説明

三方制御弁および冷凍装置

【課題】流体の流れを制御するための三方制御弁において、弁体の振動を抑制して三方制御弁の信頼性を向上させる。
【解決手段】三方制御弁(41)では、ハウジング(50)内の弁体(60)が回転移動すると、三方向状態と二方向状態とが切り換わる。三方向状態の三方制御弁(41)では、第1ポート(51)が第2ポート(52)と第3ポート(53)の両方と連通する。二方向状態の三方制御弁(41)では、第1ポート(51)が第2ポート(52)と第3ポート(53)の何れか一方と連通して他方から遮断される。シール部材(71,72)は、第2ポート(52)と第3ポート(53)に一つずつ配置される。押付け機構(70)の押付け動作を行うと、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられる。押付け機構(70)は、三方向状態と二方向状態の両方において、押付け動作を行う。また、押付け機構(70)は、モータ(45)が弁体(60)を駆動する際に押付け動作を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の流れを制御するための三方制御弁と、それを備えた冷凍装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、流体の流れを制御するための三方制御弁が知られている。特許文献1には、冷凍装置の冷媒回路に設けられて冷媒の流れを制御する三方制御弁が開示されている。特許文献1の冷凍装置の冷媒回路では、圧縮機の吐出側と吸入側に三方制御弁が一つずつ配置されている。圧縮機の吐出側に配置された三方制御弁は、圧縮機から吐出された高圧冷媒の流れを制御する。圧縮機の吸入側に配置された三方制御弁は、圧縮機へ吸入される低圧冷媒の流れを制御する。
【0003】
特許文献2には、三方制御弁の詳細な構造が開示されている。この三方制御弁は、弁体と、弁体を収容するハウジングと、弁体を駆動するモータとを備えている。ハウジングでは、その下部と左右の側部にポートが一つずつ形成されている。弁体は、中空の円筒状に形成されている。また、弁体は、その円筒壁に円形の開口部が形成されている。モータに駆動されて弁体が回転すると、弁体の開口部の位置が変化する。その結果、三方制御弁は、三方向状態と二方向状態とに切り換わる。三方向状態では、第1のポートが第2のポートと第3のポートの両方と連通する。二方向状態では、第1のポートが第2のポートと第3のポートの何れか一方と連通して他方から遮断される。
【0004】
特許文献2の三方制御弁には、弁体とハウジングの隙間をシールするためのシールリングが設けられている。この三方制御弁では、二方向状態においてシールリングが弁体に押し付けられ、互いに連通している二つのポートと残りの一つのポートの一方から他方への冷媒の漏れが阻止される。一方、この三方制御弁では、三方向状態においてシールリングは弁体に押し付けられない。その理由は、三方向状態では各ポートを通過する冷媒の圧力が実質的に等しいため、ハウジングと弁体の隙間を通過する冷媒は少なく、また、ハウジングと弁体の隙間を冷媒が流れても三方制御弁の機能は何ら損なわれないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−340470号公報
【特許文献2】特開2001−065714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、三方制御弁を通過する流体の流れは、流速や圧力が実質的に一定な定常流であるとは限らず、流速や圧力が常に変動する非定常流である場合も多い。三方制御弁を通過する流体の流れが非定常流である場合、流体の流れに曝されている弁体は、流体の流速や圧力の変動に起因して振動する。そして、弁体が振動すると、弁体がハウジングに当たって損傷したり、弁体を駆動するモータに振動が伝わってモータが損傷するおそれがあった。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、流体の流れを制御するための三方制御弁と、それを備えた冷凍装置において、弁体の振動を抑制して三方制御弁の信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、三つのポートを有するハウジング(50)と、該ハウジング(50)に収容された弁体(60)と、該弁体(60)を駆動する駆動機構(45)とを備え、上記駆動機構(45)が上記弁体(60)を駆動することによって、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の両方と連通する位置に上記弁体(60)が設定される三方向状態と、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の何れか一方と連通して他方から遮断される位置に上記弁体(60)が設定される二方向状態とに切り換わる三方制御弁を対象とする。そして、上記弁体(60)に押付けられると上記弁体(60)の隙間をシールするシール部材(71,72)を有し、該シール部材(71,72)を該弁体(60)に押し付ける押付け動作を実行し又は停止する押付け機構(70)が設けられており、上記押付け機構(70)は、上記二方向状態と上記三方向状態の何れにおいても上記押付け動作を実行するものである。
【0009】
第1の発明において、三方制御弁(41,42)のハウジング(50)には、三つのポート(51,52,53)が設けられる。この三方制御弁(41,42)は、三方向状態と二方向状態とに切り換え可能となっている。また、この発明の三方制御弁(41,42)には、シール部材(71,72)を有する押付け機構(70)が設けられる。
【0010】
二方向状態の三方制御弁(41,42)では、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の何れか一方と連通して他方から遮断される。例えば、第1のポート(51)が第2のポート(52)と連通して第3のポート(53)から遮断される二方向状態の三方制御弁(41,42)において、第1のポート(51)と第2のポート(52)に接続された配管を流れる流体と、残りの第3のポート(53)に接続された配管を流れる流体との間に圧力差があると、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間を通って、第1及び第2のポート(51,52)と第3のポート(53)の一方から他方へ流体が漏れ出してしまう。
【0011】
そこで、第1の発明の三方制御弁(41,42)では、二方向状態において押付け機構(70)が押付け動作を行う。押付け機構(70)の押付け動作では、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられ、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間がシール部材(71,72)によってシールされる。このため、互いに連通する二つのポートと残りの一つのポートの一方から他方への流体の漏洩が抑えられる。また、この状態では、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられており、弁体(60)がシール部材(71,72)によって拘束される。このため、三方制御弁(41,42)を通過する流体の流れが非定常流であり、この流体から弁体(60)が加振力を受ける場合であっても、弁体(60)の振動が抑制される。
【0012】
一方、三方向状態の三方制御弁(41,42)では、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の両方と連通する。このため、各ポート(51,52,53)を流れる流体の圧力は実質的に等しい。従って、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間を通過する流体は少なく、また、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間を流体が流れても三方制御弁(41,42)の機能は何ら損なわれない。しかし、三方向状態の三方制御弁(41,42)においても、弁体(60)はハウジング(50)を通過する流体に曝されている。このため、ハウジング(50)を通過する流体が非定常流である場合は、弁体(60)が振動するおそれがある。
【0013】
そこで、第1の発明の三方制御弁(41,42)では、三方向状態においても押付け機構(70)が押付け動作を行う。押付け機構(70)の押付け動作によってシール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられると、弁体(60)がシール部材(71,72)によって拘束され、弁体(60)の振動が抑制される。
【0014】
第2の発明は、上記第1の発明の三方制御弁(41,42)と、圧縮機(20)を有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)とを備えた冷凍装置を対象とする。そして、上記三方制御弁(41,42)は、上記冷媒回路(11)に設けられて該冷媒回路(11)における冷媒の流れを制御し、上記圧縮機(20)は、圧縮室(33)を形成すると共に該圧縮室(33)へ冷媒を吸入して圧縮する圧縮機構(30)と、該圧縮機構(30)を収容するケーシング(21)とを備え、上記圧縮機構(30)が圧縮した冷媒を上記ケーシング(21)内の空間へ吐出するように構成され、上記押付け機構(70)は、上記圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される冷媒と上記圧縮機構(30)の圧縮室(33)から吐出される直前の冷媒のうち圧力の高い方と、上記圧縮機構(30)へ吸入される冷媒との圧力差を利用して上記シール部材(71,72)を上記弁体(60)に押し付けるものである。
【0015】
第2の発明の冷凍装置(10)では、冷媒回路(11)に三方制御弁(41,42)が設けられる。冷媒回路(11)では、蒸発器から圧縮機(20)へ低圧冷媒が流入する。この低圧冷媒は、圧縮機(20)の圧縮機構(30)へ吸入される。圧縮機構(30)は、圧縮室(33)へ吸入した冷媒を圧縮する。圧縮機構(30)は、圧縮した冷媒を圧縮室(33)からケーシング(21)内の空間へ吐出する。圧縮機構(30)から吐出された高圧冷媒は、ケーシング(21)から吐出され、冷媒回路(11)の凝縮器へ送られる。
【0016】
ここで、冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)では、高圧冷媒と低圧冷媒の圧力比が、圧縮機(20)の圧縮機構(30)の圧縮比(即ち、吐出過程の開始直前と吸入過程の終了直後における圧縮室(33)内の冷媒圧力の比)と一致するのが理想である。しかし、実際の冷媒回路(11)では、両者が一致する場合は少なく、過圧縮や圧縮不足の状態になっている場合が多い。過圧縮の状態では、吐出過程の開始直前における圧縮室(33)内の冷媒の圧力が、圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される高圧冷媒の圧力よりも高くなる。逆に、圧縮不足の状態では、圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される高圧冷媒の圧力が、吐出過程の開始直前における圧縮室(33)内の冷媒の圧力よりも高くなる。
【0017】
第2の発明の三方制御弁(41,42)において、押付け機構(70)は、冷媒の圧力差を利用してシール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける。従って、冷媒の圧力差が大きいほど、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力が大きくなる。一方、この押付け機構(70)は、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために、圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される冷媒と圧縮機構(30)の圧縮室(33)から吐出される直前の冷媒のうち圧力の高い方と、圧縮機構(30)へ吸入される冷媒との圧力差を利用している。このため、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために用いる冷媒の圧力差は、その時点の冷凍サイクルにおいて得られる最も大きな値となる。
【0018】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記三方制御弁(41,42)の上記押付け機構(70)は、上記冷媒回路(11)のうち上記圧縮機(20)から吐出された高圧ガス冷媒が流れる高圧部(24)を上記ハウジング(50)に接続するための第1高圧側通路(91)と、上記第1高圧側通路(91)に設けられて上記ハウジング(50)へ向かう冷媒の流れだけを許容する第1逆止弁(93)と、上記圧縮機構(30)の圧縮室(33)を上記ハウジング(50)に接続するための第2高圧側通路(92)と、上記第2高圧側通路(92)に設けられて上記ハウジング(50)へ向かう冷媒の流れだけを許容する第2逆止弁(94)とを備え、上記第1高圧側通路(91)と上記第2高圧側通路(92)の何れか一方を通ってハウジング(50)へ流入した冷媒の圧力を、上記シール部材(71,72)を上記弁体(60)に押し付けるために利用するものである。
【0019】
上述したように、実際の冷媒回路(11)では、過圧縮や圧縮不足の状態になっている場合が多い。このため、高圧部(24)の圧力と、圧縮機構(30)の圧縮室(33)の圧力とは、互いに相違している場合が多い。
【0020】
第3の発明において、高圧部(24)が圧縮機構(30)の圧縮室(33)よりも高圧である場合は、第1逆止弁(93)が開状態となって第2逆止弁(94)が閉状態となる。従って、この場合は、高圧部(24)の冷媒が第1高圧側通路(91)を通って三方制御弁(41,42)のハウジング(50)へ導入される。一方、圧縮機構(30)の圧縮室(33)が高圧部(24)よりも高圧である場合は、第1逆止弁(93)が閉状態となって第2逆止弁(94)が開状態となる。従って、この場合は、圧縮室(33)の冷媒が第1高圧側通路(91)を通って三方制御弁(41,42)のハウジング(50)へ導入される。
【発明の効果】
【0021】
本発明では、三方制御弁(41,42)に押付け機構(70)が設けられる。この三方制御弁(41,42)では、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールする必要がある二方向状態だけでなく、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールする必要の無い三方向状態においても、押付け機構(70)が押付け動作を行う。押付け機構(70)が押付け動作を行うと、シール部材(71,72)によって弁体(60)が拘束される。このため、三方制御弁(41,42)を通過する流体が非定常流である場合であっても、この流体に曝される弁体(60)の振動が抑制される。従って、本発明によれば、二方向状態と三方向状態の両方において、弁体(60)の振動に起因して弁体(60)や駆動機構(45)が損傷する可能性を低減でき、三方制御弁(41,42)の信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、本発明によれば、弁体(60)の振動を抑制するための新たな部材を三方制御弁(41,42)に追加するのではなく、二方向状態においてハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールするのに必要なシール部材(71,72)を用いて、弁体(60)の振動を抑制することができる。従って、本発明によれば、三方制御弁(41,42)の構成を複雑化させずに、三方制御弁(41,42)の信頼性を向上させることができる。
【0023】
上記第2の発明において、押付け機構(70)は、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために、圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される冷媒と圧縮機構(30)の圧縮室(33)から吐出される直前の冷媒のうち圧力の高い方と、圧縮機構(30)へ吸入される冷媒との圧力差を利用している。このため、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために用いる冷媒の圧力差を、その時点の冷凍サイクルにおいて得られる最も大きな値とすることができる。従って、この発明によれば、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力の大きさを、その時点の冷凍サイクルの状態において得られる最も大きな値とすることができ、弁体(60)の振動を確実に抑制することができる。
【0024】
上記第3の発明では、流入側と流出側の圧力差に応じて自動的に開閉する逆止弁(93,94)を二つ用いることによって、高圧部(24)と圧縮機構(30)の圧縮機(20)のうち圧力が高い方から三方制御弁(41,42)のハウジング(50)へ冷媒を送ることができる。従って、この発明によれば、三方制御弁(41,42)の複雑化を抑制しつつ、押付け機構(70)がシール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】冷凍装置の概略構成を示す冷媒回路図であって、(A)は冷房重視運転時の状態を示し、(B)は暖房重視運転時の状態を示す。
【図2】圧縮機の概略構成を示す縦断面図である。
【図3】実施形態1の三方制御弁の図4におけるB−B断面を示す断面図である。
【図4】実施形態1の三方制御弁の図3におけるA−A断面を示す断面図である。
【図5】実施形態1の三方制御弁の図4と同じ断面を示す断面図であって、(A)及び(B)は三方向状態を示し、(C)は第1二方向状態を示す。
【図6】実施形態2の三方制御弁の図4に相当する断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)では、その冷媒回路(11)に三方制御弁が設けられている。
【0028】
−冷凍装置−
先ず、三方制御弁を備えた冷凍装置(10)について、図1を参照しながら説明する。この冷凍装置(10)は、冷凍サイクルを行い、冷水と温水を利用側へ供給する。
【0029】
〈冷凍装置の構成〉
冷凍装置(10)の冷媒回路(11)には、圧縮機(20)と、凝縮器(12)と、蒸発器(13)と、空気熱交換器(14)とが設けられている。また、冷媒回路(11)には、膨張弁12と三方制御弁(41,42)とが二つずつ設けられている。
【0030】
冷媒回路(11)において、圧縮機(20)は、その吐出口(23)が吐出側の三方制御弁(41)の第1ポート(51)に接続され、その吸入口(22)が吸入側の三方制御弁(42)の第1ポート(51)に接続される。冷媒回路(11)では、吐出側の三方制御弁(41)の第3ポート(53)から吸入側の三方制御弁(42)の第2ポート(52)に向かって順に、凝縮器(12)と、第1膨張弁(15)と、蒸発器(13)とが配置されている。吐出側の三方制御弁(41)の第2ポート(52)と吸入側の三方制御弁(42)の第3ポート(53)は、接続用配管(17)によって互いに接続されている。空気熱交換器(14)は、そのガス側端が接続用配管(17)に接続され、その液側端が第2膨張弁(16)の一端に接続される。第2膨張弁(16)の他端は、凝縮器(12)と第1膨張弁(15)の間の配管に接続されている。
【0031】
凝縮器(12)は、供給された水を冷媒と熱交換させて加熱する。凝縮器(12)において加熱された水は、温水として暖房用のファンコイルユニット等へ送られる。蒸発器(13)は、供給された水を冷媒と熱交換させて冷却する。蒸発器(13)において冷却された水は、冷水として冷房用のファンコイルユニット等へ送られる。空気熱交換器(14)には、ファン(18)によって室外空気が供給される。空気熱交換器(14)は、冷媒を室外空気と熱交換させる。
【0032】
吐出側の三方制御弁(41)は、圧縮機(20)から吐出された冷媒の流れを制御する。一方、吸入側の三方制御弁(42)は、圧縮機(20)へ吸入される冷媒の流れを制御する。三方制御弁(41,42)の詳細については、後述する。
【0033】
各三方制御弁(41,42)は、三方向状態と、第1二方向状態と、第2二方向状態とに切り換わる。三方向状態の三方制御弁(41,42)では、第1ポート(51)が第2ポート(52)と第3ポート(53)の両方と連通する。第1二方向状態の三方制御弁(41,42)では、第1ポート(51)が第2ポート(52)と連通し且つ第3ポート(53)から遮断される。第2二方向状態の三方制御弁(41,42)では、第1ポート(51)が第3ポート(53)と連通し且つ第2ポート(52)から遮断される。
【0034】
〈冷凍装置の運転動作〉
冷凍装置(10)は、複数の運転動作を実行可能に構成されており、実行する運転動作をその運転条件に応じて選択する。ここでは、冷凍装置(10)が行う運転動作のうち、冷房重視運転と、暖房重視運転とについて説明する。
【0035】
先ず、冷房重視運転について、図1(A)を参照しながら説明する。この冷房重視運転は、冷房負荷が暖房負荷を上回る運転条件において実行される。
【0036】
冷房重視運転では、吐出側の三方制御弁(41)が三方向状態に設定され、吸入側の三方制御弁(42)が第1二方向状態に設定される。また、冷房重視運転では、第1膨張弁(15)の開度が適宜調節され、第2膨張弁(16)が全開状態に保持される。
【0037】
冷媒回路(11)において、圧縮機(20)から吐出されて吐出側の三方制御弁(41)の第1ポート(51)へ流入した冷媒は、その一部が第2ポート(52)へ流れ、残りが第3ポート(53)へ流れる。吐出側の三方制御弁(41)の第2ポート(52)から流出した冷媒は、空気熱交換器(14)へ流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。一方、吐出側の三方制御弁(41)の第3ポート(53)から流出した冷媒は、凝縮器(12)へ流入し、水へ放熱して凝縮する。凝縮器(12)から流出した冷媒は、空気熱交換器(14)から流出した冷媒と合流し、その後に第1膨張弁(15)を通過する。第1膨張弁(15)を通過する際に膨張した冷媒は、蒸発器(13)へ流入し、水から吸熱して蒸発する。蒸発器(13)から流出した冷媒は、吸入側の三方制御弁(42)の第2ポート(52)から第1ポート(51)へと流れ、その後に圧縮機(20)へ吸入される。
【0038】
次に、暖房重視運転について、図1(B)を参照しながら説明する。この暖房重視運転は、暖房負荷が冷房負荷を上回る運転条件において実行される。
【0039】
暖房重視運転では、吐出側の三方制御弁(41)が第2二方向状態に設定され、吸入側の三方制御弁(42)が三方向状態に設定される。また、暖房重視運転では、第1膨張弁(15)及び第2膨張弁(16)の開度が適宜調節される。
【0040】
冷媒回路(11)において、圧縮機(20)から吐出された冷媒は、吐出側の三方制御弁(41)の第1ポート(51)から第3ポート(53)へと流れる。吐出側の三方制御弁(41)の第3ポート(53)から流出した冷媒は、凝縮器(12)へ流入し、水へ放熱して凝縮する。凝縮器(12)から流出した冷媒は、その一部が第2膨張弁(16)へ流入し、残りが第1膨張弁(15)へ流入する。第1膨張弁(15)を通過する際に膨張した冷媒は、蒸発器(13)へ流入し、水から吸熱して蒸発する。蒸発器(13)から流出した冷媒は、吸入側の三方制御弁(42)の第2ポート(52)へ流入する。一方、第2膨張弁(16)を通過する際に膨張した冷媒は、空気熱交換器(14)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。空気熱交換器(14)から流出した冷媒は、吸入側の三方制御弁(42)の第3ポート(53)へ流入する。吸入側の三方制御弁(42)の第2ポート(52)へ流入した冷媒と第3ポート(53)へ流入した冷媒は、互いに合流した後に第1のポート(51)から流出し、その後に圧縮機(20)へ吸入される。
【0041】
−圧縮機−
次に、冷媒回路(11)に設けられた圧縮機(20)について、図2を参照しながら説明する。この圧縮機(20)は、シングルスクリュー圧縮機(20)である。
【0042】
〈圧縮機の構成〉
圧縮機(20)は、横長の筒状に形成されたケーシング(21)と、ケーシング(21)に収容された圧縮機構(30)及び電動機(35)とを備えている。ケーシング(21)では、その一端側(図2における左端側)に吸入口(22)が形成され、その他端側(同図における右端側)に吐出口(23)が形成されている。また、吐出口(23)には、吐出配管(24)が接続されている。吐出配管(24)は、圧縮機(20)から吐出された高圧ガス冷媒が流れる高圧部を構成している。
【0043】
圧縮機構(30)は、ケーシング(21)の長手方向の中央付近に配置されている。ケーシング(21)の内部空間では、圧縮機構(30)よりも吸入口(22)側の部分が、吸入口(22)に連通する低圧空間(25)となり、圧縮機構(30)よりも吐出口(23)側の部分が、吐出口(23)に連通する高圧空間(26)となっている。低圧空間(25)には、電動機(35)が配置されている。高圧空間(26)には、圧縮機構(30)の吐出冷媒から冷凍機油を分離するためのデミスタ(36)が配置されている。
【0044】
圧縮機構(30)は、一つのスクリューロータ(31)と、二つのゲートロータとを備えている。また、圧縮機構(30)は、円筒壁部(34)を備えている。なお、ゲートロータは、図2には現れていない。スクリューロータ(31)は、概ね円柱状に形成されている。このスクリューロータ(31)には、その外周面に開口する螺旋溝(32)が複数形成されている。円筒壁部(34)は、内面が円筒面となった部分であって、ケーシング(21)と一体に形成されている。スクリューロータ(31)は、円筒壁部(34)に挿入され、円筒壁部(34)の内面と摺接する。また、スクリューロータ(31)は、駆動軸(37)によって電動機(35)に連結され、電動機(35)によって回転駆動される。圧縮機構(30)では、スクリューロータ(31)の螺旋溝(32)によって圧縮室(33)が形成される。
【0045】
〈圧縮機の運転動作〉
圧縮機(20)の運転動作を説明する。電動機(35)に通電すると、電動機(35)によってスクリューロータ(31)が回転駆動される。スクリューロータ(31)が回転すると、スクリューロータ(31)の螺旋溝(32)に噛み合わされたゲートロータが回転し、吸入口(22)から低圧空間(25)へ流入した低圧冷媒が、圧縮機構(30)の圧縮室(33)へ吸い込まれる。圧縮室(33)へ吸い込まれた冷媒は、圧縮された後に高圧空間(26)へ吐出される。圧縮機構(30)から高圧空間(26)へ吐出された高圧冷媒は、デミスタ(36)を通過した後に吐出口(23)を通ってケーシング(21)の外部へ吐出される。
【0046】
−三方制御弁−
冷媒回路(11)に設けられた三方制御弁(41,42)について説明する。なお、吐出側の三方制御弁(41)の構造と、吸入側の三方制御弁(42)の構造とは、互いに同じである。
【0047】
〈三方制御弁の構成〉
三方制御弁(41,42)は、ハウジング(50)と、弁体(60)と、モータ(45)とを備えている。また、三方制御弁(41,42)は、二つのシール部材(71,72)を有する押付け機構(70)を備えている。弁体(60)とシール部材(71,72)は、ハウジング(50)に収容されている。
【0048】
図3に示すように、ハウジング(50)は、概ねT字状に形成されている。ハウジング(50)では、その下端面に第1ポート(51)が、図3における左端面に第2ポート(52)が、同図における右端面に第3ポート(53)が、それぞれ開口している。第2ポート(52)及び第3ポート(53)は、左右方向に伸びる断面が円形の通路である。また、ハウジング(50)内では、第1ポート(51)の上方の空間が弁室(54)となっている。
【0049】
弁体(60)は、ハウジング(50)内の弁室(54)に配置されている。弁体(60)は、下端が開口して上端が閉塞された円筒状に形成されている。弁体(60)の中央には、上下に伸びる中心軸部(61)が形成されている。また、弁体(60)の外周壁部(62)には、第1開口(63)と第2開口(64)とが形成されている。第1開口(63)と第2開口(64)は、共に外周壁部(62)を貫通する円形の孔である。弁体(60)は、その中心軸周りに所定の角度だけ回転できるように構成されている。この弁体(60)は、中心軸部(61)の軸心周りに回転可能となっている。弁体(60)が回転すると、第1開口(63)及び第2開口(64)の位置が変化する。
【0050】
駆動機構であるモータ(45)は、ハウジング(50)の上部に取り付けられている。モータ(45)の出力軸(46)は、弁体(60)の中心軸部(61)の上端に連結されている。
【0051】
シール部材(71,72)は、ハウジング(50)の第2ポート(52)と第3ポート(53)に一つずつ配置されている。シール部材(71,72)は、両端が開口した円筒状の筒状部(73)と、筒状部(73)の外周面から突出した鍔部(74)とを備えている。筒状部(73)の先端面(即ち、弁体(60)側の端面)は、弁体(60)の外周壁部(62)の外周面に沿った形状となっている。また、筒状部(73)の外径は、ポート(52,53)の内径よりも僅かに小さい。鍔部(74)は、ポート(52,53)の内面に形成された円周溝(55a,55b)に嵌り込んでいる。鍔部(74)の外周面は、円周溝(55a,55b)の底面と摺接する。そして、円周溝(55a,55b)内の空間は、鍔部(74)によって、弁体(60)側の内側室(56a,56b)と、弁体(60)とは逆側の外側室(57a,57b)とに仕切られている。これらの内側室(56a,56b)及び外側室(57a,57b)は、押付け機構(70)を構成している。
【0052】
図4に示すように、ハウジング(50)には、高圧ポート(58a,58b)と低圧ポート(59a,59b)が二つずつ設けられている。第1高圧ポート(58a)は、第2ポート(52)のシール部材(71)に対応する外側室(57a)に連通し、第1低圧ポート(59a)は、そのシール部材(71)に対応する内側室(56a)に連通する。また、第2高圧ポート(58b)は、第3ポート(53)のシール部材(72)に対応する外側室(57b)に連通し、第2低圧ポート(59b)は、そのシール部材(72)に対応する内側室(56b)に連通する。
【0053】
吐出側の三方制御弁(41)と吸入側の三方制御弁(42)は、それぞれが高圧側連通管(81)と低圧側連通管(82)を一つずつ備えている。各三方制御弁(41,42)の高圧側連通管(81)及び低圧側連通管(82)は、押付け機構(70)を構成している。また、吐出側の三方制御弁(41)と吸入側の三方制御弁(42)は、一つの高圧側集合管(90)と一つの低圧側集合管(95)とを共有している。高圧側集合管(90)及び低圧側集合管(95)は、押付け機構(70)を構成している。
【0054】
図4に示すように、各三方制御弁(41,42)の高圧側連通管(81)は、その一端側の部分において、二つの分岐管(81a,81b)に分岐している。そして、一方の分岐管(81a)が第1高圧ポート(58a)に接続され、他方の分岐管(81b)が第2高圧ポート(58b)に接続されている。高圧側連通管(81)の他端は、高圧側集合管(90)に接続されている。
【0055】
各三方制御弁(41,42)の低圧側連通管(82)には、低圧側電磁弁(83)が設けられている。低圧側連通管(82)は、低圧側電磁弁(83)の一端側において、二つの分岐管(82a,82b)に分岐している。そして、一方の分岐管(82a)が第1低圧ポート(59a)に接続され、他方の分岐管(82b)が第2低圧ポート(59b)に接続されている。低圧側連通管(82)の他端は、低圧側集合管(95)に接続されている。
【0056】
各三方制御弁(41,42)には、均圧管(84)が設けられている。この均圧管(84)は、その一端が高圧側連通管(81)に接続され、その他端が低圧側連通管(82)における低圧側電磁弁(83)の一端側に接続されている。なお、本実施形態の三方制御弁(41,42)の均圧管(84)は、その一端が高圧側連通管(81)の分岐管(81a)に接続され、その他端が低圧側連通管(82)の分岐管(82a)に接続されている。また、均圧管(84)には、均圧用電磁弁(85)が設けられている。
【0057】
図2に示すように、高圧側集合管(90)は、その一端側において、第1分岐管(91)と第2分岐管(92)に分岐している。また、上述したように、高圧側集合管(90)の他端には、吐出側の三方制御弁(41)の高圧側連通管(81)と、吸入側の三方制御弁(42)の高圧側連通管(81)とが接続されている。
【0058】
高圧側集合管(90)の第1分岐管(91)は、圧縮機(20)の吐出口(23)に取り付けられた吐出配管(24)に接続されている。この第1分岐管(91)は、第1高圧側通路を形成している。第1分岐管(91)には、第1逆止弁(93)が設けられている。第1逆止弁(93)は、吐出配管(24)から流出する方向の冷媒の流れを許容し、逆向きの冷媒の流れを阻止する。
【0059】
高圧側集合管(90)の第2分岐管(92)は、圧縮機構(30)を構成する円筒壁部(34)に接続されている。この第2分岐管(92)は、第2高圧側通路を形成している。第2分岐管(92)の端部は、円筒壁部(34)を貫通し、圧縮室(33)に開口している。また、第2分岐管(92)の端部は、高圧空間(26)に連通する直前(即ち、吐出行程が始まる直前)の圧縮室(33)と連通可能な位置に設けられている。第2分岐管(92)には、第2逆止弁(94)が設けられている。第2逆止弁(94)は、圧縮室(33)から流出する方向の冷媒の流れを許容し、逆向きの冷媒の流れを阻止する。
【0060】
低圧側集合管(95)は、その一端側の部分が圧縮機(20)のケーシング(21)を貫通しており、その一端が低圧空間(25)に開口している。具体的に、低圧側集合管(95)の一端は、低圧空間(25)のうち電動機(35)とスクリューロータ(31)の間の部分に開口している。また、上述したように、低圧側集合管(95)の他端には、吐出側の三方制御弁(41)の低圧側連通管(82)と、吸入側の三方制御弁(42)の低圧側連通管(82)とが接続されている。
【0061】
〈三方制御弁の動作〉
三方制御弁(41,42)の動作について、図4と図5を参照しながら説明する。上述したように、吐出側の三方制御弁(41)と吸入側の三方制御弁(42)のそれぞれは、三方向状態と、第1二方向状態と、第2二方向状態とに切り換わる。
【0062】
図4に示す三方制御弁(41,42)は、第2二方向状態となっている。この状態の三方制御弁(41,42)において、弁体(60)の姿勢は、第1開口(63)の全体が第2ポート(52)と第3ポート(53)の両方から外れ、第2開口(64)の全体が第3ポート(53)に面するような姿勢に設定される。そして、第1ポート(51)と第3ポート(53)が弁体(60)の第2開口(64)を介して互いに連通する一方、第1ポート(51)と第2ポート(52)の間が弁体(60)の外周壁部(62)によって遮断される。
【0063】
また、第2二方向状態の三方制御弁(41,42)では、押付け機構(70)が押付け動作を行う。具体的には、低圧側電磁弁(83)が開状態となり、均圧用電磁弁(85)が閉状態となる。各シール部材(71,72)に対応する外側室(57a,57b)は、高圧側連通管(81)を介して高圧側集合管(90)と常に連通している。従って、外側室(57a,57b)の圧力は、高圧となっている。一方、低圧側電磁弁(83)が開状態になると、各シール部材(71,72)に対応する内側室(56a,56b)は、低圧側連通管(82)を介して低圧側集合管(95)と連通する。従って、この時には、内側室(56a,56b)の圧力が低圧となる。
【0064】
内側室(56a,56b)の圧力が外側室(57a,57b)の圧力よりも低くなると、各シール部材(71,72)には、シール部材(71,72)を弁体(60)側へ押す方向の力が作用する。その結果、各シール部材(71,72)の先端面が弁体(60)の外周壁部(62)の外側面と密着し、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間がシールされる。そして、第1ポート(51)及び第3ポート(53)から第2ポート(52)への冷媒の漏れ、あるいは、第2ポート(52)から第1ポート(51)及び第3ポート(53)への冷媒の漏れが抑えられる。また、弁体(60)は、二つのシール部材(71,72)によって両側から挟み込まれた状態となる。つまり、弁体(60)は、二つのシール部材(71,72)によって拘束された状態となる。
【0065】
第2二方向状態から三方向状態へと切り換わる場合、各三方制御弁(41,42)では、先ず、押付け機構(70)が押付け動作を停止する。具体的には、低圧側電磁弁(83)が閉じられ、均圧用電磁弁(85)が開かれる。この状態では、各シール部材(71,72)に対応する内側室(56a,56b)が、均圧管(84)を介して高圧側連通管(81)と連通する。従って、この状態では、各シール部材(71,72)に対応する内側室(56a,56b)と外側室(57a,57b)の両方の圧力が等しくなる。このため、各シール部材(71,72)は、弁体(60)には押し付けられない。
【0066】
次に、各三方制御弁(41,42)では、モータ(45)が弁体(60)を回転させる。弁体(60)は、図4における反時計方向へ所定の角度だけ回転した後に停止する。図5(A)に示すように、三方向状態の三方制御弁(41,42)において、弁体(60)の姿勢は、第1開口(63)の一部分が第2ポート(52)に面し、第2開口(64)の一部が第3ポート(53)に面するような姿勢に設定される。そして、第1ポート(51)と第2ポート(52)が弁体(60)の第1開口(63)を介して連通し、第1ポート(51)と第3ポート(53)が弁体(60)の第2開口(64)を介して連通する。
【0067】
三方制御弁(41,42)が第2二方向状態から三方向状態に切り換わり、弁体(60)が停止すると、押付け機構(70)が押付け動作を再開する。具体的には、低圧側電磁弁(83)が開かれ、均圧用電磁弁(85)が閉じられる。上述したように、この状態では、各シール部材(71,72)に対応する内側室(56a,56b)の圧力が、各シール部材(71,72)に対応する外側室(57a,57b)の圧力よりも低くなる。このため、各シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられ、弁体(60)が二つのシール部材(71,72)によって両側から挟み込まれた状態となる。つまり、弁体(60)は、二つのシール部材(71,72)によって拘束された状態となる。
【0068】
三方向状態の三方制御弁(41,42)では、弁体(60)を回転移動させることによって、第2ポート(52)における冷媒流量と、第3ポート(53)における冷媒流量との比を変更することできる。具体的に、図5(A)に示す状態では、第1開口(63)のうち第2ポート(52)に面する部分が、第2開口(64)のうち第3ポート(53)に面する部分よりも小さくなっている。吐出側の三方制御弁(41)が図5(A)に示す状態になると、第1ポート(51)へ流入した冷媒のうち第2ポート(52)へ流れる冷媒の流量が、そのうち第3ポート(53)へ流れる冷媒の流量よりも少なくなる。一方、弁体(60)の姿勢を図5(A)の状態から図5(B)の状態へ変化させると、第1開口(63)のうち第2ポート(52)に面する部分が、第2開口(64)のうち第3ポート(53)に面する部分よりも大きくなる。吐出側の三方制御弁(41)が図5(B)に示す状態になると、第1ポート(51)へ流入した冷媒のうち第2ポート(52)へ流れる冷媒の流量が、そのうち第3ポート(53)へ流れる冷媒の流量よりも多くなる。
【0069】
三方向状態において弁体(60)を回転させる場合も、各三方制御弁(41,42)では、第2二方向状態から三方向状態へ切り換わる場合と同様の動作が行われる。つまり、先ず、押付け機構(70)が押付け動作を停止する。具体的には、低圧側電磁弁(83)が閉じられて均圧用電磁弁(85)が開かれ、シール部材(71,72)による弁体(60)の拘束が解除される。次に、弁体(60)がモータ(45)に駆動されて回転移動する。そして、弁体(60)が停止すると、押付け機構(70)が押付け動作を再開する。具体的には、低圧側電磁弁(83)が開かれて均圧用電磁弁(85)が閉じられ、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられる。
【0070】
三方向状態から第1二方向状態へと切り換わる場合、各三方制御弁(41,42)は、第2二方向状態から三方向状態に切り換わる場合と同様の動作を行う。具体的に、各三方制御弁(41,42)では、先ず、押付け機構(70)が押付け動作を停止する。つまり、低圧側電磁弁(83)が閉じられて均圧用電磁弁(85)が開かれ、シール部材(71,72)による弁体(60)の拘束が解除される。次に、弁体(60)がモータ(45)に駆動されて回転移動する。弁体(60)は、図5(C)に示す姿勢になると停止する。
【0071】
弁体(60)が停止すると、押付け機構(70)が押付け動作を再開する。具体的には、低圧側電磁弁(83)が開かれて均圧用電磁弁(85)が閉じられ、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられる。その結果、各シール部材(71,72)の先端面が弁体(60)の外周壁部(62)の外側面と密着し、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間がシールされる。そして、第1ポート(51)及び第2ポート(52)から第3ポート(53)への冷媒の漏れ、あるいは、第3ポート(53)から第1ポート(51)及び第2ポート(52)への冷媒の漏れが抑えられる。また、弁体(60)が、シール部材(71,72)によって拘束される。
【0072】
図5(C)に示す第1二方向状態の三方制御弁(41,42)において、弁体(60)の姿勢は、第1開口(63)の全体が第2ポート(52)に面し、第2開口(64)の全体が第2ポート(52)と第3ポート(53)の両方から外れるような姿勢に設定される。そして、第1ポート(51)と第2ポート(52)が弁体(60)の第1開口(63)を介して互いに連通する一方、第1ポート(51)と第3ポート(53)の間が弁体(60)の外周壁部(62)によって遮断される。
【0073】
ここで、三方向状態の各三方制御弁(41,42)では、第1ポート(51)が第2ポート(52)と第3ポート(53)の両方と連通している。従って、三方向状態の吐出側の三方制御弁(41)では、圧縮機(20)から吐出された高圧冷媒が全てのポート(51,52,53)を通過する。また、三方向状態の吸入側の三方制御弁(42)では、圧縮機(20)へ吸入される低圧冷媒が全てのポート(51,52,53)を通過する。このため、三方向状態の各三方制御弁(41,42)では、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間を多少の冷媒が流れても、三方制御弁(41,42)の機能には何ら影響がない。従って、三方向状態の各三方制御弁(41,42)では、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシール部材(71,72)によってシールする必要はない。
【0074】
また、三方向状態の各三方制御弁(41,42)では、弁体(60)の第1開口(63)の一部分が第2ポート(52)に面し、その第2開口(64)の一部分が第3ポート(53)に面している。このため、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられても、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間は完全にはシールされない。
【0075】
それにも拘わらず、本実施形態の各三方制御弁(41,42)では、第1二方向状態および第2二方向状態だけでなく、三方向状態においても、押付け機構(70)が押付け動作を行い、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられる。圧縮機(20)から吐出された冷媒の流れや、圧縮機(20)へ吸入される冷媒の流れは、流速や圧力が常に変動する非定常流である。そこで、本実施形態の各三方制御弁(41,42)では、第1二方向状態と第2二方向状態と三方向状態の何れにおいても、非定常流に曝されている弁体(60)を二つのシール部材(71,72)によって両側から挟み込み、弁体(60)を拘束することによって弁体(60)の振動を抑えている。
【0076】
〈シール部材に作用する押付け力〉
上述したように、各三方制御弁(41,42)の押付け機構(70)は、外側室(57a,57b)と内側室(56a,56b)の圧力差を利用してシール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けている。このため、外側室(57a,57b)と内側室(56a,56b)の圧力差が大きいほど、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力(即ち、押付け力)は大きくなる。そこで、本実施形態の三方制御弁(41,42)では、シール部材(71,72)に作用する押付け力を出来るだけ大きくするために、高圧側集合管(90)を吐出配管(24)と圧縮機構(30)の両方に接続し、吐出配管(24)を流れる冷媒の圧力と、圧縮機構(30)の圧縮室(33)内の冷媒の圧力のうち高い方を、外側室(57a,57b)へ導入している。
【0077】
ここで、冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)では、冷凍サイクルの高圧と低圧の比が、圧縮機(20)の圧縮機構(30)の圧縮比(即ち、吐出過程の開始直前と吸入過程の終了直後における圧縮室(33)内の冷媒圧力の比)と一致するのが理想である。しかし、実際の冷媒回路(11)では、両者が一致する場合は少なく、過圧縮や圧縮不足の状態になっている場合が多い。
【0078】
過圧縮の状態では、吐出過程の開始直前における圧縮室(33)内の冷媒の圧力が、吐出配管(24)を流れる高圧冷媒の圧力(即ち、冷凍サイクルの高圧)よりも高くなる。この状態では、第1逆止弁(93)が閉状態となり、第2逆止弁(94)が開状態となる。このため、高圧側連通管(81)を介して高圧側集合管(90)と連通する外側室(57a,57b)の圧力は、吐出過程の開始直前における圧縮室(33)内の冷媒の圧力と実質的に等しくなる。
【0079】
一方、圧縮不足の状態では、吐出配管(24)を流れる高圧冷媒の圧力が、吐出過程の開始直前における圧縮室(33)内の冷媒の圧力よりも高くなる。この状態では、第1逆止弁(93)が開状態となり、第2逆止弁(94)が閉状態となる。このため、高圧側連通管(81)を介して高圧側集合管(90)と連通する外側室(57a,57b)の圧力は、吐出配管(24)を流れる冷媒の圧力と実質的に等しくなる。
【0080】
また、本実施形態の低圧側集合管(95)は、低圧空間(25)のうち電動機(35)とスクリューロータ(31)の間の部分に開口している。この部分は、圧縮機構(30)の圧縮室(33)へ吸入される直前の冷媒が存在する空間であって、そこの圧力は圧縮機(20)のケーシング(21)内において最も低い。従って、低圧側連通管(82)を介して低圧側集合管(95)と連通する内側室(56a,56b)の圧力は、冷媒回路(11)内で最も低圧の冷媒と実質的に同じになる。
【0081】
このように、本実施形態の各三方制御弁(41,42)では、外側室(57a,57b)の圧力が冷媒回路(11)内で最も高圧の冷媒と実質的に等しくなり、内側室(56a,56b)の圧力が冷媒回路(11)内で最も低圧の冷媒と実質的に等しくなる。従って、外側室(57a,57b)と内側室(56a,56b)の圧力差が最大となり、シール部材(71,72)に作用する押付け力が最大となる。
【0082】
−実施形態1の効果−
本実施形態の各三方制御弁(41,42)には、押付け機構(70)が設けられる。各三方制御弁(41,42)では、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールする必要がある二方向状態だけでなく、ハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールする必要の無い三方向状態においても、押付け機構(70)が押付け動作を行う。押付け機構(70)が押付け動作を行うと、シール部材(71,72)によって弁体(60)が拘束される。このため、三方制御弁(41,42)を通過する冷媒の流れが非定常流である場合であっても、この冷媒に曝される弁体(60)の振動が抑制される。従って、本実施形態によれば、二方向状態と三方向状態の両方において、弁体(60)の振動に起因して弁体(60)や駆動機構が損傷する可能性を低減でき、三方制御弁(41,42)の信頼性を向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、弁体(60)の振動を抑制するための新たな部材を三方制御弁(41,42)に追加するのではなく、二方向状態においてハウジング(50)と弁体(60)の隙間をシールするのに必要なシール部材(71,72)を用いて、弁体(60)の振動を抑制することができる。従って、本実施形態によれば、三方制御弁(41,42)の構成を複雑化させずに、三方制御弁(41,42)の信頼性を向上させることができる。
【0084】
また、本実施形態の各三方制御弁(41,42)に設けられた押付け機構(70)は、モータ(45)が弁体(60)を駆動するときには押付け動作を停止する。このため、二方向状態と三方向状態では、押付け機構(70)が押付け動作を行うことによって弁体(60)の振動を抑制できる一方、弁体(60)の駆動中には、押付け機構(70)が押付け動作を停止することで弁体(60)を円滑に回転移動させることができる。
【0085】
また、本実施形態の各三方制御弁(41,42)において、押付け機構(70)は、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために、圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される冷媒と圧縮機構(30)の圧縮室(33)から吐出される直前の冷媒のうち圧力の高い方と、圧縮機構(30)へ吸入される冷媒との圧力差を利用している。このため、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付けるために用いる冷媒の圧力差を、その時点の冷凍サイクルにおいて得られる最も大きな値とすることができる。従って、本実施形態によれば、シール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力の大きさを、その時点の冷凍サイクルの状態において得られる最も大きな値とすることができ、弁体(60)の振動を確実に抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態の各三方制御弁(41,42)では、流入側と流出側の圧力差に応じて自動的に開閉する逆止弁(93,94)を二つ用いることによって、吐出配管(24)と圧縮機構(30)の圧縮機(20)のうち圧力が高い方から三方制御弁(41,42)のハウジング(50)へ冷媒を送ることができる。従って、本実施形態によれば、三方制御弁(41,42)の複雑化を抑制しつつ、押付け機構(70)がシール部材(71,72)を弁体(60)に押し付ける力を確保することができる。
【0087】
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態の冷凍装置(10)は、実施形態1の冷凍装置(10)において、三方制御弁(41,42)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の三方制御弁(41,42)について、実施形態1と異なる点を説明する。
【0088】
図6に示すように、本実施形態の三方制御弁(41,42)では、均圧管(84)及び均圧用電磁弁(85)が省略されている。また、この三方制御弁(41,42)では、各シール部材(71,72)の鍔部(74)に細径孔(75)が形成されている。この細径孔(75)は、鍔部(74)をその厚さ方向に貫通する孔である。また、細径孔(75)の直径は、例えば1.0mm程度となっている。従って、本実施形態の三方制御弁(41,42)では、各シール部材(71,72)に対応する外側室(57a,57b)と内側室(56a,56b)が、鍔部(74)の細径孔(75)を介して互いに連通している。
【0089】
本実施形態の押付け機構(70)の動作について説明する。
【0090】
押付け機構(70)の押付け動作中には、低圧側電磁弁(83)が開状態となる。この状態では、各外側室(57a,57b)が高圧側連通管(81)を介して高圧側集合管(90)と連通し、各内側室(56a,56b)が低圧側連通管(82)を介して低圧側集合管(95)と連通している。また、鍔部(74)の細径孔(75)の直径は非常に小さいため、外側室(57a,57b)から細径孔(75)を通って内側室(56a,56b)へ流入する冷媒の流量は、内側室(56a,56b)から低圧側連通管(82)へ排出される冷媒の流量に比べて充分に少ない。従って、この状態では、外側室(57a,57b)が内側室(56a,56b)よりも高圧となり、シール部材(71,72)が弁体(60)に押し付けられる。
【0091】
押付け機構(70)が押付け動作を停止すると、低圧側電磁弁(83)が閉じられる。この状態では、外側室(57a,57b)から細径孔(75)を通って内側室(56a,56b)へ冷媒が徐々に流入し、内側室(56a,56b)の圧力が上昇してゆく。このため、シール部材(71,72)に作用する押付け力が次第に低下してゆく。細径孔(75)から内側室(56a,56b)への冷媒の流入は、内側室(56a,56b)の圧力が外側室(57a,57b)の圧力と等しくなるまで継続する。そして、内側室(56a,56b)の圧力が外側室(57a,57b)の圧力と等しくなると、シール部材(71,72)に作用する押付け力がゼロになる。
【0092】
《その他の実施形態》
各実施形態の三方制御弁(41,42)では、高圧側集合管(90)の第1分岐管(91)と第2分岐管(92)のそれぞれに逆止弁(93,94)を設けているが、この逆止弁(93,94)に代えて電磁弁及び圧力センサを第1分岐管(91)と第2分岐管(92)のそれぞれに設け、圧力センサの計測値に基づいて各分岐管(91,92)の電磁弁を開閉してもよい。この場合、三方制御弁(41,42)には、各分岐管(91,92)の電磁弁を操作するコントローラが設けられる。このコントローラは、各分岐管(91,92)に設けられた圧力センサの計測値を比較し、圧力が高い方の分岐管(91,92)に設けられた電磁弁を開き、圧力が低い方の分岐管(91,92)に設けられた電磁弁を閉じる。コントローラがこのような動作を行えば、圧縮機構(30)の圧縮室(33)と吐出配管(24)のうち圧力の高い方が、高圧側集合管(90)及び高圧側連通管(81)を介して各シール部材(71,72)に対応する外側室(57a,57b)へ導入される。
【0093】
なお、上記の実施形態および変形例は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
以上説明したように、本発明は、流体の流れを制御するための三方制御弁と、それを備えた冷凍装置について有用である。
【符号の説明】
【0095】
11 冷媒回路
20 圧縮機
21 ケーシング
24 吐出配管(高圧部)
30 圧縮機構
33 圧縮室
41 吐出側の三方制御弁
42 吸入側の三方制御弁
45 モータ(駆動機構)
50 ハウジング
51 第1ポート
52 第2ポート
53 第3ポート
60 弁体
70 押付け機構
71 シール部材
72 シール部材
91 第1分岐管(第1高圧側通路)
92 第2分岐管(第2高圧側通路)
93 第1逆止弁
94 第2逆止弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三つのポートを有するハウジング(50)と、該ハウジング(50)に収容された弁体(60)と、該弁体(60)を駆動する駆動機構(45)とを備え、
上記駆動機構(45)が上記弁体(60)を駆動することによって、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の両方と連通する位置に上記弁体(60)が設定される三方向状態と、第1のポート(51)が第2のポート(52)と第3のポート(53)の何れか一方と連通して他方から遮断される位置に上記弁体(60)が設定される二方向状態とに切り換わる三方制御弁であって、
上記弁体(60)に押付けられると上記弁体(60)の隙間をシールするシール部材(71,72)を有し、該シール部材(71,72)を該弁体(60)に押し付ける押付け動作を実行し又は停止する押付け機構(70)が設けられており、
上記押付け機構(70)は、上記二方向状態と上記三方向状態の何れにおいても上記押付け動作を実行する
ことを特徴とする三方制御弁。
【請求項2】
請求項1に記載の三方制御弁(41,42)と、
圧縮機(20)を有して冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)とを備えた冷凍装置であって、
上記三方制御弁(41,42)は、上記冷媒回路(11)に設けられて該冷媒回路(11)における冷媒の流れを制御し、
上記圧縮機(20)は、圧縮室(33)を形成すると共に該圧縮室(33)へ冷媒を吸入して圧縮する圧縮機構(30)と、該圧縮機構(30)を収容するケーシング(21)とを備え、上記圧縮機構(30)が圧縮した冷媒を上記ケーシング(21)内の空間へ吐出するように構成され、
上記押付け機構(70)は、上記圧縮機(20)のケーシング(21)から吐出される冷媒と上記圧縮機構(30)の圧縮室(33)から吐出される直前の冷媒のうち圧力の高い方と、上記圧縮機構(30)へ吸入される冷媒との圧力差を利用して上記シール部材(71,72)を上記弁体(60)に押し付ける
ことを特徴とする冷凍装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記三方制御弁(41,42)の上記押付け機構(70)は、
上記冷媒回路(11)のうち上記圧縮機(20)から吐出された高圧ガス冷媒が流れる高圧部(24)を上記ハウジング(50)に接続するための第1高圧側通路(91)と、
上記第1高圧側通路(91)に設けられて上記ハウジング(50)へ向かう冷媒の流れだけを許容する第1逆止弁(93)と、
上記圧縮機構(30)の圧縮室(33)を上記ハウジング(50)に接続するための第2高圧側通路(92)と、
上記第2高圧側通路(92)に設けられて上記ハウジング(50)へ向かう冷媒の流れだけを許容する第2逆止弁(94)とを備え、
上記第1高圧側通路(91)と上記第2高圧側通路(92)の何れか一方を通ってハウジング(50)へ流入した冷媒の圧力を、上記シール部材(71,72)を上記弁体(60)に押し付けるために利用する
ことを特徴とする冷凍装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−83334(P2013−83334A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225147(P2011−225147)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】