説明

三次元画像にクローズドキャプショニングを提供するシステム及び方法

三次元(3Dもしくは3−D)または擬似三次元プログラミングを処理するためにシステム及び方法が提示される。このプログラミングは、キャプションデータと3Dプログラミング内のキャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション(CC)情報を含む。プログラミング情報は、指定されたロケーションにキャプションデータをレンダリングし、ディスプレイにプログラミングを提示するために処理される。ロケーション識別情報を三次元プログラミング内にエンコードすることによって、高水準の構成可能性を提供し、且つ、キャプションを表示しながら3D体験を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2009年1月27日に出願された米国出願番号第12/360,659号に関する優先権を主張する。
【0002】
以下の考察は、概して、表示される三次元(3D)画像にクローズドキャプション情報を提示することに関する。
【背景技術】
【0003】
クローズドキャプショニングは、テキストを受信、フォーマットし、それを、テレビまたは他のディスプレイで表示し、それによって、視聴者がプログラミングコンテンツについての追加のまたは説明の情報にアクセスすることを可能とする任意のシステムのことである。クローズドキャプションは、概して、プログラムの進行に伴ってプログラムの音声部分のトランスクリプションを表示し、それによって、聴覚障害のある人や他の人が、プログラミングに関連する音声トラックを聞くことなしに、プログラムコンテンツを理解することをできるようにする。
【0004】
連邦法は、米国のすべての放送テレビプログラミングはクローズドキャプション情報を含まなければならないと規定している。従来のアナログNTSCプログラミングでは、キャプションは、放送信号の垂直帰線消去区間(VBI)のライン21内に“エンコード”される。従来のディジタル(例えば、ATSC)プログラミングでは、EIA−708フォーマットでエンコードされた最多で63のキャプションストリームの組を含む様々なストリームが、一般には、ディジタル多重送信方式にエンコードされる。米国または他の場所では、他のクローズドキャプショニングフォーマットまたは標準が実施されていることもある。一般に、クローズドキャプションテキストには、プログラミングコンテンツが提供されており、受信機は、受信した画像を“スクローリング”、“ポップオン”、または“ペイントオン”方式で重ねるテキストを生成する。モーションピクチャー、ビデオディスク(例えば、DVD)コンテンツ、ストリーム化された音声/ビデオ、ビデオゲームなどは、任意の数の標準または非標準の技術を使用して、同様にクローズドキャプションを組み込み得る。
【0005】
しかしながら、いくつかの理由から、三次元(擬似三次元)ディスプレイに従来のクローズドキャプショニング技術を適用することは困難である場合がある。第一に、画像が三次元以上で処理されるので、クローズドキャプション情報を提示するにふさわしい表示画像の標準的な二次元領域を特定することがより難しくなる。さらに、三次元ディスプレイは、しばしば、視聴者の環境や好みに合うように高度に構成可能であることから、クローズドキャプションデータのための標準的なロケーションを特定することが難しくなり得る。それ故に、二次元視聴空間にクローズドキャプショニングを提示するために使用される従来の技術は、三次元ディスプレイ及び三次元コンテンツプログラミングがより普及するにつれて、不適当になるかもしれない。
【0006】
従って、三次元タイプのディスプレイに効果的なクローズドキャプショニングを提供することが望ましい。これらと他の望ましい特徴及び特性は、添付の図面及びこの背景部分と併せて、後続の詳細な説明及び添付した特許請求の範囲から、明らかになるだろう。
【発明の概要】
【0007】
様々な例示的実施形態に従って、三次元(3D)または擬似三次元プログラミングを処理するシステム及び方法を提示する。このプログラミングは、キャプションデータと3Dプログラミング内でのそのキャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション(CC)情報を含んでいる。プログラミング情報は、キャプションデータを指定されたロケーションにレンダリングし、そのディスプレイにプログラミングを提示するために、処理される。ロケーション識別情報を三次元プログラミング内にエンコードすることによって、キャプションを表示しながら、高水準な構成可能性を提供し、且つ、3D体験を維持することができる。
【0008】
他の実施形態では、三次元プログラミングを表示するシステムが提供される。このシステムは、受信機インターフェースとプロセッサとを適宜含んでいる。受信機インターフェースは、三次元プログラミングを受信するように構成され、ここで、三次元プログラミングは、キャプションデータと三次元プログラミング内でのキャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション情報を含んでいる。プロセッサは、三次元プログラミングに対応する画像をレンダリングするように構成され、ここで、画像は、三次元プログラミング内の指定されたロケーションにレンダリングされたキャプションデータを含んでいる。
【0009】
さらに他の実施形態は、三次元プログラミングを作成する方法に関連する。この方法は、三次元プログラミング内にキャプションデータを提示する適切なロケーションを決定すること、ロケーション識別子を用いて適切なロケーションの各々を特定すること、及び、三次元プログラミング内にクローズドキャプション情報をエンコードすることを適宜含み、ここで、クローズドキャプション情報は、キャプションデータと三次元プログラミング内でのキャプションデータのための適切なロケーションを指定するロケーション識別子とを含んでいる。この方法は、そのプログラミング自体の作成中または作成後に、または、任意の種類の地上放送、衛星、ケーブルまたは他の伝送媒体でのプログラミングの伝送前に、実行され得る。
【0010】
以下では、様々な実施形態、態様、及び他の特徴が、より詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
以降では、例となる実施形態について下記の図面に関連して説明する。ここでは、同様の符号は、同様の要素を表す。
【図1】図1は、三次元(または、擬似三次元)プログラミングにクローズドキャプション情報を提供する一例示的システムのブロック図である。
【図2】図2は、キャプションボックスのオクルージョンを示す一例示的画像の図である。
【図3】図3は、三次元クローズドキャプション情報を運ぶのに適した一例示的データ構造の図である。
【図4】図4は、クローズドキャプション情報を含む三次元プログラミングを提示する一例示的処理のフローチャートである。
【図5】図5は、クローズドキャプション情報を含む三次元プログラミングを作成する一例示的処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の発明の詳細な説明は、単なる例示的性質のものであり、本発明または本発明の利用分野や使用法を制限することを目的とするものではない。さらに、先行する背景技術または以下の詳細な説明で提示される見解に拘束されるという意図はない。
【0013】
様々な実施形態に従って、クローズドキャプション情報が、三次元ディスプレイへの提示を可能とするように、三次元(“3D”または“3−D”)プログラミングストリーム内に提供される。クローズドキャプションテキストとともに提供される情報は、3−Dまたは擬似3−Dフォーマットでキャプション情報を提示するための適切なロケーションを指定するロケーション情報を含んでもよい。このロケーション情報は、例えば、クローズドキャプションテキストの表示に適した、三次元空間内のアンカーポイントや多角形を指定することができる。クローズドキャプション情報は、その後、ユーザの好み(例えば、視差設定、フォントサイズ、カラー、透明度など)を満たす形で、ディスプレイ上の指定されたロケーションにレンダリングされて、提示される。さらに、様々な実施形態が、例えば、クローズドキャプションデータの画像オクルージョンなど、追加の特徴を許容する。使用されると、クローズドキャプションデータのオクルージョンは、三次元であるという知覚を強化するという新たな効果を生じさせることができる。これらや他の特徴は、以下でより十分に説明する。
【0014】
用語“三次元”、“3−D”、“3D”などは、相互交換可能に用いられて、三次元以上の画像を処理、表示、及び/または、処理する任意の種類の提示または表示を指すことを意図している。そのような表示は、二次元的様式で画像を提示するが、下にある三次元の多角形、オブジェクト、または他のデータに基づいて二次元画像をレンダリングできる、いわゆる“擬似3d”ディスプレイを含んでもよい。さらに、以下の考察は、主としてテレビの放送源に注目しているが、同等の実施形態では、同じ特徴を、任意の種類の衛星、ケーブル、地上波または他の伝送フォーマット、及び、任意の種類の記録メディアフォーマット(例えば、従来のDVDフォーマットに加えて任意の種類のブルーレイまたは他の高解像度ディスクフォーマットを含むDVD)、ストリーミングビデオフォーマット(例えば、インターネットまたは別のネットワーク上のストリーミングビデオに加えて、電話または他のワイヤレスネットワーク上のストリーム)、映画フォーマットなどを含む、任意の他のコンテキストに利用することが可能である。
【0015】
では、次に図面を見て、図1を最初に参照すると、クローズドキャプション情報を有する三次元画像を作成する例示的システム100は、必要に応じて、作成システム102と、分配システム104と、伝送システム106を適宜含む。コンテンツは、生成されると、メディア受信機110でのレンダリング、任意の種類のディスプレイ120での再生のために、任意の種類の放送または他の分配チャネル108を介して視聴者に提供される。図1に示すように、クローズドキャプション情報105を、作成102、分配104、及び/または伝送106のうちの任意の段階でプログラミングに挿入して、3−D効果が維持されるように提示すべきキャプションデータが効果的に提示されるように、クローズドキャプショニングが提示されることを可能にすることができる。図1のディスプレイ120に提示される画像では、例えば、キャプションテキストは、ディスプレイ120に配置され得るオブジェクト122内に表示され、これにより、他のオブジェクト(例えば、アクターオブジェクト124、ソードオブジェクト126)がキャプションオブジェクト122の周りに3−D(または擬似3D)様式で提示される。例えば、図1は、キャプションオブジェクト122の一部をオクルードするソードオブジェクト126の一部を示し、それによって、ソード126はキャプションテキストの“前”にあると錯覚させる。更に、キャプションオブジェクト122は、視差の好み(例えば、三次元効果をもたらすために使用される2つの立体画像間の距離)、フォント、テキストサイズなどを含むユーザ設定または好みに応じて、位置付け、寸法付け、及び/または、他の方法による表示を行うことができる。
【0016】
ディスプレイ122の固定されたロケーションにキャプションテキストを単に提示するというよりもむしろ、キャプションオブジェクト122のロケーションは、ディスプレイ120上に提示される三次元空間のどこにでも、可変で且つ構成可能に位置付けることができる。キャプションオブジェクト122の具体的なロケーションは任意の様式で定義され得る。様々な実施形態で、キャプションオブジェクト122は、プログラムコンテンツの作成102、分配104、及び/または、伝送106の期間中にプログラミングデータに挿入されるロケーション情報に基づいて位置付けられる。例えば、著者やプロデューサーが、キャプションデータを提示するにふさわしいであろう二次元または三次元空間内の具体的なロケーションを特定してもよい。これらのロケーションは、その当時のスクリーン画像に基づいてもよく、また、求められる毎に変更してもよい。従って、キャプションテキストは、プログラミングの進行に伴って、ディスプレイ120上の異なるロケーションに提示されてもよい。
【0017】
キャプションロケーション識別子は、任意の様式で、エンコードし、受信機110に提示することができる。様々な実施形態で、プログラミング内(例えば、放送若しくはネットワークストリーム内、または、任意の媒体に記憶されたエンコードされたデータ内)に提供されるクローズドキャプション情報は、キャプションテキストとキャプションテキストをディスプレイ120上に提示するキャプションオブジェクト122のロケーションを指定するロケーション識別子との両方を含む。オブジェクト122のロケーションは、任意の様式で定義することができる。2つの立体画像を用いて3−D効果を提供する実施形態では、例えば、キャプションのロケーションは、一方または両方の画像におけるアンカーポイント、多角形、及び/または、他の基準に関して定義されてもよい。深度マップなどを用いて3−D効果を提供する実施形態では、ボックスまたは他の多角形で、キャプションテキストを提示するロケーションを伝えることができ、深さ情報を、キャプションボックスを含む画像に提供することができる。この多角形は、例えば、ディスプレイ表面と平行となるように定義されてもよいが、他の実施形態では、多角形を任意の他の様式で定義することがある。いくつかの実施形態では、キャプションボックスがアクティブでないときに、画像をレンダリングするために個別の深さ情報を提供することがある。
【0018】
作成システム102、分配システム104、及び、伝送システム106は、それぞれ、プログラムコンテンツを作成、分配、及び/または、伝送することができる任意のシステム、装置、または、機構を意味する。上述したように、クローズドキャプション情報105は、作成、分配、及び/または、伝送の任意の段階において任意の様式でプログラミングコンテンツに挿入されてもよい。様々な実施形態で、キャプション情報は、著者、編集者、プロデューサーまたは他の関係者がプログラムで提示される三次元空間内でキャプション画像122のための1つ以上の適切な位置を選択することができる作成の段階で、プログラミング内にエンコードされる。そのような情報は、例えば、従来の「作成後」フェーズなどの期間中に、任意の様式で任意の種類のプログラミングにエンコードされてもよい。作成中または作成直後のキャプション情報105の挿入は、任意の種類の標準フォーマット、例えば、再生/受信装置110によってレンダリングされ得る任意の形式のMPEGフォーマットなどで配信される、映画プログラミング、テレビプログラミング、または他のプログラミングを含む任意の種類のプログラミングに適当であることがある。しかしながら、他の実施形態では、キャプション情報105は、中間分配(例えば、DVD若しくは他の可搬性媒体に記憶された、あるいは、他のネットワーク関係団体、放送局、他の関係者に分配されるプログラミングのエンコーディング若しくはトランスコーディング)期間中にプログラミングに追加されてもよい。さらに他の実施形態では、現在のキャプションデータが現在の二次元放送にエンコードされるのと同様に、キャプション情報105は、放送または他の伝送の直前のプログラムストリームへ挿入されてもよい。
【0019】
そのためには、分配チャネル108は、任意の種類のデータリンク、放送もしくは他のワイヤレス接続、物理媒体、及び/またはプログラムコンテンツを配信する他の手段を意味してもよい。分配チャネルの例には、これに限定されないが、放送テレビ、超小型地上局(VSAT)衛星(例えば、映画配信用)、直接放送衛星(DBS)、ケーブルテレビ、携帯または他のワイヤレス電話ネットワーク、インターネットまたは他のデータ通信ネットワークなどを含む。やはり、クローズドキャプション情報105は、プログラミングコンテンツの作成、作成後、分配、及び/または、配信のうちの任意のフェーズにおいて任意の様式で、このプログラミングコンテンツに挿入すること、あるいは、このプログラミングコンテンツでエンコードすることができる。
【0020】
受信機110は、プログラミングコンテンツを受信し処理することができる、任意の装置、部品、回路、論理回路である。図1に示すように、受信機110は、受信機インターフェース112と、関連したメモリ118を備えたプロセッサ116と、ディスプレイインターフェース114とを、必要に応じて含んでいる。様々な実施形態で、受信機110は、分配チャネル108を介して信号を受信し、視聴者に対して表示され得る出力信号115を提供することができる従来のテレビ受信機(例えば、放送、衛星、及び/または、ケーブルテレビ受信機)である。様々な実施形態で、受信機110とディスプレイ120は、従来のテレビを構成する。しかしながら、他の実施形態では、ディスプレイ120は、セットトップボックス、デコーダまたは他の外部受信機110からのプログラム信号115を必要に応じて受信することができる任意の種類のテレビまたは他のモニタである。受信機110は、任意の光、磁気、及び/または他の可搬性媒体に記憶されたコンテンツをレンダリングすることができるDVDまたは他の再生機として等しく実現することができる。さらに他の実施形態では、受信機110は、通信ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク若しくは広域ネットワーク、及び/または、任意の種類のワイヤレス電話網)を通じて媒体ストリームを受信することができる媒体再生機である。そのような実施形態では、受信機110は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末、モバイルフォン、ビデオゲーム再生機などの従来のコンピュータハードウェア上で実行するソフトウェアプログラムであってもよい。
【0021】
受信機インターフェース112は、プログラミングコンテンツを受信することができる任意のハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアインターフェースである。様々な実施形態で、受信機インターフェースは、放送、衛星、及び/または、ケーブルプログラミングリンクを通じて、ディジタルテレビプログラミングを受信し復調する復調器/デコーダ機能を実装する。他の実施形態では、受信機インターフェース112は、インターネットなどのディジタルネットワーク、またはインターネットへのアクセスを有する任意のローカルエリアネットワーク、電話ネットワーク及び/または他のネットワークに対する従来のネットワークインターフェースである。上述したように、受信機インターフェース112は、DVDまたは他の可搬性媒体、または他の任意の所望の他のソースからプログラミングを等しく受け取ることができる。
【0022】
図1では具体的に示していないが、多くの実施形態は更に(または代わりとして)、コンテンツを後で視聴するために記憶することを可能にするディジタルビデオレコーダ(DVR)または他のレコーダ機能を提供してもよい。そのようなコンテンツは、レコーダに記憶されたプログラミングがレンダリングされるときのコンテンツテキストのデコードや視聴(view)を可能するために、キャプション情報105とともに記憶することができる。
【0023】
プロセッサ116は、ディスプレイ120に視聴者に対する画像を提示するために、受信機インターフェース112及びディスプレイインターフェース114とインタラクトする任意の種類のコントローラなどである。プロセッサ116は、受信機110の動作や処理を管理することの可能な、任意の種類のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、ディジタルシグナルプロセッサ、または、他の論理回路を用いて実装されても良い。典型的には、プロセッサ116は、例えば、プロセッサ116による処理のためのプログラミング命令及び/またはデータを記憶することができる、任意の種類のスタティック、ダイナミック、フラッシュまたは他のメモリなど、任意の種類のメモリ118と関連付けられる。様々な実施形態で、受信機110は、受信機110の様々な信号処理や他の動作を実行するために、ハイブリッドマイクロコントローラ116に、メモリ118、入力/出力、及び/または、他の機能を組み込んだ“システムオンチップ”(SoC)実装に基づいている。様々なSoC及び他の統合ハードウェア実装を、テキサス・インスツルメンツ社、コネクサントシステムズ社、ブロードコム社、及び、他の多くのサプライヤーから、必要に応じて得ることができる。他の実施形態は、任意の種類の特定用途向け集積回路(ASIC)などを用いて、プロセッサ116及び/またはメモリ118を実装してもよい。さらに他の実施形態は、任意の数の個別の及び/または統合の処理部品(例えば、任意の種類のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ)、メモリ118、入力/出力機能、及び/または、他の機能を、要求に応じて用いて、プロセッサ116及び/または受信機110の他の機能を実装してもよい。
【0024】
ディスプレイインターフェース114は、ディスプレイ120に対する任意の物理的及び/または論理的インターフェースである。上述したように、いくつかの実装例では、受信機110とディスプレイ120は、統合製品(例えば、従来のテレビなど)で提供される。受信機110がビデオ出力信号115を外部ディスプレイ104に提供する他の実施形態では、そのような信号115は、任意の共通フォーマットで提供することができる。ディスプレイ120が従来のテレビである実施形態では、例えば、ディスプレイインターフェース114は、コンポーネントビデオ、コンポジットビデオ、Sビデオ、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI、例えば、任意のバージョンのCEA−861標準)、ディジタルビジュアルインターフェース(DVI)、IEEE1394、及び/または、任意の所望の他のフォーマットなどの、任意の従来のフォーマットでビデオ出力信号115を提供しても良い。
【0025】
ディスプレイ120は、視聴者に3Dまたは擬似3D画像を提示することができる任意の種類のテレビ、モニタ、及び/または、他のディスプレイである。様々な実施形態で、ディスプレイ120は、任意の様式で3D画像を生成するために、受信機110と連動して動作する。3−Dディスプレイ技術の例には、これらに限定されないが、インターレース方式の画像(例えば、水平、垂直チェッカーボード、及び/または、他のインターレーシングを使用)、任意の種類の深度マップを組み合わせて提供される画像、ステレオ画像など、に基づく任意の種類のディスプレイが含まれる。そのような画像は、任意の種類のアナグリフィック技術、または、偏光フィルタ、波長多重、フィールドシーケンシャルビューイング、レンチキュラースクリーン、視差バリアなどを用いる任意の種類の視覚技術を使用して視聴することができる。
【0026】
実際には、その後、受信機110は、任意のフォーマットまたは媒体で3−Dタイププログラミングを適宜受信する。このプログラミングは、任意の放送または他の伝送ソースから、任意の種類のストリームまたは可搬性媒体、及び/または、他の分配チャネル108から、インターフェース112で、受信されてもよい。3−Dプログラミングには、キャプションテキストに加えてキャプションテキストを提示するふさわしい三次元空間のロケーションを特定するロケーション識別子情報を含むキャプション情報が提供される。この情報は、プログラミングストリームから任意の様式で抽出されてもよく、さらに、ディスプレイ120上に適切な画像を生成するために任意のユーザの好みまたは他の情報と関連して処理されてもよい。様々な実施形態で、受信機110は、ディスプレイ120内の他のオブジェクトがキャプションオブジェクトの“前”にあるように見えるように、必要に応じて、キャプションオブジェクト122のオクルージョンを処理することができる。さらに、キャプションオブジェクト122のロケーションは、ユーザの視差及び/または他の設定と整合した形で、以下により十分に記載されるように、レンダリングされてもよい。クローズドキャプションテキストのためのロケーション情報にプログラミングコンテンツ自体を提供することによって、視覚体験を大いに強化することができる。
【0027】
図2は、様々なプログラミングオブジェクトを含むプログラムを提示している例示的ディスプレイ120を示した図である。この例では、アクターまたはアクトレスを表している2つのキャラクタオブジェクト124A−Bが、ソード126A−Bを用いて交戦中である。キャラクタはそれらの争いで交戦中であるため、オブジェクト124A−B及び/または126A−Bは、時々、キャプションオブジェクト122をオクルードし、それによって、視聴者に、オクルードしているオブジェクトがキャプションオブジェクト122の前にあるという印象を与えることができる。これは、任意の様式で実現させることができ、様々な実施形態で、オブジェクト124A−B、126A−B及び122の各々は、任意の三次元座標システムに関連して描写されている。オブジェクトは、従って、それらの割り当てられた三次元空間にレンダリングされ、“前”のオブジェクトが後ろのオブジェクトをオクルードする。図2に示す例示的ディスプレイ120では、例えば、ソードオブジェクト126Bは、キャプションオブジェクト122の“前”に示されていて、オブジェクト124A−B及び126Aはキャプションオブジェクト122の“後ろ”に示されている。従って、この例では、示されているように、オブジェクト126Bは、オブジェクト122の一部をオクルードし、オブジェクト122はオブジェクト124A−B及び126Aの一部をオクルードする。同様のコンセプトがあらゆる数のまたはタイプのオブジェクトに適用され得る。つまり、ディスプレイ120内の他のオブジェクトに対してキャプションテキストオブジェクト122を定義することによって、オブジェクト122は、効果的な視聴を得るために三次元空間の適切なロケーションに配置され得る。
【0028】
上述したように、キャプションオブジェクト122のための特定のロケーションは、任意の様式で構成し、プログラム期間全体にわたって変更することができる。図2は、キャプションオブジェクト122を、ディスプレイ中に主要なオブジェクトを重ねる相対的“中心(front and center)”様式で提示されるものとして示しているが、キャプションはその代わりに、ロケーション202及び/または204などの他のロケーションに提示されてもよい。キャプションデータは、例えば、アクターオブジェクト124A−Bをそのアクターによって話されたダイアログと空間的に関連付けるような様式で提示されてもよい。即ち、必要に応じて、アクターオブジェクト124Aによって提示されたダイアログは領域202に提示され、一方で、アクターオブジェクト124Bからのダイアログは、領域204に提示されてもよい。そのようなダイアログは、ダイアログボックスを真似た様な様式(例えば、コミックブックタイプの“吹き出し”など)で提示されてもよい。
【0029】
図1及び図2は、三次元空間でオブジェクト122の後ろに置かれた他のオブジェクトをオクルードする箱としてキャプションオブジェクト122を示しているが、他の実施形態では、任意の様式で、形作ること、寸法を定めること、または他のやり方で提示することができる。オブジェクト122は、その後ろのオブジェクトをオクルードする固形のオブジェクトである必要はなく、それとは反対に、オブジェクト122は、オクルージョンを最小限に抑えるために、相対的に透明なものであってもよい。そのような実施形態では、キャプションテキストは、その他の画像の一部または全部を覆うように提示することができ、オブジェクト122の残り部分は、視聴者に対して不透明または透明となる。さらに、オブジェクト122自身は、任意の他の様式で、寸法取りされ、形作られてもよい。図1及び図2は、オブジェクト122を長方形のボックスとして示したが、オブジェクト122は、ディスプレイ120に任意の規則的な形状または不規則的な形状(例えば、上記で言及したダイアログ“吹き出し”)として同等に提示することができる。
【0030】
キャプションオブジェクト122のための特定のロケーションは、任意の技術を使用して任意の関係者によって決定されてもよい。様々な実施形態で、著者、編集者、プロデューサー、または他の関係者がプログラムの作成期間中にロケーションを定義することができる。この定義は、ディジタルコンピュータ上で実行する編集ソフトウェアまたは任意の他の方法を使用して実現することができる。
【0031】
様々な実施形態で、キャプションテキストを提示するロケーションは、平均的な視差値または表示された画像に関連する他のパラメータに基づいて定義することができる。平均的な視差設定は、例えば、作成、作成後の期間、または、他の任意の時点で、(例えば、任意の種類の重み付けされたまたはされていない平均化技術を用いて)計算することができ、キャプションが、必要に応じて、画像の平均視差に関連して配置される。視差の平均化は、受信機で動的に実行することもでき、キャプションデータが必要に応じて配置される。
【0032】
ロケーションの決定後、決定されたロケーションは、任意の様式で、定義及び/または描写することができる。様々な実施形態で、キャプションのロケーションは、プログラミング自体が提供された1つ以上のロケーション識別子によって定義される。図3を参照すると、テレビまたは他のプログラミングを提供するための例示的データ構造300は、プログラムデータのための空間304の他に、クローズドキャプション情報306を必要に応じて含む任意の種類のデータフィールド302を適宜含んでいる。クローズドキャプション情報306は、タイミング情報308、ロケーション情報310、及び/または、キャプションテキスト312を、必要に応じて含んでもよい。データフィールド302は、例えば、MPEGで定義されたヘッダーもしくは他のヘッダー内、または、任意の他のデータフィールドまたはロケーションに、要求に応じて、組み込まれてもよい。様々な実施形態で、クローズドキャプション情報306は、MPEG多重送信等内の補助的なまたは他のプログラミングストリームなどとして提供されるが、こうした情報は、(例えば、三次元情報がプログラムストリームにエンコードされた)主要なビデオ画像と同じプログラミングストリーム内に、または、任意の他の関連付けられたロケーションまたは合理的な位置に、同等にエンコードすることができる。キャプション情報がプログラミング自体とは個別のストリームで提供される実施形態では、クローズドキャプション情報は、ダイアログ及び/またはプログラム内の他の動作に対するキャプションテキスト312の調整を可能とするプログラムクロックリファレンス(PCR)または他の時刻識別子308と関連付けてもよい。
【0033】
ロケーション情報310は、プログラムデータ304内に提示される画像のタイプに応じて任意の様式で定義することができる。従来の立体画像では、例えば、ロケーション情報310は、三次元または擬似三次元空間のアンカーポジションを平易に描写することができる。即ち、情報310は、キャプションテキスト312の提示に適した平面領域または他の二次元または三次元多角形を定義し得る。この多角形は、単一の点に対して定義されてもよく、また、任意の数の点に対して定義されてもよい。例えば、単一の点は、角、中心点、または、他の基準を定義することができ、多角形の残りがキャプションテキスト312のコンテンツ及び/または任意の数のデフォルト値によって定義される。たとえば、所与の時間に提示されるテキスト312の量に応じて多角形のサイズが変更して、多角形のサイズが、特定のキャプションテキスト312の提示に過不足ない空間を提供するように定義することができる。他の実施形態では、複数の点が、任意の様式で、対立する角、中心点、側面、及び/または、規則的形状の多角形の他の点を定義し得る。さらに他の実施形態では、3点が、ディスプレイ120上にキャプションテキスト312を提示するにふさわしい平面または他の領域を定義し得る。これら様々な点の各々は、例えば、ディスプレイ120のピクセルに対して、かつ/または、任意の基準もしくは原点を必要に応じて使用した任意の他のタイプの絶対及び/もしくは相対座標に対して、任意の方法で定義することができる。
【0034】
立体画像の代わりに(または、加えて)深度マップまたは他の三次元定義を使用した他の実施形態では、キャプションロケーション情報310は、任意の様式で、多角形または他の境界オブジェクトを定義し得る。ロケーション情報310は、キャプションオブジェクト122がアクティブなときとキャプショニングが非アクティブなときとの両方の画像を描写して、どちらの状況でも、プログラミングストリーム304内の様々なオブジェクトの正しい空間的レンダリングを可能にする深度マップ情報を更に含むことができる。やはり、ロケーション情報310は、特定の実施形態に応じて任意の種類のフォーマットまたは構造を使用することにより、任意の様式でキャプションテキスト312を提示するロケーションを定義することができる。
【0035】
様々な追加の特徴が、任意の数のさらなる実施形態で提供されてもよい。キャプションデータ306の2以上のセットが、例えば、多言語または他のフォーマットでキャプションを適応させるために、提供されてもよい。キャプションデータ306の各セットがそれ自身のロケーション情報310を有することができるため、キャプションは、視聴者によって選択されるデータ306のセットに応じて異なるロケーションに表示され得る。この特徴は、異なる文字セットを伴う言語に適応する場合に、例えばすなわち、縦書きまたは他の言語とは異なる空間的様式での表示が最も都合がよい日本語、ヘブライ語、アラビア語などの言語を適応させる場合に有益であることがある。即ち、英語のキャプションのセットは、ディスプレイ120の底部且つ中心に提示され得るが、一方で、縦書きの言語のキャプションは、要求に応じて、ディスプレイ120の左または右の端の方で提示することができる。この特徴は、3−Dまたは擬似3Dディスプレイと同様に、本明細書で記載するその他の特徴を提供することのできない二次元ディスプレイに有益なことがある。従って、二次元ディスプレイは、たとえそのようなディスプレイが必ずしも三次元に画像をレンダリングしなくとも、キャプションデータ306内に含まれている空間的情報310をいくらか利用することができる。
【0036】
では、次に、図4を見ると、クローズドキャプション情報を含む3Dプログラミングを提示するための例示的方法400は、プログラミングの受信(機能402)、キャプションデータと三次元プログラミング内のこのキャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション情報の取得(機能406)、必要に応じたディスプレイ120への画像のレンダリング(機能414)といった広範な機能を適宜含んでいる。他の実施形態では、オブジェクトのオクルージョンを更に処理し(機能410、412)、かつ/または、ユーザの好み及び/または他の情報を必要に応じて使用してディスプレイ120上のキャプション情報の特定のロケーションを決定することができる(機能408)。以下にさらに詳細に説明するように、様々な他の機能及び他の特徴も提供されてもよい。
【0037】
一般的に言えば、方法400のこうしたさまざまな機能および特徴は、任意のプラットフォームで記憶及び/または実行される任意の種類のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェアロジックで実行することができる。方法400の一部分または全体を、例えば、図1の受信機110内で実行するロジックによって実行することができる。ある実施形態では、プロセッサ116は、図4に示す様々な機能の各々を実行するソフトウェアロジックを実行する。そのようなロジックは、メモリ118または必要に応じてプロセッサ116が利用することのできる任意の他のストレージに記憶することができる。このため、図4に示す様々な機能のいずれかを実行する特定のロジック及びハードウェアは、本明細書で説明するさまざまな特徴、シナリオ、構造に応じて、文脈毎に、実装例毎に、実施形態毎に異なることがある。その結果、図4に示すさまざまな機能の各々を実装するために使用される特定の手段は、任意のフォーマットの従来のソフトウェアロジックを実行することができる任意の種類の処理構造であってもよい。そのような処理ハードウェアは、図1の受信機110のプロセッサ116または他の部品のほかに、任意の従来のテレビ、受信機、媒体再生機などと関係のある任意の他のプロセッサまたは他の部品を含んでもよい。
【0038】
プログラミングは、任意の様式で受信することができる(機能402)。上述したように、様々な実施形態で、任意の種類の地上波、衛星、及び/または、ケーブル放送から受信する信号を含む放送信号を処理することができる。他の実施形態では、可搬性媒体に記憶されたプログラミング、または、任意のソースから受信した任意の種類のストリーミングもしくはファイルベースの媒体を処理することができる。プログラミングは、その後の処理及びディスプレイ120への三次元画像のレンダリングが可能になるように、必要に応じて、受信機110(例えば、受信機インターフェース112)で受信される。
【0039】
様々な実施形態で、クローズドキャプション機能をモード様式でまたはこれと同様の様式で処理することができる(機能404)。つまり、クローズドキャプションは、別のモードでなくあるモードで示されてもよい。キャプショニングは、任意の従来の方法で、視聴者によって、起動されまたは終了されてもよい。
【0040】
上述したように、プログラム情報は、キャプションテキスト312とキャプションロケーション情報310の両方を含むキャプション情報306とともに、適宜受信される(機能406)。キャプションがアクティブなときは、受信機110はキャプション情報306を適宜抽出し処理して、所望の様式でクローズドキャプションテキストを表示する。そのような情報は、上述したような、プログラムコンテンツ304を運ぶために使用されるデータ構造300または他のストリームから抽出されてもよい。そのような情報は、必要に応じて、従来のMPEGまたは他のデコーディング技術を使用することにより、抽出すること、デコードすること、及び/または、処理を施すことができる。
【0041】
クローズドキャプション情報の位置は、任意の適切な様式で決定される(機能408)。様々な実施形態で、キャプションオブジェクト122は、キャプションデータ306内に含まれるロケーション識別子情報310によって、少なくとも部分的には定義される。上述したように、キャプションは、任意の様式で定義され得る平面または平面以外の領域に提供されてもよい。代わりに、キャプションは、画像内の特定の平面または平面以外の領域に関連して提供されてもよい。いずれの場合も、その領域の特定のロケーションは、ディスプレイ表面に平行であってもなくてもよい。この位置は、さらに、ユーザの好み情報及び/または他の要因に応じて、必要に応じて変更されてもよい。キャプション情報306内に含まれる基本位置情報は、いくつか例を挙げると、画像のオクルージョン、視差設定、視聴者ロケーション、使用される機器、3D画像の平均深度、その動的コンテンツ自身、他のユーザの好みなどに応じて、調整されてもよい。ユーザ情報は、例えば、任意のインターフェースを使用して入力されてもよく、メモリ118または他の場所に記憶されてもよい。
【0042】
実行され得る変更の種類の一例としては、3Dディスプレイ120に提供される2つの立体画像間の距離に影響を及ぼすユーザによってされた視差設定に応じて、キャプションオブジェクト122の位置などが調整されることがある。例えば、視聴者がディスプレイ120の比較的近くに位置する場合は、ディスプレイで生成される3D効果を改善するためには、視聴者がディスプレイからより離れて位置する場合に比べて低い視差設定を使用することが望ましいことがある。即ち、より離れた視聴者に比べてより近い視聴者ほど、立体画像が互いにより近くに位置する場合により良い体験ができる。結果として、多くの3Dディスプレイは、視聴者が調整することができる構成可能な視差設定を提供することができる。様々な他のタイプの“3D”設定が、同等の特徴を提供し得る。例えば、従来の視差設定の代わりに3D座標を使用するシステムでは、オブジェクト位置は、必要に応じて、画像の平均視差、画像の平均深度、及び/または、任意の他の“3D”パラメータに関連して容易に変換することができる。その結果、視聴者になされる任意の3Dタイプの調整または設定は、そのような設定が画像の平均視差に基づくオブジェクト位置に対する絶対的または相対的な調整と数学的に相関することができるという点で、本明細書に記載された視差設定と同等なものとみなすことができる。
【0043】
そのような設定は、さらに、キャプションテキストを提示するために使用されるキャプションオブジェクト122の位置を調整するために、使用されてもよい。様々な実施形態で、表示された画像の平均視差を求め、この平均視差に関連してキャプションテキストの位置を必要に応じて調整することができる。例えば、オブジェクト122がディスプレイ120の中心線から離れて位置する場合には、この中心線からの変位を、視差設定が増加するにつれて増加させることができる。反対に、こうした位置は、視差が減少するにつれてディスプレイ120の中心線のより近くに移動させることができる。他の実施形態では、オブジェクト122の見かけの位置を、定位置に維持し、それぞれの立体画像の相対位置を、視差設定に基づいて、さらに離れるように移動させ、それによって、改善された視聴体験を可能にすることができる。視差設定に応じて適用される相対距離の調整は、必要に応じて、任意の線形または非線形関数に従って定義することができる。
【0044】
他の実施形態は、視差設定に加えてまたは代えて、他の要因に基づいてキャプションオブジェクト122の位置及び/またはサイズを同様に調整してもよい。例えば、ディスプレイ120が独特な形状またはサイズである場合には、情報306で指定された特定の位置に対して調整を行って、利用可能な特定の機器での改善された視聴を可能にすることができる。考えられる他のオプションには、視聴者によって選択されるフォントタイプもしくはサイズ、カラー設定及び/または視聴者もしくは他の人によって必要に応じて設定され得る他のパラメータが含まれる。その結果、プログラムの著者/プロデューサーによって提供される一般的な情報は、様々な実施形態で、視聴者の好みによって、強化、変更、または無効化され得る。
【0045】
上述したように、オクルージョン効果は、3D視覚体験をさらに強化するために、使用することができる(機能410、412)。様々な実施形態で、キャプションオブジェクト122は、他のオプションがユーザの視点からオブジェクト122の“前”または“後ろ”に置かれることを可能とするような様式で、三次元空間に定義される。他のオブジェクトの前のオブジェクトは、上述したように、これらオクルードを行っているオブジェクトの後ろに置かれた画像の一部または全部をオクルード、つまりブロックすることができる。様々な実施形態で、キャプションオブジェクト122は、単に、ディスプレイ120に提示される任意の他の三次元オブジェクトと同じように定義され、オクルージョンは従来の写真測量法技術を用いて処理される。つまり、ディスプレイ120に提示されるさまざまなオブジェクトの利用可能なさまざまな測定データを使用して、3Dまたは同様の画像を、一体的にクローズドキャプション情報を提示するディスプレイ上に構成することができる。
【0046】
処理された画像は、任意の様式でレンダリングすることができる(機能414)。様々な実施形態で、画像は、セットトップボックス、媒体再生機、他の受信機110から外部のディスプレイ120へ、任意の種類のインターフェース114(例えば、HDMIインターフェース)を使用することにより提供される。他の実施形態では、インターフェース114は、単に、統合ディスプレイ120を駆動することができる任意の信号生成機能を示す。従来のテレビなどでは、例えば、受信機110やディスプレイ120の機能は、共通のデバイスに統合されることがある。従って、ディスプレイ120に提示するための画像のレンダリングは、従来の媒体処理に一般に関連する、任意の種類のデコーディング、画像処理、画像レンダリング、解凍、及び/または、他の特徴を含んでもよい。
【0047】
図5は、3Dコンテンツの作成(機能502)、キャプションデータのためのロケーション決定(機能504)、ロケーション情報の特定およびエンコーディング(機能506、508)、エンコードされたプログラミングの必要に応じた分配(機能510)、といった広範な工程を含む3Dプログラミングを作成する例示的処理500を示す。処理500は、必要に応じて、任意の種類のソフトウェアを実行する任意の種類のディジタルコンピュータで部分的にまたは全体的に実行されてもよい。上述したように、処理500は、プログラムコンテンツの作成、分配及び/または伝送の期間中に、実行されてもよい。
【0048】
コンテンツ作成(機能502)は、任意の様式で3Dタイプコンテンツを作成することを適切に含んでいる。コンテンツは、例えば、ライブカメラによる供給から、または、任意の従来のテレビ、映画、もしくは他の媒体作成技術から、作成されてもよい。取り込み画像を任意の様式で作成して、任意の放送、映画、ストリーミング、または記憶媒体での分配向けに作成することのできる編集されたプログラムプロダクトを作り出すことができる。作成されたコンテンツは、ディジタル媒体(例えば、メモリまたはハードドライブ)に記憶することができるとともに、次の処理のために部分的にまたは全体的に編集プログラム内にロードすることができる、任意のディジタルまたは他のフォーマットで表され得る。その結果、コンテンツ生成の機能502では、ディジタル編集システムなどに作成コンテンツをロードすることを同等に参照することがある。
【0049】
キャプションのためのロケーションは、任意の様式で決定することができる(機能504)。様々な実施形態で、編集ソフトウェアは、作成されたコンテンツを表示し、編集者またはプロデューサーが表示画面のうちコンテンツ提示にふさわしい部分を選択することを可能とする。そのような部分は、任意の種類のマウス駆動、または、グラフィカルユーザ入力に基づく同様のツールを含む、任意の種類の選択または描画ツールを使用して選択されてもよい。様々な実施形態で、キャプションのロケーションは、必要に応じて、平均視差及び/または他の要因に応じて割り当てることができる。例としては、エンコーディングシステムが、表示される画像の平均視差を決定し、算出された平均視差に関連してキャプションデータを提示するためのロケーションを選択してもよい。
【0050】
上述したように、特定のキャプションロケーションを、任意の様式で特定することができる(機能506)。ロケーション識別子は、例えば、画像内の絶対的または相対的座標に関連してもよく、単純に、適当な深度情報などを用いて空間オブジェクトを定義してもよい。識別子は、受信機110でデコードすることの可能な任意のフォーマットで生成することができる。
【0051】
次いで、プログラム情報が、必要に応じて、キャプションロケーション識別子を用いてエンコードされる。上述した図3に関連して述べたように、キャプションロケーション識別子は、任意の方法でプログラミングストリームにエンコードすることができる。エンコードされたプログラミングストリームは、その後の視聴のために任意の様式で伝送または分配されてもよい。
【0052】
上述した一般的なシステム、構造、及び技術は、任意の数の異なる特徴を提供するように、組み合わせること、強化すること、変更すること、及び/または、実施することができる。特に、用語“例示的”は、いくつもの代わりのものがある例、事例または実例を示すために本明細書では使用される。“例”として本明細書で説明されたあらゆる実装例は、他の実装例に対して好ましいものまたは有利なものとして必ずしも解釈されるべきではない。様々な例示的実施形態は、先の詳細な説明に提示される一方で、同等の変形形態が存在する膨大な数の代替物が存在し、本明細書で提示された例は、本発明の範囲、適用性、または、構成を制限することを目的とするものでは決してないと理解されるべきである。反対に、本明細書で説明されたさまざまな特徴の機能及び配置に対して、特許請求の範囲及び法律的な均等物の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元プログラミングを表示するためのシステムであって、
前記三次元プログラミングを受信するように構成された受信機インターフェースであって、ここで、前記三次元プログラミングは、キャプションデータと前記三次元プログラミング内での前記キャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション情報を含む、受信機インターフェースと、
前記三次元プログラミングに対応する画像をレンダリングするように構成されたプロセッサであって、前記画像は、前記三次元プログラミング内の前記指定されたロケーションにレンダリングされた前記キャプションデータを含む、プロセッサと、を含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記三次元プログラミング内で前記キャプションデータのオクルージョンを処理するように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、前記ロケーション識別子に応じて前記三次元プログラミング内での前記キャプションデータの位置を決定し、前記キャプションデータをオクルードする前記三次元プログラミング内のオクルーディングオブジェクトを特定することによって、前記キャプションデータの前記オクルージョンを処理するように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記キャプションデータの少なくとも一部をオクルードするように、前記オクルーディングオブジェクトを提示することによって、前記三次元プログラミングに対応する前記画像をレンダリングするように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のシステムにおいて、
視差設定を含むユーザ構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに含み、
前記プロセッサは、さらに、前記視差設定の関数として前記三次元プログラミング内での前記キャプションデータの前記位置を決定するように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記三次元プログラミングの平均視差を決定し、前記平均視差に関連して前記キャプションデータを含む前記画像をレンダリングするように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、
前記プロセッサは、さらに、前記平均視差に関連して定義される平面領域に関連して前記キャプションデータをレンダリングするように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
視差設定を含むユーザ構成情報を記憶するように構成されたメモリをさらに含み、
前記プロセッサは、さらに、前記視差設定の関数として前記三次元プログラミング内で前記キャプションデータをレンダリングするように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載のシステムにおいて、
ディスプレイインターフェースをさらに含み、
前記プロセッサは、さらに、前記レンダリングされた画像に対応する出力信号を生成するように構成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、さらに、
前記三次元プログラミングに対応する前記レンダリングされた画像を提示するように構成されたディスプレイを含む
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記ディスプレイは、三次元ディスプレイ及び擬似三次元ディスプレイのうちの一つである
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で多角形を定義する
ことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
前記多角形は、前記ディスプレイの表面に対して実質的に平行である
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で平面領域を定義する
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ロケーション識別子は、第1の画像内の第1のロケーションと、第2の画像内の第2のロケーションを定義する
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記ロケーション識別子は、三次元ディスプレイ空間中に座標を定義する
ことを特徴とするシステム。
【請求項17】
三次元プログラミングをディスプレイに提示する方法であって、
前記三次元プログラミングを受信することであって、前記三次元プログラミングは、キャプションデータと前記三次元プログラミング内の前記キャプションデータのためのロケーションを指定するロケーション識別子とを含むクローズドキャプション情報を含む、ことと、
前記三次元プログラミング内の前記指定されたロケーションに前記キャプションデータをレンダリングするように、前記受信した三次元プログラミングを処理することと、
前記三次元プログラミングを前記ディスプレイに提示することと、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記処理することは、前記三次元プログラム内の前記キャプションデータのオクルージョンを処理することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、
前記キャプションデータの前記オクルージョンを処理することは、前記ロケーション識別子に応じて前記三次元プログラミング内の前記キャプションデータの位置を決定することと、前記キャプションデータをオクルードする前記三次元プログラミング内のオクルーディングオブジェクトを特定することと、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
前記処理することは、前記オクルーディングオブジェクトを前記ディスプレイに前記キャプションデータの少なくとも一部をオクルードするように提示することによって、前記三次元プログラミングに対応する画像をレンダリングすることを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項17に記載の方法において、
前記処理することは、前記三次元プログラミング内の前記キャプションデータの前記ロケーションを、ユーザによって指定された視差設定の関数として、決定することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項17に記載の方法において、
前記処理することは、前記画像の平均視差を算出することと、前記平均視差に関連して前記キャプションを配置することとを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項17に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で多角形を定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項17に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で平面領域を定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項17に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、第1の画像内の第1のロケーションと、第2の画像内の第2のロケーションとを定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項26】
三次元プログラミングを作成する方法であって、
前記三次元プログラミング内の、キャプションデータを提示する適切な位置を決定することと、
ロケーション識別子で前記適切な位置の各々を特定することと、
前記三次元プログラミング内にクローズドキャプション情報をエンコードすることであって、前記クローズドキャプション情報は、前記キャプションデータと、前記三次元プログラミング内の前記キャプションデータのための前記適切な位置を指定する前記ロケーション識別子とを含むことと、を含む
ことを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で多角形を定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項26に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、前記三次元プログラミング内で平面領域を定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項26に記載の方法において、
前記ロケーション識別子は、第1の画像内の第1のロケーションと、第2の画像内の第2のロケーションとを定義する
ことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項26に記載の方法において、さらに、
前記エンコードされたクローズドキャプション情報を伴う前記三次元プログラミングを記憶媒体に記憶することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項26に記載の方法において、さらに、
前記エンコードされたクローズドキャプション情報を伴う前記三次元プログラミングを、受信機に伝送することを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項26に記載の方法において、
前記エンコードされたクローズドキャプション情報を伴う前記三次元プログラミングは、地上波テレビ放送、衛星放送、及び、ケーブルテレビリンクのうちの少なくとも一つを通って伝送される
ことを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項26に記載の方法において、
前記決定することは、前記三次元プログラミングの平均視差を算出することと、前記平均視差に関連してキャプションデータを提示する前記ロケーションを選択することと、を含む
ことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−516505(P2012−516505A)
【公表日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548046(P2011−548046)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/021171
【国際公開番号】WO2010/088070
【国際公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(509055068)エコスター テクノロジーズ エル.エル.シー. (15)
【氏名又は名称原語表記】ECHOSTAR TECHNOLOGIES L.L.C.
【Fターム(参考)】