説明

不織製品用の流体透過性ベルト

【課題】テクスチャー付けした不織製品を作るための布構造物の提供。
【解決手段】その布構造物は、空気および水に対して透過性がある。そのウェブ接触面には、一連の盛り上がったランド領域と、関連するくぼみとを含むパターンがある。それらのパターンは、その上に製造する不織製品に対しテクスチャーを付与する。そしたまた、布構造物は、布表面から構造物の内部へおよび/または通して、水および/または空気の両方を通すようになった一連の貫通空所を備える。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2008年9月11日出願の米国仮特許出願第61/096,149号を基礎にするものであり、それによる優先権の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
この発明は、ベルトあるいはスリーブ形態のエンドレスつまり無端の構造物であって、不織製品の製造に用いるものに関する。さらに詳しくは、この発明は、模様付け、マーク付け、構造付け、あるいはテクスチャー付けをした不織製品の製造に用いるベルトやスリーブなどのサポート部材に関する。
【背景技術】
【0003】
不織製品の製造は、良く知られた技術である。そのような製品は、織りや編み操作のような一般的な織物手法なしに、繊維から直接製造する。そうしないで、たとえば、エアレイド、ドライレイド、そしてカーディングなどの不織製法によって不織製品を製造し、または、これらの処理の組合わせにより、繊維をすいて統合した不織ウェブを形作ることができる。
【0004】
不織製品は、また、エアレイド、あるいはカーディング操作によって製造することができる。その場合、繊維ウェブは、堆積した後、ニードルあるいはスパンレース(ハイドロエンタングル)によって、不織製品へと統合あるいは処理加工される。後者の場合、ウェブ上に高圧の水噴射を垂直に吹き付け、繊維同士を絡ませる。この処理については、このセクションの後の部分でより詳しく述べる。ニードルの場合、あごのあるニードルの往復ベッドを用いることにより、機械的に絡み合いを成し遂げる。ニードルは、侵入ストロークのとき、ウェブ表面の繊維をさらに中へと押し込む。
【0005】
不織製品、たとえばスパンボンドウェブを製造する装置が現存する。スパンボンドウェブは、一般的に熱可塑性樹脂で構成されるフィラメントあるいは繊維が形作る構造物あるいは品物である。米国特許第5,814,349号が、そのような装置を示す。その特許が示す内容を、参照によってここに一体に含ませる。そのような装置は、一般に、カーテン状の糸条を生じる紡糸口金と、そのカーテン状の糸条にプロセス空気を吹き付け、糸条を冷却して熱可塑性フィラメントにする空気ブロワとを含む。熱可塑性フィラメントは、その後、空気力学的にプロセス空気の流入を受けて延伸され、そして、ディフューザを通過した後、連続的に流れるベルトあるいはスクリーン(流体透過性布)上に堆積し、相互に絡み合ったフィラメントを集めてその上にウェブを形成する。そのように形成したウェブ、構造物あるいは品物は、それから移動し、さらなる処理を受けることになる。
【0006】
不織材料を製造するメルトブローン処理において、熱可塑性ポリマーは押出機の中に位置し、ダイ幅1インチ(つまり、2.54cm)当たりおよそ20〜40の小さなオリフィスを含むリニアダイを通過する。集中した熱風の流れが、押し出されたポリマーの流れをたちまち細めて、固体化したフィラメントを形成する。ついで、固体化したフィラメントを高速気流によって、テークアップスクリーンまたは織りあるいは不織材料の他の層上へと吹き飛ばし、そうしてメルトブローンウェブを形成する。
【0007】
スパンボンドとメルトブローンの処理とを、たとえば、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド(「SMS」)のように、使用時に組み合わせることができる。SMSにおいて、スパンボンド材料の第1層は、ベルトあるいはコンベヤ上に形成する。ベルトは、一般的に、同様な表面パターンおよび空気透過性をもち、それにより、スパンボンド処理のとき、的確なウェブ形成を成し遂げるようにしている。スパンボンド材料をベルト上、レイダウン形成領域に堆積し、第1のスパンボンドビームでウェブを形成する。
【0008】
プレッシャニップ、あるいは、ホットエアナイフを利用するシステムによって、ウェブに作用する予備結合圧力および/または温度を高めるように促進することができる。熱可塑性繊維を成形ベルト上に引き寄せることを助けるため、ベルトの真下に真空ボックスがあり、ベルトを吸引する。スパンボンド処理に必要な気流は、適切な大きさの真空ポンプに連結した真空ボックスによって、システムに供給する。
【0009】
エアレイド処理もまた、不織ウェブを形成するために用いる。エアレイド処理は、毛羽パルプを開くデフィブリレーションシステムから始まる。繊維を分離するために、一般的なファイバライザーあるいは他の裁断装置を用いることもできる。そして、吸収性材料の粒子(たとえば、超吸収パウダー)、研磨剤、あるいは他の材料を繊維に混合する。その後、混合物を形成システム内の気流中に浮遊させ、移動する形成ベルトあるいは回転する穴あきシリンダーの周囲(金属製あるいはポリマーのスリーブ)に堆積する。その後、気流でランダムに方向付けした繊維は、ラテックス結合剤を塗布し乾燥するか、あるいは熱的に接着する。
【0010】
一般に、不織製品の製造プロセスは、多年にわたり知られている。あるプロセスにおいて、堆積の後、繊維バットあるいはウェブを水の流れあるいは噴出で処理し、繊維が互いに絡まるようにし、ウェブの強度などの物理的特性を向上させる。水の噴出によるそのような処理技術は、長い間知られている。たとえば、米国特許第3,214,819号、第3,508,308号、および第3,485,706号に見ることができる。
【0011】
一般的に言えば、この方法は、加圧した水噴射の作用によって基本繊維を互いに交錯させることを含み、それは繊維状の構造物に針のように作用し、ウェブを形作る繊維の一部分を厚さ方向に新しい方向に向けることができる。
【0012】
そのような技術は、現在大きく発展し、織物用のいわゆる「スパンレース」あるいは「ハイドロエンタングル」構造物、特には、医療や病院用として、ふき取り、ろ過およびティーバッグの包みなどの製造に用いるだけでなく、たとえば紙、板紙、フィルム、プラスチックのような平らなシート、および規則的であり均質に得られる物品のような連続した媒体に小さな穴をあけることにも用いる。それらについては、米国特許第3,508,308号に見ることができ、また必要なら、繊維を新しい方向に向けることによって得るデザイン、それは美的に必要なものであるが、それについて米国特許第3,485,706号に見ることができる。
【0013】
「スパンレース」あるいは「ハイドロエンタングル」タイプの製品について、たとえば、異なるタイプの繊維から成る複数のウェブを組み合わせることによって、製品の最終的な特性を変えることができることが長い間知られている。異なるタイプは、たとえば、天然、人工あるいは合成の繊維、または平らなウェブであり、その中に繊維と不織の構造物に組み入れる補強材とを予め混ぜた(「スパンボンド」タイプなどのウェブ)ものである。
【0014】
米国特許第5,718,022号および第5,768,756号にそれぞれ対応する、フランス特許FR−A−2730246および2734285は、水噴射によって、疎水性の繊維あるいはそれらの繊維の混合物と、親水性の他の繊維あるいは全部が天然繊維から成る平らなウェブとをうまく処理する解決策を示している。
【0015】
一般的に言うと、それらの文献の技術によると、処理には、同じタイプか異なるタイプの基本繊維から成るベースを処理すること、このベースウェブを圧縮および湿らせること、そして、それからベースウェブに作用する、加圧した連続噴射を少なくとも一回当てることにより繊維を混ぜ合わせることを含む。
【0016】
このために、ベースウェブを運転中の無端で多孔性のサポート上に積極的に進ませる。そして、それは穴のあいた回転円筒形ドラムに行き、不完全真空が加わるそのドラムの内側に行く。ベースウェブは、多孔性のサポートと回転ドラム(これらは、事実上同じ速度で進む)との間で機械的に圧縮される。その圧縮区域のすぐ川下で、水カーテンがウェブ上に向かい、多孔性のサポート、圧縮ベースウェブおよび過剰な水を吸い込む穴の空いた支持ドラムを通して連続的に通り抜ける。
【0017】
基本繊維は、回転円筒形ドラムでもなお、圧縮し湿ったウェブによって、連続的に混ぜ合わされる。そのウェブは、高圧の水噴射を少なくとも一回浴びるという作用を受ける。一般に、結合を行うのは、連続的に複数回にわたる水噴射であり、水噴射はウェブの同一面に作用するか、2つの面に交互に作用するかのいずれかである。水噴射の圧力および速度は、ある噴射とその次のものとは異なり、通常、段階的に変わる。
【0018】
フランス特許2734285から分かるように、穴あきローラがランダムに分布した微小穴を備えることに留意すべきである。もし必要なら、最初の結合処理を終えた後、繊維状の不織構造物の反対側の面に第2の処理を施すことができる。
【0019】
スパンレースあるいはハイドロエンタングルタイプの製品を製造するプロセスにおいて、仕上げ製品に模様付けあるいはマーク付けをし、それにより製品に必要なデザインを作り出すことが求められる。この模様付けあるいはマーク付けは、一般に、第2のプロセスで作り出される。その第2のプロセスは、不織のシートの形成および巻上げプロセスとは別であり、カレンダーロールを用いる。それらのロールは、一般に高価であり、繊維状ウェブのある領域を圧縮し、必要な模様あるいはマークを作り出すという原理による。しかし、不織製品に模様あるいはマークを作り出すために別のプロセスを用いることには、いくつかの欠点がある。第1に、カレンダーロールに対する大きな初期投資が必要であり、製造者に経済的に正当と認められる操業の規模を制限することになる。第2に、分離した模様付けあるいはマーク付けに起因し、大きな処理コストを負うことになる。第3に、カレンダー処理で圧縮した後での製品厚さを保つため、必要とする材料量が多くなるであろう。最後に、2段階のプロセスによって、カレンダー処理による大きな圧縮に起因し、最終製品のバルク(かさ、比容積)を小さくする。このような公知の模様付け処理で作った今までの不織製品は、明確かつ充分に盛り上がった個所をもたず、目的の模様を見ることが困難である。加えて、今までの凹凸付けした不織製品における盛り上がり部分は、寸法的に安定せず、しかも、たとえば、取り扱いあるいは洗濯の際に力が加わると、三次元の構造を失ってしまう。
【0020】
米国特許第5,098,764号および第5,244,711号は、不織ウェブあるいは製品を製造するための最近の方法においてサポート部材を使用することを示している。サポート部材は、穴が配列していることに加えて、地形的に特徴をもつ形状である。このプロセスにおいて、スタート時の繊維ウェブをその地形的なサポート部材の上に置く。その上に繊維状のウェブを伴うサポート部材は、高圧の流体、一般に水の噴射する中を通過する。水の噴射によって、繊維は互いに絡まりかつもつれ、サポート部材の地形的な形状に基づいて特定の模様(パターン)になる。
【0021】
サポート部材における地形的な特徴および穴をもつ模様は、結果として生じる不織製品の構造物に不可欠である。さらに、流体噴射が安定した布を提供する新しい配列で繊維を再配列し絡ませる間、サポート部材は繊維状ウェブを支持するために充分な構造的な完全性および強度をもたなければならない。サポート部材は、流体噴射を受けるとき、大きな歪みを受けることがあってはならない。また、サポート部材には、交錯のための流体のかなり大きな量を取り除き、繊維状ウェブに「氾濫」が生じることを防ぐための手段がなければならない。「氾濫」は、有効に交錯させることに支障を来すことになる。一般的に、サポート部材には、繊維状ウェブの完全性を維持し、成型面から繊維が損失することを防ぐために、充分に小さな寸法にした排水開口がある。加えて、サポート部材には、ぎざぎざ、かぎ状あるいはそれに似た不整が実質的にあってはならない。それらは、交錯させた不織製品をサポート部材から取り外すことの障害になる。同時に、サポート部材は、その上で処理する繊維状ウェブの繊維を、流体噴射の影響で洗い出さないようにしなければならない。
【0022】
不織製品を製造するときに起こる主要な課題の一つは、バルク、手触り、外観などの特定の物理的特性を維持あるいは与えるとき、問題とする(流体噴射)適用によって、製品に機械的な特性を与えるため、構造物の結合を得るというものである。
【0023】
バルク、吸収性、強度、柔軟さ、そして美的な外観という特性は、目的とする用途に用いるとき多くの不織製品にとって実に大切である。そのような特性をもつ不織製品を製造ため、布について、シート接触面が地形的に変動するようにしばしば構成する。
【0024】
これらの布は、無端のループの形態であるか、あるいは、コンベヤのように働くようにすることができるし、または、シリンダ上に取り付けたスリーブのようにすることができる。さらに、不織の製造は、かなりの速度で進行する連続的なプロセスであることを理解されたい。すなわち、基本の繊維は、成形部分の成形布上に連続的に堆積し、また同時に、新しく作られた繊維あるいは層は、乾燥された後、ロールに連続的に巻き取られる。
製品を作り出す。
【発明の概要】
【0025】
この発明は、在来の布、ベルト、あるいはスリーブに代わる改良したそれらを提供するものであり、その上に製造する不織製品に対し、たとえばバルク、外観、織りの感じ(テクスチャー)、吸収性、強度、および手触りなどの必要な物理的な特性を与える。
【0026】
ここに開示する内容は、織り感(テクスチャー)を与えた不織製品を作るのに用いるベルトあるいはスリーブであり、その構造物は空気および/または水の両方を通す。
【0027】
さらに、その構造物は、ウェブ接触面に一連の凸部領域と関連する凹部領域とがある模様(パターン)があり、その上に製造する不織製品に織り感(テクスチャー)を与える。
【0028】
この発明は、別の観点からすれば、たとえば、貫通穴のように水あるいは空気のいずれか一方あるいは両方を通す空所をもつ構造物についても開示する。
【0029】
この発明は、さらに別の観点からすれば、空所が構造物中にあって、必要な特定のパターンになっているものを開示する。
【0030】
したがって、この発明の主な目的は、スパンレースあるいはハイドロエンタングル用のサポート部材であり、必要なパターンとなった空所を通る形態をもつベルトあるいはスリーブなどを提供することである。
【0031】
一つの実施形態において、布構造物は不織製品に模様付けするものであり、その構造物は空気と水を透過する性質があり、シート接触面には、その上に製造する不織製品に織り感(テクスチャー、模様)を与える、一連の凸部領域および関連する凹部領域を含む模様(パターン)、さらには、布の一方の面から他方の面まで水および空気を通す一連の貫通空所を備える。それらの空所の有効径は50μmよりも大きい。
【0032】
開示する布構造物は、いろいろある中でも、不透過性のベルトあるいはスリーブに比べて、脱水あるいは排水作用が大きい。さらには、穴は、滑らかで平らな不透過性のベルトあるいはスリーブに比べて、実際に最終製品(不織物)に織り感(テクスチャー)を与えることを促進する。
【0033】
この発明、それを用いることにより得る利点および具体的な目的をより良く理解するため、添付の図面を参照されたい。そこには、この発明の好ましい実施例を示している。図面中、対応する構成部分には、同じ符号を付けてある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明のサポート部材、ベルトあるいはスリーブを用いて不織製品を製造するための第1タイプの装置を示す模式図である。
【図2】この発明のサポート部材、ベルトあるいはスリーブを用いて不織製品を製造するための第2タイプの装置を示す模式図である。
【図3】この発明のサポート部材、ベルトあるいはスリーブを用いて不織製品を製造するための第3タイプの装置を示す模式図である。
【図4】織り基布の図解であり、互いに上下に織った糸が生じるランドおよびくぼみのパターンを示す。
【図5】布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜に彫ったくぼみのある布構造物の表面の図解である。
【図6】構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかであり、黒い領域がくぼみ、白っぽい領域が盛り上がったランドであり、円は貫通空所あるいは穴を示す。
【図7】被膜あるいは積層フィルムに織り感をもたせた多層の織り基布の一実施例を示す断面図である。
【図8A】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図8B】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図8C】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図8D】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図8E】彫りあるいは切削によって形成したランド領域および関連するくぼみのパターン図である。
【図9】十字模様の中に彫刻した被膜をもつベルトの図解である。
【図10A】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのパターン図である。
【図10B】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみの別のパターン図である。
【図10C】ランド領域、およびそれらランド領域のいくつかに貫通穴をもつくぼみのさらに別のパターン図である。
【図11A】不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示す。
【図11B】不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示し、そのシート接触側の面を示す図である。
【図11C】不織製品の製造に有用なコンベヤとして構成した布構造物を示し、その反対側の面を示す図である。
【図11D】図11Bに示すシート接触側の面のSEM写真である。
【図11E】図11Cに示す反対側の面のSEM写真である。
【図11F】図11Aの布構造物による水噴射の反射を示す図である。
【図11G】図11Aの布構造物に対する変形を示す図である。
【図12A】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図12B】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図12C】分岐構造の空所をもつ布構造物を示す。
【図13】所定の深さおよび形状をもつポケットパターンを含む透過性高分子フィルムを備える布構造物の上部(紙側)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
さて、以下、この発明の好ましい実施例を示す添付図面を参照しながら、この発明についてさらに詳しく説明する。しかし、この発明は、多くの異なる形態で実施することができ、ここに述べる実施例に限定して解釈されるわけではない。むしろ、これらの図示する実施例は、一貫して完全であり、当業者に対してこの発明の考え方を充分に伝えるであろう。
【0036】
用語として布および布構造物を用いるが、この発明の構造物を述べる上で、布、ベルト、コンベヤ、スリーブ、サポート部材、および布構造物は互いに交換可能である。
【0037】
この発明は、たとえば、図1に示す装置に用いるベルトなどの連続的なサポート部材を供給する。不織のサポート部材は、今までの織りサポート部材に代わる物として機能し、その上に製造する不織製品に必要な織りの感じ(テクスチャー)、手触りおよびバルクを与える。
【0038】
図1は、この発明のサポート部材を用いることにより、不織製品を製造するための一つのタイプの装置を模式的に示している。この装置において、多数の穴があいたコンベヤベルト70は、間隔をあけて配置した2つの回転ロール71,72の回りを連続的に動く。ベルトは、往復運動するか、または時計回りあるいは反時計回りのいずれかの方向に動く。ベルト70の上部広がり73の上方に、水噴出マニホールド74がある。このマニホールドは、複数の非常に微細な径の穴あるいはオリフィスをもつ。オリフィスの径は約0.007インチ(つまり、0.18mm)で1インチ(つまり、25.4mm)の長さ当たりそのような穴が約30ほどある。みずは加圧状態でマニホールド74に供給され、実質的に円柱状の逸れのない流れあるいは噴射になってオリフィスから噴出する。地形的(あるいは凹凸付けする)サポート部材75はベルト70の上部に位置し、繊維のウェブ76がサポート部材75の上に位置する。サクションマニホールド77は、水マニホールド74の真下であるが、ベルト70の上部広がり73の下方に位置する。このサクションマニホールドは、マニホールド74から噴出する水を取り除くようにし、繊維状ウェブ76に水が充満し過ぎないようにする。水は、予め定めた圧力でマニホールドに供給され、実質的に円柱状の逸れのない流れあるいは噴射になって繊維状ウェブ76の上部表面に衝突する。マニホールド74の下部表面74aから処理すべきウェブ76の上部表面までの距離は、マニホールド74のオリフィスから流出する水噴出が先に述べたように実質的に円柱状の逸れのない形態で繊維状ウェブ76に確実に接触するように充分に小さくする。この距離は様々であるが、一般的には、約0.75インチ(つまり、約1.9cm)である。水噴出は繊維状ウェブを通過し、それからサポート部材に設けた排水穴を通る。使い尽くした水は、サクションマニホールドを通して取り除く。
【0039】
図2は、この発明によるサポート部材を用いることにより、不織製品を連続的に製造するための装置を示している。図2の装置は、この発明による地形的(あるいは凹凸付けする)サポート部材として実際に働くコンベヤーベルト80を備える。そのベルトは、たとえば、その分野で良く知られた間隔をあけて配置した一対のローラの回りを、反時計回りに連続的に動く。ベルト80の上方には、複数のオリフィスのパイプあるいはグループにつながる流体噴出マニホールド79がある。各グループは、1列または2列以上の非常に微細な径のオリフィス、たとえばそれぞれが約0.007インチ(つまり、0.18mm)で1インチ(つまり、25.4mm)当たり30のそのようなオリフィスを備える。水は、予め定めた圧力でオリフィスのグループ81に供給され、非常に微細な実質的に円柱状の逸れのない流れあるいは噴射になってオリフィスから吐出する。マニホールドには、プレッシャゲージ88および制御弁87があり、それらによってオリフィスのパイプあるいはグループのそれぞれの流体圧を調節する。各オリフィスのパイプあるいはグループのすぐ下にサクションボックス82があり、過剰な水を取り除き、領域を不都合な浸水から守る。この発明の布に形作る繊維ウェブ83を、地形的(あるいは凹凸付けする)サポート部材のコンベヤーベルトに供給する。適切なノズル84を通して繊維状ウェブの上に水をスプレーし、入ってくるウェブ83を予め湿らせ、流体吐出マニホールドの下を通るように制御することを助ける。この水ノズルの下に、サクションスロット85が位置し、余分な水を取り除く。繊維状ウェブは、流体吐出マニホールドの下を反時計回りに通り過ぎる。特定のグループ81のオリフィスにおける圧力は、他のグループ81のオリフィスにおける圧力とは独立している。しかし、一般的に、スプレーノズル84に最も近接するオリフィスグループ81は、他と比べて低圧、たとえば100psi(psiはpound per squre inchを意味し、100psiは7kg/cmに相当する)。このことにより、入ってくるウェブをサポート部材の面上に据えることを助ける。ウェブが図2において反時計方向に通るとき、オリフィスグループ81が生じる圧力は通常大きくなる。オリフィスグループ81について、隣のものよりも時計方向における後のものの圧力を高圧にすることは必ずしも必要としない。たとえば、2または3以上の近接するオリフィスグループ81を同じ圧力にし、その後に続くオリフィスグループ81(反時計方向)を異なる圧力にすることができる。ごく一般的には、ウェブを取り外すコンベヤーベルトの端部の作動圧力は、ウェブをコンベヤーベルトに最初に供給する作動圧力よりも高い。図2には6つのオリフィスグループ81を示すが、この数は重要ではなく、ウェブの重量、用いる速度、圧力、各グループの穴列の数などによって、オリフィスグループ81の数は定まる。流体吐出マニホールドとサクションマニホールドとの間を通った後、成形された不織のウェブは、追加的なサクションスロット86上を通って余分な水を取り除く。オリフィスグループ81の下部の面から繊維状ウェブ83の上部の面までの距離は、一般的に、約0.5インチ(つまり、約1.3cm)〜約2.0インチ(つまり、約5.1cm)の範囲であり、好ましくは、約0.75インチ(つまり、約1.9cm)〜約1.0インチ(つまり、約2.5cm)の範囲が良い。ウェブがマニホールドに接触するような近くに置くことができないことは明らかである。他方、オリフィスグループの下部の面とウェブの上部の面との距離を過剰に大きくすると、流体の流れがエネルギーをロスし、処理効果が小さくなってしまう。
【0040】
この発明のサポート部材を用いることにより不織の布を製造する他の装置を、図3が模式的に示す。この装置において、地形的(あるいは凹凸付けする)サポート部材は、回転ドラムスリーブ90である。ドラムスリーブ90の内側のドラムは、反時計方向に回転する。ドラムスリーブ90の外側の面には、必要とする凹凸のサポート形状がある。ドラムの周囲の一部にマニホールド89が配置されており、マニホールド89に複数のオリフィスストリップ92がつながる。オリフィスストリップ92は、湾曲したプレートの外側の面に位置する繊維状ウェブ93に対し、水あるいは他の流体を当てるためのものである。各オリフィスストリップには、非常に微細な穴、あるいはすでに述べたタイプの開口の1列あるいは2以上の列がある。一般的に、開口の径は、約5/1000〜10/1000インチ(つまり、約0.013cm〜0.025cm)である。それらは、1インチ(つまり、2.54cm)当たり50あるいは60の穴、または必要な場合にはそれ以上の多くの穴である。水や他の流体が、各列のオリフィスを通して向かう。一般的には、すでに述べたように、各オリフィスグループの圧力は、その内側を繊維状ウェブが通る最初のグループから最後のグループへと増大する。適切な制御弁97によって、圧力の制御を行い、プレッシャゲージ98で監視する。ドラムは集水孔94につながり、その集水孔は真空に引かれ、水を取り除いてその領域が水浸しにならないようにする。作動するとき、繊維状ウェブ93は、図3に示すように、凹凸のあるサポート部材の上部面に置かれた後で、水吐出マニホールド89に達する。繊維状ウェブは、オリフィスストリップの下を通り、この発明によって不織の布へと形作られる。形成された不織製品は、その後、装置の部分95の上を通るが、その部分95にはオリフィスストリップはないが、連続的に真空が引かれている。脱水された後、不織製品はドラムから取り除かれ、一連の乾燥筒96の周りを通り乾燥される。
【0041】
さて、サポート部材の構造に目を向けよう。サポート部材は、貫通空所によって模様付けあるいは凹凸付けがなされている。貫通空所は、他のものもあるが、幾何学的特徴を含み、その特徴は、そのサポート部材上で製造するとき、不織製品あるいはシート/ウェブに対し、増大したシート地形およびバルクを与える。このサポート部材の別の利点は、サポート部材から乾燥シリンダーにウェブを容易に取り外すことができることである。さらに別の利点は、今まで一般的な織機への強制および必要性を回避することである。なぜなら、貫通空所を必要な位置に配置し、そうして、シート/ウェブの外観美を良くすることができるからである。
【0042】
さらに、この発明によって構成するサポート部材は、より深いポケットという結果を生じ、より高いバルク吸収性およびより小さな密度をもつ不織製品を結果として生み出す。用語「貫通空所」については、用語「貫通穴」と同じ意味と理解することができる。それは、ベルトあるいはスリーブなどのサポート部材を完全に貫通する開口を意味する。ここで言うサポート部材は、限定するわけではないが、ベルトあるいはコンベヤーなどの工業用の布、および特に不織の製造に用いるスリーブあるいは円筒形ベルトを含む。
【0043】
布構造物は、その構造物が空気および水に対して透過性があれば、必要な不織製品を作るために、この発明のサポート部材、ベルトあるいはスリーブとして用いることができる。その構造物は、不織製品に織り感(テクスチャー)を与えるための一連の盛り上がったランド領域とくぼみを含むパターンをもつウェブ接触面を備える。また、布構造物は支持基布を含み、その基布は1または2以上の織り材料から構成することができる。織り材料には、織ったり、あるいは不織の支持基布(つまり、ベース布)のどれをも含む。たとえば、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、上に挙げた種類のどれかをらせん巻きしたストリップ、独立のリング、および押出し成形した他の構成要素などがある。たとえば、織り材料は、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリマー、あるいは金属、またはポリマーと金属との組合せから作ることができる。
【0044】
別の実施例であるが、図4は織り基布の一実施例の図解であり、糸を互いに上下に織ったときにMD糸が生じるランド22と、そのランド22の間に伴うくぼみ23とのパターンを示す。そのような基布は、たとえば、縦糸の長いナックルアップ織り、あるいは縦糸の長いナックルダウン織りなどの多くの織り形態を取ることができる。そのような織りの例について、米国特許第6,769,535号が示す。その特許の全体を参照によってここに組み入れる。布の全体の構造物、あるいは正に支持基布には、また、帯電防止特性を含むようにすることができる。というのは、帯電防止あるいは静電散逸の特性は、メルトブローのような「乾式」プロセスで不織製品を製造する際の要素であるからである。
【0045】
図5は、その中に一体となった空所を伴う布構造物の表面を示す他の実施例である。図に示すように、くぼみは溝35であり、その溝は布、スリーブあるいはベルトのフィルムあるいは被膜などの表面材料に刻んである。表面材料は、液体あるいは溶融粉末、積層フィルムあるいは溶けた繊維から形成した被膜にすることができ、たとえば、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは発泡体(フォーム)を用いて形成することができる。たとえば、被膜は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂またはフッ化炭化水素を含む被膜にすることができ、さらにまた、高分子あるいはセルロース繊維で補強したり、あるいは、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、ウェブの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。
【0046】
布構造物は、空気および水を通し、穴のような一連の空所を含む。それらの空所は、水および/または空気を布の表面から構造物を貫通して通す。空所は、有効径が50μmよりも大きい。穴の有効径は0.2mmよりも大きいのが好ましい。空所を穴として説明しているが、ここで述べるように、空所には多くの構成を含む。穴は、水および/または空気を構造物の表面からその内部を貫通して通すように作る。穴は同じ大きさにしたり、あるいは異なる大きさにすることができる。また、穴は、窪みの中にだけ位置するように(たとえば、図6参照)形成することができる。しかし、布構造物は、また、穴がランド領域の中にだけ位置するようにしたり、ランド領域とくぼみとの両方に位置するようにすることもできる。穴をランド領域とくぼみとの両方に位置させる場合、ランド領域の穴の大きさをくぼみの穴の大きさと異ならせることができる。たとえば、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも大きくしたり、あるいは、ランド領域の中の穴をくぼみの中の穴よりも小さくすることができる。別の実施例では、穴の大きさについて、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも小さくするようにしている。他方、穴の表面部分を穴の内部あるいは下部よりも大きくすることができる。穴は、また、円柱形状にすることもできる。布構造物の穴をすべてランド領域に位置するようにすることができる。穴は、機械的な打抜きあるいはレーザーによる穴あけなど、多くの方法で作ることができる。布構造物は、また、被膜/フィルム表面がZ方向(つまり、厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があるようにすることができるし、また、弾力性があるようにすることができる。
【0047】
一実施例において、布構造物は、複合のテクスチャーを備える表面パターンを含む。複合のテクスチャーは、表面材料に形成したランド領域と、関連するくぼみとから構成される第1のテクスチャーを含む。くぼみは、たとえば、樹脂被膜、フィルムあるいは発泡体などの表面材料を切削加工、エンボス加工、彫刻、あるいはレーザー彫りによって形成する。第2のテクスチャーは、基布の織物材料や基布の織物材料のすき間によって形成される。織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)で構成することができる。たとえば、織物材料を糸から織ったり、あるいは互いにつながったらせんリンクで形成する場合、第2のテクスチャーは、糸あるいはらせんリンク、および基布の糸あるいはらせんリンク間のすき間によって形成される。ここで述べる表面材料には、被膜、フィルム、溶融繊維、溶融粒子、あるいは発泡体を含む。表面材料は充分な柔軟性をもっているため、たとえば、織り基布に当てると、表面材料はナックルを含む形となって織り表面を作り出す。表面材料がフィルムの場合(たとえば、ポリウレタンフィルム)、基布に当てると、充分に柔軟であるので、加熱により基布の形通りになる。たとえば、基布が織られているとき、フィルムは、織りパターン、ナックルおよびすべての形通りになる。しかし、フィルムが堅いとしたら(たとえば、強化ポリエステルフィルム)、そのフィルムは基布の表面の形にならず、むしろ高い位置で(たとえば、織り基布の場合、ナックル)フラットになり、その後に加工しなければならない平坦な表面を作る。布構造物において、穴は一方のテクスチャーのランド領域だけに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのランド領域に位置させることができる。また、穴は一方のテクスチャーだけのくぼみに位置させたり、あるいは、両方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。さらに別の変形として、穴は一方のテクスチャーのランド領域、および他方のテクスチャーのくぼみに位置させることができる。
【0048】
図6は、布構造物の表面を見下ろした図解であり、その表面はフィルムか被膜のいずれかである。黒い領域は彫ったくぼみ44であり、白っぽい領域が盛り上がったランド42であり、円は貫通空所あるいは穴46を示す。図解するように、穴46は、くぼみ44中にのみある。図6に示すように、表面パターンは同様であり、繰り返している。表面パターンのランド領域42は連続しているが、それらランド領域を分離した島になるようにすることができる。くぼみ44は分離したくぼみ44として示すが、くぼみを連続するようにすることもできる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、あるいはレーザー彫りなどの多くの方法で形成することができる。ランド領域およびくぼみをその上に示すが、それらを逆にしてくぼみの形をランド領域にし、これおよびここで述べた他の実施例と逆にすることができるのは明らかであろう。スリーブは、また、部分的にあるいは全体を膨らませた構造にすることができる。ここで、「膨らませる」とは、被膜ではなく、ベース基布の通しの厚さを部分的あるいは全体的に膨らませることである。
【0049】
見下ろす島の形状の表面パターンは、それがくぼみか、ランド領域であろうと、多くの形にすることができる。それには、丸、長円、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状を含む。連続するランド領域あるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線にしたり、横方向(CD)に一直線にしたり、MDあるいはCDにある角度をもたせたり、または、MDあるいはCD(各セット)に2つの異なる角度をもたせるようにすることができる。連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、曲線あるいは直線を描くようにすることができる。さらに、連続するランド領域あるいは連続するくぼみは、同じ布構造物上で曲線および直線の両方を描くようにすることができ、連続する領域は曲線および直線である部分をもつ。島のランド領域および連続するランド領域の断面形状は、多角形あるいは目的に適った他の形状を含む多数の形状にすることができる。断面とは、布を軸方向に沿って見ることを意味する。図6に示すように、分離したくぼみ44および連続するランド領域42は、MD方向に一直線である。くぼみおよびランド領域を長方形で示しているが、不織製品にロゴを形成するようなものを含み、多くの形状をとることができる。
【0050】
このように、構造物の表面については、多くの方法で作ることができる。その中には、構造物を作り出す製造時点でそれを直接成形すること、または、別の時点、たとえば布構造物のウェブ接触面あるいは側を後で彫刻(たとえば、レーザーによって)すること、あるいは米国特許第7,005,044号、7,008,513号、7,014,735号、7,022,208号、7,144,479号、7,166,196号、および7,169,265号が述べる精密樹脂堆積法を用いること、あるいは、米国特許第6,358,594号が示す押出し法を用いることを含む。それらの特許の開示内容を参照によって、ここにすべて組み入れる。布構造物を用いて、ティッシュ、タオルあるいは不織製品を製造する場合、意図するパターンは、機械の運転に対しウェブのバルクおよびテクスチャーを最適化するものである。
【0051】
図7は、被膜あるいは積層フィルムなどの表面材料52を付随する多層の織り基布53を示す一実施例の断面図である。被膜あるいはフィルムには十分な堅さをもたせ、布構造物がもつナックルの表面上にあるようにする。図7は、MD糸54とCD糸55とを含み、ベース布に針で縫ったバット(綿)繊維を含まない織り基布53を示す。図7に示すように、被膜/フィルム52が、バリア層58のある織り構造物53中にわずかに入り込んでいる。スリーブは、また、部分的にあるいは全体を膨らませた構造にすることができる。ここで、「膨らませる」とは、被膜ではなく、ベース基布の通しの厚さを部分的あるいは全体的に膨らませることである。被膜のような表面材料52は、また、多孔性あるいは多孔性の発泡体であり、布構造物50は、穴56によることを除いて、空気あるいは水を通さないようになっている。穴あるいは空所56は、不透過性のフィルム/被膜52を通過してオープンな織り構造物53へと空気および水の一方あるいは両方を通す。
【0052】
表面材料は、ハイソリッド含量を伴う耐久性の材料を含む。たとえば、その材料は、ポリウレタン、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、またはフッ化炭化水素を含有する被膜である。それらの各々に対し、高分子あるいはセルロース繊維で補強したり、いろいろな大きさの無機粒子(たとえば、nmオーダーの粒子)を入れることができる。粒子は、たとえば、布構造物に対し、ウェブの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する。その結果として生じる被覆布は、それによって表面に堅い被膜を含む。被膜は支持のための基布の内部に入り込まないが、複合の構造物を不透過性にする。被覆布は、その後、砂で磨いたり表面強化をし、滑らかな表面を得る。それから、たとえば、レーザー穴あけによって、布構造物に穴を形成する。レーザー穴あけでは、穴は被膜だけを貫通し、支持の基布の要素(たとえば、糸)を貫通することはない。その後、表面を加工して必要なテクスチャーを得、その結果生じる布構造物は、被膜に貫通穴のあり、表面がざらざらした被覆布である。その布の表面は、それによって耐久性があり、空気および/または水の両方を通すことができる。
【0053】
それにもかかわらず、表面材料は、どのような織り材料の支持のための基布をも被覆することができる。織り材料には、ベース構造物に針縫いしたバット(綿)繊維を伴う、織りおよび不織の両方のベース布を含む。たとえば、布構造物は、その布構造物の被覆した表面の下にバット繊維層を含む。バット層は、表面材料をそのバット層の中に入り込み、および/または少なくとも部分的に基布の中に入り込む。
【0054】
図8A〜8Eは、たとえば、刻みあるいは切削により形成したランド領域(陸)および関連するくぼみ(凹部)をもつパターン(模様)であり、シェードを付けた部分がランド領域を表す。図8Dは、ランド領域の中の空所あるいは穴66を示す。表面のパターンは、一様でなくランダムにするだけでなく、一様で繰り返し、一様でなく繰り返し、の形態にすることができる。上述したように(つまり、図6に関して)、表面パターンのランド領域62は、分離した島62あるいは連続した領域(図示しない)を含み、くぼみ64は、分離した島(図示しない)あるいは連続した領域64を含むことができる。島の形状は、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、あるいは他の多角形状にすることができる。図8Aのパターンは、cm当たりおよそ3つのランド領域62がある。図8Bおよび8Dのパターンは、およそ2.0x1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域62の列63a,63bをおよそ1.0mmだけ離す連続したくぼみ64とを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ1.0mmのくぼみ64aで分離されている。
【0055】
図8Cのパターンは、およそ0.5x1.0mmの大きさの長方形の分離したランド領域62と、それら分離したランド領域の列63a,63bをおよそ0.5mmだけ離す連続したくぼみ64aとを含む。ランド領域62の互い違いの列63aは、およそ0.5mmのくぼみ64aで分離されている。図8Eに示すパターンは、連続したランド領域62と、分離した正方形あるいはダイヤモンド形状のくぼみ64とが斜めに交差したパターンである。そこにおけるくぼみとランド領域とは、それぞれの幅がおよそ1mmであり、分離くぼみ64の面積はおよそ1.0mmである。
【0056】
図9は、十字模様に彫った被膜があるベルト170のダイヤグラムである。そこに示すように、一対の空所176が、凹所171の中に位置する。凹所71は、ある特定の位置で十字に交差している。こうして、空所176は、大体において、MDラインに沿って配置されている。空所176の配置は、また、結果として生じる不織製品のテクスチャー(模様付け)を与える。そのようなテクスチャーは、流体(空気あるいは水または両方)が模様付けすべき表面から構造物の残りの部分を通るように空所76を通り抜けるとき、繊維を部分的に再方向付けすることに起因して生じる。
【0057】
図10A〜10Cは、ランド182とくぼみ184とを含む異なるパターンであり、いくつかのランドを貫通する貫通穴186を伴う。連続するランド182あるいはくぼみ184は、MDについて一直線、CDについて一直線、または、MDあるいはCDに対して角度をもたせ、さらには、MDあるいはCDに対する二つの角度を異ならせるようにすることができる。二つのセットの角度は、同じにすることもできるし、異ならせることもできる。連続するランド182あるいはくぼみ184は、曲線あるいは一直線上にすることができる。また、連続するランド182あるいはくぼみ184について、両方を曲線および一直線上にすることができるし、また、それらの一部を曲線および一直線上にすることができる。くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫りのいずれによっても形成することができる。図10Aに示すパターンは、CDおよびMDの三つのパターンごとにcm当たりおよそ4つの穴86があり、一方、図10Bに示すパターンは、CDの二番目のパターンおよびMDの二番目のパターンごとにcm当たりおよそ7つの穴186があり、さらに、図10Cは、cm当たりおよそ12個の穴186がある例である。図10A〜10Cのそれぞれにおいて、空所186はランド領域182の中にあり、各ランド領域182は長方形の形の分離した島である。
【0058】
さらに別の実施例において、布構造物は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆した基布を含む。その基布は、織物材料により構成することができ、その構成は、複数の糸、MD糸配列、CD糸配列、MDおよびCDの両方の糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、あるいはブレード(編組)ベースの織り布いずれでも良い。ランド領域およびくぼみは、基布を作り上げる織物材料および織物材料の隙間で形成することができる。たとえば、ランド領域およびくぼみを、基布を作り上げる複数の糸あるいは互いにつながったらせんリンク、および糸あるいはらせんリンク間のすき間で形成することができる。ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す。たとえば、ランド領域の形を、事実上同じにしたり異ならせることができる。また、ランド領域の高さをほとんど同じか、異ならせることができる。ランド領域の幾何学的特徴を異ならせることもできる。これについては、ここで述べる他の実施例にも同様に当てはまる。そしてまた、穴について、ランド領域だけに位置させ、ランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がるように形成することができる。穴は、また、織物材料が作るランド領域間のくぼみ(つまり、すき間)の中だけに位置させることもできる。さらには、ランド領域、および糸あるいは織物材料の要素間のくぼみの両方に穴を位置させることもできる。
【0059】
図11A〜11Gに示すように、さらにまた別の実施例において、布構造物は不織製品の製造プロセスに用いる。しかし、この実施例は、スパンレース不織製品プロセスに用いる際に特に有益である。そのような実施例において、布構造物は、上述した適用をするために、空気透過性かつ水透過性のコンベヤを形成するように適合される。コンベヤを押出しあるいは積層体のフィルム191から作り、そのフィルムには、必要な通気性になるよう穴196をあけている。サポート構造物(図示しない)をフィルム191a,191bの一方あるいは両方の一面あるいは両面に取り付けることができる。これらの穴196は、およそ0.2mmからおよそ5.0mまでの異なる径にすることができる。そしてまた、穴196は、コンベヤの平面に関して、異なる角度となるように構成することができる。穴196の形は、丸、正方形、楕円あるいは星形などの特定の形にすることができる。
【0060】
図11Aに示すように、コンベヤの面上、穴196の位置については、一様にあるいはランダムに分布させることができる。穴196は、また、コンベヤの特定の領域で一定の密度にしたり、表面全体にわたって一様に分布させるようにすることもできる。それは、たとえば、製造すべき不織製品の必要条件による。また、空所196については、線の形態をとることができ、コンベヤを切削しあるいは彫ってパターンや文字を作り出す。コンベヤは、繊維補強(織りあるいは織らない)をしたり、あるいはせずに、高分子フィルム191a,191bの一層あるいは複数の層で製造することができる。布構造物については、また、ここですでに述べた基布のどの場合でも、複数の高分子フィルムの間にラミネートしたサンドイッチ構成として作ることができる。ラミネートする層は、織って作ったもの、あるいは不織のものである。この補強あるいは強化によって、布構造物の機械的な安定性が向上する。
【0061】
コンベヤの表面は、たとえばハニカム構造あるいは他の模様を刻み加工することにより、凹凸を作り出すために加工することができ、しかも/または、特定の被膜を処理し、たとえば静電散逸、あるいは耐汚れ性などを図ることができる。コンベヤの表面には、また、地形的な模様を刻んで異なるパターンを施すことができる。そしてまた、布構造物は、ドラム上に取り付けるスリーブ(収縮スリーブ)として、あるいは、無端あるいは縫合可能な布構造物として作ることができる。
【0062】
図11Fに示すように、このタイプのコンベヤを使用すれば、水噴射プロセス(ハイドロエンタングル)において、ありふれた織りベルトに比べて、エネルギーの反射の向上を図ることができる。その結果、たとえば、すき間や織り構造物の糸交差に捕らえられる繊維の侵入を防ぐだけでなく、繊維の交錯作用を向上することができる。このような繊維の交錯の向上および繊維の摘み取りの減少により、たとえば、そのコンベヤから不織製品をより好ましい状態で取り外し、あるいはプロセスの次の位置へと移送することができる。
【0063】
図11Gに示すように、布構造物の機械側は、表面に地形的凹凸、溝、あるいはモノフィラメント193の追加をすることができ、それにより、湿式プロセスの場合には排水の向上、あるいはまた、乾式プロセスの場合には空力作用を作り出すことができる。
【0064】
基布それ自体が、帯電防止あるいは静電散逸の特性をもつようにすることもできる。
【0065】
別の実施例において、布構造物は、ベース支持基布をもち、あるいはもたず、不織製品にテクスチャーを授けるために一連のランド領域およびくぼみならびに分岐空所を備える。ランド領域およびくぼみは、この中に示す方法および構造に合うように形成することができる。図12A〜12Cは、分岐空所あるいは開口を伴う布構造物10の表面および断面を示す。分岐空所あるいは開口には、ウェブ接触側に複数の小さな穴10a,10b,10c,10dがあり、それら小さな穴は傾斜して表面の反対側14で大きな空所10eに合流する。空所は直線(円柱形)あるいは円錐形である。たとえば、異なるパターンの円錐形の穴を、ウェブ接触面などの一方側に大きくかつ充分に分布させ、他方、反対側の機械側の面上の空所は事実上MD方向に沿うように一直線に並べ、それによって、たとえば排水効果を大きくする。
【0066】
この分岐した空所は、図に示すように一つの構造物の中に作ることができるし、ラミネートした基布に作ることもできる。空所については、たくさんの穴あけ方法あるいはそれらの組合わせによって、作ることができる。穴あけ方法として、レーザー穴あけ、機械的な打抜き、およびエンボス加工(たとえば、熱あるいは超音波)がある。たとえば、レーザー穴あけとエンボス加工との組合わせによって、空所を作ることができる。図12Cに示すように、第1側の4つの空所10a,10b,10c,10dが、第2の側の一つの空所10eに合流しているが、布構造物のどちら側についても、分岐空所の数および組合わせをどのようにもすることができる。
【0067】
別の実施例では、不織製品にテクスチャーを授けるランド領域およびくぼみを含むパターンをもつウェブ接触面を備える布構造物を示している。図13は、布構造物の表面110の上部あるいはウェブ接触側を見た図であり、所定の深さおよび形の定まったポケットパターンを含む透過性の高分子フィルムあるいは被膜がある。ポケットパターンは、表面にレーザーで刻み、切り目を入れ、彫刻するか、あるいはエンボス加工する。布構造物は、連続的なランド領域112および分離したくぼみ114をもち、それによって、深さをましている。それを暗い陰で示す。ランド領域112は、暗い陰になったくぼみ114よりも高い面に六角形のマトリックスあるいは格子を形成する。くぼみ114は、六角形114として示す所定の形となるように布構造物の表面に形成する。ポケット114の深さは、陰が暗くなるにつれて大きくなる。空所106は、表面一面に分布し、布構造物に流体透過性を与える。構造物には、また、今までの実施例で述べたように、布構造物に対する支持構造として働く織り基布を含むことができる。
【0068】
レーザー穴あけによって表面に次々にテクスチャー付けをすることによって、いろいろな形のポケット容量をもつ表面を作り出す。ポケットは、それにより、たとえば、スパンレース機械のウェブ起こし(ピックアップ)部分で用いる際、表面上のウェブを成形あるいは移すときウェブはパターンを伴う布構造物のミラー像の形態となる。それによって、繊維状ウェブが結果として形成する不織製品にバルク(比容積)をもたらす。
【0069】
ポケット114は、予め定めたどのようなパターンをも形成する。ポケット114は、また、たとえば、ダイヤモンド形状、不揃いの形状、チョウ、ネコの足、他の動物、ロゴなどいろいろな形状にすることができる。くぼみ114もまた、予め定めたどのような深さにもすることができる。ポケット114は、それに適合する繊維状マット領域を提供し、そうして、独特なパターンだけでなく、布構造物110上に製造する不織製品にZ方向の厚さ(バルク)を付加的に生み出す。「構造物」は、不織製品の坪量および/または密度の変化に関係する。それらは、普通の不織製造で起こるもの、およびたとえばクレープ付けで生じる普通の変化よりも大きい。しかし、「構造物」は、また、不織製品におけるテクスチャーあるいはパターンにも関係する。そのような「構造あるいは凹凸付けした」不織製品は、一般に、ソフトでかさがあり、大きな吸収性がある。この発明のベルトあるいはスリーブは、表面にパターン付けをする構造を備え、そして、補強する構造を備えることもできる。その上に製造する凹凸付けした不織製品は、よりソフトで、より吸収性があり、小さな坪量である。
【0070】
以上に述べたすべての実施例について留意すべきは、用途に応じてテクスチャー付けを布の表面全体にわたって行うようにしているが、テクスチャー付けを布の表面の一部あるいは複数個所だけにわたるように行うことができる点である。
【0071】
当業者は、以上に述べたことに対して変形や修正をすることができるが、それらの変化はこの発明の考え方を示すクレームの内容を越えることはない。
【符号の説明】
【0072】
10 布構造物
10a,10b,10c,10d 小さな穴
10e 大きな穴
22 ランド
23 くぼみ
35 溝
42 ランド領域
44 くぼみ
46 穴
50 布構造物
52 表面材料(被膜/フィルム)
53 基布
56 穴
62 ランド領域
64 くぼみ
66 穴
106 穴
110 布構造物の表面
112 ランド領域
114 くぼみ
182 ランド領域
184 くぼみ
186 空所(穴)
191 フィルム
196 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テクスチャー付けした不織製品を作るためにベルトあるいはスリーブとして用いる布構造物であり、その構造物は空気および/または水に対する透過性があり、次の構成を備える布構造物。
・不織製品にテクスチャーを付与するための一連の盛り上がったランド領域とくぼみとを含むパターンを備えるウェブ接触面
・布の表面から前記構造物の中へおよび/または通して水および/または空気が通ることを許すための一連の空所であり、有効径が50μmよりも大きい空所
【請求項2】
前記空所は、前記ランド領域の中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項3】
前記空所は、前記くぼみの中にだけある、請求項1の布構造物。
【請求項4】
前記空所は、前記ランド領域とくぼみとの両方の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項5】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所と異なる大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項6】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも大きい、請求項1の布構造物。
【請求項7】
前記ランド領域の中の空所は、前記くぼみの中の空所よりも小さい、請求項1の布構造物。
【請求項8】
前記空所は、同じ大きさである、請求項1の布構造物。
【請求項9】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で小さい、請求項1の布構造物。
【請求項10】
前記空所の大きさは、空所の内部あるいは下部よりも空所の表面で大きい、請求項1の布構造物。
【請求項11】
前記空所は、円柱形状である、請求項1の布構造物。
【請求項12】
前記空所は、機械的な打抜き、あるいはレーザー穴あけを含む手段で製造される、請求項1の布構造物。
【請求項13】
表面がZ方向(厚さ方向)にフレキシブルであり圧縮性があり、しかもまた、弾力性がある、請求項1の布構造物。
【請求項14】
前記表面に表面材料を備え、その材料は、被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループの中から選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項15】
前記構造物は、支持のための基布を含み、その基布が、織り糸、不織のもの、糸配列、らせんリンク、ニット、ブレード(編組)、らせん巻きストリップ、一連の独立のリング、および押出し成形した構成要素、または、それらの1あるいは2以上の組合わせから選ぶ織物材料で構成される、請求項1の布構造物。
【請求項16】
前記織物材料は、ポリマーおよび金属のグループから選ばれ、そのポリマーは、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエテレンナフタレート(PEN)のグループから選ばれる、請求項15の布構造物。
【請求項17】
前記被膜は、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ化炭化水素を含む被膜、ポリウレタンのグループから選ばれ、それらの各々が高分子あるいはセルロース繊維で補強され、あるいは、無機粒子が入れられており、粒子は、構造物に対し、ウェブの取外し性、摩耗耐性、あるいは汚れ耐性を付与する、請求項14の布構造物。
【請求項18】
前記被膜は、多孔性であるか、多孔性の発泡体であり、そして、前記布構造物は、前記空所を除いて、空気あるいは水に不透過性である、請求項17の布構造物。
【請求項19】
前記表面材料は、前記布構造物上に平坦な面を作り出すに足る充分な剛性をもつフィルムである、請求項14の布構造物。
【請求項20】
被膜、積層フィルム、溶融繊維あるいは発泡体のグループから選ばれ、前記布構造物の基布に適合するような充分な柔軟性をもつ表面材料をさらに備える、請求項15の布構造物。
【請求項21】
前記布構造物は、その布構造物の表面下にバット繊維層をさらに備え、そのバット繊維層は、前記表面材料をバット層に侵入させることを許すか、および/または少なくとも部分的に基布中に侵入させる、請求項14の布構造物。
【請求項22】
前記布構造物は、表面材料を侵入させる深さを制御するためのバリア層をさらに備える、請求項14の布構造物。
【請求項23】
前記表面材料は被膜であり、その構成材料は、流動体(水溶液あるいはハイソリッド)、凝固材料、溶融微粒子ポリマー、あるいは発泡体のグループから選ぶ、請求項14の布構造物。
【請求項24】
前記表面のパターンは、一様で繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項25】
前記表面のパターンは、一様でなく繰り返すようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項26】
前記表面のパターンは、一様でなくランダムになっている、請求項1の布構造物。
【請求項27】
前記表面パターンのランド領域は、分離した島あるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項28】
前記表面パターンは、分離したくぼみあるいは連続した領域を含む、請求項1の布構造物。
【請求項29】
前記島あるいは分離したくぼみは、丸、横長、正方形、長方形、台形、五角形、六角形、ダイヤモンド、円錐台形状、三角形、および多角形のグループから選ぶ形状である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項30】
十字形状の島あるいは連続領域は、多角形の形状である、請求項27の布構造物。
【請求項31】
前記連続するランドあるいはくぼみは、縦方向(MD)に一直線、横方向(CD)に一直線、MDあるいはCDに角度をもつ、または、MDあるいはCDに2つのセットの角度をもつ、の中のいずれかである、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項32】
2つのセットの角度は同じか、あるいは異なる、請求項31の布構造物。
【請求項33】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線あるいは直線である、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項34】
前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線と直線との両方であるか、あるいは、前記連続するランドあるいはくぼみは、曲線および直線である部分をもつ、請求項27あるいは28の布構造物。
【請求項35】
前記くぼみは、エンボス加工、切削加工、彫刻、およびレーザー彫りのグループから選ぶ方法で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項36】
支持のための基布は、樹脂あるいは多孔性の発泡体で被覆されているか、または、フィルムが付着されており、前記基布は、織り布、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンクベース、複数の独立のリング、押出し成形した構成要素、ニットベース、および編組ベースのグループから選ぶ織物材料で形成され、しかもまた、前記ランド領域およびくぼみは、前記基布を作り上げる前記織物材料で形成される、請求項1の布構造物。
【請求項37】
前記空所は、前記ランド領域の中だけに位置し、そのランド領域を形成する下層の織物材料を通して広がる、請求項36の布構造物。
【請求項38】
前記空所は、前記織物材料が形成する前記ランド領域の間のくぼみの中だけにある、請求項36の布構造物。
【請求項39】
前記空所は、前記ランド領域と前記織物材料の間のくぼみとの両方の中にある、請求項36の布構造物。
【請求項40】
前記表面パターンは、ランド領域およびくぼみをもつ第1のテクスチャーと、前記基布の織物材料から形成する前記第1のテクスチャーとは異なる第2のテクスチャーとを含む複合のテクスチャーを備える、請求項15の布構造物。
【請求項41】
前記織物材料は、織り糸、不織のもの、MD糸配列、CD糸配列、らせんリンク、独立のリング、押出し成形した構成要素、ニット、あるいはブレード(編組)のグループから選ばれる、請求項40の布構造物。
【請求項42】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項43】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のランド領域の中にある、請求項40の布構造物。
【請求項44】
前記空所は、前記テクスチャーの一方だけのくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項45】
前記空所は、前記テクスチャーの両方のくぼみの中にある、請求項40の布構造物。
【請求項46】
前記空所は、前記テクスチャーの一方のランドの中、および他方のテクスチャーのくぼみにある、請求項39の布構造物。
【請求項47】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴を作り出す、請求項1の布構造物。
【請求項48】
前記ランド領域は、同じか異なる形状である、請求項46の布構造物。
【請求項49】
前記ランド領域は、同じか異なる高さである、請求項46の布構造物。
【請求項50】
前記ランド領域は、幾何学的な特徴が異なる、請求項1の布構造物。
【請求項51】
前記布構造物は、帯電防止特性を含むようになっている、請求項1の布構造物。
【請求項52】
前記布構造物は、機械に用いられ、不織製品にテクスチャーを付与する布のグループから選ばれる、請求項1の布構造物。
【請求項53】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルアップ織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項54】
前記布構造物は、縦糸の長いナックルダウン織りをもつ織り基布を備える、請求項1の布構造物。
【請求項55】
前記空所は、すべてのランド領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項56】
前記空所は、すべてのくぼみ領域の中にある、請求項1の布構造物。
【請求項57】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項58】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項57の布構造物。
【請求項59】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項1の布構造物。
【請求項60】
前記空所の径は、前記基布の厚さよりも小さい、請求項59の布構造物。
【請求項61】
前記ランド領域は連続し、格子パターンを形成する、請求項1の布構造物。
【請求項62】
前記くぼみは、予め定めた深さおよび形状をもつようになっている、請求項61の布構造物。
【請求項63】
前記布構造物の表面上の複数の空所は、その布構造物の反対側の表面上の空所に合流する、請求項59の布構造物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−502201(P2012−502201A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526918(P2011−526918)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/055751
【国際公開番号】WO2010/030547
【国際公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(597098947)オルバニー インターナショナル コーポレイション (31)
【Fターム(参考)】