不燃断熱パネルの製造方法
【課題】繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った芯材ブロックを複数並べて構成される芯材ユニットの取り扱いを容易とし、両面への金属板の固着作業を容易とする。
【解決手段】ロックウール原反1から切り出した複数の芯材ブロック10を、繊維1aの延びる方向を厚さ方向に沿った状態として並列させ、両端面に第1および第2連結部材20A,20Bをそれぞれ固定して芯材ユニット11を得る。芯材ユニット11を製造ライン50で各連結部材20A,20Bを介して連結して芯材ユニット連結体12を構成しながら、表裏面に鋼板30を固着してパネル素材13を得、パネル素材13を所望長さの不燃断熱パネル14に切断する。
【解決手段】ロックウール原反1から切り出した複数の芯材ブロック10を、繊維1aの延びる方向を厚さ方向に沿った状態として並列させ、両端面に第1および第2連結部材20A,20Bをそれぞれ固定して芯材ユニット11を得る。芯材ユニット11を製造ライン50で各連結部材20A,20Bを介して連結して芯材ユニット連結体12を構成しながら、表裏面に鋼板30を固着してパネル素材13を得、パネル素材13を所望長さの不燃断熱パネル14に切断する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃断熱パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記不燃断熱パネルは、火災時の延焼を防ぐことなどを目的として設置されるもので、例えば倉庫や工場などの比較的広い建物内を一定以下の面積の複数のスペースに区画する間仕切りとして設置されたり、建物の外壁パネルとして設置されたりしている。このような不燃断熱パネルは、所定の規格による防火材料性能試験をクリアすることが建築基準法で規定されており、その構造としては、2枚の鋼板の間にロックウール等の断熱材料を芯材として挟み込んだサンドイッチ構造のものが一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記芯材の断熱材料として使用されているロックウールは、製鉄プロセスで得られるガラス状の鉄炉スラグに石灰等を混合して高温で溶解し生成される無機系の人造鉱物繊維であり、溶解状態のものを糸状に吹いて固化させて得ている。このロックウールは、通常、繊維の延びる方向が長尺方向とされた帯状のものが原材料(以下、原反と称する)とされており、この原反を、長尺方向を分断する状態で所定長さの長方形のパネル状に切断して芯材としている。
【0005】
このようにして得られる芯材の両側の面に鋼板を接着させて不燃断熱パネルを得ているが、このパネルにあっては、芯材の繊維の連結が弱い厚さ方向の強度が長手方向に比べて格段に低く、芯材が厚さ方向に伸びるなど、パネル自体の剛性が低くなるといった問題を有している。
【0006】
そこで、上記原反を、繊維の延びる方向に対して直交する方向に切断して複数の芯材ブロックに切断し、これら芯材ブロックを90°横転させて繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、この並列状態の複数の芯材ブロックの両面に鋼板を固着して、繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを得ることができる。しかしながらこのような不燃断熱パネルを製造するにあたっては、並列させた複数の芯材ブロックがばらばらになりやすいため、鋼板を固着させる工程が困難であり、製造ラインで自動化するにも設備費が多くかかることが想定される。また、様々な長さの不燃断熱パネルを得ることが容易ではないといった課題もある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その主な課題としては、複数の芯材ブロックを並べて芯材の繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを製造するにあたり、並べた複数の芯材ブロックの取り扱いを容易として両面への金属板の固着作業を容易とするとともに、様々な長さのものを容易に得ることができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、繊維の延びる方向が長手方向に延びている帯状の断熱材料の原反を、前記繊維の延びる方向に直交する切断ラインに沿って切断して複数の芯材ブロックを得る原反切断工程と、所定数の前記芯材ブロックを、前記繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、これら芯材ブロックにおける両端面のうちの一端側に第1連結部材を取り付けるとともに、他端側に該第1連結部材に連結される第2連結部材を取り付けることにより、これら芯材ブロックを一体的に連結して芯材ユニットを得る芯材ブロック連結工程と、複数の前記芯材ユニットを、製造ラインに、前記芯材ブロックの並列方向に直交する方向に沿って、かつ、前記第1連結部材に前記第2連結部材が対向する状態に順次並べて投入する製造ライン投入工程と、前記製造ラインで、対向する前記第1連結部材と前記第2連結部材とを互いに連結させることにより、複数の前記芯材ユニットを順次連結して芯材ユニット連結体を得る芯材ユニット連結工程と、前記製造ラインで、前記芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着してパネル素材を得る金属板固着工程と、前記製造ラインで、前記パネル素材を切断して所望長さの不燃断熱パネルを得るパネル素材切断工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、芯材ブロック連結工程で、繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させた複数の芯材ブロックを、第1連結部材および第2連結部材によって連結し、芯材ユニットを構成する。このため、芯材ブロックはばらばらにならず取り扱いが容易となり、製造ラインに投入しやすい。そしてその製造ラインで、芯材ユニットどうしを第1連結部材および第2連結部材を介して連結して芯材ユニット連結体を構成し、この芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着するため、金属板の固着作業も容易である。製造ラインでのパネル素材は、エンドレスに長く構成することができ、このパネル素材を所望長さに切断することにより、所望長さの不燃断熱パネルを容易に得ることができる。
【0010】
本発明の上記第1連結部材および第2連結部材の具体的形態としては、並列された上記芯材ブロックの端面に圧入される一対の側板部と、これら側板部を連結する中央板部とをともに有し、第1連結部材は、中央板部に雌型嵌合部を有し、第2連結部材は、中央板部に、雌型嵌合部に押圧作用で嵌合して両連結部材どうしを連結する雄型嵌合部を有している形態が挙げられる。
【0011】
この形態では、製造ラインにおいて、先行する芯材ユニットに向けて後方の芯材ユニットを押し付けることにより、第1連結部材の雌型嵌合部に第2連結部材の雄型嵌合部を嵌合させて前後に並ぶ芯材ユニットを連結させることができる。このため、芯材ユニット連結体を容易、かつ速やかに製造していくことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の芯材ブロックを並べて芯材の繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを製造するにあたり、並べた複数の芯材ブロックの取り扱いを容易として両面への金属板の固着作業を容易とするとともに、様々な長さのものを容易に得ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造方法で使用されるロックウール原反の斜視図である。
【図2】ロックウール原反から切り出した芯材ブロックの端面図である。
【図3】芯材ブロックを90°横転させた状態の端面図である。
【図4】90°横転させた複数の芯材ブロックを並列させた状態の斜視図である。
【図5】複数の芯材ブロックを連結する第1連結部材を示す斜視図である。
【図6】複数の芯材ブロックを連結する第2連結部材を示す斜視図である。
【図7】並列状態の複数の芯材ブロックの端面に連結部材を圧入する溝が形成されている状態を示す(a)端面図、(b)断面図である。
【図8】(a)第1連結部材を芯材ブロックに圧入した状態を示す断面図、(b)第2連結部材を芯材ブロックに圧入した状態を示す断面図である。
【図9】複数の芯材ブロックを連結部材で一体的に連結して得られた芯材ユニットの側面図である。
【図10】複数の芯材ユニットを製造ラインに投入した状態を示す平面図である。
【図11】複数の芯材ユニットを製造ラインに投入した状態を示す側面図である。
【図12】製造ラインに投入された複数の芯材ユニットを連結した芯材ユニット連結体を示す側面図である。
【図13】第1連結部材と第2連結部材の連結構造を示す側面図である。
【図14】芯材ユニット連結体の表裏面に鋼板を固着したパネル素材を示す側面図である。
【図15】パネル素材から不燃断熱パネルを切断して得た状態を示す側面図である。
【図16】製造ライン投入工程〜パネル素材切断工程を好適に行うパネル製造設備を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る不燃断熱パネルの製造方法を工程順に説明する。
【0015】
(1)原反切断工程
図1は断熱材料であるロックウールの原反を示している。このロックウール原反1は所定幅の帯状で、繊維1aは長手方向(図1でY方向)に延びている。一実施形態の製造方法では、まずこのロックウール原反1に対し、繊維1aが延びている長手方向に直交するX方向に延びる複数の切断ライン2を、長手方向に等間隔に設定する。そして切断ライン2に沿ってロックウール原反1を切断し、直方体状の複数の芯材ブロック10を得る。
【0016】
(2)芯材ブロック連結工程
図2は、ロックウール原反1から切り出した状態の複数の芯材ブロック10を示している。これら芯材ブロック10においては、繊維1aは上記Y方向に延びている。芯材ブロック連結工程では、まず、所定数の芯材ブロック10を、図3に示すように90°横転させ、繊維1aを鉛直方向(図1でZ方向であり、厚さ方向に対応する)に延びる状態とする。
【0017】
次いで、繊維1aがZ方向すなわち厚さ方向に延びている状態の横転された所定数の芯材ブロック10を、図4に示すように隣接するものどうしが接し、かつ長手方向(X方向)の端部が揃う状態に並列させる。続いて、並列状態の所定数の芯材ブロック10を、図5に示す第1連結部材20Aおよび図6に示す第2連結部材20Bによって一体的に連結し、図9に示すパネル状の芯材ユニット11とする。
【0018】
第1連結部材20Aは、中央板部21の両端から同方向に側板部22が直角に延びる断面略コ字状の板材で、並列された複数の芯材ブロック10の並列方向の長さに対応する長さを有するものである。連結部材20の各側板部22には、先端に向かうにしたがって厚さが減少するテーパ状の複数の抜け止め凸条22aが形成されている。また、中央板部21の幅方向中央には、長手方向に延びる溝状の雌型嵌合部23aが全長にわたって形成されている。この雌型嵌合部23aの内部は、抜け止め機能を有するように断面矢印状に形成されている。
【0019】
一方、第2連結部材20Bは、第1連結部材20Aと同様に中央板部21の両端から同方向に側板部22が直角に延びる断面略コ字状の板材で、並列された複数の芯材ブロック10の並列方向の長さに対応する長さを有するものである。連結部材20の各側板部22には、同様に先端に向かうにしたがって厚さが減少するテーパ状の複数の抜け止め凸条22aが形成されている。また、中央板部21の幅方向中央には、長手方向に延びる凸条形状の雄型嵌合部23bが全長にわたって形成されている。この雄型嵌合部23bは、第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aの内部形状に対応する断面矢印状に形成されている。雄型嵌合部23bは、第1連結部材20Aの雌型嵌合部23a内に無理嵌めされ、抜け止めされた状態で嵌合される。
【0020】
これら連結部材20A,20Bで複数の芯材ブロック10を連結するには、まず、図7に示すように、揃えられた複数の芯材ブロック10の両端面に、連結部材20A,20Bの側板部22が圧入される一対の平行な溝10aを形成する。そして、その両端面のうちの一端側に第1連結部材20Aを取り付け、他端側に第2連結部材20Bを取り付ける。芯材ブロック10の端面に連結部材20A,20Bを取り付けるには、形成した連続する溝10aに、中央板部21が端面に接するまで各側板部22を圧入することによりなされる。
【0021】
図8(a)は第1連結部材20Aを芯材ブロック10の一端側に取り付けた状態を示しており、図8(b)は第2連結部材20Bを芯材ブロック10の他端側に取り付けた状態を示している。いずれの場合も、連結部材20A,20Bは抜け止め凸条22aが芯材ブロック10に埋まることにより抜け止めがなされ、これにより芯材ブロック10の連結状態が保持されるようになっている。なお、中央板部21と芯材ブロック10とを面一とするために、図7(b)および図8に示すように、芯材ブロック10の両端面の溝10a間に、中央板部21の板厚に相当する帯状の凹所10bを形成しておくとよい。
【0022】
連結部材20は並列状態の全ての芯材ブロック10にまたがって固定され、複数の芯材ブロック10は、図9に示すように連結部材20を介して一体的に連結され、パネル状の芯材ユニット11が固定的なものとして構成される。
【0023】
(3)製造ライン投入工程
次に、上記のようにして製造した複数の芯材ユニット11を、図10および図11に示すように、製造ライン50に順次投入する。製造ライン50には、芯材ブロック10の並列方向に直交する方向、すなわち芯材ブロック10の長手方向が、製造ライン50の進行方向(矢印Fで示す)に沿う状態とし、かつ、第2連結部材20Bを進行方向の前側に配して投入する。また、その幅方向もずれのないようにする。第2連結部材20Bを進行方向の前側に配することにより、芯材ユニット11の進行方向の後端部の第1連結部材20Aに、次に投入された後方の芯材ユニット11における進行方向の前端部の第2連結部材20Bが対向する状態となる。なお、製造ライン50に投入される芯材ユニット11は、第1連結部材と第2連結部材とが対向する状態であればよく、したがって上記とは逆に進行方向の前側に第1連結部材を配してもよい。
【0024】
(4)芯材ユニット連結工程
続いて、上記のようにして製造ライン50に投入された複数の芯材ユニット11を、図12に示すように製造ライン50の前側のものから順次連結し、芯材ユニット連結体1212を製造していく。芯材ユニット11を連結するには、先行する前方の芯材ユニット11に向けて後方の芯材ユニット11を押し付ける。これにより、図13に示すように第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aに第2連結部材20Bの雄型嵌合部23bが嵌合し、前後に並ぶ芯材ユニット11が各連結部材20A,20Bを介して連結した状態となる。
【0025】
雌型嵌合部23aに雄型嵌合部23bを嵌合させると、断面矢印状の溝に断面矢印状の凸部が嵌合して抜け止めされた状態となり、これにより強固な連結状態が得られる。なお、芯材ユニット11の連結時には、先行する前方の芯材ユニット11が後方の芯材ユニット11に押し付けられても前方に移動せず、第1連結部材20Aに第2連結部材20Bが確実に連結されるようにする。
【0026】
(5)金属板固着工程
次に、上記製造ライン50において、図14に示すように、芯材ユニット連結体12の表裏面、すなわち厚さ方向の両側の面に、鋼板30を適宜な接着剤によって接着させて固着する。これによって製造ラインに沿った長尺なパネル素材13が製作される。パネル素材13は、製造ライン50でエンドレスに長く構成することができる。
【0027】
(6)パネル素材切断工程
次いで、上記製造ライン50の下流側において、図15に示すように、上記パネル素材13を所望箇所において適宜な切断手段を用いて切断する。これにより、繊維1aの延びる方向が厚さ方向に沿った複数の芯材ブロック10の表裏面に鋼板30が固着されてなる所望長さの不燃断熱パネル14を得る。
【0028】
上記の製造ライン投入工程〜パネル素材切断工程は、図16に示すパネル製造設備によって連続的に行うことができる。このパネル製造設備では、ローラコンベヤ51による搬送路の投入部51aに芯材ユニット11が順次投入され、芯材ユニット11は、シリンダ式のプッシャ52によって断続的に矢印F方向に搬送される。そして、製造ライン50の中間部で、芯材ユニット11の表裏面に、上下に配された鋼板30がそれぞれ固着される。上下の鋼板30は、投入部51aの上下に配された鋼板ロール30Aから製造ライン50の下流側に巻き出されてガイドロール53により芯材ユニット11に導かれる。
【0029】
芯材ユニット11は、鋼板30の固着領域に至るまでに複数が連なって搬送される。そして、芯材ユニット11は、上下の鋼板30に挟まれた状態で、鋼板30と一体的に上下の搬送ロール54によって搬送され、その最中において、鋼板30が芯材ユニット11の表裏面に対し前方から後方に固着されていく。なお、鋼板30は、芯材ユニット11あるいは鋼板30に塗布される接着剤によって芯材ユニット11に接着されて固着される。
【0030】
芯材ユニット11が上下の鋼板30に挟まれながら、この鋼板30が固着される時、プッシャ52によって後方から次々に搬送されてくる複数の芯材ユニット11は詰まった状態になる。この状態から、さらに投入された芯材ユニット11がプッシャ52で押されることにより、鋼板30の固着領域から投入部51aに至る複数の芯材ユニット11は、上記のように連結部材20A,20Bを介して連結され、芯材ユニット連結体12が構成される。そして、最初にこのように投入部51aから鋼板30の固着領域に至る製造ライン50上での芯材ユニット11が連結された後は、投入部51aに投入された芯材ユニット11がプッシャ52で押されると、先行している前方の芯材ユニット11に連結され、この後は、芯材ユニット11の投入とともに芯材ユニット11の連結が繰り返されながら、鋼板30が芯材ユニット連結体12の表裏面に固着されていく。これにより、芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30が固着された長尺なパネル素材13が製造される。
【0031】
芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30が固着されたパネル素材13はさらに搬送され、切断領域に至る。そして、所望の長さが搬送された時点で、この切断領域に設置されている切断手段55により所望の長さの不燃断熱パネル14に切断される。以上の動作が連続的に行われることにより、所望の長さの多数の不燃断熱パネル14を連続的に得ることができる。
【0032】
(7)一実施形態の作用効果
上記製造方法で得られる不燃断熱パネル14によれば、芯材ブロック10の繊維1aが厚さ方向に延びているため、繊維が長手方向に延びているものと比べると、厚さ方向の強度が格段に向上したものとなっており、高い剛性を有している。
【0033】
また、上記製造方法によると、ロックウール原反1から切り出した複数の芯材ブロック10を第1連結部材20Aと第2連結部材20Bによって一体的に連結して1つの芯材ユニット11を構成するため、芯材ブロック10がばらばらにならず取り扱いが容易になり、その結果、製造ライン50に投入しやすい。そしてその製造ライン50で、芯材ユニット11どうしを第1連結部材20Aおよび第2連結部材20Bを介して連結して芯材ユニット連結体12を構成し、この芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30を固着するため、鋼板30の固着作業も容易である。
【0034】
また、製造ライン50でのパネル素材13はエンドレスに長く構成することができ、このパネル素材13を所望長さに切断することにより、所望長さの不燃断熱パネル14を容易に得ることができる。また、芯材ユニット11を製造ライン50で連結するには、先行する前側の芯材ユニット11に対して次の後方の芯材ユニット11を押し付けて、前側の第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aに後側の第2連結部材20Bの雄型嵌合部23bを嵌合させることにより連結させることができ、この連結動作は、芯材ユニット11の搬送とともに一連の動作で行うことができる。このため、芯材ユニット連結体12を容易、かつ速やかに製造していくことができる。
【0035】
なお、上記芯材ブロック10の原材料はロックウール原反1であるが、断熱材料の原反としてはロックウールに限られず、本発明では繊維の延びる方向が一方向(長手方向)に延びるものであれば使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…ロックウール原反
1a…繊維
2…切断ライン
10…芯材ブロック
11…芯材ユニット
12…芯材ユニット連結体
14…不燃断熱パネル
20A…第1連結部材
20B…第2連結部材
21…中央板部
22…側板部
23a…雌型嵌合部
23b…雄型嵌合部
30…鋼板(金属板)
50…製造ライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、不燃断熱パネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記不燃断熱パネルは、火災時の延焼を防ぐことなどを目的として設置されるもので、例えば倉庫や工場などの比較的広い建物内を一定以下の面積の複数のスペースに区画する間仕切りとして設置されたり、建物の外壁パネルとして設置されたりしている。このような不燃断熱パネルは、所定の規格による防火材料性能試験をクリアすることが建築基準法で規定されており、その構造としては、2枚の鋼板の間にロックウール等の断熱材料を芯材として挟み込んだサンドイッチ構造のものが一般的である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7874号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記芯材の断熱材料として使用されているロックウールは、製鉄プロセスで得られるガラス状の鉄炉スラグに石灰等を混合して高温で溶解し生成される無機系の人造鉱物繊維であり、溶解状態のものを糸状に吹いて固化させて得ている。このロックウールは、通常、繊維の延びる方向が長尺方向とされた帯状のものが原材料(以下、原反と称する)とされており、この原反を、長尺方向を分断する状態で所定長さの長方形のパネル状に切断して芯材としている。
【0005】
このようにして得られる芯材の両側の面に鋼板を接着させて不燃断熱パネルを得ているが、このパネルにあっては、芯材の繊維の連結が弱い厚さ方向の強度が長手方向に比べて格段に低く、芯材が厚さ方向に伸びるなど、パネル自体の剛性が低くなるといった問題を有している。
【0006】
そこで、上記原反を、繊維の延びる方向に対して直交する方向に切断して複数の芯材ブロックに切断し、これら芯材ブロックを90°横転させて繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、この並列状態の複数の芯材ブロックの両面に鋼板を固着して、繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを得ることができる。しかしながらこのような不燃断熱パネルを製造するにあたっては、並列させた複数の芯材ブロックがばらばらになりやすいため、鋼板を固着させる工程が困難であり、製造ラインで自動化するにも設備費が多くかかることが想定される。また、様々な長さの不燃断熱パネルを得ることが容易ではないといった課題もある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その主な課題としては、複数の芯材ブロックを並べて芯材の繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを製造するにあたり、並べた複数の芯材ブロックの取り扱いを容易として両面への金属板の固着作業を容易とするとともに、様々な長さのものを容易に得ることができる製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、繊維の延びる方向が長手方向に延びている帯状の断熱材料の原反を、前記繊維の延びる方向に直交する切断ラインに沿って切断して複数の芯材ブロックを得る原反切断工程と、所定数の前記芯材ブロックを、前記繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、これら芯材ブロックにおける両端面のうちの一端側に第1連結部材を取り付けるとともに、他端側に該第1連結部材に連結される第2連結部材を取り付けることにより、これら芯材ブロックを一体的に連結して芯材ユニットを得る芯材ブロック連結工程と、複数の前記芯材ユニットを、製造ラインに、前記芯材ブロックの並列方向に直交する方向に沿って、かつ、前記第1連結部材に前記第2連結部材が対向する状態に順次並べて投入する製造ライン投入工程と、前記製造ラインで、対向する前記第1連結部材と前記第2連結部材とを互いに連結させることにより、複数の前記芯材ユニットを順次連結して芯材ユニット連結体を得る芯材ユニット連結工程と、前記製造ラインで、前記芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着してパネル素材を得る金属板固着工程と、前記製造ラインで、前記パネル素材を切断して所望長さの不燃断熱パネルを得るパネル素材切断工程とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、芯材ブロック連結工程で、繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させた複数の芯材ブロックを、第1連結部材および第2連結部材によって連結し、芯材ユニットを構成する。このため、芯材ブロックはばらばらにならず取り扱いが容易となり、製造ラインに投入しやすい。そしてその製造ラインで、芯材ユニットどうしを第1連結部材および第2連結部材を介して連結して芯材ユニット連結体を構成し、この芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着するため、金属板の固着作業も容易である。製造ラインでのパネル素材は、エンドレスに長く構成することができ、このパネル素材を所望長さに切断することにより、所望長さの不燃断熱パネルを容易に得ることができる。
【0010】
本発明の上記第1連結部材および第2連結部材の具体的形態としては、並列された上記芯材ブロックの端面に圧入される一対の側板部と、これら側板部を連結する中央板部とをともに有し、第1連結部材は、中央板部に雌型嵌合部を有し、第2連結部材は、中央板部に、雌型嵌合部に押圧作用で嵌合して両連結部材どうしを連結する雄型嵌合部を有している形態が挙げられる。
【0011】
この形態では、製造ラインにおいて、先行する芯材ユニットに向けて後方の芯材ユニットを押し付けることにより、第1連結部材の雌型嵌合部に第2連結部材の雄型嵌合部を嵌合させて前後に並ぶ芯材ユニットを連結させることができる。このため、芯材ユニット連結体を容易、かつ速やかに製造していくことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の芯材ブロックを並べて芯材の繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った不燃断熱パネルを製造するにあたり、並べた複数の芯材ブロックの取り扱いを容易として両面への金属板の固着作業を容易とするとともに、様々な長さのものを容易に得ることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る製造方法で使用されるロックウール原反の斜視図である。
【図2】ロックウール原反から切り出した芯材ブロックの端面図である。
【図3】芯材ブロックを90°横転させた状態の端面図である。
【図4】90°横転させた複数の芯材ブロックを並列させた状態の斜視図である。
【図5】複数の芯材ブロックを連結する第1連結部材を示す斜視図である。
【図6】複数の芯材ブロックを連結する第2連結部材を示す斜視図である。
【図7】並列状態の複数の芯材ブロックの端面に連結部材を圧入する溝が形成されている状態を示す(a)端面図、(b)断面図である。
【図8】(a)第1連結部材を芯材ブロックに圧入した状態を示す断面図、(b)第2連結部材を芯材ブロックに圧入した状態を示す断面図である。
【図9】複数の芯材ブロックを連結部材で一体的に連結して得られた芯材ユニットの側面図である。
【図10】複数の芯材ユニットを製造ラインに投入した状態を示す平面図である。
【図11】複数の芯材ユニットを製造ラインに投入した状態を示す側面図である。
【図12】製造ラインに投入された複数の芯材ユニットを連結した芯材ユニット連結体を示す側面図である。
【図13】第1連結部材と第2連結部材の連結構造を示す側面図である。
【図14】芯材ユニット連結体の表裏面に鋼板を固着したパネル素材を示す側面図である。
【図15】パネル素材から不燃断熱パネルを切断して得た状態を示す側面図である。
【図16】製造ライン投入工程〜パネル素材切断工程を好適に行うパネル製造設備を模式的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係る不燃断熱パネルの製造方法を工程順に説明する。
【0015】
(1)原反切断工程
図1は断熱材料であるロックウールの原反を示している。このロックウール原反1は所定幅の帯状で、繊維1aは長手方向(図1でY方向)に延びている。一実施形態の製造方法では、まずこのロックウール原反1に対し、繊維1aが延びている長手方向に直交するX方向に延びる複数の切断ライン2を、長手方向に等間隔に設定する。そして切断ライン2に沿ってロックウール原反1を切断し、直方体状の複数の芯材ブロック10を得る。
【0016】
(2)芯材ブロック連結工程
図2は、ロックウール原反1から切り出した状態の複数の芯材ブロック10を示している。これら芯材ブロック10においては、繊維1aは上記Y方向に延びている。芯材ブロック連結工程では、まず、所定数の芯材ブロック10を、図3に示すように90°横転させ、繊維1aを鉛直方向(図1でZ方向であり、厚さ方向に対応する)に延びる状態とする。
【0017】
次いで、繊維1aがZ方向すなわち厚さ方向に延びている状態の横転された所定数の芯材ブロック10を、図4に示すように隣接するものどうしが接し、かつ長手方向(X方向)の端部が揃う状態に並列させる。続いて、並列状態の所定数の芯材ブロック10を、図5に示す第1連結部材20Aおよび図6に示す第2連結部材20Bによって一体的に連結し、図9に示すパネル状の芯材ユニット11とする。
【0018】
第1連結部材20Aは、中央板部21の両端から同方向に側板部22が直角に延びる断面略コ字状の板材で、並列された複数の芯材ブロック10の並列方向の長さに対応する長さを有するものである。連結部材20の各側板部22には、先端に向かうにしたがって厚さが減少するテーパ状の複数の抜け止め凸条22aが形成されている。また、中央板部21の幅方向中央には、長手方向に延びる溝状の雌型嵌合部23aが全長にわたって形成されている。この雌型嵌合部23aの内部は、抜け止め機能を有するように断面矢印状に形成されている。
【0019】
一方、第2連結部材20Bは、第1連結部材20Aと同様に中央板部21の両端から同方向に側板部22が直角に延びる断面略コ字状の板材で、並列された複数の芯材ブロック10の並列方向の長さに対応する長さを有するものである。連結部材20の各側板部22には、同様に先端に向かうにしたがって厚さが減少するテーパ状の複数の抜け止め凸条22aが形成されている。また、中央板部21の幅方向中央には、長手方向に延びる凸条形状の雄型嵌合部23bが全長にわたって形成されている。この雄型嵌合部23bは、第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aの内部形状に対応する断面矢印状に形成されている。雄型嵌合部23bは、第1連結部材20Aの雌型嵌合部23a内に無理嵌めされ、抜け止めされた状態で嵌合される。
【0020】
これら連結部材20A,20Bで複数の芯材ブロック10を連結するには、まず、図7に示すように、揃えられた複数の芯材ブロック10の両端面に、連結部材20A,20Bの側板部22が圧入される一対の平行な溝10aを形成する。そして、その両端面のうちの一端側に第1連結部材20Aを取り付け、他端側に第2連結部材20Bを取り付ける。芯材ブロック10の端面に連結部材20A,20Bを取り付けるには、形成した連続する溝10aに、中央板部21が端面に接するまで各側板部22を圧入することによりなされる。
【0021】
図8(a)は第1連結部材20Aを芯材ブロック10の一端側に取り付けた状態を示しており、図8(b)は第2連結部材20Bを芯材ブロック10の他端側に取り付けた状態を示している。いずれの場合も、連結部材20A,20Bは抜け止め凸条22aが芯材ブロック10に埋まることにより抜け止めがなされ、これにより芯材ブロック10の連結状態が保持されるようになっている。なお、中央板部21と芯材ブロック10とを面一とするために、図7(b)および図8に示すように、芯材ブロック10の両端面の溝10a間に、中央板部21の板厚に相当する帯状の凹所10bを形成しておくとよい。
【0022】
連結部材20は並列状態の全ての芯材ブロック10にまたがって固定され、複数の芯材ブロック10は、図9に示すように連結部材20を介して一体的に連結され、パネル状の芯材ユニット11が固定的なものとして構成される。
【0023】
(3)製造ライン投入工程
次に、上記のようにして製造した複数の芯材ユニット11を、図10および図11に示すように、製造ライン50に順次投入する。製造ライン50には、芯材ブロック10の並列方向に直交する方向、すなわち芯材ブロック10の長手方向が、製造ライン50の進行方向(矢印Fで示す)に沿う状態とし、かつ、第2連結部材20Bを進行方向の前側に配して投入する。また、その幅方向もずれのないようにする。第2連結部材20Bを進行方向の前側に配することにより、芯材ユニット11の進行方向の後端部の第1連結部材20Aに、次に投入された後方の芯材ユニット11における進行方向の前端部の第2連結部材20Bが対向する状態となる。なお、製造ライン50に投入される芯材ユニット11は、第1連結部材と第2連結部材とが対向する状態であればよく、したがって上記とは逆に進行方向の前側に第1連結部材を配してもよい。
【0024】
(4)芯材ユニット連結工程
続いて、上記のようにして製造ライン50に投入された複数の芯材ユニット11を、図12に示すように製造ライン50の前側のものから順次連結し、芯材ユニット連結体1212を製造していく。芯材ユニット11を連結するには、先行する前方の芯材ユニット11に向けて後方の芯材ユニット11を押し付ける。これにより、図13に示すように第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aに第2連結部材20Bの雄型嵌合部23bが嵌合し、前後に並ぶ芯材ユニット11が各連結部材20A,20Bを介して連結した状態となる。
【0025】
雌型嵌合部23aに雄型嵌合部23bを嵌合させると、断面矢印状の溝に断面矢印状の凸部が嵌合して抜け止めされた状態となり、これにより強固な連結状態が得られる。なお、芯材ユニット11の連結時には、先行する前方の芯材ユニット11が後方の芯材ユニット11に押し付けられても前方に移動せず、第1連結部材20Aに第2連結部材20Bが確実に連結されるようにする。
【0026】
(5)金属板固着工程
次に、上記製造ライン50において、図14に示すように、芯材ユニット連結体12の表裏面、すなわち厚さ方向の両側の面に、鋼板30を適宜な接着剤によって接着させて固着する。これによって製造ラインに沿った長尺なパネル素材13が製作される。パネル素材13は、製造ライン50でエンドレスに長く構成することができる。
【0027】
(6)パネル素材切断工程
次いで、上記製造ライン50の下流側において、図15に示すように、上記パネル素材13を所望箇所において適宜な切断手段を用いて切断する。これにより、繊維1aの延びる方向が厚さ方向に沿った複数の芯材ブロック10の表裏面に鋼板30が固着されてなる所望長さの不燃断熱パネル14を得る。
【0028】
上記の製造ライン投入工程〜パネル素材切断工程は、図16に示すパネル製造設備によって連続的に行うことができる。このパネル製造設備では、ローラコンベヤ51による搬送路の投入部51aに芯材ユニット11が順次投入され、芯材ユニット11は、シリンダ式のプッシャ52によって断続的に矢印F方向に搬送される。そして、製造ライン50の中間部で、芯材ユニット11の表裏面に、上下に配された鋼板30がそれぞれ固着される。上下の鋼板30は、投入部51aの上下に配された鋼板ロール30Aから製造ライン50の下流側に巻き出されてガイドロール53により芯材ユニット11に導かれる。
【0029】
芯材ユニット11は、鋼板30の固着領域に至るまでに複数が連なって搬送される。そして、芯材ユニット11は、上下の鋼板30に挟まれた状態で、鋼板30と一体的に上下の搬送ロール54によって搬送され、その最中において、鋼板30が芯材ユニット11の表裏面に対し前方から後方に固着されていく。なお、鋼板30は、芯材ユニット11あるいは鋼板30に塗布される接着剤によって芯材ユニット11に接着されて固着される。
【0030】
芯材ユニット11が上下の鋼板30に挟まれながら、この鋼板30が固着される時、プッシャ52によって後方から次々に搬送されてくる複数の芯材ユニット11は詰まった状態になる。この状態から、さらに投入された芯材ユニット11がプッシャ52で押されることにより、鋼板30の固着領域から投入部51aに至る複数の芯材ユニット11は、上記のように連結部材20A,20Bを介して連結され、芯材ユニット連結体12が構成される。そして、最初にこのように投入部51aから鋼板30の固着領域に至る製造ライン50上での芯材ユニット11が連結された後は、投入部51aに投入された芯材ユニット11がプッシャ52で押されると、先行している前方の芯材ユニット11に連結され、この後は、芯材ユニット11の投入とともに芯材ユニット11の連結が繰り返されながら、鋼板30が芯材ユニット連結体12の表裏面に固着されていく。これにより、芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30が固着された長尺なパネル素材13が製造される。
【0031】
芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30が固着されたパネル素材13はさらに搬送され、切断領域に至る。そして、所望の長さが搬送された時点で、この切断領域に設置されている切断手段55により所望の長さの不燃断熱パネル14に切断される。以上の動作が連続的に行われることにより、所望の長さの多数の不燃断熱パネル14を連続的に得ることができる。
【0032】
(7)一実施形態の作用効果
上記製造方法で得られる不燃断熱パネル14によれば、芯材ブロック10の繊維1aが厚さ方向に延びているため、繊維が長手方向に延びているものと比べると、厚さ方向の強度が格段に向上したものとなっており、高い剛性を有している。
【0033】
また、上記製造方法によると、ロックウール原反1から切り出した複数の芯材ブロック10を第1連結部材20Aと第2連結部材20Bによって一体的に連結して1つの芯材ユニット11を構成するため、芯材ブロック10がばらばらにならず取り扱いが容易になり、その結果、製造ライン50に投入しやすい。そしてその製造ライン50で、芯材ユニット11どうしを第1連結部材20Aおよび第2連結部材20Bを介して連結して芯材ユニット連結体12を構成し、この芯材ユニット連結体12の表裏面に鋼板30を固着するため、鋼板30の固着作業も容易である。
【0034】
また、製造ライン50でのパネル素材13はエンドレスに長く構成することができ、このパネル素材13を所望長さに切断することにより、所望長さの不燃断熱パネル14を容易に得ることができる。また、芯材ユニット11を製造ライン50で連結するには、先行する前側の芯材ユニット11に対して次の後方の芯材ユニット11を押し付けて、前側の第1連結部材20Aの雌型嵌合部23aに後側の第2連結部材20Bの雄型嵌合部23bを嵌合させることにより連結させることができ、この連結動作は、芯材ユニット11の搬送とともに一連の動作で行うことができる。このため、芯材ユニット連結体12を容易、かつ速やかに製造していくことができる。
【0035】
なお、上記芯材ブロック10の原材料はロックウール原反1であるが、断熱材料の原反としてはロックウールに限られず、本発明では繊維の延びる方向が一方向(長手方向)に延びるものであれば使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
1…ロックウール原反
1a…繊維
2…切断ライン
10…芯材ブロック
11…芯材ユニット
12…芯材ユニット連結体
14…不燃断熱パネル
20A…第1連結部材
20B…第2連結部材
21…中央板部
22…側板部
23a…雌型嵌合部
23b…雄型嵌合部
30…鋼板(金属板)
50…製造ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維の延びる方向が長手方向に延びている帯状の断熱材料の原反を、前記繊維の延びる方向に直交する切断ラインに沿って切断して複数の芯材ブロックを得る原反切断工程と、
所定数の前記芯材ブロックを、前記繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、これら芯材ブロックにおける両端面のうちの一端側に第1連結部材を取り付けるとともに、他端側に該第1連結部材に連結される第2連結部材を取り付けることにより、これら芯材ブロックを一体的に連結して芯材ユニットを得る芯材ブロック連結工程と、
複数の前記芯材ユニットを、製造ラインに、前記芯材ブロックの並列方向に直交する方向に沿って、かつ、前記第1連結部材に前記第2連結部材が対向する状態に順次並べて投入する製造ライン投入工程と、
前記製造ラインで、対向する前記第1連結部材と前記第2連結部材とを互いに連結させることにより、複数の前記芯材ユニットを順次連結して芯材ユニット連結体を得る芯材ユニット連結工程と、
前記製造ラインで、前記芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着してパネル素材を得る金属板固着工程と、
前記製造ラインで、前記パネル素材を切断して所望長さの不燃断熱パネルを得るパネル素材切断工程と、
を備えることを特徴とする不燃断熱パネルの製造方法。
【請求項2】
前記第1連結部材および前記第2連結部材は、並列された前記芯材ブロックの端面に圧入される一対の側板部と、これら側板部を連結する中央板部とをともに有し、該第1連結部材は、前記中央板部に雌型嵌合部を有し、該第2連結部材は、前記中央板部に、前記雌型嵌合部に押圧作用で嵌合して両連結部材どうしを連結する雄型嵌合部を有していることを特徴とする請求項1に記載の不燃断熱パネルの製造方法。
【請求項1】
繊維の延びる方向が長手方向に延びている帯状の断熱材料の原反を、前記繊維の延びる方向に直交する切断ラインに沿って切断して複数の芯材ブロックを得る原反切断工程と、
所定数の前記芯材ブロックを、前記繊維の延びる方向が厚さ方向に沿った状態で並列させ、これら芯材ブロックにおける両端面のうちの一端側に第1連結部材を取り付けるとともに、他端側に該第1連結部材に連結される第2連結部材を取り付けることにより、これら芯材ブロックを一体的に連結して芯材ユニットを得る芯材ブロック連結工程と、
複数の前記芯材ユニットを、製造ラインに、前記芯材ブロックの並列方向に直交する方向に沿って、かつ、前記第1連結部材に前記第2連結部材が対向する状態に順次並べて投入する製造ライン投入工程と、
前記製造ラインで、対向する前記第1連結部材と前記第2連結部材とを互いに連結させることにより、複数の前記芯材ユニットを順次連結して芯材ユニット連結体を得る芯材ユニット連結工程と、
前記製造ラインで、前記芯材ユニット連結体の表裏面に金属板を固着してパネル素材を得る金属板固着工程と、
前記製造ラインで、前記パネル素材を切断して所望長さの不燃断熱パネルを得るパネル素材切断工程と、
を備えることを特徴とする不燃断熱パネルの製造方法。
【請求項2】
前記第1連結部材および前記第2連結部材は、並列された前記芯材ブロックの端面に圧入される一対の側板部と、これら側板部を連結する中央板部とをともに有し、該第1連結部材は、前記中央板部に雌型嵌合部を有し、該第2連結部材は、前記中央板部に、前記雌型嵌合部に押圧作用で嵌合して両連結部材どうしを連結する雄型嵌合部を有していることを特徴とする請求項1に記載の不燃断熱パネルの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−80326(P2011−80326A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235461(P2009−235461)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(596066482)明正工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(596066482)明正工業株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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