説明

不純物量予測方法及び不純物量予測装置

【課題】製品ウェハにおけるトランジスタ寸法での、金属不純物量を予測可能とする不純物量予測方法を提供する。
【解決手段】不純物量予測方法は、半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB寿命及び反転膜厚として第1寿命及び第1膜厚を測定するステップ(S1)と、予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量とTDDB寿命及び反転膜厚との関係と、測定された前記第1寿命及び前記第1膜厚とに基づいて、前記半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測するステップ(S2)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不純物量予測方法及び不純物量予測装置に関し、特に半導体装置のトランジスタにおける不純物量予測方法及び不純物量予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタのゲート絶縁膜又はその近傍に不純物を導入して、トランジスタ特性を調整する技術が知られている。例えば、Hf等の金属元素をゲート絶縁膜中又はゲート絶縁膜上に含まれるようにして、ゲート絶縁膜をhigh−k膜とし、閾値電圧の制御や、オフリーク電流の低減等を図る技術が知られている。
【0003】
例えば、特開2007−318012号公報(特許文献1:US2007284675(A1))に半導体装置およびその製造方法が開示されている。この半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上部に接して設けられたゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上部に接して設けられたゲート電極とを含むP型電界効果型トランジスタを備えている。ゲート絶縁膜(SiO)中またはゲート絶縁膜とゲート電極(多結晶シリコン)との界面に、HfおよびZrのうち少なくとも一種の金属が、1.3×1014atoms/cm以下の面密度で含まれる領域を有する。この半導体装置では、このような構成により、NBTI(Negative Bias Temperature Instability)耐性の改善が図られている。これは、Hf又はZrあるいはこれらの化合物に電子がトラップされ、トラップされた電子によりゲート電極に負のバイアスを印加した際にゲート絶縁膜中に発生する正の固定電荷が打ち消され、NBTIによる閾値電圧の上昇を効果的に抑制するためである。
【0004】
特開2006−93670号公報(特許文献2:US2006043497(A1))に半導体装置およびその製造方法が開示されている。この半導体装置は、半導体基板と、半導体基板の上に設けられたSi含有ゲート電極と、半導体基板とSi含有ゲート電極との間に設けられSi含有ゲート電極と接するゲート絶縁膜とを含む複数の電界効果型トランジスタを備えている。複数の電界効果型トランジスタにおいては、Si含有ゲート電極(多結晶シリコン)とゲート絶縁膜(SiON)との界面に、Hf、Zr、Al、La、Pr、Y、Ti、TaおよびWからなる群から選択される一または二以上の金属が存在している。界面における金属の濃度が5×1013atoms/cm以上1.4×1015atoms/cm未満である。少なくとも1つの電界効果トランジスタのチャネル領域中の不純物濃度は、他の電界効果トランジスタのチャネル領域中の不純物濃度と異なる。この半導体装置では、このような構成により、チャネル領域に不純物を注入することによる閾値電圧調整よりも少ない不純物量で電界効果型トランジスタの閾値電圧を調整する。
【0005】
再表WO2007/040057号公報(特許文献3:US2009267163(A1))には、半導体装置が開示されている。この半導体装置は、電界効果型トランジスタを有する。その電界効果型トランジスタは、半導体層上に形成されたゲート絶縁膜と、そのゲート絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備えている。そのゲート絶縁膜は、金属元素と窒素とを含有するシリコン酸化膜である。そのゲート絶縁膜におけるその金属元素とその窒素の分布は、そのゲート絶縁膜とそのゲート電極との界面側で最大となる。その金属元素としては、HfやAl、Zrが例示される。
【0006】
上記技術に関連して、Hf等の金属元素の量を直接測定する手法としては、全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析などが知られている(以降、まとめてX線分析評価手法ともいう)。高性能半導体プロセス用分析・評価技術(半導体基盤技術研究会、リアライズ理工センター(1992):非特許文献1)には、それら全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析が記載されている。Hfの量を測定する場合、全反射蛍光X線分析は、Hfを成膜したウェハにX線を入射させ、Hfからの蛍光X線を検出器により検出し、Hfの量を検出する。一方、X線光電子分光分析は、X線を試料に照射し、各元素から放出された光電子を検出する。これらの装置によるHf量の検出は、試料サイズとして数μmφ以上必要とする。この試料サイズは、製品ウェハ上のチップ内のトランジスタ寸法と比較して非常に大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−318012号公報
【特許文献2】特開2006−93670号公報
【特許文献3】再表WO2007/040057号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】高性能半導体プロセス用分析・評価技術、半導体基盤技術研究会、リアライズ理工センター(1992)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1〜3は、Hf等の金属不純物をゲート絶縁膜又はその近傍に配することで、特性及び信頼性に対する課題を解決しようとしている。このとき、ゲート絶縁膜又はその近傍におけるHf等の金属不純物量を適切な範囲に制御することが重要である。その金属不純物量をモニタするためには、既述のように、上記非特許文献1で紹介された物理分析である全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析を行う必要がある。
【0010】
これら全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析によるHf等の金属不純物量の検出は、試料サイズとして数μmφ以上を要する。この試料サイズは、製品ウェハ上のチップ内のトランジスタ寸法と比較して非常に大きい。そのため、実際に製品ウェハ上に形成されたトランジスタと同じ寸法における金属不純物量の測定を行うことはできない。加えて、X線によりウェハがダメージを受ける可能性が有るため、製品ウェハにモニタパターン(例示:TEGパターン)を設置し、金属不純物量を確認することも不可能である。そのため、金属不純物量をモニタするためには、専用のウェハを使用する必要がある。また、試料サイズの問題から、トランジスタパターンの存在しないウェハを使う必要があるため、特性、信頼性との相関を確認することもできない。製品ウェハにおけるトランジスタ寸法での、不純物量を予測可能とする技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、発明を実施するための形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0012】
本発明の不純物量予測方法は、測定するステップと、予測するステップとを具備する。測定するステップは、半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)として第1寿命及び第1膜厚を測定する。予測するステップは、予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係(式(10);係数を含む)と、測定された第1寿命及び第1膜厚とに基づいて、半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測する。
【0013】
本発明では、半導体基板(例示:製品ウェハ)上のトランジスタレベルのパターン(例示:TEGパターン)を使用し、電気的な測定手法を用いて求めた反転膜厚(Tinv)及びTDDB寿命(η)と、予め求められた不純物量(X)と反転膜厚(Tinv)及びTDDB寿命(η)との関係(例示:式(10)及び係数α1〜α4)とに基づいて、不純物量(例示:XHf)を予測する。すなわち、製品ウェハにおいて、簡便な電気的手法により、製品ウェハにおけるトランジスタ寸法での測定を行うことができる。それにより、製品ウェハにおける測定値を用いることができ、現実の不純物量に極めて近い不純物量を予測することができる。加えて、X線分析評価専用のウェハを用い、X線分析評価手法(全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析など)を使用して不純物量を求める必要がなくなる。
【0014】
本発明の不純物量予測装置は、測定部(11)と、記憶部(14)と、予測部(12)とを具備する。測定部(11)は、半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)として第1寿命及び第1膜厚を測定する。記憶部(14)は、予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係(式(10)を格納する。予測部(12)は、記憶部(14)に格納された関係(式(10);係数を含む)と、測定された第1寿命及び第1膜厚とに基づいて、半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測する。
【0015】
本発明のプログラムは、測定部(11)と記憶部(14)と予測部(12)とを備える不純物量予測装置としてのコンピュータに不純物量予測方法を実行させる。すなわち、プログラムは、測定するステップと、予測するステップとを具備する不純物量予測方法をコンピュータに実行させる。測定するステップは、測定部(11)が、半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)として第1寿命及び第1膜厚を測定する。予測するステップは、予測部(12)が、記憶部(14)に格納された、予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係(式(10);係数を含む)と、測定された第1寿命及び第1膜厚とに基づいて、半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測する。
【0016】
上記の不純物量予測装置及びプログラムにおいても不純物量予測方法と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、製品ウェハにおけるトランジスタ寸法での、不純物量を予測可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図3は、モニタパターンの一例を示す模式図である。
【図4】図4は、ゲート絶縁膜の膜厚とTDDB寿命との関係の一例を示すグラフである。
【図5】図5は、ゲート絶縁膜中のHf量とTDDB寿命との関係の一例を示すグラフである。
【図6】図6は、ゲート絶縁膜の膜厚と反転膜厚との関係の一例を示すグラフである。
【図7】図7は、ゲート絶縁膜中のHf量と反転膜厚との関係の一例を示すグラフである。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の動作(不純物量予測方法)を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の不純物量の予測方法及び不純物量予測装置の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0020】
まず、本発明の実施の形態に係る不純物量の予測方法に関する概念について説明する。本実施の形態に係る不純物量の予測方法では、製品ウェハのモニタパターンとしても搭載可能なサイズのトランジスタパターンにおける特性(ゲート絶縁膜の反転膜厚:Tinv)及び信頼性(ゲート絶縁膜のTDDB寿命:η)の評価結果を、予め求めていた反転膜厚(Tinv)及びTDDB寿命(η)と不純物量(X)との関係に基づいて、不純物量に換算し、当該トランジスタパターンの位置・構造(寸法を含む)での不純物量をモニタする。更に、複数のトランジスタパターンでの評価結果から、ウェハ単位での不純物量に換算し、ウェハ単位での不純物量のモニタやウェハ面内の不純物量の傾向をモニタする。それにより、全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析などのX線分析評価手を行うことなく、短時間での電気的な測定で不純物量を予測することができる。加えて、このX線分析評価手法に用いるモニタ専用ウェハを使用することなく、又は数μmφ以上の大きなX線分析評価用TEGをウェハに搭載することなく、製品ウェハそのものにおいて不純物量をモニタすることができる。更に、製品のトランジスタパターンと同じ構造のトランジスタにおける不純物量をモニタすることが出来る。例えば、製品に用いているトランジスタのTDDB寿命及び反転膜厚の電気評価ができれば、その製品における不純物量を直接評価することも可能である。
【0021】
ここで、TDDB寿命ηは、電圧一定印加により、ゲート絶縁膜が破壊するまでの時間である。反転膜厚Tinvは、一般的に電気的に測定した膜厚を表し、ゲート絶縁膜の容量を測定し、ゲート絶縁膜がSiOであると仮定した場合の膜厚を換算式により求めるものである。換算式(式(0))を以下に示す。
Tinv=εr[SiO2]・ε/Cgate …(0)
(εr[SiO2]:SiOの比誘電率3.9、ε:真空の誘電率8.854[F/m]、Cgate:測定したゲート容量[fF/μm])
【0022】
以下、本実施の形態に係る不純物量の予測方法及び不純物量予測装置について詳細に説明する。
【0023】
本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の構成を示すブロック図である。この不純物量予測装置1は、評価対象20(例示:ウェハ)の評価を行う。この不純物量予測装置1は、コンピュータに例示される情報処理装置であり、図示されていないCPU(Central Processing Unit)と、記憶装置と、入力装置と、出力装置と、インターフェースとを備えている。CPU、記憶装置、入力装置、出力装置、及びインターフェースは、バスやケーブルにより互いに情報の送受信が可能に接続されている。記憶装置は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブ、及びDVD(Digital Versatile Disc)ドライブに例示される。入力装置は、キーボード、及びマウスに例示される。出力装置は、ディスプレイやプリンタに例示される。インターフェースは、評価対象20としてのウェハと電気的に接続可能である。ここでは、インターフェースは、評価対象20のウェハ(の素子)をテストするためのテスタやプローバを含んでいる。例えば、評価対象20のウェハが複数のチップを備え、各チップ又は各チップ間に測定対象のトランジスタパターンを含んでいる場合、インターフェースは、LSIテスタ及びそのプローバに例示される。
【0024】
CPUは、例えばCD−ROMのような記憶媒体やネットワークを介して記憶装置(例示:HDD)にインストールされたコンピュータプログラムをRAMに展開する。そのコンピュータプログラムは、評価対象20を評価(不純物量予測)するためのコンピュータプログラムを含んでいる。CPUは、展開されたコンピュータプログラムを実行して、必要に応じて記憶装置や入力装置や出力装置のようなハードウエアを制御しながら、当該コンピュータプログラムの情報処理を実現する。すなわち、CPUは、テスタやプローバを制御しながら、評価対象20に対する測定を実施し、測定結果を評価し、評価結果から評価対象20の不純物量を予測する。なお、CPUは、テスタ内のCPUに、当該情報処理を実施させても良い。記憶装置は、コンピュータプログラムを記録し、CPUが利用する情報や生成する情報を記録する。入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をCPUや記憶装置に出力する。出力装置は、CPUにより生成された情報や記憶装置の情報をユーザに認識可能に出力する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置1の構成を示す機能ブロック図である。不純物量予測装置1は、評価対象20であるウェハについて、そのウェハ内のトランジスタの特性を評価して不純物量の予測を実行する。不純物量予測装置1は、コンピュータに例示される情報処理装置に、本発明の実施の形態に係る不純物量予測プログラム(不純物量予測方法)をインストールすることでその機能を実現している。不純物量予測装置1は、その機能として、測定部11、予測部12、特定部13、及び記憶部14を備えている。
【0026】
測定部11は、ウェハ(半導体基板)上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)を測定する。不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類などのデータについては、例えば、ユーザにより入力装置から入力される。
【0027】
ここで、トランジスタは、ウェハ(半導体基板)上に設けられた複数のチップの各々の有する論理回路や周辺回路などで用いられるトランジスタであり、ウェハ上に製造されたチップの機能を実現するためのトランジスタである。本実施の形態では、このようなトランジスタを対象とし、これら対象トランジスタにおけるゲート絶縁膜中の不純物量を予測する。
【0028】
また、そのトランジスタのパターンとは、その対象トランジスタと同じ構造(構成、形状、大きさなど)を有するパターンであり、不純物量をモニタするモニタパターンであり、TEGパターンに例示される。図3は、モニタパターンの一例を示す模式図である。このモニタパターンは、TDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)の測定用のパターンであり、ゲート絶縁膜の上下に対して測定端子が出ている。このモニタパターンは、対象トランジスタと同様の構成(図3)や形状(図示されず)や大きさ(図示されず)を有し、計測用の配線及びパッドが追加されている。この図の例では、対象トランジスタと同様の構成や形状や大きさを有し、ソース、ドレイン、及び基板を一つのパッドに、ゲートを他のパッドにそれぞれ接続した、2端子のTEGパターンを示している。ただし、本実施の形態はこの例に限定されるものではなく、例えば、ソース、ドレイン、基板、及びゲートをそれぞれ別のパッドに接続した4端子のTEGパターンとしても良い。そのTEGパターンは、各チップ上に設けられていてもよいし、複数のチップ間のスクライブ線上に設けられていてもよい。
【0029】
記憶部14は、予め求められたゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及びゲート絶縁膜中の不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係(例示:図4〜図7で表される関係など;後述)を格納している。これらの関係(関係式)は、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、ゲート絶縁膜の種類、及び、不純物の種類によって、異なる係数を示す。従って、ある特定の不純物について、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類の各々について、条件を変化させて関係式(係数)を予め求めておく。記憶部14は、予測方法を実行して不純物量を予測するときの各条件に対応して、適切な関係式(係数)を選択できるように、その予め求めたデータを格納している。
【0030】
予測部12は、記憶部14に格納されたゲート絶縁膜中の不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係と、測定部11により測定されたTDDB寿命及び反転膜厚とに基づいて、モニタパターンのゲート絶縁膜中の不純物量(X)を、対象トランジスタのゲート絶縁膜中の不純物量(X)として予測する。予測方法の詳細については後述される。
【0031】
特定部13は、測定部11及び予測部12がTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)の測定及び不純物量(X)の予測を、ウェハ上の複数の点で実施した結果に基づいて、ウェハ上の不純物量の分布を特定する。この場合、上記モニタパターン(TEGパターン)がウェハ上の各チップごと又はショットごとに少なくとも一つ設けられているか、あるいは複数のモニタパターン(TEGパターン)がチップ間のスクライブ線上に分散して設けられていることが好ましい。
【0032】
次に、本発明の実施の形態に係る不純物量の予測方法に関する原理について説明する。ここでは、トランジスタのゲート絶縁膜をSiOx膜、ゲート絶縁膜又はその近傍に導入される不純物を金属元素の一つであるHf(ハフニウム)とした場合を例に挙げて説明する。このような金属元素は、ゲート絶縁膜をhigh−k膜にすることが出来、閾値電圧の制御や、オフリークの低減等を図ることができる。そのような金属元素としては、Hf、Zr、Al、La、Pr、Y、Ti、TaおよびWが例示される。また、その他のゲート絶縁膜としてはSiOxやSiOxNy膜が例示される。
【0033】
ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係については、予め実験により求められ、記憶部14に格納されている。
求める方法としては、ウェハ上に、X線分析評価等用の不純物量評価用の数μmφ以上のX線分析評価TEGパターンと、製品ウェハ上に設けるモニタパターンと同じモニタパターンとを設け、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、ゲート絶縁膜の種類、及び、不純物の種類などの各条件を個別に変化させた上で、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)とを計測する。そして、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係を求める。例えば、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、ゲート絶縁膜の種類、及び、不純物の種類を一定とし、測定時の温度を変化させて、各温度において、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)とを計測する。不純物量(X)は、X線分析評価TEGパターンにてX線分析評価手法により計測する。それにより、各温度での、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係を求める。
【0034】
なお、ゲート絶縁膜中の不純物量(X)については、X線分析評価手法以外に、ゲート絶縁膜の破壊検査(例示:飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、レーザーアブレーションICP質量分析法(Laser Ablation Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry:LA−ICP−MS))により計測することもできる。また、TDDB寿命(η)については、使用時の電圧よりも高い電圧を印加して加速試験的に求める。
【0035】
これらの計測により、不純物ごとに、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類の各々について、条件を変化させたときのゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)関係式(係数)を求めておく。
【0036】
図4〜図7は、そのような計測結果の例を示している。
図4は、ゲート絶縁膜の膜厚ToxとTDDB寿命(η)との関係の一例を示すグラフである。縦軸はTDDB寿命ln(η)(任意単位)、横軸はゲート絶縁膜の膜厚Tox[nm]である。図4の直線Aで示されるように、ゲート絶縁膜の膜厚Toxが厚いほど、TDDB寿命ηは長いという直線的な傾向である。この場合、Toxとηとの関係は、
η=a1・exp(b1・Tox) …(1)
のように表現できる。ここで、a1、b1は、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0037】
図5は、ゲート絶縁膜中のHf量XHfとTDDB寿命ln(η)との関係の一例を示すグラフである。縦軸はTDDB寿命ln(η)(任意単位)、横軸はゲート絶縁膜中のHf量XHf[atoms/cm]である。図5の直線Bで示されるように、Hf量XHfが多いほど、TDDB寿命ηは短いという直線的な傾向である。これは、Hfによりトラップサイトが増加することによるものとされている。この場合、XHfとηとの関係は、
η=a2・exp(−b2・XHf) …(2)
のように表現できる。ここで、a2、b2は、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0038】
図6は、ゲート絶縁膜の膜厚Toxと反転膜厚Tinvとの関係の一例を示すグラフである。縦軸は反転膜厚Tinv[nm]、横軸はゲート絶縁膜の膜厚Tox[nm]である。図6の直線Cで示されるように、ゲート絶縁膜の膜厚Toxが厚いほど、反転膜厚Tinvが厚いという直線的な傾向である。この場合、ToxとTinvとの関係は、
Tinv=c1・Tox+d1 …(3)
のように表現できる。ここで、c1、d1は、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0039】
図7は、ゲート絶縁膜中のHf量XHfと反転膜厚Tinvとの関係の一例を示すグラフである。縦軸は反転膜厚Tinv[nm]、横軸はゲート絶縁膜中のHf量XHf[atoms/cm]である。図7の直線Dで示されるように、Hf量が多いほど、反転膜厚Tinvが厚いという直線的な傾向である。この場合、XHfとTinvとの関係は、
Tinv=c2・XHf+d2 …(4)
のように表現できる。ここで、c2、d2は、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0040】
以上のような関係を利用して、反転膜厚TinvとTDDB寿命ηとからHf量XHfを特定する。ただし、反転膜厚TinvとTDDB寿命ηを測定するためには、各ショットもしくはチップ毎に1個以上の反転膜厚Tinv及びTDDB寿命ηを測定可能なモニタパターンが必要である。また、ウェハ上の分Hf量XHfの布を測定するためには、ウェハ上にそのモニタパターンを分布させる必要がある。
【0041】
反転膜厚TinvとTDDB寿命ηとによりHf量XHfを特定するためには、図4〜図7に例示されるような、Hf量XHfとTDDB寿命η及び反転膜厚Tinvとの関係、ゲート絶縁膜の膜厚ToxとTDDB寿命η及び反転膜厚Tinvとの関係が事前に判明していることが前提となる。本実施の形態では、上述のようにそれは予め求められ、記憶部14に格納されている。
それぞれの関係式は、上述のように式(1)〜(4)のようなる。
η=a1・exp(b1・Tox) …(1):再掲
η=a2・exp(−b2・XHf) …(2):再掲
Tinv=c1・Tox+d1 …(3):再掲
Tinv=c2・XHf+d2 …(4):再掲
【0042】
式(1)、(2)の関係から、ηとTox及びXHfとの関係は、式(5)のように書くことができる。
η=a・exp(b1・Tox)・exp(−b2・XHf) …(5)
ここで、a、b1、b2は、図4〜図7に例示されるようなグラフを求める元となった実際のデータより計算することができる。これら、a、b1、b2は、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0043】
また、式(3)、(4)の関係から、TinvとTox及びXHfとの関係は、式(6)のように書く事ができる。
Tinv=c1・Tox+c2・XHf+d …(6)
ここで、c1、c2、dは、図4〜図7に例示されるようなグラフを求める元となった実際のデータより計算することができる。これら、c1、c2、dは、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。
【0044】
このとき、評価対象のToxが分からなくても、XHfを求められるようにするため、式(6)を式(7)のように変形し、式(5)に代入すると式(8)となる。
Tox=(Tinv−d−c2・XHf)/c1 …(7)
η=a・exp(b1・(Tinv−d−c2・XHf)/c1)・exp(−b2・XHf) …(8)
【0045】
式(8)よりXHfについて求める形とすると、式(9)を経て式(10)となり、ηとTinvによりXHfを特定することができる。
ln(η)=ln(a)+b1・(Tinv−d−c2・XHf)/c1−b2・XHf …(9)
Hf=(c1・ln(a)+b1・(d−Tinv)−c1・ln(η))/(b1・c2+c1・b2)
=α1+α2・(α3−Tinv)−α4・ln(η) …(10)
ただし、α1、α2、α3、α4は、以下の式で表される係数である。
α1=c1・ln(a)/(b1・c2+c1・b2)
α2=b1/(b1・c2+c1・b2)
α3=d
α4=c1/(b1・c2+c1・b2)
すなわち、α1、α2、α3、α4は、図4〜図7に例示されるようなグラフを求める元となった実際のデータより計算することができ、その測定条件(不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類)で定まる係数である。その係数又は係数を含む式(10)は、既述のように測定条件ごとに記憶部14に格納されている。
【0046】
このように、トランジスタレベルのモニタパターンを使用し、反転膜厚TinvやTDDB寿命ηを測定し、測定条件に対応した式(10)に代入することで、Hf量XHfを予測することができる。
【0047】
次に、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の動作(不純物量予測方法)について説明する。
図8は、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の動作(不純物量予測方法)を示すフロー図である。ここでは、製品ウェハ面内での不純物量(例示:Hf量XHf)のばらつきを見るために、各チップや各ショット、あるいは各スクライブ線上などに少なくとも一つのモニタパターンが搭載され、製品ウェハ全体にモニタパターンが分布して配置されているとする。
【0048】
また、予め以下の測定が行われ、上述の所定のデータが記憶部14に格納されている。すなわち、ウェハ上に、製品ウェハ上に設けるモニタパターンと同じモニタパターンを設け、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、ゲート絶縁膜の種類、及び、不純物の種類などの各条件を個別に変化させた上で、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)とを計測する。そして、ゲート絶縁膜の膜厚(Tox)及び不純物量(X)とTDDB寿命(η)及び反転膜厚(Tinv)との関係を求める。それらの結果が、記憶部14に格納される。
【0049】
不純物量予測装置1の測定部11は、テスタを用いて、各チップもしくはショットに搭載された測定用のモニタパターンにおいて、TDDB寿命ηと反転膜厚Tinvを測定する(ステップS1)。
具体的には、まず、測定部11は、ユーザ入力により、不純物の種類、ゲート絶縁膜の面積、測定時に印加する電圧、測定時の温度、及びゲート絶縁膜の種類などの測定条件を取得する。次に、測定部11は、その測定条件の下、製品ウェハ内の図3のモニタパターンにおいて、二つのパッドを用いて、ゲート絶縁膜の容量Cgateを測定する。そして、そのCgateを用いて、ゲート絶縁膜がSiOであると仮定した場合の反転膜厚Tinvを上記換算式(0)を用いてを算出する。続いて、測定部11は、同じモニタパターンにおいて、測定時に印加する電圧の一定印加により、ゲート絶縁膜が破壊するまでの時間を計測し、その時間をTDDB寿命ηとする。
【0050】
予測部12は、記憶部14に格納されたゲート絶縁膜中の不純物量XHfとTDDB寿命η及び反転膜厚Tinvとの関係と、測定されたTDDB寿命ηと反転膜厚Tinv及びに基づいて、モニタパターンのゲート絶縁膜中の不純物量XHfを、対象トランジスタのゲート絶縁膜中の不純物量XHfとして予測する(ステップS2)。
具体的には、予測部12は、測定条件に対応した上記式(10)の係数α1〜α4を記憶部14から取得して、測定条件に対応した上記式(10)を完成させる。そして、その式(10)に、測定されたTDDB寿命ηと反転膜厚Tinvを代入して、その測定条件における不純物量XHfを算出する。ただし、予測部12は、測定条件に対応した係数α1〜α4を含む上記式(10)を記憶部14から取得しても良い。
【0051】
予測部12は、製品ウェハ面内の全点(全てのモニタパターン)について、TDDB寿命ηと反転膜厚Tinvを測定し(S1)、不純物量XHfを算出したか(S2)を判定する(ステップS3)。製品ウェハのどの位置にモニタパターンがあるかは、測定開始前に予め設定されている。製品ウェハ面内全点について測定及び算出が終了していない場合(ステップS3:No)、プロセスはステップS1へ戻る。製品ウェハ面内全点について測定及び算出が終了している場合(ステップS3:Yes)、プロセスはステップS4へ進む。
【0052】
特定部13は、測定部11及び予測部12がTDDB寿命η及び反転膜厚Tinvの測定(S1)及び不純物量XHfの予測(S2)を、製品ウェハ上の全点(全てのモニタパターン)で実施した結果に基づいて、ウェハ面内での不純物量XHfの分布を特定する(ステップS4)。
【0053】
以上のようにして、本発明の実施の形態に係る不純物量予測装置の動作(不純物量予測方法)が実施される。
【0054】
本実施の形態により、物理分析手法(全反射蛍光X線分析やX線光電子分光分析など)を使用することなく、トランジスタレベルのモニタパターンを使用し、反転膜厚Tinvの測定やTDDB寿命ηの測定などの電気的な測定手法を用いるだけで不純物量(例示:XHf)のモニタが可能となる。それにより、専用のウェハを使用することなく、製品ウェハにおいて、製品ウェハにおけるトランジスタ寸法での、Hf等の不純物量を予測することができる。
【0055】
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
【符号の説明】
【0056】
1 不純物量予測装置
11 測定部
12 予測部
13 特定部
14 記憶部
20 評価対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命及び反転膜厚として第1寿命及び第1膜厚を測定するステップと、
予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量とTDDB寿命及び反転膜厚との関と、測定された前記第1寿命及び前記第1膜厚とに基づいて、前記半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測するステップと
を具備する
不純物量予測方法。
【請求項2】
請求項1に記載の不純物量予測方法において、
前記測定するステップと、前記予測するステップとは、前記半導体基板上における前記パターンを含む複数のパターンで実施され、
前記複数のパターンにおける前記予測された不純物量に基づいて、前記半導体基板上での前記不純物量の分布を特定するステップを更に具備する
不純物量予測方法。
【請求項3】
請求項1に記載の不純物量予測方法において、
前記関係は、不純物量をX、TDDB寿命をη、及び反転膜厚をTinvとし、α1、α2、α3、α4を係数としたとき、
X=α1+α2・(α3−Tinv)−α4・ln(η)
である
不純物量予測方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の不純物量予測方法において、
前記測定するステップと、前記予測するステップとは、論理回路又は周辺回路のトランジスタと同じ構造である前記パターンに対して行われる
不純物量予測方法。
【請求項5】
半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命及び反転膜厚として第1寿命及び第1膜厚を測定する測定部と、
予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量とTDDB寿命及び反転膜厚との関係(式を格納する記憶部と、
前記記憶部に格納された前記関係と、測定された前記第1寿命及び前記第1膜厚とに基づいて、前記半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測する予測部と
を具備する
不純物量予測装置。
【請求項6】
請求項5に記載の不純物量予測装置において、
特定部を更に具備し、
前記測定部及び前記予測部は、前記第1寿命及び前記第1膜厚の測定及び前記不純物量の予測を、前記半導体基板上における前記パターンを含む複数のパターンで実施し、
前記特定部は、前記複数のパターンにおける前記予測された不純物量に基づいて、前記半導体基板上での前記不純物量の分布を特定する
不純物量予測装置。
【請求項7】
請求項5に記載の不純物量予測装置において、
前記関係は、不純物量をX、TDDB寿命をη、及び反転膜厚をTinvとし、α1、α2、α3、α4を係数としたとき、
X=α1+α2・(α3−Tinv)−α4・ln(η)
である
不純物量予測装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の不純物量予測装置において、
前記測定部及び前記予測部は、論理回路又は周辺回路のトランジスタと同じ構造である前記パターンに対して測定及び予測を行う
不純物量予測装置。
【請求項9】
測定部と記憶部と予測部とを備える不純物量予測装置としてのコンピュータに不純物量予測方法を実行させるプログラムであって、
前記測定部が、半導体基板上に設けられたトランジスタのパターンを用いてTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown)寿命及び反転膜厚として第1寿命及び第1膜厚を測定するステップと、
前記予測部が、前記記憶部に格納された、予め求められたゲート絶縁膜中の不純物量とTDDB寿命及び反転膜厚との関係と、測定された前記第1寿命及び前記第1膜厚とに基づいて、前記半導体基板内のゲート絶縁膜中の不純物量を予測するステップと
を具備する前記不純物量予測方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記不純物量予測装置は、特定部を更に具備し、
前記測定するステップ及び前記予測するステップは、
前記測定部及び前記予測部が、前記第1寿命及び前記第1膜厚の測定及び前記不純物量の予測を、前記半導体基板上における前記パターンを含む複数のパターンで実施し、
前記プログラムは、
前記特定部が、前記複数のパターンにおける前記予測された不純物量に基づいて、前記半導体基板上での前記不純物量の分布を特定するステップを更に具備する
プログラム。
【請求項11】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記関係は、不純物量をX、TDDB寿命をη、及び反転膜厚をTinvとし、α1、α2、α3、α4を係数としたとき、
X=α1+α2・(α3−Tinv)−α4・ln(η)
である
プログラム。
【請求項12】
請求項9乃至11のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記測定するステップ及び前記予測するステップは、
前記測定部及び前記予測部が、論理回路又は周辺回路のトランジスタと同じ構造である前記パターンに対して測定及び予測を行う
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−249353(P2011−249353A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117500(P2010−117500)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】