説明

不正使用防止機能つき自動販売機及び自動販売機の不正使用防止方法

【課題】本発明は、不正使用防止機能つき電子マネー端末を搭載する自動販売機及び、その不正使用を防止する方法に関する。
【解決手段】本発明の自動販売機は、自動販売機の扉が開放されていることを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を一時停止させ、開放されていた扉が閉鎖されたことを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を復帰させる自動販売機である。さらに、書き込み手段によるチャージ機能の実行の後又は扉センサによる扉の開放の検知の後直ちに時間の計数を開始し、時間の計数の開始から所定時間が経過するまでのチャージ機能の実行と扉の開放及び閉鎖との繰り返し回数を計数する機能をさらに備え、繰り返し回数が所定の数に達した場合に、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不正使用防止機能つき電子マネー(e-cash)端末を備えた自動販売機及び、その不正使用を防止する方法に関する。ここでいう「自動販売機」とは、例えば、JRの駅構内に設置されているチャージ機能付き自動販売機のみならず、ホテルのテレビカード販売機、食堂等の食券販売機、又は金融機関等に設置されている現金自動預け払い機(ATM)等も広く含む。
【背景技術】
【0002】
自動販売機の扉部分に扉センサを設けておき、扉が不正に開放した場合に、自動販売機内部の金銭や商品等を不正に窃取されないように警報を発したり、さらには、自動販売機内部の金銭や商品等にアクセスできないようにすることは周知である。例えば、特開平7−121762号公報には、扉の開閉状態を検知するドアスイッチと鍵の開閉状態を検知するキースイッチと警報装置とを電源に直列に接続し、施錠状態で開扉したときに警報を発生する自動販売機の盗難防止装置において、自動販売機のシステム制御部に監視時間帯を設定して当該監視時間帯においてセット信号を出力させると共に、キースイッチにリレー接点が並列に接続されセット信号により駆動されるリレーを設けた自動販売機の盗難防止装置を開示している。上記の警報装置においては、リモコンにより自動販売機内の商品の盗難の監視時間帯を任意の時間帯に設定してシステム制御部に入力する。そして、システム制御部は、設定された監視時間帯に自動販売機の扉が不正な操作で開けられた場合に、リレーを駆動して警報装置を作動させる。
【特許文献1】特開平7−121762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記の自動販売機の場合には、扉を開放された時、商品を取り出せないようにする、あるいは、販売機能を停止させる等の措置をとることが可能である。そして、再び扉が閉じた場合には、商品を取り出せるようにし、あるいは、販売機能を復旧させることが可能である。しかしながら、上記のようなアプローチのみでは、電子マネー端末を搭載した自動販売機の、とりわけ、チャージ機能を有する電子マネー関連の機能の不正使用を完全に防止できるわけではない。例えば、不正に扉を開いて、自動販売機内の紙幣処理装置又は硬貨処理装置から紙幣又は硬貨を不正に取り出し、扉を閉めた後に、取り出した紙幣又は硬貨を使用して非接触ICメディア等に金額をチャージする。そして、上記の手順を反復すれば、理論的には、非接触ICメディアに無限の金額をチャージすることが可能である。
【0004】
本発明は、自動販売機等の電子マネー端末の上記のような不正使用を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の第1の態様において、本発明に従った自動販売機は、扉の開閉を検知する扉センサと、非接触ICメディアに格納されている金額データを更新するチャージ機能を実行する書き込み手段と、書き込み手段を制御する電子マネーコントローラとを備え、自動販売機の扉が開放されていることを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を一時停止させ、開放されていた扉が閉鎖されたことを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を復帰させる自動販売機である。さらに、上記の自動販売機は、書き込み手段によるチャージ機能の実行の後又は扉センサによる扉の開放の検知の後直ちに時間の計数を開始し、時間の計数の開始から所定時間が経過するまでのチャージ機能の実行と扉の開放及び閉鎖との繰り返し回数を計数する機能をさらに備え、繰り返し回数が所定の数に達した場合に、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を停止させる。
【0006】
上記の自動販売機は、扉の開放を検知した場合に電子マネーコントローラが非接触ICメディアへのチャージ機能を停止させるため、不正に扉を開いて、自動販売機内の紙幣処理装置又は硬貨処理装置から紙幣又は硬貨を不正に取り出し、扉を閉めた後に、取り出した紙幣又は硬貨を使用して非接触ICメディアに金額をチャージし、そして、上記の手順を反復するといった不正行為を容易に無力化することが可能である。
【0007】
自動販売機の扉開閉は、通常、自動販売機の商品等の補充時又は清掃や売上金等の回収時にも行われ得るものである。従って、例えば、上記のようなメンテナンス時の扉開放の直前あるいは直後に、顧客によるチャージが偶然行われた際にチャージ機能を停止させないようにする必要がある。上記の構成によれば、自動販売機の扉開閉と非接触ICメディアへのチャージとを複数回繰り返して実行した場合に、当該自動販売機の不正使用であると判定し、書き込み手段のチャージ機能を停止させる。従って、かかる構成により、不正使用を排除しつつ、不正使用でないメンテナンス時の扉開放や、顧客のチャージによる誤停止の発生率を極力低下させることが可能である。
【0008】
さらに、また、上記の自動販売機は、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を停止させた場合に、自動販売機が認証したオペレータの操作に応答して、電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を復帰させる。
【0009】
上記のような構成としたことで、いったんチャージ機能を停止させたときは、正当な権限を有する者以外は、チャージ機能を復帰させることができない。
【0010】
本発明の更なる態様において、本発明に従った方法は、自動販売機の扉の開閉を検知する扉センサと、非接触ICメディアに格納されている金額データを更新するチャージ機能を実行する書き込み手段と、書き込み手段を制御する電子マネーコントローラとを備える自動販売機において書き込み手段のチャージ機能を制御する方法であって、自動販売機の扉が開放されていることを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を一時停止させるステップと、開放されていた扉が閉鎖されたことを扉センサが検知した場合には、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を復帰させるステップとを含む方法である。
【0011】
さらに、上記の方法は、書き込み手段によるチャージ機能の実行の後又は扉センサによる扉の開放の検知の後直ちに時間の計数を開始するステップと、時間の計数の開始から所定時間が経過するまでのチャージ機能の実行と扉の開放及び閉鎖との繰り返し回数を計数するステップと、繰り返し回数が所定の数に達した場合に、書き込み手段のチャージ機能を停止させるステップとを含む。
【0012】
さらに、また、上記の方法は、書き込み手段のチャージ機能を停止させた場合に、自動販売機が認証したオペレータの操作に応答して、電子マネーコントローラが書き込み手段のチャージ機能を復帰させるステップを含む。
【0013】
それぞれの効果は、上記の自動販売機の場合と同様である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
第1図は、ある特定の自動販売機100と情報センタ101との間の通信を説明するための機能ブロック図である。自動販売機100は、主制御手段201と、硬貨処理装置203と、紙幣処理装置204と、電子マネーコントローラ205と、インターフェイス(I/F)206と、モデム(modem)207と、カードリーダライタ208と、入力手段209と、第1の扉センサ210と、第2の扉センサ211とからなる。制御手段201は、図示しないCPU演算手段とメモリ等の記憶手段とからなり、硬貨処理装置203、紙幣処理装置204、電子マネーコントローラ205とそれぞれバスを介して接続されこれらの要素を制御する。主制御手段201は、マスター装置であり、マスター装置である主制御手段201から見て、硬貨処理装置203、紙幣処理装置204及び電子マネーコントローラ205は、マスター装置とスレーブ装置の関係にある。第1の扉センサ210は、主制御手段201に接続されており、第2の扉センサ211は、電子マネーコントローラ205に接続されている。第1の扉センサ210は、従来の扉センサであり、主制御手段201は、この第1の扉センサ210を経由して扉の開閉情報を取得する。また、第2の扉センサ211は扉開放時に操作者から容易に発見されない、または操作できない事を特徴とし、電子マネーコントローラ205は、第2の扉センサ211を経由して独立に扉の開閉情報を取得することができる。
【0015】
電子マネーコントローラ205は、図示しないCPU演算手段とメモリ等の記憶手段とを備える。記憶手段には、売り上げた商品の個数データと売上げ金額データ、カードリードライタ208を使用して顧客の非接触ICメディアにチャージした金額データ、自動販売機100の扉が開放された時刻等のデータ等が格納されている。電子マネーコントローラ205は、情報センタ101とI/F206及びモデム207を介して通信する。電子マネーコントローラ205は、売り上げた商品の個数及びその金額を自己の記憶手段に記憶されている個数データ及び金額データにそれぞれ加算する。電子マネーコントローラ205は、一日ごとの個数データ及び売り上げデータを集計し、I/F206及びモデム207を介して情報センタ101にその集計した個数データ及び売り上げデータを送信する。情報センタ101が受信した一日ごとの個数データ及び売り上げデータは、情報センタ101の記憶手段108内の自動販売機売り上げ情報管理テーブル108bに格納される。
【0016】
一方、自己の非接触ICメディアにチャージを希望する顧客は、硬貨投入口から硬貨を、又は紙幣挿入口から紙幣を自動販売機100に投入又は挿入する。自動販売機100に投入された硬貨は、硬貨処理装置203に送られ、硬貨処理装置203は、投入された硬貨の金額を判定し、その金額情報を主制御手段201を介して電子マネーコントローラ205に送信する。また、自動販売機100に挿入された紙幣は、紙幣処理装置204に送られ、紙幣処理装置204は、挿入された紙幣の金額を判定し、同様にして主制御手段201を介して電子マネーコントローラ205にその金額情報を送信する。金額情報を受信した電子マネーコントローラ205は、その金額情報と共に書き込みを指示するコマンドをカードリーダライタ208に送信し、カードリーダライタ208は、顧客の非接触ICメディアに所定の処理を行わせてその金額情報を書き込ませる。電子マネーコントローラ205は、顧客のID情報と顧客の履歴情報とを関連させて自己の記憶手段に格納する。電子マネーコントローラ205は、一日ごとのチャージ金額の合計を算出し、I/F206及びモデム207を介して情報センタ101にその算出したチャージ金額の合計情報を送信する。情報センタ101が受信した一日ごとのチャージ金額の合計情報は、情報センタ101の記憶手段108内の自動販売機売り上げ情報管理テーブル108bに格納される。
【0017】
モデム(変復調器)207は、通信回線がアナログデータ用のものである場合に、電子マネーコントローラ205及び主制御手段201からのディジタルデータをアナログデータに変換したり、回線からのアナログデータをディジタルデータに変換して電子マネーコントローラ205及び主制御手段201に渡す役割を果たす。I/F206は、電子マネーコントローラ205及び主制御手段201からのパラレルデータをモデム207での処理に適したシリアルデータに変換する役割を果たす。
【0018】
扉センサ210及び211は、自動販売機100の扉が開放されたことを検知する。第1の扉センサ210を介して扉の状態を検出する主制御手段201は、扉開放状態であれば電子マネーコントローラ205へチャージ実行命令を送信しない。また、何らかの不正行為により扉開放状態を認識できなかった主制御手段201が電子マネーコントローラ205へチャージ実行命令を送信した場合、第2の扉センサ211を介して扉の状態を検出する電子マネーコントローラ205は、扉開放状態であれば主制御手段201よりチャージ実行命令を受信しても実行できない旨のエラーを返信する。その後、扉が閉鎖状態になればチャージ機能の実行は可能になる。また電子マネーコントローラ205は、扉の開放時刻及び閉鎖時刻を自己の記憶手段に記憶する。電子マネーコントローラ205は、チャージ実行時刻あるいは扉の開閉時刻より所定時間の間、チャージ実行と扉の開閉の繰り返し回数を計測する。この回数が所定回数に達した場合、以降扉の状態に関わらず主制御手段201よりチャージ実行命令を受信しても実行できない旨のエラーを返信する。その後、電子マネーコントローラ205はI/F206及びモデム207を介して情報センタ101に履歴情報及びステータス情報を送信する。この送信はリアルタイムでも、定時送信時でも構わない。
【0019】
自動販売機100は、入力手段209を備えているが、入力手段209は、オペレータを認証するのに使用される。例えば、入力手段209は、指紋読取装置であってもよい。オペレータが親指を接触させると、入力手段209は、オペレータの親指の画像データから特徴量を抽出し、パターンマッチングを実行してオペレータを認証する。さらに、入力手段209は、音声認識システムを備えていてもよい。最初に、入力手段209がオペレータに氏名を発声するように指示する。オペレータが発した音声データをマイクロフォンで取得し、その音声データを使用して音声認識と話者同定を実行し、登録されている氏名と入力された氏名とが一致し、且つ、その氏名の人物特有のスペクトルデータと入力された音声のスペクトルデータとが一致した場合に、入力手段209は、オペレータを認証する。オペレータが認証されたときのみ、そのオペレータが電子マネーコントローラ205のチャージ機能を復旧させることが可能である。チャージ機能が復旧した後、電子マネーコントローラ205は、I/F206及びモデム207を介して情報センタ101にチャージ機能を復旧させた旨をステータス情報として送信する。当然、入力手段209を使用せず、カードリーダライタ208によりオペレータが所有している非接触ICメディアを読み取り、認証する方法であってもよい。
【0020】
第2図(a)は、自動販売機100の第2の扉センサ211の開放とチャージ機能の一時停止との関係を示したものである。待機状態よりスタートするステップ250により、ステップ251に移行し、第2の扉センサ211が自動販売機100の扉開放を検知した場合には、ステップ252に移行し、電子マネーコントローラ205がチャージ機能を一時停止させ、次にステップ253で、開放されていた扉が閉鎖されたことを第2の扉センサ211が検知した場合に、ステップ254に移行し、電子マネーコントローラ205はチャージ機能を復帰させる。上記の通り、ステップ252及びステップ253により、第2の扉センサ211が開放されているときは、一時的にチャージ機能を停止し、第2の扉センサ211が閉鎖されたときは、ステップ254にてチャージ機能が復帰する。これらの動作は、後述する第2図bの動作フローと平行して動作するものである。
【0021】
第2図(b)は、自動販売機100の不正使用を防止するために電子マネーコントローラ205が実行するカードリーダライタ208の制御を説明するためのフローチャートある。ここで示されるCフラグは、チャージが実行されると1にセットされる。Dフラグは扉の開閉が検知されると1にセットされる。カウンタは、チャージの実行と扉の開閉の繰り返し回数を計数するためのものであり、タイマはチャージの実行と扉の開閉の繰り返し回数を計数する所定時間を計数するためのものである。
【0022】
自動販売機100は電源投入、あるいはリセットされて販売可能状態になった時、ステップ301よりスタートし、ステップ302に移行して、Cフラグ、Dフラグ及びカウンタを0にして、待機状態に移る。待機状態において、自動販売機100はステップ303でチャージが実行されたかを確認し、ステップ308で自動販売機100の扉が開閉されたかを繰り返し確認する。待機状態においてチャージが実行された場合、ステップ303よりステップ304に移行し、Cフラグが1か確認する。Cフラグが0であれば、ステップ305に移行し、Cフラグを1にセットしてDフラグを0にクリアする。
ステップ304においてCフラグが1である時、連続してチャージが実行された事であるのでカウントをする必要がないため、再び待機状態に戻る。
【0023】
同様に、待機状態において扉が開閉された場合、ステップ308よりステップ311に移行し、Dフラグが1か確認する。Dフラグが0であれば、ステップ312に移行し、Dフラグを1にセットしてCフラグを0にクリアする。ステップ311においてDフラグが1である時、連続して扉が開閉された事であるのでカウントをする必要がないため、再び待機状態に戻る。
【0024】
ステップ305およびステップ312の実行後、ステップ306に移行しカウンタを確認する。カウンタが0であれば、ステップ307に移行しカウンタに1を加算し、同時にタイマーをスタートさせ、再び待機状態に戻る。
【0025】
以降、待機状態にチャージの実行と扉の開閉が繰り返し行われる毎にステップ306に到達する。
ステップ306にて、もしカウンタが1以上であれば、既にタイマーがスタートしているので、ステップ313に移行しカウンタに1を加算し、その後ステップ314に移行しカウンタが所定回数に達したかを確認する。カウンタが所定回数に達していない場合、再び待機状態に戻る。やがてカウンタが所定回数に達した時、ステップ315にてチャージ機能を停止し、ステップ316にてフローを終了する。また、待機状態において、ステップ303及びステップ308の他に、ステップ309にてタイマがスタートしてから所定時間が経過したかを判定する。所定時間が経過していた場合、ステップ310に進みCフラグ、Dフラグ及びカウンタをクリアしタイマをストップさせ、待機状態に戻る。つまり、最初の待機状態に戻ることになる。
【0026】
第3図は、電子マネーコントローラ205がチャージ機能を停止させたときに電子マネーコントローラ205のチャージ機能を復旧させる手順を示すフローチャートである。上記の場合には、自動販売機100が認証したオペレータが電子マネーコントローラ205にアクセスすることにより、電子マネーコントローラ205を初期化して復旧させる。ステップ402において、オペレータは、入力手段209に自己の識別情報を入力する。識別情報は、オペレータが所持している非接触ICメディアに格納されている識別情報であってもよく、オペレータのID番号であってもよく、入力手段209が読み取ったオペレータの親指の画像データから抽出した特徴量であってもよく、入力手段209がマイクロフォンで取得したオペレータの音声データから抽出した特徴ベクトルであってもよい。ステップ403において、入力手段209は、それらの識別情報を認証可能な物理量に変換する。そして、ステップ404において、入力手段209は、その物理量を使用してオペレータを認証する。オペレータが認証されなかった場合には、チャージ機能復帰の処理は終了する。オペレータが認証された場合には、ステップ405において、オペレータは、電子マネーコントローラ205にアクセスし、電子マネーコントローラ205を初期化してそのチャージ機能を復帰させる。チャージ機能が復帰すると、ステップ406において、電子マネーコントローラ205は、I/F206及びモデム207を介して情報センタ101にチャージ機能を復旧させた旨をステータス情報として送信する。
【0027】
第4図は、電子マネーコントローラ205のチャージ機能停止からチャージ機能復帰までの間に自動販売機100と情報センタ101との間で行われる情報のやり取りを示す図である。チャージ機能を停止させた自動販売機100の電子マネーコントローラ205は、I /F206及びモデム207を介して情報センタ101に、自動販売機ID、履歴情報と共に、チャージ機能を停止した旨のステータス情報を送信する。履歴情報は、例えば、チャージ機能を停止させる直前の非接触ICメディアとの交信記録と、チャージ機能の停止時刻とからなる。電子マネーコントローラ205から自動販売機ID、履歴情報と共に、チャージ機能を停止した旨のステータス情報を受信した情報センタ101は、確認メッセージ(ACKメッセージ)を自動販売機100に送信する。その後、情報センタ101は、自動販売機100のチャージが停止したことを自販機管理者500に通知する。自販機管理者500は、自動販売機100のチャージ機能復帰のためにオペレータを派遣する。自動販売機100は、取得した識別情報を分析して独自にオペレータの認証を行ってもよいが、取得した識別情報を情報センタ101に送信して、情報センタ101が認証作業を行い、認証結果を自動販売機100に返送してもよい。第4図に従った説明では、後者のアプローチを説明する。すなわち、自動販売機100は、I /F206及びモデム207を介して情報センタ101に、自動販売機ID、自動販売機100の現在の状態を示すステータス情報、取得したオペレータの識別情報と共に、情報センタ101の記憶手段108内のオペレータ識別情報管理テーブル108cを参照してオペレータの認証を実行するように指示するコマンドを送信する。ここで、ステータス情報は、チャージ機能を停止している旨及びオペレータの識別情報を使用した認証作業依頼中である旨の情報からなる。情報センタ101は、自動販売機100から受信したコマンドに従って、オペレータ識別情報管理テーブル108cを参照してオペレータの認証を実行する。情報センタ101は、自動販売機100にオペレータの認証結果を送信する。オペレータが正常に認証された場合には、自動販売機100は、そのオペレータに対して電子マネーコントローラ205へのアクセスを許可する。オペレータは、電子マネーコントローラ205を初期化し、そのチャージ機能を復帰させる。チャージ機能が復帰すると、自動販売機100は、I /F206及びモデム207を介して情報センタ101に、自動販売機ID、チャージ機能を復旧させた旨のステータス情報を送信する。自動販売機100から自動販売機ID、チャージ機能を復旧させた旨のステータス情報を受信した情報センタ101は、ACKメッセージを自動販売機100に送信する。
【0028】
以上の説明は、単なる例示に過ぎず本発明の要旨はこれに限定して解釈されるべきものではない。従って、本発明の範囲は、その発明思想と同一性を失わない範囲において変更した均等なものにも及ぶとするべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】ある特定の自動販売機と情報センタとの間の通信を説明するための機能ブロック図である。
【図2(a)】自動販売機の不正使用を防止するために電子マネーコントローラが実行するカードリーダライタの制御を説明するためのフローチャートである。
【図2(b)】自動販売機の不正使用を防止するために電子マネーコントローラが実行するカードリーダライタの制御を説明するためのフローチャートである。
【図3】電子マネーコントローラがチャージ機能を停止させたときに、電子マネーコントローラのチャージ機能を復旧させる手順を示すフローチャートである。
【図4】電子マネーコントローラのチャージ機能停止からチャージ機能復帰までの間に自動販売機と情報センタとの間で行われる情報のやり取りを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機の扉の開閉を検知する扉センサと、非接触ICメディアに格納されている金額データを更新するチャージ機能を実行する書き込み手段と、該書き込み手段を制御する電子マネーコントローラとを備える自動販売機であって、
該自動販売機の扉が開放されていることを該扉センサが検知した場合には、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を一時停止させ、該開放されていた扉が閉鎖されたことを該扉センサが検知した場合には、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を復帰させる自動販売機。
【請求項2】
請求項1に記載の自動販売機において、前記書き込み手段によるチャージ機能の実行の後又は前記扉センサによる扉の開放の検知の後直ちに時間の計数を開始し、該時間の計数の開始から所定時間が経過するまでのチャージ機能の実行と扉の開放及び閉鎖との繰り返し回数を計数する機能をさらに備え、該繰り返し回数が所定の数に達した場合に、前記電子マネーコントローラが該書き込み手段の該チャージ機能を停止させる自動販売機。
【請求項3】
請求項2に記載の自動販売機において、前記電子マネーコントローラが前記書き込み手段のチャージ機能を停止させた場合に、該自動販売機が認証したオペレータの操作に応答して、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を復帰させる自動販売機。
【請求項4】
自動販売機の扉の開閉を検知する扉センサと、非接触ICメディアに格納されている金額データを更新するチャージ機能を実行する書き込み手段と、該書き込み手段を制御する電子マネーコントローラとを備える自動販売機において該書き込み手段のチャージ機能を制御する方法であって、
該自動販売機の扉が開放されていることを該扉センサが検知した場合には、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を一時停止させるステップと、
該開放されていた扉が閉鎖されたことを該扉センサが検知した場合には、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を復帰させるステップとを含む方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記書き込み手段によるチャージ機能の実行の後又は前記扉センサによる扉の開放の検知の後直ちに時間の計数を開始するステップと、
該時間の計数の開始から所定時間が経過するまでのチャージ機能の実行と扉の開放及び閉鎖との繰り返し回数を計数するステップと、
該繰り返し回数が所定の数に達した場合に、該書き込み手段の該チャージ機能を停止させるステップとを含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記書き込み手段のチャージ機能を停止させた場合に、該自動販売機が認証したオペレータの操作に応答して、該電子マネーコントローラが該書き込み手段のチャージ機能を復帰させるステップを含む方法。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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