説明

不飽和炭化水素化合物の製造方法

【課題】高濃度の末端が不飽和二重結合、特に末端がビニリデン基を有する不飽和炭化水素化合物を効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を含む触媒を用いてα−オレフィンを二量化する不飽和炭化水素化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑油、洗浄剤、各種添加剤やそれらの中間体等として有用な不飽和炭化水素化合物の効率的な製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属メタロセンとアルミノキサン、有機アルミニウム化合物等の組合せからなる触媒を用いたα−オレフィンの二量化反応は公知であり、ジルコノセン及びメチルアルミノキサンからなる触媒(例えば、特許文献1)、ジルコノセン、アルキルアルミノキサン及びトリメチルアルミニウム(例えば、特許文献2)等が挙げられる。
また、α−オレフィンのオリゴマー化反応も公知であり、ジルコノセン、有機アルミニウム及びボレートからなる触媒(例えば、特許文献3)、ジルコノセン、有機アルミニウム及びボランからなる触媒(例えば、特許文献4)、ジルコノセン、メチルアルミノキサン及び有機アルミニウムからなる触媒(例えば、特許文献5)等が挙げられる。
しかしながら、これらの触媒系は触媒活性が低く、多量の触媒を必要とする為、生産性が劣り工業的に利用することは困難である。
【0003】
また、二量化反応及びオリゴマー化反応系に水素を添加することは知られていない。
メタロセン触媒を用いる重合反応では、重合体の分子量を制御するために水素が添加されている。
これは、水素を添加することによって、連鎖移動反応を引き起こさせるためであり、このため重合体末端は飽和構造となる(例えば、特許文献6及び7)。
従って、高濃度で不飽和二重結合を有する重合体を得るには、水素の添加は避けなければならないと考えられてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平7−116065号公報
【特許文献2】特許3073234号
【特許文献3】特表2002−518582号公報
【特許文献4】特表2002−522572号公報
【特許文献5】特表2002−522575号公報
【特許文献6】特許3058419号
【特許文献7】特許3086469号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記観点からなされたもので、高濃度の末端が不飽和二重結合、特に末端がビニリデン基を有する不飽和炭化水素化合物(α−オレフィン二量体)を効率良く製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、触媒成分として、(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を用いると、高濃度の末端が不飽和二重結合を有する不飽和炭化水素化合物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明は、
1.(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を含む触媒を用いてα−オレフィンを二量化することを特徴とする不飽和炭化水素化合物の製造方法、
2.(b1)成分が、一般式(2)及び/又は一般式(3)
【化1】

(式中、R8〜R14は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を示し、A1〜A5は、それぞれ独立に周期律表第13族金属元素を示す。又、h〜kは、それぞれ0〜50の数であり、かつ(h+i)と(j+k)は共に1以上である。)
で表される含酸素有機金属化合物である上記1に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
3.ハロゲン含有化合物が、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物又はハロゲン化炭化水素化合物である上記1又は2に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
4.ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物が、一般式(4)
15nAlX13-n (4)
(式中、R15は炭素数1〜20のヒドロカルビル基又は有機メタロイド基を示し、X1はハロゲン原子、nは0<n<3を満たす数を示す。)
で表される化合物である上記3に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
5.ハロゲン化炭化水素化合物が、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子を、1〜4個のハロゲン原子で置換した化合物である上記3に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
6.(A)成分が、一般式(1)
a(C55-a-b1b)(C55-a-c2c)M1XY ・・・(1)
〔式中、Qは二つの共役五員環配位子(C55-a-b1b)及び(C55-a-c2c)を架橋する結合性基を示す。R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又は2である。b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。M1は周期律表第4族の遷移金属を示す。また、X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表し、X及びYは、それぞれ互いに結合してもよい。〕
で表される化合物である上記1〜5のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
7.M1が、ジルコニウムである上記6に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
8.水素の存在下、α−オレフィンを二量化する上記1〜7のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法、
9.不飽和炭化水素化合物中の不飽和二重結合含有率が、80モル%以上である上記1〜8のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を含む触媒を用いることにより、高濃度の末端が不飽和二重結合、特に末端がビニリデン基を有する不飽和炭化水素化合物を収率良く、しかも高選択率で、安価に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を含む触媒を用いて、α−オレフィンを二量化する不飽和炭化水素化合物の製造方法である。
本発明に係る触媒の各成分としては、下記の化合物を好ましく用いることができる。
【0010】
(A)メタロセン化合物
本発明において用いられるメタロセン化合物としては、各種のものが挙げられるが、周期律表第4族の遷金属化合物を好ましく挙げることができる。
周期律表第4族遷金属化合物としては、一般式(1)
a(C55-a-b1b)(C55-a-c2c)M1XY ・・・(1)
〔式中、Qは二つの共役五員環配位子(C55-a-b1b)及び(C55-a-c2c)を架橋する結合性基を示す。R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又は2である。b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。M1は周期律表第4族の遷移金属を示す。また、X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表し、X及びYは、それぞれ互いに結合してもよい。〕
で表される化合物を挙げることができる。
Qの具体例としては、
(1)メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキシレン基などの炭素数1〜20のアルキレン基、シクロアルキレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、
(2)シリレン基、ジメチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジシリレン基、テトラメチルジシリレン基などのシリレン基、オリゴシリレン基又はその側鎖低級アルキル若しくはフェニル置換体、
(3)(CH32Ge基、(C652Ge基、(CH3)P基、(C65)P基、(C49)N基、(C65)N基、(CH3)B基、(C49)B基、(C65)B基、(C65)Al基、(CH3O)Al基などのゲルマニウム、リン、窒素、硼素又はアルミニウムを含む炭化水素基〔低級アルキル基、フェニル基、ヒドロカルビルオキシ基(好ましくは低級アルコキシ基)など〕などが挙げられる。
これらの中で、アルキレン基及びシリレン基が好ましい。
【0011】
また、(C55-a-b1b)及び(C55-a-c2c)は、共役五員環配位子であり、R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又は硼素含有炭化水素基を示し、aは0、1又は2である。
b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。
ここで、炭化水素基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、特に炭素数1〜12のものが好ましい。
炭化水素基は、一価の基として、共役五員環基であるシクロペンタジエニル基と結合していてもよく、又、複数個存在する場合には、その2個が互いに結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環構造を形成していてもよい。
即ち、共役五員環配位子の代表例としては、置換又は非置換のシクロペンタジエニル基、インデニル基及びフルオレニル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素及びフッ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、炭素数1〜12のものが好ましく挙げられる。
珪素含有炭化水素基としては、例えば、−Si(R3)(R4)(R5)(式中、R3、R4及びR5は炭素数1〜24の炭化水素基を示す。)などが挙げられ、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基及び硼素含有炭化水素基としては、それぞれ−P(R6)(R7)、−N(R6)(R7)及び−B(R6)(R7)(式中、R6及びR7は炭素数1〜18の炭化水素基を示す。)などが挙げられる。
1及びR2がそれぞれ複数ある場合には、複数のR1及び複数のR2は、それぞれ、同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(1)で表される化合物において、共役五員環配位子(C55-a-b1b)及び(C55-a-c2c)は同一でも異なっていてもよい。
【0012】
1は、周期律表第4族の遷移金属元素を示し、具体例としては、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを挙げることができるが、これらの中でジルコニウムが最も好ましい。
X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子であり、具体的には、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基(例えば、ジフェニルホスフィン基など)又は炭素数1〜20、好ましくは1〜12の珪素含有炭化水素基(例えば、トリメチルシリル基など)、炭素数1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基あるいはハロゲン含有ホウ素化合物(例えば、B(C65)4、BF4など)を示す。
これらの中で、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基及びアルコキシ基が好ましい。
X及びYは、互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0013】
上記一般式(1)で表される化合物の具体例として、例えば、以下の(a)〜(f)に記載の化合物を挙げることができる。
(a)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス[ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル]ジルコニウムジクロリド、ビス(トリメチルシリルメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3−トリメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1,2,3−トリメチルテトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(9−メチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(9−メチルオクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロロヒドリド、ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)メトキシジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジネオペンチルジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドロジルコニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどの架橋する結合基を有さず共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0014】
(b)メチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,3−プロピレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、1,4−ブチレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、rac−メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、rac−1,3−プロピレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−1,3−プロピレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−1,4−ブチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−1,4−ブチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−エチレンビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−エチレンビス(2,3−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、meso−エチレンビス(2,3−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2−メチル−4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3’−tert−ブチル−5’−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(2,5−ジエチルシクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,4−ジエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,4’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどのアルキレン基で架橋した共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
【0015】
(c)ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、テトラメチルジシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどのシリレン基架橋共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(d)ジメチルゲルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、メチルアルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアルミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルホスフィレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、エチルボレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、フェニルアミレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどのゲルマニウム、アルミニウム、硼素、リン又は窒素を含む炭化水素基で架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(e)(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロピリデン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−エチレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−エチレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−エチレン)(2,2’−ジメチルシリレン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−シクロヘキシリデン)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどの配位子同士が二重架橋された共役五員環配位子を2個有する遷移金属化合物、
(f)更には、上記(a)〜(e)に記載の化合物において、これらの化合物の塩素原子を臭素原子、ヨウ素原子、水素原子、メチル基、フェニル基などに置き換えたもの、又、上記化合物の中心金属のジルコニウムをチタニウム、ハフニウムに置き換えたものを挙げることができる。
【0016】
含酸素有機金属化合物(b1)
本発明において用いられる含酸素有機金属化合物としては、一般式(2)及び/又は一般式(3)
【化2】

(式中、R8〜R14は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を示し、A1〜A5は、それぞれ独立に周期律表第13族金属元素を示す。又、h〜kは、それぞれ0〜50の数であり、かつ(h+i)と(j+k)は共に1以上である。)
で表される含酸素有機金属化合物が好ましく挙げられる。
一般式(2)及び(3)で表わされる含酸素有機金属化合物において、R8〜R14の炭素数1〜8のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基が挙げられ、A1〜A5の周期律表13族金属元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムが挙げられる。
これら金属元素の中では、ホウ素とアルミニウムが特に好ましく用いられる。
また、h〜kの値としては、1〜20、特に1〜5の範囲であるものが好ましい。
一般式(2)及び(3)で表される化合物としては、直鎖状又は環状のテトラメチルジアルモキサン、テトライソブチルジアルモキサン、メチルアルモキサン、エチルアルモキサン、ブチルアルモキサン、イソブチルアルモキサンなどのアルモキサン類、トリメチルボロキサン、メチルボロキサンなどのボロキサン類が挙げられる。
これらの中で、好ましくはアルモキサン類であり、特にメチルアルモキサンが好ましい。
【0017】
ハロゲン含有化合物(b2)
本発明において用いられるハロゲン含有化合物としては、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物(b3)及び/又はハロゲン化炭化水素化合物(b4)が挙げられる。
ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物としては、一般式(4)
15nAlX13-n (4)
(式中、R15は炭素数1〜20のヒドロカルビル基又は有機メタロイド基を示し、X1はハロゲン原子、nは0<n<3を満たす数を示す。)
で表される化合物を好ましいものとして挙げることができる。
一般式(4)で表わされる化合物において、R15のヒドロカルビル基及び有機メタロイド基としては、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種アリール基,各種ヒドロカルビル」シリル基などが好ましい。
また、式中のnは1、1.5及び2が好ましく、より好ましくは2である。
n=1の例としては、メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、n−プロピルアルミニウムジクロリド、n−ブチルアルミニウムジクロリド、イソブチルアルミニウムジクロリド、tert−ブチルアルミニウムジクロリドなどが挙げられる。
n=1.5の例としては、メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、n−プロピルアルミニウムセスキクロリド、n−ブチルアルミニウムセスキクロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリド、tert−ブチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
n=2の例としては、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジn−プロピルアルミニウムクロリド、ジn−ブチルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジtert−ブチルアルミニウムクロリドなどが挙げられる。
本発明においては、これらの化合物を一種用いてもよく,二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】
ハロゲン化炭化水素化合物(b4)
本発明において用いられるハロゲン化炭化水素化合物としては、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子を、1〜4個のハロゲン原子で置換した化合物を好ましいものとして挙げることができる。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラル基が好ましい。
このハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、メチルクロリド、エチルクロリド、プロピルクロリド、ブチルクロリド、ペンチルクロリド、オクチルクロリド、フェニルクロリド、ベンジルクロリド、ナフチルクロリド、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、メチルブロミド、エチルブロミド、プロピルブロミド、ブチルブロミド、ペンチルブロミド、オクチルブロミド、フェニルブロミド、ベンジルブロミド、ナフチルブロミド、メチレンブロミド、ブロモホルム、四臭化炭素、メチルアイオダイド、エチルアイオダイド、プロピルアイオダイド、ブチルアイオダイド、ペンチルアイオダイド、オクチルアイオダイド、フェニルアイオダイド、ベンジルアイオダイド、ナフチルアイオダイド、メチレンアイオダイド、ヨードホルム、四沃化炭素などが挙げられる。
本発明においては、これらの化合物を一種用いてもよく,二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
(A)メタロセン化合物、ハロゲン含有化合物(b2)及び含酸素有機金属化合物(b1)を用いて、本発明の触媒を調製する場合、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で接触操作を行うことが好ましい。
ハロゲン含有化合物(b2)変性含酸素有機金属化合物(b1)を調製をする場合、ハロゲン含有化合物(b2)による含酸素有機金属化合物(b1)の変性反応は、これら(b1)成分と(b2)成分を事前に接触させてもよいが、この変性反応自体が速いため、α−オレフィンの存在下、(A)成分、(b1)成分及び(b2)成分を接触することによっても充分高活性な触媒が得られる。
上記触媒成分は、予め、触媒調製槽において調製したものを使用してもよいし、α−オレフィンの二量化反応を行う反応器内において調製したものを反応に使用してもよい。
反応器内において触媒の調製を行う場合は、α−オレフィンの二量化反応温度以下で調製することが好ましく、例えば、−30〜200℃、好ましくは0〜150℃の範囲で調製するのがよい。
本発明の二量化反応において、水素が存在すると目的とする不飽和炭化水素化合物の収率が向上する。
水素は、(A)成分、(b1)成分及び(b2)成分に、窒素ガス等の不活性ガスを用いずに、最初から添加してもよいし、(A)成分、(b1)成分及び(b2)成分を配合し、α−オレフィンと接触させた後に添加してもよい。
【0020】
含酸素有機金属化合物(b1)とハロゲン化アルキルアルミニウム化合物(b3)の配合割合は、(b1)成分/(b3)成分〔モル比〕が金属原子当たり、通常0.01〜10当量、好ましくは0.05〜5当量、より好ましくは0.1〜3当量である。
0.01当量未満であると触媒活性が低下することがあり、10当量を超えるとα−オレフィンの二量体の飽和体が生成し、目的とする不飽和炭化水素化合物の不飽和基含有率が低下したり、収率が低下することがある。
含酸素有機金属化合物(b1)とハロゲン化炭化水素化合物(b4)の配合割合は、(b1)成分/(b4)成分〔モル比〕が金属原子当たり、通常0.01〜20当量、好ましくは0.05〜10当量、より好ましくは0.1〜5当量である。
0.01当量未満であると触媒活性が低下することがあり、20当量を超えると、目的とする不飽和炭化水素化合物の収率が低下することがある。
また、(b1)成分を(b3)成分と(b4)成分で変性する場合の配合割合は、(b1)成分/〔(b3)+(b4)成分〕(モル比)が金属原子当たり、通常0.01〜20当量、好ましくは0.05〜10当量、より好ましくは0.1〜5当量である。
(A)遷移金属化合物と含酸素有機金属化合物(b1)の配合割合は、(A)成分/(b1)成分〔モル比〕が、通常1/1〜1/1000、好ましくは1/2〜1/100である。
1/1未満であると触媒活性が発現しないことがあり、1/1000を超えると、α−オレフィンの高分子量体が生成し、目的とする不飽和炭化水素化合物の収率が低下したり、α−オレフィンの二量体の飽和体が生成して、不飽和炭化水素化合物の不飽和基含有率が低下することがある。
(A)遷移金属化合物とハロゲン化アルキルアルミニウム化合物(b3)の配合割合は、(A)成分/(b3)成分〔モル比〕が、通常1/0.5〜1/100、好ましくは1/1〜1/20であり、(A)遷移金属化合物とハロゲン化炭化水素化合物(b4)の配合割合は、(A)成分/(b4)成分〔モル比〕が、通常1/0.5〜1/200、好ましくは
1/1〜1/50である。
また、(b1)成分を(b3)成分と(b4)成分で変性した場合、(A)成分に対する配合割合は、(A)成分/〔(b3)+(b4)成分〕(モル比)が、通常1/0.5〜1/200、好ましくは1/1〜1/50である。
【0021】
水素の添加量は、通常0.1〜700kPa、好ましくは0.5〜100kPaである。
即ち、水素と(A)メタロセン化合物のモル比は、通常1/1〜10000/1、好ましくは1/1〜1000/1、より好ましくは5/1〜1000/1である。
また、水素とα−オレフィンのモル比は、通常1/10000〜1/1、好ましくは1/10000〜1/10、より好ましくは1/2000〜1/10である。
水素の添加量が多すぎると、α−オレフィンの二量体の飽和体が生成し、目的とする不飽和炭化水素化合物の不飽和基含有率が低下することがある。
【0022】
本発明に用いるα−オレフィンには、特に制限はないが、好ましいα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、4−フェニル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、6−フェニル−1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドリアコンテン、1−テトラコンテン、ビニルシクロヘキサンなどを挙げることができる。
本発明においては、上記α−オレフィンは一種用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明によって得られる不飽和炭化水素化合物は、不飽和二重結合含有率が、通常80モル%以上であり、特に末端ビニリデン基含有率は75モル%以上である。
【0023】
本発明において、反応方法には制限はなく、溶媒の不存在下で行なってもよく、溶媒中で行ってもよく、いずれの方法を用いてもよい。
反応条件に関し、反応温度は−100〜250℃、特に−50〜100℃とすることが好ましい。
また、α−オレフィンに対する触媒の使用割合は、α−オレフィン/(A)メタロセン化合物(モル比)が、通常1000〜106、好ましくは2000〜105である。
反応時間は、通常10分〜48時間である。
【0024】
反応溶媒を用いる場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロヘキサン,メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの脂肪族炭化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素化合物などが挙げられる。
これらの溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上のものを組合せてもよい。
また、α−オレフィンなどの原料を溶媒として用いてもよい。
【実施例】
【0025】
次に、本発明を実施例により、更に詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0026】
参考例1
内容積100mlのガラス製容器に、25℃で1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサン(MAO)の重ベンゼン(C66)溶液1.0mlを加えた。
ここに、1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)の重ベンゼン(C66)溶液1.0mlを加え10分間攪拌した。
次いで、0.1mol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクリド(Cp2ZrCl2)の重ベンゼン(C66)溶液1.0mlを加え、攪拌した。
この触媒系について、1H−NMR測定を行なったところ、表1に示す結果が得られた。
【0027】
【表1】

【0028】
表1から、本発明の触媒系は、(A)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクリドとメチルアルミノキサン(b1)との反応物、(A)ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクリドとジエチルアルミニウムクロリド(b3)との反応物の単純な混合物ではないことが確認された。
また、内容積100mlのガラス製容器に、25℃でトルエン18ml、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液1.0mlを加えた。
ここに、1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.5mlを加え50℃に昇温し、5分間攪拌した。
その後、25℃とし、13.33Pa下で溶媒を留去し、減圧乾燥を行なったところ、
時間にて重量減少が見られなくなり、0.74gの白色粉末が得られた。
上記白色粉末を元素分析した結果、5.2質量%の塩素が検出され、ジエチルアルミニウムクロリドによりメチルアルミノキサンが変性されていることが確認された。
また、得られた変性メチルアルミノキサンの酸強度(酸性度)分布の測定を行なったところ、表2に示す結果が得られた。
〔酸強度分布の測定〕
酸強度分布の測定は、以下の方法に従い、すべての操作は窒素ガス雰囲気下で行った。
ニトロベンゼン、ベンザルアセトフェノン、ジシンナマルアセトンの各々0.1容量%トルエン溶液、メチルアルミノキサン、ジエチルアルミニウムクロリド、ブチルアミンの各々0.1mol/Lトルエン溶液を調製した。
(メチルアルミノキサンの酸強度分布の測定)
三角フラスコに、上記メチルアルミノキサンの0.1mol/Lトルエン溶液5.0mlを加え、これに、上記ニトロベンゼンの0.1容量%トルエン溶液約0.1mlを加えたところ黄色に着色した。
ビューレットから、上記ブチルアミンの0.1mol/Lトルエン溶液を滴下し、変色点までの滴下量より−pKa12.1以下の酸量を求めた。
引続き、この溶液に、上記ベンザルアセトフェノンの0.1容量%トルエン溶液約0.1mlを加えたところ、黄色に着色した。
ビューレットから、上記ブチルアミン溶液を滴下し、変色点までの滴下量よりpKa−12.1〜−5.0の酸量を求めた。
続いて、この溶液に、上記ジシンナマルアセトンの0.1容量%トルエン溶液約0.1mlを加えたところ、赤色に着色した。
ビューレットから、上記ブチルアミン溶液を滴下し、変色点までの滴下量よりpKa−5.6〜−3.0の酸量を求めた。
これらの結果を、表1に示す。
(変性メチルアルミノキサンの酸強度分布の測定)
三角フラスコに、上記メチルアルミノキサンの0.1mol/Lトルエン溶液5.0ml及ジエチルアルミニウムクロリドの0.1mol/Lトルエン溶液2.5mlを加え、10分間攪拌し、変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液を調製した。
この変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液について、上記メチルアルミノキサンと同様にして、酸強度を測定した。
これらの結果を、表1に示す。
(ジエチルアルミニウムクロリドの酸強度分布の測定)
三角フラスコに、上記ジエチルアルミニウムクロリドの0.1mol/Lトルエン溶液5.0mlを加え、上記メチルアルミノキサンと同様にして、酸強度を測定した。
これらの結果を、表1に示す。
【0029】
【表2】

【0030】
表2から、本発明における変性メチルアルミノキサンは、メチルアルミノキサン(b1)又はジエチルアルミニウムクロリド(b3)の酸強度とは異なる性質を有することが確認された。
【0031】
実施例1
内容積100mlのガラス製容器に、25℃でトルエン18ml、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.2mlを加えた。
ここに、1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.06mlを加え10分間攪拌した。
次いで、1−デセン20ml及び10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクリドのトルエン溶液2.0mlを加え、攪拌しながら50℃に昇温して5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は77.6モル%、二量体(不飽和炭化水素化合物)の収率は64.7モル%であった。
1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.8モル%(ビニリデン含有率は95.7モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0032】
【表3】

【0033】
実施例2
1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の添加量を0.2mlとした他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は73.9モル%、二量体の収率は52.4モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.4モル%(ビニリデン含有率は95.2モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0034】
比較例1
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えない他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は49.0モル%、二量体の収率は29.0モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン含有率は95.3モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0035】
比較例2
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えず、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液を1.0mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は96.4モル%、二量体の収率は46.5モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は95.3%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0036】
比較例3
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えず、1.0mol/Lに調整したトリイソブチルアルミニウム(TIBA)のトルエン溶液2.0mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は54.8モル%、二量体の収率は11.1モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は84.0モル%(ビニリデン基含有率は80.2モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0037】
比較例4
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えず、1.0mol/Lに調整したトリエチルアルミニウム(TEA)のトルエン溶液0.2mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は48.5モル%、二量体の収率は19.9モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は98.2モル%(ビニリデン基含有率は94.8モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0038】
比較例5
メチルアルミノキサンのトルエン溶液を加えなかった他は、実施例1と同様にして反応を行なったところ、二量化反応は全く進行しなかった。
【0039】
実施例3
ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液の代わりに、0.5mol/Lに調整したエチルアルミニウムセスキクロリド(EASC)のトルエン溶液0.01mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は70.3モル%、二量体の収率は51.7モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は96.1モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0040】
実施例4
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに0.5mol/Lに調整したジメチルアルミニウムクロリド(DMAC)のトルエン溶液0.08mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は78.4モル%、二量体の収率は59.6モル%であった。また1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は96.3モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0041】
実施例5
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに、0.5mol/Lに調整したジイソブチルアルミニウムクロリド(DIBAC)のトルエン溶液0.08mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は77.0モル%、二量体の収率は61.2モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.8モル%(ビニリデン基含有率は96.1モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0042】
実施例6
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに0.5mol/Lに調整した1−クロロブタン(C49Cl)のトルエン溶液0.2mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は66.5モル%、二量体の収率は44.9モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は96.4モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0043】
実施例7
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに0.5mol/Lに調整した塩化メチレン(CH2Cl2)のトルエン溶液0.4mlを加えた他は、実施例1と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は61.9モル%、二量体の収率は40.7モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は96.0モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0044】
実施例8
内容積100mlのガラス製容器に、25℃で1−デセン20ml、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.2mlを加えた。
ここに、1.0mol/Lに調整したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.06mlを加え10分間攪拌した。
次いで、10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液2.0mlを加え、攪拌しながら50℃に昇温し5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は91.1モル%、二量体の収率は71.1モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.7モル%(ビニリデン基含有率は97.3モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0045】
実施例9
ジエチルアルミニウムクロライドのトルエン溶液の代わりに、0.5mol/Lに調整したジメチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.08mlを加えた他は、実施例8と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は91.2モル%、二量体の収率は73.2モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は97.5モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0046】
実施例10
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに、0.5mol/Lに調整した1−クロロブタンのトルエン溶液0.2mlを加えた他は、実施例8と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は74.4モル%、二量体の収率は54.6モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.9モル%(ビニリデン基含有率は97.3モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0047】
実施例11
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液の代わりに、0.5mol/Lに調整した1−クロロブタンのトルエン溶液0.2mlを加え、水素20ml(0.1MPa)を導入した他は、実施例8と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は92.1モル%、二量体の収率は77.7モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.7モル%(ビニリデン基含有率は97.3モル%)であった。
得られた結果を表3に示す。
【0048】
実施例12
内容積100mlのガラス製容器に、25℃で1−デセン20ml、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液0.1mlを加えた。
ここに、1.0mol/Lに調整したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.03mlを加え10分間攪拌した。
次いで、10mmol/Lに調整したジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液2.0mlを加え、攪拌しながら50℃に昇温し5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は53.8モル%、二量体の収率は45.9モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.5モル%(ビニリデン基含有率は96.8モル%)であった。
得られた結果を表4に示す。
【0049】
【表4】

【0050】
比較例6
1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えなかった他は、実施例12と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は54.3モル%、二量体の収率は34.9モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.2モル%(ビニリデン基含有率は96.3モル%)であった。
得られた結果を表4に示す。
【0051】
実施例13
(変性メチルアルミノキサンの合成)
内容積100mlのガラス製容器に、25℃で1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液1.0mlと1.0mol/Lに調整したジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液0.5mlを加え、50℃に昇温し5時間攪拌した。
その後、25℃に戻し、13.33Pa下で溶媒を留去し、減圧乾燥を行なったところ、8時間にて重量減少が見られなくなり、0.74gの白色粉末(A)が得られた。
白色粉末を元素分析した結果、5.2質量%のClが検出され、DEACにてMAOが変性されたことが確認された。
(二量化反応)
内容積100mlのガラス製容器に、25℃で1−デセン20ml、上記白色粉末(A)0.353gをトルエン22.1mlに懸濁させた液を1mL採取して加え、更に、10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液2.0mlを加え、攪拌しながら50℃に昇温し5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は69.1モル%、二量体の収率61.8モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.6モル%(ビニリデン基含有率は97.6モル%)であった。
得られた結果を表5に示す。
【0052】
【表5】

【0053】
比較例7
(乾燥メチルアルミノキサンの合成)
内容積100mLのガラス製容器に、25℃で1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液1.0mLを加え、50℃に昇温し5時間攪拌した。
その後、25℃に戻し、13.33Pa下で溶媒を留去し、減圧乾燥を行なったところ、8時間にて重量減少が見られなくなり、0.54gの白色粉末が得られた。
(二量化反応)
内容積100mLのガラス製容器に、25℃で1−デセン20mL、次いで白色粉末0.540gをトルエン46.6mlに懸濁させた液を1mL採取して加え、更に、10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液2.0mLを加え、攪拌しながら50℃に昇温し5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は49.6モル%、二量体の収率40.3モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.5モル%(ビニリデン基含有率は97.2モル%)であった。
得られた結果を表5に示す。
【0054】
実施例14
内容積100mLのガラス製容器に、25℃で1−デセン20ml、次いで0.2mol/Lのメチルアルミノキサンのトルエン溶液1mL、1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液1.0mL、10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液2.0mlを加え、攪拌しながら50℃に昇温し5時間反応させた。
希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、原料1−デセンの転化率は78.2モル%、二量体の収率69.1モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.2モル%(ビニリデン基含有率は97.3モル%)であった。
得られた結果を表6に示す。
【0055】
【表6】

【0056】
比較例8
1.0mol/Lのジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えなかった他は、実施例14と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、原料1−デセンの転化率は55.2モル%、二量体の収率45.7モル%、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.4モル%(ビニリデン基含有率は96.9モル%)であった。
得られた結果を表6に示す。
【0057】
実施例15
内容積1Lのガラス製容器に、25℃でトルエン20mL、1.0mol/Lに調整したメチルアルミノキサンのトルエン溶液8.0mLを加えた。
ここに、1.0mol/Lジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液1.5mLを加え10分間攪拌した。
次いで、25℃で1−オクテン466mL及び10mmol/Lに調整したビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクリドのトルエン溶液50mlを加え、45℃に昇温し反応させた。
反応液を1mL一定時間ごとに採取して、希塩酸で反応を停止し、触媒成分を分解、除去して得られた溶液についてガスクロマトグラフィーにより分析した。
その結果、2時間後では、原料1−オクテンの転化率は56.9モル%、二量体の収率は54.2モル%であり、8時間後では、原料1−オクテンの転化率は96.8モル%、二量体の収率は92.7モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.7モル%(ビニリデン基含有率は95.8モル%)であった。
得られた結果を表6に示す。
【0058】
比較例9
ジエチルアルミニウムクロリドのトルエン溶液を加えなかった他は、実施例15と同様にして二量体(不飽和炭化水素化合物)を得た。
その結果、2時間後では、原料1−オクテンの転化率は33.8モル%、二量体の収率は29.8モル%であり、24時間後では、原料1−オクテンの転化率は97.0モル%、二量体の収率は85.7モル%であった。
また、1H−NMRによる二量体中の不飽和二重結合含有率は99.7モル%(ビニリデン基含有率は95.1モル%)であった。
得られた結果を表6に示す。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明によれば、潤滑油、洗浄剤、各種添加剤やそれらの中間体等として有用な不飽和炭化水素化合物、特に末端がビニリデン基を有する不飽和炭化水素化合物を収率良く、しかも高選択率で、安価に製造することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)メタロセン化合物、(b1)含酸素有機金属化合物、及び(b2)ハロゲン含有化合物を含む触媒を用いてα−オレフィンを二量化することを特徴とする不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項2】
(b1)成分が、一般式(2)及び/又は一般式(3)
【化1】

(式中、R8〜R14は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基を示し、A1〜A5は、それぞれ独立に周期律表第13族金属元素を示す。又、h〜kは、それぞれ0〜50の数であり、かつ(h+i)と(j+k)は共に1以上である。)
で表される含酸素有機金属化合物である請求項1に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項3】
ハロゲン含有化合物が、ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物又はハロゲン化炭化水素化合物である請求項1又は2に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項4】
ハロゲン化アルキルアルミニウム化合物が、一般式(4)
15nAlX13-n (4)
(式中、R15は炭素数1〜20のヒドロカルビル基又は有機メタロイド基を示し、X1はハロゲン原子、nは0<n<3を満たす数を示す。)
で表される化合物である請求項3に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項5】
ハロゲン化炭化水素化合物が、炭素数1〜20の炭化水素基の水素原子を、1〜4個のハロゲン原子で置換した化合物である請求項3に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項6】
(A)成分が、一般式(1)
a(C55-a-b1b)(C55-a-c2c)M1XY ・・・(1)
〔式中、Qは二つの共役五員環配位子(C55-a-b1b)及び(C55-a-c2c)を架橋する結合性基を示す。R1及びR2は、それぞれ炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、珪素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基又はホウ素含有炭化水素基を示し、複数あるときは、互いに同一でも異なってもよく、互いに結合して環構造を形成してもよい。aは0、1又は2である。b及びcは、a=0のときはそれぞれ0〜5の整数、a=1のときはそれぞれ0〜4の整数、a=2のときはそれぞれ0〜3の整数を示す。M1は周期律表第4族の遷移金属を示す。また、X及びYは、それぞれ共有結合性又はイオン結合性の配位子を表し、X及びYは、それぞれ互いに結合してもよい。〕
で表される化合物である請求項1〜5のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項7】
1が、ジルコニウムである請求項6に記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項8】
水素の存在下、α−オレフィンを二量化する請求項1〜7のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。
【請求項9】
不飽和炭化水素化合物中の不飽和二重結合含有率が、80モル%以上である請求項1〜8のいずれかに記載の不飽和炭化水素化合物の製造方法。

【公開番号】特開2011−116785(P2011−116785A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55694(P2011−55694)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【分割の表示】特願2005−44853(P2005−44853)の分割
【原出願日】平成17年2月21日(2005.2.21)
【出願人】(000183646)出光興産株式会社 (2,069)
【Fターム(参考)】