説明

三次元造形物製造方法

【課題】基台からの離脱が容易であって、しかも底部の成形を可能とするような三次元造形物製造方法の構成を提供すること。
【解決手段】粉末8に対する光ビームの照射7及び回転工具6による造形に基づく三次元造形物製造方法であって、造形対象物3を支える基台1に空洞部11を設け、当該空洞部11中に粉末8を充填し、かつ空洞部11の上部及びその周辺領域に粉末層を形成し、当該粉末層を含む領域に造形対象物3を下方から支える焼結領域2を形成した後、造形対象物3だけでなく、基台1の3本以上の支柱4及び造形対象物3と前記支柱4、基台1等とを接続する2本以上の支持枠5を成形したうえで、成形物と基台1との上下位置を逆点することによって、前記焼結領域2の切削除去、及び底部の成形を行い、かつ当該支持枠5と成形対象物との切断分離を行っていることに基づき、前記課題を達成し得る三次元造形物製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形物の底面の成形を可能とする三次元造形物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
集積している粉末に対する光ビームによる焼結及び回転工具の移動による三次元造形物の製造方法においては、通常回転工具の移動に基づく成形は専ら底部以外の領域において行われており、底部については単に造形物を載置する基台に接していることから、基台との接合面の形状(当該平面形状)を維持するのみであって、回転工具による成形は殆ど行われていないというのが実情であった。
【0003】
このような状況に対処するため、特許文献1においては、基台(テーブル5)上に造形対象物(立体モデル部7a)だけでなく、造形対象物よりも大きな高さを有している支柱(ブロック部7b)及び前記造形物を前記支柱と接続している支持枠(連結部9)をそれぞれ成形したうえで、前記成形された造形対象物の支柱並びに支持枠の上下方向を逆転することによって、支柱(ブロック部7b)のうちの基台(テーブル5)と接続している部位と反対側の端部によって、支持枠(連結部9)を介して造形対象物(立体モデル部7a)を支持した状態としたうえで、造形対象物(立体モデル部7a)と基台(テーブル5)とを接続している領域部分(ブロック部7b)に対する回転工具による切削、更には支持枠(連結部9)と造形対象物(立体モデル部7a)との切削分離という加工工程が採用されており、前記接続領域部分(ブロック部7b)の除去に際し、造形対象物(立体モデル部7a)の底部の製造も可能である。
【0004】
しかしながら、前記加工方法においては、前記のように上下方向を逆点した後に、前記接続している領域部分(ブロック部7b)に対する切削を行うためには、基台(テーブル5)から成形した下方支持部(ブロック部7b)及び支柱を離脱させることを不可欠としているが、焼結したこれらの造形物を基台(テーブル5)から寸法形状精度の劣化や変形なくして離脱させる作業は極めて困難かつ煩雑であり、強制的に離脱させようとした場合には、成形した支柱が破壊されるアクシデントが生ずる危険が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−24495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は基台からの離脱が容易であって、しかも底部の成形を可能とするような三次元造形物製造方法の構成を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の基本構成は、
(1)集積している粉末に対し、光ビームの照射による焼結及び回転工具の移動による切削を伴う成形を行う三次元造形物製造方法であって、造形対象物の成形に至る粉末を支える基台において、造形対象物の底部が位置することを予定している領域の下方に空洞部を設けたうえで、以下の順序の工程によって、前記底部の成形加工を可能とする三次元造形物製造方法。
a 空洞部内に粉末を充填、及び当該空洞部の上側部位並びに当該部位の周辺部位における所定の厚さを有する粉末層の形成
b 前記aの粉末層、又は前記aの粉末層と空洞内に充填されている粉末のうち、最下端に至らない領域に対する光ビームによる焼結
c 前記bによって焼結された粉末層上における造形対象物、基台及び/又は前記bによって焼結された粉末層上における造形対象物と同等又はより大きな高さを有する3本以上の支柱、一方端部が造形対象物を支持し、かつ他方端部が前記支柱、基台、前記bによって焼結された粉末層の何れかの部位又はこれらに跨っている部位に接続している2本以上の支持枠の光ビームの照射による焼結及び回転工具の移動による成形
d 前記cによる成形物及び基台に対し、上下方向を逆転し、支柱の頂部によって基台及び前記cの成形物を支えた状態としたうえで、前記bの焼結領域の除去、更には造形対象物の底部に対する成形加工
e 前記cにおいて成形された支持枠と造形対象物との切断分離
(2)dの成形の後に、造形対象物及び基台の上下方向を再逆転し、当該成形物を基台の上側に位置させたうえで、eの切断分離工程に至ることを特徴とする前記(1)の三次元造形物製造方法
からなる。
【発明の効果】
【0008】
前記基本構成に基づき、本発明においては、基台からの分離工程を伴わずに、dのように、上下方向を逆転した後、空洞部の上側からbの焼結領域の除去及びcによって成形された造形対象物の底部の成形をも可能とし、かつ底部の成形が行われた造形対象物をeのように切断分離して、容易に独立した状態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1の構成を示す見取図である。
【図2】実施例2の構成を示す見取図であって、(a)は平行な直線によるメッシュ状を示しており、(b)は平行な直線が交差し合うメッシュ状を示している。
【図3】本発明の基本構成を説明する図面であって、(a)はaの工程を示しており(尚、点線に示す内側の領域は粉末層の領域を示す。)、(b)(1)、(2)はbの工程を示しており、(c)はcの工程を示しており、(d)(1)、(2)はdの工程を示しており、(e)(1)、(2)はeの工程を示している。
【図4】bの光ビームによる焼結に際し、空洞部の周辺においては、光ビームの照射方向を、水平方向を基準として空洞部の内側を向くように傾斜している方向に設定することを特徴とする実施形態を説明する側断面図である。
【図5】cの工程を経た段階における平面図であって、(a)は3本の支柱を設け、かつ図3(c)(1)及び図3(d)(1)に対応して、支持枠の他方端が何れも支柱に接続している場合を示しており、(b)は4本の支柱を設け、図3(c)(2)及び図3(d)(2)に対応して、支持枠の他方端が基台及びbの焼結した粉末層の双方に接続している場合を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記基本構成a、b、c、d、eの工程は、図3(a)、(b)、(c)、(d)に示すとおりであり、前記各図面に示すように、造形対象物3を載置する基台1において造形対象物3の底部が位置することを予定している領域の下方に空洞部11を設けていることを基本的特徴点としている。
尚、空洞部11と前記領域とは、空洞部11の面積が前記領域の面積よりも広い場合と、逆に空洞部11の面積が前記領域の面積よりも狭い場合との何れをも選択可能である。
【0011】
図3(a)に示すように、aの工程においては空洞部11に粉末8を充填し、かつ当該空洞部11の上側部位及び当該部位の周辺部位に所定の厚さの粉末層を形成しているが、前記周辺の領域に粉末層を形成するのは、後述するように、当該粉末層を焼結したうえで、その上側に造形対象物3の焼結及び成形を行うために他ならない。
【0012】
図3(b)(1)、(2)に示すように、bの工程として光ビームの照射により前記粉末層(図3(b)の(1)に示す。)又は前記aの粉末層及び空洞内に充填されている粉末層のうち、最下端に至らない領域(図3(b)の(2)に示す。)に対する光ビームによる焼結を行っている。
【0013】
焼結領域2を粉末層又は空洞内に充填されている粉末8のうち、最下端に至らない領域とするのは、焼結によって空洞の下側に位置している物、即ち基台1を支えている物又は装置と焼結した粉末8の固着を防止するためである。
【0014】
粉末8として金属粉末を選択した実施形態の場合には、焼結される粉末8の領域の厚みを小さく設定することができ、前記bのような焼結に際し、図3(b)(1)に示すように、焼結領域2を粉末層のみとするような焼結状態を実現することが可能であるため、好適に採用されている。
但し、金属粉末を選択せずとも、bの照射において、光ビームの単位面積当りの照射エネルギーを粉末層の厚さの焼結が可能な程度に設定し、造形対象物3の重量を支えるために必要な焼結強度に必要な光ビームの移動速度を設定することを特徴とする実施形態の場合には、焼結領域2をaの粉末層と一致させ、しかも必要かつ適切な焼結強度を実現することが可能となる。
【0015】
前記のような実施形態に限らず、焼結領域2が粉末層の下端にまで至らない状態とするためには、光ビームが粉末層を透過し得る照射エネルギーを限定することによって十分実現可能であるが、一般には当該照射エネルギーが大きい程焼結が行われる領域が厚くなると共に、光ビームの走査速度が同一の場合には、焼結強度を大きくすることができる。
【0016】
したがって、図3(b)(2)に示すように、焼結領域2が前記aの粉末層の領域だけでなく、空洞内に充当されている粉末層の領域まで及ぶ場合には、粉末層の下端に至らないような光ビームの照射エネルギーを選択したうえで、造形対象物3を支持し得る程度の焼結密度を実現できるように、光ビームの走査の程度を設定することになる。
【0017】
図3(b)(2)のように、焼結領域2がaの粉末層だけでなく、その下方の空洞内の領域にまで及んでいる場合を示すが、下方における焼結領域2が、基台1を構成している空洞の壁部と接着する場合がある。
【0018】
前記接着が生じた場合には、後のdの工程において当該壁部と接着した状態にある焼結部分を回転工具6によって切除し得るので、特許文献1の場合のような焼結した粉末8と基台1との分離のために煩雑な作業を必要とする訳ではない。
但し、前記切除に際し、壁部が損傷する場合があるので、前記接着状態を避けることが好ましい。
【0019】
図3(a)、(b)に示すように、空洞部11が下側となるに従って、順次水平方向に広幅に形成されていることを特徴とする実施形態の場合には、たとえ焼結領域2が下方の空洞内に及んだとしても、通常光ビームは鉛直方向に照射され、かつ焼結領域2もまた概略鉛直方向に形成されることから、焼結した粉末層が基台1の壁部に付着することを防止することができる。
【0020】
上記実施形態とは別に、図4に示すように、bの光ビームによる焼結に際し、空洞部11の周辺においては、光ビームの照射方向を、水平方向を基準として空洞部11の内側を向くように傾斜している方向に設定することを特徴とする実施形態においては、たとえ空洞部11の壁部を鉛直方向に成形したとしても、光ビームの照射部7の上記のような方向の調整によって、焼結領域2は空洞部11の下方となるに従って、前記壁部から離れた状態となるため、焼結した粉末層が空洞の壁部に付着することを防止することができる。
【0021】
図3(c)(1)、(2)に示すように、cの工程においては、単に造形対象物3だけではなく、造形対象物3と同等又はより大きな高さを有している2本以上の支柱4、造形対象物3に対する支持枠5をも造形している。
【0022】
支柱4は、基台1及び/又はbの焼結した粉末層上に成形され得るが(図3(c)(1)は、基台1上及びbの焼結した粉末層上に成形されている場合を示しており、図3(c)(2)は、基台1上に成形された場合を示す。)、造形対象物3と同等又はより大きな高さの支柱4を3本以上造形するのは、次のdの工程において、上下方向を逆点した際、造形対象物3に対する安定した支持状態を確保するために他ならない。
【0023】
次のdの工程において上下方向を逆点した際、安定した支持状態を確保するために、通常支柱4の高さは同等に設定されている。
尚、図3(c)(1)、(2)は支柱4の高さの方が造形対象物3の高さよりも大きい場合を示すが、高さが同等な場合にも、造形対象物3は自らをも安定した状態にて支持することができる。
【0024】
支持枠5の一方端は、必然的に造形対象物3に接続されているが、他方端は次のdの工程において上下方向を逆点した際、造形対象物3が支柱4、基台1、bの焼結粉末層と一体をなして逆点した状態を確保するために、支柱4、基台1、bの焼結粉末層の何れか又はこれらに跨っている部位と接続していることを不可欠としている。
【0025】
図3(c)(1)は、全て支柱4と接続している場合を示しており、図3(c)(2)は全て基台1及びbの焼結粉末層の双方と接続している場合を示すが、支持枠5の他方端の一部が支柱4と接続し、他の一部が基台1又はbの焼結粉末層又はこれらの双方との接続という実施形態も当然採用可能である。
【0026】
支持枠5が最低2本存在することによって、支柱4、基台1、bの焼結粉末層と一体となった前記逆点状態を実現することができるが、上下方向を逆点した際、造形対象物3に対する安定した支持状態を確保するためには、3本以上であることが望ましい。
尚、図3(c)(及び図3(d))は、側面図であって、2本の支柱4が描かれているが、実際の状況は、図5(a)、(b)の平面図に示すように、3本の支柱4及び4本の支柱4の何れも採用可能である(5本以上の支柱4も無論採用可能であるが、通常4本の支柱4を以って十分であって、造形対象物3の容積又は重量が大きく4本の支柱4では、上下方向を逆点した際安定した支持状態を得ることができない場合以外には5本以上の支柱4を設ける必要はない。)。
【0027】
図3(d)(1)、(2)に示すように、前記上下方向を逆点することによって、dによる焼結領域2を除去し、更に底部における所定の成形も実現されることになる(図3(d)(1)は、図3(c)(1)のように、支持枠5の他方端が全て支柱4に接続されている場合を示しており、図3(d)(2)は図3(c)(2)のように、支持枠5の他方端が基台1及びbの焼結粉末層の双方に接続される場合を示す。)。
【0028】
図3(d)(2)のように、造形対象物3の底部の面積よりも空洞部11の面積の方が大きい場合には、底部の全ての領域に対する成形を行うことができる。
【0029】
これに対し、造形対象物3の底部の面積よりも空洞部11の面積の方が小さい場合には、底部の全領域に対する成形を行うことは不可能であって、成形し得る範囲は限定されることになる。
【0030】
したがって、空洞部11を設ける範囲は、底部の何れの位置に成形加工を行うかによって選択されることになる。
【0031】
図3(e)(1)、(2)(eの工程)によって支持によって成形された造形対象物3を支持枠5から切断分離し、独立した状態の造形対象物3を得ることができる(図3(e)(1)は、dの方向に上下方向を逆点した状態から更に再逆点し、本来の設計状態によって切断分離を行っている場合を示しており、図3(e)(2)は、前記逆点状態にて切断分離を行っている状態を示す。)。
【0032】
図3(e)(1)のように、本来の成形状態にて切断分離を行う場合には、基本構成(2)のような再逆点工程を必要とするが、図3(e)(2)に逆点状態にて切断分離を行う場合には基本構成(2)のような再逆点工程は不要である。
但し、造形対象物3が水平方向において空洞部11よりも広い領域に存在している場合には、逆点状態を維持しながら、空洞部11の側から切断分離を行うことは困難であって、基本構成(2)のように、再逆転を経ることによって、eの分離工程を行うことになる。
【0033】
以上の実施形態の説明からも明らかなように、aのように空洞部11を設けたうえで、bの焼結領域2の上側にcのように造形対象物3、支柱4、支持枠5を成形し、dのように上下方向を逆点することによってbの焼結領域2の除去、底部に対する成形を行い、eのような切断分離の結果得られた造形対象物3の場合には、底部に対する成形加工をスムースに実現することが可能となり、特許文献1の場合のような基台1との分離のために煩雑な作業は全く不要という極めて有用な作用効果を得ることができる。
【0034】
以下、実施例に従って説明する。
【実施例1】
【0035】
実施例1は、図1に示すように、基台1において空洞部11の上側を架橋する架橋部10を設け、aにおける粉末8を当該架橋部10上にも形成することを特徴としている。
【0036】
前記架橋部10によって、焼結された粉末層を下方から支持することが可能となるため、空洞部11の水平方向の面積が大きい場合であっても、架橋部10を介して粉末層上に形成された造形対象物3を安定した状態にて支持することが可能となる。
【実施例2】
【0037】
実施例2は、図2(a)、(b)に示すように、bの粉末層又は当該粉末層と空洞内に充填されている粉末8に対する焼結において、粉末層の全面の焼結に代えて平行な直線によるメッシュ状又は平行な直線が交差し合うメッシュ状による焼結を行うことを特徴としている。
【0038】
粉末層、又は粉末層及びその下方の空洞部11の領域における焼結領域2は、造形対象物3を下方から支えることを目的としているが、そのためには必ずしも焼結領域2の全てを焼結しなければならないという訳ではない。
【0039】
即ち、下方からの支持に必要な焼結強度が実現しているのであれば、図2(a)に示すような平行な直線によるメッシュ状又は図2(b)に示すような平行な直線が交差し合うメッシュ状による焼結を以って焼結領域2を形成することも十分可能である。
尚bにおいて、図3(b)(2)に示すように、粉末層だけでなく、空洞内に充填されている粉末8をも焼結する場合であっても、図2(a)、(b)のようなメッシュ状の焼結が行われた場合には、粉末層の下側の粉末8についても、同様のメッシュ状のラインを形成する焼結が行われることになる。
【0040】
このような実施例2においては、焼結に必要な作業効率を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、底部をも造形の対象としている三次元造形物製造方法の全てに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
1 基台
2 焼結領域
3 造形対象物
4 支柱
5 支持枠
6 回転工具
7 光ビームの照射部
8 粉末
10 架橋部
11 空洞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積している粉末に対し、光ビームの照射による焼結及び回転工具の移動による切削を伴う成形を行う三次元造形物製造方法であって、造形対象物の成形に至る粉末を支える基台において、造形対象物の底部が位置することを予定している領域の下方に空洞部を設けたうえで、以下の順序の工程によって、前記底部の成形加工を可能とする三次元造形物製造方法。
a 空洞部内に粉末を充填、及び当該空洞部の上側部位並びに当該部位の周辺部位における所定の厚さを有する粉末層の形成
b 前記aの粉末層、又は前記aの粉末層と空洞内に充填されている粉末のうち、最下端に至らない領域に対する光ビームによる焼結
c 前記bによって焼結された粉末層上における造形対象物、基台及び/又は前記bによって焼結された粉末層上における造形対象物と同等又はより大きな高さを有する3本以上の支柱、一方端部が造形対象物を支持し、かつ他方端部が前記支柱、基台、前記bによって焼結された粉末層の何れかの部位又はこれらに跨っている部位に接続している2本以上の支持枠の光ビームの照射による焼結及び回転工具の移動による成形
d 前記cによる成形物及び基台に対し、上下方向を逆転し、支柱の頂部によって基台及び前記cの成形物を支えた状態としたうえで、前記bの焼結領域の除去、更には造形対象物の底部に対する成形加工
e 前記cにおいて成形された支持枠と造形対象物との切断分離
【請求項2】
dの成形の後に、造形対象物及び基台の上下方向を再逆転し、当該成形物を基台の上側に位置させたうえで、eの切断分離工程に至ることを特徴とする請求項1記載の三次元造形物製造方法。
【請求項3】
金属粉末を選択することを特徴とする請求項1、2の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。
【請求項4】
bの照射において、光ビームの単位面積当りの照射エネルギーを粉末層の厚さの焼結が可能な程度に設定し、造形対象物の重量を支えるために必要な焼結強度に必要な光ビームの移動速度を設定することを特徴とする請求項1、2の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。
【請求項5】
空洞部が下側となるに従って、順次水平方向に広幅に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。
【請求項6】
bの光ビームによる焼結に際し、空洞部の周辺においては、光ビームの照射方向を、水平方向を基準として空洞部の内側を向くように傾斜している方向に設定することを特徴とする請求項1、2、3、4、5の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。
【請求項7】
基台において空洞部の上側を架橋する架橋部を設け、aの粉末層を当該架橋部上にも形成することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。
【請求項8】
bの粉末層又は当該粉末層と空洞内に充填されている粉末に対する焼結において、粉末層の全面の焼結に代えて平行な直線によるメッシュ状又は平行な直線が交差し合うメッシュ状による焼結を行うことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7の何れか一項に記載の三次元造形物製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−184438(P2010−184438A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−30290(P2009−30290)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【特許番号】特許第4404947号(P4404947)
【特許公報発行日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【出願人】(000146087)株式会社松浦機械製作所 (40)
【Fターム(参考)】