説明

中空微小球を作製するための方法

供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、該加熱が真空下で行われる工程を含む、中空微小球を作製するための方法が提供される。本方法を用いて作製される中空微小球も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、中空微小球を作製するための方法に関する。本開示は、中空微小球を作製するのに有用な真空装置も開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一態様では、本開示は、供給原料を、該供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、該加熱する工程が、真空下で行われる、方法を提供する。
【0003】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、該加熱する工程が、真空下で行われる、該真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される工程を含む、中空微小球を形成する方法を提供する。
【0004】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される、方法を提供する。
【0005】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、該供給原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む、方法を提供する。
【0006】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法を提供し、供給原料が、(a)50重量%と90重量%の間のSiO2と、(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物と、(c)1重量%と30重量%の間のB2O3と、(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、(f)0重量%と10重量%の間のSiO2以外の四価金属酸化物と、(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、を含む。
【0007】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程と、供給原料を、供給原料の軟化温度以上の温度になるまで加熱する工程と、を含む、中空微小球を形成する方法を提供する。
【0008】
更に別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、該加熱が真空下で行われる工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球を提供する。
【0009】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、該加熱が真空下で行われ、該真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球を提供する。
【0010】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微球に変換するのに十分な条件下で加熱し、該加熱が真空下で行われ、該真空が、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、該加熱が真空下で行われ、該原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球を提供する。
【0012】
別の態様では、本開示は、供給原料を、供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む方法を用いて作製される中空微小球を提供し、加熱する工程は、真空下で行われ、供給原料が、(a)50重量%と90重量%の間のSiO2と、(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物、(c)1重量%と30重量%の間のB2O3と、(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、(f)0重量%と10重量%の間のSiO2以外の四価金属酸化物と、(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、を含む。
【0013】
上記の本開示の概要は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを目的としたものではない。本発明の1以上の実施形態の詳細を以下の説明文においても記載する。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、その説明から、また「特許請求の範囲」から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】中空微小球を作製するために使用される、今般開示される装置の一実施形態の正面断面図。
【図2】中空微小球を作製するために使用される、今般開示される装置の一実施形態の正面断面図。
【図3】実施例1に従って調製された再生ガラス中空微小球の光学画像。
【図4】実施例5に従って調製されたガラス中空微小球の光学画像。
【図5】実施例8に記載されるように調製されたパーライト中空微小球の光学画像。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書で使用される「ガラス」という用語は、全ての非晶質固体又は非晶質固体を形成するために使用することができる溶融物を含み、そのようなガラスを形成するために使用される原材料は、種々の酸化物及び鉱物を含む。これらの酸化物は、金属酸化物を含む。
【0016】
本明細書で使用される「再生ガラス」という用語は、ガラスを原材料として用いて形成される任意の材料を意味する。
【0017】
本明細書で使用される「真空」という用語は、101、592Pa(30inHg)未満の絶対圧を意味する。
【0018】
約500マイクロメートル未満の平均直径を有する中空微小球は、多くの目的において幅広い有用性を有し、それらのうちのいくつは、ある特定の寸法、形状、密度、及び強度特性を必要とする。例えば、中空微小球は、産業において、それらが修飾因子、エンハンサー、硬直因子、及び/又は充填物として機能し得る、高分子化合物への添加物として幅広く使用される。概して、中空微小球が、高圧噴霧、ニーディング、押出し、又は射出成形等による高分子化合物の更なるプロセスの最中に、砕かれるか、あるいは破壊されるのを回避する程度に強いことが望ましい。結果として生じる中空微小球の寸法、形状、密度、及び強度の制御を可能にする中空微小球を作製するための方法を提供することが望ましい。
【0019】
中空微小球及びそれらを作製するための方法が、種々の参考文献に開示されている。例えば、これらの参考文献のうちのいくつかは、ガラス形成成分の同時融合及び融合された塊の拡張を用いて、中空微小球を作製するプロセスを開示する。他の参考文献は、無機ガス形成剤又は発泡剤を含有するガラス組成物を加熱することと、発泡剤を遊離するのに十分な温度になるまでガラスを加熱することを開示する。更に他の参考文献は、湿式微粉砕によって材料を微粉砕して、微粉砕された粉末材料のスラリーを得ることと、スラリーを噴霧して、液滴を形成することと、液滴を加熱して、無機微小球を得るために粉末材料を融合又は焼結すること、を含むプロセスを開示する。更に他の参考文献は、注意深く管理された時間−温度履歴を用いて、部分的に酸化した条件下で、正確に製剤化された供給原料混合物を噴流床反応器内で処理することによって低密度微小球を作製するためのプロセスを開示する。しかしながら、これらの参考文献のうちのいずれも、それから作製される中空微小球の寸法、形状、密度、及び強度の制御を提供する中空微小球を作製するための方法を提供していない。
【0020】
寸法、密度、及び強度に加えて、中空微小球の実用性は、感水性及び費用に依存する場合もあり、このことは、中空微小球を作製するために使用されるガラス組成物が、比較的高いシリカ含有量を含むことが好ましいことを意味する。しかしながら、最初のガラス調製において、より高いシリカガラスに必要とされるより高い温度及びより長い溶融時間が、低密度のガラス気泡の形成を阻止する保持され得る発泡剤の量を減少させるため、ガラス組成物中のより高いシリカ含有量は、必ずしも望ましいとは限らない。低密度(例えば、1cc当たり0.2グラム未満)を有する中空微小球を得るために、最初のガラス溶融作業中に十分な発泡剤を保持するのは困難である。低密度の気泡を依然として作成しながら、比較的高いシリカ含有量を有するガラス組成物を使用するのが望ましい。
【0021】
中空微小球は、典型的には、一般に発泡剤を含有する「供給原料」と称される、粉砕されたフリットを加熱する工程によって作製される。中空微小球を作製するための既知の方法には、ガラス溶融、ガラス供給原料ミリング、及び火炎を用いた中空微小球形成が含まれる。中空微小球を形成するために使用されるガラス組成物が、火炎を用いた中空微小球の形成前にある特定の量の発泡剤を含まなければならないことが、本プロセスの重要なポイントである。発泡剤は、概して、高温で分解する組成物である。代表的な発泡剤には、ガラス組成物の総重量に基づいて約0.12重量%を超える量の発泡剤でガラス組成物中に存在し得る、イオウ又はイオウ化合物、及び酸素が含まれる。
【0022】
これらの方法において、ガラスを2回、1回はガラス中の発泡剤を溶解するためのバッチ溶融中に、もう1回は中空微小球の形成中に溶融することが必要である。ガラス組成物中の発泡剤の揮発性の理由から、バッチ溶融工程は、比較的低温に制限されており、その間に、バッチ組成物がバッチ溶融工程に使用される溶融タンクの耐火性に対して非常に腐蝕性になる。バッチ溶融工程は、比較的長い時間も必要とし、バッチ溶融工程において使用されるガラス粒子の寸法は、小さく保たれなければならない。これらの問題は、増大した費用及び結果として生じる中空微小球中に潜在的な不純物をもたらす。発泡剤の使用を必要としない中空微小球を作製するための方法を提供することが望ましい。
【0023】
本開示において有用な供給原料は、例えば、任意の好適なガラスを砕き、及び/又は粉砕することによって調製され得る。本開示における供給原料は、再生ガラス、パーライト、ケイ酸塩ガラス等のガラスを形成することができる任意の組成物を有し得る。いくつかの実施形態では、総重量に基づいて、供給原料は、ガラス組成物の溶融を促進するための融剤として働き得る、50から90重量パーセントのSiOと、2から20パーセントのアルカリ金属酸化物と、1から30重量パーセントのBと、0から0.5重量パーセントのイオウ(例えば、イオウ元素として)と、0から25重量パーセントの二価金属酸化物(例えば、CaO、MgO、BaO、SrO、ZnO、若しくはPbO)と、0から10重量パーセントのSiO以外の四価金属酸化物(例えば、TiO、MnO、又はZrO)と、0から20重量パーセントの三価金属酸化物(例えば、Al、Fe、又はSbと、0から10重量パーセントの五価原子酸化物(例えば、P又はV)と、0から5重量パーセントのフッ素(フッ化物として)を含む。一実施形態では、供給原料は、485gのSiO(US Silica,West Virginia,USAから入手)、590μmよりも90%小さい114gのNaO.2B、44μmよりも90%小さい161gのCaCO、29gのNaCO、74μmよりも60%小さい3.49gのNaSO、及び840μmよりも90%小さい10gのNaを含む。別の実施形態では、供給原料は、68.02%のSiO、7.44%のNaO、11.09%のB、12.7%のCaCO、及び0.76%のPを含む。
【0024】
追加の成分が供給原料組成物において有用であり、例えば、特定の性質又は特徴(例えば、硬度又は色)を結果として得られる中空微小球に寄与するために供給原料中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、上述の供給原料組成物は、本質的に発泡剤を含まない。本明細書で使用される「本質的に発泡剤を含まない」という語句は、供給原料組成物の総重量に基づいて、0.12重量%未満の発泡剤を意味する。一実施形態では、供給原料は、供給原料組成物の総重量に基づいて、約0.12重量%以下のイオウを含む。別の実施形態では、供給原料は、供給原料組成物の総重量に基づいて、約0重量%のイオウを含む。
【0025】
供給原料は、所望の寸法の中空微小球を形成するのに好適な粒径の供給原料を生成するために、典型的には、粉砕され、かつ任意で分類される。供給原料を粉砕するのに好適な方法には、例えば、ビーズ若しくはボールミル、アトライターミル、ロールミル、ディスクミル、ジェットミル、又はそれらの組み合わせを用いるミリングが含まれる。例えば、中空微小球を形成するのに好適な粒径の供給原料を調製するために、供給原料は、ディスクミルを用いて粗く粉砕され(例えば、砕かれ)、その後にジェットミルを用いて細かく粉砕され得る。ジェットミルには、他の種類も使用され得るが、概して、3つの種類、すなわち、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、及び対向ジェットミルがある。
【0026】
スパイラルジェットミルには、例えば、Sturtevant,Inc.,Hanover,Massachusettsからの商標名「MICRONIZER JET MILL」で、The Jet Pulverizer Co.,Moorestown,New Jerseyから商標名「MICRON−MASTER JET PULVERIZER」で、及びFluid Energy Processing and Equipment Co.,Plumsteadville,Pennsylvaniaから商標名「MICRO−JET」で、入手可能なものが含まれる。スパイラルジェットミルにおいて、平円筒研磨チャンバは、ノズルリングで包囲される。研磨される材料は、インジェクタによって粒子としてノズルリングの内部に導入される。圧縮流体のジェットは、ノズルを通って拡大し、粒子を加速させ、相互衝突による寸法減少を引き起こす。
【0027】
流動床ジェットミルは、例えば、Netzsch Inc.,Exton,Pennsylvaniaから商標名「CGS FLUIDIZED BED JET MILL」で、Fluid Energy Processing and Equipment Co.から商標名「ROTO−JET」で、及びHosokawa Micron Powder Systems,Summit,New Jerseyから商標名「Alpine Model 100 APG」で、入手可能である。この種の機械の下方部分は、研磨領域である。研磨領域内のノズルを研磨するリングは、中心に向かって集中され、研磨流体は、粉砕される材料の粒子を加速させる。寸法減少は、材料の流動床内で起こり、この技術は、エネルギー効率を大いに改善し得る。
【0028】
対向ジェットミルは、少なくとも2つの対向ノズルが粒子を加速させ、それらを中心で衝突させることを除いて、流動床ジェットミルに類似している。対向ジェットミルは、例えば、CCE Technologies,Cottage Grove,Minnesotaから商業的に入手され得る。
【0029】
いったん供給原料が粉砕されると、分配システム、加熱システム、真空システム、及びコレクタを含む、今般開示される装置内に供給される。図1及び図2を参照すると、開示された装置10のうちの2つの代表的な実施形態が示される。
【0030】
図1及び図2に示される装置10は、細長いハウジング20を有する分配システム12を含む。細長いハウジング20は、水平方向の壁24よりも長い垂直方向の壁22を有する。細長いハウジング20の寸法及び形状は、そこを通って分配される供給原料の種類及び容積に応じて選択される。例えば、細長いハウジング20は、球状に成形され得る。図1に示される代表的な細長いハウジング20は、球状であり、約3.81cmの直径を有する。図2に示される代表的な細長いハウジング20は、球状であり、約5.08cmの直径を有する。細長いハウジング20は、供給原料32、例えば、金属、ガラス、樹脂等、及びそれらの組み合わせ等の材料を分配するのに好適な任意の材料で作製され得る。例えば、図1に示される細長いハウジング20は、完全にガラスで構成され、図2に示される細長いハウジング20は、ガラス製の垂直方向の壁22及び金属製の水平方向の壁24を含む。
【0031】
細長いハウジング20は、細長いハウジング20内に垂直に中心に配置される中空内管26も含む。中空内管26の寸法及び形状は、そこを通って分配される供給原料32の種類及び容積に応じて選択される。例えば、中空内管26は、球状に成形され得る。図1に示される代表的な中空内管26は、球状であり、約1.27cmの直径を有する。図2に示される代表的な中空内管26は、球状であり、約2.54cmの直径を有する。中空内管26は、粒子又は供給原料32がそこを通過し得るように、上端部28及び下端部30で開口している。図2に示されるように、細長いハウジング20が、細長いハウジング29を含み、垂直に延在する突出部29と中空内管26の上端部28との間に間隙31を提供するために、細長いハウジング20の頂部から中空内管26の上端部28の直上まで垂直に延在する突出部29が延在する。中空内管26は、供給原料32、例えば、金属、ガラス、樹脂等、及びそれらの組み合わせ等の材料を分配するのに好適な任意の材料で作製され得る。例えば、図1に示される中空内管26は、完全にガラスで構成され、図2に示される中空内管26は、完全に金属で構成される。
【0032】
細長いハウジング20は、ネック34も含む。ネック34は、図1の供給原料32を受容するための入口を画定し、担体ガスは、供給原料32を流動化させ、かつ装置10内の中空内管内に移動させるために使用される。ネック34は、分配システム12の垂直方向の壁22の底部付近又は分配システム12水平方向の壁24に位置付けられ得る。例えば、図1に示されるネック34は、加熱システム14に最も近い垂直方向の壁22の一部に沿って位置付けられ、開口部36及び水平方向に延在する壁38を含む。図2に示される代表的なネック34は、水平方向の壁24の一部に沿って位置付けられ、開口部36及び垂直に延在する壁40を含む。図2に示される分配システム12は、2つのネック34を有するか、あるいは底部の一部に更に沿った水平方向の壁24を有し得る。図2に示される代表的なネック34は、オリフィス様に小さい。図2に示される供給原料32を受容するための入口35は、水平方向の壁24の頂部に位置付けられる。
【0033】
中空内管26の下端部30は、加熱システム14への入口44に動作可能に取り付けられる。装置10は、中空内管26の下端部30と加熱システム14への入口44との間にトランジション42を含み得る。中空内管26の下端部30と加熱システム14への入口44との間のトランジション42が、周囲空気の装置10へ導入を回避するために密封されることが望ましい。例えば、中空内管26の下端部30と加熱システム14への入口44との間のトランジション42は、動作中に周囲空気が装置に進入することを阻止するために、Oリング又は任意の他の種類の従来のガスケット材料で密封され得る。
【0034】
装置10は、加熱システム14を含む。任意の市販の加熱システム、例えば、Thermal Technology Inc.,California,USAから市販されているファーネスモデル「Astro 1100−4080 MI」等が使用され得る。当業者は、加熱システム14内の温度が、供給原料32に使用される材料の種類等の種々の要因に依存することを理解し得る。今般開示される方法では、加熱システム14内の温度は、ガラス軟化温度以上の温度で維持されるべきである。実施形態では、加熱システム14内の温度は、約1300℃を超える温度で維持される。代表的な温度には、約1300℃を超える、約1410℃を超える、約1550℃を超える、約1560℃を超える、約1575℃を超える、約1600℃を超える、及び約1650℃を超える、温度が含まれる。
【0035】
装置10は、加熱システム14内に真空を提供する真空システム16(図示されず)も含む。任意の市販の真空システムが使用され得る。真空システム16は、空気ライン、液体ライン等の配管ラインを介して加熱システム14に接続される、スタンドアロンシステムであり得る。真空システム16は、加熱システム14、コレクタ18、又はそれら両方にも統合され得る。例えば、Master Appliances Corp.Wisconsin,USAから、商標名「Master Heat Gun」で市販されている冷気送風機は、加熱システム14内に直接組み込まれ得る。これらの冷気送風機は、加熱システム14への入口、加熱システム14への出口、コレクタ18への入口、又はそれらの組み合わせでの空気冷却を提供し得る。今般開示される加熱システム14内で、約6,773Pa(2inHg)未満の絶対内圧を維持することが望ましい。他の利点の中でも、加熱システム14内で約6,773Pa(2inHg)未満の絶対内圧を維持することは、本質的に発泡剤を含まない供給原料32を用いる場合に、今般開示される中空微小球を作製する方法において有用である。
【0036】
装置10は、形成された中空微小球がその中で収集されるコレクタ18も含み得る。コレクタ18の入口48は、加熱システム14の出口46に動作可能に取り付けられる。コレクタ18と加熱システム14との間の接続が、装置10への周囲空気の導入を回避するために密封されることが望ましい。例えば、コレクタ18と加熱システム14との間の接続は、動作中に周囲空気が装置に進入することを阻止するために、Oリング又は任意の他の種類の従来のガスケット材料で密封され得る。当業者は、コレクタ18が、その中に収集される中空微小球の寸法、形状、及び容積、その中への真空システム14の統合、装置10の動作温度等の種々の要因に応じて、多数の方法で設計され得ることを理解し得る。
【0037】
依然として図1及び図2を参照して、今般開示される中空微小球の作製方法の間に、粒子又は供給原料32は、担体ガスを用いて装置10内に供給され、担体ガスは、任意の不活性ガスであり得る。当業者は、担体ガスの流量が、例えば、装置10内に供給される供給原料の寸法、形状、及び容積、装置10内の所望の圧力等の種々の要因に基づいて選択されることを理解し得る。担体ガスの流量は、中空内管26の上端部28の開口部内に供給原料32を導入するのに十分であるべきである。次に、供給原料32は、真空システム16によって加熱システム14内に作られる真空により、加熱システム14に向かって引き寄せられる。いったん加熱システム14内で、供給原料32は、中空微小球になる。一実施形態では、中空微小球は、加熱システム14を通って重力を介して自由落下し、加熱システム14内の出口46を出ることができる。別の実施形態では、中空微小球は、加熱システム14内で維持される真空よりも高いコレクタ18内の真空を介して、加熱システム14内の出口46を通ってコレクタ18内に引き寄せられ得る。コレクタ18内に収集された中空微小球は、コレクタ18内の出口50を通って装置10から分配され得る。代替的に、コレクタ18は、装置10から形成された中空微小球を排出するために、装置10から取り外し可能であり得る。
【0038】
今般開示される方法を用いて作製される中空微小球は、比較的低い密度を有する。いくつかの実施形態では、今般開示される中空微小球は、約1.3g/mL未満の密度を有する。いくつかの実施形態では、今般開示される中空微小球は、約0.8g/mL未満の密度を有する。更に他の実施形態では、今般開示される中空微小球は、約0.5g/mL未満、約0.4g/mL未満、約0.3g/mL未満、又は約0.2g/mL未満の密度を有する。
【0039】
今般開示される方法を用いて作製される中空微小球は、比較的高い強度を有する。いくつかの実施形態では、今般開示される中空微小球は、約350psi(2.41MPa)を超える強度を有する。いくつかの実施形態では、今般開示される中空微小球は、約1500psi(10.34MPa)を超える強度を有する。更に他の実施形態では、今般開示される中空微小球は、約2500psi(17.24MPa)を超える、約5000psi(34.47MPa)を超える、約10,000psi(68.95MPa)を超える、又は約15,000psi(103.42MPa)を超える強度を有する。
【0040】
今般開示される方法を用いて作製される中空微小球は、実質的に単一セル構造を有する。本明細書で使用される「実質的に」という用語は、今般開示される方法を用いて作製される中空微小球の大多数が、単一セル構造を有することを意味する。本明細書で使用される「単一セル構造」という用語は、それぞれの中空微小球が、それぞれの個々の中空微小球中に存在する、追加の外側の壁、部分球体、同心球体等を有さない1つの外壁のみで画定されることを意味する。代表的な単一セル構造は、図3及び図4に示される光学画像に示される。
【0041】
以下は、本開示のいくつかの代表的な実施形態である:
1.供給原料を、前記供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、前記加熱する工程が、真空下で行われる、方法。
【0042】
2.前記供給原料が、分配システムを含む方法によって提供される、請求項1に記載の方法。
【0043】
3.前記分配システムが細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、内部で垂直に中心に配置される中空内管を備える、請求項2に記載の方法。
【0044】
4.中空内管が、上端部と、下端部と、を有し、上端部及び下端部が、完全に開口している、請求項3に記載の方法。
【0045】
5.前記中空内管が、上端部と、下端部と、を有し、更に、垂直に延在する突出部が、前記細長いハウジングの頂部から前記中空内管の上端部の直上まで延在する、請求項3又は4に記載の方法。
【0046】
6.前記細長いハウジング内で供給原料を流動化させることと、担体ガスを用いて前記中空内管内に供給原料を導入することを更に含む、請求項3、4、又は5のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
7.コレクタ内に、形成された中空微小球を収集する工程を更に含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【0048】
8.真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
9.真空が、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【0050】
10.供給原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【0051】
11.供給原料が、
(a)50重量%と90重量%の間のSiOと、
(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物と、
(c)1重量%と30重量%の間のBと、
(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、
(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、
(f)0重量%と10重量%の間のSiO以外の四価金属酸化物と、
(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、
(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、
(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【0052】
12.供給原料を供給原料の軟化温度以上の温度になるまで加熱する工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【0053】
13.供給原料を、前記供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、前記加熱が真空下で行われる工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球。
【0054】
14.真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項13に記載の中空微小球。
【0055】
15.真空が、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項13に記載の中空微小球。
【0056】
16.供給原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む、請求項13、14、又は15のいずれか一項に記載の中空微小球。
【0057】
17.供給原料が、
(a)50重量%と90重量%の間のSiOと、
(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物と、
(c)1重量%と30重量%の間のBと、
(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、
(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、
(f)0重量%と10重量%の間のSiO以外の四価金属酸化物と、
(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、
(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、
(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、
を含む、請求項13、14、15、又は16のいずれか一項に記載の中空微小球。
【0058】
18.供給原料が、分配システムを含む方法によって提供される、請求項13、14、15、16、又は17のいずれか一項に記載の中空微小球。
【0059】
19.前記分配システムが細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、内部で垂直に中心に配置される中空内管を備え、前記中空内管が上端部と下端部とを有し、更に、前記細長いハウジングの頂部から前記中空内管の前記上端部の直上まで垂直に延在する突出部が延在する、請求項18に記載の中空微小球。
【0060】
20.前記細長いハウジング内で供給原料を流動化させることと、担体ガスを用いて前記中空内管内に供給原料を導入することを更に含む、請求項19に記載の中空微小球。
【0061】
限定はしないが、以下の特定の実施例は、本発明を説明するために供されるであろう。これらの実施例では、全ての量は、別途明記されない限り、重量部で表される。
【0062】
装置
ファーネスモデル(Thermal Technology Inc.,California,USAによって商品化された)「Astro 1100−4080 MI」を、粒子又は供給原料が加熱システムを通って自由落下するように、上部及び下部ヒースを除去することによって内側のチャンバ(インプレート)を修正したことを除いて、以下の実施例において加熱システムとして用いた。3つの冷気送風機(Master Appliances Corp.,Wisconsin,USAによって商品化された商標名「Master Heat Gun」)を、機械的クランプを用いて加熱システムの構造に固定し、1つの冷気送風機を、供給開口部付近の加熱システムの上部に設置し、2つの冷気送風機を、加熱システムの底部に設置し、収集開口部で空気を送風した。加熱システムの上部に設置された供給開口部を、分配システムを所定の位置に保持するために、Oリングシールを加えることにより修正した。
【0063】
試験方法
平均粒子密度決定
Micromeritics,Norcross,Georgiaから入手された商標名「Accupyc 1330 Pycnometer」で完全に自動化されたガス置換比重瓶を用いて、ASTM D2840−69「中空微小球の平均の真の粒子密度」に従って微小球の密度を決定した。
【0064】
浮遊密度は、任意の重い微小球、又は「シンカー」を除去するための水浮遊工程を経る試料から測定される。
【0065】
粒径の決定
粒径分布を、Beckman Coulter,Fullerton,Californiaから入手可能な商標名「Coulter Counter LS−130」の粒径分析器を用いて決定した。
【0066】
強度試験
中空微小球の試料寸法が10mLであり、中空微小球がグリセロール(20.6g)中に分散され、かつデータ整理がコンピュータソフトウェアを用いて自動化されたことを除いて、中空微小球の強度を、ASTM D3102−72「Hydrostatic Collapse Strength of Hollow Glass Microspheres」を用いて測定した。報告された値は、原料の10容量パーセントが下落する静水圧である。
【実施例】
【0067】
(実施例1から実施例4)
再生ガラス粒子(Strategic Materials Inc.,Texas,USAから入手可能)を、流動床ジェットミル(Hosokawa Micron Powder Systems,Summit,New Jerseyから商標名「Alpine Model 100 APG」で入手可能)内で粉砕し、約20μmの平均粒径を有する供給原料を得た。供給原料を、図2に示され、かつ対応する本文に記載される装置を用いて、加熱システム中に分配した。供給原料を細長いハウジングと中空内管との間に設置して、担体ガスを、1時間当たり4立方フィート(CFH)の流量及び6,773Pa(2inHg)の絶対圧で、ネックを通して注入した。供給原料は、それに印加される真空圧により、中空内管の上端部の収縮した開口部に向かって浮遊し、中空管を通って加熱システムに向かって引き寄せられた。
【0068】
原材料及びプロセス条件は、表1に列記される。
【0069】
図3は、Leica Mycrosystems of Illinois,USAから入手可能なデジタルカメラモデルHRD−060HMTに接続される顕微鏡モデル「DM LM」で撮られた、実施例1に記載されるように調製された再生ガラス中空微小球の光学画像である。図3に示される中空微小球は、実質的に単一セル構造を有する。
【0070】
中空微小球の形成後、密度及び強度を測定した。結果は、表1にも示される。実施例1において、浮遊密度を測定した。
【0071】
【表1】

(実施例5及び実施例6)
実施例5及び実施例6を、参照により明細書に組み込まれる、PCT特許出願第WO2006062566号に記載されるように得られた供給原料を用いて調製した。供給原料は、485gのSiO(US Silica,West Virginia,USAから入手)、590μmよりも90%小さい114gのNaO.2B(US Borax,California,USAから入手)、44μmよりも90%小さい161gのCaCO(Imerys,Alabama,USAから入手)、29gのNaCO(FMC Corp.,Wyoming,USAから入手)、74μmよりも60%小さい3.49gのNaSO(Searles Valley Mineral,California,USAから入手)、及び840μmよりも90%小さい10gのNa(Astaris,Missouri,USAから入手)を含んだ。ガラス供給原料の全体のイオウ濃度は、0.12%であった。
【0072】
供給原料を、実施例1から実施例4に記載される流動床ジェットミル内で粉砕し、約13μmの平均粒径を有する供給原料を得た。供給原料を、図2に示され、かつ対応する本文に記載される装置を用いて、実施例1から実施例4に記載される加熱システム内に分配した。図4は、実施例5に記載されるように調製されたガラス微小球の光学画像である。
【0073】
温度を、携帯型高温計(商標名「Mikraon M90−31」でMikron Infrared,California,USAから入手可能)を用いて測定した。
【0074】
プロセス条件及び試験結果は、以下の表2に示される。
【0075】
【表2】

(実施例7)
供給原料を、硫酸ナトリウムを使用しなかったことを除いて、実施例5に記載されるように調製した。総重量に基づく供給原料の組成物は、68.02%のSiO、7.44%のNaO、11.09%のB、12.7%のCaCO及び0.76%のPであった。供給原料を、平均粒径が約20μmになるまで、流動床ジェットミル内で供給原料を粉砕することによって生成した。実施例7に記載されるように調製された中空微小球は、0重量%のイオウ濃度を有した。
【0076】
供給原料を、図1に示され、かつ対応する本文に記載される装置を用いて、加熱システム内に分配した。供給原料を細長いハウジングの内部に設置して、担体ガスを、1時間当たり4立方フィート(CFH)の流量及び6,773Pa(2inHg)の絶対圧で、ネックを通して注入した。供給原料は、それに印加される真空圧により、中空内管の上端部に向かって浮遊し、中空管を通って加熱システムに向かって引き寄せられた。プロセス条件及び試験結果は、以下の表3に示される。
【0077】
【表3】

(実施例8)
パーライトの粒子(Redco II,California,USAから入手可能)を、平均粒径が約25μmになるまで、実施例1から実施例4に記載される流動床ジェットミルを用いて粉砕した。粉砕された粒子を、400メッシュ及び200メッシュステンレス製スクリーン(McMaster−Carr,Illinois,USAから入手可能)を用いて分類した。200から400メッシュの平均粒径を有する粒子を、ヒュームドシリカ(商標名「Cab−O−Sil TS−530」でCabot Corporation,Massachusetts,USAから入手可能)と1重量%比で混合した。パーライト及びヒュームドシリカ粒子を、33,864Pa(10inHg)の絶対圧を用いたことを除いて、図2に示され、かつ対応する本文に記載される装置を用いて、加熱システム内に分配した。
【0078】
図5は、実施例8に記載されるように調製されたパーライト中空微小球の光学画像である。プロセス条件及び試験結果は、以下の表4に示される。
【0079】
【表4】

比較実施例A
比較実施例Aは、火炎形成プロセスを用いて作製される、3M Companyから市販されている商標名「3M Glass Bubbles K1」の中空微小球を含む。火炎形成プロセス前の供給原料中の全イオウ含有量は、供給原料の総重量に基づいて、0.47重量%イオウであった。中空微小球の性質は、以下の表5に示される。中空微小球の粒径分布は、以下の表6に示される。
【0080】
【表5】

【0081】
【表6】

本発明の様々な改変及び変更が、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかとなるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給原料を、前記供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱する工程を含む、中空微小球を形成する方法であって、前記加熱する工程が、真空下で行われる、方法。
【請求項2】
前記供給原料が、分配システムを含む方法によって提供される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分配システムが、細長いハウジングであって、その中で垂直に中心に配置される中空内管を有する、細長いハウジングを備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記中空内管が、上端部と、下端部と、を有し、前記上端部及び下端部が、完全に開口している、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記中空内管が、上端部と、下端部と、を有し、更に、垂直に延在する突出部が、前記細長いハウジングの頂部から前記中空内管の前記上端部の直上まで延在する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記細長いハウジング内で供給原料を流動化させる工程と、担体ガスを用いて前記中空内管内に供給原料を導入する工程と、を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
コレクタ内に形成された中空微小球を収集する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記真空が、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記供給原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記供給原料が、
(a)50重量%と90重量%の間のSiOと、
(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物と、
(c)1重量%と30重量%の間のBと、
(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、
(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、
(f)0重量%と10重量%の間のSiO以外の四価金属酸化物と、
(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、
(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、
(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記供給原料を、前記供給原料の軟化温度以上の温度になるまで加熱する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
供給原料を、前記供給原料の少なくとも一部を中空微小球に変換するのに十分な条件下で加熱し、前記加熱が真空下で行われる工程を含む方法を用いて作製される、中空微小球。
【請求項14】
前記真空が、6,773Pa(2inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項13に記載の中空微小球。
【請求項15】
前記真空が、33,864Pa(10inHg)以下の絶対圧で維持される、請求項13に記載の中空微小球。
【請求項16】
前記供給原料が、ガラス、再生ガラス、及びパーライトから選択される少なくとも1つを含む、請求項13に記載の中空微小球。
【請求項17】
前記供給原料が、
(a)50重量%と90重量%の間のSiOと、
(b)2重量%と20重量%の間のアルカリ金属酸化物と、
(c)1重量%と30重量%の間のBと、
(d)0重量%と0.5重量%の間のイオウと、
(e)0重量%と25重量%の間の二価金属酸化物と、
(f)0重量%と10重量%の間のSiO以外の四価金属酸化物と、
(g)0重量%と20重量%の間の三価金属酸化物と、
(h)0重量%と10重量%の間の五価原子酸化物と、
(i)0重量%と5重量%の間のフッ素と、を含む、請求項13に記載の中空微小球。
【請求項18】
前記供給原料が、分配システムを含む方法によって提供される、請求項13に記載の中空微小球。
【請求項19】
前記分配システムが細長いハウジングを含み、前記細長いハウジングは、内部で垂直に中心に配置される中空内管を備え、前記中空内管が上端部と下端部とを有し、更に、前記細長いハウジングの頂部から前記中空内管の前記上端部の直上まで垂直に延在する突出部が延在する、請求項18に記載の中空微小球。
【請求項20】
前記細長いハウジング内で供給原料を流動化させることと、担体ガスを用いて前記中空内管内に供給原料を導入することを更に含む、請求項19に記載の中空微小球。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−514965(P2013−514965A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546027(P2012−546027)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/060229
【国際公開番号】WO2011/084407
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】