説明

中子砂又は鋳物砂、中子砂又は鋳物砂の製造方法、鋳型部品の製造方法、鋳型部品、中子砂又は鋳物砂の使用方法、及び中子製造具

本発明は、溶融金属鋳造用の中子及び鋳型の製造に使用される中子砂又は鋳物砂に関するものであり、当該中子砂又は鋳物砂は、固着剤層とその上に配置された水ガラス層とによって被覆された成型原料から成り、その水ガラス含有量が前記砂の総重量に対し約0.25〜約0.9重量%である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属を鋳造するための中子及び鋳型の製造に使用される中子砂又は鋳物砂に関するものであり、当該中子砂又は鋳物砂は、水ガラスを含有する成型原料(例えば、ケイ砂、クロム鉱砂、ジルコン砂、オリビン(かんらん石)砂、合成砂)から成り、その水分含有量が、前記砂の総重量の約0.25〜約0.9重量%(パーセント)である。さらに、本発明はこのような中子砂又は鋳物砂の製造方法、及び、当該中子砂又は鋳物砂を用いた中子又は鋳型の製造方法及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中子や他の鋳型を製造するための中子砂又は鋳物砂は、すでに知られている。一般に、まず、中子製造具のような、鋳型を模した工具に中子砂又は鋳物砂を充填し、その中子砂又は鋳物砂を圧縮し、硬化して、所望の形状にする。工具を開いてから、所望の鋳型部品(Formteil)、例えば鋳造用中子を取り出すことができる。その鋳造用中子を用いて、アルミニウム含有溶融軽金属などの溶融金属を前記所望の形状に流し込む。溶融金属が固まった後、例えば振盪により、鋳造用中子又は鋳型を取り出す。振盪により、先に固形化して安定していた鋳造用中子/鋳型が崩壊する。
【0003】
中子砂又は鋳物砂を製造する公知の方法は、発明者の名前から「クローニング法」と呼ばれる。この方法では、成型原料(Formgrundstoff)として細粒ケイ砂を用い、その各粒子を熱可塑性フェノール樹脂層で被覆する。フェノール樹脂は、室温の非硬化状態において加熱前は固体状である。例えば中子製造具のような鋳型を模した工具のように、鋳型部品を形成する空洞に、中子砂又は鋳物砂を導入し、摂氏250〜300度に加熱すると、粘結剤膜が融解し、重縮合により粘結剤架橋が形成され、その粘結剤架橋は、重縮合反応が終了すると、固体状で、デューロプラスチック(duroplastic)性を有する。こうして出来上がった中子又は型を工具から取り出すことができる。
【0004】
クローニング法を用いた中子砂又は鋳物砂は、他の公知の中子・型製造方法(コールドボックス法、ホットボックス法、フラン樹脂法、水ガラスCO2法など)に比べると、前記の諸方法と異なり、硬化反応が混合後直ちに始まるのではなく、加熱(摂氏250〜300度)が再開されてから始まるという点で優れている。混合済み中子砂又は鋳物砂は、正しく貯蔵すれば、半永久的に貯蔵できる。加工されると、中子砂又は鋳物砂は、良好な流動性、良好な再生精度、高い寸法精度、鋭いエッジ、高い表面品質を呈する。ところが、クローニング法には、中子砂又は鋳物砂から中子又は鋳型部品を製造する際の工具温度を特別に高くしなければならないという欠点があり、そのため、高いエネルギーを要する。クローニング法で製造された中子及び鋳型部品を用いて、摂氏約700〜1700度で溶融金属を続けて鋳造すると、フェノール樹脂が燃焼し、健康及び環境に有害な排出物(例えば単環及び多環芳香族)を放出する。鋳造後、使用した中子及び鋳型部品の廃棄も、多大な出費(特別廃棄物処理)をしないと廃棄できないので、環境問題の一因となる。熱再生も、非常にコストが高く、環境に影響を与えることにつながる恐れがある。
【0005】
環境問題を避けるために、無機、例えば水ガラス基剤の粘結剤を含有する成型原料を用いることも知られている。この方法によれば、成型原料を水ガラスの水溶液と混合し、鋳型製造具にそのまま注入する。鋳型部品を形成するための中子砂又は鋳物砂を脱水(物理的硬化)により固形化させるために、熱を加えることができる。
【0006】
そのほかの方法としては、中子砂又は鋳物砂に二酸化炭素を通気して化学的に鋳型部品を硬化させる方法がある。
【0007】
そこで、鋳型用の鋳型部品の製造方法は、例えば独国特許出願公開第10321106号明細書にあるように、石英を含まない砂及び水ガラスから製造された無機粘結剤を基に生成された中子砂又は鋳物砂を使用したものが知られている。ここでは、水ガラス粘結剤と成型原料を混合し、それをそのまま鋳型製造具に注入する。
【0008】
また、独国特許出願公開第19632293号明細書にあるように、鋳造手法である半成型中子(Kernformlingen)の製造方法は、無機耐火性鋳物砂と水ガラス基剤の無機粘結剤を混合したものを中子型に注入し、その後、中子を固形化させるために脱水したり、二酸化炭素を通気したりする。
【0009】
これらの方法で使用できる水ガラス基剤の粘結剤のシステムは、独国特許出願公開第19951622号明細書に記載されている。これは、アルカリケイ酸塩水溶液からなり、吸湿性塩基をさらに加えたものである。使用されるアルカリケイ酸塩溶液の固形成分含有量は20〜40%と記載されている。
【0010】
さらに、欧州特許出願公開第0917499号明細書にあるように、鋳造手法である半成型中子の製造方法は、半成型中子を形成する際に、無機耐火性鋳物砂と水ガラス基剤の無機粘結剤を混合したものを一定の条件の下で使用する。また、欧州特許出願公開第0917499号明細書には、再生中子砂の製造方法も記載され、この砂は、半成型中子の古い砂の残留物から成る。つまり、この砂は、少なくとも一度は鋳造過程を経て、すなわち中子が形成され、取り出され、粒子に分解されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許出願公開第10321106号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19632293号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第19951622号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第0917499号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、いずれの従来方法も、アルカリケイ酸塩水溶液を成型原料と混合した無機粘結剤を使用し、その湿性混合物をそのまま鋳型製造具に導入することが一般的である。これらの方法の欠点は、成型原料とアルカリケイ酸塩水溶液を混合して得られる混合物が、貯蔵時に不安定であり、密閉鋳造原料容器のような、一定の条件の下でしか貯蔵出来ないということである。つまり、混合物は、それぞれ鋳型部品の製造直前に製造し、その製造後直ちに使用しなければならないということである。さらに、成型原料とアルカリケイ酸塩水溶液から製造された中子砂又は鋳物砂が、一定の条件の下でしか注入できないという欠点があり、そのため、その中子砂又は鋳物砂が鋳型製造具の空洞全体に確実に充填されるように、負圧を加えたり、鋳型製造具を振盪したりするなどの追加策を取る必要がある。欧州特許出願公開第0917499号明細書に記載された再生中子砂はまた、半成型中子を製造するのにそのまま使用することができないので、半成型中子を製造する際に良好な特性に付随する貯蔵安定性を得るのにも適さない。
【0013】
したがって、本発明の基幹をなす目的は、従来技術の中子砂又は鋳物砂の欠点を克服する中子砂または鋳物砂を提供することであり、特に、貯蔵時に安定性を有し、健康及び環境に危険性のない鋳型部品を製造し、使用時に、さらなる手順を取ることなくそのまま使用することができる中子砂または鋳物砂を提供することである。さらに、その中子砂又は鋳物砂は、鋳型製造具に簡単かつ確実に注入できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために提供される、溶融金属を鋳造するための中子及び鋳型の製造に使用される中子砂又は鋳物砂は、水ガラスで被覆された、又は水ガラスと混合された成型原料から成り、その水分含有量が前記砂の総重量の約0.25〜約0.9重量%である。前記水分含有量は、当該範囲の上下限を含むものとする。さらに、本発明による中子砂又は鋳物砂の製造方法、及び、本発明による中子砂又は鋳物砂を用いて溶融金属を鋳造するための中子及び鋳型の製造方法も提供する。
【0015】
本発明で使用される水ガラスは、動的粘度が102(10の2乗)パスカル秒以上が好ましく、より好ましくは102.5(10の2.5乗)パスカル秒以上、特に好ましくは103(10の3乗)パスカル秒以上である。水ガラスは、動的粘度が102(10の2乗)パスカル秒以上であれば固体状である。つまり、本発明による中子砂又は鋳物砂は、固体状水ガラスで被覆され、又は固体状水ガラスと混合されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明による中子砂又は鋳物砂は、水分含有量が当該砂の総重量の約0.25〜約0.9重量%であるが、好ましくは約0.3〜約0.9重量%であり、特に好ましくは約0.3〜約0.9重量%である。中子砂及び鋳物砂の水分含有量が当該砂の総重量の約0.25重量%を下回ると、そのまま使用できる中子砂及び鋳物砂、とりわけ、後述の本発明による中子及び鋳型の製造方法に使用できる中子砂及び鋳物砂を得ることができない。水分含有量が約0.9重量%を超えると、貯蔵安定性を有する中子砂又は鋳物砂を得ることができない。水分含有量は、VDG説明書(VDG Merkblatt)"Pruefung von tongebundenen Formstoffen Bestimmung des Wassergehalts"4.1節32頁(1997年4月)により計測される。
【0017】
「被覆」とは、本発明の文脈において使用される際には、成型原料の個々の粒子が実質的に均一に水ガラスコーティングで覆われるということである。しかし、この用語は、成型原料のすべての個々の粒子が水ガラスコーティングで別々に覆われるということだけでなく、粒子が部分的に覆われている、あるいは多数の粒子がひとつの水ガラスコーティングで一緒に覆われている実施形態も含むものである。
【0018】
「混合」とは、本発明の文脈において使用される際には、水ガラスが成型原料と確実に混ぜ合わされて(均質化されて)いるということである。
【0019】
本発明による中子砂又は鋳物砂は、乾燥した状態であり、注入できることを特徴とする。
【0020】
注入性は、たとえば、計測用漏斗やカルク・インドゥストリーテヒニク(Karg Indusrietechnik)社製などの特別な注入性試験機器を用いて決定され、所定の質量や所定の容積の注入時間は、対照インジケーターとして計測され、秒を単位として表示される。
【0021】
例えば、本発明による中子砂および鋳物砂は、約4秒以内の注入性を有するのが好ましく、より好ましくは約3.5秒以内である。この注入性の計測は、計測用漏斗を用い、350gのサンプル量に対して、摂氏約20度の室温で行われた。計測用漏斗の上部の広い縁における内径は90mm、漏斗の全高は95mm、流出管の長さは32mm、内径は15mmであった。
【0022】
成型原料を被覆する、又は成型原料と混合する水ガラスは、固着剤(Haftvermittler)、流動性向上剤、鋳肌改良剤、分離剤のうちいずれかの添加剤を含有することが好ましい。当該添加剤は、水酸化ナトリウム、非晶質二酸化ケイ素、黒鉛、シリコーンオイル乳濁液、ステアリン酸塩、種々のオイル、界面活性剤、酸化アルミニウム、酸化鉄、滑石、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、種々の金属酸化物のうちいずれかであることが好ましい。
【0023】
固着剤は、水酸化ナトリウム、吸湿性塩基及び/又は界面活性剤であることが好ましい。流動性向上剤には、非晶質二酸化ケイ素、黒鉛、シリコーンオイル、シリコーンオイル乳濁液、ステアリン酸塩、種々のオイル、界面活性剤のうちいずれかの添加剤を使用することが好ましい。鋳肌改良剤には、非晶質二酸化ケイ素、黒鉛、酸化アルミニウム、酸化鉄、滑石、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、種々の金属酸化物のうちいずれかの添加剤を使用することが好ましい。分離剤にはシリコーンオイル、シリコーンオイル乳濁液、酸化アルミニウム、酸化鉄、滑石、黒鉛、および窒化ホウ素のうちいずれかの添加剤を使用することが好ましい。乾燥剤及び/又は注入補助剤には、乾燥状非晶質二酸化ケイ素を使用することが好ましい。
【0024】
成型原料には、耐火性の鉱物砂又は合成砂、特にケイ砂、ジルコン砂、クロム鉱砂、実質的に球形の砂、オリビン砂又はそれらの混合物を使用することが好ましい。当該成型原料の平均粒径は、約0.08〜0.6mmが好ましく、0.08〜0.5mmが特に好ましい。
【0025】
さらに、注入補助剤、乾燥剤、流動性向上剤、鋳肌改良剤及び/又は分離剤などの追加補助材料を、本発明の被覆中子砂又は鋳物砂に添加することもできる。当該追加補助材料は、乾燥状非晶質二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、滑石、黒鉛、および窒化ホウ素のうちいずれかが好ましい。 当該追加補助材料の特性は、水ガラスコーティングへのそれらの添加に関連して、すでに記載されている。
【0026】
好ましくは、添加される添加剤(水ガラス以外)の総重量は、前記中子砂または鋳物砂の総重量に対して4重量%以下が好ましく、特に3重量%以下が好ましい。特に、本発明の鋳物砂は、有機の添加剤も追加材料も含まないことが好ましい。
【0027】
好ましくは、本発明の中子砂又は鋳物砂は、本発明の成型原料を用意する工程a)と、水ガラスの水溶液及び/又は乾燥した水ガラス粉末を添加する工程b)と、中子砂又は鋳物砂を混合し、乾燥させ、粒分離させる工程c)とを有する方法により製造される。
【0028】
工程a)において、まず中子砂及び/又は鋳物砂と粘結成分及び任意の添加剤との均質化をはかる混合器に成型原料を充填する。当該混合器には、羽根混合器(Fluegelmischer)、振動混合器(Schwingmischer)、集中混合器(Intensivmischer)、回転混合器(Wirbelmischer)、又は、垂直エッジミル(Vertikalkollergang)を使用するのが好ましい。
【0029】
工程b)で、水ガラスの水溶液及び/又は乾燥状/固体状水ガラス、及び任意の添加剤を添加することができる。水溶液を使用する場合、その水溶液は、102(10の2乗)パスカル秒以内の動的粘度を有するのが好ましい。そのため、「水溶液」というのは、流動性の水ガラス、粘性のある水ガラス、及び、ペースト状の水ガラスを含む。乾燥状/固体状水ガラスを添加する場合、その水ガラスは、102(10の2乗)パスカル秒を上回る動的粘度を有するのが好ましい。種類の違う水ガラスの混合物及び/又は水ガラスの水溶液と乾燥状/固体状水ガラスの混合物を添加することもできる。ここで使用される水ガラスは、一般組成がxSiO2・yM2O・nH2Oであり、MがLi+、K+、Na+のうちいずれかであり、x:yが好ましくは約1:1から4:1、特に好ましくは約2:1から3.5:1であるアルカリケイ酸塩溶液が好ましい。比率x:yは、水ガラスのモジュール、すなわち、分量比SiO2:M2Oでもある。ここで、指数nは、溶液中のH2Oの量を決定する。さらに、アルカリケイ酸塩水溶液は、全溶液に対する固体成分含有量が約60重量%を超えないことが好ましい。
【0030】
水ガラスは、成型原料の重量に対し約0.5〜約8重量%添加するのが好ましい。さらに、成型原料の重量に対し、好ましくは約0.5%以内、さらに好ましくは約0.1〜約0.2重量%の固着剤を添加することができる。当該固着剤は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましく、特に、約10〜約50%、とりわけ30%の水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。当該固着剤は、工程b)で水ガラス水溶液を添加する前に成型原料に添加するのが特に好ましい。
【0031】
水ガラス水溶液の添加は、固着剤の添加の後に行うのが好ましい。固着剤と水ガラス水溶液の添加をこの順で行うことにより、本発明の中子砂又は鋳物砂は、内側の1層目が固着剤により形成され、2層目が水ガラスにより形成された、少なくとも2層からなる層構造が得られる。追加的な層を設けることもできる。追加的な層は、固着剤層の下、固着剤層と水ガラス層の間、及び/又は水ガラス層の上に設けることができる。この製造の枠組みでは、混合工程の中で層形成材料を添加する順によりこの層構造を調節することができる。上記した添加剤及び/又は補助材料は、たとえば、層形成材料として使用することもできる。固着剤層とその上の水ガラス層が分離した層として形成されることにより、中子砂及び鋳物砂はより安定した水ガラス被覆となり、とりわけ、製造工程中の機械的応力、特に羽根混合器、振動混合器、集中混合器、回転混合器、又は垂直エッジミルを使用することでの応力に、より耐えることができる。
【0032】
次に、流動性向上剤又は鋳肌改良剤を添加することが好ましいが、その量は、成型原料の重量に対し約3重量%以内であることが好ましい。特に非晶質二酸化ケイ素の水性懸濁液をまず添加するのが好ましく、その量は、成型原料の重量に対し、好ましくは約3重量%以内、特に好ましくは約0.6〜約1.0重量%である。次いで、非晶質二酸化ケイ素と黒鉛の水性懸濁液を添加することが好ましく、その量は、成型原料の重量に対し、好ましくは約3重量%以内、特に好ましくは約0.6〜約1.0重量%である。その水性懸濁液は、約10〜約80%が好ましく、特に約30〜約60%が好ましい。最後に、工程b)で、流動性向上剤及び/又は分離剤を添加することが好ましく、その量は、成型原料の重量に対し約1重量%以内が好ましく、特に約0.8重量%以内が好ましい。とりわけ、シリコーンオイル及び/又はシリコーンオイル乳濁液を添加するのが好ましい。
【0033】
また、どの添加剤も添加せず、混合物が成型原料と水ガラスのみを含有してもよい。
【0034】
好ましい実施形態として、工程b)を以下のように実施する。まず固着剤(水酸化ナトリウムが好ましい)、次に粘結剤(すなわち、例えば水ガラス水溶液)、次に流動性向上剤及び/又は鋳肌改良剤(特に非晶質二酸化ケイ素の水性混濁液、それから非晶質二酸化ケイ素と黒鉛の水性混濁液が好ましい)、そして流動性向上剤及び/又は分離剤(特にシリコーンオイル又はシリコーンオイル乳濁液)の順で添加する。各成分を添加したあと、混合物を混合器により均質化することが特に好ましい。別の実施形態では、すべての成分を添加した後に、混合物を混合器により均質化する。
【0035】
別の好ましい実施形態では、工程b)で、すでに乾燥状/固体状である水ガラス、又は水性及び乾燥状/固体状の水ガラスの混合物を添加し、それにより、乾燥状/固体状の水ガラスを添加する場合に混合物を乾燥させる必要がない。本実施形態では、可能な限りで最も均質な混合物を得ることができる。
【0036】
工程c)において、前記中子砂又は鋳物砂を乾燥する。混合器により前記混合物に導入される摩擦エネルギーを乾燥に使用する。このため、回転速度毎分160回の羽根混合器を使用することが特に好ましく、1時間混合することが好ましい。加熱し、絶えずかき混ぜることにより、混合物から水分を取り出す。本発明によれば、それを混合し、脱水することにより成型原料を被覆、又は成型原料と混合する水ガラスの水分含有量は、約0.25〜約0.9重量%の範囲内で設定される。このようにして、水ガラスで固体状に被覆された中子砂又は鋳物砂を得ることができる。本発明による方法により、このように水ガラスで被覆された成型原料が得られ、しかも同時に、貯蔵の際に安定した注入可能な中子砂又は鋳物砂を得ることができる。
【0037】
乾燥工程を実施するのは、前記成型原料の水ガラスコーティングの水分含有量を維持できるものであれば、どのような装置でも良い。好ましくは、外部からの加熱、温風、放射加熱、真空、陰圧、又は加熱ジャケットを使用することができる。
【0038】
混合後、さらに、注入補助剤、乾燥剤、流動性向上剤、鋳肌改良剤、又は分離剤などの補助的材料を前記中子砂又は鋳物砂に添加することもできる。これらの補助的材料は、それぞれ、成型原料の重量に対し、約2重量%以内の量であることが好ましい。
【0039】
好ましくは、工程c)の前に、固着剤、流動性向上剤、鋳肌改良剤、及び分離剤のうちいずれかの少なくとも一つのさらなる添加剤を、成型原料に添加してもよい。また、好ましくは、工程c)の後、注入補助剤、乾燥剤、流動性向上剤、鋳肌改良剤、及び分離剤のうちいずれかの少なくとも一つのさらなる補助的材料を、中子砂又は鋳物砂に添加してもよい。
【0040】
好ましくは、このようにして得られた中子砂又は鋳物砂をろ過し、集塊を分離させてもよい。
【0041】
このようにして得られた本発明の中子砂又は鋳物砂をそのまま使用して、中子又は鋳型を製造することができる。本発明による中子砂又は鋳物砂はまた、梱包の如何にかかわらず貯蔵でき、安定性を有しているので、実質的に無期限に貯蔵できる。したがって、本発明による中子砂又は鋳物砂は、鋳型部品の製造方法とは切り離して製造することができ、貯蔵、梱包、輸送できる。つまり、鋳造所や中子及び鋳型部品製造業者の作業を大幅に容易にし、時間を節約する。
【0042】
特に好ましくは、本発明の中子砂及び鋳物砂は、有機の添加剤や追加材料を含有せず、そのため、当該砂を使用する際に、環境に有害な物質を一切出さない。
【0043】
本発明の中子又は鋳物砂は、溶融金属を鋳造するための鋳型、又は、中子又は半成型中子を製造する方法に使用するのに優れている。そのため、a)本発明による中子砂又は鋳物砂を用意し、b)中子製造具又は工具に、本発明による中子砂又は鋳物砂を充填して、中子を製造する。充填の工程は、圧縮空気、温風、又は水蒸気などのキャリア媒体を用いて、例えば、注入、吹込み、及び/又は射出(Schiessen)により行われる。この工程は、市販の中子射出機(Kernschiessmaschine)により、又は、吸入運搬とそれに続く吹込みにより、行われる。当該中子砂又は鋳物砂は、中子製造具に密に詰めることが好ましい。
【0044】
中子砂又は鋳物砂を硬化及び固形化して中子を形成するために、その工程c)において、中子砂又は鋳物砂を、少なくとも一つの硬化剤と工具内で接触させる。その硬化剤は、水、水を含有する液体、及び/又は、二酸化炭素などの化学的硬化剤が好ましい。ここでは、水蒸気を使用するのが好ましい。そのため、水蒸気が工具に導入されるのが好ましい。水蒸気は、例えば射出孔(Einschuesse)に設けられた通気板を介して、及び/又は工具通気口に設けられた蒸気接続口を通じて、成型材料に導入することができる。特に好ましいのは、水蒸気と空気の混合を使用することであり、その混合は、成型原料の重量に対し、好ましくは約6重量%以内の水分量を含有し、特に好ましくは3〜4%の水分量を含有する。圧力は、好ましくは約10バール以内であり、特に好ましくは約0.5〜約1.5バールである。
【0045】
鋳型、又は、中子若しくは半成型中子を製造するために、本発明の中子砂又は鋳物砂は、好ましくは射出又は注入により中子製造具又は鋳型製造具に導入され、その後、好ましくは密に詰められる。その詰め入れは、振盪及び圧迫により行われることが好ましい。中子砂または鋳物砂を硬化及び固形化させ、中子を形成するために、中子砂又は鋳物砂を工具内で水溶液又は水と接触させることが好ましい。そのためには、水蒸気を使用することが好ましい。水、とりわけ水蒸気との接触は、工程b)の間に、例えば中子砂又は鋳物砂の充填、特にその射出と時間をあわせて、または別の工程c)で中子砂又は鋳物砂を注入した後で、行われることが好ましい。
【0046】
本発明の中子砂又は鋳物砂の水ガラスコーティングは、水との接触により溶解し、軟化する。水ガラスコーティングを軟化させると、中子砂又は鋳物砂の粒子間に粘結剤架橋が形成される。
【0047】
次に、中子を固形化させることが好ましいが、とりわけ脱水や化学的手段により行うことが好ましい。この固形化は、好ましくは、中子を通して運ばれる温風や水蒸気/空気混合の形態のような、熱媒体の形のエネルギーにより、中子にもたらされる。さらに別の実施形態では、工具に加えられる陰圧により、脱水することができる。水ガラスは、脱水により固体化し、安定した固形状の鋳型部品が得られる。したがって、実質的に物理的な工程であり、追加的な化学反応は必要としない。
【0048】
さらに別の実施形態では、二酸化炭素を硬化手段として使用することもでき、そのため、実質的には化学的に固形化する。さらに別の実施形態では、同時にあるいは連続して固形化させるために、両方の方法を行うこともできる。鋳型部品を硬化又は固形化(乾燥化)した後、工具を開き、出来上がった鋳型部品、例えば中子を取り出すことができる。
【0049】
また別の実施形態では、中子が中子製造具から取り出すために十分な強度を持つまで、当該製造具の中で中子を予備固形化、例えば予備乾燥化させることもできる。その後、この予備固形化中子を中子製造具の外でさらに固形化させることができ、特に、この予備乾燥化中子を、例えばマイクロウェーブ加熱装置、オーブン、又は乾燥室などで、完全に乾燥させることができる。
【0050】
好ましい実施形態のひとつでは、工具を工程b)からc)の間ずっと加熱して中子又は鋳型部品を形成する。その温度は、室温又は摂氏約20〜約200度、より好ましくは摂氏約70〜約160度、特に好ましくは摂氏約70〜約120度である。さらに、すでに述べたように、鋳型部品を模した空洞への中子砂又は鋳物砂の注入と時間をあわせて、鋳型部品を水、好ましくは水蒸気と接触させることもできる。水蒸気を使用すると、液体の水が工具の中に生じたり、工具上で凝結したりすることがないという点で優れている。中子砂又は鋳物砂を注入し、水と接触させた直後に、今度は工具を前述の温度で加熱するなどして、そこから水を取り除く。さらに、温風を使用し、及び/又はホットキャリアガスにさらし、及び/又は陰圧/真空圧を適用することにより、水をさらに、又は、代替手段により、取り除くことができる。水と接触させる時間は、例えば約5分〜約3時間である。
【0051】
上述の方法は、好ましくは工程a)〜c)の順で行われる。しかし、それとは異なる工程順も、可能であり、本発明に従うものである。
【0052】
本発明による中子又は鋳型部品は、好ましくは少なくとも約300N/cm2、より好ましくは少なくとも400N/cm2、特に好ましくは少なくとも約450N/cm2の曲げ強度を有する。中子の曲げ強度は、VDG説明書(VDG Merkblatt)"Bindemittelpruefung, Pruefung von kalthaertenden, kunstharzgebundenen feuchten Formstoffen mit Haerterzusatz"72頁(1999年10月)に従って試験を行う。
【0053】
本発明により製造されるこのタイプの中子を使用して、溶融金属を鋳造するための鋳型を製造することができる。
【発明の効果】
【0054】
本発明による方法及び本発明による鋳物砂の利点は、鋳物砂は、その注入性により、上述のクローニング法で使用される中子砂又は鋳物砂と同様の注入特性を有しており、そのためそれ以上の追加工程を経ずに鋳型製造具又は中子製造具に信頼性を持って導入することができるということである。クローニング法と異なり、本発明の方法は、鋳型部品を固体化するのに、純粋に物理的な工程を実施し、環境に有害な物質を形成しない。これは、液体金属の鋳造時に、鋳造所に複雑な除去システムを備える必要はなく、作業者がフェノール化合物のような健康に有害なガスにさらされることもないので、有利である。使用済みの無機の中子砂又は鋳物砂を再利用したり、廃棄したりすることも、問題なく可能である。クローニング法と異なり、本発明の方法の間は、かなり低温で固形化できるので、エネルギーも著しく削減することにつながる。加えて、無機的に粘結された中子を金型鋳造において使用すると、金型内の凝縮生成物が明らかに減少することが、利点として判明した。そのため、鋳造後の金型を、より少ない労力で清掃することができ、より大きな金型を使用できる。これにより、生産性も向上する。本発明の方法によれば、再生精度に優れ、非常に鋭いエッジを有する鋳型部品を製造することができる。
【0055】
さらに、本発明は、半成型中子又は鋳型を製造するための中子製造具及び鋳型製造具に関する。中子製造具は、鋳型製造に適した従来の中子製造具に適宜備え付けることができ、水蒸気又は化学的硬化剤などの硬化剤を導入するのに適した少なくとも一つ以上の接続口を備えている。さらに、場合によっては中子製造具に開口部が設けられ、そこから今度は水蒸気や化学的硬化剤などの硬化剤が脱出することができる。特に、当該中子製造具は、所望の半成型中子又は鋳型を製造するのに適した鋳型、中子砂又は鋳物砂を導入又は射出するための少なくとも一つ以上の接続口、水蒸気又は化学的硬化剤のような硬化剤を導入する少なくとも一つ以上の接続口を備える。しかし、これら接続口は、あわせて一つの接続口、すなわち、中子砂及び鋳物砂と水及び/又は化学的硬化手段のような硬化剤の双方を射出するのに適した接続口として備えることができる。当該接続口はまた、通気板としてもよく、同時に、射出孔及び/又は蒸気接続口(工具通気口から独立したもの)としてもよい。中子製造具は、好ましくは、製造後容易に半成型中子又は鋳型を取り出せるように、二つの部分から成る。
【発明を実施するための形態】
【0056】
本発明を、実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0057】
実施例1:
中子砂又は鋳物砂の製造
粘結剤組成:
成型原料: ケイ砂 H32
1.固着剤: 0.1重量%水酸化ナトリウム
2.粘結剤: 3.0重量%水ガラス
(モジュール2.5;4.8%固体)
3.流動性向上剤/鋳肌改良剤:0.8重量%非晶質二酸化ケイ素懸濁液及び水
(50%)
4.流入補助剤: 0.5重量%非晶質二酸化ケイ素
(混合成分の量は、使用される成型原料の量に対するものである。)

混合凝集物:
混合器のタイプ: 羽根混合器
回転速度: 毎分160回転
混合時間: 1時間
【0058】
必要な熱エネルギーは、全て、発生する摩擦熱により導入された。あるいは、混合時間は、別の混合凝集物を使用、又は外部熱源若しくは陰圧を使用することによりかなり減少できるであろう。
【0059】
集塊の分離は、網目1mmのろ過材を用いて行われた。
【0060】
実施例1で製造された鋳物砂の注入性を、他の種々の中子砂及び鋳物砂と比較した計測値を表1に示す。
【0061】
カルク・インドゥストリーテヒニク社製の注入性試験装置による比較計測:350g鋳物砂、流出口直径15mm
【0062】
【表1】

【0063】
この表から読み取れるように、実施例1により製造された中子砂又は鋳物砂は、クローニング法により製造されたものと同様の注入性を有し、その他の従来の中子砂より優れている。
【0064】
中子製造:
工具パラメータ:
中子: 曲げ棒(2本)
(寸法:22.5mm×22.5mm×185mm)
工具温度: 摂氏80度
鋳物砂の導入: 振盪
水蒸気/空気混合気の温度: 摂氏105度以上
水蒸気/空気混合気の圧力: 1バール
水蒸気/空気混合気の水分含有量:13ml
時間: 30秒

温風乾燥:
温風温度: 摂氏160度
通気圧: 1バール
時間: 30秒

平均中子重量: 137g
【0065】
実施例2:
水ガラスで被覆された本発明による成型材料と再生中子砂との比較試験
実施例1の成型材料混合物及び以下の成型材料混合物を試験に使用した:
・水ガラス被覆成型材料
H32+0.1%添加剤A+5.0%水ガラス粘結剤(モジュール2.5)
+0.8%添加剤C
・再生中子砂(熱的・機械的加圧)
H32+0.1%添加剤A+5.0%水ガラス粘結剤(モジュール2.5)
【0066】
注入性
注入性は、計測用漏斗を用い、350gのサンプル量に対して、摂氏約20度の室温で計測された。計測用漏斗の上部の広い縁における内径は90mm、漏斗の全高は95mm、流出管の長さは32mm、内径は15mmであった。
【0067】
試験結果:
・クローニング法成型原料 注入時間:2.9秒;3.0秒;3.1秒→3.0秒(100%)
・水ガラス被覆成型材料 注入時間:3.3秒;3.4秒;3.2秒→3.3秒(90%)
・H32新砂 注入時間:3.6秒;3.5秒;3.5秒→3.5秒(82%)
・再生中子砂 注入時間:3.7秒;3.5秒;3.6秒→3.6秒(80%)
【0068】
この試験により、再生中子砂の注入性は、本発明による被覆成型材料よりも実質的に低いことは明らかである。
【0069】
成型材料に対する水分又は水蒸気割合
炉内温度:摂氏105度; 前記VDG説明書(VDG Merkblatt)4.1節32頁(1997年4月)による一定重量まで
【0070】
【表2】

【0071】
製造工程後、水ガラス被覆成型材料は、まだ0.38%という良好な水分含有量/水蒸気割合(成型材料に対して)を有する。
【0072】
再生中子砂(熱的/機械的加圧)は、0.18%の水分含有量しか有しない。
【0073】
曲げ強度:
曲げ強度決定のために、試験用中子(試験棒)を両方の成型材料混合物から製造し、曲げ強度を計測した。
【0074】
試験パラメータ:
工具温度: 摂氏60度
通気圧(水蒸気): 1.1バール
通気時間(水蒸気):60秒
陰圧による乾燥
【0075】
その結果、本発明による水ガラス被覆の成型材料は、481N/cm2の平均曲げ強度を有し、一方、再生中子砂は粘着せず、中子が製造できなかった。
【0076】
水蒸気を導入して中子を製造することは、再生中子砂を用いてはできず、粘着はできなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属鋳造用の中子及び鋳型の製造に使用され、固着剤層とその上に配置された水ガラス層とによって被覆された成型原料から成り、水ガラス含有量が前記砂の総重量に対し約0.25〜約0.9重量%であることを特徴とする中子砂又は鋳物砂。
【請求項2】
前記水ガラスが流動性向上剤、鋳肌改良剤、乾燥剤、及び分離剤のうち少なくとも一以上の添加剤を有することを特徴とする請求項1に記載の中子砂又は鋳物砂。
【請求項3】
前記成型原料がケイ砂、クロム鉱砂、ジルコン砂、ほぼ球形の砂、及びオリビン砂などの鉱物砂又は合成砂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中子砂又は鋳物砂。
【請求項4】
前記成型原料の平均粒径が約0.08mm〜0.5mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂を製造する方法であって、
a)成型原料を用意する工程と、
b)固着剤を添加し、さらに水ガラスを添加する工程と、
c)水分含有量が中子砂及び鋳物砂の総重量に対し約0.25〜約0.9重量%になるように中子砂又は鋳物砂を乾燥させる工程とを有することを特徴とする中子砂又は鋳物砂の製造方法。
【請求項6】
添加の工程ごとに、得られる混合物を均質化することを特徴とする請求項5に記載の中子砂又は鋳物砂の製造方法。
【請求項7】
前記工程c)を、混合時の摩擦エネルギーの導入又は追加熱により、好ましくは温風、放射加熱、加熱ジャケット、又は真空若しくは陰圧の適用により行うことを特徴とする請求項5又は6に記載の中子砂又は鋳物砂の製造方法。
【請求項8】
前記工程c)を、室温〜摂氏160度で、質量に応じて5分〜3時間行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂の製造方法。
【請求項9】
前記工程c)で中子砂又は鋳物砂をろ過することを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂の製造方法。
【請求項10】
請求項5乃至9のいずれかに記載の方法により得られることを特徴とする溶融金属鋳造用の鋳型の鋳型部品用の中子砂又は鋳物砂。
【請求項11】
溶融金属鋳造用の鋳型の鋳型部品を製造する方法であって、
a)請求項1乃至4のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂を用意する工程と、
b)当該中子砂又は鋳物砂を、鋳型部品を模した空洞に注入する工程と、
c)前記工程b)の注入の前、間、及び/又は後に、前記中子砂又は鋳物砂を少なくともひとつの硬化剤と接触させ、前記鋳型部品を固形化させる工程とを有することを特徴とする鋳型部品の製造方法。
【請求項12】
前記工程c)を、水蒸気と接触させることにより行うことを特徴とする請求項11に記載の鋳型部品の製造方法。
【請求項13】
前記工程b)とc)を同時に行うことを特徴とする請求項11又は12に記載の鋳型部品の製造方法。
【請求項14】
前記工程b)及びc)のうち少なくとも一工程の間に、前記空洞を摂氏約20度〜約160度、特に60度〜120度で加熱することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の鋳型部品の製造方法。
【請求項15】
前記工程b)及びc)の間中、前記空洞を加熱することを特徴とする請求項14に記載の鋳型部品の製造方法。
【請求項16】
請求項11乃至15のいずれかに記載の鋳型部品の製造方法により得られることを特徴とする、溶融金属鋳造用の鋳型の鋳型部品。
【請求項17】
溶融金属鋳造用の鋳型の鋳型部品を製造するために使用することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の中子砂又は鋳物砂の使用方法。
【請求項18】
溶融金属鋳造用の鋳型の鋳型部品を製造するのに適しており、少なくとも一つの鋳型を有し、当該鋳型は、少なくとも一つの中子砂又は鋳物砂を導入するための接続口及び少なくとも一つの硬化剤を、必要であれば水蒸気の形態で、導入するための接続口、又は中子砂又は鋳物砂と硬化剤の両方を導入するのに適した少なくとも一つの接続口を備えたことを特徴とする中子製造具。

【公表番号】特表2012−501850(P2012−501850A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525445(P2011−525445)
【出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006153
【国際公開番号】WO2010/025861
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(507253004)ミネルコ ゲーエムベーハー (3)
【氏名又は名称原語表記】Minelco GmbH
【Fターム(参考)】