説明

三次元電池構造およびその製造方法

【解決手段】 3次元電池構造デバイスは、非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有する多孔質基体であって、電池の第1の電極の足場を形成するものである前記多孔質基体と、前記多孔質基体上に蒸着する第1のコーティングであって、当該第1のコーティングは電子絶縁イオン伝導性誘電体である前記第1のコーティングと、残りの自由体積上に蒸着する第2のコーティングであって、当該第2のコーティングは相互貫入導電体であり、前記電池の第2の電極を形成するものである前記第2のコーティングとを有するものである。3次元電池構造デバイスを製造する方法は、多孔質基体上に第1のコーティングを蒸着する工程であって、当該多孔質基体は非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有し、当該第1のコーティングは前記電池の電解質を形成するものである前記蒸着する工程と、前記第1のコーティング上に第2のコーティングを蒸着する工程であって、当該第2のコーティングは相互貫入導電体であり、前記電池の第2の電極を形成するものである前記蒸着する工程とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年7月30日の出願日を有する米国特許出願番号第61/220,439号の出願であり、これに対して優先権を主張するものである。
【0002】
この開示は、3つの全ての有効構成要素であるアノード、セパレータ/固体電解質、カソードの三相共連続(tricontinuous)を有するナノスケールの三次元電池構造を設計するプラットフォームとして使用される二相共連続細孔および固体ネットワークを有する超多孔質ナノ構造について説明する。
【背景技術】
【0003】
多機能材料は電気化学的電源にとって欠くことのできないものであり、電気化学的電源が高性能であるために、この多機能材料は、電子伝導率と、イオン伝導率と、分子および溶媒和イオンの容易な物質移行との最適な組み合わせが示されなければならない。
【0004】
様々な形態のエネルギー関連の機能性を生み出す素反応を独立して制御することは、集合体では困難である。将来に望まれるミッション性能を達成するのに必要な材質化学の飛躍的進歩はナノ科学を含み、ナノスケールの構成要素を集めて電源に固有の多機能構造を構築する能力が特に重要視される。
【0005】
エネルギーを生成または貯蓄する基本的プロセスは、現在の構造ナノ科学の観点、すなわち「空所」(ボイドスペース)および意図的な無秩序設計の構成要素の使用を含む適切なナノスケールの構成要素から三次元(3D)導電性構造の設計および製作の観点から再考することが可能である。
【0006】
エアロゲル(湿潤ゲルを本質的に細孔崩壊のないように乾燥することによって得られる)およびアンビゲル(湿潤ゲルを無極性の低表面張力間隙流体で処理することによって得られる)の細孔固体ナノ構造の特質は、ナノスケールでの電荷輸送に新しい側面を与える。
【0007】
エアロゲルおよびアンビゲルは本質的に高表面積を混合しており、この高表面積は、連続相互貫入(continuous interpenetrating)メソ多孔体ネットワークを有する、挿入酸化物ナノ粒子の樹状自動配線(self−wired)共有結合ネットワークとして表され、反応物および生成物の急速な拡散フラックスを確実にする。
【0008】
速度が重要な用途(検出、エネルギー貯蔵、エネルギー変換、触媒作用、合成)において、アンビゲルまたはエアロゲルとして表される多機能材料は、2Dまたは3Dの有孔性ナノ構造の反応より10〜1000倍反応が速い。配管(プラミング)の質(すなわち、三次元のメソ多孔体ネットワークの連続性)は、これらナノ構造の高速特性の達成および当該構造の内部での高質な化学修飾の制御において重要な要素となる。
【0009】
随意に設計される電池は、それが電力を供給するデバイスより大きくまたは重くならないような大きさまたは重さである。微小電気機械システムを含むメゾスコピック構造およびデバイスを製作する最近の進歩は、オンボード電源にまで縮小することにおいてまだ匹敵する程の進歩が伴ってきていない。本明細書に記載の発明は、電力が供給されるデバイスのサイズの縮小を生かすため、標準電池の慣習的な構造を変形する新規の設計戦略を提供する。これらのデバイスは電源に高負荷を課さないため、電池は電力容量または電力密度において究極でないものを考案することができ、設計においてより自由度が高まる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示は、3つの全ての有効構成要素であるアノード、セパレータ/固体電解質、カソードの三相共連続を有するナノスケールの三次元電池構造を設計するプラットフォームとして使用される二相共連続細孔および固体ネットワークを有する超多孔質ナノ構造について説明する。
【0011】
最初の構造足場(architectural scaffolding)はゾル−ゲル由来であり、この湿潤の無秩序ゲル(disordered gel)は低表面張力から最小表面張力の状態の下で処理されることによって間隙流体を崩壊せずに除去し、これによりメソ多孔体の細孔のサイズの範囲(2〜50nm)を有する全体にわたって連続的な細孔ネットワークを保有する。
【0012】
前記固体ネットワークは、約10nmのドメインの高表面積挿入酸化物(カソード)または炭素(アノード)を有し、この上に(セパレータとして機能する)約10nmの厚さのポリマー薄膜が蒸着される。
【0013】
前記固体ネットワークはまた、超並列集電体として機能する電子伝導体である良導体を有し、この上に共形超薄(<2nm)コーティングが蒸着され、高表面積挿入酸化物(カソード)または炭素/酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩(アノード)として機能し、この上に(セパレータとして機能する)約10nmの厚さのポリマー薄膜が蒸着される。
【0014】
前記メソ多孔質の残りの体積は、低融点金属(アノード)または挿入酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩のための貯留層を提供し、前記電池の対電極として機能する(すなわち、元の固体ネットワークの組成によってアノードになるかカソードになるかが決定される)。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、共形ポリマー超薄セパレータ/電解質が電着された酸化物ネットワークを示すモノリシック酸化マンガンアンビゲルナノ構造を図示する。
【図2】図2は、共形自己抑制(conformal self−limiting)ポリマー超薄膜がアリールモノマーの電解酸化重合を介して超多孔質導電性ナノ構造の表面上に合成されるプロセスの略図である。
【図3】図3は、共形ポリマー超薄膜がフェノラートモノマー(phenolate monomers)の酸化を介して超薄導電性ナノ構造上に合成されるところの電子反応およびその結果として生じるポリマーの幾つかの特性を図示する。
【図4】図4は、ITO支持ポリフェニレンオキシドPPO被覆酸化マンガンをMnO||PPO||Ga−Inセルとして2点プローブ固体測定で測った測定の略図である。MnOへのリチウムイオン挿入(+3V)およびMnOからの脱挿入(+0.7V)と一致する電位への歩み寄りに関する固体電流の時間応答が示されてる。
【図5】図5は、MnO||PPO||RuOのナノ構造の暗視野走査型透過電子顕微鏡写真と、エネルギー分散分光分析による画像領域の元素分析と、(PPOからの)C、Mn、およびRuに関する個々の元素マップと、C、Mn、およびRuのオーバーレイ(上中央に図示)とを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
この開示は、3つの全ての有効構成要素であるアノード、セパレータ/固体電解質、カソードの三相共連続を有するナノスケールの三次元電池構造を設計するプラットフォームとして使用される二相共連続細孔および固体ネットワークを有する超多孔質ナノ構造について説明する。
【0017】
最初の構造足場はゾル−ゲル由来であり、この湿潤の無秩序ゲルは低表面張力から最小限表面張力の状態の下で処理されることによって間隙流体を崩壊せずに除去し、これにより約2〜約50nmおよび50nm〜500nmの範囲であるメソ多孔質から小さいマクロ多孔質のサイズの細孔を有する連続細孔ネットワークを保有する。
【0018】
前記固体ネットワークは、約10nmのドメインの高表面積挿入酸化物(カソード)または炭素(アノード)を有し、この上に(セパレータとして機能する)約10nmの厚さのポリマー薄膜が蒸着される。
【0019】
前記固体ネットワークはまた、超並列集電体として機能する電子伝導体である良導体を有し、この上に共形超薄(<2nm)コーティングが蒸着され、高表面積挿入酸化物(カソード)または炭素/酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩(アノード)として機能し、この上に(パレータとして機能する)約10nmの厚さのポリマー薄膜が蒸着される。
【0020】
前記メソ多孔質の残りの体積は、低融点金属(アノード)または挿入酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩のための貯留層を提供し、前記電池の対電極として機能する(すなわち、元の固体ネットワークの組成によってアノードになるかカソードになるかが決定される)。
【0021】
図1に図示する構造において、多孔質基体は非周期的またはランダムな「スポンジ」ネットワークを有し、電池の挿入カソードとしてまたは、挿入アノードまたはカソードとして機能することができる材料である共形超薄コーティングが蒸着されて超並列3D集電体として機能する。
【0022】
前記多孔質基体は、次に電子絶縁イオン伝導性誘電体(例えば、電解質)で被覆され、残りの自由体積には相互貫入(interpenetrating)導電性材料が添加されて前記電池の第2の電極を形成する(当該第2の電極は、元の足場(scaffold)または被覆された足場が前記電池のカソードとして機能する場合アノードであり、当該元の足場または被覆された足場が前記電池のアノードとして機能する場合カソードである)。
【0023】
前記構造は同心円状の電極構成を表し、前記イオン伝導性誘電体が前記多孔質電極足場を覆う一方で、他の電極はメソ多孔体およびマクロ多孔体の間隙を満たし且つ前記イオン伝導性誘電体の周囲を取り囲む。
【0024】
この配置により、前記多孔質3D基体(セルの第1の電極であり例えばカソード)と前記第2の導電性材料(セルの第2の電極であり例えばアノード)との間に短い輸送経路が提供される。
【0025】
さらに、前記多孔質3D基体、前記イオン伝導性材料、および前記第2の導電性材料を含む電池の全ての構成要素は、前記スポンジ状構造の全体にわたって連続している。
【0026】
また、本明細書は3D電荷挿入ナノ構造の製作手順について説明しており、この手順は、カソード、セパレータ、およびアノードの三相共連続合成物の高質なアセンブリを達成するための相互貫入メソ多孔質ネットワークの重要性について強調している。
【0027】
3次元電荷貯留構造は、図1に示すように、メソ多孔質ナノ構造の限定空間内に適切な誘電性および/またはイオン伝導性コーティングを共形合成することによって作成することができる。
【0028】
これらの内部修飾化プロセスが共形であり、且つこれらの成長が自己抑制される点は重要なことである。
【0029】
前記高表面積ナノスケール固体の修飾は、全体にわたって連続的な多孔質ネットワークを塞がないように達成されなければならない。さもなければ、前記電池の挿入対電極の高質な間詰め(interfiling)が達成できない。
【0030】
示している実施例は、ポリマーセパレータ/電解質がin situで電着されるMnOxアンビゲルの支持薄膜の形で、起伏の多いカチオン挿入酸化物プラットフォームとして二酸化マンガンを使用することを含む。
【0031】
二酸化マンガンは、前記ナノ電池の挿入カソードとして機能する、前記エアロゲルネットワークのために選択した酸化物である。二酸化マンガン(IV)は、多数のゾル−ゲル調合液がこの酸化物のために文字通りその非晶形(a−MnO)およびその様々な結晶(および多孔性結晶)多形の両方において存在することができる、特に万能な組成物である。一般に、非晶質物は、これらの結晶形よりもより高い実際的な挿入能力を提供する。結晶子またはドメインサイズを単分散の方法で制御するのが困難であるほとんどの調製法と異なり、エアロゲルのドメインサイズは、焼結に対して耐性があり且つより小さいまたは大きなドメインサイズのいずれにおいても合成するのが困難である約10nmのサイズである。
【0032】
ピンホールのないポリマー超薄膜バリアが前記ナノ構造の壁部一面に共形的に形成されて、前記電池の2つのナノスケールの電極の間で物理的および電子的バリアとして機能するようになった後、残りの自由体積は次にナノ材料が添加されて挿入対電極として機能する。
【0033】
前記ナノ電池構想に要求される構成要素のナノスケールでの完全な3Dの具現化は、ポリマー被覆した多孔質酸化物ナノ構造内で無秩序無水RuOのナノ粒子を合成することによって実証されてきた。非伝統的な電池材料ではあるが、ナノスケールのRuOは、酸化物がナノスケールで無秩序であるとき特に、可逆的にリチウムイオンを挿入することが示されてきた。
【0034】
例としては、例えば電子絶縁リチウムイオン伝導性ポリマー超薄膜セパレータの作成である。
【0035】
前記酸化マンガンナノ構造における配管(plumbing)の質(すなわち、三次元のメソ多孔体ネットワークの連続性)は、3Dナノ電池への途上で構成要素のアセンブリの制御を保持するために重要である。塩基性メタノールおよびアセトニトリルでのフェノールおよび2.6−ジメチルフェノールの電気酸化は、図2に示すように平坦電極で自己停止成長を介してMnOxアンビゲル薄膜で進行し、図3に示すように数十ナノメートルの厚さの高電子絶縁であり且つ集合体のような絶縁耐力を有するポリフェニレンオキシドをベースとする薄膜を生成する。
【0036】
イオンは、次に無水リチウム電解質を使用する溶媒キャスト法またはイオン機能を有する共電気酸化(co−electro−oxidizing)置換フェノールのいずれかによって前記電着された薄膜内に組み込まれる。
【0037】
ポリフェニレンオキシドをベースとするコーティングで同様に修飾されるITO(インジウムをドープした酸化スズ、導電透明ガラス)で行われたACインピーダンス測定によって、電着ポリフェニレンオキシドをベースとする薄膜は誘電の機能を果たすが、リチウムイオン移動を組み込んだ後イオン輸送のインピーダンス応答特性に変換することが検証される。図4に示すように、2点プローブDC測定によって、リチウムイオンは電着ポリマー超薄膜を通って固体輸送を生じ、バーネス鉱型MnOxナノ構造およびGa−In対電極の中に挿入/非挿入することが実証される。
【0038】
前記ナノ構造は、電気化学的方法、物理的方法、構造的方法、および微視的方法によって各ステージ(電極足場;ポリマー被覆電極;カソード|ポリマーセパレータ|アノードの三相共連続アセンブリ)において特徴付けられる。この電池技術は、メソ多孔質からマクロ多孔質へのナノ構造として(または内で)合成されるとき、標準電池構成要素(挿入カソード、ポリマーセパレータ/電解質、および挿入アノード)の物理化学的特性を確立する。
【0039】
完全な電池製作の実施例
ポリマー被覆MnOナノ構造に、次に、極低温状態でヘキサンまたはペンタンのRuO溶液からRuOの自己触媒析出によって対電極を浸潤する。
【0040】
透過電子顕微鏡法により、前記ポリマーおよびRuOが前記メソ多孔質MnOマトリックス全体にわたって共形的に統合されていることが実証される。エネルギー分散X線分光法(energy−dispersive X−ray spectrometry:EDS)を使用して、三相共連続構造(ITO支持体が剥げて取れたMnO|PPO|RuO)の一部分に存在するマンガン、炭素、およびリチウムの元素マップが得られ、これは図5に示すような走査型透過電子顕微鏡法で得られる暗視野像に相当する。前記EDS元素マップのオーバーレイは、前記ポリマーおよびRuOが前記MnO上に分散されていることを明らかにし、且つ前記ポリマーおよびRuOが前記MnO構造のメソ多孔質構造を貫通しているのを実証する。平面MnO|PPO|RuO|GaInの固体測定は、対電極を電気的に短絡しないでRuOの蒸着ができていることを示している。
【0041】
この開示で説明した前記MnO|ポリマー|RuOナノ構造は、一体となった三相共連続ナノ構造を示す三相共連続スポンジ形状であって、挿入アノードおよびカソードが互いにナノメートルの範囲内にあり且つ可塑化溶媒ではないリチウムイオン移動を含む固体ポリマーによって分離されている。
【0042】
上述の閉じ込め状態で表面を修飾する成功手順によって、固体素子を製作する能力と、構成要素がナノスケールで統合され且つ改善されたパフォーマンスを有する電気化学システムをもたらす能力とが促進される。
【0043】
ナノスケール(5〜30nmの厚さ)固体ポリマー電解質の直接的な利益は、電荷輸送が著しく改善された速度能力である。
【0044】
少量のリチウム伝導体しか有しないポリマーであっても、たった数十ナノメートルの厚さがあれば最小限の抵抗を提供する。
【0045】
電気的および電気化学的応用で対象の典型的なナノ結晶混合導電性酸化物は、結晶粒界の寄与を増幅し且つパフォーマンスを制限する大きな電荷輸送抵抗を作成する非結合ナノ粒子として使用される。混合導電性特性の非結合(非ネットワーク)ナノ粒子は、少量の電子伝導性がある材料であり複合電極を形成するため、電子伝導性粉末(例えば、炭素粉末、ナノチューブ、またはナノファイバー)およびポリマー接着剤の追加を必要とする。エアロゲルおよびアンビゲルの連続共有結合固体ネットワークはこれらの粒界を排除する、この結果これら材料は連続フラクタルネットワークとして電気的に応答する。この開示はエアロゲルをベースとするナノ構造に関するが、ゾル−ゲル由来若しくは由来でない他の全体にわたって多孔質な導電性構造にも適用されるものである。
【0046】
この開示の代替として、典型的には1マイクロメータ若しくはそれ以上の長さスケールであることを特徴とする棒状の電極アレイを基にした他の3次元電極形状も含む。この様な場合、電極アレイは、電荷質および対電極相によって満たされた間隙空間と共にアノードまたはカソードのいずれかを有し、或いは電解質相によって分離されるカソード棒およびアノード棒の交互組み合わせアレイが完全な3D電池として機能する。この様な3D電池設計は、従来の2D薄膜電池をはるかに超える有意な利益を提供する。
【0047】
上記の記載は、本発明の好ましい実施形態の説明である。上記の教示に照らして、様々な修正および変更が可能である。従って、本発明は特段の説明がない限り添付の特許請求の範囲の範囲内において実行されることは理解されるべきである。単数形で要素を主張するあらゆる言及(例えば冠詞の「a」、「an」、「the」、または「said」など)は、該要素を単数形に限定するものとして解釈されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元電池構造デバイスであって、
非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有する多孔質基体であって、電池の第1の電極を形成するものである、前記多孔質基体と、
前記多孔質基体上に蒸着するコーティングであって、当該コーティングは電子絶縁イオン伝導性誘電体であり、前記電池の電解質を形成するものである、前記コーティングと、
残りの自由体積上に蒸着する更なるコーティングであって、当該コーティングは相互貫入導電体(interpenetrating electrically conductive material)であり、前記電池の第2の対電極を形成するものである、前記更なるコーティングと
を有する三次元電池構造デバイス。
【請求項2】
請求項1記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記細孔は、約2〜約50nmである三次元電池構造デバイス。
【請求項3】
請求項1記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記デバイスは、ゾル−ゲル由来である三次元電池構造デバイス。
【請求項4】
請求項2記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記ネットワークは、約10nmのドメインの挿入酸化物材料(intercalating oxide material)である三次元電池構造デバイス。
【請求項5】
請求項4記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記多孔質基体上に蒸着する前記第1のコーティングは、約10nmの厚さを有する電子絶縁イオン伝導性誘電性ポリマーである三次元電池構造デバイス。
【請求項6】
請求項5記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記残りの自由体積に蒸着する前記更なるコーティングは低融点金属であり、前記電池のアノードを形成するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項7】
三次元電池構造デバイスであって、
非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成されるカソードと、
前記多孔質基体上に蒸着する第1のコーティングによって形成される固体電解質であって、当該第1のコーティングは電子絶縁イオン伝導性誘電体である、前記固体電解質と、
前記第1のコーティングに蒸着する第2のコーティングによって形成されるアノードであって、当該第2のコーティングは相互貫入導電体である、前記アノードと
を有し、
前記アノード、前記固体電解質、および前記カソードは、三相共連続(tricontinuous)である
三次元電池構造デバイス。
【請求項8】
請求項7記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有する多孔質基体によって定義される前記カソードは、エアロゲル、アンビゲル、およびナノフォームから成る群から選択されるうちの1つである三次元電池構造デバイス。
【請求項9】
請求項8記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有する前記多孔質基体によって定義される前記カソードは、約2〜約50nmの細孔を有するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項10】
請求項9記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記デバイスは、ゾル−ゲル由来である三次元電池構造デバイス。
【請求項11】
請求項10記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記ネットワークは、約10nm領域の挿入酸化物材料である三次元電池構造デバイス。
【請求項12】
請求項11記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記多孔質基体上に蒸着する前記第1のコーティングは、約10nmの厚さを有する電子絶縁イオン伝導性誘電性ポリマーである三次元電池構造デバイス。
【請求項13】
請求項12記載の三次元電池構造デバイスにおいて、残りの自由体積に蒸着する第2のコーティングは、前記電池のアノードを形成する低融点金属またはコロイド挿入酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩のいずれかである三次元電池構造デバイス。
【請求項14】
三次元電池構造デバイスであって
非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成される超並列3D電子伝導性足場(scaffold)(集電体)と、
前記3D超多孔質集電体の壁部に蒸着する約10〜20nmの厚さの共形超薄コーティングであって、前記三相共連続3D電池の第1の電極(カソードまたはアノードのうちのいずれか)として機能するものである、前記コーティングと、
前記電極コーティング多孔質基体に蒸着する更なるコーティングによって定義される固体電解質であって、当該更なるコーティングは電子絶縁イオン伝導性誘電体である、前記固体電解質と、
前記電解質/セパレータコーティングに蒸着する追加のコーティングによって形成される第2の対電極(それぞれカソードまたはアノードのうちのいずれか)であって、前記追加のコーティングは相互貫入導電体である、前記第2の対電極と
を有し、
前記アノード、前記固体電解質、前記カソード、および前記最初の3D集電足場は三相共連続である
三次元電池構造デバイス。
【請求項15】
請求項14記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成される前記超並列3D電子伝導性足場は、エアロゲル、アンビゲル、またはナノフォームであり、前記前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成される前記超並列3D電子伝導性足場は、約20nm〜約500nmの細孔を有するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項16】
請求項15記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記デバイスは、ゾル−ゲル由来である三次元電池構造デバイス。
【請求項17】
請求項16記載の三次元電池構造デバイスにおいて、前記ネットワークは、約10nm〜約20nmのドメインの挿入材料で共形的に被覆されて、有効な前記カソード材料として機能するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項18】
請求項17記載の三次元電池構造デバイスにおいて、さらに、
前記多孔質基体上に蒸着する更なるコーティングを含み、当該更なるコーティングは約10nm〜約50nmの厚さを有する電子絶縁イオン伝導性誘電性ポリマーを有するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項19】
請求項18記載の三次元電池構造デバイスにおいて、残りの自由体積に蒸着する追加のコーティングは、前記電池のアノードを形成する低融点金属またはコロイド挿入酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩のいずれかであり、前記電池のアノードを形成するものである三次元電池構造デバイス。
【請求項20】
三次元電池構造デバイスを製造する方法であって、
多孔質基体上に第1のコーティングを蒸着する工程であって、当該多孔質基体は非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有して、電池のカソードを形成するものであり、さらに当該第1のコーティングは電子絶縁イオン伝導性誘電体であり、前記電池の電解質を形成するものである、前記蒸着する工程と、
前記第1のコーティングおよび残りの自由体積に第2のコーティングを蒸着する工程であって、当該第2のコーティングは相互貫入導電体であり、前記電池のアノード形成するものである、前記蒸着する工程と
を有する三次元電池構造デバイスを製造する方法。
【請求項21】
請求項20記載の三次元電池構造デバイスを製造する方法において、前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成される前記カソードは、エアロゲル、アンビゲル、またはナノフォームであり、前記非周期的またはランダムなスポンジネットワークを有するナノスケール多孔質基体によって形成される前記カソードは、約2〜約50nmの細孔を有するものである三次元電池構造デバイスを製造する方法。
【請求項22】
請求項21記載の三次元電池構造デバイスを製造する方法において、前記デバイスは、ゾル−ゲル由来である三次元電池構造デバイスを製造する方法。
【請求項23】
請求項22記載の三次元電池構造デバイスを製造する方法において、前記ネットワークは約10nmの領域の挿入酸化物材料であり、前記多孔質基体に蒸着する前記第1のコーティングは、約10nmの厚さを有する電子絶縁イオン伝導性誘電性ポリマーであり、前記残りの自由体積に蒸着する前記第2のコーティングは、低融点金属またはコロイド挿入酸化物/硫化物/窒化物/リン酸塩のいずれかであって、前記電池のアノードを形成するものである三次元電池構造デバイスを製造する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−505521(P2013−505521A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522839(P2012−522839)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/039360
【国際公開番号】WO2011/014312
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(500238790)アメリカ合衆国 (13)
【Fターム(参考)】