説明

不均一銅ナノ触媒およびその製造方法

本発明は、銅ナノ粒子がベーマイト担持体に固定化された不均一ナノ触媒、その製造方法、およびその用途に関する。本発明の銅ナノ触媒は、銅ナノ粒子がベーマイト構造に担持されており、ヒュスゲン環化付加反応、およびアルデヒド、アミン、アルキンのA3カップリング反応に優れた性能を示す。本発明の銅ナノ触媒は、大量生産が可能であり、有機反応において緩やかな条件で添加剤なしに少ない量でも優れた反応性を提供する。この不均一触媒は反応後の分離および再利用が容易である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不均一銅ナノ触媒(heterogeneous copper nanocatalyst)およびその製造方法(method of preparing)に係り、より詳しくは、銅ナノ粒子(copper nanoparticles)がベーマイト担持体(boehmite support)に固定化(immobilized)された不均一ナノ触媒(heterogeneous nanocatalyst)およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属粒子がナノサイズであれば、既存のバルク金属にない物理的、化学的および光学的特性が現れる。特に、触媒(catalyst)への応用では、ナノ金属粒子の非常に大きい反応表面積と表面特異性により、既存の一般的な触媒では示されない非常に高い反応活性を表す。ところが、このようなナノ触媒(nanocatalyst)は、触媒合成の際に凝集現象が現れるか、或いは均一なサイズに製造することが容易ではない。よって、大部分のナノ触媒は、活性炭素、無機酸化物、高分子、ゼオライトなどに固定化して使われている。ところが、前述した触媒は、触媒反応の際に温度が高いか、或いは多くの触媒量を必要とし、例えばアスコルビン酸ナトリウムやアミンなどのリガンドを必要とすることにより、再利用性(reusability)が低く、実用的な反応には適しないという欠点を持っている。
【0003】
一方、パラジウム触媒などの遷移金属触媒は、多様な有機反応に用いられている(Negishi, E.-I. In Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis; Negishi, E., Ed.; John Wiley & Sons: New York, 2002)。特に、アルケンまたはアルキンの還元反応、アルコールの酸化反応、アリルハロゲン化物のオレフィン化反応、またはクロスカップリングなどの炭素−炭素カップリング反応の触媒として非常に効果的に用いられている(Denmark, S. E.; Sweis, R. F. Acc. Chem. Res. 2002, 35, 835)。
【0004】
一般に使用される均一系触媒は、触媒の分離または再利用(reuse)が難しいため、工業的に適用するのは困難である。このような問題点を解決するために、不均一系触媒が開発されているが、大部分の不均一系触媒は、主に無機担持体(inorganic support)または有機高分子にパラジウムを固定化した形態である(Djakovitch, L. et al., J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 5990)。また、再利用可能(reusable)な不均一触媒としては、パラジウムナノ粒子、コロイドパラジウム、または高分子に取り囲まれているパラジウムなどがある(Kim, S.-W. et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 7642; Roucoux A. et al., Chem. Rev. 2002, 102, 3757; and Akiyama, R. et al., J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 3412)。ところが、前述した触媒は低い反応性、触媒の分解、金属の浸出、および合成手順の複雑化などの問題点があった。
【0005】
韓国特許公開第10−2006−0076419号には、遷移金属錯体、担体前駆体(carrier precursor)および金属捕獲リガンドを混合する段階と、生成された混合物に水を加えてゾルゲル反応させる段階とを含んでなる、不均一系遷移金属触媒の製造方法が開示されている。
【0006】
ところが、このようなパラジウム系触媒は、価格が高いという問題がある。そのため、低価の金属を用いた触媒の製造が続けられているが、十分な活性を示さないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[技術的課題]
そこで、本発明の目的は、触媒活性の良い新規な銅ナノ触媒(copper nanocatalyst)を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、触媒活性の良い銅ナノ触媒の製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、触媒活性の良い銅ナノ触媒の用途(use)を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、活性の良い銅ナノ触媒を用いた新規なヒュスゲン反応(Huisgen reaction)およびA3カップリング反応(A3 coupling reaction)の工程(processes)を提供することにある。
【0011】
本発明の別の目的は、銅ナノ触媒を用いて製造される新規な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
[技術的解決方法]
本発明のある観点によれば、銅ナノ粒子(copper nanoparticles)がベーマイト(boehmite)に担持(supported)された銅ナノ触媒(copper nanocatalyst)を提供する。
【0013】
本発明において、ベーマイトは、銅ナノ粒子を担持することができるように多様な形態で実現でき、好ましくは担持される銅ナノ粒子が高活性を示すことができるようにナノ繊維状(nanofibrous)とする。
【0014】
本発明において、銅ナノ粒子は、反応中に触媒が高活性を示すように1〜10nmの平均粒径(average particle size)を有し、好ましくは3〜5nmの平均粒径を有する。本発明の実施において、銅ナノ粒子は、触媒活性を有しながら多様な酸化形態で存在することができ、例えば内部(inside)または表面(surface)は、Cu、Cu2O、CuO、またはこれらの混合物(mixture)で構成することができる。
【0015】
本発明において、銅ナノ触媒は、銅ナノ粒子がベーマイト重量の0.1〜0重量%の範囲でベーマイトに担持されており、好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは4〜5重量%で担持されている。
【0016】
本発明の実施において、銅ナノ触媒は、多様な化学反応において十分な活性を示すことができるように、好ましくは300〜600m2/g程度の表面積(surface area)、0.6〜0.7cm3/g程度の細孔容積(pore volume)、3〜4nm程度の細孔径(pore size)を有する。
【0017】
本発明の他の観点によれば、銅前駆体溶液(solution of copper precursor)にベーマイト前駆体(boehmite precursor)を加えて反応させる段階と、反応生成物(reaction product)に水を加えてゾルゲル反応(sol-gel reaction)させる段階とを含んでなる、銅ナノ触媒の製造方法(method of preparing)を提供する。
【0018】
本発明において、銅前駆体(copper precursor)は、CuCl2、Cu(NO32、CuSO4、CuI、CuClおよびこれらの水和物(hydrates)を使用することができ、好ましくはCuCl2・2H2Oである。少なくとも2種の銅前駆体の使用も可能であり、含有された水和物の前駆体も含む。
【0019】
本発明において、銅前駆体溶液は、室温(room temperature)で銅前駆体を溶解させることが可能なアルコール溶媒(alcohol solvent)を使用することが好ましく、溶媒としてはエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールおよびオクタノールなどを使用することができ、エタノールが好ましい。本発明の実施において、アルコール性溶媒は、銅前駆体1gを基準として5〜100倍、好ましくは30〜40倍の量で使用することができる。
【0020】
本発明において、銅前駆体溶液は、生成される銅粒子の大きさをナノサイズ(nanosize)に調整(control)することが可能なサイズ調整剤(size controller)を含むことが好ましい。本発明の実施において、サイズ調整剤としては、最終生成粒子のサイズを1〜10nm程度に調整することが可能な製品を使用することができ、好ましくは非イオン性界面活性剤(non-ionic surfactant)を使用する。
【0021】
発明の実施において、非イオン性界面活性剤としては、下記化学式1の非イオン性ブロック共重合体(non-ionic block copolymer)を使用することができる。
【0022】
[化学式1]
HO(C24O)a(−C36O)b(C24O)cH
式中、a、bおよびcはそれぞれ10〜100の整数である。
【0023】
本発明の好適な実施において、非イオン性ブロック共重合体では、aとcは20であり、bは70である。このようなサイズ調整用ブロック共重合体は、BASFから商業的に購入して使用することができ、その例としてプルロニック(Pluronic) P123などを挙げることができる。
【0024】
本発明の実施において、サイズ調節剤は、銅前駆体重量の1〜1000倍、好ましくは5〜100倍、より好ましくは10〜20倍程度の量で使用することができる。
【0025】
本発明において、担体または担持体として使用されるベーマイトの前駆体は、アルミニウムトリ−セカンダリ−ブトキシド(aluminum tri-sec-butoxide)、アルミニウムテトラ−i−プロポキシド(aluminum tetra-i-propoxide)であり、好ましくはアルミニウムトリ−セカンダリ−ブトキシドである。
【0026】
本発明において、担体前駆体は、銅前駆体重量の5〜100倍、好ましくは20〜50倍の量で使用することができる。
【0027】
本発明の実施において、銅前駆体溶液は、サイズ調整剤または銅前駆体を室温で完全(completely)に溶解(dissolving)し、ベーマイト前駆体を加えた(adding)後、加熱(heating)することにより製造(preparing)することができる。
【0028】
本発明において、銅前駆体溶液とベーマイト前駆体との反応は100〜300℃、好ましくは150〜200℃の温度範囲で行われることが好ましく、反応完結にかかる時間は反応温度および使用される反応物の濃度によって変わりうるが、好ましくは約6時間〜12時間である。
【0029】
本発明では、銅前駆体を還元させるための還元剤として水素、金属水素化物、アルコール類が使用可能であり、好ましい例としてはエタノール、n−ブタノール、セカンダリ−ブタノールまたはi−ブタノールなどがある。
【0030】
本発明において、銅前駆体溶液とベーマイト前駆体との反応生成物は、水を添加してゾルゲル反応を行うが、この際、使用される水の量は使用された担体前駆体重量を基準として1〜100倍、好ましくは2〜10倍の範囲である。
【0031】
このゾルゲル反応生成物を濾過し、適切な溶媒を用いて洗浄した後、乾燥させることにより、本発明に係る銅ナノ粒子が固定化(immobilized)された触媒を簡単に得ることができる。
【0032】
本発明の別の観点によれば、ベーマイト担持体に担持された銅ナノ粒子の触媒としての用途を提供する。本発明に係るナノ粒子は、高い反応性を有し、回収された触媒を数回再利用(reused)しても、優れた触媒活性に変化が少ないため、例えばヒュスゲン環化付加反応(Huisgen cycloaddition reaction)とA3カップリング反応(A3 coupling reaction)などの多様な化学反応において有用な触媒として使用できる。
【0033】
本発明の別の観点によれば、アルキン化合物(alkyne compound)とアジド化合物(azide compound)から銅ナノ触媒を用いてトリアゾール化合物(triazole compound)を製造するヒュスゲン環化付加反応を提供する。
【0034】
本発明において、銅ナノ触媒は、ベーマイト担持体に銅ナノ粒子が担持された触媒であり、ベーマイト担持体は繊維状担持体(fibrous support)である。本発明の実施において、アルキンとアジドから銅ナノ触媒を用いて有機溶媒および水溶性溶媒の混合でトリアゾール化合物を製造することができる。好ましくは室温で3.0mol/%の銅ナノ触媒の存在下でアルキンとアジドを1:1.1の比で使用する。有機溶媒としてはn−ヘキサンを使用し、水溶性溶媒混合液(aqueous solvent mixture)の場合には水とt−ブタノールを1:1で使用する。
【0035】
本発明の別の観点によれば、銅ナノ触媒を用いて製造される新規なトリアゾール化合物を提供する。
【0036】
本発明の別の観点によれば、銅ナノ触媒を用いてアルデヒド、アミンおよびアルキンを有機溶媒で反応させるA3カップリング反応を提供する。
【0037】
本発明において、銅ナノ触媒は、ベーマイト前駆体に銅ナノ粒子が担持された触媒であり、ベーマイト担持体は繊維状担持体である。本発明の実施において、反応に使用されるアルデヒド、アミンおよびアルキンの比率は様々にすることができるが、好ましくは1:1:1.5である。この反応に使用される有機溶媒は、トルエン、キシレン、ベンゼン、ペンタンおよびオクタンなどから選ばれるが、好ましくはトルエンである。反応温度は110℃である。この反応に使用される銅ナノ触媒の量は、0.1〜3mol%であるが、アルキンの種類によって異なり、好ましくは0.5mol%である。
【0038】
本発明は、下記実施例に基づいてさらに詳しく説明する。但し、下記実施例は、本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0039】
[有利な効果]
本発明によれば、銅が担持された高活性の触媒およびその製造方法を提供する。
【0040】
本発明に係る銅ナノ触媒は、銅ナノ粒子がベーマイトに担持されているから、ヒュスゲン環化付加反応とA3カップリング反応に非常に良い触媒として使用される。また、価格が低い物質から容易にナノ触媒を大量生産することができるうえ、既存の触媒とは異なり、緩やかな条件下で添加剤なしに非常に少ない量を用いても反応が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1で製造された銅ナノ触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真である。
【図2】図1の低倍率写真である。
【図3】本発明の実施例1で製造された20gの銅ナノ触媒の写真である。
【図4】本発明の実施例1で製造された銅ナノ触媒のX線光電子分光スペクトル(X-ray photoelectron spectroscopic spectrum)であって、銅ナノ触媒表面上の銅の酸化状態を示す特性分析結果である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
実施例
触媒の製造
実施例1:ベーマイトに固定化された銅ナノ触媒の製造
反応容器としての250mLの丸底フラスコ内で2gのCuCl2・2H2O、40gのエタノールおよび20gのプルロニック(Pluronic) P123を室温で30分間攪拌して十分に溶かした後、反応容器に還流装置を設置し、反応容器を160℃の油浴に入れた後、その反応容器に50gのアルミニウムトリ−セカンダリ−ブトキシドを投入して8時間攪拌した。8時間の後、20mLの蒸留水を添加してゾルゲル反応が起こることを確認した。30分の後、反応容器を油浴から取り出して室温で十分に冷やした。ガラスフィルター(細孔=10〜20μL)を用いてアセトンでプルロニック(Pluronic) P123が十分に除去されるまで洗浄する。分離された青色固体を120℃のオーブンで6時間十分に乾燥させることにより、図2に示すように薄緑色および緑色を帯びた銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH))(18g 4.3w%)が得られた。窒素等温吸着実験によって、触媒の比表面積が360m2/gであることを確認した。
【0043】
製造されたベーマイトに固定化された銅ナノ触媒の透過型電子顕微鏡(TEM)写真を撮影して図1に示した。図1の(a)に示すように、繊維状ベーマイトとそれらの間に担持された銅ナノ粒子を確認することができた。(b)の高分解能透過型電子顕微鏡(HR−TEM)画像では3〜5nmサイズの銅ナノ粒子の結晶面を示している。
【0044】
また、上記で得られたベーマイトに固定化された銅ナノ触媒の酸化状態を調べるために、X線光電子分光分析法を用いて銅表面の酸化状態を決定した。図3のスペクトルに示すように、(Cu+Cu2O)と(CuO)の相対定量比(relative quantitative ratios)を求めることができた。
【0045】
実施例2
フェニルアセチレン(1.0mmol、110μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、155mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で6時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物225mg(95%収率)を得た。この反応で分離された触媒を5回再利用しても、反応性は殆ど減っていない。
【化1】

【0046】
実施例3
酢酸フェニル(1.0mmol、110μL)、オクチルアジド(1.1mmol、170mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で12時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物1−オクチル−4−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール244mg(95%収率)を得た。
【0047】
実施例4
酢酸フェニル(1.0mmol、110μL)、パラメトキシフェニルアジド(1.1mmol、160mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で12時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物1−(4−メトキシフェニル)−4−フェニル−1H−1,2,3−トリアゾール243mg(97%収率)を得た。
【0048】
実施例5
2−メチル−3−ブチン−2−オル(1.0mmol、100μL)、オクチルアジド(1.1mmol、170mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で20時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物(液体)2−(1−オクチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル(2-(1-octyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl) propan-2-ol))226mg(97%収率)無色液体を得た。
【0049】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 7.51 (s, IH), 4.31 (t, 2H, J=7.26), 3.80 (s, IH, OH), 1.89 (m, 2H, NCH2), 1.63 (s, 6H), 1.40-1.20 (m, 10H), 0.87 (t, 3H, J= 6.18); 13C NMR (75 MHz, CDCl3) δppm 156.3, 119.7, 68.9, 50.8, 32.2, 31.0, 30.8, 29.5, 29.4, 27.0, 23.1, 14.5
HR FAB Mass: m/z 240.2080 (M+H) , Calcd for m/z 240.2076 (M+H)
実施例6
2−メチル−3−ブチン−2−オル(1.0mmol、100μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、150mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で6時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物2−(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル200mg(92%収率)を得た。
【0050】
実施例7
2−メチル−3−ブチン−2−オル(1.0mmol、100μL)、パラメトキシフェニルアジド(1.1mmol、160mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で12時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である2−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル(2-(1-(4-methoxyphenyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)propan-2-ol]226mg(97%収率)を得た。
【0051】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 7.86 (s, IH), 7.59 (d, 2H, j=8.81), 6.98 (d, 2H, J=8.81), 3.85 (s, 3H, OCH3), 3.25 (s, IH, OH), 1.70 (s, 6H); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ ppm 160.3, 156.8, 131.2, 122.8, 118.5, 115.3, 69.2, 56.2, 31.1
LR FAB Mass: m/z 234.26 (M+H), m/z 256.25 (M+Na)
Elemental analysis: found C 61.96, H 6.46, N 17.81, Calcd for C 61.79 H 6.48 N 18.01
実施例8
2−フェニル−3−ブチン−2−オル(1.0mmol、100μL)、パラメトキシフェニルアジド(1.1mmol、160mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で12時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である1−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1−フェニルエタノール(1-(1-(4-methoxyphenyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)-1phenylethanol)286mg(97%収率)白色固体(mp:142〜143℃)を得た。
【0052】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.68 (s, IH), 7.60-7.50 (m, 4H), 7.40-7.20 (m, 3H), 6.98 (d, 2H, J=5.97), 3.84 (s, 3H, OCH3), 3.28 (s, IH, OH), 2.04 (s, 3H, CCH3); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δppm 160.4, 156.1, 147.0, 131.1, 128.9, 127.9, 125.9, 122.8, 119.7, 115.3, 72.8, 56.2, 31.3
LR FAB Mass: m/z 296.26 (M+H) , m/z 329.20 (M+Na)
Elemental analysis: found C 69.14, H 5.80, N 14.20, Calcd for C 69.14 H 5.80 N 14.23
実施例9
1−エチニル−1−シクロヘキセン(1.0mmol、120μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、150mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、6.0mol%90mg)を入れた。室温で24時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物1−ベンジル−4−シクロヘキセニル−1H−1,2,3−トリアゾール185mg(77%収率)を得た。
【0053】
実施例10
1−オクチン(1.0mmol、150μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、150mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、6.0mol%90mg)を入れた。室温で15時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物1−ベンジル−4−ヘキシル−1H−1,2,3−トリアゾール200mg(82%収率)を得た。
【0054】
実施例11
プロピオン酸エチル(1.0mmol、103μL)、パラメトキシフェニルアジド(1.1mmol、160mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で1時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物であるエチル1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート(ethyl 1-(4-methoxyphenyl)-1H-1,2,3-triazole-4-carboxylate)240mg(97%収率)(淡黄色固体(light yellow solid)、mp:113〜115℃)を得た。
【0055】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 8.43 (s, IH), 7.65 (d, 2H, J=6.83), 7.29 (d, 2H, J"=9.03), 4.46 (q, 2H, J=14.3, COCH2CH3), 3.88(s, 3H, OCH3) , 1. 43 (t, 3H, J=7 . 15, COCH2CH3) ; 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ ppm 161 . 3, 161. 0, 141. 3, 130. 3, 126.2 , 123. 1 , 115. 5, 62 . 0, 56. 3, 15. 0
LR FAB Mass: m/z 248.23 (M+H) , m/z 270.21 (M+Na)
Elemental analysis: found C 58.34, H 5.33, N 16.98, Calcd for C 58.29 H 5.30 N 16.99
実施例12
パラフルオロフェニルアセチレン(1.0mmol、116μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、150mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で3時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である1−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール(1-benzyl-4-(4-fluorophenyl)-1H-1,2,3-triazole)245mg(97%収率)(白色固体(white solid)、mp:113〜115℃)を得た。
【0056】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.80-7.68 (m, 2H), 7.63 (s, IH), 7.40-7.22 (m, 5H), 7.12-7.02 (m, 2H), 5.55 (s, 2H, PhCH2N); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δppm 164.9, 161.6 (coupled with F), 148.0, 135.2, 129.8, 129.4 (coupled with F), 128.7, 128.1, 128.0, 127.5, 127.4 (coupled with F), 119.9, 116.5, 116.2 (coupled with F), 54.9 19F NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm-36.5
LR FAB Mass: m/z 254.25 (M+H) , m/z 276.22 (M+Na)
Elemental analysis: found C 70.89, H 4.79, N 16.52, Calcd for C 71.13 H 4.78 N 16.59
実施例13
プロパギルエーテル(1.0mmol、100μL)、ベンジルアジド(2.2mmol、290mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で15時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール)(4,4'-oxybis(methylene)bis(1-benzyl-1H-1,2,3-triazole)306mg(85%収率)を得た。
【0057】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 7.48 (s, 2H), 7.40-7.26 (m, 6H), 7.25-7.18 (m, 4H), 5.45 (s, 4H, PhCH2N), 4.65 (s, 4H); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ ppm 145.5, 135.1, 129.7, 129.3, 128.7, 123.3, 64.2, 54.7
LR FAB Mass: m/z 361.14 (M+H) , m/z 383.11 (M+Na)
Elemental analysis: found C 66.70, H 5.56, N 23.08, Calcd for C 66.65 H 5.59 N 23.32
実施例14
1,6−ヘプタジエン(1.0mmol、120μL)、ベンジルアジド(2.2mmol、290mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で15時間銅ナノ触媒と反応物を激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である1,3−ビス(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン(1,3-bis(1-benzyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)propane)303mg(85%収率)(白色固体(white solid)、mp:129〜130℃)を得た。
【0058】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 7.40-7.28 (m, 6H), 7.25-7.20 (m, 6H), 5.46 (s, 4H, PhCH2N), 2.72 (t, 4H, J=I .38) , 2.00 (m, 2H); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ ppm 148.5, 135.4, 129.6, 129.1, 128.5, 121.4, 54.5, 29.5, 25.5
LR FAB Mass: m/z 359.23 (M+H) , m/z 381.22 (M+Na)
Elemental analysis: found C 70.28, H 6.08, N 23.27, Calcd for C 70.37 H 6.19 N 23.45
実施例15
2−エチニルピリジン(1.0mmol、105μL)、パラメトキシフェニルアジド(1.1mmol、160mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で3時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて、目的のトリアゾール化合物である2−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピリジン(2-(1-(4-methoxyphenyl)-1H-1,2,3-triazol-4-yl)pyridine)248mg(98%収率)(鮮黄色固体(bight yellow solid)、mp:129〜130℃)を得た。
【0059】
1H NMR (300 MHz, CDCl3) δppm 8.61 (d, 2H, J=4.12), 8.51 (s, IH), 8.24 (d, IH, J=7.91), 7.80 (t, 1H, J=6.04), 7.70 (d, 2H, J=9.00), 7.25 (m, 1H), 7.03 (d, 2H, J=9.00), 3.85 (s, 3H, OCH3); 13C NMR (75MHz, CDCl3) δ ppm 160.5, 150.7, 150.1, 149.3, 137.5, 131.0, 123.6, 122.6, 121.0, 120.7, 115.4, 56.2
LR FAB Mass: m/z 253.25 (M+H) , m/z 275.23 (M+Na)
Elemental analysis: found C 66.46, H 4.93, N 22.05, Calcd for C 66.65 H 4.79 N 22.21
実施例16
2−エチニルピリジン(1.0mmol、105μL)、ベンジルアジド(1.1mmol、150mg)およびn−ヘキサン3.0mLを反応容器に入れた後、実施例1で製造した銅ナノ粒子が担持されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%45mg)を入れた。室温で3時間銅ナノ触媒と反応物とを激しく攪拌した。時間が経つにつれて透明な溶液に不透明な白色固体が生成されることを肉眼で確認することができた。反応の後、反応生成物を酢酸エチルに溶かして、ガラスフィルターを用いて触媒を分離した。溶媒を除去した後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(2/1))に通過させて目的のトリアゾール化合物2−(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピリジン230mg(97%収率)を得た。
【表1】

【0060】
実施例17
ベンズアルデヒド(1.00mmol、100μL)、モルホリン(1.0mmol、100μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応溶器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.5mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(15:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物(propargyl-coupled compound)263mg(収率95%)を得た。
【化2】

【0061】
実施例18
シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(1.00mmol、120μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.5mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で2時間攪拌した。反応の後、シリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(15:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物278mg(収率98%)を得た。
【0062】
実施例19
パラ−ブロモベンズアルデヒド(1.00mmol、190mg)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.5mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(15:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物320mg(収率90%)を得た。
【0063】
実施例20
2−ブロモベンズアルデヒド(1.00mmol、116μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.5mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(15:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物340mg(収率95%)を得た。
【0064】
実施例21
3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.00mmol、234mg)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、1.0mol%15mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(15:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物315mg(収率78%)を得た。
【0065】
実施例22
ベンズアルデヒド(1.00mmol、100μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および4−ペンチン−1−オル(1.5mmol、140μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%50mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物195mg(収率75%)を得た。
【0066】
実施例23
ベンズアルデヒド(1.00mmol、100μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および1−エチニル−1−シクロヘキセン(1.5mmol、180μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%50mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物233mg(収率83%)を得た。
【0067】
実施例24
ベンズアルデヒド(1.00mmol、100μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および2−メチル−2−ブチン−2−オル(1.5mmol、150μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%50mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物210mg(収率81%)を得た。
【0068】
実施例25
トランス−シンナムアルデヒド(trans-Cinnamaldehyde)(1.00mmol、130μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびフェニルアセチレン(1.5mmol、170μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.50mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物275mg(収率91%)を得た。
【0069】
実施例26
ベンズアルデヒド(1.00mmol、100μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および1−オクチン(1.5mmol、230μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、6.0mol%100mg)を入れ、しかる後に、110℃で15時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物269mg(収率94%)を得た。
【0070】
実施例27
トランス−シンナムアルデヒド(1.00mmol、130μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびパラエチニルアニソール(1.5mmol、200μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.50mol%7.6mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物316mg(収率95%)を得た。
【0071】
実施例28
トランス−シンナムアルデヒド(1.00mmol、130μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)およびトリメチルシリルアセチレン(1.5mmol、220μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、3.0mol%50mg)を入れ、しかる後に、110℃で12時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物250mg(収率83%)を得た。
【0072】
実施例29
トランス−シンナムアルデヒド(1.00mmol、130μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および4−エチニルフェニルアセトニトリル(1.5mmol、230μL)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.50mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物320mg(収率94%)を得た。
【0073】
実施例30
トランス−シンナムアルデヒド(1.00mmol、130μL)、モルホリン(1.0mmol、90μL)および2−エチニル−6−メトキシナフタレン(1.5mmol、280mg)を3.0mLのトルエンと共に反応容器に入れた後、実施例1で製造された銅ナノ粒子が固定化されたナノ触媒(Cu/AlO(OH)、0.50mol%7.3mg)を入れ、しかる後に、110℃で3時間攪拌した。反応の後、得られた生成物をシリカゲルカラム(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル(10:1))に通過させて目的のプロパギルがカップリングされた化合物340mg(収率89%)を得た。
【0074】
実施例18〜実施例30の反応および生成物を、下記の表2と表3に示す。
【表2】

【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅ナノ粒子がベーマイトに担持されてなることを特徴とする、銅ナノ触媒。
【請求項2】
前記ベーマイトは繊維状であることを特徴とする、請求項1に記載の銅ナノ触媒。
【請求項3】
前記銅ナノ粒子は1〜10nmの平均粒径を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の銅ナノ触媒。
【請求項4】
前記銅ナノ粒子の表面が、Cu、Cu2O、CuO、またはこれらの2つ以上の混合物からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の銅ナノ触媒。
【請求項5】
前記銅ナノ粒子は、前記ベーマイト重量の1〜10重量%担持されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の銅ナノ触媒。
【請求項6】
300〜600m2/gの表面積を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の銅ナノ触媒。
【請求項7】
銅前駆体溶液とベーマイト前駆体とを反応させて得られた反応生成物に水を加えてゾルゲル反応させることを特徴とする、触媒の製造方法。
【請求項8】
前記銅前駆体は、CuCl2、Cu(NO32、CuSO4、CuI、CuCl、これらの2つ以上の混合物、またはこれらの水和物であることを特徴とする、請求項7に記載の触媒の製造方法。
【請求項9】
前記銅前駆体溶液は、アルコール溶媒を用いて製造されることを特徴とする、請求項7に記載の触媒の製造方法。
【請求項10】
前記アルコール溶媒の使用量は、前記銅前駆体重量の5〜100倍であることを特徴とする、請求項9に記載の触媒の製造方法。
【請求項11】
前記銅前駆体溶液は、銅粒子の大きさをナノサイズに調整するサイズ調整剤を含むことを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
【請求項12】
前記サイズ調整剤は、非イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項11に記載の触媒の製造方法。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤は、下記化学式1で表される非イオン性ブロック共重合体であることを特徴とする、請求項12に記載の触媒の製造方法。
[化学式1]
HO(C24O)a(−C36O)b(C24O)cH
(式中のa、bおよびcは、それぞれ10〜100の整数である。)
【請求項14】
前記サイズ調整剤の使用量は、前記銅前駆体重量の1〜1000倍であることを特徴とする、請求項12または13に記載の触媒の製造方法。
【請求項15】
前記ベーマイト前駆体は、アルミニウムトリ−セカンダリ−ブトキシド、アルミニウムテトラ−イソ−プロポキシドまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項7〜10のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
【請求項16】
前記ベーマイト前駆体の使用量は、前記銅前駆体重量の5〜100倍であることを特徴とする、請求項15に記載の触媒の製造方法。
【請求項17】
前記銅前駆体溶液は、前記サイズ調整剤と前記銅前駆体とを室温で完全に溶解し、前記ベーマイト前駆体を加えた後、加熱することにより製造されることを特徴とする、請求項7または8に記載の触媒の製造方法。
【請求項18】
前記銅前駆体と前記ベーマイトとの反応は、100〜300℃で行われることを特徴とする、請求項7または8に記載の触媒の製造方法。
【請求項19】
前記ゾルゲル反応は、所定の温度で行われることを特徴とする、請求項7または8に記載の触媒の製造方法。
【請求項20】
銅ナノ粒子がベーマイトに担持されてなることを特徴とする、ヒュスゲン環化付加反応用触媒。
【請求項21】
銅ナノ粒子がベーマイトに担持されてなることを特徴とする、A3カップリング反応用触媒。
【請求項22】
トリアゾール化合物を製造する方法であって、
銅ナノ粒子がベーマイトに担持されてなる触媒を用いて、アルキン化合物とアジド化合物とを反応させることを特徴とする、トリアゾール化合物の製造方法。
【請求項23】
前記反応がヒュスゲン環化付加反応であることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記反応は室温で行われることを特徴とする、請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
2−(1−オクチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル、
2−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル、
2−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン−2−オル、
1−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−1−フェニルエタノール、
エチル1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキシレート、
1−ベンジル−4−(4−フルオロフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール)、
4,4’−オキシビス(メチレン)ビス(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール)、
1,3−ビス(1−ベンジル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)プロパン、及び
2−(1−(4−メトキシフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)ピリジンよりなる群から選ばれることを特徴とする、トリアゾール化合物。
【請求項26】
前記トリアゾール化合物は、銅ナノ触媒を用いて生成されることを特徴とする、請求項25に記載のトリアゾール化合物。
【請求項27】
カップリングされた化合物を製造する方法であって、
銅ナノ粒子がベーマイトに担持されてなる銅ナノ触媒を用いて、アルデヒド化合物、アミン化合物およびアルキン化合物を反応させることを特徴とする、カップリング化合物の製造方法。
【請求項28】
前記反応がA3カップリング反応であることを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記反応は100〜150℃で行われることを特徴とする、請求項27または28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−527628(P2011−527628A)
【公表日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517325(P2011−517325)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/KR2008/004041
【国際公開番号】WO2010/005127
【国際公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(509021122)ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション (7)
【Fターム(参考)】