説明

中継コネクタ

【課題】小型で簡単な操作で基板10に同軸コネクタ34を電気的接続させ、また取り外せる中継コネクタを提供する。
【解決手段】第1と第2の操作レバー20、22を揺動自在とし、第1と第2の操作レバー20、22の一端側にそれぞれ配設した導電材からなる基板GNDブロック26と外郭GNDブロック32を、揺動に伴い接近分離方向に移動させる。外郭GNDブロック32に、同軸コネクタ34を固定する。外郭GNDブロック32に穿設した貫通孔32dに絶縁パイプ50を挿入し、これに芯線34cとプローブ52を挿入して、芯線34cにプローブ52の一端を当接させる。外郭GNDブロック32に、他端側のプランジャーを突出させてプローブ52が抜け出ないように絶縁押さえ部材54を配設する。基板GNDブロック26と外郭GNDブロック32を電気的接続する。基板10を、基板GNDブロック26と外郭GNDブロック32で挟む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の検査等のために、基板の表面に設けられた端子電極に同軸コネクタの芯線を電気的接続するとともに基板の裏面に設けられたGND電極に前記同軸コネクタの外郭GNDを電気的接続する中継ネクターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
高周波回路基板等の設計製作において、設計途中でその特性評価を行う必要がある。そこで、基板の表面端部に設けられた端子電極に同軸コネクタの芯線を電気的接続するとともに、基板の裏面端部に設けられたGND電極に同軸コネクタの外郭GNDを電気的接続して、端子電極から得られる高周波信号に基ずいて特性評価がなされる。従来の同軸コネクタを基板に電気的接続する構造を、図9および図10を参照して簡単に説明する。図9は、従来の同軸コネクタを基板に電気的接続する構造を示す図である。図10は、従来の基板に同軸コネクタを接続する前の分解斜視図である。図9および図10において、基板10の表面端部に設けられた端子電極12、12…に同軸コネクタ(一例として、SMA型コネクタ)14、14…の芯線14a、14a…が半田付けにより電気的接続され、また基板10の裏面端部に設けられたGND電極16に同軸コネクタ14、14…の外郭GND14b、14b…が半田付けにより電気的接続される。
【0003】
図9および図10に示す構造にあっては、同軸コネクタ14、14…を基板10に電気的接続する際の半田付け作業が煩雑である。また、同軸コネクタ14、14…を基板10から取り外す際の半田を溶融する作業も煩雑である。しかも、半田付けおよび半田を溶融する際に、同軸コネクタ14の構成部品である樹脂部材からなる誘電体部材に熱が加わり、誘電体部材の変形および電気的特性変化を生ずる虞があり、繰り返して使用できる回数が限られていて経済的的でない。
【0004】
そこで、半田付けすることなしに同軸コネクタを基板に電気的接続する技術が、USP5017865号公報に示されている。この技術を簡単に説明すれば、導電材からなるブロックに同軸コネクタの外郭GNDを固定するとともに、このブロックの一面から電気的に絶縁状態で同軸コネクタの芯線を突出させ、さらにブロックのこの一面に沿って移動し得る導電材からなる移動部材を設けて構成される。そして、移動部材に基板を搭載した状態で、この移動部材を芯線側に移動させ、基板の表面端部に設けられた端子電極を芯線に当接させて電気的接続を得るとともに、基板の裏面端部に設けられたGND電極が移動部材に搭載されているのでこの移動部材とブロックを介して外郭GNDに電気的接続が得られる。半田付けすることなしに、同軸コネクタを基板に電気的接続することができる。
【特許文献1】USP5017865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のUSP5017865号公報に示された技術にあっては、基板を搭載する移動部材を、同軸コネクタの芯線側に移動させる構造が複雑であり、装置全体としてかなり大きなものとなっている。より小型で、基板に対してより簡単に同軸コネクタを取り付けおよび取り外しのできるものが望ましい。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、小型であるとともに簡単な操作で基板に同軸コネクタを電気的接続できるとともに、簡単に取り外すことのできるようした中継コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するために、本発明の中継コネクタは、基板の表面端部に設けられた端子電極に同軸コネクタの芯線を電気的接続するとともに前記基板の裏面端部に設けられたGND電極に前記同軸コネクタの外郭GNDを電気的接続する中継ネクターであって、第1の操作レバーに第2の操作レバーを揺動軸により揺動自在に配設し、前記第1の操作レバーの前記揺動軸に対して一方側に導電材からなる基板GNDブロックを固定し、前記第2の操作レバーの前記揺動軸に対して一方側で前記基板GNDブロックに臨んで前記第2の操作レバーの揺動に伴い接近分離方向に移動するように導電材からなる外郭GNDブロックを連結し、前記第1の操作レバーと前記第2の操作レバーの間で前記揺動軸に対して他方側に弾性部材を縮設して前記基板GNDブロックに前記外郭GNDブロックを当接させる方向に弾性付勢し、前記外郭GNDブロックに前記接近分離方向に貫通孔を穿設して絶縁パイプを挿入し、この絶縁パイプにプローブを挿入してその一端を前記芯線の先端面に当接させ、前記外郭GNDブロックの前記基板GNDブロックと反対側の面に前記同軸コネクタの外郭GNDを固定するとともに電気的接続し、前記外郭GNDブロックの前記基板GNDブロック側の面に前記絶縁パイプに挿入された前記プローブを他端側のプランジャーを突出させた状態で前記プローブが抜け出ないように絶縁押さえ部材を配設し、さらに前記基板GNDブロックと前記外郭GNDブロックを電気的接続して構成されている。
【0008】
また、前記外郭GNDブロックに前記接近分離方向に穿設したガイド孔に、前記基板GNDブロックに前記接近分離方向に立設した直線状のガイド部材を挿入して、前記外郭GNDブロックが前記基板GNDブロックに対して前記接近分離方向の直線状に移動するようになし、前記第2の操作レバーの前記一方側の先端部に連結部材を連結し、この連結部材を前記外郭GNDブロックに固定し、前記第2の操作レバーと前記連結部材を前記揺動軸に平行な第2の揺動軸とこの第2の揺動軸が挿入される前記接近分離方向と略直交方向に長い長孔により連結して、前記第2の操作レバーの揺動により前記外郭GNDブロックが直線状に移動するように構成しても良い。
【0009】
そして、前記基板GNDブロックに導電材からなる板バネを固定し、この板バネを前記外郭GNDブロックに対して前記接近分離方向に摺動自在に弾接させて、前記基板GNDブロックを前記外郭GNDブロックに電気的接続するように構成しても良い。
【0010】
さらに、前記プローブを挿通する前記絶縁パイプを、前記同軸コネクタの前記芯線を囲む誘電体部材と同じ誘電率の素材で構成しても良い。
【0011】
そしてまた、前記同軸コネクタの前記芯線を囲む誘電体部材が前記外郭GNDの取付面より突出していて、この突出部分を前記外郭GNDブロックに穿設した前記貫通孔に挿入するように構成しても良い。
【0012】
さらにまた、前記同軸コネクタの前記芯線の先端側を前記絶縁パイプに挿入し、前記絶縁パイプ内で前記芯線の先端面に前記プローブの一端が当接するように構成しても良い。
【0013】
そしてさらに、前記中継コネクタの横幅を、前記同軸コネクタの横幅の寸法と同じに構成しても良い。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の中継コネクタにあっては、弾性部材の弾力に抗して、第1の操作レバーと第2の操作レバーを握って、基板GNDブロックと外郭GNDブロックの間を開き、この間に基板を挿入して握りを緩めれば、基板GNDブロックと外郭GNDブロックで基板が挟まれ、同軸コネクタの芯線がプローブを介して基板表面に設けた端子電極に当接され、また外郭GNDが基板裏面に設けたGND電極に当接されて、それぞれ電気的接続される。また、弾性部材の弾力に抗して、第1の操作レバーと第2の操作レバーを再び握って、基板GNDブロックと外郭GNDブロックの間を開き、基板を取り外す。もって、簡単に、基板を同軸コネクタに電気的接続させることができるとともに、簡単に取り外しすることができる。
【0015】
また、請求項2記載の中継コネクタにあっては、第2の操作レバーの揺動により、外郭GNDブロックが基板GNDブロックに対して接近分離方向の直線状に移動するようにしたので、基板に対して外郭GNDブロックが直交方向に移動し、基板の端子電極に当接したプローブが横にずれて、破損を生ずるようなことがない。
【0016】
そして、請求項3記載の中継コネクタにあっては、基板GNDブロックに対して外郭GNDブロックが接近分離方向に移動するが、基板GNDブロックに固定した導電材からなる板バネを外郭GNDブロックに摺動自在に弾接させているので、基板GNDブロックと外郭GNDブロックを確実に電気的接続することができる。
【0017】
さらに、請求項4記載の中継コネクタにあっては、芯線を囲む誘電体部材と同じ誘電率の素材でプローブが挿入される絶縁パイプが構成されているので、芯線からプローブに渡りインピーダンスを同じ値に設定するのが容易である。
【0018】
そしてまた、請求項5記載の中継コネクタにあっては、同軸コネクタの芯線を囲む誘電体部材が外郭GNDの取付面より突出していて、この突出部分を外郭GNDブロックに穿設した貫通孔に挿入するので、芯線を囲む誘電体部材が突出している部分を容易に同軸構造にすることができるとともに、外郭GNDブロックに対し同軸コネクタを容易かつ確実に位置決めすることができる。
【0019】
さらにまた、請求項6記載の中継コネクタにあっては、同軸コネクタの芯線の先端側を絶縁パイプに挿入し、絶縁パイプ内で芯線の先端面にプローブの一端が当接するようにしたので、芯線の先端面にプローブの一端を簡単な構造で確実に当接させることができる。
【0020】
そしてさらに、請求項7記載の中継コネクタにあっては、中継コネクタの横幅が同軸コネクタの横幅と同じに形成されているので、同軸コネクタを基板に配設できる最大の密度で、本発明の中継コネクタを基板に配設することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施例を図1ないし図7を参照して説明する。図1は、本発明の中継コネクタの第1実施例の外観図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は左側面図である。図2は、図1の主要部分の分解斜視図である。図3は、図1のA−A断面矢視図である。図4は、第1の操作レバーと第2の操作レバーを握った状態で基板を挿入した一部切り欠き断面図である。図5は、基板を挿入した後に第1の操作レバーと第2の操作レバーの握りを緩めて基板を挟んだ状態の一部切り欠き断面図である。図6は、絶縁パイプが配設される部分の構造を示す一部切り欠き拡大断面図である。図7は、板バネを配設する構造を示す部分の分解斜視図である。図1ないし図7において、図9および図10と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0022】
図1ないし図7において、本発明の中継コネクタの第1実施例にあっては、第1の操作レバー20に第2の操作レバー22が、揺動軸24により揺動自在に配設される。そして、第1の操作レバー20の揺動軸24に対して一方側の端部に、導電材からなる基板GNDブロック26がネジで固定される。この基板GNDブロック26は、基板受け部26aが移動保持部26bにネジで固定されて構成される。また、第2の操作レバー22の揺動軸24に対して一方側の端部に揺動軸24と平行な第2の揺動軸28により連結部材30が連結される。この連結部材30に導電材からなる外郭GNDブロック32がネジで固定される。なお、この外郭GNDブロック32は、基板GNDブロック26に臨む位置に配設される。そして、外郭GNDブロック32の基板GNDブロック26と反対側の面に同軸コネクタ(一例として、SMA型コネクタ)34が固定される。この同軸コネクタ34は、外郭GND34aがネジで外郭GNDブロック32に固定されるとともに電気的接続される。さらに、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22との間で、揺動軸24に対して他方側に弾性部材としての弾性バネ36が縮設され、基板GNDブロック26に対して外郭GNDブロック32が当接する方向に弾性付勢される。
【0023】
第1の操作レバー20と第2の操作レバー22には、図3に示すごとく、ネジとナットによりバネ受け部材38、40がそれぞれ固定されて、これらのより弾性バネ36の両端部の位置が固定される。そして、揺動軸24は、第2の操作レバー22の断面コ字状の内側に設けたEリング42により軸方向への移動が規制されている。また、連結部材30には、第2の揺動軸28が挿入される長孔30aが穿設されていて、第1の操作レバー20に対する第2の操作レバー22の揺動で、基板GNDブロック26に対して外郭GNDブロック32が直線状で接近分離方向に移動できるように構成されている。ここで、図2に示すごとく、基板GNDブロック26の移動保持部26bに、外郭GNDブロック32の接近分離方向に直線状のガイド部材44、44が立設され、外郭GNDブロック32の接近分離方向に貫通して穿設されたガイド孔32a、32aに挿入されて、基板GNDブロック26に対して外郭GNDブロック32が接近分離方向に直線状に移動するように構成されている。
【0024】
また、基板GNDブロックの移動保持部26bには、凹状の溝が設けられ、外郭GNDブロック32にはこの凹状の溝に嵌合挿入し得る凸状部32bが設けられる。また、基板GNDブロック26の基板受け部26aには、図7に示すごとく、導電性を有する板バネ46を収容し得る凹部が設けられ、この凹部に板バネ46が収容されてネジで固定される。板バネ46が固定された状態で、基板受け部26aが移動保持部26bに固定される。しかも、移動保持部26bの凹状の溝に、外郭GNDブロック32の凸状部32bが挿入された状態で、板バネ46がこの凸状部32bの前面32cに弾接するように構成される。
【0025】
さらに、外郭GNDブロック32には接近分離方向に貫通孔32dが貫通穿設されていて、同軸コネクタ34の外郭GND34aから突出している誘電体部材34bが貫通孔32dの開口端部に挿入された状態で、外郭GNDブロック32に同軸コネクタ34がネジで固定される。さらに、貫通孔32d内に誘電体部材34bと同じ誘電率を有する素材で形成された絶縁パイプ50が挿入される。この絶縁パイプ50には、両端に可動プランジャーを有するプローブ52が挿入される。そして、誘電体部材34bから剥き出された芯線34cの先端部分が、絶縁パイプ50の一端側に挿入されて、絶縁パイプ50内で芯線34cの先端面にプローブ52の一端側のプランジャーが弾接するようになされる。さらに、外郭GNDブロック32の基板GNDブロック26側の面に、絶縁材からなる絶縁押さえ部材54がネジにより固定されて、プローブ52の他端側のプランジャーを突出させた状態でプローブ52自体は抜け出ないようになされる。ここで、プローブ52の他端側のプランジャーが、基板GNDブロック26の基板受け部26aに臨むように配設されており、この基板受け部26aの基板10を受ける面が、プローブ52の軸方向と直交するように形成される。そして、芯線34cとプローブ52は、外郭GNDブロック32と電気的に絶縁状態となるように構成されることは、勿論である。なお、外郭GNDブロック32に穿設された貫通孔32dは、その内径が軸方向の途中で適宜に変更されて形成されている。しかも、本発明の中継コネクタの幅寸法、すなわち第1の操作レバー20と基板GNDブロック26および外郭GNDブロック32の横幅が、同軸コネクタ34の横幅の寸法と同じ、例えば12.7mmに設定される。
【0026】
かかる構成において、まず図4に示すごとく、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22を弾性バネ36の弾力に抗して強く握り、外郭GNDブロック32を基板GNDブロック26から分離させて、基板受け部26aと絶縁押さえ部材54の間を開く。そして、その間に基板10を差し込み、端子電極12にプローブ52のプランジャーが臨むように位置させる。この状態で、図5に示すごとく、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22の握りを緩め、弾性バネ36の弾力で基板受け部26aと絶縁押さえ部材54の間に基板10を挟む。すると、基板10の端子電極12にプローブ52のプランジャーが弾接し、端子電極12がプローブ52を介して同軸コネクタ34の芯線34cに電気的接続される。また、基板10のGND電極16は、基板受け部26aに搭載されているのでこれと電気的接続され、さらに板バネ46と外郭GNDブロック32を直列に介して同軸コネクタ34の外郭GND34aに電気的接続される。もって、本発明の中継コネクタにあっては、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22を握って、基板10を挟むことで、簡単に基板10の端子電極12とGND電極16を同軸コネクタ34に電気的接続させることができる。そして、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22を再び握って、挟まれた基板10を簡単に取り外すことができる。しかも、本発明の中継コネクタの横幅は、同軸コネクタ34の横幅と同じであり、基板10に対して、同軸コネクタ34を横に並べて配設できる最大の密度で、本発明の中継コネクタを配設することが可能である。
【0027】
次に、本発明の第2実施例を図8を参照して説明する。図8は、本発明の中継コネクタの第2実施例の一部切り欠き断面図である。図8において、図1ないし図7と同じまたは均等な部材には同じ符号を付けて重複する説明を省略する。
【0028】
本発明の中継コネクタの第2実施例にあっては、同軸コネクタ64の芯線64cを囲む誘電体部材が、外郭GND64aから突出しておらず、誘電体部材から剥き出された芯線64cのみが突出したものが用いられている。そこで、外郭GNDブロック32に穿設された貫通孔32dには、貫通孔32dの全長に渡り絶縁パイプ60が挿入され、外郭GND64aから突出する芯線64cが絶縁パイプ60の一端側に挿入される。そして、絶縁パイプ60に挿入されたプローブ52の一端側のプランジャーが、絶縁パイプ60内で芯線64cの先端面に弾接するようになされる。この第2実施例における絶縁パイプ60にあっては、その内径と外径が軸方向で適宜に変更されている。
【0029】
なお、上記実施例において、基板GNDブロック26に対して外郭GNDブロック32を直線状の接近分離方向に移動を規制する機構は、実施例の構造に限られず、あり溝等を用いて適宜に形成しても良い。そして、第1の操作レバー20に対する第2の操作レバー22の揺動により、外郭GNDブロック32を直線状に移動させる機構も、上記実施例のものに限られず、適宜なリンク機構等により形成しても良い。また、基板10のGND電極16が搭載される基板受け部26aを外郭GNDブロック32に電気的接続する構造は、上記実施例のごとき板バネ46を用いたものに限られず、フレキシブルな電線で電気的接続させても良く、確実な導通が得られればいかなる構造であっても良い。さらに、プローブ52は、両端に可動プランジャーを有するものに限られず、一端側に可動プランジャーを有するものであっても良い。そしてさらに、第1の操作レバー20と第2の操作レバー22の間に縮設される縮設された弾性部材は、上記実施例のごとき弾性バネ36に限れらず、板状のバネ等が用いられても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の中継コネクタの一実施例の外観図であり、(a)は正面図であり、(b)は平面図であり、(c)は左側面図である。
【図2】図1の主要部分の分解斜視図である。
【図3】図1のA−A断面矢視図である。
【図4】第1の操作レバーと第2の操作レバーを握った状態で基板を挿入した一部切り欠き断面図である。
【図5】基板を挿入した後に第1の操作レバーと第2の操作レバーの握りを緩めて基板を挟んだ状態の一部切り欠き断面図である。
【図6】絶縁パイプが配設される部分の構造を示す一部切り欠き拡大断面図である。
【図7】板バネを配設する構造を示す部分の分解斜視図である。
【図8】本発明の中継コネクタの第2実施例の一部切り欠き断面図である。
【図9】従来の同軸コネクタを基板に電気的接続する構造を示す図である。
【図10】従来の基板に同軸コネクタを接続する前の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
10 基板
12 端子電極
14、34、64 同軸コネクタ
14a、34c、64c 芯線
14b、34a、64a 外郭GND
16 GND電極
20 第1の操作レバー
22 第2の操作レバー
24 揺動軸
26 基板GNDブロック
26a 基板受け部
26b 移動保持部
28 第2の揺動軸
30 連結部材
30a 長孔
32 外郭GNDブロック
32a ガイド孔
32b 凸状部
32c 前面
32d 貫通孔
34b 誘電体部材
36 弾性バネ
38、40 バネ受け部材
42 Eリング
44 ガイド部材
46 板バネ
50、60 絶縁パイプ
52 プローブ
54 絶縁押さえ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面端部に設けられた端子電極に同軸コネクタの芯線を電気的接続するとともに前記基板の裏面端部に設けられたGND電極に前記同軸コネクタの外郭GNDを電気的接続する中継ネクターであって、第1の操作レバーに第2の操作レバーを揺動軸により揺動自在に配設し、前記第1の操作レバーの前記揺動軸に対して一方側に導電材からなる基板GNDブロックを固定し、前記第2の操作レバーの前記揺動軸に対して一方側で前記基板GNDブロックに臨んで前記第2の操作レバーの揺動に伴い接近分離方向に移動するように導電材からなる外郭GNDブロックを連結し、前記第1の操作レバーと前記第2の操作レバーの間で前記揺動軸に対して他方側に弾性部材を縮設して前記基板GNDブロックに前記外郭GNDブロックを当接させる方向に弾性付勢し、前記外郭GNDブロックに前記接近分離方向に貫通孔を穿設して絶縁パイプを挿入し、この絶縁パイプにプローブを挿入してその一端を前記芯線の先端面に当接させ、前記外郭GNDブロックの前記基板GNDブロックと反対側の面に前記同軸コネクタの外郭GNDを固定するとともに電気的接続し、前記外郭GNDブロックの前記基板GNDブロック側の面に前記絶縁パイプに挿入された前記プローブを他端側のプランジャーを突出させた状態で前記プローブが抜け出ないように絶縁押さえ部材を配設し、さらに前記基板GNDブロックと前記外郭GNDブロックを電気的接続して構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項2】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記外郭GNDブロックに前記接近分離方向に穿設したガイド孔に、前記基板GNDブロックに前記接近分離方向に立設した直線状のガイド部材を挿入して、前記外郭GNDブロックが前記基板GNDブロックに対して前記接近分離方向の直線状に移動するようになし、前記第2の操作レバーの前記一方側の先端部に連結部材を連結し、この連結部材を前記外郭GNDブロックに固定し、前記第2の操作レバーと前記連結部材を前記揺動軸に平行な第2の揺動軸とこの第2の揺動軸が挿入される前記接近分離方向と略直交方向に長い長孔により連結して、前記第2の操作レバーの揺動により前記外郭GNDブロックが直線状に移動するように構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項3】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記基板GNDブロックに導電材からなる板バネを固定し、この板バネを前記外郭GNDブロックに対して前記接近分離方向に摺動自在に弾接させて、前記基板GNDブロックを前記外郭GNDブロックに電気的接続するように構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項4】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記プローブを挿通する前記絶縁パイプを、前記同軸コネクタの前記芯線を囲む誘電体部材と同じ誘電率の素材で構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項5】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記同軸コネクタの前記芯線を囲む誘電体部材が前記外郭GNDの取付面より突出していて、この突出部分を前記外郭GNDブロックに穿設した前記貫通孔に挿入するように構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項6】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記同軸コネクタの前記芯線の先端側を前記絶縁パイプに挿入し、前記絶縁パイプ内で前記芯線の先端面に前記プローブの一端が当接するように構成したことを特徴とする中継コネクタ。
【請求項7】
請求項1記載の中継コネクタにおいて、前記中継コネクタの横幅を、前記同軸コネクタの横幅の寸法と同じに構成したことを特徴とする中継コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−145248(P2008−145248A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332240(P2006−332240)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000006758)株式会社ヨコオ (158)
【Fターム(参考)】