmacology (2007) 151, 305-321)。
【0004】
昨今、使用されているその他の臨床関連NO供与体は、ニトロプルシッドナトリウム(SNP)である。SNPは、高血圧危機に血圧を急速に低下させるのに病院内の現場で用いられている。SNPは臨床研究での選択薬剤でもあり、SNPはNO−依存性であるが内皮−非依存性の血管拡張剤の貴重な標準であると認められている。このNO供与体の格別な関心事は、構造中に取り込まれた5つのシアニド基がいずれも潜在的に放出されることである。確かに、この薬剤を長期間使用すると、稀にではあるが、シアニドシスの症状を伴うことがあるという孤立した報告もある。
【0005】
SNPの使用についてのさらなる制約は、静脈内投与、溶液中での光分解に対する感受性、およびその顕著な効能についての要件であり、これらのことが投与量の滴定を困難にし得る。
【0006】
NO送達のその他の公知方法は、S−ニトロソ−N−アセチル−D,L−ペニシラミン(SNAP)のような溶解性の短期間NO供与体、およびポリマーマトリックス内へのNO供与体の取込みを含む。一般に、NO求核複合体(例えば、ジアゼニウムジオレート イオン)およびNO供与体(例えば、S−ニトロソチオール類)は、体液のような水性の環境下で自然に分解して、NOを放出し得る。
しかしながら、この急速な自然の分解は、多くの治療適用のために望ましくない特性である。一般に、遅い分解速度およびNOのより安定した放出は、より効果的である。
【0007】
Arzneimittelforschung 1990年1月,40(1):13−18には、異なった位置に硝酸エステル基を有し、1,4:3,6−ジアンヒドロヘキシトール(イソヘキサイド)およびグリセロール部分構造の両方を含む混成分子が開示されている。薬理学的スクリーニングは、新規な化学構造の活性がその親化合物より極めて低いことを示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Arzneimittelforschung 1990年1月,40(1):13−18
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、改善された薬理学的プロフィルを有する一酸化窒素供与体として特に有用な化合物を目的としている。
一つの実施形態において、本発明は、次の式(I)の化合物、および薬理学的に許容されるその塩または立体異性体を目的としている。
【0010】
【化1】

(式中、AおよびA′は、それらのうち少なくとも一方はHでないという条件で、Hおよび−(X)S−Y(ここで、
sは0または1であり、
Xは−CO−、−COO−、−CONH−および−SO2−からなる群から選択されるか、または
【化2】

であり、
Yは
− 1つもしくは2つの−ONO2で置換された、直鎖状または分枝鎖状のC1−C20アルキル鎖、好ましくはC1−C10アルキル鎖、または
− アルキル部分が1つもしくは2つの−ONO2で置換されたC1−C6アルキレンオキシ−C1−C5アルキルである)
からなる群から独立して選択される)。
【0011】
好ましい実施形態において、Yは次の群から選択される:
1)Z−CH2−ONO2
(ここで、Zは直鎖状または分枝鎖状のC1−C10アルキレン、好ましくは直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキレンである);
2)(CH2nR1
3)(CH2n−O−CH2−R1
(ここで、R1は−CH(ONO2)R2であり、R2は−CH3またはC1−C4アルキルであり、nは1〜6の整数である);
4)Y1−R3
(ここで、R3は−CH(ONO2)CH(ONO2)R4であり、R4は−CH3,−CH2CH3および−CH(CH32から選択され、
Y1は−(CH21-4−(X10-1−(CH20-4であり、X1は−O−または−CR5R6−であり、R5およびR6は水素およびC1−C4アルキルからなる群から独立して選択される);
5)Y1−CH(ONO2)CH2(ONO2
(ここで、Y1は、sが0であるとき、Y1は−CH2−でないという条件で、前記で定義されたとおりである)。
【0012】
ここで用いられる用語「C1−C20アルキル」、好ましくは「C1−C10アルキル」とは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソ−アミル、ヘキシル、オクチルなどのような分枝鎖状または直鎖状のC1−C20 、または好ましくはC1−C10の炭化水素鎖をいう。
【0013】
ここで用いられる用語「C1−C5アルキル」および「C1−C4アルキル」とは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソ−アミルなどを含む、1〜4または1〜5の炭素原子を含む分枝鎖状または直鎖状のアルキル基をいう。
【0014】
ここで用いられる用語「C1−C10アルキレン」または「C1−C6アルキレン」とは、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2−CH2−)、プロピレン(−CH2−CH2−CH2−)、イソプロピレン(−CH(CH3)−CH2−)、n−ブチレン(−CH2−CH2−CH2−CH2−)、ペンチレン(−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−)およびその分枝異性体、n−ヘキシレン(−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−)およびその分枝異性体などのような、分枝鎖状または直鎖状のC1−C10またはC1−C6炭化水素鎖をいう。
【0015】
用語「1つまたは2つの−ONO2で置換された」とは、アルキル鎖の1つまたは2つの水素原子が1つまたは2つのニトロオキシ基で置換されていることを意味する。
ここで用いられる用語「C1−C6−アルキレンオキシ」とは、アルキレン鎖が分枝鎖状または直鎖状のC1−C10またはC1−C6炭化水素鎖である「C1−C6−アルキレン−O−」をいう。
【0016】
「C1−C6−アルキレンオキシ」の例は、メチレンオキシ(−CH2O−)、エチレンオキシ(−CH2−CH2−O−)、プロピレンオキシ(−CH2−CH2−CH2−O−)、イソプロピレンオキシ(−CH(CH3)−CH2−O)、n−ブチレンオキシ(−CH2−CH2−CH2−CH2−O−)、ペンチレンオキシ(−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−O−)およびその分枝異性体、n−ヘキシレンオキシ(−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−CH2−O−)およびその分枝異性体などである。
【0017】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択され、記号は前記で定義されたとおりである。
【化3】

【0018】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択され、記号は前記で定義されたとおりである。
【化4】

【0019】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択される。
【化5】

(式中、AはHであり、その他の記号は前記で定義されたとおりである)
【0020】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択される。
【化6】

(式中、AはHであり、A′は−CO−Yまたは−COO−Yである)
【0021】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択される。
【化7】

(式中、AはHであり、A′は−(X)S−Yであり、sは0である)
【0022】
もう一つの実施形態において、式(I)の化合物は、次の群から選択される。
【化8】

(式中、AはHであり、A′は
【化9】

である。
【0023】
もう一つの実施形態において、Yは次の群から選択される。
【化10】

【0024】
本発明による好ましい化合物は、以下の化合物またはそれらの立体異性体である。
【化11】

【0025】
【化12】

【0026】
【化13】

【0027】
【化14】

【0028】
【化15】

【0029】
【化16】

【0030】
前記のとおり、本発明は、式(I)の化合物の医薬的に許容される塩およびその立体異性体をも含む。
医薬的に許容される塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびアルミニウムハイドロキサイドのような無機塩基との塩、またはリジン、アルギニン、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、ピペリジンおよびその他の許容される有機アミンのような有機塩基との塩のいずれかである。
【0031】
本発明による化合物は、その分子中に一つの塩形成性窒素原子を含むとき、アセトニトリル、テトラヒドロフランのような有機溶媒中で、有機酸または無機酸と反応させることによって、対応する塩に変換することができる。
有機酸の例は、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、コハク酸、クエン酸である。無機酸の例は、硝酸、塩酸、硫酸、リン酸である。硝酸との塩が好ましい。
【0032】
一つ以上の不斉炭素原子を有する本発明の化合物は、光学的に純粋なエナンチオマー、純粋なジアステレオマー、エナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、エナンチオマーのラセミ混合物、ラセミ化合物またはラセミ化合物の混合物として存在することができる。
式(I)の化合物の可能なあらゆる異性体、立体異性体およびそれらの混合物も本発明の目的に含まれる。
【0033】
本発明は、心血管系疾患、高血圧症、炎症、疼痛、発熱、胃腸障害、眼疾患、緑内障、高眼圧症、肝障害、腎臓病、腎症、糖尿病、呼吸器疾患、免疫疾患、骨代謝機能障害、中枢および末梢神経系疾患、性機能障害、感染症、血小板凝集および血小板癒着阻害用、異常細胞増殖による症状治療用、血管疾患、神経変性疾患、代謝症候群、レイノルズ症候群、強皮症、デュヘンおよびベッカー・ジストロフィーのような筋ジストロフィーを治療するための、式(I)の化合物またはそれらの塩の使用にも関する。
【0034】
式(I)の化合物またはそれらの塩は、心血管系疾患、高血圧症、炎症、疼痛、発熱、胃腸障害、眼疾患、緑内障、高眼圧症、肝障害、腎臓病、腎症、糖尿病、呼吸器障害、免疫疾患、骨代謝機能障害、中枢および末梢神経系疾患、性機能障害、感染症、血小板凝集および血小板癒着阻害用、癌のような異常細胞増殖による症状治療用、血管系疾患、神経変性疾患、代謝症候群、レイノルズ症候群、強皮症、デュヘンおよびベッカー・ジストロフィーのような筋ジストロフィーを治療するための、非ステロイド系の抗炎症剤、抗血栓剤、ステロイド系抗炎症剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、βアドレナリン受容体遮断剤、βアドレナリン受容体アゴニスト、スタチン類、プロスタグランジン類のような少なくとも一つの治療薬と組み合わせて用いられ得る。
「組合せ」という用語は、本発明の化合物が別々に、または組成物の形態で投与され得ることを意味する。
【0035】
本発明のもう一つの形態は、式(I)の化合物またはその塩と、非ステロイド系抗炎症剤、抗血栓剤、ステロイド系抗炎症剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、βアドレナリン受容体遮断剤、βアドレナリン受容体アゴニスト、スタチン、プロスタグランジンから選択される少なくとも一つの治療薬とを含む組成物に関する。
【0036】
本発明のもう一つの形態は、本発明の式(I)の化合物またはその塩の少なくとも一つと、非ステロイド系抗炎症剤、抗血栓剤、ステロイド系抗炎症剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、βアドレナリン受容体遮断剤、βアドレナリン受容体アゴニスト、スタチン、プロスタグランジンから選択される少なくとも一つの治療薬とを含むキットをも提供する。
本発明の目的は、本発明の少なくとも一つの式(I)の化合物を、医薬分野で通常用いられている非毒性のアジュバントおよび/または担体とともに含む医薬組成物でもある。
【0037】
投与されるべき活性成分の1日投与量は、単回投与量であってもよく、あるいは1日を通して投与されるいくつかのより少ない投与量に分けられた有効量であってもよい。
本発明の化合物および/または本発明の医薬組成物で前記の疾病を治療するための投与療法および投与回数は、例えば患者の年齢、体重、性別および医療条件、ならびに疾病の重篤度、投与経路、薬理学的考慮、および場合によっては共存する他の医薬での治療などを含む、種々の因子に従って選択される。
ある場合には、前記の範囲より少ないか、または多い投与量レベル、および/またはより多い投与回数が適当であり得るし、このことは理論的に医師の判断の領域であり、症状にもよる。
【0038】
本発明の化合物は、場合によっては、非毒性の医薬的に許容される所望のキャリアー、アジュバントおよび賦形剤を含む製剤で、経口、非経口、直腸、または吸入もしくはエアゾルにより局所的に投与され得る。
局所投与は、経皮パッチまたはイオントフォレシス器具のような経皮投与の採用も含む。
ここで用いられる「非経口」という用語は、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射または注入技術を含む。
【0039】
注射用製剤、例えば無菌の注射用水溶液または油性懸濁液は、適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いる公知技術に従って製剤化され得る。無菌の注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁液であってもよい。
許容される媒体および溶媒には、水、リンゲル液および生理食塩水がある。さらに、無菌の不揮発性のオイルも通常、溶媒または懸濁媒体として用いられる。この目的のために、合成モノもしくはジグリセライドを含むいかなるブランドの不揮発性オイルも用いられ得る。さらに、オレイン酸のような脂肪酸も注射用製剤の製造に用いられる。
【0040】
医薬の直腸投与用坐剤は、活性成分をココアバターおよびポリエチレングリコールのような適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより製造することができる。
経口投与用の固形の投与形態は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤およびゲル製剤を含み得る。このような固形の投与形態において、活性化合物は、蔗糖、乳糖または澱粉のような少なくとも一つの不活性な希釈剤と混合され得る。このような投与形態は、普通の手法のように、不活性な希釈剤以外の追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤も含み得る。
カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、投与形態は緩衝剤も含み得る。錠剤および丸剤は、さらに腸溶性の製剤とすることもできる。
【0041】
経口投与用の液状の投与形態は、水のような当該技術分野で一般に用いられている不活性な希釈剤を含む、医薬的に許容される乳剤、液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含み得る。このような組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤のようなアジュバント、ならびに甘味剤、着香剤なども含み得る。
本発明の化合物は、前駆化合物に比して著しく優れた効果を示す。
【0042】
一般的な合成
1.前記で定義された一般式(I):
【化17】

(式中、AはHであるか、またはA′に等しく、A′は−(X)S−Yであり、ここでsは0であり、Yは前記で定義されたとおりである)
の化合物は、化合物(IIa)または(IIb):
【化18】

(式中、PGはアリル、トリアルキルシリル、テトラヒドロピラニルのような保護基である)
の化合物を、1当量または1当量以上の式(IIIa):
【化19】

(式中、Yは前記で定義されたとおりである)
と、NaH、DBUのような有機または無機塩基の存在下に、THF、DMFのような非プロトン性の極性溶媒中、−20℃〜100℃の温度で反応させ、保護基が存在するときには、文献で公知の方法により、該保護基を脱離することによって得ることができる。
【0043】
化合物(IIb)は、化合物(IIa)から公知の方法によって製造することができる(例えば、T. W. Green, P. G. M. Wuts “Protective Group in Organic Synthesis”第4版、J. Wiley & Sons, New York, 2006参照)。
化合物(IIa)は、文献で公知であり、市場で入手でき、また公知化合物から公知の方法により製造することもできる。
【0044】
あるいは、化合物(IIa)または(IIb)を、式(IIIb):
【化20】

(式中、Y′は二重結合のような基−ONO2の前駆体、および/または−OH基もしくは例えばカルボニル基のようなその前駆体を含む)
の化合物と反応させて、化合物(IIc):
【化21】

(式中、BはPG、HまたはY′であり、PGおよびY′は前記で定義されたとおりである)
を生成することもできる。
【0045】
化合物(IIc)は、当該技術分野でよく知られたニトロ化により、そして場合によっては保護基を脱離することによって、化合物(I)に変換することができる。
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)は文献で公知であるか、また公知の化合物から公知の方法により製造することができる。
【0046】
2.前記で定義された一般式(I)(式中、AはHであるか、またはA′に等しく、A′は−(X)s−Y(ここで、sは1であり、Yは前記で定義されたとおりである)である)の化合物は、次のようにして得ることができる。
2a)X=−CO−のとき
化合物(IIa)または(IIb)を、式(IIIc):
【化22】

(式中、Wは−OH、またはC6F5−O−および4−NO2−C6H4−O−のようなカルボキシ活性基であるか、あるいはHal(ここでHalは−Cl、−Fのようなハロゲン原子である)である)
の化合物の1当量以上と、DCCまたはCDIまたはEDCあるいは当該技術分野でよく知られたその他の縮合剤の存在下、またはTEA、DIPEA、DBUのような有機もしくは無機塩基の存在下に、THF、DMF、CH2Cl2のような非プロトン性の極性/非極性溶媒中、−20℃〜100℃の温度で反応させ、Wの意味によっては、文献でよく知られた方法によりエステル化する。保護基が存在するときは、文献で知られた方法により、保護基を脱離する。
【0047】
あるいは、化合物(IIa)または(IIb)を、式(IIId):
【化23】

(式中、WおよびY’は上記で定義されたとおりである)
の化合物と、Wの意味により、上記の方法に従って反応させて、化合物(IId):
【化24】

(式中、DはH、PGまたは−CO−Y’に等しい)
が得られる。
【0048】
化合物(IId)は、当該技術分野でよく知られた方法でニトロ化し、場合によっては保護基を脱離することにより、化合物(I)に変換され得る。
化合物(IIIc)および(IIId)は、公知であるか、または公知の化合物から公知の方法により製造することができる。
【0049】
2b)X=−COO−のとき
化合物(IVa):
【化25】

(式中、EはH、PGまたは−COOC64−NO2−Pである)
を、1当量以上の化合物(IIIe)または化合物(IIIf):
【化26】

(式中、YおよびY’は上記で定義されたとおりである)
と、DMAP、TEA、DIPEAのような有機または無機塩基の存在下に、Sc(OTf)3のような触媒を用いるか、あるいは用いないで、THF、DMF、CH2Cl2のような非プロトン性の極性/非極性溶媒中、−20℃〜100℃の温度で、文献でよく知られた方法に従って反応させる。Y’が存在するときには、前駆体を任意にニトロ化し、場合によっては文献で知られた方法で保護基を脱離する。
【0050】
化合物(IVa)は、化合物(IIa)または(IIb)を、1当量以上の4−NO2−C6H4−OCOClと、DMAP、TEA、DIPEAのような有機または無機塩基の存在下に、文献でよく知られた方法に従って反応させることにより、製造することができる。
化合物(IIIe)および(IIIf)は、文献公知であるか、または公知化合物から公知の方法により容易に製造することができる。
【0051】
2c)X=−CONH−のとき
前記で定義された化合物(IVa)を、化合物(IIIg)Y−NH2または(IIIh)Y′−NH2と、DMAP、TEA、DIPEAのような有機または無機塩基の存在下に、Sc(OTf)3のような触媒を用いるか、または用いないで、THF、DMF、CH2Cl2のような非プロトン性の極性/非極性溶媒中、−20℃〜100℃の温度で、文献でよく知られた方法に従って反応させる。Y′が存在するときには、前駆体を任意にニトロ化し、文献で知られた方法により保護基を脱離する。化合物(IIIg)および(IIIh)は、文献公知であるか、または公知化合物から公知の方法により容易に製造することができる。
【0052】
2d)X=−SO2−のとき
化合物(IVb):
【化27】

(式中、FはPGまたは−SO2Clである)
を、1当量以上の上記で定義された化合物(IIIe)または(IIIf)と、DMAP、TEA、DIPEAのような有機または無機塩基の存在下に、THF、DMF、CH2Cl2のような非プロトン性の極性/非極性溶媒中、−20℃〜100℃の温度で、文献でよく知られた方法に従って反応させる。Y′が存在するときには、前駆体を任意にニトロ化し、文献で知られた方法により保護基を脱離する。
化合物(IVb)は、化合物(IIa)または(IIb)を、1当量以上のSO2Cl2と、DMAP、TEA、DIPEAのような有機または無機塩基の存在下に、文献でよく知られた方法に従って反応させる。
【0053】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するものであり、本発明を限定するものではない。
【0054】
中間体IおよびII
【化28】

【0055】
DCM(50mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(イソマンニド)(0.75g, 5.13mmol)、6−Br−ヘキサン酸(1g, 5.13mmol)およびDMAP(触媒量)の溶液に、EDAC(1.47g, 7.7mmol)を、撹拌下に0℃で加えた。この溶液を室温で一夜撹拌した。この溶液を5%NaHPO4溶液(2x40mL)および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, 40+M カラム, n−ヘキサン/EtOAc−8:2−4:6)で精製して、化合物I(0.19g)および化合物II(0.5g)を得た。
【0056】
中間体I:
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.21−5.02(2H, m), 4.78−4.63(2H, m), 4.03(2H, m), 3.79(2H, m), 3.49(4H, t), 2.51−2.30(4H, m), 1.99−1.80(4H, m), 1.75−1.59(4H, m), 1.59−1.39(4H, m)
【0057】
中間体II:
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.21−5.03(1H, m), 4.67(1H, m), 4.45(1H,t), 4.35−4.21(1H, m), 4.15−4.03(1H, m), 4.01−3.89(1H, m), 3.88−3.76(1H, m), 3.63−3.47(1H, m), 3.38(2H, t), 2.38(2H, t), 1.93−1.76(2H, m), 1.74−1.57(2H, m), 1.55−1.38(2H, m)
【0058】
実施例1
【化29】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(2)に相当)
工程A:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5−ヘキセノエート
【化30】

【0059】
0℃に冷却したDCM(50mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(イソマンニド)(2.00g, 13.68mmol)、5−ヘキセン酸(1.60g, 13.68mmol)およびDMAP(0.17g, 1.4mmol)の溶液に、EDAC(3.1g, 16.42mmol)を撹拌下に加えた。この溶液を室温で6時間撹拌した。この溶液をDCM(30mL)で希釈し、5%NaHPO4溶液(2x40mL)および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, 40+Mカラム, TLC法:n−ヘキサン/EtOAc−8:2, Rfプロダクト:0.35)で精製して、標記の化合物を得た。
【0060】
工程B:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化31】

【0061】
−20℃に冷却したCH3CN(20mL)中の(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5−ヘキセノエート(1.00g, 4.13mmol)およびAgNO3(0.84g, 4.95mmol)の溶液に、I2(1.26g, 4.95mmol)を撹拌下に加えた。添加の終了時に、混合物を室温になるようにした。AgNO3(1.75g, 10.35mmol)を加え、混合物をマイクロ波装置で加熱した(120℃, 40分)。混合物をセライトで濾過した。濾液を真空下に濃縮し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過し、真空下に再び濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, SNAP 100g カラム, TLCから計算した方法:n−ヘキサン/EtOAc 1:1, Rfプロダクト:0.17)で精製して、標記の化合物を得た。
【0062】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.40−5.23(1H, m), 5.23−5.09(1H, m), 4.83−4.66(2H, m), 4.59−4.42(2H, m), 4.39−4.23(1H, m), 4.17−4.04(1H, m), 4.03−3.81(2H, m), 3.67−3.48(1H, m), 2.65−2.53(1H, m), 2.53−2.35(2H, m), 1.92−1.67(4H, m)
【0063】
実施例2
【化32】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジイル ビス(6−(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(26)に相当)
【0064】
CH3CN(10mL)中の中間体I(0.19g, 0.38mmol)の溶液に、AgNO3(0.193g, 1.14mmol)を撹拌下に加え、室温で撹拌した。反応終了後、混合物をセライトで濾過した。濾液を真空下に濃縮し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過し、真空下に再び濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, 12+M カラム, n−ヘキサン/EtOAc − 8:2)で精製して、標記の化合物を得た。
【0065】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.13−5.07(2H, m), 4.72−4.69(2H, m), 4.48−4.43(4H, t), 4.13−4.00(2H, m), 3.82−3.77(2H, m), 2.44−2.36(4H, m), 1.78−1.65(8H, m), 1.51−1.42(4H, m)
【0066】
実施例3
【化33】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 6−(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(25)に相当)
【0067】
CH3CN(10mL)中の中間体II(0.5g, 1.54mmol)の溶液に、AgNO3(0.34g, 2mmol)を撹拌下に加え、反応混合物を室温で撹拌した。反応終了後、反応混合物をセライトで濾過した。濾液を真空下に濃縮し、濃縮物をEtOAcで希釈し、セライトで濾過し、真空下に再び濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, 25+M カラム, n−ヘキサン/EtOAc 6:4 − 4:6)で精製して、標記の化合物を得た。
【0068】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.20−5.14(1H, m), 4.72−4.69(1H, m), 4.51−4.44(3H, m), 4.35−4.26(1H, m), 4.15−4.09(1H, m), 4.00−3.95(1H, m), 3.89−3.83(1H, m), 3.61−3.55(1H, m), 2.64−2.61(1H, d), 2.44−2.34(2H, m), 1.81−1.66(4H, m), 1.51−1.42(2H, m)
【0069】
実施例4
【化34】

(S)−(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル)5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(2)(5S)異性体に相当)
【0070】
工程A:t−ブチル 5−ヘキセノエート
【化35】

【0071】
0℃に冷却したDCM(375mL)中の5−ヘキセン酸(15.2mL, 0.131mol)の溶液に、t−ブタノール(176mL, 1.84mol)を加え、次いで4−ジメチルアミノピリジン(3.21g, 26.3mmol)を加えた。混合物を室温で22時間撹拌し、濾過し、濃縮した。残留物をDCM/n−ヘキサンに再溶解し、減圧下に濃縮した。粗油状物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン5〜10%)で精製して、標記の化合物を得た。
【0072】
工程B:(S)−t−ブチル 5, 6−ジヒドロキシヘキサノエート
【化36】

【0073】
0℃に冷却した水/ブタノール1:1(512mL)中のAD−ミックスアルファ(70g)の懸濁液に、t−ブチル 5−ヘキセノエート(8.5g, 49.92mmol)を加えた。反応混合物を4℃で70時間撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、EtOAc(280mL)およびナトリウムメタビサルファイト(20.6g)を連続して少しずつ加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温で1時間撹拌した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィに付し、100%EtOAcで溶出して、標記の化合物を淡黄色の油状物として得た。
【0074】
工程C:(S)−t−ブチル 5, 6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化37】

【0075】
0℃に冷却した発煙硝酸(10.25mL, 247.22mmol)および無水酢酸(37.6mL)の溶液に、DCM(10mL)中の(S)−t−ブチル 5, 6−ジヒドロキシヘキサノエート(10.1g, 49.44mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、NaOH水溶液を加えてpH7に調整し、DCMで抽出した。有機層を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜50%)で精製して、標記の化合物を淡黄色油状物として得た。
【0076】
工程D:(S)− 5, 6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸
【化38】

【0077】
0℃に冷却したDCM(47mL)中の(S)−t−ブチル 5, 6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサノエート(12.41g, 42.155mmol)の溶液に、ボロントリフルオライドジエチルエーテル錯体(5.82mL, 46.37mmol)をN2雰囲気下に加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、室温で3時間撹拌した。溶液を食塩水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。褐色の粗油状物をさらに精製しないで、次の工程で用いた。
【0078】
工程E:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール
【化39】

【0079】
DCM(102mL)中の1,4:3,6−ジヒドロ−D−マンニトール(5.00g, 34.2mmol)の溶液に、3, 4−ジヒドロ−2H−ピラン(3.88mL, 42.8mmol)を加え、次いでp−トルエンスルホン酸(65mg, 1.34mmol)を加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。この溶液を食塩水で洗浄し、有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン30〜100%)で精製して、標記の物質を淡黄色油状物として得た。
【0080】
工程F:(5S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル)5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
DCM(40.8mL)中の(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール(2.96g, 12.9mmol)の溶液に、DCM(9.15mL)中の粗(S)−5, 6−ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸(3.06g, 12.85mmol)(工程D)の溶液を加え、引き続きEDAC(3.69g, 19.28mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(175mg, 1.28mmol)を加えた。反応混合物を室温で16.5時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜60%)で精製して、標記の物質を淡黄色油状物として得た。
【0081】
工程G:(S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル)5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化40】

【0082】
エタノール(40mL)中の(5S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(2.27g, 5.04mmol)の溶液に、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(127mg, 0.504mmol)を加えた。反応混合物を45℃で4時間撹拌した。反応混合物を濾過し、減圧下に濃縮した。粗残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜60%)で精製して、標記の物質を淡黄色の油状物として得た。
【0083】
1H−NMR((300 MHz, CDCl3):δ 5.30(1H, dd, 5.16(1H, q), 4.77(1H, d), 4.71(1H, t), 4.50(2H, m), 4.26(1H, m), 4.12(1H, dd), 3.94(1H, dd), 3.85(1H, dd), 3.58(1H, dd), 2.61(1H, d), 2.47(2H, m), 1.83(4H, m)
【0084】
実施例5
【化41】

(R)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル)5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(2)(5R)異性体に相当)
【0085】
工程Cにおける反応試剤ADミックス−アルファをADミックス−ベータに代えた以外は、実施例4の合成の手順に従って標記の化合物を得た。
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.38−5.26(1H, m), 5.18(1H, q), 4.81−4.70(2H, m), 4.54−4.46(2H, m), 4.32(1H, q), 416−4.10(1H, m), 4.10−3.85(2H, m), 3.62−3.55(1H, m), 2.58(1H, d), 1.90−1.77(4H, m)
【0086】
実施例6
【化42】

6−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イルオキシ)ヘキサン−1, 2−ジイル ジナイトレート(化合物(23)に相当)
工程A:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(5−ヘキセニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール
【化43】

【0087】
DMF(60mL)中の1, 4:3, 6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(4.00g, 27.4mmol)およびCs2CO3(20.0g, 60.2mmol)の溶液に、6−ブロモ−1−ヘキセン(5.5ml, 41.1mmol)(工程D)を加え、混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、それをEtOAcで希釈し、リン酸二水素ナトリウムの5%溶液(2x40ml)および水(2x40ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン20〜80%)で精製して、標記の化合物を得た。
【0088】
工程B:6−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イルオキシ)ヘキサン−1, 2−ジイル ジナイトレート
【化44】

【0089】
(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(5−ヘキセニルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール(1.35g, 5.91mmol)のアセトニトリル(32ml)溶液に、硝酸銀(1.21g, 7.12mmol)およびヨウ素(1.80g, 7.10mmol)を−20℃で加えた。この混合物を−20℃で10分間撹拌した。硝酸銀(2.51g, 14.8mmol)を加え、混合物をマイクロ波装置で加熱した(40分、120℃)。銀塩を濾去し、溶液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン30〜100%)で精製して、標記の化合物を無色油状物として得た。
【0090】
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.35−5.27(1H, m), 4.76(1H, dd), 4.58−4.45(3H, m), 4.35−4.25(1H, m), 4.12−3.95(3H, m), 3.75−3.65(3H, m), 3.55−3.48(1H, m), 2.86(1H, d), 1.85−1.50(6H, m)
【0091】
実施例7
【化45】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物(27)に相当)
【0092】
工程A:t−ブチル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化46】

【0093】
−70℃に冷却したDCM(190mL)中のt−ブチル4−ヒドロキシ−1−ピペリジンカルボキシレート(2.00g, 9.94mmol)、テトラエチルアンモニウムナイトレート(3.82g, 19.9mmol)および2, 6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(5.10g, 24.9mmol)の溶液に、DCM(62ml)中のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.8ml, 10.9mmol)の溶液を、窒素雰囲気下に滴下した。得られた混合物を−65℃で3時間撹拌した。次いで、混合物をゆっくり室温まで温め、DCMで希釈し、5%リン酸二水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮して、標記の化合物を得た。これをさらに精製することなく、次の工程で用いた
【0094】
工程B:ピペリジン−4−イル ナイトレート 塩酸塩
【化47】

【0095】
0℃に冷却したDCM(15mL)中のt−ブチル4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート(2.10g, 8.53mmol)の溶液に、HClガスを2時間通した。この溶媒を濃縮し、残留物をジエチルエーテルで処理して、標記の化合物を得た。これをさらに精製しないで、次の工程で用いた。
【0096】
工程C:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニル カルボネート
【化48】

【0097】
DCM(100mL)中の1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(3.00g, 20.5mmol)およびトリエチルアミン(3.15ml, 22.6mmol)の溶液に、4−ニトロフェニル クロロホルメート(4.55g, 22.6mmol)を加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、こ混合物をリン酸二水素ナトリウムの5%溶液(2 x 50ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン20〜80%)で精製して、標記の化合物を得た。
【0098】
工程D:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−(ニトロオキシ)ピペリジン−1−カルボキシレート
【化49】

【0099】
DCM(23mL)中のピペリジン−4−イル ナイトレート 塩酸塩(0.620g, 3.40mmol)、トリエチルアミン(0.567ml, 4.07mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.083g, 0.680mmol)の溶液に、(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニル カルボネート(1.06g, 3.40mmol)を加えた。この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、この混合物をDCMで希釈し、リン酸二水素ナトリウムの5%溶液(2 x 30ml)および食塩水(1 x 30ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン30〜100%)で精製して、標記の化合物を黄色の油状物として得た。
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):
【0100】
実施例8
【化50】

3, 3−ジメチル−5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル (3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル カルボネート(化合物(28)に相当)
【0101】
工程A:3, 3−ジメチル−5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾエート
【化51】

【0102】
−20℃に冷却した3, 3−ジメチル−5−ヘキセニル 4−ニトロベンゾエート(3.00g, 10.8mmol)のアセトニトリル(60ml)溶液に、硝酸銀(2.21g, 13.0mmol)およびヨウ素(3.30g, 13.0mmol)を加えた。この混合物を−20℃で10分間撹拌した。硝酸銀(4.6g, 27.1mmol)を加え、この混合物をマイクロ波装置で加熱した(40分間、120℃)。銀塩を濾去し、溶液を濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン20〜80%)で精製して、標記の化合物を得た。
【0103】
工程B:6−ヒドロキシ−4, 4−ジメチルヘキサン−1, 2−ジイル ジナイトレート
【化52】

【0104】
THF:EtOH 1:1(12ml)中の3, 3−ジメチル−5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾエート(1.9g, 4.73mmol)の溶液に、NaOH 3N(3.8ml, 11.4mmol)の水溶液を加え、この混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、この混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で希釈し、生成物をEtOAc(3 x 30ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮して、標記の化合物を得た。これをさらに精製することなく、次の工程で用いた
【0105】
工程C:3, 3−ジメチル−5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル (3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル カルボネート
【化53】

【0106】
DCM(40ml)中の(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニル カルボネート(0.962g, 3.10mmol)(前記の実施例7の工程Cで製造)の溶液に、6−ヒドロキシ−4, 4−ジメチルヘキサン−1, 2−ジイル ジナイトレート(0.780, 3.10mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.379g, 3.10mmol)を加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、この混合物をDCMで希釈し、リン酸二水素ナトリウムの5%溶液(2 x 30ml)および食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン20〜80%)で精製して、標記の化合物を得た。
【0107】
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.52−5.43(1H, m), 5.09(1H, q), 4.80−4.71(2H, m), 4.52−4.40(2H, m), 4.37−4.21(3H, m), 4.15−3.90(3H, m), 3.58(1H, t), 2.53(1H, d), 1.82−1.55(4H, m), 1.03(6H, m)
【0108】
実施例9
【化54】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(2−クロロプロパノイルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5R, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(29)5(R)異性体に相当)
【0109】
工程A:(3S, 3aR, 6S, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジイル ジベンゾエート
【化55】

【0110】
1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール(3.00g, 20.53mmol)をTHF(40ml)中に溶解した。この溶液を冷却し(0℃)、次いでトリフェニルホスフィン(11.85g, 45.17mmol)、安息香酸(5.52g, 45.17mmol)およびジイソプロピル アゾジカルボキシレート(8.75ml, 45.17mmpl)を加えた。反応混合物を室温になるまで放置し、12時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧下に除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜30%)で精製して、標記化合物を白色の固形物として得た。
【0111】
工程B:(3S, 3aR, 6S, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジオール
【化56】

【0112】
(3S, 3aR, 6S, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジイル ジベンゾエート(6.30g, 17.8mmol)に、NaOH 10%:MeOH=1:1(60ml)の混合物を加えた。室温で24時間撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させた。水(30ml)を加え、EtOAc(30ml)で抽出した。水層を5%H3PO4でpH6に調整し、減圧下に蒸発させて、白色の残留物を得た。大量のテトラフィドロフランを加え、懸濁液を濾過し、濾液を濃縮して、標記の化合物を白色の固体として得た。
【0113】
工程C:(3S, 3aR, 6S, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール
【化57】

【0114】
DCM(15ml)中の(3S, 3aR, 6S, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジオール(0.57g, 3.90mmol)および3, 4−ジヒドロ−2H−ピラン(0.41g, 4.88mmol)の溶液に、トルエン−4−スルホン酸1水和物(0.0074g, 0.039mmol)を加え、混合物を室温で3時間撹拌した。次いで、反応混合物をNaHCO3飽和溶液および食塩水で洗浄した。有機抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン30〜100%)で精製して、標記の化合物を白色の固体として得た。
【0115】
工程D:(5R)−((3S, 3aR, 6S, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル) 5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化58】

【0116】
(3S, 3aR, 6S, 6aR)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−オール(0.64g, 2.80mmol)および(実施例5に記載のようにして得た)(5R)−5, 6−ビス−ニトロオキシ−ヘキサン酸(1.18g, 4.95mmol)をDCM(30ml)に溶解し、EDAC(0.81g, 4.20mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(0.068g, 0.56mmol)を加えた。室温で12時間撹拌後、反応混合物を水洗した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に蒸発させた。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜80%)で精製して、標記の物質を油状物として得た。
【0117】
工程E:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−(2−クロロプロパノイルオキシ)ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 5R, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化59】

【0118】
実施例4の工程Gに記載の手順に従って、標記の化合物を得た。
1H−NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.33(1H, m), 5.20(1H, m), 4.80−4.74(1H, m), 7.67(1H, d), 4.57−4.47(2H, m), 4.39(1H, s), 4.00−3.85(4H, m), 2.48−2.39(2H, m), 1.97(1H, d), 1.90−1.73(4H, m)
【0119】
実施例10
【化60】

(S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル) 5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート(化合物(20)5(S)異性体に相当)
工程A:(S)−t−ブチル 5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化61】

【0120】
(S)−t−ブチル−5−ヒドロキシヘキサノエート(3.81g, 20.2mmol)(Oscar Pamies and Jan-E. Backvall, J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265に記載のようにして得た)、2, 6−ジ−t−ブチル−4−メチルピリジン(6.64g, 32.2mmol)およびテトラエチルアンモニウムナイトレート(7.76g, 40.4mmol)を、CH2Cl2(75mL)に溶解した。−78℃に冷却した溶液に、CH2Cl2(75mL)中のトリフリック無水物(3.33ml, 20.2mmol)の溶液をゆっくり加えた。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いでゆっくりと室温まで温め、3時間撹拌した。この混合物をNaH2PO4および食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, 2〜20%の EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、標記の化合物を得た。
【0121】
工程B:(S)−5−(ニトロオキシ)ヘキサン酸
【化62】

【0122】
(S)−第3級ブチル−5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート(590mg, 2.53mmol)をCH2Cl2(20mL)に溶解した。出発物質が消失するまで溶液中にHClガスを導入した。この溶液を少量になるまで濃縮し、CH2Cl2で数回希釈して、残留する酸性物質を除去し、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 9.01(1H, bs), 5.09(1H, m), 2.43(2H, t), 1.70(4H, m), 1.37(3H, d)
【0123】
工程C:(S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル) 5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート
【化63】

【0124】
実施例4の工程Fにおける反応試剤、(S)−5, 6 −ジ(ニトロオキシ)ヘキサン酸を(S)−5−(ニトロオキシ)ヘキサン酸に代えたことを除いて、実施例4の合成手順に従って、標記の化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.24−4.99(1H, m), 5.09(2H, m), 4.71(1H, t), 4.50(1H, t), 4.30(1H, m), 4.12(1H, m), 3.97(1H, m), 3.86(1H, m), 3.57(1H, m), 2.61(1H, d), 2.43(2H, m), 1.91−1.51(4H, m), 1.37(3H, d)
【0125】
実施例11
【化64】

(5S, 5′S)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−ヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3, 6−ジイル) ビス(5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート)(化合物(30)5(S)異性体に相当)
【0126】
実施例1の工程Aにおける反応試剤、5−ヘキサン酸を2当量の(S)−5−(ニトロオキシ)ヘキサン酸に代えたことを除いて、実施例1の合成手順に従って、標記の化合物を得た。
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.10(4H, m), 4.71(2H, m), 4.04(2H, dd), 3.80(2H, dd), 2.43(4H, m), 1.87−1.62(8H, m), 1.39(6H, d)
【0127】
実施例12
【化65】

【0128】
(R)−((3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル) 5−(ニトロオキシ)ヘキサノエート)(化合物(20)5(R)異性体に相当)
実施例10の工程Cにおける反応試剤、(S)−5−(ニトロオキシ)ヘキサン酸を、Oscar Pamies and Jan-E. Backvall, J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265および実施例10に記載のようにして得た(R)−5−(ニトロオキシ)ヘキサン酸に代えたことを除いて、実施例10の合成手順に従って、標記の化合物を得た。
【0129】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.24−4.99(1H, m), 5.09(2H, m), 4.71(1H, t), 4.50(1H, t), 4.30(1H, m), 4.12(1H, m), 3.97(1H, m), 3.86(1H, m), 3.57(1H, m), 2.61(1H, d), 2.43(2H, m), 1.91−1.51(4H, m), 1.37(3H, d)
【0130】
実施例13
【化66】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 3−(2, 3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)プロパノエート(化合物(3)に相当)
【0131】
工程A:3−(2, 3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)プロパン酸
反応試剤3, 3−ジメチル−5−ヘキセニル 4−ニトロベンゾエートを4−ニトロフェニル 3−(アリルオキシ)プロパノエートに代え、反応試剤3, 3−ジメチル−5, 6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル 4−ニトロベンゾエートを4−ニトロフェニル 3−(2, 3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)プロパノエートに代えたことを除いて、実施例8の工程A,Bに記載の手順に従って、標記の化合物を製造した。
【0132】
工程B:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 3−(2, 3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)プロパノエート
実施例4の工程Fにおける反応試剤(S)−5, 6 −ジ(ニトロおキシ)ヘキサン酸をOscar Pamies and Jan-E. Backvall, J. Org. Chem. 2002, 67, 1261-1265および実施例10に記載のようにして得た3−(2, 3−ビス(ニトロオキシ)プロポキシ)プロパン酸に代えたことを除いて、実施例4の合成手順に従って、標記の化合物を製造した。
【0133】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.41(1H, m), 5.20(1H, q), 4.86−4.76(1H, m), 4.75−4.60(2H, m), 4.51(1H, t), 4.32(1H, m), 4.41(1H, m), 3.98(1H, m), 3.93−3.71(5H, m), 3.59(1H, m), 2.67(2H, t), 2.59(1H, d)
【0134】
実施例14
【化67】

(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 6−(ニトロオキシ)ヘキシルカルボネート(化合物(31)に相当)
【0135】
工程A:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 6−クロロヘキシルカルボネート
【化68】

【0136】
DCM(15mL)中の(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 4−ニトロフェニルカルボネート(1.13g, 3.63mmol)(実施例7の工程Cに記載のようにして製造)の溶液に、6−クロロヘキサノール(596mg, 4.36mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(89mg, 0.73mmol)を加え、この混合物を室温で18時間撹拌した。次いで、混合物をDCMで希釈し、リン酸二水素ナトリウムの5%溶液(20ml)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、真空下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン12〜80%)で精製して、標記の化合物を無色の油状物として得た。
【0137】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.02−4.85(2H, m), 4.62(1H, t), 4.29(1H, t), 4.17(3H, t), 3.93−3.82(1H, m), 3.82−3.71(2H, m), 3.63(2H, t), 1.81−1.66(3H, m), 1.66−1.54(2H, m), 1.48−1.27(4H, m)
【0138】
工程B:(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 6−(ニトロオキシ)ヘキシルカルボネート
【化69】

【0139】
(3R, 3aR, 6R, 6aR)−6−ヒドロキシヘキサヒドロフロ[3, 2−b]フラン−3−イル 6−クロロヘキシルカルボネート(277mg, 0.90mmol)のアセトニトリル溶液(6ml)に硝酸銀(457mg, 2.69mmol)を加え、この混合物をマイクロ波装置で加熱した(40分間、125℃)。銀塩を濾去し、溶液を真空下に濃縮し、DCM(50ml)を加えた。混合物を水(2 x 30ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下に濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィ(Biotage SP1, EtOAc/n−ヘキサン10〜100%)で精製して、標記の化合物を無色の油状物として得た。
【0140】
1H NMR(300 MHz, CDCl3):δ 5.09(1H, m), 4.76(1H, t), 4.54−4.42(3H, m), 4.38−4.25(1H, m), 4.24−4.14(2H, m), 4.14−4.07(1H, m), 4.05−3.91(2H, m), 3.64−3.52(1H, m), 2.56(1H, d), 1.84−1.65(4H, m), 1.53−1.38(4H, m)
【0141】
血管緊張試験
本発明の化合物の血管緊張低下の誘発能力を、摘出したウサギの胸部大動脈の標本を用いたインビトロで、前駆化合物と比較して試験した (Wanstall J.C. et al., Br. J. Pharmacol., 134:463-472, 2001)。
雄のニュージーランド・ラビットをチオペンタ-Na (50 mg/kg, iv)で麻酔し、放血によりと殺し、次いで胸腔を開き、大動脈を切り裂いた。大動脈リングの標本を、小さい臓器室(5 ml)において、生理食塩水(PSS)中に37°Cでセットした。PSSの組成(mM)は、NaCl 130、NaHCO3 14.9、KH2PO4 1.2、MgSO4 1.2、HEPES 10、CaCl2 、アスコルビン酸170 およびグルコース1.1 (95% O2 /5% CO2 ; pH 7.4)であった。
【0142】
各リングを、2 gの受動張力下にマウントした。アイソメトリック張力をBIOPAC MP150 システムに取り付けられたグラス・トランスジューサー(Grass FT03)で記録した。標本を1時間放置して平衡化させ、次いでノルアドレナリン(NA, 1 μM) で緊縮させ、緊縮が安定したときに、アセチルコリン(ACh, 10 μM)を加えた。Achに対する弛緩応答は、機能的な内皮の存在を示した。NA緊縮できなかったか、またはAchに対して弛緩を示さなかった血管は廃棄した。プレ緊縮が安定化したとき、血管緊張低下剤に対する累積濃度−応答曲線が、機能的な内皮の存在下に得られた。
【0143】
各動脈リングは、阻害剤と血管緊張低下剤との一つの組合せだけに曝された。さらに、大動脈リングをODQ (10 μM) とともに20分間前培養して、化合物により生じた血管緊張低下に対する、溶解性のグアニリルシクラーゼ阻害剤ODQ (1-H-(1,2,4)-オキサジアゾール(4,3-a)キノキサリン-1-オン)の効果を試験した。
弛緩剤に対する応答を残留緊縮のパーセントとして表し、試験化合物の濃度に対してプロットした。EC50値 (ここで、EC50は試験化合物に対する最大弛緩の50%を生じる濃度である)をこれらのプロットから書き入れた。
【0144】
試験期間中、NAで得られたプラトーは、大動脈リングにおける緊縮の顕著な自発的ロスもなく、安定していた。これらの試験条件下で、前駆化合物(イソマンニド)は、試験されたいずれの濃度でも弛緩を生じず、その曲線は媒体だけの存在下で得られた曲線と変わりがなかった。
表1に示すように、本発明の化合物は、濃度依存的に弛緩を生じることができた。しかも、ODQ (10 μM)の存在下に行われた試験で、試験化合物に対する血管緊張低下応答は阻害された。
【0145】
【表1】

【0146】
cGMP 累積試験
細胞内のcGMP増加に対する本発明の化合物の能力を、ヒト胎児の腎臓(HEK293)の細胞標本を用い、インビトロで、媒体と比較して試験した。方法は、文献(Onginiら、PNAS 2004; 101(22):8497-502. Ronchettiら、Eur J Pharmacol. 2006;532(1-2):162-9)に報告されている方法を少し修正して行なった。
【0147】
HEPES (10mM)、MgCl2 (5mM)および0.05% アスコルビン酸を補充したHank's バランス塩溶液(HBSS)で、HEK293 細胞を1回洗浄した。次いで、それらを、内因性のNO産生が低くなるように、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、N- ニトロ-L-アルギニン メチルエステル (L-NAME) (300 μM)とともに、20分間、前培養した。次いで、ホスホジエステラーゼ阻害剤、3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMX, 100 μM)および溶解性グアニリル−シクラーゼ、BAY 41-2272 (1 μM)のNO-非依存性アクチベータ/モジュレータの存在下に、細胞を媒体(DMSO 1%)または(100 μMまで)増加する濃度の試験化合物のいずれかに30分間曝した。
【0148】
培養バッファを除去し、氷冷100%エタノールを添加して(50 μl/ウェル)、反応を止めた。次いで、プレートを熱気流中で乾燥し、細胞残留物を溶解し、抽出し、市販のサイクリックGMP 酵素イムノアッセイ・キット(Cayman Chemical, Ann Arbor, MI, U.S.A.)を用いて試験した。本発明の化合物で得られた、それぞれの最高濃度(100 μM)での媒体の%として表されるデータを表2に示す。
【0149】
【表2】

【0150】
抗高血圧活性の試験(インビボ)
本発明の化合物の血圧低下能力を知覚のある本態性高血圧ラット(SHRs)を用いて評価した。SHRs (250-300 g) に試験化合物を1回経口投与した。心臓収縮期の血圧(SBP)および心拍数を、投与後24時間、テレメトリーによりモニターした。試験化合物の経口投与による処置に続いて、SBP を処置前(ベースライン)および異なった時点(すなわち、2-6, 12, 21-24, 25-48 時)で評価した。絶対値または絶対値とそれ自身のベースラインとの間のデルタとして、データを加工した。
【0151】
心臓収縮期の血圧、心臓拡張期の血圧、平均動脈圧、心拍数、および運動活性の測定に、Dataquest IV テレメトリー・システム(Data Sciences International) を用いた。モニタリング・システムは、トランスミッター(無線周波数変換器TA11PAモデル)、レシーバー・パネル、コンソリデーション・マトリクスおよびソフトウェア搭載パーソナル・コンピュータから構成されている。器具を備え付ける前に、精度が±3 mmHg内となるように較正した。
【0152】
ラットをケタミン/キシラジン/アセプロマジンで麻酔し、トランスミッターの柔軟なカテーテルを腎臓動脈直下の腹の大動脈中に外科的に固定した。トランスミッターを皮下に縫合した。手術後、ラットを個々のケージ中に収容した。各ケージを、データを取得するためのパーソナルコンピュータに連結したレシーバーパネル上に置いた。ラットは拘束されず、ケージ内を自由に動けるようにした。血流力学のデータを2分ごとに10秒間採取した。
前駆化合物(イソマンニド)に比べて、実施例1の化合物は、拡張されたピーク効果および作用時間でもって、BP低下を示した(表3)。
【0153】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

(式中、AおよびA′は、それらのうち少なくとも一方はHでないという条件で、Hおよび−(X)S−Y(ここで、
sは0または1であり、
Xは−CO−、−COO−、−CONH−および−SO2−からなる群から選択されるか、または
【化2】

であり、
Yは
− 1つもしくは2つの−ONO2で置換された、直鎖状または分枝鎖状のC1−C20アルキル鎖、好ましくはC1−C10アルキル鎖、または
− アルキル部分が1つもしくは2つの−ONO2基で置換されたC1−C6アルキレンオキシ−C1−C5アルキルである)
からなる群から独立して選択される)
の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
【請求項2】
Yが次の群:
1)Z−CH2−ONO2
(ここで、Zは直鎖状または分枝鎖状のC1−C10アルキレン、好ましくは直鎖状または分枝鎖状のC1−C6アルキレンである);
2)(CH2nR1
3)(CH2n−O−CH2−R1
(ここで、R1は−CH(ONO2)R2であり、R2は−CH3またはC1−C4アルキルであり、nは1〜6の整数である);
4)Y1−R3
(ここで、R3は−CH(ONO2)CH(ONO2)R4であり、R4は−CH3,−CH2CH3および−CH(CH32から選択され、
Y1は−(CH21-4−(X10-1−(CH20-4であり、X1は−O−または−CR5R6−であり、R5およびR6は水素およびC1−C4アルキルからなる群から独立して選択される);
5)Y1−CH(ONO2)CH2(ONO2
(ここで、Y1は、sが0であるとき、Y1は−CH2−でないという条件で、前記で定義されたとおりである)
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
次の化合物:
【化3】

(式中、AおよびA'は請求項1で定義されたとおりである)
からなる群から選択される、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
次の化合物:
【化4】

(式中、AおよびA'は請求項1で定義されたとおりである)
からなる群から選択される、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
次の化合物:
【化5】

(式中、AはHであり、A'は-CO-Yまたは-COO-Y(ここで、Yは請求項1で定義されたとおりである)
からなる群から選択される、式(I)の化合物。
【請求項6】
次の化合物:
【化6】

(式中、AはHであり、A'は-(X)S-Y (ここで、sは0であり、Yは請求項1で定義されたとおりである)
からなる群から選択される、式(I)の化合物。
【請求項7】
次の化合物:
【化7】

(式中、AはHであり、A'は
【化8】

である)
からなる群から選択される、式(I)の化合物。
【請求項8】
Yが次の基:
【化9】

からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一つに記載の式(I)の化合物。
【請求項9】
次の化合物:
【化10−1】

【化10−2】

【化10−3】

【化10−4】

【化10−5】

【化10−6】

からなる群から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、またはその立体異性体。
【請求項10】
医薬として使用するための、請求項1〜9のいずれか一つに記載の、式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
【請求項11】
心血管系疾患、高血圧症、炎症、疼痛、発熱、胃腸障害、眼疾患、緑内障、高眼圧症、肝障害、腎臓病、腎症、糖尿病、呼吸器障害、免疫疾患、骨代謝機能障害、中枢および末梢神経系疾患、性機能障害、感染症、血小板凝集および血小板癒着阻害用、異常細胞増殖による疾患治療用、癌、血管系疾患、神経変性疾患、代謝症候群、レイノルズ症候群、強皮症、デュヘンおよびベッカー・ジストロフィーのような筋ジストロフィーの治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか一つに記載の式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
【請求項12】
高血圧症、腎症および糖尿病の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか一つに記載の式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体。
【請求項13】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体と、非ステロイド系の抗炎症剤、抗血栓剤、ステロイド系抗炎症剤、ACE阻害剤、アンジオテンシンII受容体拮抗剤、βアドレナリン受容体遮断剤、βアドレナリン受容体アゴニスト、スタチン類、プロスタグランジン類から選択される少なくとも一つの治療薬とを含む組合せ。
【請求項14】
心血管系疾患、高血圧症、炎症、疼痛、発熱、胃腸障害、眼疾患、緑内障、高眼圧症、肝障害、腎臓病、腎症、糖尿病、呼吸器障害、免疫疾患、骨代謝機能障害、中枢および末梢神経系疾患、性機能障害、感染症、血小板凝集および血小板癒着阻害用、異常細胞増殖による疾患治療用、血管系疾患、神経変性疾患、代謝症候群、レイノルズ症候群、強皮症、デュヘンおよびベッカー・ジストロフィーのような筋ジストロフィーの治療に使用するための、請求項13に記載の組合せ。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか一つに記載の式(I)の化合物、または医薬的に許容されるその塩もしくは立体異性体、および医薬的に許容される賦形剤を含む医薬製剤。
【請求項16】
請求項15に記載の組成物および医薬的に許容される賦形剤を含む医薬製剤。

【公表番号】特表2011−511022(P2011−511022A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545422(P2010−545422)
【出願日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際出願番号】PCT/EP2009/050416
【国際公開番号】WO2009/098113
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(398034032)ニコックス エス エイ (36)
【住所又は居所原語表記】Taissounieres HB4,1681 route des Dolines−BP313,06560 Sophia Antipolis−Valbonne,France
【Fターム(参考)】