説明

中心血圧測定装置、心臓負荷測定装置、中心血圧測定方法および心臓負荷測定方法

【課題】中心血圧を正確に、かつ容易に測定できる中心血圧測定装置および中心血圧測定方法、測定された中心血圧に基づいて心臓に対するストレスの度合いが正確に測定できる心臓負荷測定装置を提供する。
【解決手段】心臓負荷測定装置1は、中心血圧測定装置52を含み、第1心音の振幅値を示す第1心音測定時振幅データ、第2心音の振幅値を示す第2心音測定時振幅データ、および心拍数を示す心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データから至適運動強度を検出することができる。中心血圧測定装置52は、被測定者の心音を採取して心音データとして出力する心音採取手段3と、心音データから第2心音を検出し、振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとする第2心音抽出手段51と、第2心音測定時振幅データと平静時振幅データとの比率に基づいて、平静時中心血圧データから測定時の中心血圧値を演算する中心血圧推定手段508とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大動脈起始部の血圧である中心血圧が測定できる装置および方法、および心臓に対するストレス(負荷)が測定できる装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康維持や、肥満、メタボリックシンドロームの者が状態改善のためにウォーキングをしたり、ジョギングをしたりしている。また、心筋梗塞や高血圧の患者などを対象とした運動療法では、リハビリのために負荷運動を行っている。
負荷運動は、負荷(強度)が不足するようであれば効果が得られ難いし、過度な負荷は
反対に身体への悪影響が懸念される。従って、それぞれの被測定者に対して、最もよい至
適運動強度を見極めるのが望ましい。
【0003】
至適運動強度に関する技術として特許文献1,2に記載されたものが知られている。
特許文献1に記載の至適運動強度の決定方法は、段階的な負荷運動を行い、各負荷段階毎の左右房室弁が閉じる際に発生する第1心音(S1音)振幅を被測定者胸部に取り付けた心音マイクロフォンを通して心音図に記録し、これより心音振幅が急激に上昇する変化点(HSBP)が認められた負荷運動段階での運動強度をもって当該被測定者の至適運動強度とするというものである。
【0004】
また、特許文献2に記載の至適運動強度の判定方法は、運動負荷強度の変化に対する第1心音の振幅の変化を調べ、運動負荷強度の変化に対する一心周期に対する心拡張時間の割合の変化を調べ、第1心音の振幅の変化の屈曲点において、一心周期に対する心拡張時間の割合の変化が第1の基準値以上である場合は、この屈曲点を至適運動強度と判定するというものである。
【0005】
一方、運動時だけでなく、平静時であっても健康状態を知る上で血圧を測定することは重要である。血圧は、測定される位置によって測定される値が異なる。心臓上部で測定され、大動脈起始部の血圧である中心血圧は、上腕で測定される末梢血圧より一般的に低い値が測定され、心臓の負荷の状態をより正確に反映する。例えば、治療が必要であると末梢血圧に基づいて判断された患者が、中心血圧によると治療が不要であることがわかったり、反対に、末梢血圧では治療が不要であると思われていたが、中心血圧によると治療が必要であることがわかったりすることがある。
中心血圧は、大動脈起始部の血圧ではあるが、手首により測定することができる装置(中心血圧測定装置)が開発されている。この中心血圧測定装置は、手首の脈派から中心血圧を推定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−116161号公報
【特許文献2】特開2007−19777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、この中心血圧測定装置は、高価な装置であり、安静時測定用であるため手軽に運動しながら測定できるものではない。また、中心血圧は、末梢血圧と常に一定の差や比率を有するものではないため、小型で安価な装置で容易に測定できる末梢血圧から中心血圧を推定することは困難である。
正確に中心血圧が測定できれば、心臓に掛かるストレスも正確に把握することができるので、マイペースで運動していたと思っていても過度な運動であったり、平静時でも心臓疾患により心臓に相当な負荷となっていたりすることが認識できる。従って、中心血圧を正確に、かつ容易に測定できる技術が望まれている。
【0008】
そこで本発明は、中心血圧を正確に、かつ容易に測定できる中心血圧測定装置および中心血圧測定方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、測定された中心血圧に基づいて心臓に対するストレスの度合いが正確に測定できる心臓負荷測定装置および心臓負荷測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、中心血圧と第2心音の振幅との間に相関関係があることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明の中心血圧測定装置は、被測定者の心音を採取して心音データとして出力する心音採取手段と、前記心音採取手段からの心音データに基づいて第2心音を検出する第2心音抽出手段と、前記第2心音抽出手段により検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして出力する第2心音振幅測定手段と、前記被測定者の平静時の中心血圧値が平静時中心血圧データとし、第2心音の振幅値が平静時振幅データとして格納される記憶手段と、前記第2心音振幅測定手段からの第2心音測定時振幅データと前記記憶手段から読み出した平静時振幅データとの比率に基づいて、前記記憶手段から読み出した平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算する中心血圧推定手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に中心血圧測定方法は、被測定者の心音を心音データとして採取する心音採取ステップと、前記心音採取ステップにより採取された心音データに基づいて第2心音を検出する第2心音抽出ステップと、前記第2心音抽出ステップにより検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして測定する第2心音振幅測定ステップと、前記第2心音振幅測定ステップにより測定された第2心音測定時振幅データと、前記被測定者の平静時の第2心音の振幅値である平静時振幅データとの比率に基づいて、前記被測定者の平静時の中心血圧値を平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算する中心血圧推定ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、まず、心音採取ステップにより心音採取手段が被測定者の心音を採取して心音データとする。次に、第2心音抽出ステップにより第2心音抽出手段が心音データに基づいて第2心音を検出する。次に、第2心音振幅測定ステップにより第2心音振幅測定手段が検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとする。そして、中心血圧推定ステップにより、中心血圧推定手段が第2心音振幅測定ステップにより測定された第2心音測定時振幅データと、被測定者の平静時の第2心音の振幅値である平静時振幅データとの比率に基づいて、被測定者の平静時の中心血圧値を平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算することで、中心血圧値を推定することができる。
【0012】
前記心音採取手段は、加速度センサにより形成することができる。
心音採取手段を加速度センサとしたときには、前記第2心音抽出手段は、前記被測定者の心電を採取して心電データとして出力する心電採取手段と、前記心電採取手段からの心電データからR波を検出する基準タイミング検出手段と、前記基準タイミング検出手段が検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間を示すゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、前記心音採取手段からの心音データであって、前記ゲート信号生成手段によるゲート信号が出力されている間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出手段と、前記第1心音検出手段より検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出手段とを備えたものとすることができる。
【0013】
心電データを心電採取手段により採取し、基準タイミング検出手段によりR波を検出する。ゲート信号生成手段が検出されたR波の発生タイミングからこのR波に対応する第1心音を含む所定期間を示すゲート信号を生成することで、第1心音検出手段はこのゲート信号に含まれる第1心音を検出することができる。そして、第1心音が検出できれば、第2心音検出手段により第2心音が検出できるので、加速度センサで心音の他に、心音データに運動によるノイズが採取されても、第2心音を抽出することができる。
【0014】
本発明の心臓負荷測定装置は、被測定者の心音を採取して心音データとして出力する心音採取手段と前記被測定者の心電を採取して心電データとして出力する心電採取手段と、前記心音採取手段からの心電データからR波を検出する基準タイミング検出手段と、前記基準タイミング検出手段が検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間を示すゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、前記心音採取手段からの心音データであって、前記ゲート信号生成手段によるゲート信号が出力されている間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出手段と、前記第1心音検出手段より検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出手段と、前記第2心音抽出手段により検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして出力する第2心音振幅測定手段と、前記第1心音検出手段により検出された第1心音から振幅値を測定して第1心音測定時振幅データとして出力する第1心音振幅測定手段と、前記被測定者の心拍数を測定して心拍数データとして出力する心拍数計数手段と、前記第1心音振幅測定手段からの第1心音測定時振幅データ、前記第2心音振幅測定手段からの第2心音測定時振幅データ、および前記心拍数計数手段からの心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとして出力する運動強度演算手段と、前記運動強度演算手段からの心臓負荷データについて、運動強度に対する勾配の変化点を検出する過負荷検出手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の心臓負荷測定方法は、被測定者の心音を心音採取手段により採取して心音データとする心音採取ステップと、前記被測定者の心電を心電採取手段により採取して心電データとする心電採取ステップと、前記心音採取ステップにより採取された心電データからR波を検出する基準タイミング検出ステップと、前記基準タイミング検出ステップにより検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出ステップと、前記第1心音検出ステップより検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出ステップと、前記第2心音検出ステップにより検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとする第2心音振幅測定ステップと、前記第1心音検出ステップにより検出された第1心音から振幅値を測定して第1心音測定時振幅データとする第1心音振幅測定ステップと、前記被測定者の心拍数を測定して心拍数データとして出力する心拍数計数ステップと、前記第1心音振幅測定ステップからの第1心音測定時振幅データ、前記第2心音振幅測定ステップからの第2心音測定時振幅データ、および前記心拍数計数ステップからの心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとする運動強度演算ステップと、前記運動強度演算ステップからの心臓負荷データについて、運動強度に対する勾配の変化点を検出する過負荷検出ステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、心収縮力と血圧と心拍数の三重積は心臓の酸素需要量すなわち心臓のストレス状態を示す。従って、心収縮力は第1心音として第1心音測定時振幅データ、血圧は中心血圧を指標する第2心音として第2心音振幅測定手段からの第2心音測定時振幅データ、心拍数として心拍数計数手段からの心拍数データを使用して三重積を演算することで、心臓のストレス状態を示す心臓負荷データとすることができる。
【0017】
前記過負荷検出手段が勾配の変化点を検出したときに、または該変化点を超えた場合に、警告する旨の通知をする報知手段を備えるのが望ましい。療養を目的としたものであれば負荷運動が至適運動強度を超えた場合に、また健康維持や体力増強を目的としたものであっても負荷運動が至適運動強度を超えて所定運動強度以上となったときは、身体への悪影響が懸念される。従って、このような場合に、報知手段が警告する旨の通知をすることで、過度な負荷運動が抑制されるので不慮の事故を防止することができる。
【0018】
前記心拍数計数手段は、前記基準タイミング検出手段が検出したR波の間隔、または前記第1心音検出手段が検出した第1心音の間隔から心拍数データを計数するのが望ましい。R波や第1心音、第2心音は、運動強度を測定する過程で測定される。従って、R波の間隔、第1心音の間隔、第2心音の間隔から心拍数を計数することにより、特別に心拍数を採取する手段を設けることなく測定することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の中心血圧測定装置および方法によれば、第2心音の振幅値を測定し、平静時の中心血圧値と第2心音の振幅値との比率から、運動時の中心血圧値を演算により推定することで、正確に、かつ容易に中心血圧を測定することができる。また、本発明の心臓負荷測定装置および方法によれば、測定された中心血圧に基づいて心臓に対するストレスの度合いが正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1に係る心臓負荷測定装置により心臓ストレスを測定する被測定者を示す図である。
【図2】図1に示す心臓負荷装置を示すブロック図である。
【図3】(A)は心音採取手段の一例を示すブロック図、(B)は心電採取手段の一例を示すブロック図
【図4】(A)は心音および心電を測定するときの位置を示す図、(B)はセンサ装置を説明するための斜視図である。
【図5】心電図と心音図との一例を示す図である。
【図6】第2心音の平静時と運動時の振幅の比率および収縮期血圧値と、運動強度との関係を示すグラフである。
【図7】運動強度と三重積との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施の形態1に係る心臓負荷測定装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る心臓負荷測定装置を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、心臓負荷測定装置1は、被測定者が運動負荷器具Aを用いて負荷運動することで至適運動強度を測定するものである。心臓負荷測定装置1は、図2に示すように、心電採取手段2と、心音採取手段3と、心拍採取手段4と、制御手段5と、表示手段6と、印刷手段7とを備えている。
【0022】
心電採取手段2は、例えば、図3(A)に示すように、測定電極21と、増幅手段22と、AD変換手段23とで形成することができる。測定電極21は、被測定者の心臓が脈動する際に身体上に発生する電位を心電信号として採取するための2つの端子である。増幅手段22は、心電信号を増幅するアンプである。AD変換手段23は、増幅された心電信号をデジタルデータである心電データに変換して制御手段5へ出力する機能を備えている。
心音採取手段3は、例えば、図3(B)に示すように、加速度センサ31と、増幅手段32と、AD変換手段33とで形成することができる。本実施の形態では、測定電極21と加速度センサ31とを一緒に筐体に収納したセンサ装置8(図4参照)としている。
【0023】
加速度センサ31は、それぞれの移動方向に対する加速度を測定するセンサであり、被測定者の心臓の脈動に基づく心音を加速度として採取して心音信号として出力する機能を備えている。この加速度センサ31は、図4(B)に示すように、取付面に設けられた両面テープなどの貼着手段によって、被測定者に取り付けられている。加速度センサ31は、いずれの方向の加速度が測定できれば、さまざまタイプのものが使用できる。
【0024】
例えば、加速度センサ31は、MEMS型であれば、センサ素子の可動部と固定部との間の容量変化を検出することで加速度を測定する静電容量検出方式、センサ素子可動部と固定部とを接続するバネ部分に配置したピエゾ抵抗素子により、加速度によって生じるバネ部の歪みを検出することで加速度を測定するピエゾ抵抗方式、ヒータにより発生させた熱気流の対流の変化を熱抵抗等で検出することで加速度を測定する熱検知方式などとすることができる。加速度センサ31は、いずれの方式の場合でも、被測定者に貼り付けたときに、運動の邪魔にならない小型のものが望ましい。増幅手段32は、心音信号を増幅するアンプである。AD変換手段33は、増幅された心音信号をデジタルデータである心音データに変換して制御手段5へ出力する機能を備えている。
【0025】
心電採取手段2と制御手段5の間と、心音採取手段3と制御手段5との間は、図1に示すように、センサ装置8から制御手段5までの1本にまとめた長尺のケーブル9によって接続されている。そうすることで、運動の度にケーブル9によって引っ張られ、負荷運動の邪魔にならないようにしている。
心拍採取手段4は、被測定者の心拍を心拍データとして出力するものである。心拍採取手段4は、例えば、耳たぶや手首、胴回り、心臓付近に装着するものが使用できるが、本実施の形態では、耳たぶを挟み込むこむクリップ式を採用している。
【0026】
図2に示すように、制御手段5は、中心血圧値の測定と、心臓負荷量の測定を演算により行うもので、中心血圧測定プログラムを含む心臓負荷測定プログラムを実行するパーソナルコンピュータとすることができる。
制御手段5は、心音入力手段502と、心電入力手段501、基準タイミング検出手段503と、ゲート信号生成手段504と、第1心音検出手段505と、第2心音検出手段506と、第2心音振幅測定手段507と、中心血圧推定手段508と、心拍入力手段509と、心拍数計数手段510と、記憶手段511と、第1心音振幅測定手段512と、運動強度演算手段513と、過負荷検出手段514とを備えている。
【0027】
心音入力手段502は、心音採取手段3からの心音データを制御手段5に入力して記憶手段511に格納するインタフェースである。心電入力手段501は、心電採取手段2からの心電データを制御手段5に入力して記憶手段511に格納するインタフェースである。
【0028】
基準タイミング検出手段503は、記憶手段511に格納された心電データを参照して、この心電データに基づいてR波を検出する機能を備えている。ゲート信号生成手段504は、基準タイミング検出手段503が検出したR波から、このR波に対応する第1心音を含む所定期間、つまり第2心音の前までの期間を示すゲート信号を出力する機能を備えている。第1心音検出手段505は、ゲート信号が出力されている間の心音データからピーク波形を検出する機能を備えている。第2心音検出手段506は、第1心音検出手段505より検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する機能を備えている。第2心音振幅測定手段507は、第2心音検出手段506により検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして出力する機能を備えている。中心血圧推定手段508は、第2心音振幅測定手段507からの第2心音測定時振幅データにより中心血圧を演算する機能を備えている。心拍入力手段509は、心拍採取手段4からの心拍データを制御手段5に入力して記憶手段511に格納するインタフェースである。心拍数計数手段510は、心拍データに基づいて心拍数を計数する機能を備えている。
【0029】
記憶手段511は、各データが読み書き可能な不揮発性メモリである。記憶手段511としては、大容量で高速アクセスが可能なハードディスク装置を採用することができる。この記憶手段511には、心音データ、心電データ、心拍データが測定時に格納される。また、記憶手段511には、被測定者の平静時の中心血圧値が平静時中心血圧データとし、第2心音の振幅値が平静時振幅データとして格納されている。
第1心音振幅測定手段512は、第1心音検出手段505が検出した第1心音から振幅値を測定して第1心音測定時振幅データとして出力する機能を備えている。
運動強度演算手段513は、第1心音振幅測定手段512からの第1心音測定時振幅データ、第2心音振幅測定手段507からの第2心音測定時振幅データ、および心拍数計数手段510からの心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとして出力する機能を備えている。過負荷検出手段514は、運動強度演算手段513からの心臓負荷データについて、運動強度に対する勾配の変化点を検出する機能を備えている。
【0030】
更に、制御手段5は、報知手段515と、運動負荷入力手段516と、抑止手段517と、表示制御手段518と、印刷制御手段519とを備えている。
報知手段515は、過負荷検出手段514が勾配の変化点を検出したときに、またはこの変化点から所定強度を超えたときに、警告する旨の通知をする機能を備えている。このときの所定強度は、至適運動強度を超えているが、心臓への過度な負担とならない程度の運動負荷が好ましく、被測定者に応じて決定することができる。この報知手段515は、連続音または断続音や、音声メッセージなどの音により報知したり、図示しないランプでの点灯または点滅や、表示制御手段518を介して表示手段6によるメッセージ表示などにより報知したりするものとすることができる。
【0031】
運動負荷入力手段516は、運動負荷器具Aからの運動強度データを制御手段5に入力して記憶手段511に格納するインタフェースである。
抑止手段517は、過負荷検出手段514により検出された至適運動強度に基づいて、被測定者による負荷運動が至適運動強度を超える運動とならないように、運動負荷器具Aに対して抑止信号を出力する機能を備えている。
表示制御手段518は、表示手段6に対する表示を制御する機能を備えている。印刷制御手段519は、印刷手段7に対する印刷を制御する機能を備えている。
【0032】
表示手段6は、CRT、LCD、有機ELディスプレイとすることができる。印刷手段7は、紙媒体に印刷することができるインクジェットプリンタ、レーザプリンタ、ドットインパクトプリンタ、熱転写プリンタとすることができる。
【0033】
本実施の形態では、心音採取手段3、心音入力手段502、基準タイミング検出手段503、ゲート信号生成手段504、第1心音検出手段505、および第2心音検出手段506により構成される第2心音抽出手段51と、第2心音振幅測定手段507と、中心血圧推定手段508とにより、中心血圧推定装置52が構成されている。
【0034】
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る心臓負荷測定装置の測定方法と動作内容について、図面に基づいて説明する。
被測定者が負荷運動を行うに当たり、まず、被測定者にセンサ装置8とした加速度センサ31と測定電極21とを装着する。加速度センサ31は、被測定者の胸部に装着するが、胸部でも図4(A)に示すように胸骨上に配置するのが望ましい。また、配置位置は胸骨上でも胸骨柄P1とするが更に望ましい。心拍採取手段4は、耳たぶや手首、胴回り、心臓付近に装着する。
【0035】
次に被測定者により負荷運動を開始する、負荷運動は、被測定者がセンサ装置8を装着した状態で、運動負荷器具Aである自転車エルゴメーターに乗車して、ペダルを連続的に踏む。
加速度センサ31からの心音信号は、増幅手段32により増幅され、AD変換手段33により所定時間ごとに増幅された心音信号がサンプリングされてデジタルデータである心音データに変換される(心音採取ステップ)。また、測定電極21からの心電信号は、増幅手段22により増幅され、AD変換手段23により所定時間ごとに増幅された心電信号がサンプリングされてデジタルデータである心電データに変換される(心電採取ステップ)。
【0036】
制御手段5の心音入力手段502は心音採取手段3からの心音データを入力し、心電入力手段501は心電採取手段2からの心電データを入力し、心拍入力手段509は心拍採取手段4からの心拍データを入力して、運動負荷器具Aからの運動強度データと共に、記憶手段511へ格納する(心拍採取ステップ)。心拍数計数手段510は、記憶手段511から心拍データを読み出し、心拍数を計数して心拍数データとして記憶手段511に格納する(心拍数計数ステップ)。
【0037】
基準タイミング検出手段503は、記憶手段511に格納された心電データに基づいてR波を検出する。ここでR波について、図5に基づいて説明する。
R波は心臓の拡張末期時点において観測される波なので、R波を、心臓が鼓動する際に、房室弁(僧帽弁・三尖弁)の閉鎖によって発生する第1心音S1と、動脈弁(大動脈弁・肺動脈弁)の閉鎖によって発生する第2心音S2などを検出するための基準とすることができる。
R波は、P波、Q波、S波、そしてT波と比較してピークが大きく、かつ急峻に立ち上がる。従って、基準タイミング検出手段503は、最も高いピークの心電データを検出することで、比較的容易にR波を検出することが可能である。
R波を検出した基準タイミング検出手段503は、検出した旨の通知をゲート信号生成手段504へ出力する(基準タイミング検出ステップ)。
R波を検出した旨の通知を入力したゲート信号生成手段504は、このR波のタイミングに基づいて、R波から第2心音S2の前までの期間(図5参照)を示すゲート信号Gを第1心音検出手段505へ出力する。このR波から第2心音S2の前までの期間は、個人差があり、負荷運動の運動量によっても異なるものである。またR波から第1心音S1までの期間も被測定者の条件によって異なる。従って、ゲート信号Gは短すぎれば第1心音S1が含まれない期間となり、長すぎれば第2心音S2までが含まれてしまう。そこで、本実施の形態では、若年者から高齢者までを統計的に測定することで決定した所定値を用いている。
【0038】
第1心音検出手段505は、ゲート信号Gが出力されている間の心音データからピーク波形(第1心音S1)を抽出する(第1心音検出ステップ)。第1心音振幅測定手段512は、ピーク波形の振幅値V1を測定して第1心音振幅データとして記憶手段511へ格納する。ゲート信号が出力されている間の心音には、必ず第1心音S1が含まれる。つまり、ゲート信号Gにより心音データの中から第1心音S1に対応するデータを抽出する範囲を制限することで、第2心音S2やノイズを除外することができる。従って、ゲート信号の期間内でのピーク波形である第1心音S1を検出することができる。
【0039】
このとき、第1心音振幅測定手段512は、記憶手段511に格納された10回分の第1心音振幅データを読み出して平均値を演算して、1回分の第1心音平均値データとして記憶手段511に格納することができる(第1心音振幅測定ステップ)。所定回数の第1心音振幅データを平均することで、第1心音S1の振幅にばらつきがあっても、全体に対する影響を抑えることができる。この平均化は、本実施の形態のように10回ごとの第1心音振幅データを単に平均する以外に、他の統計的な手法を用いて平均化することが可能である。
【0040】
第1心音S1が検出されると、次に、第2心音検出手段506により第2心音S2を検出する。第1心音S1が検出できているので、ゲート信号Gがなくなった後の次のピーク波形を第2心音S2として検知することで、容易に第2心音S2を検出できる(第2心音検出ステップ)。第2心音S2が検出できれば、第2心音振幅測定手段507によりピーク波形の振幅幅(第2心音の振幅値V2)を示す第2心音測定時振幅データとして検出して、記憶手段511へ格納する。この第2心音測定時振幅データも第1心音振幅データと同様に平均値とすることができる(第2心音振幅測定ステップ)。
【0041】
中心血圧推定手段508は、第2心音振幅測定手段507からの第2心音測定時振幅データと、記憶手段511から読み出した平静時振幅データとの比率に基づいて、記憶手段511から読み出した平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算する。つまり、予め、被測定者の平静時の中心血圧値と第2心音S2の振幅値V2とを測定して記憶手段511に格納しておき、被測定者の運動時(測定時)の第2心音の振幅値V2の増加率を算出して、運動時の中心血圧値を推定する。
【0042】
図6は、縦軸を第2心音の平静時と運動時の振幅の比率と、収縮期血圧(SBP:Systolic Blood Pressure)値とし、横軸を運動強度としたグラフである。このグラフから、第2心音の振幅と収縮期血圧との間に比例の関係があることがわかる。従って、第2心音の振幅値から中心血圧値を演算により推定することで、運動中であっても測定し難い中心血圧を容易に、かつ正確に測定することができる。また、第2心音の振幅値が測定できれば、測定時の中心血圧が測定できるので、安価な装置で測定することができる。
【0043】
次に、運動強度演算手段513は、記憶手段511に蓄積された第1心音測定時振幅データ、第2心音測定時振幅データ、および心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとして出力する。
図7は、縦軸をこの三重積とし、横軸を運動強度としたグラフである。このグラフから、近似値線の勾配が急激に増加する変化点が至適運動強度となる。従って、運動強度演算手段513は、第1心音の振幅値と第2心音の振幅値と心拍数とを乗算した三重積の数値データである心臓負荷データから、近似値線の折れ線を求め、屈曲する強度を基に至適運動強度を検出することができる。
【0044】
運動強度演算手段513は、至適運動強度を検出すると、予め設定された被測定者を特定する識別データ(例えば名前やID)に関連付けて記憶手段511に格納する。このように識別データと関連付けて至適運動強度を記憶手段511に格納することで、心臓負荷測定装置1は被測定者ごとの至適運動強度の登録を行うことができる。
【0045】
運動強度演算手段513が至適運動強度を検出する過程で、図7に示すグラフが作図できるので、このグラフを表示制御手段518を介して表示手段6へ表示させたり、印刷制御手段519を介して印刷手段7にて紙媒体に印刷したりすることができる。
【0046】
このように至適運動強度が検出できれば、負荷運動が至適運動強度以上、または至適運動強度を超えて所定運動強度以上となったときに、報知手段515より警告が報知されるので、危険な負荷運動を回避することができる。
また、至適運動強度を測定して登録した被測定者であれば、この被測定者を特定する識別データと関連付けられた至適運動強度を報知手段515が記憶手段511から読み出し、運動負荷器具Aからの運動強度データと比較して、警告を報知することで、再び負荷運度を行うときに、あらためて至適運動強度を測定することなく、最適な負荷運動を行うことができる。
【0047】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る心臓負荷測定装置10xは、心拍数をR波、第1心音または第2心音から求めることを特徴とするものである。なお、図8においては、図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
図8に示す心臓負荷測定装置10xの心拍数計数手段510xは、基準タイミング検出手段503により検出されたR波と次のR波との間隔P1(図5参照)を測定することで心拍数を計数する。
また、心拍数計数手段510xは、第1心音検出手段505により検出された第1心音S1に基づいて、その間隔P1から心拍数を計数することが可能である。
【0048】
このように、運動強度を測定する過程で測定されるR波や第1心音、第2心音に基づいて、R波の間隔、第1心音の間隔から心拍数を計数することにより、実施の形態1の心臓負荷測定装置1のように、特別に心拍数を採取する手段(心拍採取手段4)を設けることなく測定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、大動脈起始部の血圧である中心血圧の測定や、心臓に対するストレスの測定に好適であり、特に、至適運動強度の測定に最適である。
【符号の説明】
【0050】
1,10x 心臓負荷測定装置
2 心電採取手段
21 測定電極
22 増幅手段
23 AD変換手段
3 心音採取手段
31 加速度センサ
32 増幅手段
33 AD変換手段
4 心拍採取手段
5 制御手段
51 第2心音抽出手段
52 中心血圧推定装置
501 心電入力手段
502 心音入力手段
503 基準タイミング検出手段
504 ゲート信号生成手段
505 第1心音検出手段
506 第2心音検出手段
507 第2心音振幅測定手段
508 中心血圧推定手段
509 心拍入力手段
510,510x 心拍数計数手段
511 記憶手段
512 第1心音振幅測定手段
513 運動強度演算手段
514 過負荷検出手段
515 報知手段
516 運動負荷入力手段
517 抑止手段
518 表示制御手段
519 印刷制御手段
6 表示手段
7 印刷手段
8 センサ装置
9 ケーブル
S1 第1心音
S2 第2心音
G ゲート信号
V1,V2 振幅値
P1〜P3 間隔
A 運動負荷器具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定者の心音を採取して心音データとして出力する心音採取手段と、
前記心音採取手段からの心音データに基づいて第2心音を検出する第2心音抽出手段と、
前記第2心音抽出手段により検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして出力する第2心音振幅測定手段と、
前記被測定者の平静時の中心血圧値が平静時中心血圧データとし、第2心音の振幅値が平静時振幅データとして格納される記憶手段と、
前記第2心音振幅測定手段からの第2心音測定時振幅データと前記記憶手段から読み出した平静時振幅データとの比率に基づいて、前記記憶手段から読み出した平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算する中心血圧推定手段とを備えたことを特徴とする中心血圧測定装置。
【請求項2】
前記心音採取手段は、加速度センサにより形成されている請求項1記載の中心血圧測定装置。
【請求項3】
前記第2心音抽出手段は、
前記被測定者の心電を採取して心電データとして出力する心電採取手段と、
前記心電採取手段からの心電データからR波を検出する基準タイミング検出手段と、
前記基準タイミング検出手段が検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間を示すゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、
前記心音採取手段からの心音データであって、前記ゲート信号生成手段によるゲート信号が出力されている間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出手段と、
前記第1心音検出手段より検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出手段とを備えた請求項2記載の中心血圧測定装置。
【請求項4】
被測定者の心音を採取して心音データとして出力する心音採取手段と
前記被測定者の心電を採取して心電データとして出力する心電採取手段と、
前記心音採取手段からの心電データからR波を検出する基準タイミング検出手段と、
前記基準タイミング検出手段が検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間を示すゲート信号を生成するゲート信号生成手段と、
前記心音採取手段からの心音データであって、前記ゲート信号生成手段によるゲート信号が出力されている間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出手段と、
前記第1心音検出手段より検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出手段と、
前記第2心音検出手段により検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして出力する第2心音振幅測定手段と、
前記第1心音検出手段により検出された第1心音から振幅値を測定して第1心音測定時振幅データとして出力する第1心音振幅測定手段と、
前記被測定者の心拍数を測定して心拍数データとして出力する心拍数計数手段と、
前記第1心音振幅測定手段からの第1心音測定時振幅データ、前記第2心音振幅測定手段からの第2心音測定時振幅データ、および前記心拍数計数手段からの心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとして出力する運動強度演算手段と、
前記運動強度演算手段からの心臓負荷データについて、運動強度に対する勾配の変化点を検出する過負荷検出手段とを備えたことを特徴とする心臓負荷測定装置。
【請求項5】
前記過負荷検出手段が勾配の変化点を検出したときに、または該変化点を超えた場合に、警告する旨の通知をする報知手段を備えた請求項4記載の心臓負荷測定装置。
【請求項6】
前記心拍数計数手段は、前記基準タイミング検出手段が検出したR波の間隔、または前記第1心音検出手段が検出した第1心音の間隔から心拍数データを計数する請求項4または5記載の心臓負荷測定装置。
【請求項7】
被測定者の心音を心音採取手段により採取して心音データとする心音採取ステップと、
前記心音採取ステップにより採取された心音データに基づいて第2心音を検出する第2心音抽出ステップと、
前記第2心音抽出ステップにより検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとして測定する第2心音振幅測定ステップと、
前記第2心音振幅測定ステップにより測定された第2心音測定時振幅データと、前記被測定者の平静時の第2心音の振幅値である平静時振幅データとの比率に基づいて、前記被測定者の平静時の中心血圧値を平静時中心血圧データから測定時における中心血圧値を演算する中心血圧推定ステップとを備えたことを特徴とする中心血圧測定方法。
【請求項8】
被測定者の心音を心音採取手段により採取して心音データとする心音採取ステップと、
前記被測定者の心電を心電採取手段により採取して心電データとする心電採取ステップと、
前記心音採取ステップにより採取された心電データからR波を検出する基準タイミング検出ステップと、
前記基準タイミング検出ステップにより検出したR波の発生タイミングから、該R波に対応する第1心音を含む所定期間の心音データから第1心音を検出する第1心音検出ステップと、
前記第1心音検出ステップより検出された第1心音に基づいて第2心音を検出する第2心音検出ステップと、
前記第2心音検出ステップにより検出された第2心音から振幅値を測定して第2心音測定時振幅データとする第2心音振幅測定ステップと、
前記第1心音検出ステップにより検出された第1心音から振幅値を測定して第1心音測定時振幅データとする第1心音振幅測定ステップと、
前記被測定者の心拍数を測定して心拍数データとして出力する心拍数計数ステップと、
前記第1心音振幅測定ステップからの第1心音測定時振幅データ、前記第2心音振幅測定ステップからの第2心音測定時振幅データ、および前記心拍数計数ステップからの心拍数データとから三重積を演算して心臓負荷データとする運動強度演算ステップと、
前記運動強度演算ステップからの心臓負荷データについて、運動強度に対する勾配の変化点を検出する過負荷検出ステップとを含むことを特徴とする心臓負荷測定方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−16450(P2012−16450A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−155077(P2010−155077)
【出願日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成22年6月15日(発行日) 特定非営利活動法人日本心臓リハビリテーション学会発行の「第16回 日本心臓リハビリテーション学会 プログラム・抄録集」第15巻 Suppl.
【出願人】(598015084)学校法人福岡大学 (114)
【Fターム(参考)】